JP2013189781A - 建設機械の気泡除去システム - Google Patents

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Abstract

【課題】閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、効果的に気泡除去が行えるタイミングで油圧回路の気泡除去装置を稼動させ、気泡除去効果を確保しつつもエネルギーロスを低減することの可能な建設機械の気泡除去システムを提供する。
【解決手段】油圧回路(15,17)に気泡除去装置(11)を備えた分岐回路(18)を有し、該分岐回路へ回路を切り替える回路切替装置(7)とコントローラ(10)とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、建設機械の気泡除去システムに係り、建設機械のような流量変動が激しい油圧回路において、最適なタイミングで効果的に気泡除去を行うシステムに関するものである。
建設機械の油圧機器及び回路内を流れる作動油には、機器の稼動時のキャビテーションによる気泡の析出や気層と液層が混在する作動油タンクでの気泡の巻き込みなどにより、無数の気泡が存在する。この気泡(微小な気泡核も含む)は、さらなるキャビテーション、機器性能の低下、冷却能力の低下、システムの振動、作動油の劣化など様々な問題を引き起こす要因となり、その対策が求められている。
その対策方法の一つとして、油圧システム内の管路に組み込み、機器へ作動油を流し続けることによって作動油中の液体と気体を分離し回収する方法がある(例えば特許文献1参照)。またこの考え方を利用して気泡分離機能を有する作動油タンクなども提案されている(例えば特許文献2参照)。
さらに、上記技術を効果的に稼動させるために、冷却機能に関わる液中のパラメータをセンサで検出し、必要に応じて気泡分離器への回路をON/OFFする技術(例えば特許文献3参照)が公開されている。
特許第3261506号公報 特許第4467558号公報 特開2006−177260号公報
特許文献1、2に開示の技術では、気泡除去装置を油圧システムに適用する場合、オンラインで作動し続ける装置の特性上、余分なエネルギーロスが発生してしまう。また作動油中の気泡量に関係なく稼動し続けるため、除去が必要ない場合には常にエネルギを損失することになり好ましいことではない。さらに、これらの一定流量が連続的に流れることを前提とする既存技術の場合、建設機械のように流量変動が激しい油圧回路では、装置自体の動作が不安定になり正常な気泡除去を行えない状況が多々あり、改良の余地がある。
特許文献3に開示の技術では、回路中を流れる流量変化や発熱箇所の違いによりセンサからのパラメータで回路中の気泡状態を判断するのは困難である上に、例え気泡除去が必要な状態を正常に判断できたとしても建設機械の稼動状態によっては効果的に気泡除去を行うことができないおそれがある。
本発明の目的は、閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、効果的に気泡除去が行えるタイミングで油圧回路の気泡除去装置を稼動させ、気泡除去効果を確保しつつもエネルギーロスを低減することの可能な建設機械の気泡除去システムを提供することにある。
本発明の請求項1に係る建設機械の気泡除去システムは、建設機械の油圧回路を構成する油圧機器、タンク及び配管内部に混入している気泡の除去を行う建設機械の気泡除去システムにおいて、前記油圧回路中の作動油に混入した気泡を除去する気泡除去装置と、前記油圧回路から分岐して前記気泡除去装置に連通する分岐回路と、前記分岐回路への作動油の流通を選択的に切り替える回路切替装置と、前記回路切替装置に電気的に接続され、該回路切替装置へ切替操作信号を送信するコントローラとを備えることを特徴とする。
請求項2に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1において、建設機械の稼動状態や作動油の状態を検出する状態検出手段を有し、前記コントローラは、前記状態検出手段からの検出信号が気泡除去を行える条件を満たす状態に対応した信号であるとき、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信し、前記検出信号が前記条件を満たさない状態に対応した信号であるとき、前記分岐回路に切り替える切替操作信号を解除することを特徴とする。
請求項3に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項2において、建設機械のアクチュエータへの作動油の供給と遮断を行うアクチュエータ作動操作装置を備え、前記油圧回路は、建設機械のアクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機を有するとともに、前記コントローラは、タイマを含んでなり、前記状態検出手段は、前記原動機の回転速度、前記アクチュエータ作動操作装置の操作状態、前記タイマの計時時間を検出するものであって、前記コントローラは、前記状態検出手段が、前記原動機の回転速度が一定且つ前記アクチュエータ作動操作装置が操作されない状態を検出し、前記タイマが該原動機の回転速度が一定且つ該アクチュエータ作動操作装置が操作されない状態で所定の経過時間を計時したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする。
請求項4に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項2において、前記油圧回路は、建設機械のアクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機を含み、
前記状態検出手段は、前記原動機のアイドリング状態を検出するものであって、前記コントローラは、前記状態検出手段が、アイドリング状態を検出したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする。
