JP2013188777A - 熱間圧延における平坦形状制御方法及び製造装置 - Google Patents

熱間圧延における平坦形状制御方法及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】平坦形状計の実測値に基づくフィードバック制御を行いながら、併せて形状変化係数を算出し、設定計算に用いる形状変化係数の修正を行うことで、全長にわたって平坦形状の優れた板材を圧延できる圧延材の製造方法を提供する。
【解決手段】圧延機の最終スタンド出側で圧延材の板クラウンおよび伸び差率を1点測定する工程と、平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後の板クラウンおよび伸び差率を1点測定する工程と、平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求める工程と、求めた形状変化係数を次材の平坦形状制御手段の設定計算に反映する工程と、を含むものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィードバック制御を行いながら、同時に平坦形状制御の設定計算に必要な形状変化係数の算出および学習を行う、圧延材の製造方法および圧延材の製造装置に関する。
熱間圧延による圧延材の製造をはじめとする圧延加工においては、所望した製品の形状や品質を確保し、安定した通板を可能として歩留を向上させるため、圧延材の平坦形状を高精度で制御する必要がある。このように平坦形状を制御するため、ワークロールベンダなどの平坦形状アクチュエータを用いることが知られている。そして高精度な制御を可能するために平坦形状アクチュエータを適切な制御量で制御することが必要であり、従来から各種の当該制御量の算出方法や平坦形状予測手段が提案され、その精度向上が図られている。
平坦形状アクチュエータの制御量を適切な値に変更する方法の一つとして、スタンドと呼ばれる圧延機が、複数並べられて1つの圧延機群を形成するタンデム圧延機において、最終スタンドの出側に平坦形状計を設置し、この平坦形状計の測定値と目標値とを近づけるように最終スタンドの平坦形状アクチュエータの制御量を変更するフィードバック制御が広く知られている。例えば特許文献1には、平坦形状計によって測定した圧延後における平坦形状をパラメータ化し、そのパラメータを目標の平坦形状を表すパラメータに近づけるように平坦形状アクチュエータの制御量を変更する技術が開示されている。
また、平坦形状予測手段の精度向上方法としては、例えば特許文献2に、平坦形状の予測値と実測値との偏差をロールプロフィル誤差として学習させる制御方法が開示されている。
平坦形状予測手段としては、例えば非特許文献1では、板幅中央を基準とした板幅端部の1点における板クラウン比率(=板クラウン/板幅方向の中央板厚)と平坦形状との関係を表す形状変化係数を、冷間アルミ圧延実験より求めている。
特許第1183203号公報 特開昭59−215205号公報
栗津原博ら、冷間アルミ圧延における圧延材の3次元変形、昭和52年度塑性加工春季講演会
しかし、特許文献1等のフィードバック制御のみによる平坦形状の制御では、フィードバック制御の対象とならない板先端部の平坦形状を改善することができないという問題点がある。
また、特許文献2などによる平坦形状予測手段の精度向上では、予測値と測定値との偏差をロールプロフィル誤差として学習する際に形状変化係数を用いているが、形状変化係数自体に含まれる誤差を修正することが出来ないという問題がある。
また、非特許文献1などによる形状変化係数の決定方法では、圧延前後の板クラウン、平坦形状を測定する必要があり、圧延機の入側および出側に計測機器が必要となるためコストが増加するという問題がある。また板幅方向について代表する1点での形状変化係数を求めることから、圧延材によって平坦形状の制御位置が板幅方向に変化する場合に対応できないという問題がある。
そこで本発明は、平坦形状計の実測値に基づくフィードバック制御を行いながら、併せて形状変化係数を算出し、設定計算に用いる形状変化係数の修正を行うことで、全長にわたって平坦形状の優れた板材を圧延できる圧延材の製造方法を提供することを課題とする。また、このような圧延材の製造装置を提供する。