JP2013189035A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電機における過電流の発生を防止しつつクランキング時の物理振動を抑制する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置(100)は、クランク角を推定するクランク角推定手段と、推定されたクランク角に基づいて制振トルクを算出する制振トルク算出手段と、所定の調整係数αを乗じることによって制振トルクを調整する調整手段と、調整された制振トルクとクランキングトルクとの和である回転電機の指令トルクに対しレートリミット処理を実施するレートリミット処理手段と、レートリミット処理が実施された指令トルクに従って回転電機を制御する始動制御手段とを具備し、調整係数αは、レートリミット処理が実施された指令トルクが予め内燃機関の圧縮TDCに相当する時刻において到達すべき基準トルクに到達する時刻が、制振トルクの調整がなされない場合と較べて早まるように設定されることを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関と回転電機とを備え、当該回転電機により内燃機関を始動させる構成を有するハイブリッド車両を制御する、ハイブリッド車両の制御装置の技術分野に関する。
この種の装置として、内燃機関のトルク脈動が駆動軸に伝達されることを防止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたトルク伝達装置によれば、内燃機関の始動時に当該トルク脈動と同相の制振トルク(文献中では減少トルク)を回転電機(文献中では電動発電機)により発生させることにより、当該トルク脈動の駆動軸への影響を減少させることが出来るとされている。
特開2004−222439号公報
ところで、トルク脈動の駆動軸への影響を抑制するために必要となる制振トルクは、始動時の内燃機関のトルク脈動の大きさによって変化する。このため、トルク脈動の駆動軸への影響を緩和することのみを考えた場合、とりわけ大きな脈動を生じる、圧縮行程及びそれに引き続く膨張行程において、必要となる制振トルクが急変する。その結果、内燃機関を始動させるために必要となるクランキングトルクと、この制振トルクとの和である指令トルクが、急激に変化する。
一方、このように指令トルクが急変すると、回転電機に指令トルクに応じた駆動電流を供給する電力制御系統の負荷が過大となって、本来許容される以上の駆動電流(以下、適宜「過電流」と称する)が回転電機に供給される可能性がある。そのため、上記特許文献1に記載されたものを含む従来のハイブリッド車両においては、この過電流の発生を防止すべく、指令トルクに対してレートリミット処理が実施される。
レートリミット処理とは、指令トルクの変化速度を制限する処理であり、指令トルクの時間波形を緩慢化するための各種フィルタ処理等を意味する。即ち、指令トルクの変化速度が予めレートリミット処理の設定基準に抵触した場合には、係るレートリミット処理による指令トルクの制限作用が発効する。このようにすれば、理想的には、回転電機に過電流が供給されることを防止しつつトルク脈動の影響を緩和することが出来る。
しかしながら、従来装置においては、このレートリミット処理による過電流の防止に重きが置かれており、係るレートリミット処理による指令トルクの制限作用が発効した場合に、指令トルクが必要以上に緩慢化する傾向がある。その結果、肝心のトルク脈動抑制に係る効果が少なからず減殺され、トルク脈動が駆動軸に伝達された結果として、不快な物理振動が運転者に不快感を与える可能性がある。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、始動時において、過電流の発生を防止しつつトルク脈動の影響を十分に緩和することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置は、内燃機関及び回転電機を動力源として備え、該回転電機から供給されるクランキングトルクにより前記内燃機関を始動させることが可能なハイブリッド車両を制御する、ハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関の始動時に前記内燃機関のクランク角を推定するクランク角推定手段と、前記推定されたクランク角に基づいて前記回転電機から供給すべき制振トルクを算出する制振トルク算出手段と、所定の調整係数αを乗じることによって前記算出された制振トルクを調整する調整手段と、前記調整された制振トルクと前記クランキングトルクとの和である前記回転電機の指令トルクに対し、前記回転電機の駆動電流が増加する方向への前記指令トルクの変化を制限するレートリミット処理を実施するレートリミット処理手段と、前記レートリミット処理が実施された指令トルクに従って前記回転電機を制御する始動制御手段とを具備し、前記調整係数αは、前記レートリミット処理が実施された指令トルクが予め前記内燃機関の圧縮TDCに相当する時刻において到達すべきものとして定められた基準トルクに到達する時刻が、前記制振トルクの調整がなされない場合と較べて早まるように設定されている(請求項1)。
本発明に係るハイブリッド車両は、回転電機により供給されるクランキングトルクにより内燃機関の始動時にクランキングが可能であると共に、当該クランキングがなされる場合(他の場合を排除しない)において、内燃機関のトルク脈動に起因する車両の物理振動を回転電機により供給される制振トルクにより緩和させ得る構成を有する。このような構成は無論一義的でないが、例えば、本発明に係るハイブリッド車両は、内燃機関と本発明に係る回転電機としての第1電動発電機(所謂MG1)と、他の電動発電機(所謂MG2)とを備え、これら三要素の各々が、駆動軸とこれらとの間に介在する動力分割機構としての各種遊星歯車機構の各回転要素に連結される構成を有していてもよい。
例えば、遊星歯車機構のサンギア、プラネタリキャリア及びリングギアが、夫々本発明に係る、第1電動発電機、内燃機関及び駆動軸に連結され、駆動軸に直接又は間接的に第2電動発電機が連結される構成としてもよい。この場合、第1電動発電機を反力要素として内燃機関の機関トルクの反力を負担させ、駆動軸に当該機関トルクの一部を出力しつつ、駆動軸トルクの過不足分を第2電動発電機で適宜補うことが出来る。また、この場合、内燃機関の始動時には、第1電動発電機を力行側で駆動して正のクランキングトルクを内燃機関のクランク軸に入力することにより、内燃機関を始動させることが出来る。
一方、例えば、このような構成においては、内燃機関のクランク軸が、弾性緩衝機構としてのトーションダンパを介して遊星歯車機構に連結され得るが、内燃機関の機関トルクは、顕著には圧縮行程及び膨張行程におけるポンピング動作により脈動するため、内燃機関、トーションダンパ及び第1電動発電機を含む一種の共振系にトルク脈動による物理振動が伝達される。その結果、タイヤ及び車軸に連結される駆動軸に対してもプラネタリキャリアを介してこの物理振動が伝達され、運転者に不快感を与える要因となり得る。内燃機関のトルク脈動が駆動軸に与えるこの種の悪影響は、ここで説明した構成に限らず大なり小なり生じ得る。