請求項5に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項2において、前記油圧回路は、建設機械のアクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機としてディーゼルエンジンを含み、該ディーゼルエンジンの排気管路には排ガス中のパティキュレイトマターを捕捉するとともに前記ディーゼルエンジンの出力を所定出力まで上昇させて排ガス温度を所定温度以上に保持することで堆積した前記パティキュレイトマターを強制的に除去して再生可能なディーゼルパティキュレイトフィルタを備え、前記状態検出手段は、前記ディーゼルパティキュレイトフィルタの状態を検出するものであって、前記コントローラは、前記状態検出手段が、前記ディーゼルパティキュレイトフィルタの再生状態を検出したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする。
請求項6に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項2において、前記油圧回路は、前記回路切替装置の上流部に位置して作動油の流量を検出する流量検出手段または作動油の圧力を検出する圧力検出手段を有するとともに、前記コントローラは、タイマを含んでなり、前記状態検出手段は、前記流量検出手段または前記圧力検出手段によりそれぞれ作動油の流量或いは圧力を検出するとともに前記タイマの計時時間を検出するものであって、前記コントローラは、前記流量検出手段が所定流量を検出し或いは前記圧力検出手段が所定圧力を検出し、前記タイマが該流量検出手段が所定流量を検出した状態或いは該圧力検出手段が所定圧力を検出している状態で所定の経過時間を計時したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする。
請求項7に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記気泡除去装置は、一端側に少なくとも一つの流入口と他端側に流出口とを有するとともに内壁が横断面円形の流体室からなり、前記流体室は、前記内壁が前記流入口から前記流出口方向へ直径が漸次連続して小さくなる円錐状に形成され、前記流入口が作動油を前記内壁の接線方向に噴射するよう構成され、前記流体室の前記流入口側の端面には、該流体室内の気体を外部に開放する放気口または放気管が前記流体室の軸心と共軸に設けられてなることを特徴とする。
請求項8に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1乃至6のいずれかにおいて、前記気泡除去装置は、高圧導入口を通して高圧の作動油が導入される高圧室と、低圧導入口を通して低圧の作動油が導入される低圧室と、前記高圧室と前記低圧室とを仕切る隔壁と、前記高圧室の蓋板及び前記隔壁に固定され、下端部が前記低圧室内に突出された放気管とを有し、前記低圧室は、前記隔壁と対向する位置に作動油排出口を有し、前記隔壁側から前記作動油排出口方向へ直径が漸次連続して小さくなる円錐状に形成されており、前記低圧導入口は、前記低圧室の前記隔壁寄りに形成され、低圧の作動油を前記低圧室の内壁の接線方向に噴射するよう構成され、前記隔壁には、前記低圧室内で作動油から分離された気体を前記放気管を通して外部に排出するよう、前記低圧室内で生じる旋回流に向けて高圧の作動油のジェット噴流を噴射する絞りが設けられており、前記分岐回路は、前記高圧導入口へと作動油を供給する高圧側分岐回路と前記低圧導入口へと作動油を供給する低圧側分岐回路とからなり、前記回路切替装置は、該高圧側分岐回路に介装された高圧側回路切替装置と該低圧側分岐回路に介装された低圧側回路切替装置とからなることを特徴とする。
請求項9に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項8において、前記コントローラは、前記分岐回路に切り替える切替操作信号を解除するとき、前記高圧側回路切替装置に対して送信する前記高圧側分岐回路に切り替える切替操作信号を解除するタイミングよりも前記低圧側回路切替装置に対して送信する前記低圧側分岐回路に切り替える切替操作信号を解除するタイミングを所定時間だけ遅らせることを特徴とする。
請求項10に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項8において、前記コントローラは、前記状態検出手段からの検出信号に応じて、前記高圧側回路切替装置を作動させず、前記低圧側回路切替装置のみを作動させることを特徴とする。
請求項11に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1乃至10のいずれかにおいて、前記油圧回路は、作動油内の気泡量を検出する気泡量検出手段を有し、前記状態検出手段は、前記気泡量検出手段により作動油内の気泡量をも検出するものであって、前記コントローラは、前記気泡量検出手段により検出される気泡量が所定値以上であるときにのみ、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする。
請求項1の建設機械の気泡除去システムによれば、油圧回路に気泡除去装置を備えた分岐回路を有し、該分岐回路へ回路を切り替える回路切替装置とコントローラとを有することから、気泡除去装置の稼動の可否を選択することができる。
これにより、建設機械のような閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路において、効果的に気泡除去が行えるタイミングで分岐回路へ回路を切り替えて気泡除去装置を稼動させ、気泡除去効果を確保しつつもエネルギーロスを低減することができる。
また、回路を分岐回路に切り替えない場合には、作動油は従来の回路と同じ流れになるため、建設機械の動作にはなんら影響を及ぼすことはなく従来の性能を維持することができる。
そして、効果的に気泡除去が行われることによって、従来の技術よりも、より一層油圧ポンプやバルブといった油圧機器で発生するキャビテーションの発生を抑制でき、油圧システムの騒音・振動を防止でき、作動油の温度の上昇を抑制でき、作動油の劣化を抑制して寿命を延長することができる。
請求項2の建設機械の気泡除去システムによれば、コントローラは、建設機械の稼動状態や作動油の状態を検出する状態検出手段からの情報に基づいて、回路の分岐回路への切替を自動的に行うようにできる。
