JP2013191719A - 太陽電池モジュールの効能監視システム及びその監視方法 - Google Patents

太陽電池モジュールの効能監視システム及びその監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの発電損失を算出できるとともに、モジュールの実際操作時の電力損失を算出し、適時に発電効率を反映し、さらにアラームとアドバイスを発することができる太陽電池モジュールの効能監視システム及びその監視方法を提供する。
【解決手段】太陽光発電モジュールであってその表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、太陽光発電モジュールであってその表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、参考モジュールと評価モジュールに夫々接続され、二つのモジュールの電力を夫々に追従し、それらの電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、参考モジュールと評価モジュールに接続されることにより、二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、PV通信記録装置に接続されることにより、評価モジュールのホコリ堆積による電力損失を算出する演算表示装置と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの効能監視システム及びその監視方法に関する。
近年、地球資源の減少とエコ意識の向上につれ、各国は代替エネルギー、例えば、太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギー、水力エネルギー等の開発に力を入れ、そのうち、太陽光による発電が最も注目されている。太陽光の毎日地表に達するエネルギー量は全世界の石油埋蔵量の四分の一ほどに等しく、取り尽くせない天然資源である。太陽光発電はクリーンであり、環境汚染が生じなく、枯渇せず、建物と結合しやすい等のメリットを有し、更に近年半導体材料の飛躍と相まって、太陽光の光電転換効率が向上し続けるため、これも太陽電池モジュールの広く応用をもたらした(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、環境要因は太陽電池モジュールの発電効率に対する影響が甚大であり、例えば、気候、季節、日夜等の要因は日射量に影響を与える。また、太陽電池モジュール上の汚れやホコリは発電量を低下させることが分かったが、ホコリ堆積と発電効率低下との関連性は判別し難い。さらに、太陽電池モジュールの電力出力も実際使用時のモジュールの温度に影響を受け、モジュール温度が高いほど、電力出力が低くなる。このため、太陽電池モジュールの発電効率の低下要因を明確に判明可能なシステムと方法が必要となる。
また、現在太陽電池モジュールの技術についてはほとんど太陽電池モジュール自身の発電効率を向上させることを前提として開発が進められてきたが、太陽電池モジュール自身の発電効率に対する評価を行う技術がない。故に、既存のセンサーを利用することにより太陽電池モジュール稼動時の関連データを收集し、特定の演算法を介して太陽電池モジュールの実際の稼動効率を評価することは本発明の主な技術特徴である。
特開2012−015412号公報
本発明の主な目的は、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失、及び最大電力点追従による電力損失を含む太陽電池モジュールの発電損失を算出できるとともに、定格出力との比較によって、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出し、適時に発電効率を反映し、さらにアラームとアドバイスを発することができる太陽電池モジュールの効能監視システム及びその監視方法を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、太陽電池モジュールのホコリ堆積による電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続されることにより、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、それらの電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールのホコリ堆積による電力損失を算出する演算表示装置と、を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システムが提供される。
本発明の第2の態様によれば、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続されることにより、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、その電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、二つの温度センサーを含み、前記二つの温度センサーによる検出した前記参考モジュールと前記評価モジュールの操作温度を記録するセンサー通信記録装置と、前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、前記センサー通信記録装置と前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールの操作温度による電力損失を算出する演算表示装置と、を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システムが提供される。
