JP2019502340A - 太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法及びシステム、並びにこれを使用することによる太陽電池モジュールシステム - Google Patents
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Abstract
太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するためのシステム及び方法が提供される。方法は、ある時間期間中の塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの発電損失を計算するプロセスと、計算された時間期間中の塵埃の堆積に起因する発電損失を発電損失のコストに変換するプロセスと、時間期間中の発電損失のコストを介して発電損失の総コストが清掃のコストと等しいときの発電損失の総コストを計算するプロセスと、発電損失の総コストを参照することによって清掃の時点を決定するプロセスと、を含み得る。
Description
〔優先権の主張/関連出願〕
本出願は、2015年12月31日に出願された台湾特許出願第104144597号に対する優先権を主張する2016年1月15日に出願されたPCT/CN2016/071007の継続出願であり、その全体が参照により本明細書に援用されている。
本出願は、2015年12月31日に出願された台湾特許出願第104144597号に対する優先権を主張する2016年1月15日に出願されたPCT/CN2016/071007の継続出願であり、その全体が参照により本明細書に援用されている。
本開示は、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するためのシステム及び方法、並びにこれを使用する太陽電池モジュールシステムに関する。
現在のところ、化石燃料が主要なエネルギー源であり、日常生活において人間に電気を提供するため広く使用されている。しかしながら、化石燃料の増加に起因して、エネルギー源としての化石燃料が次第に枯渇し、気候が変動し、生態系が乱れる中で、太陽エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギー、及び水力エネルギーなどの代替エネルギーの開発の取り組みが各国で行われており、これらの中で、太陽エネルギーを使用する発電が最も大きな注目を集めている。1時間に地表に達する太陽エネルギーの量で、人間に丸1年分のエネルギーを提供することができ、また、太陽エネルギーは無尽蔵の天然資源である。太陽光発電は、決して使い尽くされることがなくかつ建物に容易に組み込むことができるなどの利点を有する。更に、近年の半導体材料の急速な進歩により、太陽エネルギーの光電変換効率は改善を続けており、この結果、太陽電池モジュールは消費者に広く利用されている。
しかしながら、太陽電池モジュールの発電効率には、様々な環境要因が強く影響する。例えば、気候、季節、又は日中若しくは夜間であるかは全て、太陽電池モジュールが生成する電力の量に影響する。加えて、汚れ及び/又は塵埃が太陽光発電の量を低下させることが知られている。通常、汚れ又は塵埃により発電量が低下するのを防止する目的で、太陽電池モジュールは、発電の効率を確保するために清掃される。しかしながら、太陽電池モジュールの継続的な清掃により太陽電池モジュールをきれいな状態に確保できるものの、清掃のコストは大きくなり、このため経済的な利益に欠ける。
太陽電池モジュールの発電損失を計算し、これを定格出力と比較して、太陽電池モジュールを実際に稼働させているときの電力損失を計算する、太陽電池モジュールの効率を監視するシステム及び方法が存在する。しかしながら、かかるシステム及び方法は、例えば交換又は清掃によって、塵埃の堆積に起因する電力損失に対処するための有効な方策については、何ら言及していない。
更に、太陽光発電システムの様々な電力損失を監視し異常があればそれを検出する、太陽光発電の監視のための方法、及び太陽光発電監視システムが提供されている。しかしながら、このシステムもやはり、塵埃の堆積に起因する電力損失に対処するための有効な方策については、何ら言及していない。
これらのシステムの上記の限界に鑑みて、積極的に研究開発を行い、塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの電力損失を回避しこれにより経済的な利益を得るのに有効な以下に開示する方法を得た。