これにより、応答性と精度の高い分岐回路への切替が可能となり、より高い気泡除去効果とエネルギーロス低減効果を得ることができる。
請求項3の建設機械の気泡除去システムによれば、アクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機の回転速度が一定且つアクチュエータ作動操作装置が操作されない状態で、タイマが原動機の回転速度が一定且つアクチュエータ作動操作装置が操作されない状態で所定の経過時間を計時したとき、即ち建設機械が非作業時に、回路を分岐回路に切り替えることができる。
これにより、安定した流量を得られる建設機械が非作業時のタイミングで効果的に気泡除去を行うことができる。
また、建設機械の非作業時に気泡除去を行うため、本来であれば無駄に捨てられていたはずのエネルギを有効利用することができる。
請求項4の建設機械の気泡除去システムによれば、アクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機がアイドリング状態のとき、即ち建設機械が非作業時に、回路を分岐回路に切り替えることができる。
これにより、安定した流量を得られる建設機械が非作業時のタイミングで効果的に気泡除去を行うことができる。
この際、建設機械が非作業時に原動機の回転速度を自動的に下げて原動機をアイドリング状態にする所謂オートアイドリング装置を有している場合には、オートアイドリング装置という既存の技術を利用することにより、油圧回路中に新たにセンサなどを追加することなく容易にアイドリング状態を検出して回路を分岐回路に切り替えることが可能である。
また、建設機械の非作業時に気泡除去を行うため、本来であれば無駄に捨てられていたはずのエネルギを有効利用することができる。
請求項5の建設機械の気泡除去システムによれば、ディーゼルエンジンの排気管路にディーゼルパティキュレイトフィルタを備え、該ディーゼルパティキュレイトフィルタの状態が該ディーゼルパティキュレイトフィルタに堆積したパティキュレイトマターを強制的に除去するための再生状態であるとき、即ち建設機械が非作業時に、回路を分岐回路に切り替えることができる。
これにより、安定した流量を得られる建設機械が非作業時のタイミングで効果的に気泡除去を行うことができる。
さらに、ディーゼルパティキュレイトフィルタの再生という既存の技術を利用することにより、油圧回路中に新たにセンサなどを追加することなく容易に回路を分岐回路に切り替えることが可能である。
また、建設機械の非作業時に気泡除去を行うため、本来であれば無駄に捨てられていたはずのエネルギを有効利用することができる。
請求項6の建設機械の気泡除去システムによれば、回路切替装置の上流部に設けられた流量検出手段で作動油の流量を計測し或いは圧力検出手段で所定圧力を計測し、気泡除去装置が安定して稼動可能な作動油の流量或いは圧力が確保できているときのみ回路を分岐回路へ切り替えることができる。
これにより、高度なセンシングを行うことが可能となり、例え建設機械が作業中であっても、効果的に気泡除去を行うことができる。
なお、圧力検出手段としての圧力センサは流量検出手段としての流量センサと比べ安価に入手できるため、コストを低減することができる。
請求項7の建設機械の気泡除去システムによれば、作動油は旋回流によって発生する慣性カを利用した気泡除去装置を用いて気泡除去を行うので、効果的に気泡除去を行うことができ、気泡除去装置の部品点数も少なくでき、コストを低減することができる。
誇求項8の建設機械の気泡除去システムによれば、圧力差を利用して作動油中の微小な気泡核を強制的に析出させて除去することができるので、より効果的に気泡除去を行うことができる。
請求項9 の建設機械の気泡除去システムによれば、高圧側回路切替装置による高圧側分岐回路への回路の切替の解除のタイミングよりも低圧側回路切替装置による低圧側分岐回路への回路の切替の解除のタイミングを遅らせるようにするので、気泡除去装置の中に残留している気泡をも良好に除去することができ、より効果的に気泡除去を行うことができる。
請求項10の建設機械の気泡除去システムによれば、建設機械の稼動状態や作動油の状態に応じて、低圧側分岐回路へのみ回路を切り替えることにより、強制的に気泡を析出させてまで気泡を除去する必要が無い場合や、高圧側分岐回路へ送る作動油を確保できない場合でも、エネルギーロスを低減しつつ、気泡除去を行うことができる。
請求項11の建設機械の気泡除去システムによれば、気泡除去を行えるタイミングであっても、油圧回路中に気泡量が少なく気泡除去を行う必要が無いような状況においては、気泡除去装置による圧損の発生を抑え、エネルギーロスを低減することができる。
本発明に係る建設機械の気泡除去システムが備えられる油圧ショベルの側面図である。 第1実施例に係る油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。 気泡除去装置の縦断面図を模式的に示す図である。 第1実施例の変形例としてのコントローラを示す図である。 第1実施例の他の変形例としてのコントローラを示す図である。 第2実施例に係る油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。 第2実施例の変形例としてのコントローラを示す図である。 第3実施例に係る油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。 第3実施例の制御フローを示す図である。 第4実施例に係る油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。 噴流式気泡除去装置の縦断面図を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る建設機械の気泡除去システムの一実施形態について図面に基づき説明する。
[第1実施例]
建設機械は、例えば油圧ショベルであり、図1には油圧ショベルの側面図が示されている。
図1に示すように、油圧ショベルは、走行体101と、この走行体101上に配置され、車体を構成する旋回体102と、この旋回体102に取り付けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置103とを備えている。