本発明の第3の態様によれば、太陽電池モジュールの最大電力点追従による電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続され、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、その電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、日照計を含み、前記日照計による検出した環境中の日射量を記録するセンサー通信記録装置と、前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、前記センサー通信記録装置と前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールの最大電力点追従による電力損失を算出する演算表示装置と、を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システムが提供される。
本発明の第4の態様によれば、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続され、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、その電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、前記参考モジュールと前記評価モジュールの操作温度を検出する二つの温度センサーと日照計を含み、前記センサーによる検出した結果を記録するセンサー通信記録装置と、前記センサー通信記録装置と前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールのホコリ堆積による電力損失、操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失を夫々算出するとともに、前記参考モジュールの定格出力との比較によって、前記評価モジュールの実際操作時の電力損失を算出する演算表示装置と、を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システムが提供される。
本発明の第5の態様によれば、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失(Δp)を、下記式1、
太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失(Δp)
=太陽電池モジュールの定格出力−(太陽電池モジュールの実際発電電力+ΔPd+ΔPt+ΔPm)……(式1)
但し、太陽電池モジュールの定格出力は、表面が清潔状態に保たれる太陽電池モジュール(参考モジュール)が有する定格出力、
太陽電池モジュールの実際発電電力は、表面がホコリで覆われる太陽電池モジュール(評価モジュール)の発電電力、
ΔPdはホコリ堆積による電力損失、
ΔPtは操作温度による電力損失、
ΔPmは最大電力点追従による電力損失、
から算出することを特徴とする。
本発明に係わる太陽電池モジュールの効能監視システム及びその監視方法によれば、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失、及び最大電力点追従による電力損失を含む太陽電池モジュールの発電損失を算出できるとともに、定格出力との比較によって、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出し、適時に発電効率を反映し、さらにアラームとアドバイスを発することができる。
本発明に係わる実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム1における要部の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係わる他の実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム2における要部の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係わるさらに他の実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム3における要部の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係わるさらにまた他の実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム4における要部の概略構成を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係わる太陽電池モジュールの効能監視システムの実施形態について詳述する。図1は本発明に係わる実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム1における要部の概略構成を示すブロック図である。図2乃至図4は本発明に係わるその他の実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム2〜4における要部の概略構成を示すブロック図である。なお、本発明における各実施形態の間、同一の機能を有する構成要件について、同一符号を付与し、重複した説明を省略する。
本発明に係わる実施形態の太陽電池モジュールの効能監視システム1は、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失、及び最大電力点追従による電力損失を含む太陽電池モジュールの発電損失を算出するとともに、定格出力との比較によって、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出し、適時に発電効率を反映し、さらにアラームとアドバイスを発するためのものである。
