以下、図面を参照して、本発明による遊技機(スロットマシン)の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
まず、スロットマシン(パチスロ機)2の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の正面図である。
スロットマシン2は、左側に蝶番を軸として片開き形式に開閉自在な前面パネル203を備えている。前面パネル203の背面側には、画像表示装置(補助表示装置)206を構成する変動表示手段としての3個のリール204(第1リール204a、第2リール204b及び第3リール204c)が、回転自在に並んで配置されている。
各リール204a〜204cの外周面には、複数種類のシンボル(図柄)からなる図柄列が表されている(図3参照)。リール204a〜204cはリール駆動部によって駆動され、互いに独立に回転する。リール駆動部は、例えば、ステッピングモータ(204Ma〜204Mc(図2参照))で構成される。そして、スロットマシン2は、リール204a〜204cの回転によって変動表示ゲームを実行し、変動表示の停止結果が後述する有効ライン上において所定の表示態様(所定の図柄組合せ態様)となることによって、遊技者に所定の遊技価値を付与する。
前面パネル203の略中央には、リール204a〜204cの回転によって変動表示(可変表示)する図柄を遊技者に視認させるための表示窓部205が設けられている。リール204a〜204cが停止すると、表示窓部205からリール204a〜204cの外周面に表記された図柄列のうちそれぞれ3個の図柄が視認可能となる。つまり、リール204a〜204cが停止した状態で、表示窓部205から合計9個の図柄を視認することができる。
表示窓部205の上方には、補助ゲームが実行され、変動表示ゲームに関連する演出表示や情報表示を行う画像表示装置(補助表示装置)206が設けられている。画像表示装置206は、例えば、液晶表示パネルで構成され、この画像表示装置206において、遊技に関する演出表示のほか、リール204の停止順序の報知など様々な情報が表示される。また、スピーカ207では音声による演出が行われる。これらを組み合わせることにより様々な態様の演出が可能となっている。
画像表示装置206の左右には、音出力装置としてのスピーカ207が設けられる。スピーカ207は、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時等に効果音を出力して、遊技の興趣を向上させる。
表示窓部205の左側には、ビッグボーナス(BB)状態又はレギュラーボーナス(RB)状態の発生時に点灯するボーナス当選告知ランプ219が設けられている。
また、ボーナス当選告知ランプ219の下方には、ART状態の発生時に点灯するARTランプ211が設けられている。ART状態は、AT(アシストタイム)状態とRT(リプレイタイム)状態とが同時に発生している状態である。
本実施形態では、後述するように、通常時には、各リールを左から停止させるように、すなわち、第1リール停止ボタン223a、第2リール停止ボタン223b、第3リール停止ボタン223cの順に操作するように構成されている。しかし、図4にて説明するように、入賞役の成立条件に各リールの停止順序が含まれている場合がある。AT状態は、リール停止ボタン(ストップボタン)223の操作順序(押し順)、すなわち、リールの停止順序を遊技者に報知する状態である。したがって、AT状態において成立条件にリールの停止順序が含まれている入賞役に内部当選した場合には、通常時よりも格段に入賞役を成立させやすくすることができる。また、AT状態の制御は、入賞役の当選確率を変動させるものではないため、演出制御装置370で実行される。
一方、RT状態は、リプレイ入賞に当選する確率が変動している状態である。また、本実施形態では、複数種類のリプレイ入賞(通常リプレイ、特別リプレイ、特殊リプレイ)が成立可能に構成されているため、すべて又は一部の当選確率を変動させるようにしてもよい。RT状態の制御は、リプレイ入賞の当選確率を変動させるため、遊技制御装置350によって実行される。
表示窓部205の下方には、払出枚数表示部(払出数表示器)208、遊技進行表示部(獲得枚数表示器)209及びクレジット数表示部(クレジット数表示器)210が設けられている。払出枚数表示部208、遊技進行表示部209及びクレジット数表示部210は、セグメントLED又は液晶ディスプレイによって構成されている。
払出枚数表示部208は、入賞が確定することにより得られるメダルの払出枚数を表示する。また、払出枚数表示部208は、スロットマシン2の動作に異常(例えば、スロットマシン2におけるメダル詰まり)が発生した場合に、予め設定したエラーコードを表示する。
遊技進行表示部209は、BB状態やRB状態におけるメダルの獲得枚数を表示する。クレジット数表示部210は、メダルのクレジット数を表示する。
払出枚数表示部208の右側には、遊技状態表示部212が設けられている。遊技状態表示部212は、スロットマシン2が遊技可能な状態であることを示し、リプレイ入賞の獲得及び現在実行中の遊技がリプレイ入賞後のリプレイゲームであることを示す「REPLAY」表示、遊技者がメダルを投入してスタートレバー222を操作してからリール204a〜204cの回転が開始するまで待ち時間があることを示す「WAIT」表示、メダルの投入を促す「INSERT MEDALS」表示によって構成される。
前面パネル203の上半部と下半部の中間にある傾斜台部214には、右方にメダルを投入するメダル投入口215が設けられている。このメダル投入口215から投入されたメダルが通過する経路には、メダルの通過を検出するメダル投入検出センサ215a(図3参照)が設けられており、遊技者がこのメダル投入口215にメダルを投入すると、メダル投入検出センサ215aによる検出情報をもとに、メダルの投入枚数がクレジット数表示部210のクレジット数に加算される。
なお、クレジット数が限度値(例えば、50)に達している場合は、投入されたメダルはクレジット数に加算されることなく、メダル払出口228を介して受皿226に排出される。また、メダル投入口215へのメダル投入時に、賭数が最大ベット可能枚数(例えば、3枚)未満である場合は、投入したメダル数はクレジット数に加算されることなく、賭数として加算される。
傾斜台部214には、メダル投入口215よりも中央側に、操作ボタン218が設けられている。操作ボタン218は、演出時に操作したり、要求された情報を入力したりする。操作ボタン218は、前後左右の方向を示すボタン(例えば、十字キー)であってもよい。
傾斜台部214には、さらに、1回の押圧操作によって最大ベット可能枚数(本実施形態では3枚)のメダルをベットするマックスベットボタン216が設けられている。本実施形態では、メダルの賭数(ベット数)は最大ベット可能枚数(3枚)固定で1回分のゲームを実行するように構成されているが、メダルの賭数(ベット数)に対応してベットライン(有効ライン)が有効化されるようにしてもよい。また、遊技状態に応じてネット可能枚数を変更するようにしてもよい。最大ベット可能枚数以外でベット可能に構成する場合には、メダルを一枚ずつベットするための1ベットボタンを設けるようにする。なお、ベット数が3であれば、3本の横ラインと右下がり及び右上がりの2本の斜めライン(合計5ライン)が有効ラインとなる。
なお、メダルの賭数とは、遊技者が遊技のために投入したメダルの数、又は、予め遊技者が投入したメダルの記憶数(クレジット数)から減算されて遊技に使用されるメダルの数である。また、遊技を開始するために遊技者がメダルを投入したり、記憶数から減算したりする操作をベットという。なお、遊技媒体として、本実施形態ではメダルを用いているが、遊技球を用いてもよい。
このマックスベットボタン216を用いることにより、メダル投入口215からメダルを投入することなく、クレジット数表示部210に表示されているクレジット数以内でメダルをベットすることができる。
前面パネル203の下部には、四辺形状の化粧パネル220が設けられている。化粧パネル220の左上方には、メダル投入口215から投入されたメダル又は入賞が成立することにより払い出されるメダルをクレジットとして記憶可能なクレジット状態と、記憶不能な非クレジット状態のいずれか一方の状態を選択的に切換可能な払戻ボタン(クレジット選択ボタン)221が設けられている。
払戻ボタン221によってクレジット状態から非クレジット状態に切り替えられると、クレジット数表示部210に表示されたクレジット数に相当する数のメダルがメダル払出口228を介して受皿226に排出され、同時にクレジット数はクリアされて0になる。
また例えば、クレジット状態において、メダル投入口215から最大賭数(例えば、3枚)を超えるメダルが投入された場合は、最大賭数を超えた分のメダルは、所定数(例えば、50枚)までクレジットとしてスロットマシン2に記憶され、以降のゲームで使用できる。また、クレジットとして記憶可能な所定数を超えるメダルが投入された場合は、メダル払出口228を介して受皿226に返却される。一方、非クレジット状態では、最大賭数を超えた分のメダルはメダル払出口228を介して受皿226に返却される。
払戻ボタン221の右側には、リール204a〜204cの回転を一斉に開始させるためのスタートレバー222が設けられている。スタートレバー222の右側には、リール204a〜204cの回転を停止させ、停止図柄を導出させるためのリール停止ボタン223a〜223c(第1リール停止ボタン223a、第2リール停止ボタン223b、第3リール停止ボタン223c)が設けられている。
リール停止ボタン223a〜223cが操作されると、各ボタンに対応したリール204a〜204cがそれぞれ回転を停止する。なお、賭数が0〜2の場合は、変動表示ゲームの開始条件を満たさないため、スタートレバー222を操作してもリール204a〜204cは回転しない。
各リール停止ボタン223a〜223cの奥には、各リール停止ボタン223a〜223cの操作により各リールを停止可能な状態であることを、点灯により報知するためのストップボタンLED237(図2参照)がそれぞれ設けられている。これらのストップボタンLED237が点灯していない間はリール停止ボタン223a〜223cが操作不能となり、ストップボタンLED237が点灯している間はリール停止ボタン223a〜223cが操作可能となるように制御される。
つまり、操作情報ランプ(ストップボタンLED237)が点灯していない間はリール停止ボタン223a〜223cを操作してもリール204a〜204cの回転は停止しない。なお、操作情報ランプの点灯色によって、リール停止ボタン223a〜223cが操作可能であるかを報知してもよい。
第3リール停止ボタン223cの右側には、メダル返却ボタン224が設けられている。遊技者は、メダル流下路内のメダル詰まり時に、メダル返却ボタン224を操作することによって、当該流下路に詰まったメダルがメダル払出口228を介して受皿226に返却される。
また、化粧パネル220の下方には、前面パネル203の背面側にある図示しないメダル払出部より払い出されたメダルを貯留可能な受皿226や、灰皿227及び音声を出力するためのスピーカ207が設けられている。
メダル返却ボタン224の右側には、前面パネル203を開く際又はスロットマシン2のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際に鍵を差し込むためのキーシリンダ(錠ユニット、鍵穴)225が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の制御系の一部を示すブロック図である。
図2に示すように、スロットマシン2の制御系は、遊技を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置、メイン制御基板)350と、この遊技制御装置350の制御下で遊技の演出に関する制御を統括的に行う演出制御装置(サブ制御装置、サブ制御基板)370とを備えて構成されている。この制御系の構成要素は、それぞれスロットマシン2の筐体内部に配設されている。
遊技制御装置350は、CPU(Central Processing Unit)350a、ROM(Read Only Memory)350b、RAM(Random Access Memory)350c、I/F(Interface)350d等を備えて構成されている。
CPU350aは、制御部、演算部を備え、遊技制御装置350の演算処理装置として各種演算制御を行う。
ROM350bには、制御処理を実行するためのプログラムや制御データ(例えば、内部抽選用の判定値)が格納されている。また、ROM350bには、各ゲームにおいてリール204a〜204cの停止制御を行う際に参照される停止テーブルが格納されている。例えば、内部当選した各種入賞に対応する停止テーブルや、外れに対応する停止テーブル等である。
停止テーブルには、内部当選状態(セットされている当選フラグの状態)に対応する図柄組合せ態様を有効ライン上に最大限に形成させるためにリールの停止制御を行うためのデータ(滑りコマ数など)が格納されており、リール204a〜204cの操作停止順、操作タイミングに応じて停止位置が予め設定されている。
RAM350cは、乱数発生器によって生成される内部抽選用の乱数の記憶領域、その他各種データ(例えば、クレジット数のデータ、賭数のデータ、各種入賞フラグの状態のデータ、及び所定の図柄組合せ態様が導出されることに基づく払い出しに係るデータ等)を一時的に記憶する記憶領域、並びにCPU350aの動作に必要なデータが一時的に記憶される作業領域を備える。
乱数発生器は、変動表示ゲームにおいて、リール204a〜204cの図柄を、予め定められた特別な組合せ態様で停止させるか否かを決定する内部抽選用の乱数を生成する。そして、CPU350aは当該生成された乱数に基づいて内部抽選を行う。なお、乱数発生器によって内部抽選用の乱数を生成する代わりに、CPU350aのソフトウェア処理によって内部抽選用の乱数を生成し、生成された乱数を用いて内部抽選を行ってもよい。
I/F350dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、メダル投入検出センサ(セレクタ)215a、スタートレバーセンサ222a、各リール停止センサ(第1リール(左)停止センサ323a、第2リール(中)停止センサ323b、第3リール(右)停止センサ323c)、各リール位置検出センサ304a〜304c、マックスベットセンサ216a、払戻ボタンスイッチ(SW)221a、払出メダル検出センサ228a、設定装置233、リセットセンサ235、前面枠開放検出センサ236から入力される信号を、CPU350aに出力する。
この内部抽選の結果(入賞フラグの成立/未成立)は、演出制御装置370に送信され、演出制御装置370は、前記抽選結果に基づいて画像表示装置206、スピーカ207、発光装置239、演出装置238による演出を制御する。なお、演出を実行するか否かを決定する抽選は、CPU350aで行うこともできるが、演出制御装置370で行ってもよい。
メダル投入検出センサ215aは、メダル投入口215から投入されたメダルの通過を検出するセンサである。この検出情報をもとにメダルの投入枚数がカウントされる。スタートレバーセンサ222aは、スタートレバー222が操作されたことを検出するセンサである。