ここで、本発明に係る回転電機(上述の例で言えば、第1電動発電機)は、所謂クランキングモータよりも体格の大きいものであり、このトルク脈動の駆動軸への影響を緩和するための振動抑制用のトルク、即ち制振トルクをクランク軸に供給することが出来る。例えば、制振トルクは、内燃機関のトルク脈動と同位相で振幅が異なるトルクである。理想的には、制振トルクによりトルク脈動が駆動軸に与える影響は相殺される。
ところで、回転電機は、クランキングトルクと制振トルクとの加算値である指令トルク(トルク指令値)に従って然るべき電力駆動系が駆動された結果供給される駆動電流により駆動される。ここで特に、内燃機関のトルク脈動と一対一の関係となる制振トルクの変化に伴って指令トルクがトルク増加側に急変すると、この駆動電流が回転電機の体格に対して過剰な電流(過電流)となって、回転電機又は電力駆動系に過剰な電気的負荷が加わる可能性がある。従って、通常、指令トルクに対しては、LPF(Low Pass Filter)処理等の各種レートリミット処理が実施される。レートリミット処理は、指令トルクの上昇速度(レート)の制限(リミット)処理である。レートリミット処理によるトルク制限作用が発効すると、指令トルクの波形は本来の波形に対して時間軸上で緩慢となり、過電流が生じることを防止することが出来る。尚、指令トルクの制限作用が発効しない場合においては、レートリミット処理が実施された指令トルクと、制振トルクとクランキングトルクとの加算値としての指令トルクとは、実質的に一致し得る。
ところが、出願人の研究によれば、レートリミット処理を単に適用しただけでは、制振トルクが必要以上に抑制される結果、トルク脈動が駆動軸に与える影響を抑制する効果が必要以上に減殺される。例えば、トルク脈動が大きくなる圧縮行程から膨張行程にかけてその影響は大きくなり、圧縮TDC(圧縮行程と膨張行程との境界)における指令トルクが、レートリミット処理が実施される前の本来の指令トルクが圧縮TDCにおいて採るはずであったトルク(本発明では係るトルクが「基準トルク」と定義される)に到達するのが遅れる。本発明に係るハイブリッド車両の制御装置では、このような事態を防止することが出来る。
即ち、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、内燃機関のトルク脈動の影響を緩和するための制振トルクが、調整係数αが乗じられることによって調整される。この調整係数αによる制振トルクの調整は、レートリミット処理による指令トルクの制限作用が発効するタイミングと関連する。好適には、調整係数αは、少なくともレートリミット処理による指令トルクの制限作用が発効し得る程度に、レートリミット処理前の指令トルクにおける制振トルク成分を急変させ得る係数である。
ここで、この調整係数αは、レートリミット処理が実施された指令トルクが基準トルクに到達する時刻が、係る制振トルクの調整がなされない場合と較べて早まるように設定されている。例えば、好適な一形態としては、レートリミット処理による指令トルクの制限作用が、何らの対策も講じられない場合と較べて時間軸上でより早期に発効するように調整係数αが設定される。或いは、レートリミット処理による制限作用を受けた指令トルクの変化速度が、何らの対策も講じられない場合と較べて大きくなるように調整係数αが設定される。
その結果、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置によれば、顕著な効能として、膨張行程における指令トルクが、内燃機関のトルク脈動の影響をより緩和し得る側へ変化する。別言すれば、本来のトルク指令値が圧縮TDCにおいて採るべき基準トルクに、レートリミット処理によるトルク制限作用を受けた指令トルクを早期に到達させることが出来る。従って、レートリミット処理による過電流防止効果を担保しつつ、調整係数αによるこの種の補正がなされない場合と比較して内燃機関の始動時におけるトルク脈動の影響をより効果的に排除することが出来る。
本発明に係るハイブリッド車両の制御装置の一の態様では、前記内燃機関の圧縮行程における時刻tにおいて、前記指令トルクの前記基準トルクからの偏差δTを算出する偏差算出手段と、前記算出された偏差δTに基づいて、前記時刻tにおいて前記指令トルクに前記レートリミット処理による前記指令トルクの制限が作用し始めたと仮定した場合における、前記レートリミット処理が実施された指令トルクが前記基準トルクに到達するまでに要する到達時間t_dlyを推定する到達時間推定手段と、前記時刻tにおける前記内燃機関の機関回転数NEと前記推定された到達時間t_dlyとに基づいて、前記レートリミット処理が実施された指令トルクが前記基準トルクに到達するのに要する前記クランク角の偏差δθestを算出する必要偏差算出手段と、前記時刻tにおける前記推定されたクランク角の圧縮TDCに対する偏差δθcrkを算出する現在偏差算出手段と、前記内燃機関が圧縮行程にあり且つ前記算出された必要偏差δθestが前記算出された現在偏差δθcrkよりも大きい場合に前記レートリミット処理による前記指令トルクの制限が開始されるように、前記調整係数αを設定する調整係数設定手段とを更に具備する(請求項2)。
この態様によれば、圧縮TDCにおいて指令トルクが基準トルクに可及的に近付くように、調整係数αによる制振トルクの調整(端的には、レートリミット処理による指令トルク制限作用の発効)が開始されるタイミングが制御される。従って、圧縮TDCにおいて、制振トルクを基準トルクに少なくとも大略一致させることが出来、制振トルクによって本来的に得られるトルク脈動の影響抑制効果に近い効果を得ることが出来る。
尚、この態様では、前記内燃機関の膨張行程における、前記レートリミット処理が実施されないと仮定した場合の前記指令トルクの最大値に対応する時刻tmax以降の時間領域において、該最大値と前記基準トルクとの偏差に対する、前記時刻tmaxにおける前記レートリミット処理が実施された指令トルクと前記基準トルクとの偏差の割合を表す調整係数γに基づいて、前記レートリミット処理が実施された指令トルクを減少側に補正する補正手段を更に具備してもよい(請求項3)。
上述した態様では、調整係数αによる制振トルクの調整タイミングが時間軸上で前倒しされることに伴って、膨張行程における指令トルクが、必要以上に大きくなる傾向がある。この場合、回転電機の電力供給源となるバッテリ等の各種蓄電装置の体格が十分に大きくない場合には、当該蓄電装置の電力供給余力の関係上好ましくない。
この態様によれば、膨張行程における、本来の指令トルクの最大トルクに対応する時刻tmax以降の時間領域においては、時刻tmaxにおける、本来の指令トルクと基準トルクとの偏差に対する、レートリミット処理が実施された指令トルクと基準トルクとの偏差の割合に応じて、レートリミット処理が実施された指令トルクが減少側に補正される。従って、膨張行程終期において、指令トルクが必要以上に大きくなる事態が防止される。その結果、回転電機に電力を供給するバッテリ等の各種電源を効率的に使用することが出来、エネルギ資源を好適に節減することが出来る。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図1のハイブリッド車両におけるハイブリッド駆動装置の構成を概念的に表してなる概略構成図である。 図2のハイブリッド駆動装置に備わるエンジンの一断面構成を例示する模式図である。 図1のハイブリッド車両における始動制御のフローチャートである。 図4の始動制御の流れを図式化してなるブロック図である。 図4の始動制御において決定される調整係数αの特性図である。 図4の始動制御の効果に係り、始動制御の実行過程におけるMG1指令トルクの一時間推移を例示する図である。 本発明の第2実施形態に係る始動制御のフローチャートである。 図8の始動制御における調整係数β決定処理のフローチャートである。 図9の調整係数β決定処理におけるトルク偏差δT及びクランク角偏差δθcrkの概念図である。 図9の調整係数β決定処理におけるレートリミット予測マップの概念図である。 図8の始動制御の流れを図式化してなるブロック図である。 図4の始動制御の効果に係り、始動制御の実行過程におけるMG1指令トルクの一時間推移を例示する図である。 本発明の第3実施形態に係る始動制御の効果に係り、始動制御の実行過程におけるMG1指令トルクの一時間推移を例示する図である。 本発明の第3実施形態に係る始動制御のフローチャートである。 図14の始動制御における調整係数γ決定処理のフローチャートである。 図14の始動制御における判定処理のフローチャートである。 図14の始動制御の流れを図式化してなるブロック図である。 図17のブロック図の一部を更に詳細化したブロック図である。