以下、図1を参照し、本発明に係わる太陽電池モジュールの効能監視システム1の実施形態を説明する。本実施形態に係わる太陽電池モジュールの効能監視システム1は、
太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュール11と、
太陽光発電モジュールであって、その表面は環境、気候等の要因によりホコリで覆われる評価モジュール12と、
夫々前記参考モジュール11と前記評価モジュール12に接続されることにより、前記二つのモジュールの最大電力点を追従すると共に、前記二つのモジュールが最大電力を出力するように保持する最大電力点追従装置13、14と、
前記参考モジュール11と前記評価モジュール12に接続されることにより、所定のクランプメータで前記二つのモジュールの電力値を読み込んで記録するPV通信記録装置15と、
前記参考モジュール11と前記評価モジュール12に夫々接続されることにより、それら二つのモジュールの操作温度を検出する温度センサー21、22と、
環境中の雨量値を検出する雨量計23と、環境中の微粒子数を検出する微粒子検出器24と、環境中の温度、湿度を検出する温湿度計25と、環境中の風速、風向を検出する風速風向計26と、環境中の日照値を検出する日照計27とが接続され、これらのセンサーによる検出したデータを記録するためのセンサー通信記録装置28と、
前記センサー通信記録装置28と前記PV通信記録装置15に夫々接続されると共に、前記センサー通信記録装置28と前記PV通信記録装置15からのデータに基き、前記評価モジュール12のホコリ堆積による電力損失を算出する演算表示装置16と、
前記センサー通信記録装置28と前記PV通信記録装置15に夫々接続されると共に、前記センサー通信記録装置28と前記PV通信記録装置15からのデータに基き、前記評価モジュール12の操作温度による電力損失と最大電力点追従による電力損失を算出する演算表示装置29と、
前記演算表示装置16と前記演算表示装置29に夫々接続されると共に、前記演算表示装置16が算出したホコリ堆積による電力損失、前記演算表示装置29が算出した太陽電池モジュールの操作温度による電力損失と最大電力点追従による電力損失、及び前記評価モジュール12の実際発電電力と前記参考モジュール11の定格出力等の関連データに基き、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出する演算表示装置31と、
前記演算表示装置16、29、31に夫々接続されることにより、前記演算表示装置16、29、31による算出した各損失が特定値を超えた時に応じてアラームとアドバイスを発する警報装置17、30、32と、
太陽電池モジュールの効能監視システム1における各部に対して電力を供給する電源供給器71と、を備える。
次に、いかに太陽電池モジュールの効能監視システム1における各部を利用し、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失、最大電力点追従による電力損失、及び太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出することについて、説明する。
まず、ホコリ堆積による電力損失について、太陽電池モジュールの効能監視システム1においては、参考モジュール11と評価モジュール12を利用し、環境中のホコリが太陽電池モジュールの発電効率に対する影響を比較する。
前記参考モジュール11と前記評価モジュール12は、最大電力点追従装置13、14に夫々接続されることにより、前記二つのモジュールが最大電力を出力するように保持される。なお、前記参考モジュール11と前記評価モジュール12もPV通信記録装置15に夫々接続される。前記参考モジュール11と前記評価モジュール12の発電データは、前記PV通信記録装置15に記録された後、ホコリ堆積による電力損失を算出するための演算表示装置16に送られる。前記演算表示装置16においては、ホコリで覆われる前記評価モジュール12と前記参考モジュール11との発電差異(発電量、発電効率、積算発電量等を含む)を算出する。
前記センサー通信記録装置28が紀録した各センサーから検出の一部の結果(例えば、モジュールの温度、雨量、微粒子等の検出結果)も前記演算表示装置16に送られ、ホコリ堆積による電力損失の算出に使われる。いかに前記モジュール温度、雨量、微粒子等の検出結果を利用すると共に、ホコリ堆積による電力損失の算出に使うことについては後述する。
前記発電差異の算出結果はさらに警報装置17に送られる。前記警報装置17において、前記演算表示装置16が算出した発電差異の算出結果に基き、例えば、SPC(Statistical Process Control;統計的工程管理)統計的管理手法にて監視し、適時にアラームとアドバイスを発する。
なお、前記太陽電池モジュールの効能監視システム1は、太陽電池モジュールの実際操作温度による電力損失と最大電力点追従による電力損失を算出し監視するとともに、適時にアラームとアドバイスを発することができる機能をも有する。
前記センサー通信記録装置28が紀録した各センサーの検出結果は演算表示装置29に送られる。なお、前記PV通信記録装置15が記録した太陽電池モジュールの発電結果も前記演算表示装置29に送られる。
前記演算表示装置29は、太陽電池モジュールの実際操作温度による電力損失と、最大電力点追従による電力損失とを算出し監視することができる。詳しく説明すると、送られてきたデータに対して計算、補正、回帰、校正等の演算手法により、システムにおける太陽電池モジュールの実際操作温度による電力損失と、最大電力点追従による電力損失とを算出することである。
そして、前記のように算出された操作温度による電力損失と、最大電力点追従による電力損失は、さらに警報装置30に送られる。前記警報装置30において、SPC統計的管理手法にて監視し、適時にアラームとアドバイスを発する。
