JP2013192312A - Dc−dcコンバータモジュールおよび多層基板 - Google Patents

Dc−dcコンバータモジュールおよび多層基板 Download PDF

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Abstract

【課題】マイグレーションを防止するコイル内蔵型フェライト多層基板、およびそれを用いたDC−DCコンバータモジュールを提供する。
【解決手段】DC−DCコンバータモジュールは、コイルパターン間のセラミックグリーンシートの厚みよりも、当該コイルパターンと電位が異なる近接配線パターンとの厚みを厚くすることにより、相対的にコイルパターン間にクラックが生じやすくなっている。したがって、クラックが生じた場合であっても電位が異なる電極間に生じることはなく、マイグレーションを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、コイル内蔵型フェライト多層基板、およびそれを用いたDC−DCコンバータモジュールに関するものである。
従来、磁性体材料からなるセラミックグリーンシートに導体パターンを印刷し、積層してなるインダクタ素子が知られている(例えば特許文献1を参照)。
このような積層型インダクタ素子では、磁性体材料等の熱収縮率が異なる材料が混在する構造であるため、焼成時に応力が発生し、クラックが生じる可能性がある。
特開平5−6823号公報
積層型インダクタ素子をDC−DCコンバータとして用いる場合、積層体の内部で電位が異なる導体が存在することになる。電位が異なる導体間にクラックが生じた場合、マイグレーションが起こり、電気的にショートするおそれがある。
そこで、この発明は、マイグレーションを防止する多層基板、およびそれを用いたDC−DCコンバータモジュールを提供することを目的とする。
本発明のDC−DCコンバータモジュールは、基板積層方向の第一面に部品搭載電極が設けられ、前記基板積層方向の第二面に入力電極、出力電極、およびグランド電極が設けられた多層基板と、前記部品搭載電極を介して前記入力電極に接続される入力端子、前記部品搭載電極を介して前記出力電極に接続される出力端子、および前記部品搭載電極を介して前記グランド電極に接続されるグランド端子を備え、入力される電圧をスイッチングして出力するスイッチングICと、前記多層基板内に、複数のコイルパターンが層間接続され、螺旋状に形成されてなるインダクタと、を備えている。そして、DC−DCコンバータモジュールは、前記複数のコイルパターンの層間距離に対して、前記コイルパターンのうち、最外層のコイルパターンから、前記インダクタとは異なる電位を有する近接配線パターンまでの層間距離が長くなっていることを特徴とする。
このように、本発明のDC−DCコンバータモジュールは、コイルパターン間のセラミックグリーンシートの厚みよりも、当該コイルパターンと電位が異なる近接配線パターンとの間のセラミックグリーンシートの厚みを厚くすることにより、焼成時においてセラミックグリーンシートと電極の熱膨張係数の違いに起因する応力が、よりセラミックグリーンシートの厚みが小さい方に働くため、相対的にコイルパターン間にクラックが生じやすくなっている。したがって、クラックが生じた場合であっても電位が異なる導体間に生じることはなく、マイグレーションを防止することができる。
また、DC−DCコンバータモジュールは、前記複数のコイルパターン上に空隙部が設けられた態様とすることも可能である。空隙部を設けることで、焼成時に生じる応力を緩和させることができる。また、空隙部による応力緩和によって、磁性体基板の磁歪の発生が抑制されるため、磁気特性の変化が低減される。そのため、インダクタ素子のインダクタンス値の変動を抑制することができ、DC−DCコンバータの出力が安定化する。
また、DC−DCコンバータモジュールは、前記最外層のコイルパターンと、前記インダクタとは異なる電位を有する近接配線パターンとの間に、空隙部が設けられた態様とすることも可能である。
この場合、電位が異なる導体間にクラックが発生したとしても、空隙部によって物理的に空間が隔てられるため、マイグレーションが起きることはない。
また、DC−DCコンバータモジュールは、前記最外層のコイルパターンと、前記インダクタとは異なる電位を有する近接配線パターンとの間に、他のどことも電気的に接続されていないダミー電極が設けられた態様とすることでも同様の効果を得ることができる。