<発明の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照し、本発明の第1実施形態に係るハイブリッド車両1の構成について説明する。ここに、図1は、ハイブリッド車両1の構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、ハイブリッド車両1は、ECU100、PCU(Power Control Unit)11、バッテリ12、車速センサ13及びアクセル開度センサ14並びにハイブリッド駆動装置10を備えた、本発明に係る「ハイブリッド車両」の一例である。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM等を備え、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「ハイブリッド車両の制御装置」の一例である。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する始動制御を始めとする各種制御を実行可能に構成されている。
PCU11は、バッテリ12から取り出した直流電力を交流電力に変換して後述するモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2に供給すると共に、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ12に供給可能に構成された不図示のインバータを含み、バッテリ12と各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いは各モータジェネレータ相互間の電力の入出力(即ち、この場合、バッテリ12を介さずに各モータジェネレータ相互間で電力の授受が行われる)を制御可能に構成された制御ユニットである。PCU11は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される構成となっている。
バッテリ12は、モータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を力行するための電力に係る電力供給源として機能する充電可能な蓄電手段である。バッテリ12は、出力電圧数Vの単位二次電池セルが数百個単位で直列に接続された構成を有している。
車速センサ13は、ハイブリッド車両1の車速Vを検出可能に構成されたセンサである。車速センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
アクセル開度センサ14は、ハイブリッド車両1の図示せぬアクセルペダルの操作量たるアクセル開度Taを検出可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される構成となっている。
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1のパワートレインとして機能する動力ユニットである。ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、ハイブリッド駆動装置10の構成を概念的に表してなる概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、ハイブリッド駆動装置10は、エンジン200、動力分割機構300、モータジェネレータMG1(以下、適宜「MG1」と略称する)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「MG2」と略称する)、ブレーキ機構400及び減速機構500を備える。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能するように構成されている。ここで、図3を参照し、エンジン200の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、エンジン200の一断面構成を例示する模式図である。尚、同図において、図1及び図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。尚、本発明における「内燃機関」とは、燃料の燃焼に伴う熱エネルギを運動エネルギに変化して取り出し可能な機関を包括する概念である。係る概念を満たす限りにおいて、本発明に係る内燃機関の構成は、エンジン200のものに限定されず各種の態様を有してよい。
図3において、エンジン200は、気筒201内において燃焼室に点火プラグ(符号省略)の一部が露出してなる点火装置202による点火動作を介して混合気を燃焼せしめると共に、係る燃焼に伴う熱エネルギによるピストン203の往復運動を、コネクティングロッド204を介して、機関出力軸たるクランク軸205の回転運動に変換することが可能に構成されている。
クランク軸205近傍には、クランク軸205の回転位置たるクランク角θcrkを検出可能なクランクポジションセンサ206が設置されている。このクランクポジションセンサ206は、ECU100(不図示)と電気的に接続されており、ECU100は、検出されるクランク角θcrkを各種動作制御に利用することが出来る。
エンジン200において、外部から吸入された空気は吸気管207を通過し、吸気ポート210を介して吸気バルブ211の開弁時に気筒201内部へ導かれる。一方、吸気ポート210には、インジェクタ212の燃料噴射弁が露出しており、吸気ポート210に対し燃料を噴射することが可能な構成となっている。インジェクタ212から噴射された燃料は、吸気バルブ211の開弁時期に前後して吸入空気と混合され、上述した混合気となる。
燃料は、図示せぬ燃料タンクに貯留されており、図示せぬフィードポンプの作用により、図示せぬデリバリパイプを介してインジェクタ212に供給される構成となっている。気筒201内部で燃焼した混合気は排気となり、吸気バルブ211の開閉に連動して開閉する排気バルブ213の開弁時に排気ポート214を介して排気管215に導かれる。