さらに、前記演算表示装置16が算出したホコリ堆積による電力損失、前記演算表示装置29が算出した太陽電池モジュールの操作温度による電力損失、及び最大電力点追従による電力損失は、演算表示装置31に夫々送られる。前記演算表示装置31において、前記各損失、前記評価モジュール12の実際発電電力及び前記参考モジュール11の定格出力等の関連データに基き、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出する。
そして、算出された太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失はさらに警報装置32に送られる。前記警報装置32において、SPC統計的工程管理手法にて監視し、適時にアラームとアドバイスを発する。
本実施形態において、参考モジュール11と日照計27には、それらの表面を清潔な状態に保つ洗浄装置(図面に表示されない)が夫々に接続されても良い。又、前記洗浄装置に使用される洗浄液体はリサイクルし再利用されることができるため、本発明は節水エコのメリッドをも有する。
なお、本発明に係わる太陽電池モジュールの効能監視システム1において、各構成間のあらゆるデータの伝送(各センサー21〜27から通信記録装置15、28へのデータ伝送、通信記録装置15、28から演算表示装置16、29へのデータ伝送、演算表示装置16、29、31から警報装置17、30、32へのデータ伝送、及び演算表示装置16、29から演算表示装置31へのデータ伝送等を含む)は、有線、無線或いは電力線で行うことができる。
また、太陽電池モジュールの効能監視システム1における各部への電力供給は内部給電方式であっても良く、外部給電方式であっても良い。内部給電方式とは、参考モジュール11と評価モジュール12が発電した電力を電源供給器71にフィードバック供給し、さらに前記電源供給器71から太陽電池モジュールの効能監視システム1における各部に給電することである。なお、前記電源供給器71は、外部から電源供給器71に給電され、さらに電源供給器71から太陽電池モジュールの効能監視システム1における各部に給電する外部給電方式を利用しても良い。
上述したように、図1を利用して本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図2に示すように一つだけの演算表示装置33を有しても良い。PV通信記録装置15から参考モジュール11と評価モジュール12の発電データ及び通信記録装置15が紀録した各センサーの検出データは演算表示装置33に送られ、前記演算表示装置33において、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失を夫々算出するとともに、前記各損失、前記評価モジュール12の実際発電電力及び前記参考モジュール11の定格出力等の関連データに基き、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出する。
ここで、演算表示装置33には警報装置34が接続されても良い。前記警報装置34において、SPC統計的管理手法にて監視し、適時にアラームとアドバイスを発する。
或いは、図3に示すように3つの演算表示装置35、36、37を有しても良い。PV通信記録装置15から参考モジュール11と評価モジュール12の発電データ及び通信記録装置15が紀録した各センサーの検出データは前記演算表示装置35、36、37に夫々送られる。前記演算表示装置35、36、37において、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失を夫々に計算する。そして、算出した前記各損失はさらに演算表示装置38に送られる。前記演算表示装置38において、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失に基き、並びに前記評価モジュール12の実際発電電力及び前記参考モジュール11の定格出力等の関連データに基き、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出する。
ここで、演算表示装置38には警報装置39が接続されても良い。前記警報装置39において、SPC統計的工程管理手法にて監視し、適時にアラームとアドバイスを発する。
なお、前記図3の実施形態におけるホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失を算出するための演算表示装置35、36、37は、図4に示すように夫々異なる警報装置40、41、42に接続されても良い。警報装置40、41、42において、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失に基き、適時にアラームとアドバイスを発する。
前述した図1乃至図4の実施形態は、単なる本発明の実施形態を説明するためのものである。本発明に係わる演算表示装置及び警報装置の数は任意に組み合わせることができる。本発明は前記の実施形態に限らず、本発明の技術分野における通常な知識を有するものは、本発明が属す技術範囲内に各種の変化を思いつくことができるはずである。
以下、本発明に係わる太陽電池モジュールの効能監視方法について説明する。
前記本発明に係わる実施形態における装置の構成を参考しながら、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失の演算方式について、夫々説明する。
ホコリ堆積による電力損失をΔPdで示し、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失をΔPtで示し、最大電力点追従による電力損失をΔPmで示す。太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失(Δp)は下記式1から得られる。