リール停止センサ323a〜323cは、リール停止ボタン223a〜223cのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール停止ボタン223a〜223cが操作されたことを検出するセンサである。リール停止ボタン223a〜223cの操作がリール停止センサ323a〜323cによって検出されると、各々対応したリール204a〜204cの回転が停止する。
リール位置検出センサ304a〜304cは、リール204a〜204cのそれぞれに一対一で対応して設けられ、それぞれ対応するリール204a〜204cの停止位置を検出するセンサである。
マックスベットセンサ216aは、マックスベットボタン216が操作されたことを検出するセンサである。払戻ボタンスイッチ221aは、払戻ボタン221が操作されたことを検出するスイッチである。払出メダル検出センサ228aは、ホッパーユニット(メダル払出装置)232に設けられ、ホッパーユニット232から払い出されたメダルを検出するためのセンサである。この検出情報をもとにメダルの払出枚数がカウントされる。
設定装置233は、スロットマシン2において、入賞フラグが成立する確率が異なる1〜6の設定のうち、いずれかの設定に切り替えるための装置である。設定1は入賞フラグの成立確率が一番低く、設定値が大きくなるにつれ入賞フラグの成立確率は高くなるように切り替えることができる。なお、入賞フラグが成立する確率が異なることで、所定量の遊技をしたときに、遊技者が獲得することができるメダルの量が異なる。
リセットセンサ235は、スロットマシン2の遊技状態を初期化するセンサである。例えば、スロットマシン2のエラー(例えば、ホッパーエラー)状態をリセットする際にキーシリンダ225(図1参照)にキーを挿入し、前面パネル203を開閉するための方向と逆方向に回すことによって、リセットセンサ235はオンされる。前面枠開放検出センサ236は、前面パネル203の開閉を検出するためのセンサである。その他、現在の日時情報を出力する計時専用のチップであるRTC、スロットマシン2が設置された遊技場の営業時間(何時から何時まで)を設定するためのセンサである営業時間設定センサが備えられる。
また、I/F350dは、CPU350aから入力された制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出制御装置370、遊技進行表示部(獲得枚数表示器)209、クレジット数表示部(クレジット数表示器)210、払出枚数表示部(払出数表示器)208、遊技状態表示部(遊技状態表示器)212、ホッパーユニット232、リール用モータ204Ma〜204Mc、外部信号出力端子240、ストップボタンLED237などに出力する。これによって、遊技制御装置350による各種構成要素の制御を可能としている。
外部信号出力端子240は、スロットマシン2の稼働状況に関する各種信号を、例えば、ホール管理用コンピュータ等のスロットマシン2を管理する外部の装置に出力する。この外部信号出力端子240にはシリアル通信回路が組み込まれている。スロットマシン2の稼働状況に関する信号には、変動表示ゲームを実行する際に賭数として使用されたメダル数を特定する信号(賭数遊技媒体計数信号)、変動表示ゲームの結果として遊技者に賞として払い出されたメダル数を特定する信号(賞遊技媒体計数信号)、変動表示ゲームの実行回数を特定する信号(遊技実行回数信号)、BB状態であることを示す信号、RB状態であることを示す信号、RT状態であることを示す信号、ボーナスフラグ成立状態であることを示す信号等が含まれる。
なお、外部信号出力端子240は、遊技状態がBB状態、RB状態、RT状態、ボーナスフラグ成立状態のいずれかである場合にオンとなり、遊技状態がこれら5つの状態のいずれでもない通常状態である場合にオフとなる「ボーナス消化信号」も出力し、さらに、各入賞フラグの成立に関する情報を含むテスト用のデータ(検査用のデータ)を外部の装置に出力する。また、賭数遊技媒体計数信号と賞遊技媒体計数信号は、遊技者が所有する遊技媒体(メダル)の数を計数するためのメダル数増減信号としても機能する。
遊技制御装置350は、上述したように各構成要素とI/F350dを介して電気的に接続されている。遊技制御装置350は、例えば、乱数発生器が所定サイクル時間毎に乱数を更新(例えば+1)し、スタートレバーセンサ222aによる検出タイミングで、その時点の乱数をサンプリングする制御を行い、サンプリングされた乱数を内部抽選用の乱数として内部抽選を行う。
また、遊技制御装置350は、内部抽選結果と、各リール停止ボタン223a〜223cの停止操作タイミングとに基づいて、対応する停止テーブルを参照し、各リール用モータ204Ma〜204Mcの動作を制御することにより、表示窓部205に所定の図柄が停止表示されるように各リール204a〜204cを停止させる。
例えば、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様を構成する図柄が、有効ラインに到達する前に停止操作が行われた場合には、各リール204a〜204cを停止させるタイミングを遅らせて当該図柄が有効ライン上に停止表示されるようにする、いわゆる引込み停止制御を行う。
また例えば、内部当選していない入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成されるタイミングで停止操作が行われた場合に、各リール204a〜204cを停止させるタイミングを遅らせて、有効ライン上に形成されうる図柄組合せ態様を構成する図柄が有効ラインを通り過ぎるようにする、いわゆる蹴飛ばし停止制御を行う。
なお、遊技制御装置350による引込み停止制御、蹴飛ばし停止制御において、停止タイミングを変化可能な範囲は、停止操作が行われた位置から所定の図柄数以内(例えば、4コマ以内)とされている。
一方、演出制御装置370は、CPU370a、ROM370b、RAM370c、I/F370d等を備えて構成されている。この演出制御装置370は、遊技制御装置350から出力される遊技に関する情報に基づいて、画像表示装置206における演出表示の制御や、スピーカ207、前面パネル203(図1参照)の枠に設けられた発光装置(ランプ、LED)239、演出装置(モータ、センサ)238や各リール204a〜204cの背後に設けられたバックライト(LED)による演出の制御を行う。
ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー222が操作されてゲームが開始された時点で出力される賭数情報(例えば、賭数に応じたパルス数を出力し、賭数とゲーム数を伝達する情報)、内部抽選による抽選結果を示す内部当選情報、現在の遊技状態(通常状態、BB状態、RB状態、RT状態等)を示す遊技状態情報を含む。
I/F370dは、図示しないローパスフィルタ及びバッファゲートを介して、遊技制御装置350から出力された各種信号をCPU370aに対して出力する。また、I/F370dは、CPU370aから出力される制御信号を、図示しない出力ポート及びドライバを介して、画像表示装置206、スピーカ207、発光装置239、演出装置238に出力する。これによって演出制御装置370による各種装置の制御を可能としている。
具体的には、演出制御装置370は、画像表示装置206において、小役入賞の予告表示や、ボーナス入賞の告知表示、演出表示(1ゲームで完結するものや複数ゲームにわたる連続演出)などを表示させる(表示制御手段)。また、演出制御装置370は、スピーカ207での音声による演出や、発光装置239での発光による演出や、演出装置238による可動役物による演出や、各リール204a〜204cの有効ライン上の図柄を背面側から照明することが可能な発光照明手段としてのバックライトの発光による演出を行う。このように演出制御装置370は、画像表示、音出力、LEDの発光などの演出を制御する制御手段をなしている。
上述した遊技制御装置350と演出制御装置370との通信形態は、遊技制御装置350から演出制御装置370への単方向にのみ制御信号が送信されるようになっていて、遊技制御装置350に不正な信号が入力されることを防止している。
スロットマシン2においてゲームを行う場合、まず、メダルをメダル投入口215から投入するか、あるいはマックスベットボタン216を操作してクレジットから賭数を入力する。賭操作がなされると、賭数に応じて有効ラインが設定され、スタートレバー222の操作が有効な状態、すなわちゲームを開始可能な状態となる。そして、スタートレバー222を操作すると、遊技制御装置350において内部抽選処理がなされて入賞の当選/非当選が決定されるとともに、各リール204a〜204cの変動が開始される。
所定時間経過後、各リール停止ボタン223a〜223cの操作に基づいて、各リール204a〜204cの回転が停止され、表示窓部205に所定の図柄が表示される。そして、内部当選した入賞に対応する図柄組合せ態様が有効ライン上に形成された場合に入賞が成立し、この入賞に対応する遊技価値が付与される(例えば、入賞メダルが払い出される)。
以上で一区切りのゲームが終了し、以降、この操作を繰り返すことによってゲームを進行させるようになっている。
図3は、本発明の実施の形態のスロットマシン2が備えているリール204a〜204cに表わされる図柄の配列図である。
図3に示すように、本実施形態では、第1(左)リール204aの配列番号3、8、13、17、20に位置する「リプレイ」、配列番号4、9、14、18、21に位置する「ベル」、配列番号5、6、19に位置する「7」、配列番号11に位置する「チェリー」、配列番号1、10、15に位置する「スイカ」、配列番号12に位置する「英字のBAR」(以下、BARと称する)の5種類の図柄が所定の規則に従って左リール204a上に配置されている。なお、「7」は3種類あり、それぞれ異なる色になっている。具体的には、配列番号5が緑、6が青、19が赤となっている。さらに、左リール204aの配列番号2、7、16には図柄が配置されていない(ブランク)。そして、リール204a〜204cを停止させたときに、有効ライン上に停止された図柄が図4に示す成立図柄列のいずれかを形成していれば、対応する役に入賞する。
本実施形態のスロットマシン2においては、遊技制御装置350によってリール204a〜204cの停止制御が行われる。遊技制御装置350は、リール204a〜204cの回転時において、遊技者がリール停止ボタン223a〜223cを操作したタイミングから最大4コマ進んだ位置で、それぞれ対応するリール204a、204b、204cを停止させる。このため、遊技者がリール停止ボタン223a〜223cを操作したタイミングで有効ライン上にある図柄とそれ以降の4コマの中にフラグが成立した入賞に対応する図柄があれば、その図柄が強制的に有効ライン上に引き込まれて停止表示される。
つまり、連続する5コマの中に必ず存在する図柄は、遊技制御装置350による停止制御(引き込み制御)によって有効ライン上に停止表示させることができる。このため、このような図柄で形成される入賞は、フラグが成立したときにいかなるタイミングで停止操作を行っても獲得することができる。ただし、フラグが成立していない図柄により形成される入賞が別の有効ラインで発生する場合には、この限りではない。
例えば、図3に示す図柄配列図では、「リプレイ」は連続する5コマの中に必ず存在するので、リプレイ入賞はリプレイフラグが成立すると必ず獲得することができる。同様に、「ベル」も連続する5コマの中に必ず存在するので、押し順が不問のベル入賞であれば、内部抽選で当選すると必ずベル入賞を獲得することができる。
また、本実施形態では、リプレイ図柄以外の図柄でリプレイ入賞に当選する入賞役が定義されており、例えば、「BAR」「ブランク」を揃えることによってリプレイ入賞に当選する。このとき、「BAR」「ブランク」の組合せについても「リプレイ」や「ベル」と同様に必ずリプレイ入賞を獲得することができる。この場合におけるリプレイ入賞については、図4を参照しながら後述する。
一方、リプレイ及びベル以外の入賞は、特定の図柄を狙ってリール停止ボタン223a〜223cを操作(目押し操作)しなければ、遊技制御装置350による停止制御が行われても必ずしも獲得することはできない。
例えば、BB入賞のフラグが成立して、有効ライン上に「7」(赤)を停止表示させる場合について説明する。まず、第1リール(左リール)204aには、配列番号15から19に対応する図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第1リール停止ボタン223aを操作すれば、「7」が有効ライン上に停止する。しかし、前述した以外の図柄で第1リール停止ボタン223aを操作すると「7」の図柄を有効ライン上に停止表示させることはできない。
同様に、第2リール(中リール)204bには、配列番号15から15の図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第2リール停止ボタン223bを操作すれば配列番号19に対応する「7」が有効ライン上に停止する。また、第3リール(右リール)204cには配列番号15から19の図柄のいずれかを有効ライン上に停止させるタイミングで第3リール停止ボタン223cを操作すれば配列番号19に対応する「7」が有効ライン上に停止する。このような目押し操作を行うことによって「7」を有効ライン上に3つ停止表示させることができ、BB入賞を獲得することができる。
図4は、本発明の実施の形態のスロットマシン2の停止図柄(図柄組合せ態様)における入賞内容の説明図である。
本実施形態のスロットマシン2では、「ビッグボーナス(BB)入賞」、「レギュラーボーナス(RB)入賞」、「小役入賞(ベル、スイカ、チェリー)」、「リプレイ入賞」又は「ハズレ(入賞)」のいずれかが内部抽選によって当選する。
本実施形態におけるBB入賞は、同じ色の「7、7、7」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルは払い出されないが、BB状態を発生させる。したがって、「赤」「青」「緑」の「7」について3種類のBB入賞が発生する。
また、BB入賞となった場合には、停止表示された「7」の色に応じて一回のBB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値300枚以上(赤)、200枚以上(青)、150枚以上(緑)となるまでBB状態は継続する。一回のBB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値以上となった場合は、BB状態を終了して通常状態(又はRT状態)に移行し、小役の当選確率が通常になる。BB状態では、所定枚数のメダルが払い出されるまで小役入賞の当選確率が高くなり、遊技者は多くのメダルを獲得しやすくなる。
RB入賞は、「7(赤)、7(赤)、BAR」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞で、メダルは払い出されないが、RB状態が発生する。なお、RB入賞となった場合には、一回のRB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値50枚以上となるまでRB状態は継続する。一回のRB状態における遊技者のメダルの獲得枚数が上限値50枚以上となった場合は、RB状態を終了して通常状態に移行する。RB状態も、BB状態と同様に、小役入賞の当選確率が高くなる。
