JP2013190368A - 圧力調整装置、並びに、環境試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、大幅なコストアップを招くことなく、袋体の膨張・収縮による劣化を抑えることができ、さらにそのような劣化に起因した破損や膨張・収縮時に起こり得る引っ掻き傷を防止できる袋体を備えた圧力調整装置、並びに、環境試験装置を提供することを目的とした。
【解決手段】環境試験装置1は、試験槽5を有した装置本体3と、試験槽5と連通した圧力調整装置2とを備えている。圧力調整装置2は、袋体部14を有し、その袋体部14は、試験槽5内の圧力変動に追従して膨張・収縮する内袋体27と、当該内袋体27の外側を覆う外袋体28とを有した二重構造である。
【選択図】図1
【解決手段】環境試験装置1は、試験槽5を有した装置本体3と、試験槽5と連通した圧力調整装置2とを備えている。圧力調整装置2は、袋体部14を有し、その袋体部14は、試験槽5内の圧力変動に追従して膨張・収縮する内袋体27と、当該内袋体27の外側を覆う外袋体28とを有した二重構造である。
【選択図】図1
Description
本発明は、環境試験装置の試験室内の圧力を調整する圧力調整装置に関するものであり、さらにその圧力調整装置を備えた環境試験装置に関する。
製品や素材等の性能や耐久性を試験する装置として、環境試験装置がある。この種の環境試験装置は、試験対象の試料体が載置される試験室を備え、この試験室内の温度や湿度を所望の試験環境に調整するものである。
ところで、環境試験装置を用いた環境試験(以下、単に環境試験ともいう)には、試験室の主に温度環境を急激に変化させて試験する冷熱衝撃試験がある。この冷熱衝撃試験は、試料体を高温にさらす高温さらし試験と、試料体を低温にさらす低温さらし試験を、所定の周期で繰り返し実施する試験である。すなわち、この種の環境試験装置には、高温さらし試験の実施の際に、試験室内の雰囲気温度を昇温させる加熱ヒータと、低温さらし試験の実施の際に、試験室内の雰囲気温度を降下させる冷却器が備えられている。
そして、このような環境試験装置では、冷熱衝撃試験が実施されると、ボイルシャルルの法則に従って、試験室の雰囲気温度が高温にされれば室内の気圧が大気圧よりも若干高くなり、試験室の雰囲気温度が低温にされれば室内の気圧が大気圧よりも若干低くなる。換言すれば、試験室内の雰囲気温度の変化に応じて、気体が膨張・収縮し、試験室内の気圧が高低する。そのため、この種の環境試験装置には、このような圧力変動を抑制するべく、外部と連通した外部連通口を設けて、その外部連通口を介して、試験室内あるいは外部の気体を流出入させているものがある。また、環境試験装置の中には、このような外部連通口を設けることなく、単に、当該装置の構造体の繋ぎ目等に形成された僅かな隙間を介して、試験室内の圧力変動を抑制できるものもある。
ところが、このように、試験室に外部と連通した外部連通口を設け、その外部連通口を介して、試験室内の圧力調整を行った場合、外気に含有された水蒸気によって、冷却器の冷却能力を著しく低下させてしまう不満があった。
これについて説明すると、冷熱衝撃試験では、低温さらし試験が実施されると、試験室内の気圧が大気圧よりも低くなる。すなわち、低温さらし試験の実施の際においては、試験室内の気圧の低下を抑制するべく、外部連通口を介して、試験室内に外気が流入する。その際に、試験室内に導入された外気は、冷却器にさらされることとなるが、冷却器では外気に含まれた水蒸気が凝縮されるため、当該冷却器の表面には霜が形成される(着霜)。また、この冷却器への着霜は、低温さらし試験の度に発生するため、長期的に実施される環境試験では、時間の経過と共に霜が大きく成長する。
このように、試験室に外部連通口を設けた場合、試験室内の圧力変動を適度に抑制できるが、時間の経過と共に冷却器に多量の霜が形成されるため、気体の流通が極度に阻害されて、冷却器の冷却能力を著しく低下させてしまっていた。そのため、この種の環境試験装置は、環境試験の信頼性を低減させる懸念を抱えていた。
これについて説明すると、冷熱衝撃試験では、低温さらし試験が実施されると、試験室内の気圧が大気圧よりも低くなる。すなわち、低温さらし試験の実施の際においては、試験室内の気圧の低下を抑制するべく、外部連通口を介して、試験室内に外気が流入する。その際に、試験室内に導入された外気は、冷却器にさらされることとなるが、冷却器では外気に含まれた水蒸気が凝縮されるため、当該冷却器の表面には霜が形成される(着霜)。また、この冷却器への着霜は、低温さらし試験の度に発生するため、長期的に実施される環境試験では、時間の経過と共に霜が大きく成長する。
このように、試験室に外部連通口を設けた場合、試験室内の圧力変動を適度に抑制できるが、時間の経過と共に冷却器に多量の霜が形成されるため、気体の流通が極度に阻害されて、冷却器の冷却能力を著しく低下させてしまっていた。そのため、この種の環境試験装置は、環境試験の信頼性を低減させる懸念を抱えていた。
そこで、近年においては、上記した問題を解決するべく、例えば、特許文献1、2に開示されているような、環境試験装置に設置される圧力調整装置が市場に提供されている。具体的には、特許文献1、2に記載の圧力調整装置は、膨張・収縮する袋体を有し、当該袋体と試験室とを連通状態にして、試験室内の圧力変動を調整している。すなわち、特許文献1、2の圧力調整装置は、試験室を外部に開放することなく、袋体と試験室との間で気体の移動を許して、試験室内の圧力変動の抑制を図っている。
しかしながら、特許文献1、2の圧力調整装置においては、試験室内の温度変化に応じて生じる圧力変動によって、袋体が繰り返し膨張・収縮するため、その袋体は劣化し易く、外的要因等によって、直ぐさま破れてしまうという不満を抱えていた。