太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失(Δp)
=太陽電池モジュールの定格出力−(太陽電池モジュールの実際発電電力+ΔPd+ΔPt+ΔPm)……(式1)
式1において、太陽電池モジュールの定格出力とは、太陽電池モジュールが標準試験状態(温度25℃、日射強度1,000W/m)において、ASTM E1036標準に基き検出した太陽電池モジュールの発電電力である。本発明において、太陽光発電モジュールのメーカーから提供された定格出力を太陽電池モジュールの定格出力として利用する。太陽電池モジュールの実際発電電力は、評価モジュール12が実際に使用される状態で、即ち表面がホコリに覆われる状態での発電電力である。
ホコリ堆積による電力損失ΔPdは、参考モジュール11の発電電力から評価モジュール12の発電電力を引く演算方式で求められる。
なお、表面は本当にホコリに覆われているかどうか(ホコリの堆積具合)、或いはシステム異常やその他の要因による発電損失であるかどうかを判断するため、雨量計23と微粒子検出器24をも利用する。微粒子検出器24による検出した微粒子量が高いと、ホコリ堆積による電力損失も増加するはずである。一方、雨量計23による検出した雨量値が高いと、太陽電池モジュールの表面は洗浄され、きれいになったため、ホコリ堆積による電力損失は減少するはずである。もし、前記と異なる傾向になった場合、ホコリ堆積でない要因により発電量に影響を与えたことを推測でき、従ってシステムに対して点検や確認を行う必要があると判断する。
ホコリに覆われると、太陽電池モジュールの温度が低下するため、温度センサー21、22にて夫々検出した参考モジュール11と評価モジュール12の温度差を利用し、ホコリの堆積具合の判断を補助することもできる。
次に、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失ΔPtの算出について、説明する。太陽電池モジュールが太陽光を受けると、温度は徐々に上がる。太陽電池モジュールの温度が上がると、発電量を低下させるため、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失ΔPtは、下記式2から、評価モジュール12の実際使用状態下での操作温度と標準温度25°Cの状態下での発電損失を比較し算出することができる。
ΔPt=P×[{α(T−25)}/{1+α(T−25})……(式2)
式2中、PはPV通信記録装置15が記録した評価モジュール12の発電電力であり、αは太陽電池モジュールの温度係数であり、Tは温度センサー22が検出した評価モジュール12の操作温度である。
太陽電池モジュールの操作温度は、温度センサー22により検出される。前記温度センサー22は評価モジュール12の表面か裏面における任意の場所に設置されても良く、且つ温度センサー22の数は一つに限らず、複数であっても良い。温度センサー22の数は複数である場合、複数の温度センサーによる検出した操作温度の平均値をモジュールの操作温度とする。
しかし、温度センサー22は太陽電池モジュールの表面か裏面に設置されるため、温度センサー22に風が当たると、温度センサー22により検出した温度と太陽電池モジュールの実際操作温度に差が生じる可能性がある。なお、環境中の温度、湿度も温度センサー22による検出した温度と太陽電池モジュールの実際操作温度に差異を生じさせる可能性があるため、温湿度計25及び風速風向計26を利用して太陽電池モジュールの操作温度を補正することもできる。
太陽電池モジュールによる転換可能な太陽光のエネルギー量は、太陽光の日照強度及び太陽電池モジュールの温度によって決められる。異なる稼動環境及び条件下で太陽電池モジュールの電力出力も異なるため、最大電力点追従器が開発された。最大電力点追従器は、日照強度が変化すると、太陽電池モジュールの最大電力点を追従できるとともに、太陽電池モジュールの一部が遮断された場合も、太陽電池モジュールの電力出力を最大にすることができるものである。
本発明は、最大電力点追従装置13、14を使用することによって、参考モジュール11と評価モジュール12が随時に最大電力を出力できるように参考モジュール11と評価モジュール12の最大電力点を追従し保持する。しかし、太陽光が瞬間的に遮断されると、太陽電池モジュールの電力が低下するが、最大電力点追従装置が最大電力点を追従できない場合もあるため、最大電力点追従による電力損失が生じる。そのため、本発明のもう一つの特点は、最大電力点追従による電力損失を算出できることにある。
本発明における最大電力点追従による電力損失は、太陽電池モジュールの発電データと日照値とを比較することによって最大電力点追従による電力損失ΔPmを算出する。詳しく説明すると、PV通信記録装置15による記録した評価モジュール12の電流及び電力値と、日照計22による検出した日照値を使用し、統計的手法である回帰分析により電流と日照値との線形回帰関係を求める。回帰直線の上方と下方にある異常値(例えば、±5%)を取り除き、さらに電力と日照値との線形回帰関係を求めた後、電力と日照値の回帰直線から上限値と下限値(例えば、±10%)を決め、回帰直線の上限値と下限値を超えた数値を最大電力点追従による電力損失とする。
以上のように、本発明によれば、従来太陽電池モジュールが実際に稼動する際、その効能は理論効能のように達成できたか否かを有効に判断できない問題を解決できる。
本発明は、参考モジュールと評価モジュールを利用し、太陽電池モジュールの発電データと各センサー(例えば、温度センサー、雨量計、微粒子検出器、温湿度計、風速風向計、日照計等)から検出したデータを收集し、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失、及び最大電力点追従による電力損失を含む太陽電池モジュールの発電損失を算出するとともに、定格出力との比較によって、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出し、適時に発電効率を反映し、さらにアラームとアドバイスを発する。
