JP2013190010A - 建設機械の気泡除去システム - Google Patents

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Abstract

【課題】閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、気泡除去装置の下流部の圧損要素を極力減らしつつ、安定した流量の作動油を確保でき、効果的に気泡除去を行うことの可能な建設機械の気泡除去システムを提供する。
【解決手段】作動油の流れ方向で視て戻り油路の気泡除去装置(11)の下流部分(25)については直接にタンク(8)に接続されるようにし、気泡除去装置の上流部分にフィルタ(10)を設けるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、建設機械の気泡除去システムに係り、建設機械のような流量変動が激しい油圧回路において、効果的に気泡除去を行うシステムに関するものである。
建設機械の油圧機器及び回路内を流れる作動油には、機器の稼動時のキャビテーションによる気泡の析出や気層と液層が混在する作動油タンクでの気泡の巻き込みなどにより、無数の気泡が存在する。この気泡(微小な気泡核も含む)は、さらなるキャビテーション、機器性能の低下、冷却能力の低下、システムの振動、作動油の劣化など様々な問題を引き起こす要因となり、その対策が求められている。
その対策方法として、建設機械の油圧回路に作動油中の気泡を除去するための気泡除去手段を設ける技術が種々提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許第3578529号公報 特開2002−39117号公報
特許文献1、2に開示の技術では、油圧回路中のタンク戻り油路にサイクロン式の気泡除去装置を設け、この気泡除去装置によって作動油の旋回流により生じる慣性力を利用して気泡と作動油を分離するようにしており、さらに気泡除去装置の下流にフィルタやオイルクーラやバネ付チェック弁などのアクセサリを配設するようにしている。
このように気泡除去装置の下流にフィルタなどのアクセサリを配設すると、これらアクセサリで発生する圧損によって気泡除去装置の低圧側回路の圧力が高くなり、作動油中に気泡が溶け込んでしまうという問題や、気泡除去装置内の旋回流が上手く形成されずに効果的な気泡除去を行うことができないという問題がある。
また、サイクロン式の気泡除去装置では、分離した気泡を排気する放気ポートから作動油も同時に流れ出てしまうことがあり、気泡除去装置の低圧側回路の圧力が高くなると、作動油がより放気ポートから流出し易くなるという問題もある。この場合、特許文献1、2に開示されるようにフィルタが気泡除去装置の下流にあると、フィルタを未だ通過していない作動油が放気ポートから流出してタンクへと流れてしまうため、不純物がフィルタで回収されないまま油圧回路を循環してしまうおそれがあり好ましいことではない。
さらに、サイクロン式の気泡除去装置のような定流量型の気泡除去装置を閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械で使用する場合には、安定した流量の作動油を確保する必要があるのであるが、安定した流量の作動油を確保できないような場合には、効果的に気泡除去を行うことができないおそれもある。
本発明の目的は、閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、気泡除去装置の下流部の圧損要素を極力減らしつつ、安定した流量の作動油を確保でき、効果的に気泡除去を行うことの可能な建設機械の気泡除去システムを提供することにある。
本発明の請求項1に係る建設機械の気泡除去システムは、建設機械の油圧回路を構成する油圧機器、タンク及び配管内部に混入している気泡の除去を行う建設機械の気泡除去システムにおいて、前記油圧回路が、前記油圧機器のアクチュエータへ作動油を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプの吐出油路と前記タンクへの戻り油路とに接続され、前記アクチュエータへの作動油の供給方向を切り替える方向切替弁と、前記油圧ポンプの前記吐出油路から分岐して前記方向切替弁をバイパスして前記戻り油路に合流し、前記方向切替弁が操作中立状態にあるとき、前記吐出油路からの作動油を前記タンクに直接返戻するバイパス油路と、作動油の流れ方向で視て前記戻り油路の前記バイパス油路との合流部よりも下流部分に介装された気泡除去装置とを備え、作動油の流れ方向で視て前記戻り油路の前記気泡除去装置の下流部分は、直接に前記タンクに接続されていることを特徴とする。