小役入賞は、前述のように、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」の3種類が含まれているが、さらに、「ベル」には「押し順ベル」及び「共通ベル」の2種類、「チェリー」には「強チェリー」及び「弱チェリー」の2種類がある。
「ベル」は、有効ライン上で「ベル、ベル、ベル」が停止表示された場合に確定される入賞である。「押し順ベル」は、さらに、各ラインの図柄を停止させる順序(押し順)が正しい場合に入賞が確定する。なお、「共通ベル」の押し順は任意である。また、「ベル」で入賞した場合には、10枚のメダルが払い出される。
また、「スイカ」については、「スイカ、スイカ、スイカ」が停止表示された場合に確定される入賞であり、押し順は任意である。なお、「スイカ」で入賞した場合には、4枚のメダルが払い出される。
さらに、「弱チェリー」は、「チェリー、ANY、ANY」(「ANY」部分はどんな図柄であってもよい)が停止表示された場合に確定される入賞である。一方、「強チェリー」は、「チェリー、BAR、ANY」が停止表示された場合に確定される入賞である。なお、「BAR」の代わりに「ブランク」であってもよい。なお、「チェリー」で入賞した場合には、2枚のメダルが払い出される。
リプレイ入賞は、前述のように、「通常リプレイ」「特別リプレイ」「特殊リプレイ」の3種類があり、さらに、「特殊リプレイ」には「特殊リプレイ1」「特殊リプレイ2」「特殊リプレイ3」の3種類が含まれる。リプレイ入賞に当選すると、リール停止後にリプレイゲームが行われる。このリプレイゲームでは、今回のメダル賭数が次回ゲームに持ち越されるので、メダルを新たにベットしなくともゲームを開始することができる。
「通常リプレイ」は、「リプレイ、リプレイ、リプレイ」が有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞である。「特別リプレイ」は、「BAR、BAR、BAR」、「ブランク、ブランク、ブランク」、若しくは「BAR」又は「ブランク」のいずれかが有効ライン上に停止表示された場合に確定される入賞である。「特別リプレイ」が成立した場合には、ボーナス確定となり、多くのメダルが払い出されることが期待できる。なお、「通常リプレイ」及び「特別リプレイ」では、押し順は任意である。
「特殊リプレイ」は、リプレイゲームを実行する他に、現在の遊技状態から別の遊技状態に移行させるための移行条件となっている。また、「特殊リプレイ」には、「特殊リプレイ1」「特殊リプレイ2」「特殊リプレイ3」の3種類が定義されている。なお、各遊技状態の説明については、図5にて後述する。
「特殊リプレイ1」は、「リプレイ、リプレイ、ベル」が有効ライン上に停止表示され、かつ、押し順が正解の場合に確定される入賞である。「AT状態」(図5参照)で「特殊リプレイ1」に入賞すると、「ART準備状態(第1RT状態)」(図5参照)に移行する。なお、押し順が不正解の場合には、「リプレイ、リプレイ、ベル」で停止せずに、例えば、「ベル、リプレイ、ベル」で停止して「RT状態」に移行する。
「特殊リプレイ2」は、「ベル、リプレイ、リプレイ」が有効ライン上に停止表示され、かつ、押し順が正解の場合に確定される入賞である。「ART準備状態(第1RT状態)」で「特殊リプレイ2」に入賞すると、「ART状態(第2RT状態)」(図5参照)に移行する。なお、押し順が不正解の場合には、例えば、「特殊リプレイ1」で入賞し、遊技状態が維持される。
「特殊リプレイ3」は、「BAR、BAR、BAR」、「ブランク、ブランク、ブランク」、若しくは「BAR」又は「ブランク」のいずれかが有効ライン上に停止表示され、かつ、押し順が正解の場合に確定される入賞である。「ART状態(第2RT状態)」で「特殊リプレイ3」に入賞すると、「上乗せART状態(第3RT状態)」(図5参照)に移行する。なお、押し順が不正解の場合には、例えば、「特殊リプレイ2」で入賞し、遊技状態が維持される。
また、停止リールの一部(例えば、1個)だけを目押しが必要になるようにしてもよい。例えば、「ベル」として、「ベル ベル ベル」のほかに、「7(赤) ベル ベル」「7(青) ベル ベル」「7(緑) ベル ベル」としてもよく、それぞれ別フラグとして設定することによって、「7(赤) ベル ベル」成立時は左リールに7(赤)以外の7が停止しないようにしてもよい。なお、7の代わりに赤チェリー等にしてもよい。
また「7(赤) ベル ベル」が成立時に「7(赤) ベル ベル」が停止できなかった場合に、AT状態の解除やART状態、RT状態を解除してもよい、ART状態において、RT状態のみ解除してもよい。また、フラグの成立時には、入賞を容易にするためのAT(アシスト)として「赤を狙え!」等を表示してもよい。
また、「赤を狙え!」等を表示してあえて、「7(緑) ベル ベル」「7(青) ベル ベル」を揃わせないようにしてもよい。この場合は、「7(緑) ベル ベル」「7(青) ベル ベル」が成立するとAT状態の解除やART状態、RT状態を解除してもよい、ART状態において、RT状態のみ解除となるペナルティを発生させるようにしてもよい。
また、「7(赤) 7(青) 7(緑)」のように全リールに目押しが必要な入賞役としてもよい。
また、全リールの目押しに加え、押し順が必要な入賞役としてもよい。
図5は、本発明の実施の形態のスロットマシン2における遊技状態の状態遷移図である。スロットマシン2では、電源を投入した直後は、通常遊技状態でゲームが開始されるものとする。遊技状態は、通常遊技状態、特別遊技状態及び特定遊技状態の3つに大別される。
通常遊技においては、遊技者によるメダルの投入操作、あるいはクレジットからの賭けボタン操作(ベット操作)に基づく賭数の入力後、スタートレバー222を操作することによってリール204a〜204cが回転して変動表示ゲームが開始すると共に、ゲーム毎に内部抽選が行われる。
遊技者がスタートレバー222を操作して、直ちにリール204a〜204cが回転を開始しない場合があり、この時間を「ウェイトタイム(待ち時間)」という。この「ウェイトタイム」は、連続して遊技がされた結果、遊技者が過剰に遊技価値を浪費しないように、所定時間内の実行可能ゲーム数を制限するために設けられているものである。
そして、このスロットマシン2には、ゲームの実行に関連して各種入賞に当選するか否かの抽選を予め行う機能(内部抽選機能)が備えられており、スタートレバー222の操作によって、内部抽選用の乱数に基づいて内部抽選が行われる。この内部抽選に当選した場合に入賞フラグが立てられ、所定の入賞役(入賞態様)の発生が許可される。
すなわち、内部抽選に当選し、入賞フラグが立てられた場合に限り、所定の図柄が有効ライン上に停止して入賞態様を形成することを許可され、極力入賞を獲得できるようにリール制御が行われる。このように、内部抽選によってBB入賞、RB入賞、小役入賞、リプレイ入賞、ハズレのいずれかが決定される。
変動表示ゲームでは、遊技者の停止操作によって狙った図柄が確実に停止するのではなく、スロットマシン2の制御手段の制御処理で許可された図柄の組合せのみが遊技者の操作により停止可能に構成されている。遊技制御装置350が、例えばスタートレバー222の操作をきっかけとするタイミングで乱数を抽出し、その乱数を判定した結果に基づいていずれかの入賞役(入賞フラグ)の発生を許可するか否かを決定する処理を行い、こうした決定に基づく図柄の組合せのみが遊技者の操作により停止可能となっている。
通常遊技状態又は特定遊技状態では、ボーナス入賞(BB入賞又はRB入賞)に当選すると、特別遊技状態(ボーナス)に移行する。特別遊技状態では、小役(「ベル」)入賞の当選確率が高くなり、遊技者は多くのメダルを獲得しやすくなる。そして、ボーナス入賞の種類に応じた枚数のメダルが払い出されるまで特別遊技状態が継続し、その後、通常遊技状態又は特定遊技状態に戻る。特定遊技状態には、AT状態への移行条件が成立していた場合に移行する。特定遊技状態への移行条件については後述するが、所定の小役入賞を獲得した場合などである。AT状態への移行条件が成立すると、その成立回数が保持(ストック)することが可能となっており、これをナビストックという。すなわち、ナビストックがある場合には特別遊技状態から特定遊技状態に移行し、ナビストックがない場合には特別遊技状態から通常遊技状態に移行する。
通常遊技状態には、AT状態への移行確率に応じた3種類の内部状態(確率状態)が含まれている。具体的には、AT状態への移行確率が低い低確状態、AT状態への移行確率が高い高確状態、AT状態への移行確率が高確状態よりもさらに高い超高確状態の3種類である。「スイカ」や「チェリー」などの小役入賞を契機として、低確状態、高確状態、超高確状態の各内部状態間を遷移する。
通常遊技状態における各内部状態は、演出制御装置(サブ制御装置)370によって管理される。入賞役が成立すると、遊技制御装置(メイン制御装置)350が演出制御装置370に確定した入賞役を通知する。演出制御装置370は、通知された入賞役(小役)に応じて内部状態を遷移させる。AT状態であっても遊技制御装置350から見た入賞役の当選確率は通常遊技状態と同じであるため、演出制御装置370が内部状態を管理することが可能となっている。演出制御装置370は、現在の内部状態に応じてAT状態に移行するか否かを決定する。
そして、通常遊技状態において、所定の小役に当選するなどしてAT状態への移行条件が成立すると、AT状態に移行する。AT状態は特定遊技状態に含まれるため、通常遊技状態から特定遊技状態に遷移することになる。なお、AT状態への移行条件が成立した場合に、所定のゲーム数を消化した後、通常遊技状態からAT状態に遷移するようにしてもよい。
AT状態に移行すると、演出制御装置370は、遊技者にリール停止ボタン223の押し順を報知する。遊技者は報知された順序でリール停止ボタン223を操作することによって、押し順の正解が求められる入賞役に当選しやすくなる。また、AT状態には、リール停止ボタン223の押し順を報知する以外に、停止図柄を報知するものであってもよい。この場合、遊技者は報知された図柄を停止させるようにリール停止ボタン223を操作(目押し)する。
AT状態において、特殊リプレイ1入賞が発生すると、ART準備状態(第1RT状態)に移行する。特殊リプレイ1に当選するためには、押し順の正解が必要となり、AT状態でない場合には当選しにくくなっている。また、ART準備状態で押し順の正解が必要となる押し順ベル入賞に内部当選したにもかかわらず、入賞できなかった(取りこぼした)場合には、AT状態に移行する。
さらに、ART準備状態では、遊技制御装置350によって内部抽選における特殊リプレイ2の当選確率が高くなるように制御される。そして、ART準備状態で特殊リプレイ2が発生すると、ART状態(第2RT状態)に遷移する。
ART状態に遷移すると、ナビストックが1に対して、所定のゲーム数(本実施形態では50ゲーム)が消化されるまでART状態が継続される。そして、所定のゲーム数を消化すると、AT状態が終了し、押し順の報知(ナビ)がなされなくなる。このような場合には、押し順ベルの入賞が困難になるため、通常遊技状態に移行しやすくなる。
ART状態では、リプレイ入賞が発生しやすく、かつ、押し順が報知されるため、メダルが減りにくく、また、小役が入賞しやすくなるため、保持するメダル数を増加させることができる。さらに、遊技制御装置350によって特殊リプレイ3入賞が発生しやすくなるように制御される。そして、特殊リプレイ3入賞が発生すると、上乗せART状態(第3RT状態)に遷移する。また、ART状態で押し順の正解が必要となる押し順ベルを取りこぼした場合には、ART準備状態に移行する。また、AT状態に移行するようにしてもよい。
上乗せART状態において、特殊リプレイ3入賞が発生すると、ナビストックが1加算される。しかし、上乗せART状態では、押し順の報知が確率的に実行されるように制御され、過剰にナビストックが増加しないようになっている。そして、特殊リプレイ3を取りこぼした場合にはART状態に移行する。
ここで、その他の状態遷移について説明する。まず、通常遊技状態において特殊リプレイ1入賞が発生した場合について説明する。前述のように、特殊リプレイ1入賞は押し順の正解が必要となるが、押し順の報知がない場合であっても1/6の確率で押し順が正解となる。そこで、通常遊技状態において特殊リプレイ1入賞が発生した場合には、仮ART準備状態(第1RT状態)に移行する。
また、仮ART準備状態は、押し順ベルを取りこぼすことによって通常遊技状態に移行する。仮ART準備状態では、AT状態ではなく、押し順が報知されないため、通常遊技状態に移行しやすくなっている。なお、仮ART準備状態でAT状態への移行条件が成立した場合、すなわち、ナビストックを獲得した場合には、ART準備状態に移行する。
また、本実施形態では、前述のように、通常遊技状態では、リール停止ボタン223を左から順に、すなわち、第1リール停止ボタン223a、第2リール停止ボタン223b、第3リール停止ボタン223cの順に操作して各リールを停止させる。遊技者がこの順序に従わずにリールを停止させた場合には、通常遊技状態からペナルティ状態に遷移させる。このとき、ペナルティ状態に遷移したことを遊技者に報知するようにしてもよい。ペナルティ状態は、規定ゲーム数が消化されるまで通常遊技状態に移行されず、この間、ナビストック獲得の抽選が行われないように制御される。なお、AT状態においては、第1リール停止ボタン223a、第2リール停止ボタン223b、第3リール停止ボタン223cの順に操作しなくてもペナルティ状態に移行しない。
以上が本実施形態のスロットマシン2における遊技の遊技状態の説明である。続いて、本実施形態におけるスロットマシン2の制御について説明する。
まず、遊技制御処理(メイン処理)について説明する。図6は、本発明の実施の形態の遊技制御処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、スロットマシン2の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するためにスロットマシン2の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
まず、遊技制御装置350は、初期化処理を含む電源投入時の処理を実行する(S601)。初期化処理とは、例えば、RAM350cの各記憶領域の初期化やリール用モータ204Ma〜204Mcの初期化等である。また例えば、RAM350cにおいて、データの消去や、ROM350bに記憶されたデータに基づくデフォルトのデータの書込等である。なお、停電から復帰した場合には停電前の遊技状態に復帰させる処理が実行される。また、ステップ601の処理は、各ゲームの開始毎に行われることはなく、上述のように電源投入時に行われ、それ以降のゲーム開始時には、ステップ602から処理が開始される。
次に、遊技制御装置350は、BET(賭)処理を実行する(S602)。BET処理においては、メダル投入口215へのメダルの投入又はマックスベットボタン216の操作に基づいて賭数(ベット数)を設定する処理が実行される。以下、BET(賭)処理についてさらに詳しく説明する。
メダル投入口215よりメダルが投入されると、この投入されたメダルをメダル投入検出センサ215aが検出して該検出信号を遊技制御装置350に入力する。すると、遊技制御装置350は、この検出信号に基づいて、メダルのベット数の記憶を加算する。