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、圧延機の最終スタンド出側で圧延材の板クラウンおよび伸び差率を1点測定する工程と、平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後の板クラウンおよび伸び差率を1点測定する工程と、平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求める工程と、求めた形状変化係数を次材の平坦形状制御手段の設定計算に反映する工程と、を含む圧延材の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、圧延機の最終スタンド出側で圧延材の板クラウンおよび伸び差率を板幅方向に2点以上測定する工程と、平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後の板クラウンおよび伸び差率を前記測定と同数の点で測定する工程と、平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求める工程と、求めた形状変化係数を次材の平坦形状制御手段の設定計算に反映する工程と、を含む圧延材の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、圧延機と、圧延機のワークロールに配置される平坦形状制御手段と、圧延機の出側に設置された平坦形状計と、圧延機の出側に設置された板クラウン計と、平坦形状計および板クラウン計から測定結果を取得して板クラウンおよび伸び差率を算出し、平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後にも平坦形状計および板クラウン計から測定結果を取得して板クラウンおよび伸び差率を算出するとともに、平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求め、求めた形状変化係数に基づいて次材の平坦形状制御手段の設定計算を演算する平坦形状制御演算手段と、を備える圧延材の製造装置である。
本発明により、フィードバック制御を行いながら、同時に形状変化係数を算出して圧延機設定の設定計算に用いる形状変化係数の修正を行うことで、圧延材全長にわたって平坦形状の優れた板材を圧延することができ、安定した通板および歩留まりの向上を実現することが可能となる。
1つの実施形態を説明するための熱延鋼板の製造装置の一部を模式的に示した図である。 圧延時間とサーマルクラウンとの関係を示すグラフである。 サーマルクラウンと板クラウン変化量との関係を示すグラフである。 フィードバック制御と、板厚および平坦形状測定のタイミングを説明する図である。 圧延材の製造方法を説明するフローである。 実施例の結果を表すグラフである。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、本実施形態では、熱延鋼板の製造装置、製造方法を例に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されることなく圧延加工による圧延材の製造に適用することができる。
図1は、1つの実施形態を説明する図であり、圧延材の製造装置10(以下、「製造装置10」と記載することがある。)を説明するための概念図である。図1では、圧延材1は紙面左(上流側、入側)から右(下流側、出側)の方向へと搬送されており、紙面上下が鉛直方向である。ここではパスラインを破線Pで示している。上流側(入側)−下流側(出側)方向を通板方向と記載することがあり、これに直交する方向で、通板される圧延材の板幅の方向(図1の紙面奥/手前方向)を板幅方向と記載することがある。また、図において見易さのため繰り返しとなる符号の記載は省略することがある。
図1に示すように、製造装置10は、熱間仕上げ圧延機列11、平坦形状制御手段として機能するワークロールベンダ12、平坦形状計13、板クラウン計14、及び平坦形状制御演算手段15を有している。
なお、ここでは図示及び説明は省略するが、熱間仕上げ圧延機列11より入側には、加熱炉や粗圧延機列等が配置され、熱間仕上げ圧延機列11に入るための圧延材の条件を整えている。また、熱間仕上げ圧延機列11の出側には、ピンチロール、ホットラン冷却装置、及び巻き取り装置等、製造された圧延材をコイル状に巻き取るための各装置が配置されている。
圧延材は概ね次のように製造される。すなわち、加熱炉から抽出され、粗圧延機で所定の厚さまで圧延された粗バーが、連続的に熱間仕上げ圧延機列11で所定の厚さまで圧延される。このとき平坦形状制御演算手段15からの指令に基づいて動作したワークロールベンダ12が熱間仕上げ圧延機列11の最終スタンド11gに作用して、平坦度が向上されて圧延がおこなわれる。そして、ピンチロールを通過し、ホットラン冷却装置により所定の巻き取り温度にまで冷却され、巻き取り装置によりコイル状に巻き取られる。
以下、製造装置10について詳しく説明する。
本実施形態では熱間仕上げ圧延機列11は、7機の圧延機11a、…、11f、11gが通板方向に沿って配列されている。それぞれの圧延機11a、…、11f、11gは、いわゆる各スタンドを構成する圧延機で、最終製品において必要とされる圧延材1の厚さ、機械的性質、表面品質等の条件を満たすことができるように圧下率等の圧延条件が設定されている。ここで、各スタンドの圧下率は製造される圧延材が有するべき性能を満たすように設定される。