作業装置103は、旋回体102に上下方向の回動可能に取り付けられるブーム104と、このブーム104の先端に上下方向の回動可能に取り付けられるアーム105と、このアーム105の先端に上下方向の回動可能に取り付けられるバケット106とを含んでいる。また、この作業装置103は、ブーム104を駆動するブームシリンダ104a、アーム105を駆動するアームシリンダ105a、及びバケット106を駆動するバケットシリンダ106aを含んでいる。
旋回体102上の前側位置には運転室107が設けられており、後側位置には重量バランスを確保するカウンタウエイト109が設けられている。また、運転室107とカウンタウエイト109の間には、エンジン等の原動機1や原動機1により駆動される油圧ポンプ等が収容される機械室108が設けられ、運転室107と機械室108との間には、上記油圧ポンプにより発生する作動油の油圧を作動制御するコントロールバルブユニット150が収容されている。
図2は、コントロールバルブユニット150を含む油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。
図2に示すように、原動機1には可変容量形のメインポンプ2が連結されており、メインポンプ2からは、吸入油路が延びてタンク(液層)8に接続されるとともに、吐出油路としてポンプライン14が延びて方向切替弁5に接続されている。
方向切替弁5には、アクチュエータ6に油圧を供給するライン22とライン23とが接続されるとともに、戻り油路としてタンクライン15が接続されている。これにより、方向切替弁5は、メインポンプ2から吐出された作動油の流れをライン22側またはライン23側に切り替え、或いは作動油をライン22及びライン23に流さないように切り替えることにより、アクチュエータ6への油圧の作用方向、即ちアクチュエータ6の作動方向を変え、或いはアクチュエータ6に油圧を作用させずアクチュエータ6を作動させないようにすることが可能である。
また、ポンプライン14からは、分岐して上記タンクライン15に合流するようにしてバイパスライン16が延びており、バイパスライン16にはリリーフ弁12が介装されている。
タンクライン15は、方向切替弁(回路切替装置)7に接続されており、方向切替弁7からは、吐出油路としてタンクライン17が延びてタンク8に接続されるとともに気泡除去ライン(分岐回路)18が延びており、気泡除去ライン18は作動油中の気泡除去が可能なサイクロン式の気泡除去装置11の流入ポート(流入口)31に接続されている。これにより、方向切替弁7は、タンクライン15からの作動油の流れをタンクライン17側または気泡除去ライン18側に切り替えることにより、作動油をそのままタンク8へ戻したり、気泡除去装置11へ流入させたりすることが可能である。
気泡除去装置11の放気ポート(放気口または放気管)32からは放気ライン24が延びてタンク(気層)9に接続されるとともに、流出ポート(流出口)33からはタンクライン25が延びてタンク8に接続されている。
また、原動機1にはパイロットポンプ3も連結されており、パイロットポンプ3からは、吸入油路が延びてタンク8に接続されるとともに、吐出油路としてポンプライン19が延びてパイロット回路21のパイロットレバーユニット4に接続されている。パイロットレバーユニット4からは、入力指令を行う回路が延びて上記方向切替弁5のパイロット入力部に接続されるとともに、戻り油路としてタンクライン20が延びてタンク8に接続されている。
また、ポンプライン19からは、分岐してタンク8に接続されるようにしてタンクライン26が延びており、タンクライン26にはリリーフ弁13が介装されている。
そして、コントロールバルブユニット150を電気的に制御するようにしてコントローラ10が設けられており、コントローラ10は、CPUやメモリ、タイマを備えて構成され、入力側が原動機1やパイロット回路21に電気的に接続され、原動機1の稼動情報である回転数(回転速度)情報やパイロット回路21のパイロットレバーユニット4の入力情報がコントローラ10に入力されるとともに、出力側が方向切替弁7に電気的に接続され、入力情報に応じて方向切替弁7が作動制御される。
サイクロン式の気泡除去装置11は公知であり、例えば図3に気泡除去装置の縦断面図を模式的に示すように、円筒状の外形をした装置本体34の一端側に設けられた少なくとも一つの流入ポート31から横断面円形の流体室内へ作動油を流入させ、流体室入り口に設けた案内板37により流体室内の円錐部36で旋回流が発生するように接線方向へ作動油を噴射するよう構成されている。このように、流体室内へ作動油が噴射されるよう気泡除去装置11が構成されていると、発生する旋回流の遠心力(比重差)により気泡は中心部に、作動油は外周部に集積され、気泡と作動油を分離する作用が働く。さらに、流体室の円錐部36では作動油が流れるに従い徐々に半径が小さくなるために作動油の流速が増加し、気泡と作動油を分離する作用がより強く働き、より一層作動油は外周部に集積されて多くの気泡が旋回流の中心へと集積する。そして、気泡除去装置11の中心に集積した気泡は、装置本体34の流入ポート31側の上端面に流体室の軸心と共軸に設けられて流出ポート33よりも圧力が低い放気ポート32へと流れ込み、一方外周部を流れる作動油は、自身の慣性力によって他端側に設けられた流出ポート33へと流れ込み、これにより気泡と作動油の分離が良好に行われる。
以下、このように構成された第1実施例に係る建設機械の気泡除去システムの作用効果について説明する。
図2において、原動機1が始動し、油圧ショベルが稼動している状態になると、原動機1に連動してメインポンプ2も稼動し、ポンプライン14に作動油が送られる。ポンプライン14に送られた作動油は、方向切替弁5、そしてアクチュエータ6を経由し、もしくはバイパスライン16を経由して方向切替弁7に接続されたタンクライン15へ流入する。
このとき、方向切替弁7は、コントローラ10からの制御信号によって、回路を油圧ショベルの動作を優先する回路であるタンクライン17と気泡除去を優先する回路である気泡除去ライン18との間で選択的に切り替えられる。
