以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係るスロットマシンの全体的な構成について、図1および図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「遊技役が成立する」および「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、後述の役決定手段により選出された役決定結果に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役等の入賞役)か、払出しのない遊技役(再遊技役やボーナス役)かは問わない)を構成する図柄の組合せ(対応図柄)が、後述の有効ライン上に停止表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、たとえば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者等による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定枚数の遊技メダルを投入するための1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者等による、後述の精算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作、リジェクトスイッチ27の押圧操作を総じて遊技操作と称する。なお、遊技メダルは、本発明の遊技媒体となる。
[スロットマシンの外観]
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えている。前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30および受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置11の表示画面11aが前方を臨むように配置されている。画像表示装置11のの周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられている。表示窓Wの下方右側位置に、遊技に供する遊技メダルが投入されるメダル投入口21が設けられ、表示窓Wの下方左側位置に1−BETスイッチ22が設けられている。1−BETスイッチ22は、クレジットされた範囲内で遊技に供する遊技メダルを1枚投入するためのスイッチである。
さらに、1−BETスイッチ22の右側には、遊技に供する遊技メダルを最大許容投入枚数投入するためのMAX−BETスイッチ23が設けられている。遊技に供する遊技メダルの最大許容投入枚数は、たとえば3枚とされるが、1枚や2枚など、適宜決定することもできる。この最大許容投入枚数は、遊技を実行するために必要となる。最大許容投入枚数は、ベット規定数ともなる。また、1−BETスイッチ22の左側には、精算スイッチ24が配設されている。精算スイッチ24は、クレジットされた遊技メダルやベットされた遊技メダルを払い出すためのスイッチである。
さらに、精算スイッチ24の右側位置には、スタートレバー25が設けられている。スタートレバー25は、後述する役抽選処理を開始させる際に操作される開始操作手段として機能する。さらに、スタートレバー25の右側位置には、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26cが設けられている。そして、メダル投入口21の下方位置には、メダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27が設けられている。
メダル投入口21の内部は、図2に概略的に示すように、投入された遊技メダルが有効に受け付けられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路と、投入された遊技メダルが受け付けられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路とに分岐している。このうち、受入通路は、本体筺体内に設けられたホッパ50に通じており、返却通路は受け皿アセンブリ40に設けられた本発明の払い出し口である遊技メダル払出口41に通じている。受入通路と返却通路との分岐部には、ブロッカ48が設けられている。また、メダル投入口21とブロッカ48との間に、本発明の遊技媒体が流通可能な通路が形成されている。なお、本発明における通路とは、メダル投入口21とブロッカ48との間に形成された経路のみならず、遊技媒体(遊技メダル)が流通可能な経路の全体を総称したものである。
ブロッカ48は、ON状態とOFF状態とがある。ブロッカ48のON状態は、メダル投入口21に投入された遊技メダルをホッパ50に振り分ける状態であり、このときには、ブロッカ48は、本発明のホッパ側振分位置に制御された状態となる。また、ブロッカ48のOFF状態は、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に振り分ける状態であり、このときには、ブロッカ48は、本発明の払戻口側振分位置に制御された状態となる。ブロッカ48は、遊技メダルが有効に受け付けられる期間とそれ以外の期間において、ON状態とOFF状態とを選択できるように構成されている。ブロッカ48は、ON状態とOFF状態とに切り替えられることで、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路と返却通路とに振り分けている。
