JP2013188926A - カバーロック装置および記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力が供給されない状態でも本体部内の温度変化によってカバーのロック、ロック解除を可能とする安価かつ簡易な構成のカバーロック装置を提供する。
【解決手段】カバーロック装置は、発熱部を含む本体部を覆う開閉可能なカバーを閉位置に拘束するロック状態と、ロック状態を解除するロック解除状態とに設定するためのロック部材を有する。本体部の温度に応じてロック部材の位置を移動させる第1の手段と、本体部へ供給される電力を用いてロック部材の移動を行う第2の手段と、を有し、本体部に電力が供給されていない場合には、第1の手段によってロック部材を拘束位置または解除位置へと移動させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、発熱部を含む本体部を覆う開閉可能なカバーを閉位置にロック可能なカバーロック装置およびそのカバーロック装置を備えた記録装置に関する。
近年、サインアンドディスプレイの分野で用いられる画像をインクジェット記録装置で形成することが行なわれている。この場合、インクジェット装置には、形成した画像に耐水性、耐候性はもとより、高精度化および高品位化が求められ、しかも記録の高速化も要求されている。これらの要求を実現するため、インクジェット記録装置内にヒータなどの加熱手段を設け、その加熱手段で記録媒体を加熱することによって記録媒体に着弾したインクの乾燥、定着を促進させることが行なわれている。
一方、インクジェット記録装置では、紙詰まりなどの、いわゆるジャムが発生した時の用紙除去作業や各種メンテナンス等のために、熱定着装置を含んだ用紙搬送路の一部を開閉可能に構成することがある。しかし、熱定着器の周辺は一般に高温になることが多いため、開放された熱定着器やその周辺部分に操作者が接触しないよう配慮することが必要となる。
従来、通電中のフェ―ルセーフ手段として、本体カバーのロック部材に形状記憶合金を用い、機械の動作時に電流を流して形状記憶合金を加熱し、形状記憶合金の形状変化によって本体カバーを強制的にロックする構成が提案されている(特許文献1参照)。ここでは、駆動系モータに電流が流れると同時に形状記憶合金にも電流が流れ、機械の動作中は本体カバーを強制的にロックして内部機構の露出を阻止することができるようになっている。
また、電源スイッチがオフになった場合のフェールセーフ手段として、別電源を用い、ヒータによって加熱されたプラテンが所定温度未満になるまで警報が継続される構成も提案されている(特許文献2参照)。これによれば、プラテン温度が所定温度以上であるとき、電源スイッチがオフにされていたとしても外部からプラテンの温度状況を認識できるため、安全性は向上する。
特開2002−67461号公報 特開2009−66864号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、本体カバーのロックまたはロック解除などを電気的制御のみで行なっているため、電力が供給されない状態においてフェールセーフ機能が発揮されないという課題がある。すなわち、特許文献1に開示の技術では電力が供給されない場合、熱定着器などが高温状態にあっても本体カバーのロックが解除されてしまい、カバーが開けられてしまう可能性がある。また、電源スイッチがオフとなった場合のフェールセーフとして別電源を用いる特許文献2にあっては、蓄電部や温度センサなどを使用する必要があるため記録装置のコスト増大を招くという課題がある。
本発明は、電力が供給されない状態であっても装置本体部内の温度変化に応じてカバーのロック、ロック解除を行うことが可能な安価かつ簡易な構成のカバーロック装置およびこれを備えた記録装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
すなわち、本発明の第1の形態は、発熱部を含む本体部を覆う閉位置と前記本体部を外部に露出させる開位置との間を移動可能なカバーを閉位置に拘束するロック状態と、該ロック状態を解除するロック解除状態とを選択的に設定可能とするカバーロック装置であって、前記カバーをロック状態とすることが可能な拘束位置と前記カバーを前記解除状態に保つ解除位置とに移動可能なロック部材と、前記本体部の温度に応じて前記ロック部材の位置を移動させる第1の手段と、前記本体部へ供給される電力を用いて前記ロック部材の移動を行う第2の手段と、を有し、前記本体部に電力が供給されていない場合には、前記第1の手段によって前記ロック部材を拘束位置または解除位置へと移動させることを特徴とする。
本発明の第2の形態は、記録媒体に色材を付与することによって画像を記録手段および前記記録媒体に付与した色材を前記記録媒体に定着させるための熱を発生させる発熱部を備える本体部と、前記本体部を覆う閉位置と前記本体部を外部に露出させる開位置との間を移動可能なカバーと、前記カバーを閉位置に拘束するロック状態と該ロック状態を解除するロック解除状態とを選択的に設定可能とするカバーロック装置と、を備えた記録装置であって、前記カバーロック装置は、前記カバーをロック状態とすることが可能な拘束位置と前記カバーを前記解除状態に保つ解除位置とに移動可能なロック部材と、前記本体部の温度に応じて前記ロック部材の位置を移動させる第1の手段と、前記本体部へ供給される電力を用いて前記ロック部材の移動を行う第2の手段と、を有し、前記本体部に電力が供給されていない場合には、前記第1の手段によって前記ロック部材を拘束位置または解除位置へと移動させることを特徴とする。