詳しくは、コントローラ10は、原動機1の稼動情報、パイロット回路21のパイロットレバーユニット4の入力情報、内部のタイマの計時情報に基づき「原動機1の回転数一定且つパイロット入力無し且つこの状態が一定時間経過」なる条件を満たした場合(状態検出手段)、即ち油圧ショベルが非作業である場合に、安定した気泡除去を行うことができるタイミングであると判断し、作動油が気泡除去ライン18に流れるように方向切替弁7を切り替えるべく方向切替弁7へ切替信号を送信する。
これにより、作動油は、気泡除去ライン18からサイクロン式の気泡除去装置11へと流入し、上記説明したように、気泡除去装置11において気泡と作動油とに分離され、気泡は放気ポート32からタンク9へ放気され、作動油は流出ポート33からタンク8へ返戻される。
一方、コントローラ10は、「原動機の回転数一定且つパイロット入力無し且つ一定時間経過」なる条件が満たされない場合には、油圧ショベルが作業中であると判断し、作動油の回路が通常の回路となるように切替信号を解除して方向切替弁7をタンクライン17側に切り替える。
このように、作動油の回路を気泡除去装置11を有する分岐回路へ適切なタイミングで切り替えることによって、油圧ショベルのような流量変動の激しい油圧回路を有する場合においても効果的に気泡除去を行うようにできる。一方、気泡除去装置11が稼動しても効果が小さいタイミングでは、作動油を気泡除去装置11を介さないように流すことにより、気泡除去装置11による圧損の発生を抑えることができる。
また、ここでは、非作業時に気泡除去を行うため、本来であれば無駄に捨てられていたはずのエネルギを有効利用することができる。
これにより、応答性と精度の高い分岐回路への切替が可能となり、より高い気泡除去効果とエネルギーロス低減効果を得ることができる。
そして、このように効果的に気泡除去が行われることによって、従来の技術よりも、より一層メインポンプ2等の油圧ポンプや方向切替弁7等のバルブといった油圧機器で発生するキャビテーションの発生を抑制でき、騒音・振動の発生を防止でき、作動油の温度の上昇を抑制でき、作動油の劣化を抑制しつつ油圧機器の寿命を延長することができる。
また、油圧ショベルの作業時には、気泡除去装置11に作動油を流さないので、従来の回路と同じ回路で作動油を流すようにでき、油圧ショベルの作業時の性能になんら影響を及ぼすことなく、従来の性能を維持したままに気泡除去機能を追加したシステムを構築することができる。
また、ここでは、旋回流によって発生する慣性カを利用したサイクロン式の気泡除去装置11を用いて作動油の気泡除去を行うので、効果的に気泡除去を行うことができ、気泡除去装置11の部品点数も少なくでき、コストを低減することができる。
ここでは、原動機1の稼動情報、パイロット回路21のパイロットレバーユニット4の入力情報、内部のタイマの計時情報から「原動機1の回転数一定且つパイロット入力無し且つこの状態が一定時間経過」なる条件を満たした場合に方向切替弁7を切り替えるようにしているが、油圧ショベルが非作業時に原動機1の回転数を下げてアイドリング状態に自動的に移行するオートアイドリング装置を有する場合には、図4に変形例としてコントローラ110を示すように、コントローラ110はオートアイドリング装置から「オートアイドリング信号」を受けることで方向切替弁7を切り替えてもよい。
これにより、安定した流量を得られる油圧ショベル非作業時のタイミングで効果的に気泡除去を行うことができる。
また、図2には図示していないが、原動機1がディーゼルエンジンである場合において、排ガス中のパティキュレイトマターを捕捉するとともにディーゼルエンジンの出力を所定出力まで上昇させて排ガス温度を所定温度以上に保持することで堆積した前記パティキュレイトマターを強制的に除去し再生可能なディーゼルパティキュレイトフィルタ(DPF)をディーゼルエンジンの排気管路に備え、ディーゼルパティキュレイトフィルタの状態を検出する状態検出センサ(例えば、温度センサ)を有している場合には、図5に他の変形例としてコントローラ210を示すように、コントローラ210は状態検出センサからの「DPF再生信号」を受けることで方向切替弁7を切り替えてもよい。
これにより、やはり安定した流量を得られる油圧ショベル非作業時のタイミングで効果的に気泡除去を行うことができる。
[第2実施例]
第2実施例では、基本的な構成は第1実施例と同様であるが、図6に示すように、タンクライン15に作動油の流量を検知する流量センサ(流量検出手段)27が設けられ、流量センサ27は、コントローラ310に接続されている。
コントローラ310は、流量センサ27で計測された流量情報、内部のタイマの計時情報に基づき、流量センサ27が所定流量を検出し、「気泡除去装置11の正常稼動に必要な流量且つこの流量が一定時間経過」なる条件を満たした場合(状態検出手段)、即ち油圧ショベルが非作業である場合に、安定した気泡除去を行うことができるタイミングであると判断し、作動油が気泡除去ライン18に流れるように方向切替弁7を切り替えるべく方向切替弁7へ切替信号を送信する。
このような制御を行うことにより、高度なセンシングを行うことで、油圧ショベルが作業を行っている時であっても気泡除去装置11を正常に作動させることが可能となり、効果的に気泡除去を行うことができる。
また、流量センサ27を圧力センサ(圧力検出手段)29に置き換え(図6参照)、上記コントローラ310が方向切替弁7を切り替えるタイミングを判断するための条件に代えて、図7に変形例としてコントローラ410を示すように、コントローラ410は圧力センサ29で計測された圧力情報、内部のタイマの計時情報に基づき、圧力センサ29が所定圧力を検出し、「気泡除去装置11の正常稼動に必要な圧力且つこの圧力が一定時間経過」なる条件を満たした場合に方向切替弁7へ切替信号を送信するようにしてもよい。
[第3実施例]
第3実施例では、基本的な構成は第1実施例と同様であるが、図8に示すように、タンクライン15に気泡量を検出する気泡量検出センサ(気泡量検出手段)28が設けられ、気泡量検出センサ28は、コントローラ10に接続されている。