本開示は特に太陽光モジュールの電池の清掃を決定するためのシステム及び方法に適用可能であり、本開示はこの文脈で記載される。ただし、このシステム及び方法は、例えば複数の太陽光モジュール、複数の太陽電池などと使用するのに、より大きな有用性があることが認識されるであろう。本開示の第1の態様によれば、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法及びシステムが提供される。方法は、ある時間期間中の塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの発電損失を計算することと、計算された時間期間中の塵埃の堆積に起因する発電損失を発電損失のコストに変換することと、時間期間中の発電損失のコストを介して発電損失の総コストが清掃のコストと等しいときの発電損失の総コストを計算することと、発電損失の総コストを参照することによって清掃の時点を決定することと、を含み得る。
本開示の第2の態様によれば、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法及びシステムが提供される。方法は、塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの累積発電損失を計算することと、計算された塵埃の堆積に起因する累積発電損失を発電損失のコストに変換することと、発電損失のコストを清掃のコストと即時に比較して、発電損失のコストが清掃のコストよりも小さい場合に、方法が塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの累積発電損失の計算に戻るようにすることと、を含み得る。発電損失のコストが清掃のコストと等しいか又はこれよりも大きい場合には、方法は、発電損失のコストが清掃のコストと等しいか又はこれよりも大きいときに、清掃の通知を生成してもよい。
本開示の第3の態様によれば、太陽電池モジュールシステムが提供される。太陽電池モジュールシステムは、太陽光発電モジュールでありかつその表面がきれいな状態に維持される基準モジュールと、太陽光発電モジュールでありかつ実際の環境内で塵埃に覆われる評価モジュールと、塵埃の堆積に起因する評価モジュールの発電損失に関連するデータを収集し、発電損失を計算し、清掃の時点の計算を行うように構成されている、データ収集要素と、データ収集要素によって計算された清掃の時点を表示するように構成されている表示要素と、を備え、太陽電池モジュールシステムは、清掃の時点を決定するために、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための上記した方法を使用する。
太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための本開示の方法及びシステム、並びに当該方法を使用する太陽電池モジュールシステムによれば、塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの電力損失を効果的に回避することができ、このため経済的な利益を得ることができる。
図1及び図2Aを参照して、本開示の第1の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法について以下に記載する。図1は、本発明の第1の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための計算方法を示す図である。図1の横軸は時間を表し、図1の縦軸は電力損失(単位ワット)を表す。図2Aは、第1の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点(図1に示すFct)を決定するための方法を示すフローチャートであり、図2Bは、第1の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するためのデータ収集及び分析システム又は装置4を示す。図1は、ある時間期間(時間、日、週、及び/又は月)にわたる太陽光モジュールの電力損失を示しており、この場合、経時的な総発電損失aTOTALが、グラフの垂直な直線を有する部分によって示されており、ある時間期間(図1の例ではT1からTx)中の発電損失が、グラフの格子柄のパターンを有する部分によって示されている。図2Aに関する方法について記載する前に、図2Bのデータ収集及び分析システム又は装置4、並びに、データ収集及び分析システム及び装置4を組み込むことができる図5の太陽電池モジュールシステム1について記載する。
図2Bに示すデータ収集及び分析システム/装置4は、ソフトウェア又はハードウェアとして実装できる。更に、データ収集及び分析システム/装置4の構成要素61〜64の各々もまた、ハードウェア又はソフトウェアとして実装できる。加えて、構成要素61〜64のうちのあるものをハードウェアとして実装でき、構成要素のうちのあるものをソフトウェアとして実装できる。清掃システム/装置6又は任意の構成要素61〜64がソフトウェアとして実装されるとき、構成要素は、データ収集及び分析システム/装置4のプロセッサが図2A又は図4に示す方法のプロセスを実行するよう構成されるように、データ収集及び分析システム/装置4のプロセッサによって実行可能な複数行のコンピュータコード(命令)を含み得る。これらのソフトウェアによる実施形態では、データ収集及び分析装置/システム4は、少なくとも1つのプロセッサを含む、複数行のコンピュータコードを記憶及び実行可能な1つ以上の演算リソースであってもよい。例えば、データ収集及び分析装置/システム4は、1つのサーバコンピュータ、1つ以上のブレードサーバ、などであってもよい。構成要素61〜64のいずれかがハードウェアとして実装されるとき、構成要素は、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、状態機械、集積回路などのようなハードウェアデバイスであってもよく、このハードウェアデバイスは、図2A又は図4に示す方法のプロセスを実行するように動作する。