そこで、そのような問題を解決するべく、圧力調整装置に用いられる袋体を、繰り返し行われる膨張・収縮に対して劣化し難い、耐久性が高い素材で形成する方策が案出される。しかしながら、そのような素材は、製造コストの大幅な増加を招くため、市場の観点からすれば、採用が困難であった。
そこで、そのような問題を解決するべく、圧力調整装置に用いられる袋体を、繰り返し行われる膨張・収縮に対して劣化し難い、耐久性が高い素材で形成する方策が案出される。しかしながら、そのような素材は、製造コストの大幅な増加を招くため、市場の観点からすれば、採用が困難であった。
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、大幅なコストアップを招くことなく、袋体の膨張・収縮による劣化を抑えることができ、さらにそのような劣化に起因した破損や膨張・収縮時に起こり得る引っ掻き傷を防止できる袋体を備えた圧力調整装置、並びに、環境試験装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するべく提供される請求項1に記載の発明は、所望の温度環境が形成される環境試験装置内の圧力変動を緩和する圧力調整装置であって、環境試験装置内の気体が出入りする袋体部を有し、袋体部は、環境試験装置と連通し前記圧力変動に追従して膨張・収縮する内袋体と、当該内袋体の外側を覆う外袋体とを有することを特徴とする圧力調整装置である。
本発明の圧力調整装置は、環境試験装置と連通した内袋体と、その外側を覆った外袋体を有した二重構造の袋体部を有した構成である。すなわち、内袋体は、気体を直接的に流出入させることにより、環境試験装置内の圧力変動を抑制する部分であり、外袋体は、内袋体に気体が流入して膨張する際に、内袋体の耐圧力を補強する機能を有する部分である。より詳細に説明すると、外袋体は、環境試験装置との間で気体の往来はなく、内袋体が一定以上膨張して、当該内袋体と外袋体の両者が密着した状態に至れば、外袋体の耐圧力が内袋体の耐圧力を補強するものである。そして、そのような構成は、例えば、内袋体を従来から用いられている材質で形成し、外袋体を内袋体と同一の材質、あるいは、それ以外の比較的安価で耐圧性の高い材質を用いて形成することで達成することができる。すなわち、本発明によれば、袋体部を二重構造にすることで、大幅なコストアップを招くことなく、従来の1枚の袋体に比べて、袋体部の耐圧力を向上させることができる。結果的に、内袋体に生じる膨張時の負荷が軽減されるため、内袋体が劣化や外的要因等に起因して、破損してしまうという不具合をなくすことができる。
請求項2に記載の発明は、外袋体は、内袋体の耐圧性よりも高い耐圧性を有していることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整装置である。
かかる構成によれば、外袋体として、例えば、膨張・収縮しない安価で耐圧性の高い材質を用いることができるため、コストアップを殆ど生じることなく、内袋体の耐圧力を補強することができる。例えば、安価で耐圧性が期待できる材質としては、帆布等の布などが挙げられる。
一般的に、膨張・収縮する材質を、気密性を確保しつつ、複雑な形状に加工する場合、非常に手間が掛かるため、コストアップが避けられない。
また、環境試験装置に用いられる圧力調整装置は、通常、所定の位置に配され、さらに圧力調整装置の袋体は、所定の空間内に配置される。すなわち、袋体は、前記所定の空間という制限された領域内でのみ膨張が許される。例えば、袋体が配置される所定の空間が、複雑な形状を呈している場合は、その袋体が膨張すれば、その形状に沿うような外郭形状を呈する。具体的には、袋体は、膨張作用に伴って、空間の形状に沿うように拡大して、当該空間形状とほぼ同様の形状を呈する。しかしながら、複雑な形状を呈している所定の空間内で、単に、袋体をその空間に沿うように膨張させた場合、袋体がその所定の空間を形成する空間形成部材のいずれかの箇所に引っ掛かる等して、袋体を破損させるおそれがあった。
そのため、袋体の外郭形状を、予め所定の空間に沿った形状に加工しておき、膨張・収縮の際に、袋体の外郭が、その空間に沿って殆ど移動(拡大又は縮小)することがない構成にする方策が勘案される。
しかしながら、前記したように、膨張・収縮する袋体に複雑な加工を施せば、気密性を確保するための加工に手間が掛かり、コストアップが避けられない。このような理由を勘案すれば、前記方策は採用できない。
そこで、前記した問題を解決するべく提供される請求項3に記載の発明は、袋体部を配する袋体配置空間を有し、外袋体は、収縮時の外郭形状が、袋体配置空間の輪郭に概ね沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力調整装置である。
また、環境試験装置に用いられる圧力調整装置は、通常、所定の位置に配され、さらに圧力調整装置の袋体は、所定の空間内に配置される。すなわち、袋体は、前記所定の空間という制限された領域内でのみ膨張が許される。例えば、袋体が配置される所定の空間が、複雑な形状を呈している場合は、その袋体が膨張すれば、その形状に沿うような外郭形状を呈する。具体的には、袋体は、膨張作用に伴って、空間の形状に沿うように拡大して、当該空間形状とほぼ同様の形状を呈する。しかしながら、複雑な形状を呈している所定の空間内で、単に、袋体をその空間に沿うように膨張させた場合、袋体がその所定の空間を形成する空間形成部材のいずれかの箇所に引っ掛かる等して、袋体を破損させるおそれがあった。
そのため、袋体の外郭形状を、予め所定の空間に沿った形状に加工しておき、膨張・収縮の際に、袋体の外郭が、その空間に沿って殆ど移動(拡大又は縮小)することがない構成にする方策が勘案される。
しかしながら、前記したように、膨張・収縮する袋体に複雑な加工を施せば、気密性を確保するための加工に手間が掛かり、コストアップが避けられない。このような理由を勘案すれば、前記方策は採用できない。