設定された上限値(3枚)を超えるメダルが投入された場合には、超えた分のメダルについてはベット数に加算せずに、メダルのクレジット数の記憶を1ずつ加算するとともに、その加算結果をクレジット数としてクレジット数表示部210に表示する。
ただし、クレジット数には、所定の上限値(例えば、50枚)が設定されており、上限値を超えるメダルを投入した場合には、超えた分のメダルをクレジット数に加算せずに受皿226へと返却するようになっている。
さらに、メダルのクレジットがある状態で、マックスベットボタン216を操作すると、操作に応じた数のメダルをベットするとともに、クレジット数の記憶をベット数分減算するようになっている。このようなベットの操作を賭入力(賭操作)と言う。
メダルのクレジットが設定されたベット数の規定値(3枚)以上存在する状態で、マックスベットボタン216が操作された際には、マックスベットボタン216の1操作で該規定値のベット数が設定される。
BET(賭)処理が終了すると、遊技制御装置350は、払戻制御処理を実行する(S603)。払戻制御処理は、払戻ボタン221を操作することによって、ベットされたメダル及びクレジットされたメダルを払い戻す処理である。遊技者が払戻ボタン221を操作すると、払戻ボタン221の操作を払戻ボタンSW221aが検出し、検出信号を遊技制御装置350に出力する。遊技制御装置350は、ホッパーユニット232を制御してベット数及びクレジット数分のメダルを受皿226に返却する。
その後、遊技制御装置350は、ベット数が上限値(3枚)であるか否かを判定する(S604)。ベット数が上限値に達した場合(S604の結果が「Y」)、ステップ605へ進む。一方、ベット数が上限値に達していない場合(S604の結果が「N」)、ステップ602へ戻る。
なお、ベット数が上限値(3枚)となった段階で、スタートレバー222の操作を検知して遊技制御装置350に操作信号を出力するスタートレバーセンサ222aが有効となる。また、前回の遊技でリプレイ入賞の図柄組合せ態様(リプレイ入賞結果態様)が停止してリプレイ入賞が成立している場合には、前回ゲームのベット数が自動的(コインの投入等の操作なし)に設定された後にスタートレバーセンサ222aが有効となる。
ここで、遊技者は、メダル投入口215よりメダルを投入することによりベットを行った状態で、あるいは、マックスベットボタン216の操作によりベットを行った状態で、あるいは、前回の遊技でリプレイ入賞が成立している場合にはベットを行わずに、スタートレバー222を操作することになる。
その後、遊技制御装置350は、スタートレバー222の操作があったか否かを判定する(S605)。スタートレバー222の操作がない場合(S605の結果が「N」)、ステップ602の処理に戻る。
一方、遊技制御装置350は、スタートレバー222の操作があった場合(S605の結果が「Y」)、スタート操作実行フラグを設定し(S606)、その後、内部抽選処理を実行する(S607)。内部抽選処理においては、遊技制御装置350は、入賞役の内部抽選を行い、抽選結果に対応する抽選結果コマンド(当選フラグコマンド)を演出制御装置370に送信する。なお、内部抽選処理の詳細については、図8にて後述する。
その後、遊技制御装置350は、変動表示開始処理を実行する(S608)。変動表示開始処理においては、遊技制御装置350は、リール用モータ204Ma〜204Mcに対して各リール204a〜204cの回転開始を指示する制御信号を送る(各リール204a〜204cを回転開始させる制御を行う)。これにより、図柄の変動表示を行う状態となる。
また、遊技制御装置350は、特定の入賞役に当選している場合には、当該入賞役に対応するフリーズ演出(特殊演出)を実行する。フリーズ演出とは、一定期間各リール204a〜204cの停止操作を無効とする(停止操作が有効となるまでの時間を通常よりも遅延させる)とともにその間(無効期間中)に行う所定の演出表示である。また、フリーズ演出によって、所定の入賞役への当選を報知(示唆)するようにしてもよい。
なお、図柄の変動表示を開始した後に各リール204a〜204cの回転が一定となって、各リール停止ボタン223a〜223cの操作による各リール204a〜204cの停止操作が可能な状態となると、CPU350aは各ストップボタンLED237に点灯を指示する制御信号を送る(各ストップボタンLED237を点灯させる処理を行う)。この処理によりストップボタンLED237を点灯させることで、各リール停止ボタン223a〜223cの操作により各リール204a〜204cを停止可能な状態となったことを報知する。
その後、遊技制御装置350は、内部抽選処理における抽選結果(当選フラグ)と、各リール停止ボタン223a〜223cの操作タイミングとに基づいて、各リール204a〜204cを停止させるリール停止処理を実行する(S609)。リール停止処理の詳細については、図10にて後述する。
リール停止処理においては、遊技制御装置350は、各リール停止センサ323a〜323cからの操作信号の入力を待機する状態となる。そして、各リール204a〜204cの停止操作が可能となった状態で、各リール停止ボタン223a〜223cを順次操作すると、各リール停止センサ323a〜323cからの操作信号がそれぞれ遊技制御装置350に入力される。
遊技制御装置350は、上述の操作信号の検出を待機した状態で、各リール停止センサ323a〜323cからの操作信号を検出すると各リール停止センサ323a〜323cに対応するリール204a〜204cを停止する停止制御を行う。
遊技制御装置350は、ROM350bに記憶された複数の停止制御テーブルから遊技状態と入賞の抽選結果(抽選処理において各入賞当選フラグがセットされたか否か)、ベット数、リール停止センサ323a〜323cの操作順に対応する停止制御テーブルを選択して読み出す。通常遊技状態及び特定遊技状態の場合には、特別入賞、小役入賞、リプレイ入賞が当選し、対応する入賞のフラグがセットされている場合に、入賞当選フラグに対応する入賞を成立させる組合せの図柄を有効ライン上に引込停止制御するための停止制御テーブル、すなわち入賞当選フラグに対応する入賞を成立させるかもしくは成立を可能とする停止制御テーブル(引込停止制御テーブル)を選択する。
なお、各リール204a〜204cの図柄配列と、停止制御テーブルとから取りこぼしのない入賞(例えば、ベル入賞、リプレイ入賞)の当選に対応する停止制御テーブルが選択された場合に、停止制御テーブルに基づく引込停止制御により、対応する入賞が必ず成立する。また、各リール204a〜204cの図柄配列と、停止制御テーブルとから取りこぼしのある入賞(例えば、チェリー入賞、スイカ入賞、BB入賞、RB入賞、特別リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞)の当選に対応する停止制御テーブルが選択された場合には、所定の範囲のタイミングでリール停止センサ323a〜323cからの操作信号があった場合に、停止制御テーブルに基づく引込停止制御により対応する入賞が成立し、所定の範囲外のタイミングでリール停止センサ323a〜323cからの操作信号があった場合に、全ての入賞が成立せずにリール204a〜204cが停止する。
また、リール停止ボタン223a〜223cの押し順が正解の場合にのみ当選する入賞の場合には、押し順が正しい場合にのみ取りこぼしを発生させない停止制御テーブルが選択され、押し順が不正解の場合には取りこぼしを発生させることが可能な停止制御テーブルが選択される。例えば、リール204a〜204cの停止順が左、中、右の順押しによる場合は取りこぼしの発生しない停止制御テーブルが選択され、リール204a〜204cの停止順が、例えば、順押し以外(逆押し等)の場合に、取りこぼしが可能となる停止制御テーブルが選択されるものとしてもよい。
また、特別遊技状態としてのBB状態及びRB状態の場合には、上述の小役入賞(例えばベル入賞)の当選確率が高くされた状態となり、入賞の抽選結果が各小役入賞の当選の場合に、当選した小役入賞を成立させるか成立可能とする引込停止制御テーブルが選択される。
そして、上述のような停止制御テーブルを用いた停止制御では、リール停止センサ323a〜323cからの操作信号が入力した際に、各リール位置検出センサ304a〜304cの出力データからリール204a〜204cの回転位相(回転角度)を得る。そして、上述の停止制御テーブルのリール204a〜204cの回転位相に対応する滑りコマ数(0〜4)でリール204a〜204cを停止させるように、ステッピングモータであるリール用モータ204Ma〜204Mcの駆動回路に制御信号を送信する。すなわち、遊技制御装置350は、選択された停止制御テーブルに従い、各リール停止センサ323a〜323cから操作信号が入力したタイミングでの各リール204a〜204cの回転位相に基づいて、各リール204a〜204cの停止角度(位相)を決定し、この決定に基づき、各リール用モータ204Ma〜204Mcに対して各リール204a〜204cの回転停止を指示する制御信号を出力する。
なお、ゲームの開始から予め設定された自動停止時間が経過した際に、リール停止センサ323a〜323cがONとならない場合には、遊技制御装置350がリール用モータ204Ma〜204Mcを自動停止させる。自動停止される場合には蹴飛ばし停止制御が機能することで入賞役の成立が規制されることになり、例えば、自動停止時間が経過した際の各リール204a〜204cの回転位相に基づいて、上述の停止制御が行われる。
その後、遊技制御装置350は、ステップ609の処理で停止した各リール204a〜204cの位置情報に基づいて、入賞成立判定処理を実行する(S610)。入賞成立判定処理は、リール停止処理によって各リール204a〜204cが停止し、表示窓部205内に停止表示される停止図柄の組合せが決定した段階で行われる。
入賞成立判定処理においては、遊技制御装置350は、各リール停止センサ323a〜323cからの操作信号および選択された停止制御テーブルから得られるリール204a〜204cの停止データ及び入賞当選フラグの状態から、実際に入賞が成立しているか否かを確認する。そして、入賞が成立していない場合には、入賞成立判定処理を終了し、入賞が成立している場合には、成立した入賞情報に対応する払出枚数情報(又は、成立した入賞情報に対応する入賞成立フラグ)をRAM350cに記憶する。このとき、対応する結果情報を結果情報コマンドとして演出制御装置370に送信する。
その後、遊技制御装置350は、払出制御処理を実行する(S610)。払出制御処理においては、遊技制御装置350は、上述の入賞情報に基づいて入賞が成立している場合にはホッパーユニット232を制御して、成立した入賞情報に対応する払出枚数のメダルを払い出させる。
この払出制御処理により、リール停止処理で停止させたゲームの停止表示結果が複数の通常入賞役(例えば、ベル入賞、チェリー入賞、スイカ入賞)に対応する通常入賞結果のいずれかとなった場合に、当該通常入賞結果に対応するメダルを付与している。
なお、遊技制御装置350は、入賞に基づきメダルを払い出す場合には、クレジット数が所定の上限値(例えば、50枚)に達するまではメダルを受皿226へは払い出さずにクレジット数に加算し、該上限値を超えた分のメダルはクレジット数に加算せずに受皿226に払い出すようになっている。
また、有効ライン上で入賞に対応する所定の図柄組合せ態様が形成された場合のみ入賞が成立し、メダルの払い出しを行う。ただし、特別入賞が成立した場合にはメダルの払い出しは行われない。逆に、この有効ライン以外のラインで入賞結果態様が形成されても入賞は成立しないので、入賞に対応したメダルの払い出しは行わない。
その後、遊技制御装置350は、遊技状態更新処理を実行する(S612)。遊技状態更新処理においては、遊技制御装置350は、入賞成立判定処理による判定結果に応じて、遊技状態を図5に示したいずれかの状態に更新する。
この遊技状態更新処理により、リール停止処理で停止させたゲームの停止表示結果が特別入賞役(例えば、BB入賞、RB入賞)に対応する特別入賞結果となった場合に、通常よりも通常入賞結果となる確率が向上する特別遊技状態(例えば、BB状態、RB状態)を発生可能にしている。また、リール停止処理で停止させたゲームの停止表示結果が特定の入賞役になった場合には前述した特定遊技状態を発生可能にしている。
その後、遊技制御装置350は、図示していないが、停電が発生したか否かを判定し、停電が発生していない場合にはS602の処理に戻る。一方、停電が発生した場合には、停電時処理を実行し、停電が発生した旨を示す停電フラグを設定する。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置350)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態の遊技制御装置350のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、所定時間ごと(例えば、約2msecごと)に起動され、入出力ポートの処理やタイマカウント処理等を行う。
遊技制御装置350は、タイマ割込み処理の実行が開始されると、まず、遊技者の各種操作等を入力する入力処理及び演出制御装置370等への出力を行う出力処理を実行する(S701、S702)。その後、継続タイマ等の各種タイマを更新するタイマ更新処理を実行する(S703)。
さらに、遊技制御装置350は、変動開始パターン及びリール更新情報(詳細には後述)に基づいて、各リール204a〜204cの回転及び停止の出力設定を行うリール動作処理を実行する(S704)。なお、リール動作処理は、図6の遊技制御処理に含めてもよい。
図8は、本発明の実施の形態の内部抽選処理の手順を示すフローチャートである。内部抽選処理は、図6に示した遊技制御処理のステップ607の処理に対応する。
まず、遊技制御装置350は、内部抽選用の乱数値を取得し(S801)、さらに、ベット数に基づいて有効ライン数を取得する(S802)。
次に、遊技制御装置350は、遊技状態に応じた入賞当選判定テーブルをセットする(S803〜S807)。入賞当選判定テーブルとは、ROM350bに記憶され、入賞用の判定値が登録された入賞当選判定用のテーブルである。この入賞当選判定テーブルに基づく入賞抽選率の例については、図9を参照しながら説明する。
図9は、本発明の実施の形態の入賞当選判定テーブルの一例を示す図である。なお、前述した設定装置233に設定された値に応じて各入賞役の当選確率を異なるようにしてもよい。具体的には、設定1では当選確率が低く、設定6では当選確率が高くなるように設定する。
図9(A)はボーナス当選確率であり、図4に示したBB1入賞、BB2入賞、BB3入賞、RB入賞の4種類のボーナスが定義されている。
図9(B)は小役当選確率であり、通常リプレイ及び特別リプレイを含まれている。左、中、右第1停止ベルは、押し順が指定されたベル入賞である。また、共通ベルは押し順が指定されないベル入賞である。本実施形態の押し順ベル入賞では、3つのリールのうち、最初の停止させるリールが指定されているが、2番目に停止させるリールをさらに指定するようにしてもよい。なお、これらのベル入賞は、リプレイ入賞やボーナス入賞とは重複して当選しないようになっている。
また、その他の小役入賞として、図4にて説明したように、「弱チェリー」「強チェリー」「スイカ」があり、これらの小役入賞は図9(B)に示すように、リプレイ入賞やボーナス入賞とは重複して当選する可能性がある。特に、「強チェリー」が当選した場合には25%の確率でリプレイ入賞又はボーナス入賞が発生する。