なお、上記発明では、DC−DCコンバータモジュールについて示したが、基板積層方向の第一面にスイッチングICの入力端子、出力端子、およびグランド端子が搭載される部品搭載電極が設けられ、前記基板積層方向の第二面に入力電極、出力電極、およびグランド電極が設けられ、前記多層基板内に複数のコイルパターンが層間接続され、螺旋状に形成されてなるインダクタを備えた多層基板であっても、前記複数のコイルパターンの層間距離に対して、前記コイルパターンのうち、最外層のコイルパターンから、前記インダクタ以外を構成する近接配線パターンとの間の層間距離が長くなるよう構成された態様とすることで同様の効果を得ることができる。
この発明によれば、クラックが生じ難く、マイグレーションを防止することができる。
図1(A)は、DC−DCコンバータモジュールの平面図であり、図1(B)は搭載部品を省略した場合のDC−DCコンバータモジュールの平面図であり、図1(C)は、図1(A)は、第1の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの断面構造を模式的に表した図である。 第2の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの断面構造を模式的に表した図である。 第3の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの断面構造を模式的に表した図である。 第4の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの断面構造を模式的に表した図である。
図1(A)は、DC−DCコンバータモジュールの平面図であり、図1(B)は搭載部品を省略した場合のDC−DCコンバータモジュールの平面図であり、図1(C)は、本発明の第1の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの断面構造を模式的に表した図である。
多層基板は、複数のセラミックグリーンシートを積層した積層体からなる。多層基板は、最外層のうち上面側から下面側に向かって順に、非磁性体フェライト層11、磁性体フェライト層12、非磁性体フェライト層13、磁性体フェライト層14、および非磁性体フェライト層15が配置されている。
多層基板の基板積層方向の第一面(最上面)には、部品搭載電極21(図1においては部品搭載電極21A、部品搭載電極21B、部品搭載電極21C、および部品搭載電極21Dを示す。)が形成されている。多層基板の基板積層方向の第二面(最下面)には、実装用の各種電極(図1においては入力電極25、出力電極26、ブリッジ電極27、およびグランド電極28を示す。)が形成されている。
また、多層基板の内層に配置された一部のセラミックグリーンシート上には、各種配線が形成されている。同図においては、配線パターン71、配線パターン72、配線パターン74、および導体パターン31が形成されている。また、多層基板の端面には、最上面から最下面まで端面スルーホール75および端面スルーホール76が形成されている。
各導体パターン31は、不図示のビアホールを介して層間接続されている。したがって、導体パターン31は、磁性体フェライト層12、非磁性体フェライト層13、および磁性体フェライト層14を挟んで螺旋状に配線されることになる。これによりコイル導体が形成され、多層基板はインダクタとして機能する。多層基板は、ICやコンデンサ等の電子部品を搭載することにより、DC−DCコンバータモジュールとして機能する。
なお、中間層である非磁性体フェライト層13は、磁気的には磁性体フェライト層12および磁性体フェライト層14間に空隙が存在する場合と等価であるように機能し、インダクタとしての直流重畳特性を向上させるものであるが、本発明において必須の要素ではない。
また、最外層の非磁性体フェライト層11および非磁性体フェライト層15は、磁性体フェライト層12および磁性体フェライト層14の上面側および下面側をそれぞれ被覆する機能を有する。また、相対的に熱収縮率の高い磁性体フェライト層12および磁性体フェライト層14を、相対的に熱収縮率の低い非磁性体フェライト層11および非磁性体フェライト層15で挟みこむことで、焼成により素子全体を圧縮して強度を向上させるために設けられている。ただし、非磁性体フェライト層11および非磁性体フェライト層15も、本発明において必須の要素ではない。
多層基板の最上面には、IC51やコンデンサ(図1においては出力側のコンデンサ52を示す。)等の電子部品が搭載される。IC51は、入力される電圧をスイッチングして出力するスイッチングICである。
IC51の入力端子55は、部品搭載電極21Aを介して入力電極25に接続されている。実際には、部品搭載電極21Aに接続されたビアホールや、配線パターン71、端面スルーホール75等の各種配線を介して入力電極25に接続される。
IC51のグランド端子56は、部品搭載電極21Bやグランド用端面スルーホール(図1(B)および図1(C)に示すGND)を介して不図示のグランド電極に接続されている。