請求項2に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1において、前記戻り油路の前記バイパス油路との合流部と前記気泡除去装置との間の部分には、フィルタが介装され、前記気泡除去装置には、前記フィルタを通過した作動油のみが流入することを特徴とする。
請求項3に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1または2において、前記気泡除去装置は、一端側に少なくとも一つの流入口と他端側に流出口とを有するとともに内壁が横断面円形の流体室からなり、前記流体室は、前記内壁が前記流入口から前記流出口方向へ直径が漸次連続して小さくなる円錐状に形成され、前記流入口が作動油を前記内壁の接線方向に噴射するよう構成され、前記流体室の前記流入口側の端面には、該流体室内の気体を外部に開放する放気口または放気管が前記流体室の軸心と共軸に設けられてなることを特徴とする。
請求項4に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記油圧回路が、さらに前記気泡除去装置に流入する作動油の圧力を調整する圧力調整装置を有することを特徴とする。
請求項5に係る建設機械の気泡除去システムでは、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記気泡除去装置は、建設機械の作動に応じて変動する作動油の流量が最小流量、或いは、変動する作動油の流量幅のうち流れている割合が100%〜50%を占める流量の範囲内で稼動することを特徴とする。
請求項1の建設機械の気泡除去システムによれば、油圧回路において、作動油の流れ方向で視て戻り油路の気泡除去装置の下流部分は直接にタンクに接続されているので、気泡除去装置の下流部の圧損要素を極力減らすことができ、これにより気泡が作動油中に溶け込み難くなり、効果的に気泡除去を行うことができる。
そして、効果的に気泡除去が行われることによって、従来の技術よりも、より一層油圧ポンプやバルブといった油圧機器で発生するキャビテーションの発生を抑制でき、油圧システムの騒音・振動を防止でき、作動油の温度の上昇を抑制でき、作動油の劣化を抑制して寿命を延長することができる。
請求項2の建設機械の気泡除去システムによれば、フィルタが気泡除去装置の上流側に配置されているので、フィルタが気泡除去装置の下流部の圧損要素にならないようにしつつ、気泡除去装置の手前でフィルタにより作動油中の不純物が良好に除去され、不純物が気泡除去装置内部に堆積することによる詰まりや装置内部の作動油にさらされる部分の磨耗を良好に防止することができる。
また、作動油がフィルタを通過すると、作動油に分散していた微細な気泡が集合して大きく回収し易い気泡となり、気泡除去装置にて気泡が作動油から分離し易くなり、効果的に気泡除去を行うことができる。
請求項3の建設機械の気泡除去システムによれば、作動油は旋回流によって発生する慣性力を利用したサイクロン式の気泡除去装置を用いて気泡除去を行うので、気泡除去装置の下流部の圧損要素を極力減らすことにより、気泡除去装置の流体室内において圧力上昇を抑えて気泡を分離させ易くできるとともに旋回流を安定させて装置中心に気泡を安定して集めることができ、効果的に気泡除去を行うことができる。
また、サイクロン式の気泡除去装置の流体室内における圧力上昇を抑えることで、気泡除去装置の放気口または放気管から作動油と共に不純物が油圧回路に流出して油圧回路を循環してしまわないようにできる。さらに、サイクロン式の気泡除去装置の上流側にフィルタが配置されていれば、気泡除去装置の手前でフィルタにより作動油中の不純物が良好に除去され、気泡除去装置の放気口または放気管からの不純物の油圧回路への流出を確実に防止することができる。
請求項4の建設機械の気泡除去システムによれば、気泡除去装置に流入する作動油の圧力を調整する圧力調整装置を有するので、気泡除去装置内の圧力を常に気泡除去が行える圧力に設定するようにでき、閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、安定して気泡除去を行うことができる。
請求項5の建設機械の気泡除去システムによれば、気泡除去装置は、建設機械の作動に応じて変動する作動油の流量が最小流量、或いは、変動する作動油の流量幅のうち流れている割合が100%〜50%を占める流量の範囲内で稼動するので、閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、適宜、安定して気泡除去を行うことができる。
本発明に係る建設機械の気泡除去システムが備えられる油圧ショベルの側面図である。 油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。 気泡除去装置の縦断面図を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る建設機械の気泡除去システムの一実施形態について図面に基づき説明する。