なお、ボーナス状態では、小役入賞の確率が高くなり、例えば、共通ベル入賞の当選確率が著しく高くなるように設定される。
通常リプレイ入賞は、1/7の確率で当選し、RT状態では、さらに当選確率が高くなる。また、特別リプレイは、当選確率が1/30000と非常に低くなっているが、当選した場合には、ナビストックを3個獲得し、さらに、BB1入賞の発生が確定する。
図9(C)は特殊リプレイ当選確率であり、各特殊リプレイは遊技状態によって変化する。具体的には、AT状態の場合に、特殊リプレイ1が入賞しやすくなるように設定される。なお、特殊リプレイ1は通常時には1/40程度の当選確率となっている。同様に、ART準備状態の場合に特殊リプレイ2、ART状態及び上乗せART状態の場合に特殊リプレイ3が入賞しやすくなるように設定される。上乗せART状態の場合にはART状態の場合よりも特殊リプレイ3が入賞しやすくなるように設定される。なお、各特殊リプレイは当選確率が高く設定された遊技状態では他の特殊リプレイの当選確率を低くするなど、不都合のないように調整されるが、確率の変更は原則的にRT状態の変化があった場合だけである。
なお、各特殊リプレイは押し順が指定されているため、通常遊技状態では、第1リールを最初に停止させるため、ほとんど入賞しないようになっている。
ここで、フローチャートの説明に戻り、遊技状態に応じた入賞当選判定テーブルをセットする処理について具体的に説明する。遊技制御装置350は、まず、ボーナス当選中、すなわち、遊技状態が特別遊技状態であるか否かを判定する(S803)。ボーナス当選中の場合には(S803の結果が「Y」)、ボーナス状態に対応する当選判定テーブルをセットする(S804)。このとき選択される当選判定テーブルは、前述のように、通常遊技状態の場合よりも小役入賞に当選する確率が高くなるように設定されている。
一方、遊技制御装置350は、ボーナス当選中でない場合には(S803の結果が「N」)、RT状態中であるか否かを判定する(S805)。RT状態中の場合には(S805の結果が「Y」)、発生中のRT状態の種類に対応する当選判定テーブルをセットする(S806)。
さらに、遊技制御装置350は、RT状態中でない場合には(S805の結果が「N」)、通常状態に対応する当選判定テーブルをセットする(S807)。
その後、遊技制御装置350は、ステップ801の処理で取得された乱数と、ステップ803〜807の処理でセットされた入賞当選判定テーブルの判定値とを比較する(S808)。そして、入賞役に当選したか否かを判定する(S809)。具体的には、ステップ808の処理の結果、取得された乱数と、入賞判定テーブルのいずれかの入賞に対応する判定値とが一致するか否かに基づいて、入賞役に当選したか否かを判定する。両者が一致した場合には、一致した判定値に対応する入賞役に当選したこととなる。一方、いずれの入賞の判定値とも抽出された乱数と一致しなかった場合には、はずれとなる。
遊技制御装置350は、判定結果が入賞役に当選した場合には(S809の結果が「Y」)、さらに、ボーナス入賞に当選したか否か、すなわち、重複当選したか否かを判定する(S810)。ボーナス入賞に当選している場合には(S810の結果が「Y」)、対応するボーナス入賞フラグをRAM350c上の所定の記憶領域にセットする(S811)。さらに、ボーナス入賞に当選していない場合(S810の結果が「N」)、又は、ボーナス入賞フラグセットした後に、対応する入賞役の当選フラグをセットする(S812)。
一方、遊技制御装置350は、判定結果が入賞役に当選しなかった場合(S809の結果が「N」)、遊技制御装置350は、はずれフラグをセットする(S813)。
最後に、遊技制御装置350は、セットされた当選フラグに対応する当選フラグコマンドを演出制御装置370に送信するために設定する(S814)。
以上に示す処理により、スロットマシン2では、スタートレバー222の操作により開始される変動表示を伴うゲームの実行毎に複数種の入賞役(例えば、ベル入賞、チェリー入賞等)に当選したか否かを抽選する。
図10は、本発明の実施の形態のリール停止処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置350は、操作有効期間中(図11の時刻t3以降の期間中)か否かを判定する(S1001)。操作有効期間中でない場合には(S1001の結果が「N」)、各リール204a〜204cを停止させることはできないので、ステップ1001の処理に戻る。
遊技制御装置350は、操作有効期間中である場合(S1001の結果が「Y」)、リール停止ボタン223a〜223cが操作されたか否かを判定する(S1002)。具体的には、各リール停止センサ323a〜323cからの操作信号が遊技制御装置350に入力されたか否かに基づいて判定する。リール停止ボタン223a〜223cのいずれも操作されていない場合(S1002の結果が「N」)、リール204a〜204cを停止させることはできないので、ステップ1001の処理に戻る。
遊技制御装置350は、リール停止ボタン223a〜223cのいずれかが操作された場合には(S1002の結果が「Y」)、リール停止情報(各リール204a〜204cが停止したか否かの情報や、停止したリール204a〜204cについては停止した際の位置(回転位相)情報)に基づき、回転中のリール204a〜204cに対応するリール停止ボタン223a〜223cの操作か否かをチェックする(S1003)。
そして、遊技制御装置350は、第1リールに対する停止操作(第1停止操作)であるか否かを判定する(S1004)。第1停止操作であった場合には(S1004の結果が「Y」)、停止操作が禁止操作対象であるか否かを判定する(S1005)。禁止操作対象とは、例えば、通常遊技状態で、第1リールよりも先に他のリールに対して停止操作を行った場合である。停止操作が禁止操作対象の場合には(S1005の結果が「Y」)、変則押し情報を設定する(S1006)。
なお、第1停止操作でない場合(S1004の結果が「N」)、正しい押し順の場合、特定遊技状態の場合など押し順の制約がない場合など、禁止操作対象でない場合には(S1005の結果が「N」)、ステップ1007の処理を実行する。
遊技制御装置350は、回転中のリール204a〜204cに対応するリール停止ボタン223a〜223cの有効な操作であるか否かを判定する(S1007)。回転中のリール204a〜204cに対応するリール停止ボタン223a〜223cの有効な操作でない場合(S1007の結果が「N」)、ステップ1001の処理に戻る。
一方、遊技制御装置350は、回転中のいずれかのリール204a〜204cに対応するリール停止ボタン223a〜223cの有効な操作である場合には(S1007の結果が「Y」)、ボーナスフラグの有無、リール停止情報及び操作されたリール停止ボタン(リール停止ボタン223a〜223cのいずれか)に対応する停止制御テーブルをセットする(S1009)。
その後、遊技制御装置350は、成立フラグ(上記の入賞当選フラグ又はハズレ当選フラグ)と、操作されたリール停止ボタン223a〜223cに対応するリール204a〜204cの位置情報とに基づいて、引込停止制御又は蹴飛ばし停止制御のためのリール停止の遅延の度合いを示す残りステップ数を取得し(S1010)、取得した残りステップ数をリール更新情報としてセットする(S1011)。これにより、タイマ割込み処理によって、セットされたリール更新情報で示される残りステップ数分だけ、対応するリール204a〜204cを回転させて停止させることができる。
その後、遊技制御装置350は、操作されたリール停止ボタン223a〜223cに対応するリール204a〜204cが停止したか否かを判定する(S1012)。対応するリール204a〜204cが停止していない場合(S1012の結果が「N」)、ステップ1017の処理を実行する。
遊技制御装置350は、対応するリール204a〜204cが停止した場合には(S1012の結果が「Y」)、変則押し情報が設定されているか否かを判定する(S1013)。変則押し情報が設定されている場合には(S1013の結果が「Y」)、停止したリール204a〜204cに対応し、かつ、変則押し情報に対応したリール停止情報をセットする(S1014)。一方、変則押し情報が設定されていない場合には(S1013の結果が「N」)、停止したリール204a〜204cに対応するリール停止情報をセットする(S1015)。リール停止情報がセットされると、セットされたリール停止情報に対応するリール停止コマンドを演出制御装置370に送信する(S1016)。これにより、演出制御装置370は、受信したリール停止コマンドを用いて、停止したリール204a〜204cに対応するバックライトの消灯等、停止したリール204a〜204c毎の演出を実行することができる。
続いて、遊技制御装置350は、全てのリール204a〜204cが停止されたか否かを判定する(S1017)。全てのリール204a〜204cのうちの少なくとも一つが停止していない場合には(S1017の結果が「N」)、ステップ1001の処理に戻る。一方、全てのリール204a〜204cが停止した場合(S1017の結果が「Y」)、リール全停止コマンドをセットする(S1018)。
以上に示すステップ1001〜1017の処理において、ステップ1010における成立フラグが例えば後述するチャンス目を導出する入賞フラグである場合、各リール204a〜204cの停止操作に基づき、ゲームの停止結果として特別入賞役の当選可能性があるチャンス目を停止表示させることが可能である。チャンス目を停止表示させることによって、ボーナス入賞前に遊技者の期待感を高くすることができる。
また、ステップ1010における成立フラグが例えば後述するリーチ目を導出する入賞フラグ(ボーナス当選)である場合、各リール204a〜204cの停止操作に基づき、ゲームの停止結果として特別入賞役の当選が確定するリーチ目を停止表示させることが可能である。
その後、遊技制御装置350は、リール204a〜204cの停止態様がチャンス目であるか否かを判定する(S1019)。チャンス目である場合(S1019の結果が「Y」)、チャンス目停止コマンドをセットする(S1020)。一方、チャンス目ではない場合(S1019の結果が「N」)、何も処理を実行せずにステップ1021の処理を実行する。
その後、遊技制御装置350は、リール204a〜204cの停止態様がリーチ目であるか否かを判定する(S1021)。リーチ目である場合には(S1021の結果が「Y」)、リーチ目の種類に応じたリーチ目停止コマンドをセットする(S1022)。一方、リーチ目ではない場合には(S1021の結果が「N」)、何も処理を実行せずにステップ1023の処理を実行する。
その後、遊技制御装置350は、セットされた停止コマンド(リール全停止コマンド、チャンス目停止コマンド又はリーチ目停止コマンドのいずれか)を演出制御装置370に送信し(S1023)、リール停止情報をリセットする(S1024)。
図11は、本発明の実施の形態の遊技制御装置350によって制御されるリール等の被制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。
時刻t1において、BET操作無効期間が終了すると、遊技者はBET操作を実行する。そして、BET操作が終了した後、所定の期間(スタート操作無効期間)が経過し、時刻t2になるまでスタート操作が無効化されている。
スタート操作無効期間が終了し、遊技者がスタート操作を実行すると(スタートレバー222を操作すると)、ゲームが開始される(時刻t2)。
ゲームが開始されると、第1リール204a〜第3リール204cの回転が開始される。このとき、一定の回転速度に到達するまで所定の期間(加速回転期間)が設けられる。そして、加速回転期間の経過後(時刻t3)、各リールの停止操作が受け付けられるようになる。
その後、各リールの停止させるためのリール停止ボタン223を操作し、操作されたリール停止ボタン223に対応するリールが停止する(時刻t4)。すべてのリールが停止されると、ゲームの結果が確定し、入賞役に当選していれば、払出動作が実行される。
以上が遊技制御装置350による処理である。続いて、演出制御装置370による処理について説明する。
まず、演出制御処理(メイン処理)について説明する。図12は、本発明の実施の形態の演出制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御処理は、スロットマシン2の電源投入時に実行される。例えば遊技場で営業を開始するためにスロットマシン2の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
まず演出制御装置370は、電源投入時の処理を実行する(S1201)。ここでは、初期化処理を実行した後に、遊技制御装置350から受信した電源投入コマンドや電源復旧コマンドに基づいて、電源投入又は電源復旧を報知する。初期化処理とは、例えば、RAM370cの各記憶領域の初期化等である。また、RAM370cにおいて、データの消去や、ROM370bに記憶されたデータに基づくデフォルトのデータの書込等である。また、ステップ1201の処理は、各ゲームの開始毎に行われることはなく、上述のように電源投入時に行われ、それ以降のゲーム開始時には、ステップ1202から処理が開始される。
次に、演出制御装置370は、遊技状態を制御する遊技状態制御処理を実行する(S1202)。遊技状態制御処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、演出制御装置370は、演出を実行するための設定を行う演出設定処理を実行する(S1203)。演出設定処理の詳細については、図25にて後述する。
その後、演出制御装置370は、遊技終了時など、精算時の画面表示などを制御する精算時処理を実行する(S1204)。さらに、画像表示装置206における表示を制御する表示制御処理を実行する(S1205)。続いて、スピーカ207による音声出力を制御する音声制御処理を実行する(S1206)。
その後、演出制御装置370は、当該スロットマシン2の遊技履歴情報(例えば本日のボーナス入賞回数や前回のBB状態の終了からの始動回数など)を閲覧させるための情報閲覧処理を実行する(S1207)。さらに、演出制御装置370は、当該スロットマシン2の遊技履歴情報を記憶する履歴情報記憶処理を実行する(S1208)。
その後、演出制御装置370は、停電が発生したか否かを判定する(S1209)。停電が発生していない場合には(S1209の結果が「N」)、ステップ1202の遊技制御処理に戻る。一方、停電が発生した場合には(S1209の結果が「Y」)、停電時処理を実行する(S1210)。停電時処理においては、演出制御装置370は停電が発生した旨を示す停電フラグを設定する。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図13は、本発明の実施の形態の演出制御装置370のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、所定時間ごと(例えば、約2msecごと)に起動され、入出力ポートの処理や表示以外の演出(例えば、発光処理)に係る処理等を行う。
演出制御装置370は、タイマ割込み処理の実行が開始されると、まず、遊技制御装置350から各種情報を入力する入力処理及び画像表示装置206等への出力を行う出力処理を実行する(S1301、S1302)。