一方、吸気管207における、吸気ポート210の上流側には、図示せぬクリーナを経て導かれた吸入空気に係る吸入空気量を調節するスロットルバルブ208が配設されている。このスロットルバルブ208は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ209によってその駆動状態が制御される構成となっている。尚、ECU100は、基本的には不図示のアクセルペダルの開度(即ち、上述したアクセル開度Ta)に応じたスロットル開度が得られるようにスロットルバルブモータ209を制御するが、スロットルバルブモータ209の動作制御を介してドライバの意思を介在させることなくスロットル開度を調整することも可能である。即ち、スロットルバルブ208は、一種の電子制御式スロットルバルブとして構成されている。
排気管215には、三元触媒216が設置されている。三元触媒216は、エンジン200から排出されるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、及びNOx(窒素酸化物)を夫々浄化することが可能に構成されている。
排気管215には、エンジン200の排気空燃比を検出可能に構成された空燃比センサ217が設置されている。更に、気筒201を収容するシリンダブロックに設置されたウォータージャケットには、エンジン200を冷却するために循環供給される冷却水(LLC)に係る冷却水温を検出するための水温センサ218が配設されている。これら空燃比センサ217及び水温センサ218は、夫々ECU100と電気的に接続されており、検出された空燃比及び冷却水温は、夫々ECU100により一定又は不定の検出周期で把握される構成となっている。
図2に戻り、モータジェネレータMG1は、本発明に係る「回転電機」の一例たる電動発電機であり、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。モータジェネレータMG2は、電動発電機であり、モータジェネレータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた構成となっている。尚、モータジェネレータMG1及びMG2は、例えば同期電動発電機として構成され、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える構成を有していてもよいし、他の構成を有していてもよい。
動力分割機構300は、中心部に設けられたサンギア303と、サンギア303の外周に同心円状に設けられたリングギア301と、サンギア303とリングギア301との間に配置されてサンギア303の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギア305と、これら各ピニオンギアの回転軸を軸支するプラネタリキャリア306とを備えた遊星歯車機構である。
サンギア303は、サンギア軸304を介してMG1のロータ(符合は省略)に結合されており、その回転速度はMG1の回転速度と等価である。また、リングギア301は、駆動軸302及び減速機構500を介してMG2の不図示のロータに結合されており、その回転速度はMG2の回転速度と等価である。更に、プラネタリキャリア306は、エンジン200のクランク軸205に、不図示のトーショナルダンパを介して結合されており、その回転速度はエンジン200の機関回転数NEと等価である。
一方、駆動軸302は、ハイブリッド車両の駆動輪たる右前輪FR及び左前輪FLを夫々駆動するドライブシャフトSFR及びSFLと、デファレンシャル等各種減速ギアを含む減速装置としての減速機構500を介して連結されている。従って、モータジェネレータMG2から駆動軸302に出力されるモータトルクは、減速機構500を介して各ドライブシャフトへと伝達され、同様に各ドライブシャフトを介して伝達される各駆動輪からの駆動力は、減速機構500及び駆動軸302を介してモータジェネレータMG2に入力される。即ち、モータジェネレータMG2の回転速度は、ハイブリッド車両1の車速Vと一義的な関係にある。
動力分割機構300は、係る構成の下で、エンジン200が発する動力を、プラネタリキャリア306とピニオンギア305とによってサンギア303及びリングギア301に所定の比率(各ギア相互間のギア比に応じた比率)で分配し、エンジン200の動力を2系統に分割することが可能となっている。
ブレーキ機構400は、一方のブレーキ板がサンギア303に連結され、他方のブレーキ板が物理的に固定された構成を有するブレーキ装置である。ブレーキ機構400は、不図示の油圧駆動装置と接続されており、当該油圧駆動装置からの油圧の供給によりサンギア側のブレーキ板が固定側のブレーキ板に押圧され、サンギア303の状態を、回転不能のロック状態と回転可能な非ロック状態との間で選択的に切り替え可能に構成されている。尚、ブレーキ機構400の油圧駆動装置は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によりその動作が上位に制御される構成となっている。
<実施形態の動作>
ハイブリッド車両1では、エンジン200の始動要求が生じた場合に、モータジェネレータMG1からクランキングトルクTcrkが供給されることによりエンジン200がクランキングされる。この際、エンジン200のトルク脈動の影響を緩和するために、モータジェネレータMG1から制振トルクTvsが供給される。このクランキングトルクTcrkと制振トルクTvsとが加算されたトルク値は、本発明に係る「指令トルク」の一例である基本指令トルクTmg1cb(実施形態に応じて適宜識別符号が更に付帯し得る)となる。この基本指令トルクTmg1cbにレートリミット処理が実施された出力値は、本発明に係る「レートリミット処理が実施された指令トルク」の一例であるMG1指令トルクTmg1c(実施形態に応じて適宜識別符号が更に付帯し得る)となる。これらは、ECU100が実行する始動制御により決定される。尚、MG1指令トルクが決定されてからのMG1の制御については、公知のものを適用することが出来るため、ここでは説明の煩雑化を防ぐ目的から省略することとする。以下に、始動制御の詳細について説明する。
始めに、図4を参照し、始動制御の流れについて説明する。ここに、図4は、始動制御のフローチャートである。尚、図4における各ステップの詳細については、適宜他の図面を参照する形で後述することとし、ここでは、大略的な流れについてまず説明することとする。また、始動制御は、ECU100がより上位で実行するハイブリッド車両1の動作制御における一サブルーチンであるとする。
図4において、ECU100は、クランク角θcrkを取得する(ステップS110)。クランク角θcrkは、クランクポジションセンサ206により検出されており、ECU100は、常にクランク角θcrkを把握することが出来る。
クランク角θcrkが取得されると、処理は二系統に分岐する。一方において、ECU100は、調整係数αを決定する(ステップS120)。また他方において、ECU100はエンジン200の機関トルクTeを推定し(ステップS130)、下記(1)式に従って、基本制振トルクTvsbを算出する(ステップS140)。尚、式中のGvsは制振トルクゲイン、Kは制振トルク調整係数である。
Tvsb=Te×Gvs×K・・・(1)
調整係数α及び基本制振トルクTvsbが決まると、ECU100は、下記(2)式に従って制振トルクTvs1を決定する(ステップS150)。
Tvs1=Tvsb×α・・・(2)
制振トルクTvs1を算出すると、ECU100は、下記(3)式に従って基本指令トルクTmg1cb1を算出する(ステップS160)。