また、IC51の出力端子57は、部品搭載電極21Cを介して出力電極26に接続される。
図1においては降圧型のDC−DCコンバータを示すため、出力端子57には、インダクタとして機能する導体パターン31が接続される。そして、導体パターン31の出力側は、コンデンサ52に接続され、コンデンサ52および導体パターン31の出力側は、部品搭載電極21D、配線パターン74、および端面スルーホール76を介して出力電極26に接続される。
多層基板は、セラミックグリーンシートや各種配線等、熱膨張係数の異なる材料が混在しているため、焼成時に応力が発生する。そこで、多層基板は、各導体パターン31の間に空隙部32を設け、応力を緩和するようにしている。また、空隙部による応力緩和によって、磁性体基板の磁歪の発生が抑制されるため、磁気特性の変化が低減される。そのため、インダクタ素子のインダクタンス値の変動を抑制することができ、DC−DCコンバータの出力が安定化する。この空隙部32は、セラミックグリーンシートを積層する前に、導体パターン31の上にカーボンペーストを塗布し、このカーボンペーストが焼成時に消失することにより形成される。
そして、多層基板は、導体パターン31間のセラミックグリーンシートの厚みよりも、当該導体パターン31と電位が異なる近接配線パターンとの間のセラミックグリーンシートの厚みが厚くなっており、各導体パターン31間の距離に対して、最外層の導体パターン31から異なる電位を有する近接配線パターンまでの層間距離が長くなっている。例えば、図1では、各導体パターン31間の距離bに対し、最上面側の導体パターン31から配線パターン71までの距離aが長い。また、各導体パターン31間の距離bに対し、最下面側の導体パターン31から配線パターン72までの距離aが長い。
一般的に、セラミック材料よりも金属材料の方が熱膨張係数が大きいため、焼成時には導体パターンの方がより収縮する傾向がある。この場合、各導体パターン31間の間隔が相対的に狭く、焼成時においてセラミックグリーンシートと電極の熱膨張係数の違いに起因する応力が、よりセラミックグリーンシートの厚みが小さい方に働くため、仮に焼成時に発生する応力によりクラックが生じるとしても、相対的に導体パターン31間に生じ易くなっており、配線パターン71や配線パターン72との間には生じ難くなっている。そして、導体パターン31間は同電位となっているため、仮にクラックによって上下の導体パターン31同士が電気的に接触したとしても、マイグレーションが起こることはない。
このように、本発明の第1の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールは、コイルパターン間のセラミックグリーンシートの厚みよりも、当該コイルパターンと電位が異なる近接配線パターンとの厚みを厚くすることにより、相対的にコイルパターン間にクラックが生じやすくなっている。したがって、クラックが生じた場合であっても電位が異なる導体間に生じることはなく、マイグレーションを防止することができる。
次に、図2を参照して本発明の第2の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールについて説明する。図1と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールは、図1に示したDC−DCコンバータモジュールに対し、最上面側の導体パターン31の上に空隙部77を設けた点が特徴である。空隙部77も、導体パターン31の上にカーボンペーストを塗布し、このカーボンペーストが焼成時に消失することにより形成される。この場合、仮に最上面の導体パターン31と配線パターン71との間にクラックが生じたとしても、空隙部77による物理的な空間が介在するため、マイグレーションが起こることはない。
なお、図2においては、最上面側の導体パターン31の上に空隙部77を設けた例を示しているが、配線パターン72の上に空隙を設け、最下面の導体パターン31と配線パターン72との間に物理的な空間を介在させるようにしてもよい。
次に、図3を参照して本発明の第3の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールについて説明する。図3に示す第3の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールは、図2に示した第2の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールに対し、空隙部77の位置が異なる。