その後、演出制御装置370は、各リール停止ボタン223a〜223cの奥に設けられたストップボタンLED237による発光を行うための停止ボタン発光処理を実行する(S1303)。その後、スタートレバー222の操作により発光を行うためのスタートレバー発光処理を実行する(S1304)。その後、発光装置239(図2参照)による発光を行うための枠ライト発光処理を実行する(S1305)。最後に、乱数を更新する乱数更新処理を実行する(S1306)。
続いて、図12に示した演出制御処理における遊技状態制御処理について説明する。図14は、本発明の実施の形態の遊技状態制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、ゲームが終了したか否かを判定する(S1401)。ゲームが終了していない場合には(S1401の結果が「N」)、遊技状態を更新するタイミングではないため、本処理を終了する。
一方、演出制御装置370は、ゲームが終了したタイミングの場合には(S1401の結果が「N」)、遊技制御装置350から送信された結果情報コマンドの内容を確認する(S1402)。そして、結果情報コマンドの内容から特別遊技状態を開始するか否かを判定する(S1403)。特別遊技状態を開始する場合には(S1403の結果が「Y」)、遊技状態を特別遊技状態として更新し(S1404)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置370は、結果情報コマンドの内容から特別遊技状態を開始しない場合には(S1403の結果が「N」)、現在の遊技状態が特定遊技状態であるか否かを判定する(S1405)。現在の遊技状態が特定遊技状態の場合には(S1405の結果が「Y」)、特定遊技状態制御処理を実行し(S1406)、本処理を終了する。特定遊技状態制御処理の詳細については、図17にて後述する。
さらに、演出制御装置370は、現在の遊技状態が特定遊技状態でない場合には(S1405の結果が「N」)、特定遊技状態移行判定処理を実行する(S1407)。特定遊技状態移行判定処理の詳細については、図15にて後述する。
そして、演出制御装置370は、特定遊技状態移行判定処理に基づいて、遊技状態を特定遊技状態に移行するか否かを判定する(S1408)。遊技状態を特定遊技状態に移行する場合には(S1408の結果が「Y」)、遊技状態を特定遊技状態として更新し(S1409)、本処理を終了する。また、遊技状態を特定遊技状態に移行しない場合には(S1408の結果が「N」)、遊技状態が通常遊技状態となるため、通常遊技状態制御処理を実行する(S1410)。通常遊技状態制御処理の詳細については、図23にて後述する。
図15は、本発明の実施の形態の特定遊技状態移行判定処理の手順を示すフローチャートである。特定遊技状態移行判定処理は、図14に示した遊技状態制御処理のステップ1406の処理である。
演出制御装置370は、まず、当選フラグコマンドを受信したかを確認する(S1501)。そして、受信した当選フラグコマンドに基づいてAT状態に移行する条件が成立したか否かを判定する(S1502)。また、AT状態に移行する条件が成立すると、ナビストックを追加する。このとき、追加するナビストックの数は1でもよいし、所定の条件を満たすことを条件に2以上増加させてもよい。ナビストックの獲得によってART状態における継続ゲーム数が設定される。本実施形態では、ナビストックはART状態に移行してから消費されるため、ART状態における継続ゲーム数の設定(記憶領域に設定)は実際にART状態に移行してからでよい。
ここで、AT状態に移行する条件について説明する。本実施形態では、通常遊技状態(特別遊技状態を含んでもよい)において、特定の小役が入賞した場合に、入賞役に応じた抽選によってAT状態に移行する(ストック獲得)条件(AT移行条件)が成立する。また、通常遊技状態には、図5にて説明したように、AT移行条件の抽選の当選確率に応じて低確状態、高確状態、超高確状態の3種類の内部状態が定義されている。図16は、本発明の実施の形態の通常遊技状態における内部状態に応じたAT移行条件の成立を判定するための特定遊技状態移行判定テーブルの一例を示す図である。(A)は低確状態、(B)は高確状態、(C)は超高確状態を示す。なお、内部状態の遷移は、所定の条件が成立した場合に遷移する。詳細については、図23及び図24にて後述する。
図16に示すように、AT移行条件を成立させるための抽選は、弱チェリー、スイカ、強チェリー、特殊リプレイ1(ナビなしの場合)で入賞した場合に行われる。弱チェリー、スイカ、強チェリーの小役で入賞した場合には、弱チェリー、スイカ、強チェリーの順で当選確率が高くなるように設定されている。特殊リプレイ1の場合には、内部状態によらずに一律15%の確率で当選する。
また、本実施形態では、AT移行条件の成立抽選時に、遅延期間を設定するか否かが選択される。遅延期間の選択確率は、内部状態と入賞役に基づいて設定されており、例えば、低確状態、かつ、弱チェリーで入賞した場合には、遅延期間が設定される割合は低く設定される。一方、高確状態、かつ、弱チェリーで入賞した場合には、遅延期間が設定される割合は高く設定される。また、超高確状態で強チェリーが入賞した場合には、AT移行条件が100%成立し、遅延期間は設定されずに即座に特定遊技状態(AT状態)に移行する。また、当選確率が低く設定されている場合には、遅延選択割合も低く設定され、かつ、遅延する場合であっても遅延期間が短くなるように設定される。
なお、AT移行条件が成立する確率は、設定装置233に設定された値に基づいて決定するようにしてもよい。
ここで、図15の特定遊技状態移行判定処理のフローチャートの説明に戻る。演出制御装置370は、AT状態に移行する条件が成立した場合には(S1502の結果が「Y」)、AT状態に移行するまでに遅延期間を設定するか否かを判定する(S1503)。遅延期間を設定することによって、AT状態に移行する条件が成立してもすぐにはAT状態に移行せずに、所定回数のゲームが消化されてからAT状態に移行する。
演出制御装置370は、AT状態に移行するまでに遅延期間を設定する場合には(S1503の結果が「Y」)、対応する遅延期間を設定する(S1504)。そして、遅延期間の設定が完了した場合、又は、AT状態に移行する条件が成立していない場合には(S1502の結果が「N」)、遅延期間が設定されているか否かを判定する(S1505)。遅延期間が設定されていない場合には(S1505の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、演出制御装置370は、遅延期間が設定されている場合には(S1505の結果が「Y」)、遅延期間を更新する(S1506)。そして、AT状態に移行するタイミングか否かを判定する(S1507)。設定された遅延時間を減算し、0になった時点で状態移行タイミングとしてもよいし、移行条件が成立してからの経過時間が遅延期間に一致した時点を状態移行タイミングとしてもよい。演出制御装置370は、AT状態に移行するタイミングでない場合には(S1507の結果が「N」)、本処理を終了する。
演出制御装置370は、AT状態に移行するタイミングである場合には(S1507の結果が「Y」)、遊技状態を特定遊技状態(AT状態)として更新する(S1508)。AT状態では各リールの停止順序(押し順)が報知されるため、最後に、演出制御装置370は、押し順の報知を実行することを示す報知実行フラグを設定する(S1509)。その後、特定遊技状態移行判定処理を終了し、遊技状態制御処理に戻る。
続いて、特定遊技状態を制御する特定遊技状態制御判定処理について説明する。図17は、本発明の実施の形態の特定遊技状態制御判定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、AT移行条件が成立したか否かに基づいて、ナビストックの獲得に関連する処理を実行するストック制御処理を実行する(S1701)。ストック制御処理の詳細については、図18にて後述する。
続いて、演出制御装置370は、結果情報コマンドの内容を確認し(S1702)、通常遊技状態への移行条件が成立したか否かを判定する(S1703)。特定遊技状態から通常遊技状態への移行条件は、例えば、ナビストックが0になり、所定数のゲームを消化した場合や所定の降格条件が成立した場合などである。
演出制御装置370は、通常遊技状態への移行条件が成立した場合には(S1703の結果が「Y」)、遊技状態を通常遊技状態として更新し(S1704)、遊技状態更新時処理を実行する(S1715)。遊技状態更新時処理は、遊技状態の更新に関わる処理であり、詳細については、図22にて後述する。
一方、演出制御装置370は、通常遊技状態への移行条件が成立しなかった場合には(S1703の結果が「N」)、ART準備状態移行条件が成立したか否かを判定する(S1705)。ART準備状態移行条件は、図5にて説明したように、特殊リプレイ1に入賞した場合や、ART状態で押し順ベルを取りこぼした場合である。
演出制御装置370は、ART準備状態移行条件が成立した場合には(S1705の結果が「Y」)、報知実行フラグが設定されているか否かを判定する(S1706)。報知実行フラグは、AT状態に移行した場合に設定されるフラグであり(図15のS1509)、すなわち、押し順が報知される場合に設定される。
演出制御装置370は、報知実行フラグが設定されている場合には(S1706の結果が「Y」)、遊技状態をART準備状態(第1RT状態)として更新する(S1707)。一方、報知実行フラグが設定されていない場合には(S1706の結果が「Y」)、遊技状態を仮ART準備状態(第1RT状態)として更新する(S1708)。遊技状態が更新されると、遊技状態更新時処理を実行し(S1715)、本処理の呼出元である遊技状態制御処理に戻る。
また、演出制御装置370は、ART準備状態移行条件が成立しなかった場合には(S1705の結果が「N」)、ART状態移行条件が成立したか否かを判定する(S1709)。ART状態移行条件は、図5にて説明したように、ART準備状態(又は仮ART準備状態)で特殊リプレイ2に入賞した場合や、上乗せART状態で特殊リプレイ3の押し順が不正解だった場合である。なお、押し順が不正解だった場合であっても、最初の停止させるリールが正しかった場合には転落しないようにしてもよい。
演出制御装置370は、ART状態移行条件が成立した場合には(S1709の結果が「Y」)、遊技状態をART状態(第2RT状態)として更新する(S1710)。そして、ナビストックの数を1減らすために、RAM370cに割り当てられたストック数管理領域に記憶された値を1減らす(S1711)。さらに、対応するナビゲーム数をRAM370cに割り当てられたナビゲーム数保持領域に設定する(S1712)。その後、遊技状態更新時処理を実行し(S1715)、本処理の呼出元である遊技状態制御処理に戻る。
また、演出制御装置370は、ART状態移行条件が成立しなかった場合には(S1709の結果が「N」)、上乗せART状態移行条件が成立したか否かを判定する(S1713)。上乗せART状態移行条件は、図5にて説明したように、ART状態で特殊リプレイ3に入賞した場合である。
演出制御装置370は、上乗せART状態移行条件が成立した場合には(S1713の結果が「Y」)、遊技状態を上乗せART状態(第3RT状態)として更新する(S1714)。その後、遊技状態更新時処理を実行し(S1715)、本処理の呼出元である遊技状態制御処理に戻る。
続いて、特定遊技状態制御判定処理におけるストック制御処理について説明する。図18は、本発明の実施の形態のストック制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御装置370は、当選フラグコマンド及び結果情報コマンドの内容を確認し(S1801)、ナビストックの獲得判定条件(ストック当選判定条件)が成立したか否かを判定する(S1802)。
演出制御装置370は、ストック当選判定条件が成立した場合には(S1802の結果が「Y」)、特定遊技状態の種類に基づいてストック当選テーブルを選択する(S1803)。ストック当選判定テーブルの詳細については、図19を参照しながら説明する。
図19は、本発明の実施の形態のストック当選判定テーブルの一例を示す図である。(A)はAT状態又はART準備状態、(B)はART状態、(C)は上乗せART状態の場合を示す。なお、通常遊技状態では、図16に示したAT移行条件が成立した場合にナビストックを獲得する。
本実施形態では、まず、ナビストックの獲得抽選に当選したか否かを判定し、その後、さらに、上乗せされるストック数として1(第1延長制御)又は2(第2延長制御)を選択する。
(A)を参照すると、AT状態又はART準備状態では、弱チェリー、スイカ、強チェリーの入賞役に当選した場合にナビストックの獲得抽選が行われる。例えば、弱チェリーに当選した場合にナビストックの獲得抽選が実行され、1%の確率で当選する。AT状態又はART準備状態では、ナビストックを獲得する確率が低く設定されている。
(B)を参照すると、ART状態では、弱チェリー、スイカ、強チェリーの入賞役については、AT状態又はART準備状態の場合とナビストックの獲得抽選に当選する確率が同じになるように設定されている。また、弱チェリー、スイカ、強チェリーの入賞役の他に特殊リプレイ3に入賞した場合についてもナビストックを獲得することができる。また、ART状態で特殊リプレイ3に入賞すると、上乗せART状態への移行条件が成立することになり、ストックの獲得抽選に100%当選する。
(C)を参照すると、上乗せART準備状態では、AT状態、ART準備状態及びART状態の場合と比較してナビストックの獲得抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。また、ボーナス当選が確定する特別リプレイに当選した場合にもストック数を上乗せし、さらに、上乗せするナビストックの数を3以上としてもよい(第3延長制御)。このとき、特別リプレイは最も有利な入賞役と言うことができる。
また、ナビストックの数が所定数以上になった場合には、ナビストックの獲得抽選に当選する確率が高くなるように設定してもよい。
ここで、図18のストック制御処理のフローチャートの説明に戻る。演出制御装置370は、特定遊技状態の種類に基づいてストック当選テーブルを選択すると、ナビストックの獲得抽選を実行し、ストック抽選に当選したか否かを判定する(S1804)。
演出制御装置370は、ストック抽選に当選した場合には(S1804の結果が「Y」)、ストック数(ナビストックの数)を格納するストック管理領域の値を更新する(S1805)。ストック数が追加されることによって、ART状態の継続ゲーム数が加算される(報知遊技の実行期間が延長される)ことになる。さらに、演出制御装置370は、ナビストックを獲得したことを遊技者に報知するか否かを判定するストック獲得報知判定処理を実行する(S1806)。ストック獲得報知判定処理の詳細については、図20にて後述する。
一方、演出制御装置370は、ストック抽選に当選しなかった場合には(S1804の結果が「N」)、ガセストック獲得演出、すなわち、実際にはナビストックを獲得していないにもかかわらずナビストックを獲得したかのような演出を設定する(S1807)。なお、ガセストック獲得演出は確率的に実行されるようにしてもよく、例えば、入賞した小役のストック獲得の期待度に応じて演出の実行確率を決定してもよい。