本発明によれば、電力が供給されない状態であっても、低コストかつ簡易な構成で、本体内の温度変化に応じてカバーのロック、ロックの解除を行うことが可能になる。
本発明を適用したインクジェット記録装置を正面側から見た斜視図である。 図1に示したものの縦断側面図である。 第1の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第1の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 図3に示したロック機構の構成例を示す縦断側面図である。 本実施形態の各部の制御系の概略構成を示す制御ブロック図である。 第1の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第2の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第2の実施形態における制御動作を示すフローチャートである。 第3の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第4の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第4の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第5の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。 第5の実施形態におけるカバーロック装置の作用説明図である。
以下に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明を適用したインクジェット記録装置1(以下、「プリンタ」とも呼ぶ)を正面側から見た斜視図である。このプリンタ1には、記録媒体としてロール紙2がセットされている。プリンタ1は操作部3を備えており、この操作部3に設けられた各種のスイッチ等により、ロール紙2の横幅、オンライン/オフライン、コマンドなどの指示を入力することが可能になっている。また、プリンタ1の前面部下側には、記録媒体を巻き取るための巻取装置4が設置されている。
図2は、図1に示したプリンタ1を模式的に示す縦断側面図である。記録媒体はプリンタ1の内部に搬送された後、搬送手段を構成する搬送ローラ5とピンチローラ6とに挟持され、搬送ローラ5の回転によって搬送されてプラテン7の上面である媒体支持面7a上に到達する。このプラテン7の媒体支持面7aに対向する位置には、インク(色材)を吐出して記録媒体に色材を付与することが可能な記録ヘッド(記録手段)8が配置されている。また、プラテン7には、媒体支持面7aから記録媒体が浮上するのを抑えるべく、記録媒体2を吸引するための多数の吸引孔9が形成されている。プラテン7の下方には、プラテン7と連通したダクト10が配置され、さらにダクト10の下方にはダクト10と連通する吸引ファン11が配置されている。この吸引ファン11の吸引力によって、記録媒体はプラテン7の媒体支持面7aに吸着される。プラテン7に吸着された記録媒体のうち画像形成領域内に位置する部分には、画像情報に基づいて記録ヘッド8からインクが吐出され、画像が記録される。
また、プラテン7の媒体支持面7aに対向する位置には第1のヒータ(発熱部)12が配置されている。この第1のヒータ12は、プラテン7の媒体支持面7a上に搬送されてきた記録媒体を加熱し、記録媒体表面に着弾するインク滴を短時間で定着または乾燥させるために設けられたものである。なお、記録ヘッド8によって画像が記録された記録媒体は、搬送ローラ5によってプラテン7より排出される。またプリンタ1には、プラテン7より排出された記録媒体の表面を加熱するための第2のヒータ(発熱部)13が配置されている。この第2のヒータ13は、記録媒体表面に着弾したインク滴を短時間で乾燥させるために設けられたものである。第2のヒータ13により加熱されてインクが完全に乾燥した記録媒体はターンローラ14を通過した後、巻き取り装置4によって巻き取られる。
プリンタ1には、発熱部としての第1、第2のヒータ12,13、その周辺部分(プラテン7、記録ヘッド8および搬送手段(ピンチローラ6,搬送ローラ5))などを備える本体部1Aと、この本体部1Aを覆い得る本体カバー15を備えている。この本体カバー15は回動軸17を回動中心として上下に回動可能に支持されている。本体カバー15は、最も下方へ回転した閉位置では、ヒータ12,13およびその周辺部分を覆い、上方へと移動した開位置ではヒータ12,13およびその周辺部分などを露出させることができるようになっている。従って、紙詰まりなどのジャムを解消させる場合、あるいはその他のメンテナンス作業を行う場合には、本体カバー15を開位置へと移動させることが必要となる。
さらに、本実施形態には、本体カバー15を閉位置に拘束するロック状態と、本体カバー15の拘束を解除する解除状態とを選択的に設定可能とするカバーロック装置16Aが設けられている。カバーロック装置16Aは、ロック状態にあるときにはロック部20aが本体カバー15の内側端部に設けられた被ロック部22の上方部近傍位置(拘束位置)にある。このため、本体カバー15を開けようとするとロック部20aに被ロック部22が当接し、カバー15が開位置へと移動するのを阻止する。逆に、カバーロック装置16Aが解除状態にあるとき、ロック部20aは被ロック部22の上方から退避した位置(解除位置)にある。このため、本体カバー15を押し上げることにより、本体カバー15は回動軸17を中心に上方へと回転する。なお、このカバーロック装置16Aの構成および動作については後に詳述する。