建設機械は、例えば油圧ショベルであり、図1には油圧ショベルの側面図が示されている。
図1に示すように、油圧ショベルは、走行体101と、この走行体101上に配置され、車体を構成する旋回体102と、この旋回体102に取り付けられ、土砂の掘削作業等を行う作業装置103とを備えている。
作業装置103は、旋回体102に上下方向の回動可能に取り付けられるブーム104と、このブーム104の先端に上下方向の回動可能に取り付けられるアーム105と、このアーム105の先端に上下方向の回動可能に取り付けられるバケット106とを含んでいる。また、この作業装置103は、ブーム104を駆動するブームシリンダ104a、アーム105を駆動するアームシリンダ105a、及びバケット106を駆動するバケットシリンダ106aを含んでいる。
旋回体102上の前側位置には運転室107が設けられており、後側位置には重量バランスを確保するカウンタウエイト109が設けられている。また、運転室107とカウンタウエイト109の間には、エンジン等の原動機1や原動機1により駆動される油圧ポンプ等が収容される機械室108が設けられ、運転室107と機械室108との間には、上記油圧ポンプにより発生する作動油の油圧を作動制御するコントロールバルブユニット150が収容されている。
図2は、コントロールバルブユニット150を含む油圧ショベルにおける作動油の油圧回路を示す図である。
図2に示すように、原動機1には可変容量形のメインポンプ(油圧ポンプ)2が連結されており、メインポンプ2からは、吸入油路が延びてタンク(液層)8に接続されるとともに、吐出油路としてポンプライン14が延びて方向切替弁5に接続されている。
方向切替弁5には、アクチュエータ6に油圧を供給するライン22とライン23とが接続されるとともに、戻り油路としてタンクライン15が接続されている。これにより、方向切替弁5は、メインポンプ2から吐出された作動油の流れをライン22側またはライン23側に切り替え、或いは作動油をライン22及びライン23に流さないように操作中立状態に切り替えることにより、アクチュエータ6への油圧の作用方向、即ちアクチュエータ6の作動方向を変え、或いはアクチュエータ6に油圧を作用させずアクチュエータ6を作動させないようにすることが可能である。
また、ポンプライン14からは、分岐して上記タンクライン15に合流するようにしてバイパスライン(バイパス油路)16が延びており、バイパスライン16にはリリーフ弁12が介装されている。
タンクライン15には、オイルクーラ7が介装され、オイルクーラ7をバイパスするように分岐、合流してバイパスライン17が延びており、バイパスライン17にはチェック弁18が介装されている。作動油の流れ方向で視てタンクライン15のバイパスライン17との合流部よりも下流の部分には、作動油内の不純物を除去するフィルタ10が介装されている。
作動油の流れ方向で視てタンクライン15のフィルタ10よりも下流の部分は、気泡除去ライン19とタンクライン21とに分岐しており、気泡除去ライン19は、チェック弁20を介して作動油中の気泡を除去可能なサイクロン式の気泡除去装置11の流入ポート(流入口)31に接続されている。一方、タンクライン21は、リリーフ弁(圧力調整装置)27を介してタンク8に接続されている。
気泡除去装置11の放気ポート(放気口または放気管)32からは放気ライン24が延びてタンク(気層)9に接続されるとともに、流出ポート(流出口)33からはタンクライン25が延びて直接にタンク8に接続されている。
また、原動機1にはパイロットポンプ3も連結されており、パイロットポンプ3からは、吸入油路が延びてタンク8に接続されるとともに、吐出油路としてポンプライン28が延びてパイロットレバーユニット4に接続されている。
そして、パイロットレバーユニット4からは、入力指令を行う回路が延びて方向切替弁5のパイロット入力部に接続されるとともに、戻り油路としてタンクライン29が延びてタンク8に接続されている。
また、ポンプライン28からは、分岐してタンク8に接続されるようにしてタンクライン26が延びており、タンクライン26にはリリーフ弁13が介装されている。
これにより、パイロットレバーユニット4が切替操作されると、パイロットポンプ3により発生する油圧が方向切替弁5のパイロット入力部に作用し、方向切替弁5ひいてはアクチュエータ6の作動方向が適宜切替操作される。