各スタンドの圧延機は、実際に圧延材を挟んで圧下する一対のワークロール11aw、11aw、…、11fw、11fw、11gw、11gwと、該ワークロールに外周同士を接するように配置された一対のバックアップロール11ab、11ab、…、11fb、11fb、11gb、11gbとを有している。また、各スタンドの圧延機はワークロールおよびバックアップロールを内側に含み、圧延機の外殻を形成し、ワークロールおよびバックアップロールを支持するハウジング11ah、…、11fh、11ghを備えている。このハウジングは対向して立設された立設部を有しており、立設部は通板される圧延材1を板幅方向に挟むように立設されている。
ワークロールベンダ12は、仕上げ圧延機列11のうち、最終スタンド11gのワークロール11gwに対して設置される装置であり、圧延中にアクチュエータ制御量を変更可能な平坦形状制御手段として機能し、ワークロール11gwのプロフィルを調整することができる油圧装置である。ワークロールベンダ12は後述する平坦形状制御演算手段15からの指令に基づいて作動するように構成されている。これによりワークロール11gwのプロフィルが制御され、平坦形状が良好な圧延材が製造される。ワークロールベンダ12の基本的な構造は公知のものを適用することができる。
本実施形態では平坦形状としてワークロールベンダを例示したがこれに限定されることなく、ワークロールベンダ以外の平坦形状制御手段もワークロールベンダの代わりに使用することができる。本発明に使用できる平坦形状制御手段は、応答性が高いこと、圧延中にアクチュエータ制御量を変更可能であること、の要件を備えていればよく、具体的には、ダイナミックペアクロスミル、VCロール等を挙げることができる。
平坦形状計13は、圧延材の板幅方向における平坦形状を計測する測定機器であり、仕上げ圧延機列11の出側に設置される。平坦形状計13として公知の平坦形状計を用いることができる。平坦形状計13で得た計測結果は平坦形状制御演算手段15に送信され、ここで行われる演算のための条件の1つとして用いられる。
板クラウン計14は、板厚計であり、板幅方向中央の板厚及び板幅方向の所定の位置(圧延材を板幅方向に所定の大きさで分割して表したときのi番目の部位、詳しくは演算の内容で説明する。)における圧延材の板厚を測定する測定機器である。板クラウン計14は仕上げ圧延機列11の出側に配置される。また、板クラウン計14は、上記のように板厚を測定することができればよく、公知の板厚計を適用することが可能である。板クラウン計14で得た計測結果は平坦形状制御演算手段15に送信され、ここで行われる演算のための条件の1つとして用いられる。
平坦形状制御演算手段15は、平坦形状が良好な圧延材を得るために、平坦形状計13及び板クラウン計14から測定結果を取得し、演算をしてワークロールベンダ12に動作の信号を送信する手段である。ここでおこなわれる演算は次のような考えに基づいて行われる。
一定区間lにおける板幅方向の中央での伸びlと板幅方向の端部での伸びlとの差Δlのlに対する比率を伸び差率Δεと定義すると下記式(1)が成立する。平坦形状は、当該伸び差率Δεによって定量化できる。
Figure 2013188777
伸び差率Δεと板厚歪偏差Δεとの間にはある一定の関係があり、両者は形状変化係数ηを用いて整理できる(例えば、日本鉄鋼協会編「板圧延の理論と実際」、P99)ことから、式(2)が成り立つ。
Figure 2013188777
ここでiは、板幅方向に圧延材を分割したときのi番目のスリットを表す。さらに、H、hをそれぞれ圧延前後の板幅方向の中央板厚、H(i)、h(i)をそれぞれi番目のスリット位置における圧延前後の板厚と定義すると、圧延前後の板厚歪偏差と、圧延後の平坦形状との関係について、式(3)が成立する(当該演算は、例えば、日本鉄鋼協会編「板圧延の理論と実際」P96を根拠とすることができる。)。
Figure 2013188777
ここで、「板幅方向の中央板厚」−「i番目のスリットの板厚」を板クラウン、「板クラウン」/「板幅方向の中央板厚」を板クラウン比率と呼ぶ。そして上記のように、板クラウン計により、板幅中央の板厚とi番目のスリットの板厚とを測定することができるので、ここでは板クラウン計からの測定結果を利用することが可能である。
圧延後の平坦形状の高精度予測のためには、η(i)を高精度で予測することが必要である。η(i)は板厚や板幅等の圧延条件に依存し、通常は圧延前後の板クラウン(板クラウン比率)、伸び差率の実測値から同定を行う。これに対して本発明では、ワークロールベンダの制御量を変更する前後の値を用いることで、圧延後の板クラウン、伸び差率の実測値から形状変化係数を求めた。以下にさらにくわしく説明する。