図2Bに示すように、データ収集及び分析装置4は、図2AのプロセスS101又は図4のプロセスS201を実行可能な電力損失計算構成要素61と、図2AのプロセスS102又は図4のプロセスS202を実行可能な電力損失コスト生成構成要素62と、総電力損失コスト生成構成要素63と、図2AのプロセスS103、S104又は図4のプロセスS203、S204を実行可能な清掃時間決定構成要素64と、を含み得る。
清掃装置6、並びに太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための図2A及び図4に示す本開示に従う方法を使用する、太陽電池モジュールシステム1が、図5に示されている。太陽電池モジュールシステム1は一般に、太陽光発電モジュール(太陽電池モジュール、又は太陽電池、又は他の太陽光発電モジュール若しくはデバイス)である基準モジュール2を有し、このモジュールの表面は常にきれいな状態のままであり、このため、太陽電池モジュールシステム1が特定の環境内にあるときに、きれいな太陽光発電モジュールの発電を測定できるようになっている。太陽電池モジュールシステム1はまた、太陽光発電モジュールである評価モジュール3を有してもよく、その表面は、太陽電池モジュールシステム1が置かれている特定の環境に起因して塵埃/汚れによって覆われ、このため、太陽電池モジュールシステム1が特定の環境内にあるときに、特定の環境内の汚れた太陽光発電モジュールの発電を測定できるようになっている。太陽電池モジュールシステム1は、基準モジュール2及び評価モジュール3の各々に連結された、一般的な太陽光モジュール温度センサ7、8を更に有してもよい。
太陽電池モジュールシステム1はまた、図2Bに示す構成要素を有し得るデータ収集及び分析要素4も備えることができ、評価モジュール3及び基準モジュール2の発電並びに塵埃/汚れ又は他の堆積物に起因する評価モジュール3の電力損失についてのデータを収集するように構成され得る。データ収集及び分析要素4はまた、発電損失を計算すること、及び清掃の時点の計算を行うこともでき、これらの方法は図2A及び図4に示されており、また以下に記載されている。データ収集及び分析要素4はまた、以下に記載するように、雨ゲージ9及び微粒子検出器10からデータを受信することもできる。太陽電池モジュールシステム1はまた、データ収集要素4によって計算される清掃の時点を表示するように構成された、表示要素5も備え得る。太陽電池モジュールシステム1はまた、清掃の時点において太陽電池モジュール(及び評価モジュール3)の清掃を実際に実施する、既知の清掃システム6も備え得る。
図5に示すような基準モジュール2及び評価モジュール3に加えて、太陽電池モジュールシステム1は、発電を行っている複数の発電用太陽光モジュールを有し得る。太陽電池モジュールシステム1は太陽電池モジュールシステム1に連結された複数の太陽光モジュールのどのような特定の構成にも限定されないので、複数の発電用太陽光モジュールは、広く並べた太陽光モジュール、又は任意の他の構成とした太陽光モジュールであってよい。動作時、評価モジュール3は、複数の太陽光モジュールの各々の上の塵埃/汚れ/他の堆積物をシミュレートし、したがって、太陽電池モジュールシステム1の通常動作中の、複数の太陽光モジュールの各々に関する電力損失もシミュレートする。こうして、太陽電池モジュールシステム1は、以下でより詳細に記載するように、太陽光モジュールシステム1の発電中に、太陽光モジュールをいつ清掃する必要があるかを決定する。
図2Aに示すように、本開示の第1の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法20は、1つ以上のプロセスを含む。方法20のプロセスは、ある実施形態では、図2B及び図5に示すデータ収集及び分析要素4によって実施することができる。この方法では、プロセスは、以下でより詳細に記載するように、ある時間期間中の塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの発電損失を計算できる(S101)。一部の実施形態では、このプロセスは、データ収集及び分析要素4(又は電力損失計算構成要素61)によって実行することができる。方法は次いで、以下でより詳細に記載するように、計算された時間期間中の塵埃の堆積に起因する発電損失を発電損失のコストに変換することができる(S102)。一部の実施形態では、このプロセスは、データ収集及び分析要素4(又は電力損失コスト生成構成要素62)によって実行することができる。方法は次いで、以下でより詳細に記載するように、時間期間中の発電損失のコストを介して清掃のコストと等しい発電損失の総コストを計算することができる(S103)。一部の実施形態では、このプロセスは、データ収集及び分析要素4(又は電力損失総コスト生成構成要素63)によって実行することができる。方法はまた、以下でより詳細に記載するように、発電損失の総コストから清掃の時点を決定することもできる(S104)。一部の実施形態では、このプロセスは、データ収集及び分析要素4(又は清掃時間決定構成要素64)によって実行することができる。
