JP2013192483A - 飲料の微生物汚染防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸性飲料の微生物汚染を防止する方法、及び耐菌性に優れた酸性含有飲料の提供。
【解決手段】カテキン類3ppm以上とサポニン0.5〜15ppmとを添加するとともに、pHを4.6以下に調整することとを特徴とする飲料の微生物汚染防止方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲料の微生物汚染の防止に関する。
市販の飲料にとって、酵母、細菌、カビ等の微生物による腐敗を防止し、長期保存可能にすることは重要である。代表的な殺菌又は保存方法としては、加熱処理、保存料添加、無菌包装、窒素充填包装等が行われている。飲料の殺菌方法及びその耐菌性は、含有成分(例えば、糖分、果汁、アルコール、ビタミン又は微量栄養素分)、炭酸、水質、pH等の飲料の性質と、殺菌対象とする菌の種類とに影響され得る。
食品や飲料の保存性を向上させる手段の1つにpHを酸性に調整する方法がある。食品や飲料のpHの調整は、主に有機酸などの添加により行われる。そのため、保存性向上目的で使用されるこれらの有機酸は、「日持向上剤」と称される場合がある。また一部の果汁飲料、スポーツドリンク及び炭酸飲料は、酸性であるため中性の飲料よりは菌が繁殖しにくい傾向にある。
カテキン類は、体脂肪燃焼促進等の様々な生理活性を有することが従来知られている。そのため近年、健康志向の高まりとともに、カテキン含有飲料の需要が増大している。カテキン類は、大腸菌、サルモネラ属細菌、ビブリオ属細菌、シュードモナス属細菌、黄色ブドウ球菌、セバシア菌、乳酸菌、リステリア属細菌、バチルス属細菌等の種々に菌に対する抗菌効果を有するので(特許文献1〜2)、カテキン含有飲料、特にカテキン高含有飲料は、他の飲料と比べて耐菌性に優れる傾向にある。
とはいえ、酸性飲料やカテキン含有飲料にも腐敗の危険がある。例えば、各種芽胞形成菌類は、土壌中等に広く分布しているため汚染の危険性が高いうえ、通常の細菌が存在しにくい苛酷な環境でも生存できる。とりわけ、Alicyclobacillus acidoterrestrisのような耐酸性芽胞菌や、Bacillus coagulansのようなカテキン耐性芽胞菌は、市販の酸性飲料やカテキン高含有飲料においても生き残り、腐敗を引き起こす可能性がある。
サポニンは、キラヤ、ユッカ、ダイズ、茶等の植物を原料とする、主に乳化剤として使用される食品添加物である。特許文献3には、モッコク(Ternstroemia gymnanthera)由来のサポニンを含有する抗真菌剤及びそれを飲食品に配合することが記載されている。また、特許文献4には、サポニンを含む保存剤組成物を用いて、飲料及び/又は食物中のカビ、酵母及び細菌から選択される少なくとも1つの微生物の成長を阻止及び/又は減少させることが記載されている。しかし、サポニンの溶解性は低く、飲料に添加できる量は限られる。さらにサポニンは独特の苦味を有するため、飲食品に多量に添加することは風味の点で好ましくない。従って、サポニン単独で飲食品の微生物汚染を十分に防止することは難しいと考えられている。
特開2008−173050号公報 特開2008−174487号公報 特開2008−013520号公報 特表2009−536822号公報
本発明は、カテキン含有飲料の抗菌性を向上させて、該飲料における微生物の増殖を抑制することにより、その微生物汚染を防止する方法の提供、及び耐菌性に優れたカテキン含有飲料を提供することに関する。
本発明者らは、カテキン含有飲料を酸性に調整してサポニンを添加することにより、低用量のサポニンを添加するだけで該飲料における微生物増殖を抑制することができること、したがって飲料に酸性下でカテキンとサポニンとを併用することにより、該飲料の微生物汚染及び腐敗を効果的に防止することができることを見出した。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)カテキン類3ppm以上とサポニン0.5〜15ppmとを添加するとともに、pHを4.6以下に調整することとを特徴とする飲料の微生物汚染防止方法。
(2)カテキン類添加量が600ppm以上である(1)記載の方法。
(3)サポニン添加量が1〜12.5ppmである(1)又は(2)記載の方法。
(4)飲料のpHが2.5〜4.6である(1)〜(3)のいずれか1に記載の方法。
(5)微生物が耐酸性芽胞形成菌類又はカテキン耐性芽胞形成菌類である(1)〜(4)のいずれか1に記載の方法。