図6はプリンタ1に設けられた制御系の概略構成を示すブロック図である。制御部100は、CPU110、ROM1111およびRAM112などを備える。CPU110は、プリンタ1の各部の動作制御やデータ処理等を実行するものであり、演算手段、判断手段、設定手段および制御手段などとしての機能を果たす。ROM111はCPU110によって実行される処理のプログラムを格納している。またRAM112は、種々のデータを一時的に格納すると共に、CPU110が処理を実行する際のワークエリアとして機能する。CPU110にはインターフェース113を介してホストコンピュータ(PC)200が接続されている。ホストコンピュータ200から送信された画像データなどを含む種々のコマンドおよびデータは、インターフェース(I/F)104を介してCPU110に送信される。
ホストコンピュータ(PC)200から送信された画像データをCPU110が受信すると、CPU110は形成すべき画像品位に応じてキャリッジ走査速度、紙送りパス数、および吸引ファンの駆動速度などを決定する。この際、縁有り記録か縁無し記録か、といった情報や、ロール紙/カット紙を表す情報も画像データとともにホストPC200より送信される。CPU110は受信した記録データをRAM112などに格納した後、その記録データをヘッド駆動回路8aに供給する。これにより、記録ヘッド8に設けられたノズルから記録データに応じてインク滴が吐出され、記録媒体に画像が形成される。
なお、本実施形態におけるプリンタ1は、いわゆるシリアル型の記録装置となっている。すなわち、プリンタ1は、記録ヘッドを搭載したキャリッジ18を記録媒体(ロール紙)の搬送方向(Y方向)と交差する方向(本実施形態では直交方向(X方向))に沿って移動させつつインク滴を吐出させて記録を行う。この際、CPU110は、キャリッジ18を主走査方向に移動させるためのキャリッジモータ(CRモータ)104をCR駆動回路104aを介して制御すると共に、搬送モータ(LFモータ)103をLF駆動回路103aを介して制御する。さらにCPU110は、位置センサ107からの信号に基づいてカバーロック装置16Aを駆動するロック機構モータ31を、ロック機構駆動回路21aを介して制御する。また、CPU110は、ヒータ駆動回路105aを介してヒータ12,13の加熱、および吸引ファン駆動回路102aを介して吸引ファン102の回転をそれぞれ制御する。
次に、本体カバー15のロック、ロック解除を行うカバーロック装置16Aの構成、作用を説明する。
本実施形態におけるカバーロック装置16Aは、本体カバー15の被ロック部22の上方部近傍の拘束位置と、被ロック部22の上方から退避した解除位置とにロック部20aを移動させるものであり、第1、第2のロック機構20,30を備える。第1のロック機構20は、後述の形状記憶合金からなるばねを用いて、ロック部20aをY軸方向に沿って直線移動させるものである。また、第2のロック機構(第2の手段)30は、第1のロック機構20に保持されたロック部20aを、第1のロック機構20と共にY軸方向に沿って直線移動させるものである。本実施形態では、この第1、第2のロック機構20,30の組み合わせによってロック部20aの位置をY軸方向に沿って直線移動させ、本体カバー15のロックおよびロック解除を行うようになっている。
第2のロック機構30は、後に詳述する第1のロック機構20に設けられた可動支持部材43の上面に設けたラック(図3、4参照)32と、このラック32に噛合するピニオンギア31aと、このピニオンギア31aを回転させるロック機構モータ31とを備える。ロック機構モータ31の駆動によってピニオンギア31aaを正転または逆転させることにより、可動支持部材43はY軸方向に沿って正の方向または負の方向へと移動し、これにより第1のロック機構20とこれに支持されたロック部20aが同方向に移動する。
ここで、図3および図4に模式的に示した第1のロック機構20の詳細な構成を図5に基づいて説明する。以下の説明では、記録媒体の搬送方向に沿ってY軸をとり、搬送方向の上流側を正の方向(図中、右方向)、搬送方向の下流側を負の方向(図中、左方向)と定義する。
図5において、第1のロック機構20は、可動支持部材43と、この可動支持部材43に支持されたロック部材42と、可動支持部材43に対してロック部材42を移動させるばね40、41を備える。可動支持部材43は、Y軸方向に沿って延在しており、その上面には前述のラック(図3、4参照)44が設けられ、これにロック機構モータ31によって回転するピニオンギア31aaが噛合している。可動支持部材43は中空形状をなしており、その外壁部43aと内壁部42に形成された開口部にロック部材42がY軸方向に沿って移動可能に挿通されている。ロック部材42の下流端42aは下方に向けてL字状に屈曲しており、この下流端42aが図3および図4における前述のロック部20aに相当している。さらにロック部材42には、ばね受け部42bが形成されており、この内壁部42bは可動支持部材43の外壁部43aと内壁部43bとの間に位置している。内壁部42bの一方の面とこれに対向する外壁部42の内面との間に挿入されているばねはステンレスによって形成されたステンレスばね40である。さらに、ばね受け部42bの他方の面とこれに対向する内壁部43bとの間に挿入されたばね41は、形状記憶合金によって形成された変形部材としての形状記憶ばね41であり、温度によってY軸方向に沿って伸縮する。
ここで、上記構成を有する本実施形態における第1のロック機構20におけるステンレスばね40と形状記憶ばね41とに発生する付勢力の関係を説明する。