図1及び図2Aに示すように、ある時間期間中の塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの発電損失が決定され(S101)、この場合、最初に時間期間(図1に示すような開始点T1から終了点TXまで)を決め、複数のサンプルを取って、複数のサンプリングされるデータ点を得る。次いで、サンプリングされる各データ点に関する基準モジュール2の発電電力から、サンプリングされる各データ点に関する評価モジュール3の発電電力を減算することによって、時間期間中の複数のサンプリングされるデータ点の各々に関する各電力損失が計算される。これらのモジュール2、3の各々に関する発電電力は、既存の知られている技法を使用して決定することができる。次に、時間と全てのサンプリングされるデータ点に関する電力損失との間の線形の関係が取得され、図1に示すような時間期間の開始点T1における電力損失a1と時間期間の終了点TXにおける電力損失a2との間の直線Sr1を使用することによって、時間期間中の電力損失a3を計算することができる。
加えて、表示要素5を使用して事前に定義された時点tを使用者が設定することによって、上述したサンプリングされるデータ点のデータを事前に定義された時点tにおいて更新することができる。更新を行うための事前に定義された時点tは、時間期間の長さ、例えば毎日、毎週、又は毎月として規定され得る。
評価モジュール3(及びしたがって太陽光モジュールシステム1中の残りの太陽光モジュール)の表面に関する発電損失が、塵埃/汚れの堆積に起因するのかそれとも別の要因(例えば、システム1が塵埃/汚れの堆積以外の何かに起因して異常な様式で動作すること)に起因するのかを決定する目的で、雨ゲージ9及び微粒子検出器10を更に使用して、データ収集及び分析要素4によるこの決定を支援することができる。一般に、微粒子検出器10によって検出される微粒子の量が多いほど、塵埃の堆積に起因する電力損失は大きくなる。他方で、雨ゲージによって検出される降雨の量が多いほど、太陽光発電モジュールの表面は洗われてよりきれいになり、この結果、塵埃の堆積に起因する電力損失が低減することになる。上述が当てはまらない場合、電力損失の原因は、塵埃の堆積とは違っていると推測できる。したがって、システム1、又は雨ゲージ9若しくは微粒子検出器10のような検出要素を調べる必要があるか否かが決定されることになる。
太陽光発電電力モジュール3が塵埃又は汚れによって覆われると、その熱エネルギーを受け取る効率が影響を受けることになる。したがって、電力損失状況が塵埃の堆積に起因するものであるかどうかの決定を支援するために基準モジュール2と評価モジュール3との間の温度差を得る目的で、基準モジュール2の熱センサ7及び評価モジュール3の熱センサ8を配設することができる。
図2Aに戻ると、方法は、計算された時間期間中の塵埃の堆積に起因する発電損失を発電損失のコストに変換する(S102)。より詳細には、計算された時間期間中の発電損失a3は、単位発電コストに基づいて発電損失a3の損失コストLに変換される。例えば、キロワット(kW)あたりのコストが5NT$であり1日の損失電力が200kWである場合、損失電力のコストは1,000(5×200=1,000)NT$となる。
方法は次いで、時間期間中の発電損失のコストを介して清掃のコストと等しい発電損失の総コストを計算することができる(S103)。より詳細には、時間及び時間期間中に失われた電力及び時間期間中の発電損失のコストLに関連する(図1に示すS101において導出された)直線Sr1を使用して、清掃のコストと等しい、総発電損失atotalに関する発電損失の総コストL1を計算する。
最後に、計算された発電損失の総コストL1(S103)、並びにS101において計算される時間及び電力損失に関連する直線Sr1を、以下の等式(1)に代入して、太陽電池モジュールを清掃する時点Fctを決定する(S104):
上式において
Fct:清掃の時点、
L1:発電損失の総コスト、及び
Sr1:時間及び電力損失に関連する直線。
Fct:清掃の時点、
L1:発電損失の総コスト、及び
Sr1:時間及び電力損失に関連する直線。
上記の等式の太陽電池のデータへの適用の例を、図6に示す。