サイクロン式の気泡除去装置11は公知であり、例えば図3に気泡除去装置の縦断面図を模式的に示すように、円筒状の外形をした装置本体34の一端側に設けられた少なくとも一つの流入ポート31から横断面円形の流体室内へ作動油を流入させ、流体室入り口に設けた案内板37により流体室内の円錐部36で旋回流が発生するように接線方向へ作動油を噴射するよう構成されている。このように、流体室内へ作動油が噴射されるよう気泡除去装置11が構成されていると、発生する旋回流の遠心力(比重差)により気泡は中心部に、作動油は外周部に集積され、気泡と作動油を分離する作用が働く。さらに、流体室の円錐部36では作動油が流れるに従い徐々に半径が小さくなるために作動油の流速が増加し、気泡と作動油を分離する作用がより強く働き、より一層作動油は外周部に集積されて多くの気泡が旋回流の中心へと集積する。そして、気泡除去装置11の中心に集積した気泡は、装置本体34の流入ポート31側の上端面に流体室の軸心と共軸に設けられて流出ポート33よりも圧力が低い放気ポート32へと流れ込み、一方外周部を流れる作動油は、自身の慣性力によって他端側に設けられた流出ポート33へと流れ込み、これにより気泡と作動油の分離が良好に行われる。
ところで、このサイクロン式の気泡除去装置11の稼動流量は、油圧ショベルの作動に応じて変動する作動油の流量が最小流量、或いは、変動する作動油の流量幅のうち流れている割合が100%〜50%を占める流量の範囲内に設定されている。
以下、このように構成された本発明に係る建設機械の気泡除去システムの作用効果について説明する。
図2において、原動機1が始動し、油圧ショベルが稼動している状態になると、原動機1に連動してメインポンプ2も稼動し、ポンプライン14に作動油が送られる。ポンプライン14に送られた作動油は、方向切替弁5、そしてアクチュエータ6を経由し、もしくはバイパスライン16を経由して方向切替弁7に接続されたタンクライン15へ流入する。
タンクライン15に流入した作動油は、オイルクーラ7に流入して冷却された後、フィルタ10に流入して不純物が除去される。なお、タンクライン15内を流れる作動油の圧力が高い場合には、作動油の一部はバイパスライン17を介してフィルタ10に流入する。
フィルタ10により不純物が除去された作動油は、作動油の圧力がリリーフ弁27の設定圧力よりも小さい場合には、気泡除去ライン18からサイクロン式の気泡除去装置11へと流入し、上記説明したように、気泡除去装置11において気泡と作動油とに分離され、気泡は放気ポート32からタンク9へ放気され、作動油は流出ポート33からタンク8へ直接に返戻される。作動油の圧力がリリーフ弁27の設定圧力以上である場合には、作動油の一部はタンクライン21を経てタンク8に返戻される。ここに、リリーフ弁27の設定圧力は、サイクロン式の気泡除去装置11の上記稼動流量に応じて必要な圧力に設定されればよい。
即ち、気泡除去ライン18を経て気泡除去装置11に流れる作動油は、常にリリーフ弁27によって気泡除去装置11が稼動可能な適正な圧力に保たれる。
このように、本発明に係る建設機械の気泡除去システムによれば、サイクロン式の気泡除去装置11の流出ポート33から延びるタンクライン25は直接にタンク8に接続されているので、気泡除去装置11の下流部の低圧側回路において圧損要素を極力減らすようにでき、気泡除去装置11内の圧力上昇を抑えることができる。
これにより、気泡除去装置11の流体室内において気泡が作動油中に溶け込み難くなり、効果的に気泡除去を行うことができる。また、サイクロン式の気泡除去装置11において、流体室内の旋回流を安定させて気泡除去装置11の中心に気泡を安定して集めることができ、より効果的に気泡除去を行うことができる。
そして、このように効果的に気泡除去が行われることによって、従来の技術よりも、より一層メインポンプ2等の油圧ポンプや方向切替弁7等のバルブといった油圧機器で発生するキャビテーションの発生を抑制でき、騒音・振動の発生を防止でき、作動油の温度の上昇を抑制でき、作動油の劣化を抑制しつつ油圧機器の寿命を延長することができる。
なお、タンクライン25が直接にタンク8に接続されていると、気泡除去装置11をタンク8に近い位置に配置できることになり、タンクライン25の配管を短くして油圧回路をコンパクトに構成することができ、通常の油圧回路の構成に大きな変更を加えることなく本発明に係る気泡除去システムを容易に実現することができる。
また、フィルタ10を気泡除去装置11の下流側ではなく上流側に設けることで、フィルタ10が気泡除去装置11の下流部の圧損要素にならないようにできるとともに、作動油が気泡除去装置11に流入する前にフィルタ10によって不純物を除去することができ、つまりフィルタ10を通った作動油のみを気泡除去装置11に導入でき、不純物が気泡除去装置11の内部に堆積することによる詰まりや気泡除去装置11の内部の作動油にさらされる部分の磨耗を良好に防止することができる。
さらに、作動油がフィルタ10を通過すると、作動油に分散していた微細な気泡が集合して大きく回収し易い気泡となり、気泡除去装置11にて気泡が作動油から分離し易くなり、より効果的に気泡除去を行うことができる。