(6)微生物がAlicyclobacillus acidoterrestris又はBacillus coagulansである(1)〜(5)のいずれか1に記載の方法。
(7)カテキン類3ppm以上とサポニン0.5〜15ppmとを含有し、且つpH4.6以下であることを特徴とするカテキン含有飲料。
(8)カテキン類含量が600ppm以上である(7)記載の飲料。
(9)サポニン含量が1〜12.5ppmである(7)又は(8)記載の飲料。
(10)飲料のpHが2.5〜4.6である(7)〜(9)のいずれか1に記載の飲料。
(11)カテキン類3ppm以上を含有する液のpHを4.6以下に調整するとともにサポニン0.5〜15ppmを配合することを特徴とするカテキン含有飲料の製造方法。
(12)カテキン類添加量が600ppm以上である(11)記載の方法。
(13)サポニン添加量が1〜12.5ppmである(11)又は(12)記載の方法。
(14)飲料のpHが2.5〜4.6に調整される(11)〜(13)のいずれか1に記載の方法。
本発明によれば、耐菌性に優れたカテキン含有飲料を得ることができるので、従来抑止が難しかった菌によるカテキン含有飲料の微生物汚染を効果的に防止することができる。また本発明によれば、微生物汚染防止に必要なサポニン添加量を低減することができるので、サポニンの溶解性や苦味の問題が生じない点で有利である。
本発明において、カテキン類としては、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類;及び、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を含む非重合体カテキン類が挙げられ、これらを単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記カテキン類としては、茶又は他の原料由来のもの、カラム精製品、化学合成品のいずれを用いてもよいが、茶由来のもの、例えば、茶抽出物、それらの濃縮又は精製物を用いるのが好ましい。当該茶抽出物は、Camellia属、例えばC.sinensisC.assamica、又はそれらの雑種、好ましくはその茶葉、から得られた製茶に、水又は熱水やこれらに抽出助剤を添加し、攪拌抽出等をすることにより得ることができる。また、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用してもよい。抽出助剤としては、アスコルビン酸ナトリウム等の有機酸、又はこれら有機酸塩類が挙げられる。当該製茶には、(1)煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜煎り茶等の緑茶類;(2)総称して烏龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の半発酵茶;(3)紅茶と呼ばれるダージリン、ウバ、キーマン等の発酵茶が含まれる。
当該茶抽出物の濃縮は、上記抽出物を濃縮することにより行うことができ、当該茶抽出物の精製は、溶剤やカラムを用いて精製することにより行うことができる。茶抽出物の濃縮物や精製物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等種々のものが挙げられる。例えば、当該茶抽出物は、特開昭59−219384号、特開平4−20589号、特開平5−260907号、特開平5−306279号等に詳細に例示されている方法で調製することができる。また、市販品を用いることもでき、斯かる市販品としては、(株)伊藤園「テアフラン」、三井農林(株)「ポリフェノン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」等が挙げられる。
上記茶抽出物中のカテキン類は、主に非重合体で存在し、かつ液に溶解しているもの又は茶の微細粉末の懸濁物に吸着若しくは包含された固形状のものとして存在する。また、茶のカテキン類の大部分はエピ体カテキン類として存在しており、このエピ体カテキン類を用いて熱や酸やアルカリ等の処理により立体異性体である非エピ体に変化させることができる。従って、非エピ体カテキン類を使用する場合には、緑茶類、半発酵茶類又は発酵茶類からの抽出液や茶抽出液の濃縮物を水溶液にして、例えば40〜140℃、0.1分〜120時間加熱処理して得ることができる。また非エピカテキン類含有量の高い茶抽出液の濃縮物を使用してもよい。それらは単独で用いても又は併用してもよい。