第1の実施形態による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法は、図2Aに示されていない清掃プロセスを更に含み得る。具体的には、発電損失の総コストL1が清掃のコストCと等しいとき、清掃が実施される。清掃のコストは、現地の通貨や、太陽光モジュールを清掃するために採用される方法、例えば、人力、ロボット、使用される任意の車両、水の利用可能性、などによって異なり得る。
このプロセスを実行するために、太陽電池モジュールシステム1はしたがって、清掃システム6を更に有し得る。清掃システム6は、例えば、清掃デバイス(図示せず)、太陽電池モジュールを清掃するために清掃デバイスの清掃領域、手順、及び清掃様式を決定するよう構成された清掃制御要素(図示せず)、並びに、画像、清掃デバイスからの切り替え信号、又はDCメータが示す値を介して、清掃動作を確定する動作確定要素(図示せず)であってよい。清掃デバイスは、評価モジュール3上に配設することができ、噴霧デバイス、ガスパージデバイス、機械式ブラッシングヘッド、又はスクレイパーなどの、任意の種類の物理的清掃デバイスであってもよい。
加えて、第1の実施形態による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法は、太陽電池モジュールに関する上記したサンプリング様式にそのように限定されない。例えば、清掃の時点は、現地の日照の平均量及び塵埃の平均堆積に起因する、太陽電池モジュールの電力損失についての履歴情報に基づいて決定することもできる。
更に、第2の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する清掃点を決定するための方法について、図3及び図4を参照して以下に記載する。図3は、第2の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための計算方法を示す図である。図3の横軸は時間を表し、図3の縦軸は電力損失を表す。図4は、第2の実施形態による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法を示すフローチャートである。第2の実施形態による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法を使用する太陽電池モジュールシステム1は、上記した第1の実施形態において使用されるものと同一であり、したがって、かかる太陽電池モジュールシステムの説明は本明細書では省略する。
図4を参照すると、第2の実施形態による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法は、塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの累積発電損失を計算する(S201)。方法はまた、計算された塵埃の堆積に起因する累積発電損失を発電損失のコストに変換すること(S202)、及び、発電損失のコストを清掃のコストと即時に比較すること(S203)もできる。発電損失のコストが清掃のコストよりも小さい場合、方法は、S201の塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの累積発電損失を計算することに戻る。発電損失のコストが清掃のコストと等しいか又はこれよりも大きい場合、方法は進行して、清掃の通知を生成することになる(S204)。
図3に示すように、電力損失が生じない開始時点(T0)から、各サンプリングされるデータ点の発電損失が各サンプルを取るときに計算され(S201)、次いでこれらのサンプリングされるデータ点の発電損失を、総発電損失btotalとして合計する。例えば、サンプリングされるデータ点T1においてその発電損失b1が得られるとき、サンプリングされるデータ点T1における総発電電力損失btotalは、Σ0 b1である。サンプリングされるデータ点T2においてその発電損失b2が得られるとき、サンプリングされるデータ点T2における総発電電力損失btotalは、Σ0 b2である。S201において合計された総発電損失btotalは、単位発電コストに基づいて損失コストL2に変換される(S202)。この変換技法は、図2Aを参照して上記されたものと同じであってもよい。
次に、発電損失の総損失コストL2が、清掃のコストLと比較される(S203)。発電損失の総損失コストL2が清掃のコストCよりも小さい場合、方法はS201に戻ることになり、サンプリングされるデータ点の発電損失が総発電損失btotalとして再び合計され、これが損失コストL2に変換される。発電損失の総損失コストL2が清掃のコストCと等しいか又はこれよりも大きい場合、清掃通知プロセス(S204)を実行することができる。こうして、発電損失のコストL2が清掃のコストCと等しいとき、時点TCNにおいて清掃通知が行われる。この計算の例を図6に示す。