いま、ある一定の閾値温度(x)未満(常温)の温度Tにおける形状記憶ばね41の発生力をP(T<x)とし、ある一定の温度(x)以上(高温)における形状記憶ばね41の発生力をP(T≧x)とする。また、ステンレスばね40の発生力は温度によらずP1とする。このとき、P(T<x)<P1<P(T≧x)の関係が成り立つようにステンレスばね40と形状記憶ばね41を構成する。
図5(a)は、ある一定の閾値温度未満(常温)で、形状記憶ばね41の発生力がP(T<x)である場合の、ばね40,41とロック部材42の状態を示している。この場合、形状記憶ばね41の発生力P(T<x)と、ステンレスばね40の発生力P1との関係は、P(T<x)<P1となる。このため、ロック部材42はステンレスばね40の発生力によって、可動支持部材43に対しY軸方向に沿って正の方向に移動する。つまり、ロック部材42は可動支持部材43の内方に引き込まれる方向に移動し、ロック部材42が外壁部42から外方へと突出する量は減少する。
図5(b)は、ある一定の閾値温度(x)以上(高温)で形状記憶ばね41の発生力がP(T≧x)となる場合を表している。この温度条件における形状記憶ばね41の発生力P(T<x)と、ステンレスばね40の発生力P1との関係は、P1<P(T≧x)となり、形状記憶ばね40は形状回復する。これにより、ロック部材42はY軸方向に沿って負の方向に移動する。つまり、ロック部材42が可動支持部材43から外方へと突出する量は増大する。以上のように、第1のロック機構20は、温度によりY軸方向に沿って伸縮する。なお、上記のある一定の閾値温度(x)は、ユーザが機体内部の部品に触れた場合に熱いと感じる温度であり、具体的には40℃程度に設定するのが理想的である。
次に、図3および図4を参照しつつ、上記構成を有する第1、第2のロック機構20,30の動作を説明する。
図3は、電源オフ状態、または記録中以外の電源オン状態での第1のロック機構20の動作状態を示しており、(a)は本体カバー15がロック解除された状態を、(b)はロックされた状態をそれぞれ示している。図3、図4において、カバー内側壁部15aをY座標原点とし、Y座標原点からY座標と平行に距離e離れた位置(被ロック部22のロック端面22aのY座標における位置)をEとする。また、Y座標原点からY座標と平行な方向における距離y1、y1’、y2、y2’だけ離れた位置をそれぞれY1、Y1’、Y2、Y2’とする。ここで、ロック部20a(ロック部材42の下流端42a)はこれらの位置の中のいずれか一つの位置の上に存在する。ロック部20aの位置は、その時の第1のロック機構20の状態(伸張状態、縮小状態)と、ロック機構モータ31の制御状態により決定される。ロック機構モータ31の駆動力を用いる第1のロック機構20によってロック部20aが移動する方向はY軸方向に限られる。図3の状態(電源オフ状態または記録中以外の電源オン状態)において、ロック機構モータ31の制御によりロック部20aがY軸における負の方向に押し出されており、ロック部20aの位置はY1とY1’に限られる。記録媒体に付与されたインクの乾燥、定着の際にヒータ13から放射される熱により第1のロック機構20が加熱され、図3(a)に示す常温状態からある一定の温度にまで達すると、図3(b)に示す通り、ロック部20aがY軸における負の方向に移動してY1’の位置に達する。このときY座標原点から被ロック部22のロック端面22aまでの距離eと、Y座標原点からロック部20aまでの距離y1’との関係は、e>y1’となるため、本体カバー15はロックされた状態となる。
また、自然放熱や冷却ファン(不図示)の動作により第1のロック機構20の温度がある一定の温度未満にまで低下すると、図3(a)に示す通り、ロック部20aがY1の位置に移動する。このときe<y1の関係にあるため本体カバー15のロックは解除される。なお、ロック部20aと本体カバー15との衝突を防ぐため、距離y1、y1’の関係はy1>y1’>0に設定されている。
図4は記録中のカバーロック装置16Aの動作状態を表している。図4(a)および(b)のいずれにおいても、本体カバー15はロックされた状態にある。記録開始と同時にロック機構モータ31の駆動によってロック部20aはY軸における負の方向へと移動する。この移動によりロック部20aの位置は、図3(a)に示すY1の位置から図4(a)に示すY2の位置へと移動する。図4に示す状態では、ロック機構モータ31の駆動によってロック部20aがY軸上の負の方向に引き込まれ、ロック部下流端20aの位置は、Y2またはY2’の位置に制限されることとなる。すなわち、記録開始直後はプリンタ1内の温度がある一定の温度に達していないため、第1のロック部20は縮小状態(正方向へと移動した状態)にあり、図4(a)に示す通りe>y2の関係となっている。このため、本体カバー15はロック部20aによってロックされ、本体カバー15がロックされた状態となっている。この後、記録動作が一定時間行われ、ヒータ13から放射される熱などにより加熱されて第1のロック機構20がある一定の温度に達すると、ロック部20aは伸張状態となり(負方向へと移動した状態)となり、ロック部20aは図4(b)に示すようにY2’の位置へと移動する。このとき、eとy2とy2’の関係はe>y2>y2’>0であるため、本体カバー15は常にロックされた状態となる。また、ロック部20aが本体カバー15に衝突することはない。
ここで、図7のフローチャートを用いて本実施形態に係る記録装置で実行される一連の制御工程を説明する。