ストック獲得報知判定処理又はガセストック獲得演出の設定が完了すると、演出制御装置370は、ナビゲーム数保持領域の値を更新する(S1808)。ナビゲーム数とは、ART状態(上乗せART状態も含む)におけるゲーム数であり、獲得したストック数に応じて所定数が追加される。なお、ストック数を管理せずに、ナビストックを獲得した時点でナビゲーム数を加算し、ナビゲーム数のみで管理するようにしてもよい。
続いて、演出制御装置370は、ナビゲーム数保持領域の値が0であるか否かを判定する(S1809)。ナビゲーム数保持領域の値が0でない場合には(S1809の結果が「N」)、そのまま、特定遊技状態を継続するため、ストック制御処理を終了し、特定遊技状態制御判定処理に戻る。
一方、演出制御装置370は、ナビゲーム数保持領域の値が0の場合には(S1809の結果が「Y」)、ストック数管理領域の値を確認し(S1810)、ストックが残っているか否か、すなわち、ナビストックの数が1以上であるか否かを判定する(S1811)。ストックが残っていない場合には(S1811の結果が「N」)、特定遊技状態(ART状態)が継続しないため、報知実行フラグをクリアする(S1815)。その後、ストック制御処理を終了し、特定遊技状態制御判定処理に戻る。
また、演出制御装置370は、ストックが残っている場合には(S1811の結果が「Y」)、ストック数管理領域の値を1減らし(S1812)、報知済みストック数管理領域の値を1減らす(S1813)。そして、対応するナビゲーム数(1ストックあたりのナビゲーム数)をナビゲーム数保持領域に設定し(S1814)、ストック制御処理を終了し、特定遊技状態制御判定処理に戻る。
続いて、ストック獲得報知判定処理について説明する。図20は、本発明の実施の形態のストック獲得報知判定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、現在の特定遊技状態の継続期間を確認する(S2001)。ステップ2001の処理における継続期間は、ストック数及びナビゲーム数に基づいて取得することができる。そして、演出制御装置370は、現在の特定遊技状態が所定期間継続するか否かを判定する(S2002)。所定期間は、例えば、ストック数が10以上、すなわち、500ゲーム以上継続する期間である。
演出制御装置370は、現在の特定遊技状態が所定期間継続しない場合には(S2002の結果が「N」)、上乗せART状態から転落時に全ストック数を報知済みか否かを確認し(S2003)、報知済みか否かを判定する(S2004)。報知済みでない場合には(S2004の結果が「N」)、ストックの獲得を報知するか否かを判定するための報知判定テーブル1を設定する(S2005)。
演出制御装置370は、現在の特定遊技状態が所定期間継続する場合(S2002の結果が「Y」)、又は、上乗せART状態から転落時に全ストック数を報知済みの場合には(S2004の結果が「Y」)、報知済みのストック数管理領域を確認する(S2006)。そして、報知済みのストック数が所定数以上であるか否かを判定し(S2007)、所定数以上の場合には(S2007の結果が「Y」)、報知判定テーブル2を設定する(S2008)。また、所定数未満の場合には(S2007の結果が「N」)、報知判定テーブル3を設定する(S2009)。さらに、設定された報知判定テーブルに基づいて、ストック獲得の報知を実行するか否かを判定する(S2010、S2011)。
ここで、図21を参照しながら報知判定テーブルについて説明する。図21は、本発明の実施の形態の報知判定テーブルの一例を示す図である。(A)は報知判定テーブル1、(B)は報知判定テーブル2、(C)は報知判定テーブル3を示す。
ストック数を報知する確率は、当選した小役(当選フラグ)の種類、及び、ストックの上乗せ数に基づいて決定される。また、報知する場合であってもストックを獲得したことだけを報知してもよいし、ストック数がいくつ追加されたかを報知するようにしてもよい。
報知判定テーブル1は、特定遊技状態が所定期間継続せず、かつ、上乗せART状態からの転落時に全ストック数が報知されていない場合に設定される。すなわち、ストック数を遊技者が把握しにくい場合に設定される。報知判定テーブル1は、他の報知判定テーブルよりも報知確率が低くなるように設定されている。
報知判定テーブル2及び報知判定テーブル3は、所定期間現在の特定遊技状態が継続している場合、又は、上乗せART状態からの転落時に全ストック数が報知されている場合に設定され、ストック数が所定数より多い場合に報知判定テーブル2、ストック数が所定数以下の場合に報知判定テーブル3が設定される。
報知判定テーブル3は、報知確率が高くなるように設定されており、ART状態が所定期間継続している場合、又は、すでに全ストック数が報知されている場合に、ART状態の継続に対して遊技者が不安を抱き始めてからナビストックの獲得を報知する確率を高めることができる。
ここで、図20のストック獲得報知判定処理のフローチャートの説明に戻る。演出制御装置370は、ストック獲得の報知を実行する場合には(S2011の結果が「Y」)、特定遊技状態の種類に対応するストック獲得報知(演出)を設定する(S2012)。そして、報知済みストック数管理領域の値を更新し(S2013)、ストック獲得報知判定処理を終了し、ストック制御処理に戻る。
一方、演出制御装置370は、ストック獲得の報知を実行しない場合には(S2011の結果が「N」)、特定遊技状態の種類に対応するストック獲得報知(演出)を設定し(S2014)、ストック獲得報知判定処理を終了し、ストック制御処理に戻る。
続いて、図17に示した特定遊技状態制御判定処理の遊技状態更新時処理(S1715)について説明する。図22は、本発明の実施の形態の遊技状態更新時処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、ART状態への移行かを確認し(S2201)、ART状態への移行であるか否かを判定する(S2202)。ART状態への移行でない場合には(S2202の結果が「N」)、対応する状態移行演出を実行し(S2209)、遊技状態更新時処理を終了し、特定遊技状態制御判定処理に戻る。
一方、演出制御装置370は、ART状態への移行の場合には(S2202の結果が「Y」)、上乗せART状態からの転落かを確認し(S2203)、上乗せART状態からの転落か否かを判定する(S2204)。上乗せART状態からの転落でない場合には(S2204の結果が「N」)、対応する状態移行演出を実行し(S2209)、遊技状態更新時処理を終了し、特定遊技状態制御判定処理に戻る。
演出制御装置370は、ART状態への移行が上乗せART状態からの転落の場合には(S2204の結果が「Y」)、所定数のストックを獲得しているか否かを判定する(S2205)。所定数のストックを獲得している場合には(S2205の結果が「Y」)、全ストック数を報知し(S2206)、報知済みストック数管理領域の値を更新する(S2207)。このとき、報知済みストック数管理領域の値は全ストック数に対応する。すなわち、所定数以上のストックを獲得した状態で、上乗せART状態から転落してART状態に移行すると、遊技者は保持しているストック数を把握することが可能となる。したがって、遊技者はART状態がどのくらい継続するかを把握することができる。
一方、演出制御装置370は、所定数のストックを獲得していない場合には(S2205の結果が「N」)、上乗せART状態中に獲得した分のストック数を報知する(S2208)。なお、一度の契機で複数のストックを獲得している場合には正確な報知とならなくてもよい。このように、上乗せART状態中に獲得した分のストック数を報知すると、ART状態が延長された期間を遊技者が把握することができる。
続いて、図14に示した遊技状態制御処理における通常遊技状態制御処理(S1410)について説明する。図23は、本発明の実施の形態の通常遊技状態制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、当選フラグコマンドの内容を確認する(S2301)。そして、内部状態(確率状態)変更判定条件が成立しているか否かを判定する(S2302)。内部状態変更判定条件は、内部状態を変更するための抽選を行うか否かを判定するための条件である。例えば、所定の小役に入賞した場合や所定の小役を取りこぼした場合などである。演出制御装置370は、内部状態変更判定条件が成立していない場合には(S2302の結果が「N」)、通常遊技状態制御処理を終了し、遊技状態制御処理に戻る。
一方、演出制御装置370は、内部状態変更判定条件が成立した場合には(S2302の結果が「Y」)、内部状態変更判定テーブルに基づいて内部状態(確率状態)を選択する(S2303)。内部状態変更判定テーブルについては、図24を参照しながら説明する。
図24は、本発明の実施の形態の内部情報変更判定テーブルの一例を示す図である。(A)は内部状態(確率状態)が低確状態、(B)は内部状態が高確状態、(C)は転落時の場合を示す。
本実施形態では、(A)及び(B)に示すように、弱チェリー、スイカ、強チェリーのいずれかの小役に入賞すると、ストック抽選の当選確率の高い状態に遷移するための抽選が行われる。
(A)を参照すると、低確状態で弱チェリーに入賞すると、25%の確率で高確状態に移行し、2%の確率で超高確状態に移行する。同じく、スイカに入賞すると、15%の確率で高確状態に移行し、1%の確率で超高確状態に移行する。さらに、強チェリーに入賞すると、50%の確率で高確状態に移行し、3%の確率で超高確状態に移行する。
(B)を参照すると、高確状態で、弱チェリーに入賞すると5%、スイカに入賞すると2%、強チェリーに入賞すると10%の確率で超高確状態に移行する。
本実施形態では、(C)に示すように、押し順ベルに当選した場合に、ストック抽選の当選確率の高い状態から低い状態に遷移する。なお、通常遊技状態では、各リールを停止させる順序は報知されないため、押し順ベルの当選確率は低くなっている。押し順ベルに当選すると、高確状態では12%の確率で低確状態に転落し、超高確状態では10%の確率で高確状態に転落する。なお、超高確状態から低確状態に転落するようにしてもよい。
ここで、図23の通常遊技状態制御処理のフローチャートの説明に戻る。演出制御装置370は、選択後の内部状態が変化したか否かを判定する(S2304)。内部状態が変化しなかった場合には(S2304の結果が「N」)、そのままの状態で遊技を継続するため、通常遊技状態制御処理を終了し、遊技状態制御処理に戻る。
一方、演出制御装置370は、内部状態が変化した場合には(S2304の結果が「N」)、選択された内部状態を新たな内部状態として設定する(S2305)。そして、新たな内部状態が低確状態に設定されたか否かを判定する(S2306)。低確状態に設定された場合には(S2306の結果が「Y」)、低確状態フラグを設定する(S2307)。
また、演出制御装置370は、新たな内部状態が低確状態に設定されなかった場合には(S2306の結果が「N」)、新たな内部状態が高確状態に設定されたか否かを判定する(S2308)。高確状態に設定された場合には(S2308の結果が「Y」)、高確状態フラグを設定する(S2309)。
さらに、演出制御装置370は、新たな内部状態が高確状態に設定されなかった場合には(S2308の結果が「N」)、新たな内部状態が超高確状態に設定されたか否かを判定する(S2310)。超高確状態に設定された場合には(S2310の結果が「Y」)、超高確状態フラグを設定する(S2311)。
演出制御装置370は、フラグの設定が完了すると、内部状態に対応する演出パラメータを設定し(S2312)、その後、通常遊技状態制御処理を終了し、遊技状態制御処理に戻る。
続いて、図12に示した演出制御処理における演出設定処理(S1203)について説明する。図25は、本発明の実施の形態の演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、客待ち演出条件が成立したか否かを判定する(S2501)。客待ち演出条件は、客待ちデモコマンドを遊技制御装置350から受信した場合に成立する。客待ち演出条件が成立した場合には(S2501の結果が「Y」)、客待ちデモ演出をセットする(S2502)。客待ちデモ演出は、画像表示装置206にデモ映像を表示したり、発光装置239をデモ用の発光態様で発光したりする。客待ちデモ演出をセットが完了すると、演出設定処理を終了し、演出制御処理に戻る。
演出制御装置370は、客待ち演出条件が成立しなかった場合には(S2501の結果が「N」)、遊技者による賭(ベット)操作入力があったか否かを判定する(S2503)。賭操作入力があった場合には(S2503の結果が「Y」)、客待ちデモ演出が実行中であるか否かを判定する(S2504)。客待ちデモ演出が実行中である場合には(S2504の結果が「Y」)、客待ちデモ演出を解除して、通常演出をセットする(S2505)。その後、演出設定処理を終了し、演出制御処理に戻る。
また、演出制御装置370は、賭操作入力がなかった場合(S2503の結果が「N」)、又は、客待ちデモ演出が実行中でなかった場合には(S2504の結果が「N」)、各リールの変動開始タイミングであるか否かを判定する(S2506)。
演出制御装置370は、各リールの変動開始タイミングである場合には(S2506の結果が「Y」)、演出パラメータを確認し(S2507)、対応する演出を設定する(S2508)。そして、報知実行フラグが設定されているか否かを判定する(S2509)。報知実行フラグが設定されていると、各リールの押し順が報知される。報知実行フラグはAT状態に移行すると設定され、特定遊技状態移行判定処理(図15)のステップ1509の処理で設定される。
演出制御装置370は、報知実行フラグが設定されている場合には(S2509の結果が「Y」)、対応する操作アシスト情報をセットする(S2510)。一方、報知実行フラグが設定されていない場合には(S2509の結果が「N」)、演出設定処理を終了し、演出制御処理に戻る。
演出制御装置370は、変動開始タイミングでない場合(S2506の結果が「N」)、又は、操作アシスト情報のセットが完了した場合には、特定遊技状態中に発生した特別遊技状態が終了したタイミングであるかを確認する(S2511)。そして、該当する特別遊技状態が終了したタイミングであるか否かを判定する(S2512)。該当する特別遊技状態が終了したタイミングでない場合には(S2512の結果が「N」)、演出設定処理を終了し、演出制御処理に戻る。
演出制御装置370は、特定遊技状態中に発生した特別遊技状態が終了したタイミングである場合には(S2512の結果が「Y」)、特定遊技状態の継続期間を確認し(S2513)、さらに、ストック数管理領域の値(ストック数)を確認する(S2514)。そして、継続期間及びストック数に基づいてストック数を報知するか否かを判定する(S2515、S2516)。このとき、継続期間に応じてストック数を報知する確率を変更するようにしてもよく、例えば、ストック数が多いほどストック数を報知する確率を高くしてもよい。また、フリーズ演出に基づくボーナスが終了した後であれば、必ずストック数を報知するようにしてもよい。
演出制御装置370は、ストック数の報知を実行する場合には(S2516の結果が「Y」)、ストック数に対応するストック報知演出を設定する(S2517)。ストック数に対応するストック報知演出を設定後、又は、ストック数の報知を実行しない場合には(S2516の結果が「N」)、演出設定処理を終了し、演出制御処理に戻る。