第1の実施形態による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法の場合のように、第2の実施形態による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法は、清掃プロセスを更に含むこともできる。清掃プロセスは、第1の実施形態におけるものと同じであってもよいので、その詳細な説明は本明細書では省略する。
基準モジュール2、評価モジュール3、データ収集要素4、表示要素5、清掃システム6、温度センサ7、8、雨ゲージ9、及び微粒子検出器10に加えて、太陽電池モジュールシステム1は、本出願人の台湾特許公開第TW201350892号及び同第TW201414134号において開示されている、太陽電池モジュール効率監視システム又は太陽光発電監視システムを有してさえよい。更に、先述の2つの特許出願によって開示された構造に加えて、本発明による太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法の趣旨、すなわち、発電損失の総コストが清掃のコストと等しいときに太陽電池モジュールを清掃する最も好ましい時点となり、経済的な利益を得られること、から逸脱することなく、太陽電池モジュールシステム1の発電効率又は監視効率を支援するための、任意の他の補助要素を追加することもできる。
本発明による、太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための方法及び当該方法を使用する太陽電池モジュールシステムについて、以上に記載した。ただし、本発明はこれにそのように限定されず、付属の特許請求の範囲の範囲内で本発明の多数の変形が可能である。例えば、清掃のコストと等しい発電損失の総コストが得られれば、清掃の時点は任意の手法で取得することができる。太陽電池モジュールを清掃する時点を決定するための本発明の方法、並びに当該方法を使用する太陽電池モジュールシステムによれば、塵埃の堆積に起因する太陽電池モジュールの電力損失を効果的に回避することができ、経済的な利益が得られる。
上述の説明は、説明の目的上、特定の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、上記の例示的な論考は、網羅的であること、又は本開示を、開示される厳密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を鑑みて、多くの修正及び変形が可能である。本開示の原理及びその実際的な応用を最良の形で説明し、それによって他の当業者が、企図される特定の用途に適した様々な修正を行って、本開示及び様々な実施形態を最良の形で利用することが可能となるように、これらの実施形態を選択し説明した。
本明細書において開示するシステム及び方法は、1つ以上の構成要素、システム、サーバ、器具、他の副次的な構成要素を介して実装されてもよいか、又はかかる要素間に分散されてもよい。システムとして実装されるとき、かかるシステムはとりわけ、汎用コンピュータにおいて見られるソフトウェアモジュール、汎用CPU、RAM、等などの構成要素を含む及び/又は包含することができる。革新的特徴がサーバにある実装形態では、かかるサーバは、汎用コンピュータに見られるようなCPU、RAM、等などの構成要素を含むか又は包含することができる。
加えて、本明細書におけるシステム及び方法は、上に明記したもの以外に、異種の又は全く異なるソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェア構成要素を有する実装形態を介して達成できる。かかる他の構成要素(例えば、ソフトウェア、処理用構成要素、等)及び/又は本発明に関連する若しくは本発明を具現化するコンピュータ可読媒体に関して、例えば、本明細書における革新的特徴の態様は、多数の汎用又は専用の演算システム又は構成に従って実施可能である。本明細書における革新的特徴とともに使用するのに好適であり得る様々な例示の演算システム、環境、及び/又は構成としては、パーソナルコンピュータ内の又はパーソナルコンピュータ上で具現化されるソフトウェア又は他の構成要素、ルーティング/コネクティビティ構成要素などのサーバ又はサーバ演算デバイス、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、消費者向け電子デバイス、ネットワークPC、他の既存のコンピュータプラットフォーム、上記のシステム又はデバイスのうちの1つ以上を含む分散型演算環境、等が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の事例では、本システム及び方法の態様は、例えば、かかる構成要素又は回路構成と関連付けて実行される、プログラムモジュールを含む論理及び/又は論理命令を介して達成され得るか又はこれらによって実行され得る。一般に、プログラムモジュールとしては、本明細書では、特定のタスクを実行するか又は特定の命令を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、等を挙げることができる。本発明はまた、回路構成が通信バス、回路構成、又はリンクを介して接続される、分散型のソフトウェア、コンピュータ、又は回路環境の状況においても実施できる。分散型の環境では、制御/命令は、メモリ記憶デバイスを含むローカル及びリモートの両方のコンピュータ記憶媒体の両方から行うことができる。