そこで、前記した問題を解決するべく提供される請求項3に記載の発明は、袋体部を配する袋体配置空間を有し、外袋体は、収縮時の外郭形状が、袋体配置空間の輪郭に概ね沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力調整装置である。
かかる構成によれば、大幅なコストアップに繋がり難い外袋体の外郭形状を、袋体配置空間の輪郭に概ね沿った形状に加工するため、袋体配置空間の形状が複雑なものであっても、全体の製造コストを比較的安価に抑えることができる。また、内袋体は、外袋体の内側で膨張・収縮するため、膨張・収縮の際に、複雑な形状に沿って移動したとしても、袋体配置空間を形成する部材等に引っ掛かったりすることがなく、結果、この引っ掛かり等に起因した内袋体の破損が起き得ない。
請求項4に記載の発明は、袋体部を配する袋体配置空間を有し、内袋体は、袋体配置空間内における収縮時と膨張時の外郭形状が異なるもので、当該膨張時においては、一部あるいは概ね全体が外袋体に密着しつつ、袋体配置空間の輪郭に概ね沿った形状となることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧力調整装置である。
かかる構成によれば、内袋体の外郭形状を、袋配置空間の輪郭に沿った形状に加工する必要がないため、コストアップを招くことがない。また、この内袋体は、外側を外袋体で覆っているため、袋体配置空間を形成する部材等に引っ掛かる等して、内袋体の破損等を引き起こすおそれがない。
請求項5に記載の発明は、前記袋体配置空間は、骨組み部と、壁面を形成する壁面形成部とで形成され、壁面形成部は、非耐力壁であることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧力調整装置である。
なお、ここで言う「非耐力壁」とは、帆布等やナイロン等の繊維で形成されたものを含んだ壁材を意味している。
なお、ここで言う「非耐力壁」とは、帆布等やナイロン等の繊維で形成されたものを含んだ壁材を意味している。
かかる構成によれば、袋体配置空間を、主に骨組み部で形成すると共に、壁面形成部を、非耐力壁を用いて形成したため、構造を簡素且つ強固なものにできつつ、製造コストを抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、前記外袋体と前記内袋体の両者を接続する接続手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧力調整装置である。
かかる構成によれば、外袋体と内袋体を接続するため、例えば、内袋体が外袋体内で偏った位置に配されて、膨張や収縮が阻害されてしまうような不具合が防止できる。すなわち、本発明によれば、環境試験の際に、環境試験装置内の圧力変動を抑制させる作用が十分に発揮されず、試験の精度が低下してしまうおそれがない。
請求項7に記載の発明は、前記内袋体を所定の位置に固定する固定手段を有し、前記外袋体には、内外を連通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔に挿通された固定手段を介して、外袋体を内袋体と共に前記所定の位置に固定できることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の圧力調整装置である。
かかる構成によれば、外袋体と内袋体を一体的に所定の位置に固定できるため、内袋体が膨張・収縮し得ない姿勢をとる可能性が低い。すなわち、固定方法として、例えば、上方からの吊設や、側方からの保持等を採用すれば、袋体部の姿勢が安定し、当該袋体部の円滑な膨張・収縮を可能とする。すなわち、本発明によれば、環境試験の際に、内袋体の膨張・収縮が阻害されて、環境試験装置内の圧力変動を抑制させる作用が十分に発揮されないという不具合が発生し得ない。結果、本発明においては、環境試験の精度が低下してしまうおそれがない。
請求項8に記載の発明は、少なくとも所望の温度環境が形成される試験室を備えた環境試験装置であって、請求項1〜7のいずれかに記載の圧力調整装置を有し、試験室には、試験室内の圧力変動に応じて気体が往来する試験室開口が設けられ、当該試験室開口は、前記圧力調整装置の袋体部が連通していることを特徴とする環境試験装置である。
本発明の環境試験装置は、圧力調整装置の袋体部を二重構造にすることで、大幅なコストアップを招くことなく、従来の1枚の袋体に比べて、袋体部の耐圧力を向上させると共に、引っ掻き傷による内袋体の破損を防止することができる。
本発明の圧力調整装置、並びに、環境試験装置は、袋体部を二重構造にすることで、大幅なコストアップを招くことなく、袋体部の劣化や外的要因等に起因した内袋体の破損の可能性を限りなく低いものとすることができる。
以下に、本発明の実施形態に係る環境試験装置1について説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、電子部品や電子機器、その他の試料体Wに熱的ストレスを与える、冷熱衝撃試験装置である。すなわち、環境試験装置1は、図1に示すように、試料体Wが載置される試験槽5を備えた装置本体3と、試験槽5に接続された圧力調整装置2とで構成されている。
本実施形態の環境試験装置1は、電子部品や電子機器、その他の試料体Wに熱的ストレスを与える、冷熱衝撃試験装置である。すなわち、環境試験装置1は、図1に示すように、試料体Wが載置される試験槽5を備えた装置本体3と、試験槽5に接続された圧力調整装置2とで構成されている。
装置本体3は、試料体Wが配される試験槽(試験室)5に熱風と冷風を所定のサイクルで送って、試験槽5の温度環境を急激に変化させ、高温環境と低温環境の一連の冷熱サイクルに試料体Wを繰り返しさらして、その試料体Wに熱ストレスを与えることができる装置である。すなわち、装置本体3は、試験槽5に加えて、その試験槽5の上部に隣接して熱風を生成する高温槽7と、試験槽5の下部に隣接して冷風を生成する低温槽10とを備えている。