図9に制御フローを示すように、第3実施例では、コントローラ10は、先ずステップS10において原動機1の稼動情報、パイロット回路21のパイロットレバーユニット4の入力情報、内部のタイマの計時情報に基づき「原動機1の回転数一定且つパイロット入力無し且つこの状態が一定時間経過」なる条件を満たすか否かを判別し(状態検出手段)、判別結果が真(Yes)の場合、即ち油圧ショベルが非作業である場合にはステップS12に進む。ステップS12では、さらに気泡量検知センサ28の検出値が閾値(所定値)以上であるか否か、即ち気泡除去が必要な状態であるか否かを判別し、判別結果が真(Yes)の場合に、ステップS14に進み、作動油が分岐回路である気泡除去ライン18に流れるよう方向切替弁7を切り替えるべく方向切替弁7へ切替信号を送信する。
一方、ステップS12の判別結果が偽(No)である場合には、たとえステップS10の判別結果が真(Yes)で「原動機1の回転数一定且つパイロット入力無し且つ一定時間経過」なる条件を満たした場合であっても、気泡量検知センサ28の検出値が閾値に満たず、作動油に気泡徐去を必要とするほど気泡が存在していないと判定でき、この場合には、ステップS16に進み、方向切替弁7を気泡除去ライン18側に切り替えないようにする。
このような制御を行うことにより、気泡除去を行えるタイミングであっても、油圧回路中に気泡量が少なく気泡除去を行う必要が無いような状況では、気泡除去装置11による圧損の発生を抑えることができ、エネルギーロスを低減することができる。
[第4実施例]
第4実施例では、基本的な構成は第1実施例と同様であるが、図10に示すように、気泡除去装置11に代えて噴流式気泡除去装置54が設けられている点が第1実施例と相違している。具体的に、第4実施例では、ポンプライン14から分岐したライン51が方向切替弁(高圧側回路切替装置)53に接続され、方向切替弁53から延びるライン(高圧側分岐回路)52は噴流式気泡除去装置54の高圧導入口46に接続され、方向切替弁(低圧側回路切替装置)7から延びる気泡除去ライン(低圧側分岐回路)18が噴流式気泡除去装置54の低圧導入口47に接続されている。そして、噴流式気泡除去装置54の放気管45からは放気ライン24が延びてタンク9に接続されるとともに、流出ポート(作動油排出口)49からはタンクライン25が延びてタンク8に接続されている。また、方向切替弁53は、コントローラ10の出力側に電気的に接続されており、入力情報に応じて作動制御される。
図11に噴流式気泡除去装置54の縦断面図を模式的に示すように、噴流式気泡除去装置54は、円筒形の胴部41aと該胴部41aの上端部を覆う蓋板41bからなる有蓋円筒形の高圧室41と、高圧室41の下端部にこれと一体に形成された中空円錐状の低圧室42と、高圧室41と低圧室42とを仕切る隔壁43と、隔壁43に設けられた複数個の絞り44と、蓋板41bと隔壁43とに貫通保持され、下部開口が低圧室42の上部中心位置に配置された放気管45をもって構成されている。
高圧室41には、高圧の作動油を導入するための高圧導入口46が設けられている。なお、高圧導入口41は、高圧室41について1つのみ設ければ足りる。
低圧室42の隔壁43寄りの部分には、複数個の低圧導入口47が設けられており、これら複数個の低圧導入口47は、低圧室42の周方向に等分に配設されている。また、各低圧導入口47の内側には、低圧の作動油を低圧室42の内面の接線方向に導くための案内板48が設けられており、作動油は案内板48に導かれて低圧室42の内面の接線方向に流れ、低圧室42内に低圧の作動油の旋回流Rが発生する。これにより、気泡除去装置11と同様、旋回流Rの中心位置に軽量の気泡が集まり、集まった気体を放気管45を通して外部に排出することが可能である。
なお、低圧室42に設けられる低圧導入口47及び案内板48の数は、1個または任意の複数個とすることができる。複数個の低圧導入口47及び案内板48を設ける場合には、安定な旋回流Rを生成するため、これらを低圧室42の周方向に等間隔で配置することが好ましい。
タンクライン25は、低圧室42の下端部に接続されており、気泡及び気泡核が除去された作動油は、タンクライン25を通して外部に排出される。
隔壁43は、図11に示すように、傘状に形成されており、中心に放気管5が貫通固定されるとともに、外周部が高圧室41を構成する胴部41aの内面に固定される。隔壁43に設けられた各絞り44は、高圧室41と低圧室42との作動油の圧力差を利用して、低圧室42内に高圧室41内の作動油のジェット噴流Jを噴射するものであり、各ジェット噴流Jが低圧室内42内において生成された旋回流Rの接線方向に噴射されるように配置されている。これにより、低圧室42内に強力な旋回流Rが生成され、作動油に混入された気泡の除去が効率化される。また、低圧室42内にジェット噴流Jを噴射すると、局部的なキャビテーションが発生し、高圧の作動油内に溶存している微小な気泡核が成長して気泡となり、これについても旋回流Rの作用により作動油から分離され、放気管45を通って外部に排出される(関連特許出願:特願2011−130524号)。
なお、隔壁43に設けられる絞り44の数は、1個または任意の複数個とすることができる。複数個の絞り44を設ける場合には、安定で強力な旋回流Rを生成するため、低圧室42の軸方向に関して軸対称の位置(隔壁43の周方向に等間隔)で配置することが好ましい。
以下、このように構成された第4実施例に係る建設機械の気泡除去システムの作用効果について説明する。
図10において、原動機1が始動し、油圧ショベルが稼動している状態になると、原動機1に連動してメインポンプ2も稼動し、ポンプライン14に作動油が送られる。このとき方向切替弁53が閉じていると、作動油は全てポンプライン14へ送られる。ポンプライン14に送られた作動油は、方向切替弁5、そしてアクチュエータ6を経由し、もしくはバイパスライン16を経由して方向切替弁7に接続されたタンクライン15へ流入する。
このとき、コントローラ10からの制御信号によって、方向切替弁7は、回路をタンクライン17と気泡除去ライン18との間で選択的に切り替え、方向切替弁53は、回路を噴流式気泡除去装置54へ延びる回路への接続に選択的に切り替える。
詳しくは、コントローラ10は、原動機1の稼動情報、パイロット回路21のパイロットレバーユニット4の入力情報や内部のタイマの計時情報に基づき「原動機1の回転数一定且つパイロット入力無し且つこの状態が一定時間経過」なる条件を満たした場合(状態検出手段)、即ち油圧ショベルが非作業である場合に、安定した気泡除去を行うことができるタイミングであると判断し、作動油が気泡除去ライン18に流れるように方向切替弁7を切り替えるべく方向切替弁7へ切替信号を送信し、作動油がライン52に流れるように方向切替弁53を切り替えるべく方向切替弁53へ切替信号を送信する。