最終スタンド11gの入側における圧延材1について考えると、最終スタンド11gの入側における板クラウンは、圧延材長手方向の位置により異なる。なぜなら、最終スタンド11gより一つ上流側のスタンド11fのサーマルクラウンが圧延中に変化するからである。「サーマルクラウン」とは熱膨張によって形成されるロールプロフィルである。
最終スタンド11gより一つ上流側に配置されたスタンド11fのサーマルクラウンが変化する様子の一例を図2に示す。これは、同一チャンス(ワークロールを交換することなく圧延が行われる機会。)内の10コイル目の計算値である。図2において、時間T以内ではサーマルクラウンを一定とみなせると仮定すると、時間T以内では最終スタンド11gの入側における板クラウンは等しくなる。従って、時間T以内にフィードバック制御によってワークロールベンダの制御量をJ[kN/ch]変更した圧延材について、式(4)が成立する。ここで[kN/ch]はワークロールベンダのチョックあたりの変更量である。
Figure 2013188777
Δε´(i)、h´(i)、h´はそれぞれワークロールベンダ12の制御量を変更した後のi番目のスリットにおける伸び差率と板厚、および板幅方向の中央板厚である。また、同一の圧延材なのでη(i)は同一であると考えることができる。式(3)がワークロールベンダの制御量を変更する前に成立するとし、式(3)と式(4)の辺々をひくと、式(5)が成立する。
Figure 2013188777
これより、最終スタンド11gの出側に設置された板クラウン計14および平坦形状計13を用いれば、式(5)において、圧延後の板クラウン、伸び差率の計測のみでη(i)を算出することができる。この値を学習することで平坦形状予測のための圧延機の設定計算に用いる形状変化係数の精度を向上させることができる。さらに、板幅方向2点以上の板クラウン、伸び差率を求めることによって、板幅方向2ヶ所以上で式(5)が成立する。これより、2点以上の位置でη(i)を算出することができ、2点以上の位置で平坦形状予測を高精度で行うことができる。
平坦形状制御演算手段15において、以上のような考えに基づいて演算を行うことにより、η(i)を算出して、設定計算に必要な形状変化係数の修正をすることが可能となる。具体的な圧延方法については後で説明する。
このような平坦形状制御演算手段15の具体的な態様は特に限定されることはないが、制御基板やコンピュータを挙げることができる。すなわち、平坦形状計および板クラウン計からの測定信号を受信する手段、上記した演算をするためのプログラムが保存された保存手段、受信する手段からの情報及び保存手段からのプログラムに基づいて上記演算をおこなう中央演算子(CPU)、一時的なデータの保存やCPUの作業領域として機能するRAM、及び演算結果としての指令信号をワークロールベンダに送信する手段を具備するものが好ましい。
以下、製造装置10におけるさらに好ましい内容について説明する。図3にはサーマルクラウンと板クラウン変化量の関係を示した。図3に示したΔC75とは「板幅方向の中央板厚」−「板幅方向の端部から75mm中央側に入った位置の板厚」を表す。図3より、例えばサーマルクラウンが15μm以下であればΔC75の変化量は1μm未満であり、最終スタンド11gの入側の板クラウンは等しいとみなすことができる。図2より、サーマルクラウンの変化が15μm以下となるために、時間Tは、5[s]以内が好ましい。
また、ワークロールベンダの変更量J[kN/ch]は、形状変化係数ηに含まれる誤差を小さくするために、294[kN/ch]以上であることが望ましい。
次に、フィードバック制御によってワークロールベンダを時間T以内にJ[kN/ch]変更するための条件を考える。図4は、フィードバック制御と板クラウン・平坦形状測定のタイミングを説明する図である。ここでは(a)〜(h)に場面を分けて順に説明する。
(a)は、圧延対象である圧延材の先端が最終スタンド11gに達した場面であり、ここから考察を開始する。
(b)は最終スタンドで圧延された圧延材の先端が平坦形状計13に達した場面である。ここで最終スタンドから平坦形状計までの距離をL[m]とし、その圧延材速度をV[m/s]としたとき、その時間はL/V[s]で表される。そして当該(b)から平坦形状測定が開始される。また、(a)から(b)までは圧延条件Aで圧延が行われる。この圧延条件Aは、ワークロールベンダ12の条件が変更される前の条件である。
(c)は時間tm1[s]の間、平坦形状測定が行われた場面を示した場面で、ここで平坦形状の計測を完了する。これにより伸び差率ε(i)を演算して得ることができる。
(d)は(c)からフィードバック制御が開始されるまでの時間的遅延t[s]の間に圧延が進行した場面である。すなわち、ここから先はフィードバック制御によりワークロールベンダの制御量が大きく変更される圧延条件Bで圧延が行われる。