より具体的には、試験槽5と高温槽7は、熱風導入口(開口)20と熱風排出口(開口)21を介して連通され、試験槽5と低温槽10は、冷風導入口(開口)22と冷風排出口(開口)23を介して連通されている。そして、熱風導入口20と熱風排出口21には、高温槽側ダンパ30、31が設けられ、冷風導入口22と冷風排出口23には、低温槽側ダンパ32、33が設けられている。すなわち、隣接する槽同士は、ダンパ30〜33の開口20〜23に対する姿勢を変更することで空気の流通を制限できる構成である。
また、試験槽5は、前記したように、試料体Wが載置される部屋であり、実際に試料体Wの冷熱衝撃試験が実施される空間たる試験部11を有する構成である。そして、試験槽5には、試験部11と外部が連通した試料体W用の出し入れ開口(図示しない)が設けられている。前記出し入れ開口に対しては、開閉可能な扉(図示しない)が取り付けられている。さらに、試験槽5には、気体往来開口(試験室開口)12が設けられている。この気体往来開口12は、試験槽5と後述する圧力調整装置2との間を往き来する気体(主に空気)が通過する開口である。
高温槽7は、槽内温度を予め設定した所望の高温側設定温度(例えば60〜200℃)まで加熱して、その高温空気を試験槽5との間で循環させる機能を備えた部屋であり、空気を加熱する2つの加熱用ヒータ6a、6bと、空気の流れを形成する公知の高温槽側送風機13と、高温槽7内の温度を検知する高温槽側温度センサ(図示しない)を有する。
低温槽10は、槽内温度を予め設定した所望の低温側設定温度(例えば−65〜0℃)まで冷却して、その低温空気を試験槽5との間で循環させる機能を備えた部屋であり、空気を冷却する冷却器8と、熱エネルギーを蓄冷する蓄冷器9と、空気の流れを形成する公知の低温槽側送風機15と、雰囲気温度の微調整をする3つの微調整用ヒータ19a〜19cと、低温槽10内の温度を検知する低温槽側温度センサ(図示しない)を有する。
圧力調整装置2は、装置本体3の気体往来開口12が位置する側に隣接して設置されるもので、試験槽5内の気体が出入りして膨張・収縮を行う袋体部14と、その袋体部14を収容する空間形成部材16と、袋体部14と試験槽5との間に気体の流通経路を形成するダクト18とを備えている。
袋体部14は、二重構造とされており、耐圧力及び外的要因から受け得る引っ掻きに対する強度(以下、単に引っ掻き強度という)が補強された構成である。具体的には、本実施形態の袋体部14は、直接的に気体が出入りする内袋体27と、その外側に位置する外袋体28とを有し、外袋体28で内袋体27の耐圧力及び引っ掻き強度を補強する構成とされている。
内袋体27は、ポリエチレン、ビニル樹脂、シリコン等の変形自在な材質で形成された薄いシート状の袋であり、内袋本体40と、内袋側接続部(接続手段)41とを有する。
内袋本体40は、内部に気体が滞留する滞留空間42と、その滞留空間42と連通した流通開口43とを有する構成である。すなわち、内袋本体40は、流通開口43を介して、気体を滞留空間42に流入させたり、逆に滞留空間42の外側に気体を流出させる機能を有する。また、内袋本体40は、それ自体の伸縮性は低く、外部から力が働かなければ、殆ど変形しない部分であり、滞留空間42に流入した気体によって、圧力が一定以上(大気圧以上)上昇すれば、外方向(滞留空間42を広げる方向)に向かって変形(膨張)し、逆に滞留空間42から気体が流出する等して、圧力が大気圧以下に下降すれば、内方向(滞留空間42を狭める方向)に向かって変形(収縮)する作用が働く。すなわち、内袋本体40は、滞留空間42に生じる圧力(以下、袋内圧力という)に応じて、外郭形状が変形し、それによって、袋内圧力の変動をほぼ一定(大気圧)に調整するものである。
内袋側接続部(接続手段)41は、内袋本体40の外側面であって、内袋本体40の滞留空間42を間に、流通開口43と対向する位置に設けられており、外袋体28との接続を可能にする部分である。具体的には、内袋側接続部41は、内袋本体40よりも変形し難い材質を用いて形成された板状体であり、部材厚方向に貫通した貫通孔55を有した部材である。すなわち、内袋側接続部41は、貫通孔55に後述する外袋体28の紐部材たる外袋側接続部46を取り付けて、内袋体27と外袋体28とを接続するものである。
外袋体28は、内袋体27に比べて引っ張り強度が高い材質(例えば、厚手のナイロンや帆布等)で形成されており、外袋本体45と、外袋側接続部(接続手段)46と、位置固定部(固定手段)47とを有する。
外袋本体45は、外郭形状が空間形成部材16の輪郭に概ね沿った形状であり、内部に内袋体27を収容する収容空間48と、外側開口57とを有する構成である。より具体的には、外袋本体45は、外観形状がほぼ直方体であり、空間形成部材16よりも1〜2回り小さいサイズであると共に、膨張した内袋体27とほぼ同程度のサイズにされている。
外側開口57は、内袋体27の流通開口43と同等あるいはそれよりも若干大きいサイズにされており、当該流通開口43を避け、所定の位置に取り付けるための単なる開口である。すなわち、外側開口57は、内袋体27の滞留空間42に流入される気体が導入されることがない開口である。
また、外袋本体45は、前記したように、内袋体27の耐圧力を補強する機能を有する。具体的には、外袋本体45は、内袋体27が膨張して、外袋本体45と内袋本体40とが互いに密着するに至った際に、内袋体27の外方向(収容空間48を広げる方向)に掛かる圧力に対抗する耐圧力が作用する。このように、外袋体28は、内袋体27が過剰に膨張し得る際に、その内袋体27の膨張を抑制するべく、内袋体27の耐圧力を補強する機能が働く部材である。