また、メダル投入口21の下流側にはセレクタが設けられており、セレクタにおける通路には、遊技メダルを検出するための通路センサ28a、上流側投入メダルセンサ28b、および下流側投入メダルセンサ28cが設けられている。通路センサ28aは、ブロッカ48の上流側に配置されており、投入センサメダル28b,28cはブロッカ48の下流側に配置されている。ブロッカ48がON状態のときにメダル投入口21からメダルが投入されると、最初に通路センサ28aにより検出され、次に上流側投入メダルセンサ28bに検知され、最後に下流側投入センサ28cにより検出されるように構成されている。また、上流側投入センサ28bと下流側投入メダルセンサ28cとの離間距離は、メダルの直径よりも短い距離とされている。このため、上流側投入メダルセンサ28bと下流側投入メダルセンサ28cとが同時にメダルを検知するタイミングが存在し得ることとなる。
表示窓Wは、3個のリール3a,3b,3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。また、表示窓Wには、表示窓W内の左中段、中央中段および右中段の各図柄表示領域を横一直線に結ぶ1本の有効ライン29が設定されている。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、および獲得枚数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60において制御されるように構成されている。
MAX−BET表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるランプであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46bは、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するランプであり、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bAと、2枚の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAXBET表示ランプ46bCとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるランプである。遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるランプである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、次の遊技において、自動ベット処理により遊技メダルが自動的に投入(ベット)された際に点灯されるランプである。自動ベット処理は、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入や1−BETスイッチ22あるいはMAX−BETスイッチ23の押圧操作がない場合でも、前回遊技でベットされた枚数の遊技メダルをベットする処理である。
状態表示ランプ46fは、後述のボーナスなどの特別役が、役抽選処理において当選した場合に点灯されるランプであり、回数表示ランプ46gは、特別役の成立回数や当選回数等を7セグメント表示するランプである。貯留枚数表示ランプ46hは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するランプであり、獲得枚数表示ランプ46jは、小役が成立した際に獲得される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するランプである。なお、状態表示ランプ46fや回数表示ランプ46gは備えなくてもよい。
貯留枚数表示ランプ46hは、スロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルをセグメント表示するものであり、本実施形態では、「00」〜「50」の間の数字を表示する。たとえば、遊技メダルが全く投入されていない状態で、1枚の遊技メダルが投入されると、当該遊技のためにその1枚の遊技メダルがベットされる。ベットされた遊技メダルは、ベット枚数表示装置47aによって表示される。さらに2枚を追加投入すると、当該遊技のために3枚の遊技メダルがベットされる。したがって、投入された遊技メダルが3枚までのときは、その遊技メダルはベットされ、貯留されない。さらに遊技メダルが投入され続けると、スロットマシン1の内部にメダルが貯留されるとともに、その貯留枚数が貯留枚数表示ランプ46hによって表示される。貯留されたメダル枚数は、RAM63の所定の格納領域に記憶される。
上述のように、本実施形態では、最大で50枚までのメダルを貯留可能となっている。したがって、貯留枚数が最大貯留枚数の50枚となり、貯留枚数表示ランプ46hに「50」と表示されたときは、それ以上、メダルは貯留されない。貯留枚数が最大貯留枚数の状態で、メダル投入口21からメダルが投入されると、ブロッカ48により、投入されたメダルは返却口から返却される。
また、たとえばリプレイを除く役が入賞してその役に対応するメダルが払い出されるときは、払出し口から払い出されることよりも優先して、スロットマシン1の内部にメダルが貯留される。たとえば、役の入賞時、その役の入賞に対応する払出し枚数が8枚であり、役の入賞前の貯留枚数が「10」であるときは、その役の入賞により、貯留枚数が「10」から「18」に変更されるとともに、貯留枚数表示ランプ46hによる表示数も「10」から「18」に更新される。
さらにまた、役の入賞時に、貯留枚数が「50」を超えるときは、「50」を超えた分については遊技メダル払出口41から払い出される。たとえば、役の入賞前に貯留枚数が「47」であり、役の入賞によって8枚のメダルが払い出されるとき、3枚は貯留されて貯留枚数が「50」となり、「50」を超える5枚については遊技メダル払出口41から払い出される。
さらに、リプレイの入賞時は、メダルの払出しや貯留は行われず、当該遊技で投入した枚数のメダルが再遊技のために自動投入される。たとえば、当該遊技を1ベット(1枚)で行い、リプレイが入賞したときは、1枚のメダルが自動投入される。同様に、当該遊技を3ベット(3枚)で行い、リプレイが入賞したときは、3枚のメダルが自動投入される。そして、リプレイの入賞に基づくメダルの投入は、再遊技を行うためのメダルの投入であるので、その後に精算操作を行っても、自動ベット処理に基づくメダルを精算することはできない。ただし、リプレイが入賞した後であっても、精算操作を行うことで自動ベット処理に基づくメダルの精算を行うことができるようにすることもできる。