Tmg1cb1=Tcrk+Tvs1・・・(3)
基本指令トルクTmg1cb1を算出すると、ECU100はこれらにレートリミット処理を実施し、基本指令トルクTmg1cb1をレートリミット処理後指令トルクTmg1cb1rlに変換する(ステップS170)。そして、このレートリミット処理後指令トルクTmg1cb1rlをMG1指令トルクTmg1cとして決定する(ステップS180)。MG1指令トルクTmg1cが決定されると、始動制御は終了する。尚、先述したように始動制御は、一種のサブルーチンであるから、上位の制御において然るべき条件が満たされた場合には再びステップS110から実行される。即ち、実質的には、ステップS180が終了すると処理がステップS110へ戻される。
ここで、図5を参照し、始動制御の処理フローをより視覚的に分かり易く説明する。ここに、図5は、図4の始動制御の流れを図式化してなるブロック図である。尚、同図において、図4のステップと重複する箇所には、当該ステップに係るステップ番号と同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図5において、調整係数αは、予めROMに格納された調整係数マップを参照して決定される。ここで、図6を参照して、調整係数マップについて説明する。ここに、図6は、調整係数マップにより規定される調整係数αの特性を説明する図である。
図6において、調整係数αは、クランク角θcrkが設定値θ1から圧縮TDCに至る範囲にある場合に、「0.0」となり、それ以外では「1.0」である。尚、調整係数αが「1.0」である場合とは、上記(2)式を参酌すれば、制振トルクTvs1が基本制振トルクTvs1bと一致することを意味する。また、調整係数αが「0.0」である場合とは、上記(3)式を参酌すれば、基本指令トルクTmg1cb1がクランキングトルクTcrkに一致することを意味する。尚、設定値θ1は、予め実験的に、エンジン200のトルク脈動に応じた脈動波形を有する基本制振トルクTvsbが、圧縮行程において上昇側に変化し始めるクランク角に決定されている。
図5に戻り、機関トルクTeは、ROMに予め格納されたトルク脈動マップを参照して決定される。トルク脈動マップは、クランク角θcrkと機関トルクTeとの関係を規定するマップであり、ECU100は、トルク脈動マップを参照することにより、一のクランク角θcrkに対して一の機関トルクTeを決定することが出来る。
一方、制振トルクゲインGvsは、予めROMに格納されたゲインマップを参照して決定される。ゲインマップは、機関回転数NEと制振トルクゲインGvsとの関係を規定するマップであり、ECU100は、ゲインマップを参照することにより、一の機関回転数NEに対して一の制振トルクゲインGvsを決定することが出来る。尚、制振トルク調整係数Kは、予め実験的に適合された補正係数である。
ここで、エンジン200のトルク脈動が駆動軸302へ伝達されることを防止するためには、クランク軸205とプラネタリキャリア306とを繋ぐトーショナルダンパの捩れをモータジェネレータMG1からの制振トルクにより相殺すればよい。係る観点から、このモータジェネレータMG1、エンジン200及びトーショナルダンパを含む共振系について公知の運動方程式を解くと、MG1から供給すべき制振トルクは、脈動するエンジン200の機関トルクTeと位相が等しく振幅が異なるトルクであることが分かる。従って、振幅の調整機能を制振トルクゲインGvs及び制振トルク調整係数Kに持たせることにより、上記(1)式に基づいて基本制振トルクTvsbを決定することが出来る。
本実施形態に係るレートリミット処理は、一種のLPF処理であり、入力側の指令トルクTmg1cb1の波形の高周波成分は、時間軸上で緩慢化されて(なまされて)出力される。尚、その入力信号の減衰特性(時定数等)は、予めROMに記憶されている。
ここで、図7を参照し、本実施形態に係る始動制御の効果について説明する。ここに、図7は、始動制御の実行過程におけるMG1指令トルクTmg1cの一時間推移を例示する図である。
図7において、縦軸にはMG1トルクTmg1が、横軸には時刻が夫々表されている。
図7には、三種類の波形が描かれており、実線は本実施形態に係る始動制御により得られるMG1指令トルクTmg1c(即ち、レートリミット処理後指令トルクTmg1cb1rl)の時間推移、破線は本実施形態に係る始動制御における基本指令トルクTmg1cb1の時間推移を表す。また、鎖線は、本実施形態との比較に供すべき比較例に係り、調整係数αによる制振トルクTvsの調整が行われない場合のMG1指令トルクTmg1ccmpの時間推移を表す。
本実施形態に係る始動制御によれば、調整係数αが「0.0」となる期間において、基本指令トルクTmg1cb1は、基準トルクT0まで急激に上昇する。基準トルクT0は、本発明に係る「基準トルク」の一例であり、圧縮TDCにおいて、本来モータジェネレータMG1から出力されるべきトルクである。尚、調整係数αが「0.0」となる期間とは、クランク角θcrkが上述した設定値θ1から圧縮TDCに至る期間であり、時間軸上では図示時刻t0からt1に至る期間である。
調整係数αにより基本指令トルクTmg1cb1がステップ的に基準トルクT0まで引き上げられることに伴い、この基本指令トルクTmg1cb1には、時刻t0においてレートリミット処理によるトルク制限作用が開始される。その結果、図示破線の波形に対して時間的になまされた図示実線の波形に従ってMG1指令トルクTmg1cが変化し、MG1指令トルクTmg1cが圧縮TDCにおいて本来採るべき基準トルクT0に到達する時刻はtaとなる。
一方、比較例に係る鎖線の波形を見ると、調整係数αによる制振トルクTvsの調整がなされないことから、時刻t0以降も、基本指令トルクTmg1cb1の波形は脈動波系である(不図示)。このため、レートリミット処理によるトルク制限作用は受けるものの、主としてその立ち上がりが本実施形態と較べて緩慢となる。その結果、MG1指令トルクTmg1cが圧縮TDCにおいて採るべき基準トルクT0に到達する時刻はtaよりも遅れたtbとなる。
エンジン200のトルク脈動が駆動軸302に与える影響を相殺するためには、MG1指令トルクTmg1cが膨張行程において基準トルクT0未満となる時間は短い程よいが、比較例では、図示ハッチング表示された比較的広範な領域においてMG1指令トルクTmg1cは基準トルクT0未満であり、その結果、その領域が十分に小さい本実施形態と較べて、トルク脈動の影響がより大きく顕在化する。即ち、本実施形態に係る始動制御によれば、調整係数αによりレートリミット処理後指令トルクTmg1cb1rlの立ち上がりを鋭敏化することによって、過電流の発生を防止しつつ、トルク脈動による物理振動の影響を的確に排除することが出来る。
尚、本実施形態では調製係数αが「0.0」と「1.0」との間でステップ状に変化する構成となっている。しかしながら、調整係数による制振トルクTvsの調整がなされない場合と較べてレートリミット処理によるトルク制限作用がより早期に又はより鋭敏に生じ得る限りにおいて、調整係数αの採り得る態様が多様性を有することは言うまでもない。例えば、調整係数αは、ステップ状ではなく、「1.0」から「0.0」まで有限な傾きをもって線形的に変化してもよい。或いは二次関数的に変化してもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、調整係数αの効果が明確とされたが、その一方で、圧縮TDCにおけるMG1指令トルクTmg1cは、基準トルクT0に必ずしも一致しない。特に大排気量のエンジンを搭載する構成においては、制振トルクTvsの振幅が相対的に大きくなるため、MG1指令トルクTmg1cの基準トルクT0からのズレ、即ち、膨張行程においてMG1指令トルクTmg1cが基準トルクT0未満となる時間領域が大きくなり、振動抑制効果が相対的に低下する。そこで、圧縮TDCにおいてMG1指令トルクTmg1cをより基準トルクT0に近付け得る、望ましくは基準トルクT0とし得る、本発明の第2実施形態に係る始動制御について説明する。