さらに、本発明の特徴である、ホコリ堆積による電力損失、太陽電池モジュールの操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失を利用しながら、定格出力との比較によって、太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出することができる特有の演算法によれば、運営とメンテナンスの参考情報(例えば、洗浄する必要があるかどうか、材料が劣化したかどうか、また、発電効率が思ったより低くなる場合、メンテナンスを行う或いは太陽電池モジュールを交換する必要があるかどうか)が含まれる分析報告情報を発電所の人員に定期的に提供することができる。さらに、太陽電池モジュールの製造メーカーとの間に締結された契約における内容と不一致な場合、補償を求める権利行使の証拠に使うことができる。
1,2,3,4……太陽電池モジュールの効能監視システム、11……参考モジュール、12……評価モジュール、13,14……最大電力点追従装置、15……PV通信記録装置、16,29,31,33,35〜38……演算表示装置、17,30,32,34,39〜42……警報装置、21,22……温度センサー、23……雨量計、24……微粒子検出器、25……温湿度計、26……風速風向計、27……日照計、28……センサー通信記録装置、71……電源供給器。

Claims (19)

  1. 太陽電池モジュールのホコリ堆積による電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続されることにより、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、それらの電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、
    前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールのホコリ堆積による電力損失を算出する演算表示装置と、
    を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システム。
  2. さらに雨量計を備え、前記ホコリ堆積による電力損失の算出を補助するために前記雨量計を使うことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  3. さらに微粒子検出器を備え、前記ホコリ堆積による電力損失の算出を補助するために前記微粒子検出器を使うことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  4. 太陽電池モジュールの操作温度による電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続されることにより、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、その電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、
    二つの温度センサーを含み、前記二つの温度センサーによる検出した前記参考モジュールと前記評価モジュールの操作温度を記録するセンサー通信記録装置と、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、
    前記センサー通信記録装置と前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールの操作温度による電力損失を算出する演算表示装置と、
    を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システム。
  5. 前記センサー通信記録装置はさらに温湿度計を含み、前記温湿度計により前記参考モジュールと前記評価モジュールの操作温度を補正することを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  6. 前記センサー通信記録装置はさらに風速風向計を含み、前記風速風向計により前記参考モジュールと前記評価モジュールの操作温度による電力損失を補正することを特徴とする請求項4に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  7. 太陽電池モジュールの最大電力点追従による電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続され、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、その電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、
    日照計を含み、前記日照計による検出した環境中の日射量を記録するセンサー通信記録装置と、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、
    前記センサー通信記録装置と前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールの最大電力点追従による電力損失を算出する演算表示装置と、
    を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システム。