(e)は圧延後の圧延材の先端が板クラウン計に到達した場面である。ここで最終スタンド11gから板クラウン計14までの距離をD[m]とし、その圧延材速度をV[m/s]としたとき、その時間はD/V[s]で表される。そして当該(e)から板クラウン測定が開始される。また、(d)からは上記のように圧延条件Bで圧延が行われている。
(f)は時間tm2[s]の間、板クラウン測定が行われた場面を示した場面で、ここで板クラウンの計測を完了する。これにより出側板厚h(i)を演算して得ることができる。
(g)はワークロールベンダ12の制御量をJ[kN/ch]変更完了させた場面である。(d)でフィードバック制御によってワークロールベンダの制御量の変更が開始されてから時間的遅延tが経過している。そしてここからワークロールベンダ12の制御後の条件である圧延条件Cにより行われる。
(h)は(a)で圧延を開始してから、平坦形状計による測定後、ワークロールベンダ12の制御量の変更が完了し、その後に板クラウンおよび平坦形状の測定を完了するまでの時間Tが経過した場面である。ここで、ワークロールベンダ12の条件変更前後の板クラウン計、平坦形状計による測定時において、入側板クラウンを一定とみなせるためには、Tが図2に示したTよりも小さくなければならない。すなわち、式(6)が成り立つ。
Figure 2013188777
また、図4からわかるように式(7)が成立する。
Figure 2013188777
ここで、(g)から(h)において圧延条件Cによる圧延は、板クラウン計、平坦形状計が計測できるだけの時間であるmax{tm1,m2}において、入側板クラウンが一定とみなせることがよい。
式(6)、式(7)より、平坦形状計と最終スタンドとの距離Lは、式(8)を満たすことが好ましい。
Figure 2013188777
すなわち、式(8)より、平坦形状計13と最終スタンド11gとの距離Lは小さくすることが望ましい。しかし、最終スタンド出側付近では、平坦形状不良が定在波として顕在化することがあり、一定区間にわたって変位計などで測定した板高さから急峻度を求める平坦形状測定手法では定在波の平坦形状を測定することはできない。このため、圧延材の長手方向と幅方向とに投影されたパターンをカメラで撮影した画像から平坦形状を測定する方法が望ましい。さらに、この測定手法により、平坦形状計の測定時間tm1[s]を短くすることができる。
また、ワークロールベンダ変更前の板厚を測定するために、圧延条件Aで圧延した部分の圧延材の板厚を測定する必要がある。このため、板クラウン計の計測時間tm2[s]は、式(9)を満たす必要がある。ここで、式(9)の右辺は、圧延条件Aの部分の圧延材が板クラウン計を通過するのに要する時間である。
Figure 2013188777
これより、板クラウン計14は多点の板厚を同時計測できる形式のもの(瞬時板プロフィル計)が望ましい。また、式(6)〜式(9)は、図4において、板クラウン計14および平坦形状計13のどちらが下流側であってもよい。
以上のような製造装置10により、最終スタンド出側に設置された板クラウン計14および平坦形状計13を用いて板クラウンおよび伸び差率を1点測定したのちに、ワークロールベンダの設定を変更し、変更後の板クラウン・伸び差率を1点測定し、変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求め、求めた形状変化係数を次材設定計算に反映する。これにより、圧延材全長にわたって平坦形状の優れた板を製造することが可能になる。
さらに、板クラウンおよび伸び差率を幅方向2点以上測定したのちに、ワークロールベンダの設定を変更し、変更後の板クラウンおよび伸び差率を同数(幅方向2点以上)測定し、変更前後の板クラウンおよび伸び差率から幅方向の各点における形状変化係数を求め、求めた形状変化係数を次材設定計算に反映することで、圧延材全長および圧延材板幅方向全幅にわたって平坦形状の優れた板を製造することが可能になる。
次に、製造装置10を用いて圧延材を製造する方法S10(以下「方法S10」と記載することがある。)の例を説明する。ここではわかりやすさのため製造装置10による製造方法を説明するが、必ずしも製造装置10による必要はなく、以下に説明する方法で製造することが可能であれば他の装置によるものであってもよい。
図5に方法S10のフロー図を示した。方法S10は工程S11〜工程S16を有している。
方法S10による圧延が開始(「スタート」)されると、過程S11で設定計算がされる。設定計算は、これまでのη(i)等の算出結果やその他学習結果に基づいてワークロールベンダ12の設定(設定計算)をおこなう。初めにこの設定で圧延が開始される。次に過程S12に進む。