本実施形態では、形状記憶合金を使用した後述の第1のロック機構20(第1の手段)の状態と、モータを使用した第2のロック機構30(第2の手段)の状態とを組み合わせることにより、本体カバー15のロック、ロック解除を行う。本体カバー15がロック状態にあるかロック解除状態にあるかは、記録中を除いて、電源200がオン状態であるかオフ状態であるかに拘わらず、形状記憶合金を使用した第1のロック機構20が伸張状態(オン(ON))にあるか縮小状態(オフ(OFF))にあるかによって決定される。記録中はキャリッジ18の走査等、本体部1Aの機構が動作しているため、ユーザがプリンタ1の内部に手を入れてしまうと、手が動作部分に接触する虞がある。そこで、記録中は、第1のロック機構20がオンであるか否かに関係なく、ロック機構モータ31を使用した第2のロック機構20によって本体カバー15を強制的にロックする。
電源200がオフ(OFF)状態でプリンタ1内が常温の場合、ステップS1からカバーロック装置16Aの制御が開始される。このとき第1のロック機構20がオフであり、第2のロック機構30がオフ(第1のロック機構20をロック部20aと共にY軸上において最も正の方向に移動させている状態)である場合、本体カバー15に対するロックは解除されている。すなわち、本体カバー15を上方へと開くことが可能になっている。ステップS2では電源200がオン(ON)になり、ステップS3では記録開始指令があるか否かの判断が行われる。記録開始指令が有る場合、ステップS4では第2のロック機構がオン(第1のロック機構20をロック部20aと共にY軸上において最も負の方向に移動させている状態)になり、ステップS5では本体カバー15がロックされる。ステップS6ではインク定着のためのヒータによりプリンタ1内が加熱されて高温になると、ステップS7では第1のロック機構20がオンになる。
ステップS8で記録動作が終了すると、ステップS9で第2のロック機構30がオフになる。ステップS10で電源200がオン状態を維持していないと判断された場合、ステップS11の冷却処理によりプリンタ内の温度を常温まで低下させる。これにより、第1のロック機構20がオフとなり(ステップS12)、本体カバー15に対するロックが解除される(ステップS13)。
一方、ステップS3で記録開始指令がないと判断された場合、ステップS14で記録ジョブの受信を待機する。また、ステップS10で電源オン状態を維持しないと判断された場合、ステップS15で電源はオフとなる。この後、ステップS16においてプリンタ1内が高温になっていると判断された場合、プリンタ1内の温度が常温へと低下するまで自然放熱を行う。プリンタ1内の温度が常温へと低下すると第1のロック機構20がオフとなり(ステップS18)、本体カバー15に対するロックが解除される(ステップS19)。
また、電源オフ(OFF)状態で本体部1A内が高温の場合、ステップS20から制御が開始される。このとき第1のロック機構20はオンであり、第2のロック機構30はオフであるため、本体カバー15はすでにロックされた状態にある。ステップS21で電源200がオンになり、記録開始指令の有無を判断する。記録開始指令が有る場合、ステップS23で第2のロック機構30がオンになりステップS8へと移行する。また、ステップS22で記録開始指令がないと判断された場合、ステップS23で冷却処理を行いプリンタ1内の温度を常温まで低下させる。この温度低下により、ステップS24では第1のロック機構20がオフになり、本体カバー15に対するロックが解除される(ステップS23)。
以上のように本実施形態では、プリンタ1に電力が供給されない場合にも、プリンタ1内の温度が閾値温度以上(高温)であれば第1のロック機構20が伸張状態となって本体カバー15をロックするため、本体カバー15の開きを阻止することができる(図3(b)参照)。また、プリンタ1内の温度が閾値温度未満(常温)になれば第1のロック部材20が縮小して本体カバー15に対するロックは解除される。従って、電力が供給されない状態でも、プリンタ1内の温度によって自動的に本体カバー15のロック、ロック解除を行うことができ、安全性は大幅に向上する。
また本実施形態では、記録開始直後のように、プリンタ1内の温度が閾値温度まで上昇していないが、内部が駆動状態であるような場合には、本体カバー15をロックしておく必要がある。こうした場合、本実施形態では、ロック機構モータ31を駆動して第1のロック機構20を負方向に移動させることにより、本体カバー15を第1のロック部20によって強制的にロックすることが可能になる。
また逆に、プリンタ1内の温度が閾値温度以上であることにより本体カバー15がロックされている状態であっても、本体カバー15を開く必要に迫られることもある。例えば、プリンタ1内が高温化しているときに紙詰まりが生じた場合、記録媒体が必要以上に加熱されてしまう危険性があり、直ちに本体カバー15を開けることが必要になる。このような状況に陥った場合にも、本実施形態ではロック機構モータ31を用いた第2のロック機構30によって第1のロック機構20と共にロック部20aを正の方向に移動させ、本体カバー15のロックを強制的に解除することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図8ないし図10を参照しつつ説明する。この第2の実施形態においても図1ないし図3と同様の構成を備える。従って、図8ないし図10において図1ないし図3に示したものと同一もしくは相当部分には同一符号を付し重複説明は省略する。
まず、図10の制御動作フローチャートを用いてこの第2の実施形態において実行される一連の制御工程を説明する。第2の実施形態においても、形状記憶合金を使用した第1のロック機構(第1の手段)20と、ロック機構モータ31を使用した第2のロック機構(第2の手段)30とを組み合わせることにより本体カバー15のロック、ロック解除を行うものである。第1のロック機構20、第2のロック機構30の具体的構成は、上記第1の実施形態と同様とする。