始めに、図8を参照し、第2実施形態に係る始動制御の流れについて説明する。ここに、図8は、始動制御のフローチャートである。尚、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、図8における各ステップの詳細については、適宜他の図面を参照する形で後述することとし、ここでは、大略的な流れについてまず説明することとする。
図8において、クランク角θcrkを取得すると(ステップS110)、ECU100は基本制振トルクTvsbを算出する処理を実行する傍ら、サブルーチンとしての調整係数β決定処理を実行する(ステップS200)。尚、調整係数β決定処理については後に図9を参照する形で詳述する。
調整係数β及び基本制振トルクTvsbが決まると、ECU100は、下記(4)式に従って制振トルクTvs2を決定する(ステップS151)。
Tvs2=Tvsb×β・・・(4)
制振トルクTvs2を算出すると、ECU100は、下記(5)式に従って基本指令トルクTmg1cb2を算出する(ステップS161)。
Tmg1cb2=Tcrk+Tvs2・・・(5)
基本指令トルクTmg1cb2を算出すると、ECU100はこれらにレートリミット処理を実施し、基本指令トルクTmg1cb2をレートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rlに変換する(ステップS171)。そして、このレートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rlをMG1指令トルクTmg1cとして決定する(ステップS181)。MG1指令トルクTmg1cが決定されると、始動制御は終了する。即ち、第2実施形態に係る始動制御は、第1実施形態に係る調整係数αが調整係数β決定処理において決定される調整係数βに置き換わったものである。
ここで、図9を参照し、調整係数β決定処理について説明する。ここに、図9は、調整係数β決定処理のフローチャートである。
図9において、始めに、圧縮行程であるか否かが判定される(ステップS210)。圧縮行程でない場合(ステップS210:NO)、ECU100は、調整係数βを「1.0」に決定し(ステップS290)、調整係数β決定処理を終了する。尚、調整係数βが「1.0」に決定される場合とは、第1実施形態に係る調整係数αを参酌すれば、制振トルクTvsの調整が禁止されることを意味する。
一方、圧縮行程である場合(ステップS210:YES)、ECU100は、トルク偏差δTを算出する(ステップS220)。
ここで、図10を参照し、トルク偏差δTについて説明する。ここに、図10は、トルク偏差δT及び後述する偏差Δθcrkの概念図である。
図10において、上段がトルク偏差δTの概念を説明する図である。トルク偏差δTとは、調整係数による制振トルクTvsの調整がなされない場合の基本指令トルクTmg1cbにおける、現在時刻t(本発明に係る「圧縮行程における時刻t」の一例)のトルク値と基準トルクT0との偏差に相当するトルクである。
図9に戻り、トルク偏差δTを算出すると、ECU100は、ROMに格納されたレートリミット予測マップを参照して、到達時間t_dlyを決定する(ステップS230)。到達時間t_dlyは、時刻tにおいてレートリミット処理によるトルク制限作用が開始されたと仮定した場合における、MG1指令トルクTmg1cが基準トルクT0に到達するまでの時間である。
ここで、図11を参照し、レートリミット予測マップについて説明する。ここに、図11は、レートリミット予測マップの概念図である。
図11において、縦軸にMG1トルクTmg1が、横軸に時刻が表される。
上述したように、レートリミット処理は、先に述べたように一種のフィルタ処理であるから、入力信号に対するフィルタ特性(例えば、時定数)は予め既知である。そのため、ある時刻においてゼロトルクからトルク偏差δTに相当するステップ入力が与えられた場合において、レートリミット処理によるトルク制限により実際にMG1トルクTmg1がトルク偏差δTに相当するトルク値に到達する時刻は、計算により求めることが出来る。レートリミット予測マップには、このような入力トルクとレートリミット処理の出力値との関係が記述されており、ECU100は、レートリミット予測マップを参照することにより、トルク偏差δTに応じた到達時間t_dlyを決定することが出来る。
図9に戻り、ECU100は、機関回転数NEを取得し(ステップS240)、この取得した機関回転数NEと、ステップS230で決定された到達時刻t_dlyとに基づいてクランク角θcrkの偏差δθestを算出する(ステップS250)。偏差δθestは、到達時間t_dlyをクランク角に単位変換した値であり、機関回転数NEと到達時間t_dlyとの乗算結果に基づいて算出することが出来る。
偏差δθestが算出されると、ECU100はクランク角θcrkの偏差δθcrkを算出する(ステップS260)。ここで、再び図10を参照し、偏差δθcrkについて説明する。偏差δθcrkは、図10の下段の図により説明される。即ち、偏差δθcrkは、時刻tにおけるクランク角と圧縮TDC(図では180°CA)との差に相当するクランク角である。尚、本実施形態は、エンジン200として、図3において紙面奥行き方向に4本の気筒201が配列してなる直列4気筒エンジンを想定している。但し、本発明に係る内燃機関の採り得る態様は本実施形態のものに限定されない。
偏差δθestと偏差δθcrkとが求まると、ECU100は、偏差δθestが偏差δθcrk以上であるか否かを判定する(ステップS270)。偏差δθestが偏差δθcrk未満であれば(ステップS270:NO)、先述したステップS290が実行され、偏差δθestが偏差δθcrk以上である場合には(ステップS270:YES)、調整係数βが「0.0」に設定される(ステップS280)。調整係数β設定処理はこのように実行される。
ここで、図12を参照し、第2実施形態に係る始動制御の処理フローをより視覚的に分かり易く説明する。ここに、図12は、図8の始動制御の流れを図式化してなるブロック図である。尚、同図において、図8のステップと重複する箇所には、当該ステップに係るステップ番号と同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図12と先に説明した図5とを比較すれば明らかなように、第2実施形態に係る始動制御では、調整係数αの代わりに調整係数βが使用される点のみにおいて第1実施形態に係る始動制御と異なっている(ステップ番号は、調整係数が異なるため異なっている)。ここで、調整係数βは、値として「1.0」又は「0.0」を採り、採り得る値としては調整係数αと同じである。即ち、調整係数βは、制振トルクTvs2の演算ステップに使用されるタイミングが第1実施形態と異なるだけで、その作用は調整係数αと同じである。