過程S12〜過程S15はフィードバック制御の工程に含まれ、当該圧延材の圧延が終了するまでおこなわれる。
過程S12では製造装置10に備えられた平坦形状計13および板クラウン計14により圧延材の平坦形状および板クラウン測定値を得て、過程S13に進む。
過程S13では過程S12で得た情報および平坦形状制御演算手段15に保存されたプログラムに基づいて上記の演算をおこない、測定伸び差率の絶対値と目標伸び差率との大小比較をおこなう。過程S13で目標伸び差率の方が大きければ「Yes」が選択され過程S14に進む。一方、過程S13で測定伸び差率の絶対値が目標伸び差率以上の場合には「No」が選択され過程S15に進む。
過程S14は圧延が終了であるかを判断する過程である。過程S14で圧延が終了であると判断されたときには「Yes」が選択されて過程S16に進む。一方、過程S14で圧延がまだ終了でないと判断されたときには「No」が選択されて過程S12に戻る。
過程S13で「No」が選択されて過程S15に進むと、過程S15では、上記の演算に基づいて過程S13の関係で「Yes」となるようにワークロールベンダ12の設定を変更し、過程S12に戻る。
過程S14で「Yes」が選択され、圧延が終了し、過程S16に進むとワークロールベンダ設定変更前後の板クラウン計、平坦形状計測値を用いてη(i)を算出して学習する。当該算出および学習は平坦形状制御演算手段15で上記演算されておこなわれる。その後、過程S11に戻り次の圧延がおこなわれる。
実施例では、図1に示した製造装置を用い、図5に示した方法によって板厚31.2[mm]、板幅1007[mm]の粗バーの圧延シミュレーションを行った。圧延条件を表1に示す。
Figure 2013188777
最終スタンド(スタンドNo.7)の出側の伸び差率誤差について、従来の手法にかかる比較例と上記本発明にかかる実施例との比較を図6に示す。図6(a)は板幅方向端部からの距離が75mmの位置における伸び差率の誤差を表しており、図6(b)は板幅方向端部からの距離が25mmの位置における伸び差率の誤差を表している。ここで、実施例(1点)とは板幅方向端部から75mm位置の1点において形状変化係数を算出し、実施例(2点)とは板幅方向端部から25mm位置、75mm位置の2点において形状変化係数を算出したことを表す。板幅方向1点(75mm位置)測定時には25mm位置および75mm位置の両者とも伸び差率誤差が減少し、幅方向2点測定時には25mm位置の伸び差率誤差がさらに減少している。これより本発明によって、伸び差率誤差が減少させることが分かる。
1 圧延材
10 圧延材の製造装置
11 熱間仕上げ圧延機列
11g 最終スタンド
12 ワークロールベンダ(平坦形状制御手段)
13 平坦形状計
14 板クラウン計

Claims (3)

  1. 圧延機の最終スタンド出側で圧延材の板クラウンおよび伸び差率を1点測定する工程と、
    平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後の板クラウンおよび伸び差率を1点測定する工程と、
    前記平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求める工程と、
    求めた前記形状変化係数を次材の前記平坦形状制御手段の設定計算に反映する工程と、を含む圧延材の製造方法。
  2. 圧延機の最終スタンド出側で圧延材の板クラウンおよび伸び差率を板幅方向に2点以上測定する工程と、
    平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後の板クラウンおよび伸び差率を前記測定と同数の点で測定する工程と、
    前記平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求める工程と、
    求めた前記形状変化係数を次材の前記平坦形状制御手段の設定計算に反映する工程と、を含む圧延材の製造方法。
  3. 圧延機と、
    前記圧延機のワークロールに配置される平坦形状制御手段と、
    前記圧延機の出側に設置された平坦形状計と、
    前記圧延機の出側に設置された板クラウン計と、
    前記平坦形状計および前記板クラウン計から測定結果を取得して板クラウンおよび伸び差率を算出し、前記平坦形状制御手段の設定を変更し、該設定変更後にも前記平坦形状計および前記板クラウン計から測定結果を取得して板クラウンおよび伸び差率を算出するとともに、前記平坦形状制御手段の設定変更前後の板クラウンおよび伸び差率から形状変化係数を求め、求めた前記形状変化係数に基づいて次材の前記平坦形状制御手段の設定計算を演算する平坦形状制御演算手段と、を備える圧延材の製造装置。
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