第2の実施形態ではプリンタ1内に発生した紙詰まり等の異常を検知した場合を除き、電力供給の有無に関係なく、形状記憶合金を用いた第1のロック機構20が伸張状態にあるか否かによって、本体カバー15がロックされているか否かが決定される。記録中に紙詰まりを検知した場合、直ちに本体カバー15を開けて紙詰まりを解消しなければ記録媒体が過剰に加熱されてしまう可能性がある。このため、本実施形態では、ロック機構モータ31を使用した第2のロック機構30により第1のロック機構20のオン、オフに関係なく本体カバーのロックを強制的に解除することができるようになっている。
電源オフ状態で本体部内が常温の場合、ステップS1からカバーロック装置16Bの制御が開始される。このとき、図7に示した第1の実施形態における制御とは異なり、ロック機構モータ31を使用した第2のロック機構30はオンとなる。この状態で本体カバー15はロック解除状態にある(図8(a)参照)。ステップS2で電源がオン(ON)状態になり、ステップS3で記録開始指令があるか否かを判断する。記録開始指令がある場合、ステップS4でヒータの加熱動作により本体部内が高温になるため、ステップS5で第1のロック機構20がオンになり、ステップS6で本体カバー15がロックされる(図8(b)参照)。
記録中、ステップS7で紙詰まりを検知した場合には、ステップS8で記録を強制的に終了し、さらに、ステップS9で第2のロック機構30がオフになり、ステップS10で本体カバー15に対するロックは解除される(図9(b)参照)。ここで、ユーザに対しプリンタ1あるいはホストPC200に設けられている表示部などを用いて紙詰まりの解除指示を出す。ステップS11においてユーザが紙詰まりを解除したことを検出すると、ステップS12では電源200がオン(ON)状態に維持されているか否かの判断を行う。ここで、電源オン状態が維持されていると判断された場合、ステップS13で本体部1A内の冷却処理によりプリンタ1内の温度を常温まで低下させる。これにより、第1のロック機構20がオフとなる(ステップS14)。
一方、ステップS3で記録開始指令がないと判断された場合、ステップS15で記録ジョブの受信を待機する。また、ステップS7で紙詰まりがないと判断された場合は、ステップS16で記録を継続し、ステップS17で記録を終了し、ステップS12へと移行する。
また、電源オフ(OFF)状態で本体部1A内が高温の場合、ステップS22から制御が開始される。このとき、図7に示す制御とは異なり、ロック機構モータ106を使用した第2のロック機構30も第1のロック機構20と同様にオンとなっている。ステップS23で電源がオンになると、ステップS24で記録開始指令があるか否かを判断する。記録開始指令があると判断された場合はステップS7へと移行する。また、記録開始指令がないと判断された場合にはステップS25で冷却処理を行い、本体部内温度を常温まで低下させる。これにより、ステップS26では第1のロック機構20がオフとなり、本体カバー15のロックが解除される。
また、ステップS12で電源オン状態を維持しないと判断された場合、ステップS18で電源はオフとなる。この後、ステップS19でプリンタ1内が高温になっていると判断された場合、プリンタ1内の温度が常温へと低下するまで自然放熱を行う(ステップS20)。プリンタ1内の温度が常温へと低下すると第1のロック機構20がオフとなる(ステップS21)。
図8、図9は図2に示すカバーロック装置16Bの動作を示す説明縦断側面図である。図8および図9に示す構成は、図3および図4に示した第1の実施形態と同様であるが、その動作が異なる。以下、この第2の実施形態と上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
図8は、電源オン状態、または電源オフ状態を含む通常のプリンタ使用時のカバーロック装置16Bの状態を表している。図3と同様に、図8(a)では本体カバー15はロックされておらず、図8(b)ではロックされている。図3に示すものと異なる点は、ロック機構モータ31の制御により、ロック部20がY座標に沿って負の方向に押し出されている点である。
図9は、記録中に紙詰まりを検知した場合のカバーロック装置の状態を表している。ここで、図9に示す通り、Y座標原点からY軸と平行にy3、y3’だけ離れた位置をそれぞれY3、Y3’とし、ロック部20aはこれらの位置のいずれか一方の上に存在する。マルチセンサ(不図示)が紙詰まりを検知すると、ロック機構モータ31の駆動により、第1のロック機構20がY軸における正の方向に移動する。この第1のロック機構20の移動により、ロック部20aの位置は、図8(a)に示す位置Y1から図9(a)に示す位置Y3へと移動する。図9においては、第1のロック機構20がY軸における正の方向に引き込まれているため、ロック部20aの位置はY3とY3’の位置に限られる。
図9(a)は形状記憶ばね40の温度がある一定の温度未満である状態を、図9(b)はある一定の温度に達した状態をそれぞれ表している。いずれの状態にあっても、eとy3とy3’の関係は0<e<y3<y3’であり、紙詰まりが検知された場合には、形状記憶合ばね40の温度に拘わらず本体カバー15のロックが解除された状態となる。これによって、記録中の紙詰まりを早急に解決し、記録媒体が過剰に加熱されるのを防止することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を、図11を参照しつつ説明する。