外袋側接続部(接続手段)46は、外袋本体45の内側面であって、外袋本体45の収容空間48を間に、外側開口57と対向する位置に設けられており、内袋体27との接続を可能にする部分である。具体的には、外袋側接続部46は、外袋本体45の内側面に縫い付けられた比較的強度のある紐部材である。すなわち、外袋側接続部46は、内袋側接続部41の貫通孔55にくくりつけて、外袋体28と内袋体27とを接続するものである。
位置固定部(固定手段)47は、外袋本体45の外側面であって、外袋側接続部46とほぼ同一の位置に設けられており、空間形成部材16への固定を可能にする部分である。具体的には、位置固定部47は、外袋体28と内袋体27とを吊設できる程度の引っ張り強度を有する部材であり、支持体56と、吊設体58とで構成されている。支持体56は、外袋本体45に取り付けられた板状体であり、部材厚方向に貫通した貫通孔60を有した部材である。吊設体58は、支持体56の貫通孔60に脱着可能であり、金属あるいは樹脂によってほぼ環状に形成された部材である。すなわち、位置固定部47は、支持体56に取り付けた吊設体58を介して、空間形成部材16に対して、外袋体28を固定できるものである。
空間形成部材16は、袋体部14を収容するほぼ直方体状の筐体であり、内部に袋体配置空間34を有する。すなわち、空間形成部材16は、天面壁61と、底面壁62と、それらの間に位置して側壁を形成する側面壁63とを有し、それらに囲繞された部分が袋体配置空間34とされている。また、空間形成部材16の天面壁61には、袋体配置空間34に配された袋体部14が吊設される被吊設部50が設けられている。
なお、被吊設部50は、外袋体28の吊設体58を引っ掛けて、袋体部14を吊り下げられることができればいかなるものであっても構わない。
なお、被吊設部50は、外袋体28の吊設体58を引っ掛けて、袋体部14を吊り下げられることができればいかなるものであっても構わない。
ダクト18は、装置本体3の試験槽5と、袋体部14の内袋体27の滞留空間42とを連通させる気体用流路であり、本実施形態では、袋体配置空間34内であって、その内面に沿うように配置されている。すなわち、ダクト18は、空間形成部材16の側面壁63に沿って上下方向に延びる鉛直流路部36と、鉛直流路部36の下端部(一方の端部)に接続され、空間形成部材16の底面壁62に沿って水平方向に延びる水平流路部37とを備えている。そして、鉛直流路部36の上端部(他方の端部)には、装置本体3の気体往来開口12が接続されており、水平流路部37の残りの端部には、袋体部14が接続されている。
また、本実施形態の環境試験装置1は、図示しない制御装置を有しており、当該制御装置によって、予め設定された条件(例えば、高温さらし運転→低温さらし運転といった一連の試験サイクルや目標設定温度等)や、各槽内の現在の温度情報等に基づいて、冷熱衝撃試験運転等を制御できる構成である。
続いて、圧力調整装置2における各部材の位置関係について説明する。
圧力調整装置2は、本実施形態における環境試験装置1の一部を構成するものであり、装置本体3に隣接した位置に設置されている。すなわち、圧力調整装置2は、前記したように、装置本体3の気体往来開口12が位置する側に隣接して配されている。具体的には、圧力調整装置2は、装置本体3の気体往来開口12に、空間形成部材16の袋体配置空間34内に配された、ダクト18の鉛直流路部36の一方の端部(上端)が接続されている。
圧力調整装置2は、本実施形態における環境試験装置1の一部を構成するものであり、装置本体3に隣接した位置に設置されている。すなわち、圧力調整装置2は、前記したように、装置本体3の気体往来開口12が位置する側に隣接して配されている。具体的には、圧力調整装置2は、装置本体3の気体往来開口12に、空間形成部材16の袋体配置空間34内に配された、ダクト18の鉛直流路部36の一方の端部(上端)が接続されている。
また、袋体配置空間34内であって、ダクト18の水平流路部37の一方の端部(鉛直流路部36の接続側と反対側の端部)側には、袋体部14が配されており、ダクト18の流路と内袋体27の滞留空間42とが連通状態にされている。具体的には、水平流路部37の前記一方の端部側に、袋体部14の内袋体27の流通開口43が鉛直方向下方に開口するように接続されて、ダクト18と内袋体27との連通関係が形成されている。そして、袋体部14を二重構造に形成する外袋体28が、内袋体27の外側を覆う位置に配されると共に、外側開口57が内袋体27の流通開口43とほぼ同一の位置となるように配されている。すなわち、外袋体28も、内袋体27と同様に、外側開口57を鉛直方向下方に向けられている。そして、外袋体28は、外側開口57をダクト18や内袋体27と連通させることなく、水平流路部37に接続されている。
また、袋体部14は、外袋体28の内部における内袋体27の偏りを防止するべく、両者を互いに接続手段41、46を介して接続している。すなわち、内袋体27は、内袋本体40の外側面に設けられた内袋側接続部41の貫通孔55に、外袋本体45の内側面に設けられた紐部材たる外袋側接続部46が繋がれて、外袋体28の収容空間48内に保持されている。そして、この袋体部14は、空間形成部材16の天面壁61側に吊設されている。すなわち、袋体部14は、位置固定部47の吊設体58を、空間形成部材16の被吊設部50に係合させて、吊り下げたような姿勢で、袋体配置空間34内の所定の位置に固定されている。そして、この状態において、図1に示すように、袋体部14の外袋体28は、ダクト18が配された袋体配置空間34の輪郭にほぼ沿うような外郭形状を呈すると共に、袋体部14の内袋体27は、断面形状がほぼ楕円形を呈している。
次に、圧力調整装置2の機能について説明する。
本実施形態における圧力調整装置2は、試験槽5における、圧力変動を緩和する機能を有し、その機能は、装置本体3を用いた環境試験の実施の最中に発揮される。
そこで、以下においては、冷熱衝撃試験の基本動作の説明と共に、圧力調整装置2の機能について説明する。