上記茶抽出物中のカテキン類の含有量は、30〜98質量%が好ましく、40〜90質量%がより好ましい。また、これらの総ポリフェノール中のカテキン類の含有量は、製造直後でカテキン量が10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上がより好ましい。本発明のカテキン類としては、斯くして得られる茶抽出物やその画分をそのまま用いてもよいが、又はそれらを適宜な溶媒で希釈した希釈液としたものや、濃縮エキスや乾燥粉末にしたものや、ペースト状に調製したものを用いてもよい。本発明においては、これらの茶抽出物を、最終的に所望のカテキン類含量が達成されるような量で用いればよい。
本発明で使用されるサポニンとしては、サポニン含有植物、例えば、キラヤ、ユッカ、大豆、エンドウ豆等の豆類、茶、ピーナツ、オート麦、ナス属及びネギ属、トマト、アスパラガス、ほうれん草、テンサイ、ヤムイモ、ブラックベリー、甘草、桜草の根、セネガ根、カスミソウ、ムクロジ、セイヨウトチノキ等から抽出されたサポニン含有抽出物を用いてもよく、又は市販のサポニン(和光純薬工業株式会社等から購入可能)を用いてもよい。これらは単独又は混合して使用することができるが、好ましくは大豆サポニン又は茶葉サポニンが使用される。
本発明によって製造される飲料は、pH4.6以下のいわゆる酸性飲料である。本発明の飲料は、好ましくはpH2.5〜4.6、より好ましくは2.5〜4.0で、且つカテキン類を含有する飲料(酸性カテキン含有飲料)であり得る。酸性カテキン含有飲料としては、所定のpHとカテキン類を有する限りにおいてその種類は特に限定されないが、例えば、果汁含有飲料、カテキンを含有する清涼飲料、炭酸飲料、ビタミン飲料又はスポーツドリンク、カテキンを有効成分とする各種機能性飲料等が挙げられる。
本発明に従って製造される酸性カテキン含有飲料は、さらにサポニンを含有する。本発明の飲料は、当該飲料の原料となる任意の液体を、所定のpHに調整するとともに、カテキン類とサポニンとを添加することによって製造することができる。pH調整は任意のタイミングで、すなわちカテキン類又はサポニンの添加の前、後又は同時に行えばよい。カテキン類とサポニンの添加の順序も特に限定されない。
あるいは、本発明の飲料は、該飲料の原料となるカテキン類を含有する液、例えば茶抽出物溶液を、所定のpHに調整するとともに、サポニンを添加することによって製造することができる。pH調整は任意のタイミングで、すなわちサポニンの添加の前、後又は同時に行えばよい。
飲料のpH調製の方法は、有機酸等のpH調整剤の添加などの通常の手段で行えばよく、特に限定されない。
また、本発明に従って製造される酸性カテキン含有飲料は、一般的な茶飲料や清涼飲料等に通常使用されている成分や添加剤をさらに含有していてもよい。当該成分としては、糖類、甘味料、アミノ酸、果汁、麦汁、野菜汁、その他植物エキス、乳製品、炭酸ガス等が挙げられる。また当該添加剤としては、乳化剤、酸化防止剤、酸味料、各種有機酸、増粘剤、着色料、香料、調味料等が挙げられる。さらに他の保存料を併用してもよい。また、その抗菌効果が損なわれない限りにおいて、本発明の飲料はさらに、他の有効成分、薬効成分、美容成分等を含有することができる。
本発明の酸性カテキン含有飲料は、サポニンを添加することを除いて、通常の酸性飲料やカテキン含有飲料の製法に従って製造すればよい。例えば、通常の茶飲料や清涼飲料の製造方法に従いながら、その任意の工程で、pH調整、カテキン類添加、サポニン添加、及び必要に応じて他の成分や添加剤等の添加を行うことによって製造することができる。本発明の飲料の製造方法はまた、過熱、ろ過等の従来の殺菌工程や、無菌包装、密封包装、ガス充填包装等の、従来の腐敗防止処理工程を含むことができる。
斯くして得られたカテキン類とサポニンとを含有し、且つ所定のpHを有する本発明の酸性カテキン含有飲料においては、微生物の増殖が抑制されるので、該飲料の微生物汚染は防止され得る。後記実施例に示されるように、酸性飲料にカテキンとサポニンとを添加した場合、カテキン及びサポニンのいずれかを単独で添加した場合と比べて、より少ない添加量で高い微生物増殖抑制効果を得ることができる。すなわち、pH調整、カテキン及びサポニンの組み合わせにより、相乗的な微生物増殖抑制効果を得ることができる。
本発明の酸性カテキン含有飲料におけるカテキン類の含有量は、3ppm以上が好ましく、300ppm以上がより好ましく、600ppm以上がさらに好ましく、1200ppm以上がなお好ましい。