本明細書におけるソフトウェア、回路構成、及び構成要素はまた、1種類以上のコンピュータ可読媒体を含むこと及び/又は利用することができる。コンピュータ可読媒体は、かかる回路及び/又は演算構成要素に常駐する、これらと関連付け可能な、又はこれらによってアクセス可能な、任意の利用可能な媒体とすることができる。例として、コンピュータ可読媒体としては、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を挙げることができるが、これらに限定されない。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報の記憶のための任意の方法又は技術で実装される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、若しくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、若しくは他の光学記憶装置、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶デバイス、又は、所望の情報を記憶するために使用可能でありかつ演算構成要素によってアクセス可能である任意の他の媒体が挙げられるが、これらに限定されない。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び/又は他の構成要素を備え得る。更に、通信媒体には有線ネットワーク又は直接配線接続などの有線媒体が含まれ得るが、本明細書におけるかかる種類の媒体はいずれも、一時的媒体は含まない。上記のいずれかの組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
本明細書の記載では、構成要素、モジュール、デバイス、等の用語は、種々の様式で実装され得る、任意の種類の論理的又は機能的なソフトウェア要素、回路、ブロック、及び/又はプロセスを指す場合がある。例えば、様々な回路及び/又はブロックの機能を互いと組み合わせて、任意の他の個数のモジュールとすることができる。各モジュールは、本明細書における革新的特徴の機能を実装するために中央処理装置によって読み出されることになる、有形メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、CD−ROMメモリ、ハードディスクドライブ、等)に記憶されたソフトウェアプログラムとしてさえ実装可能である。又は、モジュールは、伝送搬送波を介して汎用のコンピュータに又は処理/グラフィックハードウェアに伝送されるプログラミング命令を含み得る。また、モジュールは、本明細書における革新的特徴が包含している機能を実装するハードウェア論理回路構成としても実装可能である。最後に、モジュールは、専用の命令(SIMD命令)、フィールドプログラマブル論理アレイ、又は、所望のレベルの性能及びコストを提供するこれらを任意に混合したものを使用して、実装可能である。
本明細書で開示されるように、本開示に従う特徴は、コンピュータ−ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを介して実装可能である。例えば、本明細書において開示されるシステム及び方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路構成、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせも含むコンピュータなどの、データプロセッサを含め、様々な形態で具現化することができる。更に、開示される実装形態のうちのいくつかは、特定のハードウェア構成要素について記載しているが、本明細書における革新的特徴に従うシステム及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせを用いて実装可能である。更に、本明細書における革新的特徴の上記した特徴及び他の態様及び原理は、様々な環境において実装可能である。かかる環境及び関連するアプリケーションを、本発明による様々なルーチン、プロセス、及び/又は操作を実行するために特別に構築することができるか、又は、これらは、選択的に起動されるか若しくは必要な機能性を提供するようにコードによって再構成される汎用コンピュータ若しくは演算プラットフォームを含み得る。本明細書において開示されるプロセスは、どのような特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、又は他の装置にも本質的に関連しておらず、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの好適な組み合わせによって実装可能である。例えば、様々な汎用機械を、本発明の教示に従って書かれたプログラムとともに使用することができるか、又は、必要とされる方法及び技法を実行するように特化された装置若しくはシステムを構築することが、より便利であり得る。