図3に示すDC−DCコンバータモジュールは、空隙部77が最上面の導体パターン31と配線パターン71との間のセラミックグリーンシート上に設けられている。この場合も、仮に最上面の導体パターン31と配線パターン71との間にクラックが生じたとしても、よる物理的な空間が介在するため、マイグレーションが起こることはない。また、クラックの進行が空隙部77で停止するため、例えば配線パターン71側からクラックが生じたとしても、空隙部77で停止し、導体パターン31にまで達することはない。
なお、図3においても、最下面の導体パターン31と配線パターン72との間のセラミックグリーンシート上に空隙を設けるようにしてもよい。
次に、図4を参照して本発明の第4の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールについて説明する。図4に示す第4の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールは、図3に示した第3の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールに対し、空隙部77に代えてダミー電極78を設けた点で異なる。
図3に示すDC−DCコンバータモジュールは、最上面の導体パターン31と配線パターン71との間のセラミックグリーンシート上にダミー電極78が設けられている。この場合、仮に最上面の導体パターン31と配線パターン71との間にクラックが生じたとしても、クラックの進行がダミー電極78で停止するため、マイグレーションが起こることはない。例えば配線パターン71側からクラックが生じたとしても、ダミー電極78で停止し、導体パターン31にまで達することはない。
なお、図4においても、最下面の導体パターン31と配線パターン72との間のセラミックグリーンシート上にダミー配線を設けるようにしてもよい。
11,13,15…非磁性体フェライト層
12,14…磁性体フェライト層
21…部品搭載電極
25…入力電極
26…出力電極
31…導体パターン
32…空隙部
51…IC
52…コンデンサ
55…入力端子
56…グランド端子
57…出力端子
71,72,74…配線パターン
75,76…端面ビアホール

Claims (5)

  1. 基板積層方向の第一面に部品搭載電極が設けられ、前記基板積層方向の第二面に入力電極、出力電極、およびグランド電極が設けられた多層基板と、
    前記部品搭載電極を介して前記入力電極に接続される入力端子、前記部品搭載電極を介して前記出力電極に接続される出力端子、および前記部品搭載電極を介して前記グランド電極に接続されるグランド端子を備え、入力される電圧をスイッチングして出力するスイッチングICと、
    前記多層基板内に、複数のコイルパターンが層間接続され、螺旋状に形成されてなるインダクタと、
    を備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
    前記複数のコイルパターンの層間距離に対して、前記コイルパターンのうち、最外層のコイルパターンから、前記インダクタとは異なる電位を有する近接配線パターンまでの層間距離が長くなっていることを特徴とするDC−DCコンバータモジュール。
  2. 前記複数のコイルパターン上に空隙部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のDC−DCコンバータモジュール。
  3. 前記最外層のコイルパターンと、前記インダクタとは異なる電位を有する近接配線パターンとの間に、空隙部が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のDC−DCコンバータモジュール。
  4. 前記最外層のコイルパターンと、前記インダクタとは異なる電位を有する近接配線パターンとの間に、他のどことも電気的に接続されていないダミー電極が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のDC−DCコンバータモジュール。
  5. 基板積層方向の第一面にスイッチングICの入力電極、出力電極、およびグランド電極が搭載される部品搭載電極が設けられ、
    前記基板積層方向の第二面に入力電極、出力電極、およびグランド電極が設けられ、
    複数のコイルパターンが層間接続され、螺旋状に形成されてなるインダクタを内部に備えた多層基板であって、
    前記複数のコイルパターンの層間距離に対して、前記コイルパターンのうち、最外層のコイルパターンから、前記インダクタ以外を構成する近接配線パターンまでの層間距離が長くなるよう構成されたことを特徴とする多層基板。
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