また本発明の飲料におけるサポニンの含有量は、0.5〜15ppm、好ましくは1〜12.5ppmであればよい。好ましい態様において、本発明の飲料におけるサポニンの含有量は、飲料のカテキン類含有量が3ppm以上300ppm未満の場合、好ましくは10ppm以上、15ppm以下で、より好ましくは10ppm以上、12.5ppm以下である。飲料のカテキン類含有量が300ppm以上600ppm未満の場合、好ましくは10ppm以上、12.5ppm以下である。飲料のカテキン類含有量が600ppm以上1200ppm未満の場合、サポニン含有量は1ppm以上、12.5ppm以下であればよく、好ましくは1ppm以上、3ppm以下である。カテキン類含有量1200ppm以上の場合、サポニン含有量は0.5ppm以上、1ppm以下でよい。
本発明の飲料において増殖を抑制される微生物としては、大腸菌、サルモネラ属細菌、ビブリオ属細菌、シュードモナス属細菌、セパシア菌等のグラム陰性菌、黄色ブドウ球菌、リステリア属細菌、バチルス属細菌、アリサイクロバチルス属細菌等のグラム陽性菌、サッカロミセス、チゴサッカロミセス、カンジダ、デッケラ種等の酵母、乳酸菌、ロイコノストック属、グルコノバクタ属、ジモモナス種等の好酸性細菌、及びペニシリン、アスペルギルス等のカビ等が挙げられる。このうち、アリシクロバチルス属やバチルス属細菌のような芽胞形成菌類は、土壌中等に広く分布しているため汚染の危険性が高いうえ、芽胞を形成するため通常の菌が存在しにくい苛酷な環境でも生き残ることができるので、本発明において増殖抑制又は汚染防止の対象とすべき望ましい微生物である。さらに芽胞形成菌類の中でも、アリサイクロバチルス アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)のような耐酸性芽胞形成菌類は、酸性飲料中でも増殖してその腐敗を引き起こすおそれがあり、またバチルス コアギュランス(Bacillus coagulans)のようなカテキン耐性芽胞形成菌類は、カテキン含有飲料中でも増殖してその腐敗を引き起こすおそれがある。従って、本発明において増殖抑制又は汚染防止の対象とすべきより望ましい微生物として、耐酸性芽胞形成菌類及びカテキン耐性芽胞形成菌類、好ましくはアリサイクロバチルス アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)及びバチルス コアギュランス(Bacillus coagulans)を挙げることができる。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1 酸性飲料の抗菌性試験
(1)試験菌の調製
試験菌として、芽胞形成細菌の中でも好熱好酸性菌として知られているアリサイクロバチルス アシドテリストリス:JCM21546、JCM21547、NCIMB13137、NBRC106293、NBRC106296、の5株を用いた。
5種類のアリサイクロバチルス アシドテリストリス株はYSG寒天培地(マイクロバイオ社製)で、45℃で好気的に1日間培養した。培養した菌体を生理食塩水に105-6
cfu/mlになるように調整してサンプル菌液とした。
(2)抗菌性試験−1
酸性飲料におけるカテキンと大豆サポニンの抗菌効果を調べるために、チャレンジ試験を実施した。試験には、酸性飲料として市販のスポーツドリンク(pH3.4)を用いた。上記飲料に、表1記載の濃度でカテキン(茶抽出物カテキン製剤、カテキン濃度15%;花王株式会社)及び大豆サポニン(和光純薬工業)を単体又は複合で添加し、マグネットスターラーを用いて強攪拌し、完全に溶解させた。得られた各飲料に、(1)で調製したサンプル菌液を菌の最終濃度103cfu/mlとなるように接種し、45℃で14日間好気的に保存し、その後総細菌濃度を測定して、それらの変動を評価した。測定では、保存前及び保存後の飲料を強攪拌して系内を均一化した後、生理食塩水で希釈し、この希釈液を加熱することなくYSG寒天培地(マイクロバイオ社製)に塗抹して培養し、その後測定した菌数から、希釈液の希釈率と塗抹量をもとに総細胞濃度(cfu/ml)を算出した。保存前と比べて保存後に総細胞濃度として1オーダー以上の増殖が確認された場合を「増殖」、1オーダー未満の増殖、又は細胞の減少若しくは死滅が確認された場合を「非増殖」と判断した。
結果を表1に示す。酸性飲料においては、1900ppmのカテキン添加で菌は非増殖となった(試料No.9)。一方、カテキン非添加の場合、大豆サポニンは可溶限界の100ppmを添加した場合でも菌の増殖を阻止することができなかった(試料No.2)。一方、カテキンと大豆サポニンとを併用した場合、3ppmのカテキン添加で菌が非増殖となった(試料No.4)。また、微量のサポニンが存在していれば、カテキン単独添加と比べて抗菌効果が顕著に向上した(試料No.6及び8)。したがって、酸性飲料においては、カテキンと大豆サポニンとの併用により相乗的な菌増殖阻止効果が観察された。
Figure 2013192483
(3)抗菌性試験−2