なお、以下の冷熱衝撃試験は、高温さらし試験、低温さらし試験の順番で一連の試験サイクルが繰り返し実施されるものとして説明する。
本実施形態における圧力調整装置2は、試験槽5における、圧力変動を緩和する機能を有し、その機能は、装置本体3を用いた環境試験の実施の最中に発揮される。
そこで、以下においては、冷熱衝撃試験の基本動作の説明と共に、圧力調整装置2の機能について説明する。
なお、以下の冷熱衝撃試験は、高温さらし試験、低温さらし試験の順番で一連の試験サイクルが繰り返し実施されるものとして説明する。
本実施形態では、冷熱衝撃試験運転が開始されると、まず1サイクル目の高温さらし試験が開始される。すなわち、環境試験装置1は、全てのダンパ30〜33が閉鎖状態であることを確認したことを条件に、高温槽7の加熱用ヒータ6a、6b及び高温槽側送風機13を起動し、高温槽7内を予め設定された目標設定温度まで加熱する(予熱動作)。その後、高温槽7内の雰囲気温度が、目標設定温度に達すれば、高温槽側ダンパ30、31を開放状態に制御し、高温さらし試験が開始される。高温さらし試験では、高温槽7側から試験槽5側に高温空気が送り込まれる。高温空気は、熱風導入口20を介して試験部11内に導入されるため、試料体Wは加熱される。そして、試験部11を通過した高温空気は、熱風排出口21を介して、再び高温槽7側に流入する。すなわち、高温さらし試験は、高温槽側ダンパ30、31が開放状態に制御された後、高温槽7と試験槽5との間で高温空気を循環させて、常温環境から急激に高温域まで加熱した際における試料体Wの評価、及び、高温環境における試料体Wの評価を図れるものである。
一方、このときの試験槽5内の圧力環境に注目すると、高温さらし試験が開始され、槽内温度が上昇すると、それに伴って、槽内圧力(静圧)は高くなる。具体的には、試験槽5内は、空気が加熱されることによって分子の運動エネルギーが増加し、その分子の運動範囲が広範囲(空気が膨張)となるため、槽内圧力は上昇傾向となる。換言すれば、高温さらし試験では、試験槽5内の圧力が上昇傾向となるため、試験槽5内の空気は気圧の低い側に移動を始める。すなわち、試験槽5内の空気は、気体往来開口12からダクト18内に流出する。このようにして、試験槽5は、気体往来開口12から空気が吐出されることによって、圧力上昇が緩和される。
これに追従して、気体往来開口12に連通した内袋体27の滞留空間42には、試験槽5の気体往来開口12から吐出された空気が導入されるため、内袋体27内の圧力は上昇傾向となる。そして、内袋体27は、この空気の導入により、滞留空間42が広がる方向に膨張する。そして、この内袋体27の膨張は、試験槽5内と内袋体27内の圧力がほぼ均衡した状態になるまで継続する。逆に言えば、試験槽5内の圧力の上昇傾向が継続する限り、内袋体27の膨張作用は継続される。そして、内袋体27への空気の流入が継続されて、図2に示すように、内袋体27が一定以上膨張した状態に至れば、内袋体27の外側面のほぼ全体が、外袋体28の内側面に密着する。すなわち、内袋体27が一定以上膨張した場合、外袋体28が内袋体27の膨張を抑える抗力として作用するため、内袋体27の耐圧力が強化される。そして、その後、さらに内袋体27に空気の流入が継続された場合においては、内袋体27がし得る膨張は、外袋体28の膨張可能範囲に制限される。
このようにして、高温さらし試験が実施される。そして、この高温さらし試験は、予め設定された所定の時間(以下、高温さらし時間という)行われる。
なお、上記においては、内袋体27の圧力が上昇すると説明しているが、説明の理解を容易にするための記載であり、実際の内袋体27の圧力は、それ程上昇するものではない。
このようにして、高温さらし試験が実施される。そして、この高温さらし試験は、予め設定された所定の時間(以下、高温さらし時間という)行われる。
なお、上記においては、内袋体27の圧力が上昇すると説明しているが、説明の理解を容易にするための記載であり、実際の内袋体27の圧力は、それ程上昇するものではない。
前記高温さらし時間の終了に至ると、1サイクル目の高温さらし試験が終了し、同サイクルの低温さらし試験が開始される。
ここで、本実施形態では、低温さらし試験を実行するにあたっては、高温さらし試験が実施されているタイミングに、並行して予冷動作が実行されている。すなわち、前記したタイミングにおいて、低温槽側ダンパ32、33を閉止姿勢に制御した状態で、冷凍機(図示しない)を起動して冷却器8に冷媒を流すと共に、低温槽側送風機15を起動し、さらに微調整用ヒータ19a〜19cを起動して、低温槽10内の冷却を開始する。これにより、高温さらし試験が終了した時点においては、低温槽10内の雰囲気温度は、予め設定された目標設定温度に至ることとなる。すなわち、予冷動作を行うことで、高温さらし試験が終了した際に、好適に低温さらし試験が開始できる。
ここで、本実施形態では、低温さらし試験を実行するにあたっては、高温さらし試験が実施されているタイミングに、並行して予冷動作が実行されている。すなわち、前記したタイミングにおいて、低温槽側ダンパ32、33を閉止姿勢に制御した状態で、冷凍機(図示しない)を起動して冷却器8に冷媒を流すと共に、低温槽側送風機15を起動し、さらに微調整用ヒータ19a〜19cを起動して、低温槽10内の冷却を開始する。これにより、高温さらし試験が終了した時点においては、低温槽10内の雰囲気温度は、予め設定された目標設定温度に至ることとなる。すなわち、予冷動作を行うことで、高温さらし試験が終了した際に、好適に低温さらし試験が開始できる。