ここで、図13を参照し、本実施形態に係る始動制御の効果について説明する。ここに、図13は、始動制御の実行過程におけるMG1指令トルクTmg1cの一時間推移を例示する図である。尚、同図において、図7と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図13には、三種類の波形が描かれており、実線は本実施形態に係る始動制御により得られるMG1指令トルクTmg1c(即ち、レートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rl)の時間推移、破線は本実施形態に係る始動制御における基本指令トルクTmg1cb2の時間推移を表す。また、鎖線は、本実施形態との比較に供すべき比較例に係り、調整係数αによる制振トルクTvsの調整が行われない場合のMG1指令トルクTmg1ccmpの時間推移を表す。
本実施形態に係る始動制御によれば、調整係数βが「0.0」となる期間において、基本指令トルクTmg1cb2は、基準トルクT0まで急激に上昇した後基準トルクT0に維持される。尚、調整係数βが「0.0」となる期間とは、先述したように、圧縮行程において偏差δθestが偏差δθcrk以上である場合であり、即ち、レートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rlが圧縮TDC以降において基準トルクT0に到達すると予測される期間である。
調整係数βにより基本指令トルクTmg1cb2がステップ的に基準トルクT0まで引き上げられることに伴い、この基本指令トルクTmg1cb2には、図示時刻t0’においてレートリミット処理によるトルク制限作用が開始される。その結果、図示破線の波形に対して時間的になまされた図示実線の波形に従ってMG1指令トルクTmg1cが変化し、理想的には、即ち、偏差δθestが偏差δθcrkと等しくなったタイミングで調整係数βが「0.0」に設定された場合には、MG1指令トルクTmg1cが圧縮TDCにおいて本来採るべき基準トルクT0に到達する時刻は、圧縮TDCに相当する時刻t1と一致する。
このように、本実施形態に係る始動制御によれば、調整係数αとして実質的に調整がなされることを意味する「0.0」なる値が選択されるタイミングが最適化された調整係数βにより、レートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rlの立ち上がりタイミングを最適化し、MG1指令トルクTmg1cを圧縮TDCにおいて本来採るべき基準トルクT0に高精度に一致させることが出来る。従って、過電流の発生を防止しつつ、トルク脈動による物理振動の影響を極めて良好に排除することが出来る。
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態では、MG1指令トルクTmg1cの膨張行程における時間推移については成り行きで決まっていた。しかしながら、調整係数βにより制振トルクTvsを早期に調整(即ち、β=0.0に設定)することによって、膨張行程におけるMG1指令トルクTmg1は相対的に大きくなる。一方、モータジェネレータMG1の電源として機能するバッテリ12の体格は様々であり、比較的電力余力の無いバッテリが搭載される場合等においては、膨張行程におけるMG1指令トルクTmg1cの振る舞いを考慮する必要がある。第3実施形態では、このような趣旨に基づいた始動制御について説明する。
始めに、図14を参照し、本実施形態に係る始動制御の効果について説明する。ここに、図14は、始動制御の実行過程におけるMG1指令トルクTmg1cの一時間推移を例示する図である。尚、同図において、図13と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図13には、二種類の波形が描かれており、実線は本実施形態に係る始動制御により得られるMG1指令トルクTmg1cの時間推移、破線は調整係数β(又はα)による制振トルクTvsの調整がなされない基本指令トルクTmg1cbの時間推移を表す。尚、破線により表される基本指令トルクTmg1cbは、少なくとも膨張行程においては、基本指令トルクTmg1cb2と同等である。
本実施形態に係る始動制御によれば、膨張行程における時間領域が区間Aと区間Bとに分けられる。区間Aとは、圧縮TDCに相当する時刻t1から、基本指令トルクTmg1cbが最大値に達する時刻t2までの時間領域であり、区間Bは、時刻t2から膨張行程の終了時刻t3(膨張BDCに相当する時刻)までの時間領域である。
ここで、本実施形態に係る始動制御によれば、時刻t2以降の区間Bにおいて、MG1指令トルクTmg1cが後述する態様によって減少補正される。その結果、この種の減少補正がなされない場合と較べて、膨張行程において採り得るMG1指令トルクTmg1cの最大値が、図示するようにΔTmg1だけ減少する。即ち、ΔTmg1の分だけ、電力消費を節減することが出来る。
以下に、この始動制御の詳細について説明する。
始めに、図15を参照し、第3実施形態に係る始動制御の流れについて説明する。ここに、図15は、始動制御のフローチャートである。尚、同図において、図8と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。また、図15における各ステップの詳細については、適宜他の図面を参照する形で後述することとし、ここでは、大略的な流れについてまず説明することとする。
図15において、クランク角θcrkを取得してから、ステップS171においてレートリミット処理が実施されるまでの流れは、第2実施形態と同等である。一方、本実施形態では、ステップS171が実行されると、調整係数γ決定処理が実行される(ステップS300)。
ここで、図16を参照し、調整係数γ決定処理について説明する。ここに、図16は、調整係数γ決定処理のフローチャートである。
図16において、ECU100は、基準トルクT0を取得する(ステップS310)。次に、基本指令トルクTmg1cb2を取得する(ステップS320)。
次に、ECU100は、下記(6)式に従って処理前トルク偏差ΔTbefを算出する(S330)。
ΔTbef=Tmg1cb2−T0・・・(6)
また、ECU100は、下記(7)式に従って処理後トルク偏差ΔTaftを算出する(S340)。
ΔTaft=Tmg1cb2rl−T0・・・(7)
ここで、ステップS330及びS340においては、クランク角θcrkに基づいて、基本指令トルクTmg1cb2及びMG1指令トルクTmg1cb2rlの最大値(図14の時刻t2における値)が使用される。
処理前トルク偏差ΔTbef及び処理後トルク偏差ΔTaftが算出されると、これら算出された値に基づいて、下記(8)式に従って調整係数γが決定される(ステップS350)。調整係数γ決定処理は以上のように実行される。
γ=ΔTaft/ΔTbef・・・(8)
上記(8)式から明らかなように、調整係数γは、レートリミット処理前後におけるMG1指令トルクの最大値の比率である。
図15に戻り、調整係数γが決定されると、下記(9)式に従って制振トルクTvs3が算出される(ステップS152)。
Tvs3=Tvs2×γ・・・(9)
続いて、基本指令トルクTmg1cb3が、下記(10)式に従って決定される(ステップS162)。
Tmg1cb3=Tcrk+Tvs3・・・(10)