これにより、作動油は、気泡除去ライン18とライン52から噴流式気泡除去装置54へと流入し、上記説明したように、噴流式気泡除去装置54において気泡と作動油とに分離され、気泡は放気管45からタンク9へ放気され、作動油は流出ポート49からタンク 8へと返戻される。
一方、コントローラ10は、「原動機の回転数一定且つパイロット入力無し且つ一定時間経過」なる条件が満たされない場合には、油圧ショベルが作業中であると判断し、作動油の回路が通常の回路となるように回路をタンクライン17に切り替えるよう方向切替弁7を切り替えると同時に方向切替弁53を閉じて作動油のライン52への流れを遮断する。
このように、作動油の回路を噴流式気泡除去装置54を有する分岐回路へ適切なタイミングで切り替えることによって、やはり油圧ショベルのような流量変動の激しい油圧回路を有する場合においても効果的に気泡除去を行うようにできる。一方、噴流式気泡除去装置54が稼動しても効果が小さいタイミングでは、作動油を噴流式気泡除去装置54を介さないように流すことにより、圧損の発生を抑えることができる。
また、この場合にも、非作業時に気泡除去を行うため、本来であれば無駄に捨てられていたはずのエネルギを有効利用することができる。
特に、第4実施例では、上記サイクロン式の気泡除去装置11と異なり、気泡を強制的に析出させて除去する噴流式気泡除去装置54を使用するようにしているので、より効果的に気泡除去を行うことが可能である。
また、上記同様、油圧ショベルの作業時には、噴流式気泡除去装置54に作動油を流さないので、従来の回路と同じ回路で作動油を流すようにでき、油圧ショベルの作業時の性能になんら影響を及ぼすことなく、従来の性能を維持したままに気泡除去機能を追加したシステムを構築することができる。
なお、回路をタンクライン17に切り替えるよう方向切替弁7を切り替えるタイミングと方向切替弁53を閉じるタイミングについては、コントローラ10が油圧ショベルが作業中であると判断した場合には、これら方向切替弁7と方向切替弁53を必ずしも同時に切り替える必要はなく、方向切替弁53を閉じて作動油の噴流式気泡除去装置54への回路を遮断した後も噴流式気泡除去装置54内に残留した気泡を除去するために低圧導入口47から作動油を流し続け、噴流式気泡除去装置54内の気泡が十分に除去されたと判断できたときに、即ち所定時間だけ遅らせて方向切替弁7をタンクライン17側に切り替えるようにしてもよい。
このようにすれば、方向切替弁53を閉じたときに噴流式気泡除去装置54の内部に残留した気泡を十分に除去することができ、より効果的に気泡除去を行うことが可能となる。
また、噴流式気泡除去装置54において常に強制的に気泡を析出させてまで気泡を除去する必要は無く、原動機1の稼動情報等に基づき、タンクライン15に存在する気泡を除去するだけでよいと判断されるような場合、もしくはポンプライン14から噴流式気泡除去装置54へ作動油を流す余裕がないような場合などは、必ずしも方向切替弁7と方向切替弁53の両方を切り替える必要はなく、方向切替弁7のみを気泡除去ライン18側に切り替えて噴流式気泡除去装置54の低圧導入口47から流入する作動油のみで旋回流を形成し、気泡を除去するようにしてもよい。
また、第4実施例において、上記第1実施例の変形例や他の変形例、さらには第2実施例、第3実施例の制御を組み合わせるようにしてもよい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、第1実施例の変形例において、オートアイドリング装置から「オートアイドリング信号」を受けて方向切替弁7を切り替えるようにしているが、アイドリング状態を検出できれば、オートアイドリング装置からの情報に限られるものではない。
また、上記実施形態では、建設機械が油圧ショベルである場合を例に説明したが、建設機械はこれに限られず、ホイールローダ、クレーン、ダンプトラック等であってもよい。
1 原動機
2 メインポンプ
3 パイロットポンプ
4 パイロットレバー(アクチュエータ作動操作装置)
5 方向切替弁
6 アクチュエータ
7 方向切替弁(回路切替装置、低圧側回路切替装置)
8 タンク(液層)
9 タンク(気層)
10、110、210、310、410 コントローラ
11 気泡除去装置
14 ポンプライン
15 タンクライン
17 タンクライン
18 気泡除去ライン(分岐回路、低圧側分岐回路)
21 パイロット回路
24 放気ライン
25 タンクライン
27 流量センサ(流量検出手段)
28 気泡量検出センサ(気泡量検出手段)
29 圧力センサ(圧力検出手段)
51 ライン
52 ライン(高圧側分岐回路)
53 方向切替弁(高圧側回路切替装置)
54 噴流式気泡除去装置
150 コントロールバルブユニット

Claims (11)

  1. 建設機械の油圧回路を構成する油圧機器、タンク及び配管内部に混入している気泡の除去を行う建設機械の気泡除去システムにおいて、
    前記油圧回路中の作動油に混入した気泡を除去する気泡除去装置と、
    前記油圧回路から分岐して前記気泡除去装置に連通する分岐回路と、
    前記分岐回路への作動油の流通を選択的に切り替える回路切替装置と、
    前記回路切替装置に電気的に接続され、該回路切替装置へ切替操作信号を送信するコントローラと、
    を備えることを特徴とする建設機械の気泡除去システム。
  2. 建設機械の稼動状態や作動油の状態を検出する状態検出手段を有し、
    前記コントローラは、前記状態検出手段からの検出信号が気泡除去を行える条件を満たす状態に対応した信号であるとき、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信し、前記検出信号が前記条件を満たさない状態に対応した信号であるとき、前記分岐回路に切り替える切替操作信号を解除することを特徴とする、請求項1に記載の建設機械の気泡除去システム。
  3. 建設機械のアクチュエータへの作動油の供給と遮断を行うアクチュエータ作動操作装置を備え、
    前記油圧回路は、建設機械のアクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機を有するとともに、前記コントローラは、タイマを含んでなり、