  8. 太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失を算出し監視することによって、使用者に太陽電池モジュールの発電情況を提供する太陽電池モジュールの効能監視システムであって、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は常に清潔な状態に保たれる参考モジュールと、
    太陽光発電モジュールであって、その表面は実際の環境によりホコリで覆われる評価モジュールと、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに夫々接続され、前記二つのモジュールの電力を夫々に追従し、その電力出力を最大点に保持する二つの最大電力点追従装置と、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールに接続されることにより、前記二つのモジュールの発電結果を記録するPV通信記録装置と、
    前記参考モジュールと前記評価モジュールの操作温度を検出する二つの温度センサーと日照計を含み、前記センサーによる検出した結果を記録するセンサー通信記録装置と、
    前記センサー通信記録装置と前記PV通信記録装置に接続されることにより、前記評価モジュールのホコリ堆積による電力損失、操作温度による電力損失及び最大電力点追従による電力損失を夫々算出するとともに、前記参考モジュールの定格出力との比較によって、前記評価モジュールの実際操作時の電力損失を算出する演算表示装置と、
    を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視システム。
  9. 前記演算表示装置は、1又は複数設けられていることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  10. さらに警報装置を備え、前記演算表示装置の算出した電力損失が特定値を超えた時に適時にアラームとアドバイスを発することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  11. 前記の各構成要件間のあらゆるデータの伝送は、有線、無線或いは電力線の中からいずれか一つで行うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  12. 前記参考モジュールにさらに洗浄装置が接続されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  13. 前記洗浄装置に使用される洗浄液体はリサイクルし再利用されることを特徴とする請求項12に記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  14. さらに前記参考モジュールと評価モジュールに接続される電源供給器を備え、前記参考モジュールと評価モジュールによる発電は前記電源供給器にフィードバック給電し、さらに前記電源供給器から前記太陽電池モジュールの効能監視システムにおける各部に給電することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  15. さらに外部電源に接続される電源供給器を備え、前記外部電源から前記電源供給器に給電し、さらに前記電源供給器から前記太陽電池モジュールの効能監視システムにおける各部に給電することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の太陽電池モジュールの効能監視システム。
  16. 太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失(Δp)を、下記式1、
    太陽電池モジュールの実際操作時の電力損失(Δp)
    =太陽電池モジュールの定格出力−(太陽電池モジュールの実際発電電力+ΔPd+ΔPt+ΔPm)……(式1)
    但し、太陽電池モジュールの定格出力は、表面が清潔状態に保たれる太陽電池モジュール(参考モジュール)が有する定格出力、
    太陽電池モジュールの実際発電電力は、表面がホコリで覆われる太陽電池モジュール(評価モジュール)の発電電力、
    ΔPdはホコリ堆積による電力損失、
    ΔPtは操作温度による電力損失、
    ΔPmは最大電力点追従による電力損失、
    から算出する
    ことを特徴とする太陽電池モジュールの効能監視方法。
  17. 前記ホコリ堆積による電力損失ΔPdは、前記参考モジュールの発電電力から前記評価モジュールの発電電力を引く演算方式で求められることを特徴とする請求項16に記載の太陽電池モジュールの効能監視方法。
  18. 前記モジュールの操作温度による電力損失ΔPtは、下記式2、
    ΔPt=P×[{α(T−25)}/{1+α(T−25}) ……(式2)
    但し、Pは前記評価モジュールの発電電力、
    αはモジュールの温度係数、
    Tは前記評価モジュールの操作温度、
    から算出する
    ことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池モジュールの効能監視方法。
  19. 前記最大電力点追従による電力損失ΔPmは、
    請求項8に記載の太陽電池モジュールの効能監視システムが備えたPV通信記録装置による検出した評価モジュールの電流及び電力と、日照計による検出した日照値を利用し、統計的手法である回帰分析により電流と日照値との線形回帰関係を求め、さらに電力と日照値との線形回帰関係を求め、電力と日照値の回帰直線から上限値と下限値を決め、回帰直線の上限値と下限値を超えた数値とする
    ことを特徴とする請求項16に記載の太陽電池モジュールの効能監視方法。
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