各種サポニンの抗菌特性を調べるために、チャレンジ試験を実施した。
使用した茶葉サポニン類は、以下の方法で調整した。生茶葉(ケニヤ製)1kgをメタノール5Lで還流抽出(3時間、65〜70℃)したのち2号ろ紙でろ過し、メタノール抽出液を得た。得られたメタノール抽出液を減圧濃縮し、メタノール抽出物385gを得た。得られたメタノール抽出物中の200gを水5Lと酢酸エチル5Lで液−液分配し、得られた水画分を水飽和n−ブタノールで分配し、n−ブタノール画分を得た。n−ブタノール画分を減圧濃縮し、n−ブタノール画分固形物96gを得た。n−ブタノール画分固形物96gを、イオン交換水に溶解させ、HP−20樹脂(1kg、三菱化学社製)に吸着させ、0、20、40、60、80、99.5%エタノール各4Lで溶出させた。得られた画分のうち、80%エタノール溶出画分固形物(1.0g)を粗茶葉サポニン画分として得た。次に、80%エタノール溶出画分(1.0g)を、ODSクロマトレックス(100g、ワイエムシィ社製)に吸着させ、20、40、60、80、100%メタノールで溶出させた。得られた画分のうち、80%メタノール溶出画分(400mg)をHPLC(LC−908、日本分析機構社製)にて分取し、foliatheasaponin II(35.2mg)、foliatheasaponin IV(30.2mg)、theasaponinB1(34.6mg)を得た。これらの精製茶葉サポニン類は、1H、13C−NMRスペクトルの値を文献(Morikawa T.,Nakamura S.,Kato Y.,Muraoka O.,Matsuda H.and Yoshikawa M.,Chem.Pharm.Bull.,55(2):293−298,2007)記載の値と比較、同定した。
市販の酸性飲料(pH3.7)に、得られた茶葉サポニンが3ppm、カテキンが630ppmとなるようにそれぞれ添加した。得られた飲料に、上記(2)と同様の手順で菌を接種し、その後総細菌数を測定して菌の消長挙動を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013192483
実施例2 飲料の抗菌性に対するpHの影響
市販の酸性飲料(pH3.7)に、1N塩酸および1N水酸化ナトリウムを添加し、表3記載の値にpHを調整した。これに、カテキン(緑茶抽出物、カテキン濃度15%)及び大豆サポニン(和光純薬工業)を表3記載の濃度で添加し、得られた各飲料に、実施例1(2)と同様の手順で菌を接種し、その後総細菌数を測定して菌の消長挙動を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2013192483

Claims (14)

  1. カテキン類3ppm以上とサポニン0.5〜15ppmとを添加するとともに、pHを4.6以下に調整することとを特徴とする飲料の微生物汚染防止方法。
  2. カテキン類添加量が600ppm以上である請求項1記載の方法。
  3. サポニン添加量が1〜12.5ppmである請求項1又は2記載の方法。
  4. 飲料のpHが2.5〜4.6である請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 微生物が耐酸性芽胞形成菌類又はカテキン耐性芽胞形成菌類である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 微生物がAlicyclobacillus acidoterrestris又はBacillus coagulansである請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. カテキン類3ppm以上とサポニン0.5〜15ppmとを含有し、且つpH4.6以下であることを特徴とするカテキン含有飲料。
  8. カテキン類含量が600ppm以上である請求項7記載の飲料。
  9. サポニン含量が1〜12.5ppmである請求項7又は8記載の飲料。
  10. 飲料のpHが2.5〜4.6である請求項7〜9のいずれか1項記載の飲料。
  11. カテキン類3ppm以上を含有する液のpHを4.6以下に調整するとともにサポニン0.5〜15ppmを配合することを特徴とするカテキン含有飲料の製造方法。
  12. カテキン類添加量が600ppm以上である請求項11記載の方法。
  13. サポニン添加量が1〜12.5ppmである請求項11又は12記載の方法。
  14. 飲料のpHが2.5〜4.6に調整される請求項11〜13のいずれか1項記載の方法。
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