この第3の実施形態におけるカバーロック装置16Cは、以下に説明する第1のロック機構(第1の手段)50と、第2のロック機構(第2の手段)30とを備える。第2のロック機構30は、上記の各実施形態と同様にロック機構モータ31と、ピニオンギア31aと、ラック32とを備える。また、第1のロック機構50は、上記の各実施形態のような熱による形状記憶合金の変形を利用したものに代えて、熱による気体の膨張を利用した構成となっている。
図11に示すように、この第3の実施形態における第1のロック機構50は、シリンダ51と、シリンダ51内を摺動可能なピストン52と、ピストン52に取り付けられたロック部材53と、を備えた構成を有する。シリンダ51とピストン52とによって形成された空間SP1は密閉空間となっており、内部には空気などの気体54が封入されている。なお、図中53aはロック部材の下流端部に設けられたロック部を示している。
シリンダ51内の気体54は、記録媒体に付与されたインクの乾燥、定着のためにヒータ13から放射される熱により加熱され、体積が増加する。気体54の体積の増加に伴ってピストン51はY軸の負の方向に押し出され、ピストン52に取り付けられたロック部材53が同方向へと移動する。気体54がある一定の温度に達すると、ピストン52は、図11(b)に示す位置、すなわち、e>y1’の関係となる位置まで移動し、ロック部材のロック部53aが本体カバー15をロックする。
また、自然放熱や冷却ファン(不図示)の動作によりシリンダ50内の気体54の温度がある一定の温度未満にまで低下すると、気体54の体積は減少し、ピストン52は正方向に移動する。その結果、図11(a)に示すように本体カバー15のロックは解除される。なお、ロック部53aの移動は、Y1とY1’の間の範囲で行われる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態を図12および図13に基づき説明する。
第4の実施形態におけるカバーロック装置16Dは、上記各実施形態と同様に第1のロック機構(第1の手段)と、第2のロック機構(第2の手段)とを備える。上記各実施形態における第1のロック機構はロック部材およびその下流端であるロック部を、Y軸に沿って直線移動させるものとなっている。これに対し、この第4の実施形態における第1のロック機構60は、熱によってロック部材61の角度位置が変化する(ロック部材61が回転移動をする)ものとなっている。すなわち、上記各実施形態における固定部材の直線運動を、この第4の実施形態における第1のロック機構60では、形状記憶合金の伸縮動作をロック部材61の、回動中心2を中心とした回転移動に変換するものである(図12および図13参照)。なお、第2のロック機構30の構成は、上記実施形態と同様である。
図12は、電源がオフ状態、または電源がオン状態であって記録中以外の状態におけるロック機構の状態を示している。この状態において、ロック部20は、乾燥、定着の際に、ヒータ13から放射される熱により加熱され、常温状態からある一定の温度にまで達すると、図12(a)に示す常温時の状態から、図12(b)に示す加熱時の状態に変化する。すなわち、ロック部は、加熱されて一定の温度に達すると、図12(a)に示すようにY軸と平行に伸びた状態となり、ロック部下流端20aがY1’の位置に存在する。ここで、被ロック部22とロック部20のY座標原点からの距離関係は、e>y1’となるため、本体カバー15はロックされた状態となる。また自然放熱や冷却ファン(不図示)の動作によりロック部20の温度がある一定の温度未満にまで低下すると、図12(a)に示す通り形状記憶合金が変形して上部に屈曲し、ロック部下流端20aがY1の位置になる。このときe<y1の関係となるため本体カバー15に対するロック状態は解除される。
図13は記録中のカバーロック装置の状態を表している。記録開始と同時に、e>y2>y2’>0の関係となるようにロック機構モータ31が制御され、ロック部20がY軸負の方向へと移動する。この状態では、形状記憶合金の状態に関係なく本体カバー15は常にロックされた状態となる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態を図14および図15を参照しつつ説明する。
上記第4の実施形態においては、形状記憶合金の変形を利用してロック部20が回転運動を行うようにしたが、この第5の実施形態における第1のロック機構(第1の手段)では、熱による気体の圧縮膨張を利用してロック部20の回転動作を行うように構成している。他の構成は、上記各実施形態と同様である。
図14に示すように、この第5の実施形態における第1のロック機構は、可動支持部材 の先端に固定された容器と、容器の中心に設けられた中心軸に固定された可動板と固定壁とを備える。固定壁は容器の内面に固定され、可動壁は容器の内面に沿って中心軸を中心に旋回移動可能となっている。容器内は、可動板と固定壁とによって2つの空間に画成されている。一方の空間(図中斜線にて示す)は、外部空間との連通が遮断された密閉空間であり、他方の空間は所定の連通口によって外部と連通している。中心軸は、容器の外部に突出しており、この中心軸の突出部分にはロック部材が固定されている。