    前記状態検出手段は、前記原動機の回転速度、前記アクチュエータ作動操作装置の操作状態、前記タイマの計時時間を検出するものであって、
    前記コントローラは、前記状態検出手段が、前記原動機の回転速度が一定且つ前記アクチュエータ作動操作装置が操作されない状態を検出し、前記タイマが該原動機の回転速度が一定且つ該アクチュエータ作動操作装置が操作されない状態で所定の経過時間を計時したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする、請求項2に記載の建設機械の気泡除去システム。
  4. 前記油圧回路は、建設機械のアクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機を含み、前記状態検出手段は、前記原動機のアイドリング状態を検出するものであって、
    前記コントローラは、前記状態検出手段が、アイドリング状態を検出したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする、請求項2に記載の建設機械の気泡除去システム。
  5. 前記油圧回路は、建設機械のアクチュエータへ作動油を供給するメインポンプを駆動する原動機としてディーゼルエンジンを含み、該ディーゼルエンジンの排気管路には排ガス中のパティキュレイトマターを捕捉するとともに前記ディーゼルエンジンの出力を所定出力まで上昇させて排ガス温度を所定温度以上に保持することで堆積した前記パティキュレイトマターを強制的に除去して再生可能なディーゼルパティキュレイトフィルタを備え、
    前記状態検出手段は、前記ディーゼルパティキュレイトフィルタの状態を検出するものであって、
    前記コントローラは、前記状態検出手段が、前記ディーゼルパティキュレイトフィルタの再生状態を検出したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする、請求項2に記載の建設機械の気泡除去システム。
  6. 前記油圧回路は、前記回路切替装置の上流部に位置して作動油の流量を検出する流量検出手段または作動油の圧力を検出する圧力検出手段を有するとともに、前記コントローラは、タイマを含んでなり、前記状態検出手段は、前記流量検出手段または前記圧力検出手段によりそれぞれ作動油の流量或いは圧力を検出するとともに前記タイマの計時時間を検出するものであって、
    前記コントローラは、前記流量検出手段が所定流量を検出し或いは前記圧力検出手段が所定圧力を検出し、前記タイマが該流量検出手段が所定流量を検出した状態或いは該圧力検出手段が所定圧力を検出した状態で所定の経過時間を計時したとき、気泡除去を行える条件を満たす状態であるとして、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする、請求項2に記載の建設機械の気泡除去システム。
  7. 前記気泡除去装置は、一端側に少なくとも一つの流入口と他端側に流出口とを有するとともに内壁が横断面円形の流体室からなり、
    前記流体室は、前記内壁が前記流入口から前記流出口方向へ直径が漸次連続して小さくなる円錐状に形成され、前記流入口が作動油を前記内壁の接線方向に噴射するよう構成され、
    前記流体室の前記流入口側の端面には、該流体室内の気体を外部に開放する放気口または放気管が前記流体室の軸心と共軸に設けられてなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか記載の建設機械の気泡除去システム。
  8. 前記気泡除去装置は、高圧導入口を通して高圧の作動油が導入される高圧室と、低圧導入口を通して低圧の作動油が導入される低圧室と、前記高圧室と前記低圧室とを仕切る隔壁と、前記高圧室の蓋板及び前記隔壁に固定され、下端部が前記低圧室内に突出された放気管とを有し、
    前記低圧室は、前記隔壁と対向する位置に作動油排出口を有し、前記隔壁側から前記作動油排出口方向へ直径が漸次連続して小さくなる円錐状に形成されており、
    前記低圧導入口は、前記低圧室の前記隔壁寄りに形成され、低圧の作動油を前記低圧室の内壁の接線方向に噴射するよう構成され、
    前記隔壁には、前記低圧室内で作動油から分離された気体を前記放気管を通して外部に排出するよう、前記低圧室内で生じる旋回流に向けて高圧の作動油のジェット噴流を噴射する絞りが設けられており、
    前記分岐回路は、前記高圧導入口へと作動油を供給する高圧側分岐回路と前記低圧導入口へと作動油を供給する低圧側分岐回路とからなり、
    前記回路切替装置は、該高圧側分岐回路に介装された高圧側回路切替装置と該低圧側分岐回路に介装された低圧側回路切替装置とからなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか記載の建設機械の気泡除去システム。
  9. 前記コントローラは、前記分岐回路に切り替える切替操作信号を解除するとき、前記高圧側回路切替装置に対して送信する前記高圧側分岐回路に切り替える切替操作信号を解除するタイミングよりも前記低圧側回路切替装置に対して送信する前記低圧側分岐回路に切り替える切替操作信号を解除するタイミングを所定時間だけ遅らせることを特徴とする、請求項8に記載の建設機械の気泡除去システム。
  10. 前記コントローラは、前記状態検出手段からの検出信号に応じて、前記高圧側回路切替装置を作動させず、前記低圧側回路切替装置のみを作動させることを特徴とする、請求項8に記載の建設機械の気泡除去システム。
  11. 前記油圧回路は、作動油内の気泡量を検出する気泡量検出手段を有し、前記状態検出手段は、前記気泡量検出手段により作動油内の気泡量をも検出するものであって、
    前記コントローラは、前記気泡量検出手段により検出される気泡量が所定値以上であるときにのみ、前記回路切替装置に対して前記分岐回路に切り替える切替操作信号を送信することを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか記載の建設機械の気泡除去システム。
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