また、サイクロン式の気泡除去装置11において流体室内の圧力上昇を抑えることで、気泡除去装置11の放気ポート32からの作動油の流出を極力防止でき、フィルタ10によって作動油の不純物が除去されることと相俟って、作動油と共に不純物が油圧回路に流出して油圧回路を循環してしまわないようにできる。
また、サイクロン式の気泡除去装置11は、油圧ショベルの作動に応じて変動する作動油の流量が最小流量、或いは、変動する作動油の流量幅のうち流れている割合が100%〜50%を占める流量の範囲内で稼動するように稼動流量が設定されているので、閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、適宜、安定して気泡除去を行うことができる。
また、気泡除去ライン18を経て気泡除去装置11に流れる作動油は、常にリリーフ弁27によって適正な圧力に保たれるので、気泡除去装置11内の圧力を常に気泡除去が行える圧力に保持するようにでき、気泡除去装置11に流れる作動油の流量を上記稼動流量に合わせるようにでき、閉回路且つ流量変動が激しい油圧回路を有した建設機械であっても、安定して気泡除去を行うことができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、タンクライン15にオイルクーラ7を介装するようにしているが、オイルクーラ7は無くてもよい。
また、上記実施形態では、建設機械が油圧ショベルである場合を例に説明したが、建設機械はこれに限られず、ホイールローダ、クレーン、ダンプトラック等であってもよい。
1 原動機
2 メインポンプ(油圧ポンプ)
5 方向切替弁
6 アクチュエータ
7 オイルクーラ
8 タンク(液層)
9 タンク(気層)
10 フィルタ
11 気泡除去装置
14 ポンプライン
15 タンクライン
16 バイパスライン(バイパス油路)
17 バイパスライン
19 気泡除去ライン
21 タンクライン
24 放気ライン
25 タンクライン
27 リリーフ弁(圧力調整装置)
150 コントロールバルブユニット

Claims (5)

  1. 建設機械の油圧回路を構成する油圧機器、タンク及び配管内部に混入している気泡の除去を行う建設機械の気泡除去システムにおいて、
    前記油圧回路が、
    前記油圧機器のアクチュエータへ作動油を供給する油圧ポンプと、
    該油圧ポンプの吐出油路と前記タンクへの戻り油路とに接続され、前記アクチュエータへの作動油の供給方向を切り替える方向切替弁と、
    前記油圧ポンプの前記吐出油路から分岐して前記方向切替弁をバイパスして前記戻り油路に合流し、前記方向切替弁が操作中立状態にあるとき、前記吐出油路からの作動油を前記タンクに直接返戻するバイパス油路と、
    作動油の流れ方向で視て前記戻り油路の前記バイパス油路との合流部よりも下流部分に介装された気泡除去装置とを備え、
    作動油の流れ方向で視て前記戻り油路の前記気泡除去装置の下流部分は、直接に前記タンクに接続されていることを特徴とする建設機械の気泡除去システム。
  2. 前記戻り油路の前記バイパス油路との合流部と前記気泡除去装置との間の部分には、フィルタが介装され、
    前記気泡除去装置には、前記フィルタを通過した作動油のみが流入することを特徴とする、請求項1記載の建設機械の気泡除去システム。
  3. 前記気泡除去装置は、一端側に少なくとも一つの流入口と他端側に流出口とを有するとともに内壁が横断面円形の流体室からなり、
    前記流体室は、前記内壁が前記流入口から前記流出口方向へ直径が漸次連続して小さくなる円錐状に形成され、前記流入口が作動油を前記内壁の接線方向に噴射するよう構成され、
    前記流体室の前記流入口側の端面には、該流体室内の気体を外部に開放する放気口または放気管が前記流体室の軸心と共軸に設けられてなることを特徴とする、請求項1または2記載の建設機械の気泡除去システム。
  4. 前記油圧回路が、さらに前記気泡除去装置に流入する作動油の圧力を調整する圧力調整装置を有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか記載の建設機械の気泡除去システム。
  5. 前記気泡除去装置は、建設機械の作動に応じて変動する作動油の流量が最小流量、或いは、変動する作動油の流量幅のうち流れている割合が100%〜50%を占める流量の範囲内で稼動することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか記載の建設機械の気泡除去システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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