本明細書に記載する方法及びシステムの態様、例えば論理はまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラム可能アレイ論理(「PAL」)デバイス、電気的プログラム可能論理及びメモリデバイスなどのプログラム可能論理デバイス(「PLD」)、並びに標準的なセルベースのデバイス、更には特定用途向け集積回路を含む、種々の回路構成のいずれかにプログラムされた機能性として実装することも可能である。態様を実装するためのいくつかの他の可能な選択肢としては、メモリデバイス、メモリ(例えばEEPROM)を有するマイクロコントローラ、埋め込み型マイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェア、等が挙げられる。更に、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーションを有するマイクロプロセッサ、個別の(連続的な及び組み合わせによる)論理、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)論理、量子デバイス、並びに上記の種類のデバイスのいずれかのハイブリッドにおいて、具現化することができる。基礎となるデバイス技術は、種々の種類の構成要素、例えば、相補形金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合論理(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー、及び金属共役ポリマー金属構造)、アナログとデジタルを混合したもの、などにおいて、提供することができる。
本明細書において開示される様々な論理及び/又は機能は、ハードウェア、ファームウェアの任意の数の組み合わせを使用して、並びに/又は、挙動に関する、レジスタ転送の、論理構成要素の、及び/若しくは他の特徴に関する、様々な機械可読若しくはコンピュータ−可読媒体において具現化されるデータ及び/若しくは命令として、実現可能であることにも留意すべきである。かかるフォーマットされたデータ及び/又は命令が具現化されるコンピュータ可読媒体としては、様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光学、磁性、又は半導体記憶媒体)を挙げることができるが、これらに限定されず、これらはやはり一時的媒体を含まない。文脈が明白にそれ以外を要求していない限りは、本明細書の全体を通して、「〜を備える」、「〜を備えている」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的な包括的な意味において、すなわち「〜を含むがこれに限定されない」という意味において、解釈されるべきである。単数又は複数を使用する単語は、それぞれ複数又は単数も含む。加えて、「ここにおいて」、「以下に」、「上記の」、「下記の」という単語、及び同様の趣旨の単語は、全体としての本出願を指しており、本出願の特定の部分を指すものではない。「又は」という単語が2つ以上の事物のリストに言及して使用されるとき、その単語は、単語の以下の解釈、すなわち、リスト中の事物のいずれか、リスト中の事物の全て、及びリスト中の事物の任意の組み合わせ、の全てを包含している。
本発明の現時点で好ましい特定の実装形態について本明細書において具体的に記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において示しかつ記載した様々な実装形態の変形及び修正を行うことができることが、本発明に関係する当業者には明らかであろう。したがって、適用可能な法の規定が要求する範囲までしか本発明が限定されないことが、意図されている。
前述の内容は本開示の特定の実施形態を参照しているが、この実施形態の変更を、添付の請求項によって範囲が規定される本開示の原理及び趣旨から逸脱することなく行うことができることが、当業者によって諒解されるであろう。
Claims (1)
- 太陽光モジュールの清掃時点を決定するための方法であって、
ある期間中の塵埃の堆積によって引き起こされた前記太陽光モジュールの発電電力の損失を計算するステップと、
前記計算された前記期間中の塵埃の堆積によって引き起こされた発電電力の損失がコストに変換される、発電電力の損失のコストを変換するステップと、
清掃コストと等しくなる発電電力の損失の総コストが、前記期間中の前記発電電力の損失のコストに従って計算される、前記発電電力の損失の総コストを計算するステップと、
前記清掃時点が前記発電電力の損失の総コストに従って決定される、前記清掃時点を決定するステップと、を含む、方法。
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