基本指令トルクTmg1cb3が算出されると、判定処理が実行される(ステップS400)。ここで、図17を参照し、判定処理について説明する。ここに、図17は、判定処理のフローチャートである。
図17において、ECU100は、クランク角θcrkを取得する(ステップS410)。次に、ECU100は、この取得されたクランク角θcrkが、上述した区間B内のクランク角であるか否かを判定する(ステップS420)。
クランク角θcrkが区間B内の値である場合(ステップS420:YES)、ECU100は、MG1指令トルクTmg1cとして基本指令トルクTmg1cb3を選択する(ステップS430)。一方、クランク角θcrkが区間Bでない場合(ステップS420:NO)、ECU100は、MG1指令トルクTmg1cとしてレートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rlを選択する(ステップS440)。MG1指令トルクとして一方が選択されると、判定処理が終了する。
図15に戻り、判定処理が終了すると、ECU100は、判定処理により選択された一方のトルクをMG1指令トルクTmg1cとして決定する(ステップS182)。第3実施形態に係る始動制御は以上のように実行される。
ここで、図18を参照し、第3実施形態に係る始動制御の処理フローをより視覚的に分かり易く説明する。ここに、図18は、図15の始動制御の流れを図式化してなるブロック図である。尚、同図において、図15のステップと重複する箇所には、当該ステップに係るステップ番号と同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図18に示すように、第3実施形態では、第2実施形態に係る処理ブロックに対して、調整処理に関する部分(ステップ番号で言えば、300、152、162)、判定処理に関する部分(同じく400)及び最終的にMG1指令トルクを選択する部分(182)を追加した構成を有する。
ここで、調整処理に関する部分について、図19を参照して更に説明する。ここに、図19は、調整処理に関するブロック図である。尚、同図において、図15のステップと重複する箇所には、当該ステップに係るステップ番号と同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図19において、調整係数γ算出ブロック300に、制振トルクTvs2とクランキングトルクTcrkとが加算された基本指令トルクTmg1cb2と、MG1指令トルクTmg1cb2rlと、クランク角θcrkとが入力され、基準トルクT0が別途参照される形で調整係数γが算出される。この調整係数γと制振トルクTvs2とにより制振トルクTvs3が算出され、クランキングトルクTcrkと加算されることにより、基本指令トルクTmg1cb3が算出される。
ここで、図14に戻り、第3実施形態によれば、時刻t2以降の区間BにおけるMG1指令トルクTmg1cの波形が、基本波形である基本指令トルクTmg1cb2(図ではTmg1cbとなっているが、膨張行程では調整係数が作用しないので両者は等しい)を、レートリミット処理後指令トルクTmg1cb2rlの最大値と当該基本指令トルクTmg1cb2の最大値との比率に応じて縮小化した波形とされる。即ち、時刻t2以降において、MG1指令トルクTmg1cを減少させることができ、バッテリ12の電力資源を節減することが出来るのである。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うハイブリッド車両の制御装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1…ハイブリッド車両、10…ハイブリッド駆動装置。100…ECU、200…エンジン、201…気筒、203…ピストン、205…クランク軸、300…動力分割機構、MG1…モータジェネレータ、MG2…モータジェネレータ、400…ブレーキ機構、500…減速機構。

Claims (3)

  1. 内燃機関及び回転電機を動力源として備え、該回転電機から供給されるクランキングトルクにより前記内燃機関を始動させることが可能なハイブリッド車両を制御する、ハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動時に前記内燃機関のクランク角を推定するクランク角推定手段と、
    前記推定されたクランク角に基づいて前記回転電機から供給すべき制振トルクを算出する制振トルク算出手段と、
    所定の調整係数αを乗じることによって前記算出された制振トルクを調整する調整手段と、
    前記調整された制振トルクと前記クランキングトルクとの和である前記回転電機の指令トルクに対し、前記回転電機の駆動電流が増加する方向への前記指令トルクの変化を制限するレートリミット処理を実施するレートリミット処理手段と、
    前記レートリミット処理が実施された指令トルクに従って前記回転電機を制御する始動制御手段と
    を具備し、
    前記調整係数αは、前記レートリミット処理が実施された指令トルクが予め前記内燃機関の圧縮TDCに相当する時刻において到達すべきものとして定められた基準トルクに到達する時刻が、前記制振トルクの調整がなされない場合と較べて早まるように設定されている
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記内燃機関の圧縮行程における時刻tにおいて、前記指令トルクの前記基準トルクからの偏差δTを算出する偏差算出手段と、
    前記算出された偏差δTに基づいて、前記時刻tにおいて前記指令トルクに前記レートリミット処理による前記指令トルクの制限が作用し始めたと仮定した場合における、前記レートリミット処理が実施された指令トルクが前記基準トルクに到達するまでに要する到達時間t_dlyを推定する到達時間推定手段と、
    前記時刻tにおける前記内燃機関の機関回転数NEと前記推定された到達時間t_dlyとに基づいて、前記レートリミット処理が実施された指令トルクが前記基準トルクに到達するのに要する前記クランク角の偏差δθestを算出する必要偏差算出手段と、
    前記時刻tにおける前記推定されたクランク角の圧縮TDCに対する偏差δθcrkを算出する現在偏差算出手段と、
    前記内燃機関が圧縮行程にあり且つ前記算出された必要偏差δθestが前記算出された現在偏差δθcrkよりも大きい場合に前記レートリミット処理による前記指令トルクの制限が開始されるように、前記調整係数αを設定する調整係数設定手段と
    を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関の膨張行程における、前記レートリミット処理が実施されないと過程した場合の前記指令トルクの最大値に対応する時刻tmax以降の時間領域において、該最大値と前記基準トルクとの偏差に対する、前記時刻tmaxにおける前記レートリミット処理が実施された指令トルクと前記基準トルクとの偏差の割合を表す調整係数γに基づいて、前記レートリミット処理が実施された指令トルクを減少側に補正する補正手段を更に具備する
    ことを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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