容器54内の画成されている一方の密閉空間SP1に封入された気体55は、記録媒体の乾燥、定着の際にヒータ13から放射される熱により加熱されて体積が増加する。その結果、気体55の圧力によって可動壁は中心軸と共に回転する。その結果、中心軸に設けられたロック部材が回転移動する。このロック部材の動作を図14(a),(b)に示す。図14(b)は、気体55が加熱されて膨張し、ロック部材53が被ロック部材と対向する位置に保持される。すなわち、e≧y1’の関係となり、カバー15はロック部材14によって閉位置に拘束されたロック状態となる。また、自然放熱や冷却ファン(不図示)の動作により気体55の温度が低下すると、可動壁が中心軸と共に回転し、e<y1の関係となり、ロックが解除される。
図15は、この第5の実施形態における記録中のカバーロック装置の状態を表している。記録開始と同時に、e>y2>y2’>0の関係となるようにモータ31が制御され、ロック部52がY軸負の方向へと移動する。従って、この状態では、気体55の状態に拘わらず本体カバーは常にロックされた状態となる。
(その他の実施形態)
なお、以上の説明においては、インクを吐出することによって画像を記録するインクジェット記録装置を例に採り説明したが、本発明は、発熱部を有する本体部を備え、その本体部を開閉可能に覆うカバーを有するものであれば、他の記録装置にも適用可能である。
例えば、電子写真方式の記録装置では、記録媒体上に形成したトナー像を定着させるために、トナーを加熱定着させる定着部が設けられており、このような加熱定着部を覆うカバー機構にも本発明は適用可能である。
さらに、本発明に係るカバーロック装置は、記録装置に限らず、発熱部を有する本体部を覆う開閉可能なカバーを有する装置であれば適用可能である。すなわち、本発明に係るカバー機構は必ずしも記録装置への適用に限定されない。
1 インクジェット記録装置
2 ロール紙
8 ヘッドユニット
12,13 ヒータ(発熱部)
15 本体カバー
16 カバーロック装置
20 ロック部
21 ロック機構モータ
22 被ロック部
30 シリンダ
31 ピストン
32 気体
33,42,43,53 ロック部材
41 形状記憶合金ばね
52 ロック部(気体とロック部材を使用した機構)
53 ロック部材
54 容器
55 気体

Claims (8)

  1. 発熱部を含む本体部を覆う閉位置と前記本体部を外部に露出させる開位置との間を移動可能なカバーを閉位置に拘束するロック状態と、該ロック状態を解除するロック解除状態とを選択的に設定可能とするカバーロック装置であって、
    前記カバーをロック状態とすることが可能な拘束位置と前記カバーを前記解除状態に保つ解除位置とに移動可能なロック部材と、
    前記本体部の温度に応じて前記ロック部材の位置を移動させる第1の手段と、
    前記本体部へ供給される電力を用いて前記ロック部材の移動を行う第2の手段と、を有し、
    前記本体部に電力が供給されていない場合には、前記第1の手段によって前記ロック部材を拘束位置または解除位置へと移動させることを特徴とするカバーロック装置。
  2. 前記本体部に電力が供給され、かつ前記本体部に所定の異常が発生した状態において、前記第2の手段は、前記第1の手段によるロック部材の位置に関係なく、前記第2の手段により前記ロック部材を解除位置へと移動させ得ることを特徴とする請求項1に記載のカバーロック装置。
  3. 前記第1の手段は、温度に応じて伸縮方向へと移動する伸縮部材によって構成され、前記伸縮部材は、伸張状態において前記ロック部材を前記拘束位置へと移動させ、縮小状態において前記ロック部材を前記解除位置へと移動させることを特徴とする請求項1に記載のカバーロック装置。
  4. 前記第1の手段は、温度に応じて屈曲状態と伸張状態とに変化する変形部材によって構成され、前記変形部材は、伸張状態において前記ロック部材を前記拘束位置へと移動させ、前記屈曲状態において前記ロック部材を解除位置へと移動させることを特徴とする請求項1に記載のバーロック機構。
  5. 前記第1の手段は、温度に応じて変形する形状記憶合金を備えることを特徴とする請求項1に記載のカバーロック装置。
  6. 前記第1の手段は、気体の圧縮膨張によりロック部材の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載のカバーロック装置。
  7. 前記ロック部材は、前記第1の手段に保持され、
    前記第2の手段は、前記第1の手段と共に前記ロック部材の移動を行うことを特徴とする請求項1に記載のカバーロック装置。
  8. 記録媒体に色材を付与することによって画像を記録手段および前記記録媒体に付与した色材を前記記録媒体に定着させるための熱を発生させる発熱部を備える本体部と、前記本体部を覆う閉位置と前記本体部を外部に露出させる開位置との間を移動可能なカバーと、前記カバーを閉位置に拘束するロック状態と該ロック状態を解除するロック解除状態とを選択的に設定可能とするカバーロック装置と、を備えた記録装置であって、
    前記カバーロック装置は、
    前記カバーをロック状態とすることが可能な拘束位置と前記カバーを前記解除状態に保つ解除位置とに移動可能なロック部材と、
    前記本体部の温度に応じて前記ロック部材の位置を移動させる第1の手段と、
    前記本体部へ供給される電力を用いて前記ロック部材の移動を行う第2の手段と、を有し、
    前記本体部に電力が供給されていない場合には、前記第1の手段によって前記ロック部材を拘束位置または解除位置へと移動させることを特徴とする記録装置。
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WO2023074564A1 (ja) * 2021-10-28 2023-05-04 ブラザー工業株式会社 箔転写装置

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