したがって、高温さらし試験が終了すると、環境試験装置1は、高温槽側ダンパ30、31を閉鎖状態に制御すると同時に、低温槽側ダンパ32、33を開放状態に制御して低温さらし試験が開始される。なお、このとき前記したように予冷動作により、低温槽側送風機15は既に起動されている。低温さらし試験では、試験槽5に導入される高温空気の流入が絶たれて、低温槽10側から試験槽5側に低温空気が送り込まれる。低温空気は、冷風導入口22を介して試験部11内に導入されるため、高温域まで加熱された試料体Wは低温域まで冷やされる。すなわち、低温さらし試験は、低温槽側ダンパ32、33が開放状態に制御された後、低温槽10と試験槽5との間で低温空気を循環させて、高温環境から急激に低温域まで冷却した際における試料体Wの評価、及び、低温環境における試料体Wの評価を図れるものである。
一方、このときの試験槽5内の圧力環境に注目すると、低温さらし試験が開始され、槽内温度が低下すると、それに伴って、槽内圧力は低くなる。具体的には、試験槽5内は、空気が冷却されることによって分子の運動エネルギーが減少し、その分子の行動範囲が狭小範囲(収縮)となるため、槽内圧力は下降傾向となる。換言すれば、低温さらし試験では、試験槽5内の圧力が下降傾向となるため、試験槽5内は空気が流入し易い状態となる。すなわち、気体往来開口12を介して、試験槽5内に空気が流入する。このようにして、試験槽5は、気体往来開口12から空気が導入されることによって、圧力降下が緩和される。
これに追従して、気体往来開口12に連通した内袋体27の滞留空間42からは、試験槽5の気体往来開口12に向けて空気が吐出されるため、内袋体27内の圧力は下降傾向となる。そして、内袋体27は、この空気の吐出により、滞留空間42が狭まる方向に収縮する。そして、この内袋体27の収縮は、試験槽5内と内袋体27内の圧力がほぼ均衡した状態あるいは内袋体27がほぼ完全に縮むまで継続する。一方、外袋体28は、内袋体27からの空気の吐出が継続されて、図1に示すように、一定以下の膨張状態に至れば、内袋体27の外側面のほぼ全体が、外袋体28の内側面から離反する。すなわち、内袋体27が一定以下の膨張状態に至った場合、外袋体28の内袋体27の膨張を抑える抗力が作用しなくなる。換言すれば、この状態における、袋体部14の膨張に対する耐圧力は、内袋体27のみの耐圧力となる。このようにして、低温さらし試験が実施される。そして、この低温さらし試験は、予め設定された所定の時間(以下、低温さらし時間という)行われる。
そして、この低温さらし試験が終了すると、2サイクル目の高温さらし試験が実施され、前記同様の動作が所定のサイクルに至るまで、繰り返し行われる。
なお、低温さらし試験から高温さらし試験に移行した後、低温槽10では、微調整用ヒータ19a〜19cを停止すると共に、冷凍機及び低温槽側送風機15を停止あるいは出力を最低出力に維持する制御が実行される。
このようにして、冷熱衝撃試験は、予め設定された所定数分のサイクルに至るまで、高温さらし試験、並びに、低温さらし試験が繰り返し行われる。
なお、低温さらし試験から高温さらし試験に移行した後、低温槽10では、微調整用ヒータ19a〜19cを停止すると共に、冷凍機及び低温槽側送風機15を停止あるいは出力を最低出力に維持する制御が実行される。
このようにして、冷熱衝撃試験は、予め設定された所定数分のサイクルに至るまで、高温さらし試験、並びに、低温さらし試験が繰り返し行われる。
以上のように、本実施形態では、圧力調整装置2の袋体部14が、内袋体27と外袋体28の二重構造にされて、内袋体27の耐圧力が外袋体28によって補強されているため、内袋体27が一定以上膨張する場合に、内袋体27に対して過剰な負荷が掛からない。すなわち、内袋体27に生じる膨張・収縮時の負荷が軽減されるため、内袋体27が劣化や外的要因等に起因した破損を起こす可能性を低くできる。また、これによって、内袋体27における膨張・収縮時に生じる劣化速度が抑制されるため、従来よりも、袋体部14の使用可能期間を延長させることができる。
また、本実施形態では、ナイロンや帆布等の材質で形成された外袋体28の外郭形状を、袋体配置空間34の輪郭に概ね沿わせた形状にし、ポリエチレン、ビニル樹脂、シリコン等の材質で形成された内袋体27の外郭形状は簡素な形状(断面が楕円形)としたため、内袋体27の加工費等によって、大幅なコストアップを招くことなく、袋体部14の耐圧性の強化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、内袋体27と外袋体28とを、接続手段41、46とで接続して、外袋体28の収容空間48内において内袋体27の配置が偏ってしまう不具合の発生を防止したため、内袋体27の膨張・収縮が阻害されることがない。結果として、試験槽5内の圧力調整が適正に行われるため、試験結果の精度を低下させてしまうという不具合の発生のおそれはない。
上記実施形態では、外袋体28の外郭形状を袋体配置空間34の輪郭(上記においてはダクト18を含んだ輪郭)に概ね沿って形成した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、内袋体27と同様、外袋体の断面形状をほぼ楕円形の簡素な形状としても構わない。
上記実施形態では、内袋体27と外袋体28とを異なる材質にして、コストの増加を抑制する構成を示したが、本発明はこれに限定されず、内袋体27と同様の材質を、外袋体に採用した構成であっても構わない。
また、本発明では、内袋体27は、ゴム等の弾性を備えた材質で形成した構成であっても構わない。
また、本発明では、内袋体27は、ゴム等の弾性を備えた材質で形成した構成であっても構わない。
上記実施形態では、内袋体27と外袋体28とを接続する接続手段41、46として、紐部材(外袋側接続部46)と貫通孔55(内袋側接続部41)を繋ぎ合わせる構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、マジックテープ(登録商標)等、2つの部材を接続できる手段であれば、その他のいかなるものであっても構わない。