以上が本実施形態におけるスロットマシン2の制御である。続いて、画像表示装置206の表示内容及びリール204の動作例について説明する。
図26は、本発明の実施の形態のAT状態において押し順を示唆する画面及びリールの動作の一例を説明する図である。
(A)は画像表示装置206に特殊リプレイ1の押し順を報知し、リール204が回転中であることを示している。画像表示装置206には、第2(中)リール204b、第3(右)リール204c、第1(左)リール204aの順で停止させることが示唆されている。なお、押し順の報知は、次に操作するリール停止ボタン223に対応するストップボタンLED237を点灯させるようにしてもよいし、停止させるリールの周囲(例えば、表示窓部205の枠部)に発光装置を配置して点灯させるようにしてもよく、遊技者が停止させるリール204を認識できればよい。
(B)は(A)の状態で、第2リール停止ボタン223bを操作し、第2リール204bを停止させた状態である。このとき、既に操作された第2リール204bに対応する領域は操作済みであることを示す表示となっている。(C)は(B)の状態で、第3リール204cを停止させた状態である。
さらに、(C)の状態で第1リール停止ボタン223aを操作し、第1リール204aを停止させると、(D)の状態になり、「リプレイ」「リプレイ」「ベル」で図柄が停止し、特殊リプレイ1が成立する。このとき、画像表示装置206には、押し順を示唆した特殊リプレイ1が成立したことを示す表示がなされる。なお、AT状態で特殊リプレイ1が成立すると、図5に示したように、ART準備状態に移行する。
(E)は、ART準備状態に移行した後に、押し順ベルの報知がなされている状態である。この場合の押し順ベルは最初に停止させるリール(第2リール204b)のみが報知されているが、残りのリールの押し順については不問となっている。したがって、(E)の状態で第2リール204bを停止させた(F)の状態では、回転中のいずれのリールを先に停止させても必ず「ベル」が揃うようになっている。
なお、ART準備状態において特殊リプレイ2の押し順を報知する場合も同様である。
図27は、本発明の実施の形態のナビストックを獲得する場合における画面及びリールの動作の一例を説明する図である。
(A)では、スタート操作が行われた後、ナビストックの獲得抽選が行われる入賞役に内部当選したことを示唆する内容が画像表示装置206に表示されている。そして、(B)でストック獲得演出が実行され、(C)で弱チェリーの入賞役で当選する。
弱チェリーの入賞役に当選したことによって、ナビストックの獲得抽選が実行される。そして、ナビストックの獲得に成功した場合には、(D)に示すように、ナビストックを獲得したことが報知される。一方、(E)に示すように、ナビストックの獲得に失敗した場合にはその旨報知される。なお、ナビストックを獲得した場合であってもナビストックの獲得に失敗した旨を表示、すなわち、ナビストックを獲得したことを報知しないようにしてもよい。
図28は、本発明の実施の形態の上乗せART状態における画面及びリールの動作の一例を説明する図である。
(A)では、ART状態において上乗せART状態に移行可能な役(特殊リプレイ3)に内部当選したことを示唆する内容が画像表示装置206に表示されている。なお、ART状態では特殊リプレイ3の押し順は報知される。そして、(B)では特殊リプレイ3に当選し、上乗せART状態に移行したことを示している。
(C)では、上乗せART状態において、特殊リプレイ3に内部当選している。上乗せART状態で特殊リプレイ3に当選すると、ナビストックが追加されるが、上乗せART状態ではすべての押し順が報知されるとは限らないように制御される。例えば、特殊リプレイ3に当選させるためには、すべてのリール停止ボタンの押し順に正解する必要があるが、(C)に示すように、最初に停止させるリールのみが報知されている。なお、すべての押し順を報知しないようにしてもよいし、所定の確率ですべての押し順を報知するようにしてもよい。
そこで、(D)の状態から、押し順に正解した場合には、(E)に示すように、ナビストックを獲得することができるが、押し順が不正解の場合には、(F)に示すように、ナビストックの獲得に失敗した旨が表示される。このとき、上乗せART状態からART状態に転落するように制御してもよいし、最初の押し順に正解した場合など、所定の条件が成立した場合には転落せずに上乗せART状態を継続するようにしてもよい。
図29は、本発明の実施の形態の上乗せART状態の終了時における画面及びリールの動作の一例を説明する図である。
(A)は特殊リプレイ3を取りこぼした場合を示しており、この時点でナビストックを3個上乗せできたことを示している。そして、特殊リプレイ3を取りこぼしたために、ART状態に転落する。このとき、(B)に示すように、上乗せされたナビストックが所定数以下の場合には、上乗せされたストック数のみが報知される。
一方、(C)は(A)と同様に特殊リプレイ3を取りこぼした場合を示しており、この時点でナビストックを10個上乗せできたことを示している。そして、(B)に示した場合と同様に、ART状態に転落する。このとき、(D)に示すように、上乗せされたナビストックが所定数よりも多い場合には、上乗せされたストック数だけでなく、保持しているナビストックの総数(全ストック数)も報知される。
このように、本実施形態では上乗せART状態から転落した場合にナビストックの数が報知されるようになっている。また、上乗せART状態で上乗せされたストック数に応じて上乗せ分のストック数を報知したり、全ストック数を合わせて報知したりする。
以上のように、本実施形態によれば、ART状態(報知遊技状態)におけるナビストック数が増加した場合、すなわち、ART状態の実行期間が延長された場合に、ナビストック数の増加を報知する確率が、ART状態において実行されたゲームの回数に応じて変更可能なため、ナビストック数が追加されたことが報知されるか否かに関わらず、興趣を高めることができる。例えば、ART状態におけるゲーム数が少ない場合に、報知される確率が低く制御されていれば、延長されたか否かが判別されにくく、報知遊技状態の延長を常に期待しながら遊技を進めることができる。
さらに、本実施形態によれば、ナビストックの獲得が報知されない場合であっても、遊技者は内部抽選の結果に基づいて停止するリールの停止結果態様から、ナビストックの獲得に関する抽選(決定)が行われたことを把握可能であり、さらに停止結果態様によってナビストックの獲得に対する期待感の度合いを把握することができる。
本実施形態によれば、ナビストックの獲得パターンには複数の種類があるため、ナビストックの獲得が報知される場合であってもされない場合であっても、どのようなパターンでナビストックを獲得したのかを推測する楽しみがある。さらに、ART状態がどの程度継続するか明確には把握できず、ART状態の継続に対する期待感を維持できる。
本実施形態によれば、ART状態において実行されたゲームの回数が所定回数に達している場合には、ART状態において実行されたゲームの回数が所定回数に達していない場合よりも、ナビストックを獲得したことが報知されやすいので、ある程度の期間にわたってART状態の遊技が継続した場合に、さらなるナビストックの獲得を把握しやすく、ART状態の遊技が継続することをより一層楽しむことができる。
例えば、追加されるストック数が多い(2個)場合の報知確率を低く制御することで、ART状態の実行期間が継続することに意外性を与えることができ、ART状態がどの程度継続するか明確には把握できず、ART状態の継続に対する期待感を維持できる。
本実施形態によれば、ART状態において実行されたゲームの回数に応じて残りの実行期間がまとめて確認できる確率を変更するので、例えば、ART状態において実行されたゲームの回数が所定回数に達している場合に、実行残期間報知の確率を高く制御すれば、ART状態の終了までの期間を推測でき、遊技の進行態様を調整できる。例えば、閉店時間が近づいていて実行残期間が長い場合には遊技速度を高めるなどの調整が可能となる。
本実施形態によれば、上乗せART状態において所定回数のナビストック獲得の報知が行われると、ART状態が一定以上継続することが把握されるとともに、既に決定していた残期間(上乗せART状態移行前のストック数)と関連(合算)して報知されるため、上乗せART状態においてストック数が上乗せされた満足感をより一層高め、遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施形態によれば、上乗せART状態が発生し、合算されたナビストック数が報知された場合には、通常のART状態におけるストック数を上乗せART状態において上乗せされた分とともに把握できるため興趣を高めることができる。
(変形例1)
次に、本実施形態の変形例について説明する。本実施形態の変形例1では、設定装置233の設定によってナビストック獲得抽選の当選確率が変化する。また、変形例1では、ナビストック獲得抽選に当選しなかったにもかかわらず、獲得したかのような演出を行うガセストック獲得演出の実行を所定の時刻(時間帯)では行わないように制御する。なお、本実施形態と同様の処理については、同じ符号を付与して説明を省略する。
図30は、本発明の実施の形態の変形例1のART状態における設定毎のストック当選判定テーブルの一例を示す図である。(A)は設定1、(B)は設定4、(C)は設定6の場合を示す。
(A)〜(C)に示すように、本実施形態の変形例1では、設定が高いほど、ナビストックの獲得抽選の当選確率が高くなるように設定されている。なお、他の設定についても同様に定義され、例えば、設定5の場合には、設定4よりも有利であって設定6よりも不利な条件で当選確率が定義されている。また、ART状態以外の状態についても同様に設定毎にナビストックの獲得抽選の当選確率が定義される。
図31は、本発明の実施の形態の変形例1のストック制御処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態のストック制御処理との相違点は、ガセストック獲得演出の実行を時刻に応じて制御する点である。
具体的には、演出制御装置370は、ステップ1807の処理でガセストック獲得演出の設定を行う前に、現在時刻が所定時刻であるか否かを判定する(S3101)。そして、所定時刻の場合には、ガセストック獲得演出を実行しない。
ステップ3101の処理を行うために、変形例1の演出制御装置370には、RTC(リアルタイムクロック)が備えられ、現在時刻を取得可能に構成されている。また、所定時刻は、例えば、遊技場の閉店時間に近い時間(例えば、午後9時)に設定される。このように、閉店間際には過剰な演出を控えるように制御することが可能となる。一方、開店直後には、演出の実行頻度を高くするように制御してもよい。
図32は、本発明の実施の形態の変形例1のストック獲得報知判定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の獲得報知判定処理との相違点は、ストックを獲得したことを報知する演出の実行を時刻に応じて制御する点である。
具体的には、演出制御装置370は、ナビストック獲得の報知を実行すると判定した場合に(S1911の結果が「Y」)、現在の時刻が所定時刻であるか否かを判定する(S3201)。この所定時刻は、例えば、午後2時から4時の間など時間帯であってもよい。また、時刻ではなく、電源投入からの経過時間やART状態の継続回数に基づいて判定してもよい。
演出制御装置370は現在の時刻が所定時刻である場合には(S3201の結果が「Y」)、報知を実行するか否かを再判定する(S3202、S3203)。例えば、所定時刻が閉店間際の午後9時に設定されていた場合には、ストック数を遊技者に正確に報知するようにして遊技の終了を判断しやすくするようにする。例えば、残ストック数が多い場合には、遊技速度を速めることができる。したがって、所定の時刻である場合には、再判定時の報知の実行確率を高く(例えば、80%)設定する。そして、報知を実行しない場合には、ガセストック獲得演出を設定しないように制御する。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1では、設定によってナビストック獲得抽選の当選確率が変化するため、報知確率を時刻(時間帯)に応じて変更することによって、遊技者に設定が推測されることを防ぐことも可能となる。
(変形例2)
続いて、本実施形態の変形例2について説明する。本実施形態の変形例2では、AT状態における押し順の報知など遊技の補助態様を遊技状態に応じて制御する。
図33は、本発明の実施の形態の変形例2の演出設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態の演出設定処理との相違点は、押し順の報知を行う場合、すなわち、報知実行フラグが設定されている場合に(S2509の結果が「Y」)、アシスト態様設定処理を実行する点のみである。
図34は、本発明の実施の形態の変形例2のアシスト態様設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置370は、まず、当選フラグコマンドの内容を確認し(S3401)、アシスト(押し順の報知)が必要か否かを判定する(S3402)。アシストが不要な場合には(S3402の結果が「N」)、アシスト態様設定処理を終了し、演出設定処理に戻る。なお、アシストが不要な場合とは、押し順を問わない入賞役や、上乗せART状態における特殊リプレイ3に内部当選している場合などである。
演出制御装置370は、アシストは必要な場合には(S3402の結果が「Y」)、リプレイが連続して入賞した後か否かを判定する(S3403、S3404)。リプレイが連続して入賞した後の場合には(S3404の結果が「Y」)、遊技者が押し順の報知に気づかずに遊技を継続してしまう可能性があるため、通常よりも認識しやすい操作アシスト情報をセットし(S3410)、認識容易な押し順報知を行うようにする。
一方、演出制御装置370は、リプレイが連続して入賞した後でない場合には(S3404の結果が「N」)、ストック数管理領域の値を確認し(S3405)、所定数以上のナビストックがあるか否かを判定する(S3406)。
演出制御装置370は、所定数以上のナビストックがない場合には(S3406の結果が「N」)、内部当選した入賞役に対応する通常の操作アシスト情報をセットする(S3407)。
一方、演出制御装置370は、所定数以上のナビストックがある場合には(S3406の結果が「Y」)、ストック数示唆アシストを実行するか否かを判定する(S3408)。ストック数示唆アシストを実行しない場合には(S3408の結果が「N」)、内部当選した入賞役に対応する通常の操作アシスト情報をセットする(S3407)。
また、演出制御装置370は、ストック数示唆アシストを実行する場合には(S3408の結果が「Y」)、内部当選した入賞役に対応する特殊な操作アシスト情報をセットする(S3409)。なお、ストック数示唆アシストの実行頻度は低くなるように制御する。特殊な操作アシスト情報による報知は、例えば、ナビストックの獲得とともに、総ストック数を報知する。
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2によれば、頻繁にアシスト(押し順報知)が実行されることによって、ナビストックの獲得が報知されるため、遊技者を飽きさせず、興趣を高めることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。