上記実施形態では、外袋体28の外側面に位置固定部(固定手段)47を設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、内袋体27の外側面に位置固定部47を設けた構成であっても構わない。この場合、図3に示すように、外袋体28に位置固定部47の吊設体58が挿通される挿通孔65を設ける必要がある。
上記実施形態では、空間形成部材33をほぼ直方体状に形成した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、圧力調整装置の設置現場の環境に合わせて、その他の形状を呈した空間形成部材を用いても構わない。例えば、図4に示すように、直方体の底部を四角錐状にした本体部67と、さらにその本体部67よりも小さい直方体状の側部拡張部68とで構成された空間形成部材66が挙げられる。また、この空間形成部材66を用いた場合においても、図5に示すように、外袋体28の外郭形状を、その空間形成部材66の輪郭に概ね沿う形状にすることが好ましい。これにより、この構成を採用した場合においても、上記実施形態と同様の作用効果を期待することができる。
上記実施形態では、袋体配置空間34を天面壁61、底面壁62、及び、側面壁63で形成した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、柱部材や梁部材等の骨組み部材で構造骨格を形成し、壁面形成部材として帆布等の非耐力壁を用いて袋体配置空間を形成した構成であっても構わない。
上記実施形態では、内袋体27と外袋体28とを1箇所のみに設けた接続手段41、46によって、互いに接続した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、内袋体27と外袋体28とを複数箇所に設けた接続手段によって、互いに接続した構成であっても構わない。すなわち、図6に示すように、袋体部14の上部に2箇所以上の接続手段41、46を設けた構成や、さらにこれに加えて、袋体部14の側部にも接続手段(例えば、上記変形例で示したマジックテープ(登録商標))70を設けた構成が挙げられる。
上記実施形態では、圧力調整装置2を装置本体3の側面に隣接するように配して、床に据え付けて設置した構成を示したが、本発明はこれに限定されず、圧力調整装置2を他の異なる箇所に設置した構成であっても構わない。例えば、圧力調整装置を、図面に示すよりも小さくして、装置本体3の側壁に掛けるようにして設置したり、装置本体3の天面に設置するような構成が挙げられる。
上記実施形態では、装置本体3の試験槽5と、袋体部14とをダクト18を用いて接続したが、本発明はこれに限定されず、ホース等の可撓性の流路形成部材を用いて接続した構成であっても構わない。
1 環境試験装置
2 圧力調整装置
3 装置本体
5 試験槽(試験室)
12 気体往来開口(試験室開口)
14 袋体部
16、66 空間形成部材
27 内袋体
28 外袋体
34 袋体配置空間
41 内袋側接続部(接続手段)
42 滞留空間
43 流通開口
46 外袋側接続部(接続手段)
47 固定手段(位置固定手段)
48 収容空間
70 接続手段
2 圧力調整装置
3 装置本体
5 試験槽(試験室)
12 気体往来開口(試験室開口)
14 袋体部
16、66 空間形成部材
27 内袋体
28 外袋体
34 袋体配置空間
41 内袋側接続部(接続手段)
42 滞留空間
43 流通開口
46 外袋側接続部(接続手段)
47 固定手段(位置固定手段)
48 収容空間
70 接続手段
Claims (8)
- 所望の温度環境が形成される環境試験装置内の圧力変動を緩和する圧力調整装置であって、
環境試験装置内の気体が出入りする袋体部を有し、
袋体部は、環境試験装置と連通し前記圧力変動に追従して膨張・収縮する内袋体と、当該内袋体の外側を覆う外袋体とを有することを特徴とする圧力調整装置。 - 外袋体は、内袋体の耐圧性よりも高い耐圧性を有していることを特徴とする請求項1に記載の圧力調整装置。
- 袋体部を配する袋体配置空間を有し、
外袋体は、収縮時の外郭形状が、袋体配置空間の輪郭に概ね沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力調整装置。 - 袋体部を配する袋体配置空間を有し、
内袋体は、袋体配置空間内における収縮時と膨張時の外郭形状が異なるもので、当該膨張時においては、一部あるいは概ね全体が外袋体に密着しつつ、袋体配置空間の輪郭に概ね沿った形状となることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧力調整装置。 - 前記袋体配置空間は、骨組み部と、壁面を形成する壁面形成部とで形成され、
壁面形成部は、非耐力壁であることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧力調整装置。 - 前記外袋体と前記内袋体の両者を接続する接続手段を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧力調整装置。
- 前記内袋体を所定の位置に固定する固定手段を有し、
前記外袋体には、内外を連通する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔に挿通された固定手段を介して、外袋体を内袋体と共に前記所定の位置に固定できることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の圧力調整装置。 - 少なくとも所望の温度環境が形成される試験室を備えた環境試験装置であって、
請求項1〜7のいずれかに記載の圧力調整装置を有し、
試験室には、試験室内の圧力変動に応じて気体が往来する試験室開口が設けられ、当該試験室開口は、前記圧力調整装置の袋体部が連通していることを特徴とする環境試験装置。
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