下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベースおよび下パネル照明用蛍光灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明用蛍光灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられている。遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44bの前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、メダル投入口21から投入された遊技メダルが貯留可能なホッパ50が設けられている。ホッパ50は、所定の賞態様が構成された場合に遊技メダルを払い出すためのものであり、このホッパ50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51が設けられている。メダル検出部51は、ホッパ50から払い出されるメダルを検出する払出センサを備えている。この払出センサを用いて、ホッパ50からの遊技メダルの払出異常の検出などを行う。
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35cの駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38cが配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せを目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。なお、所定の図柄組み合わせとしては、たとえば、入賞位置としての有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等がある。
[基本操作]
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入するか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23を操作するかして、クレジットの範囲内で規定枚数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定枚数が、3枚または2枚に設定されている。ただし、規定枚数についてはこれに限定されるものではなく、遊技状態に応じて規定枚数の設定を変えるなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設けておき、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインを変更するようにしてもよい。
ベット枚数が規定枚数に到達した状態で遊技者がスタートレバー25を操作すると、役抽選処理が行われる。その後、各リール3a,3b,3cが回転を開始し、リール3a,3b,3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上から下に移動表示される。そして、リール3a,3b,3cの回転が所定の速度に達すると各ストップスイッチ26a,26b,26cが有効化され、遊技者が各ストップスイッチ26a,26b,26cを操作すると、対応するリール3a,3b,3cの回転がそれぞれ停止する。リール3a,3b,3cの外周表面に表示された図柄としては、図示はしないが、「セブン」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランク」、「リプレイ」等の図柄がある。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパ50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。予め定めた入賞態様とは、遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄を意味する。また、予め定めた入賞態様としては、「セブン」が揃う「ビッグボーナス役」と、いわゆる小役として、「リプレイ役」「ベル役」「スイカ役」「チェリー役」「チャンス目役」がある。このうち、ボーナス役は遊技メダルの払出を伴わないものである。また、小役のうち、「ベル役」「スイカ役」「チェリー役」は、遊技メダルの払出を伴うものであり、「リプレイ役」「チャンス目役」は遊技メダルの払出を伴わないものである。ただし、「リプレイ役」では、遊技メダルの払出は伴わないが、次の遊技を行うためのベットが自動的に行われ、いわゆる「再遊技役」としての役割を有している。
上記の入賞態様のうち、「ビッグボーナス役」は、有効ライン29に「セブン」が揃う態様である。「リプレイ役」は、有効ライン29に「リプレイ」が揃う態様である。「ベル役」は、有効ライン29に「ベル」が揃う態様である。「スイカ役」は、有効ライン29に「スイカ」が揃う態様である。「チェリー役」は、左リール3aの有効ライン29に「チェリー」が揃う態様である。「チャンス目役」は、はずれと異なる特定の図柄が表示される態様である。たとえば、「チャンス目役」は、「1枚役」で構成されており、遊技者によるストップスイッチ26a,26b,26cの停止操作順序や停止操作位置といった停止操作態様によっては入賞可能な小役である。「チャンス目役」に当選した場合には、遊技者の停止操作態様によっては1枚役に相当する図柄が表示されることもあり、あるいはとりこぼしが発生して、1枚役に相当する図柄とは異なる特定の図柄が表示されることもある。
[制御基板と各機器との接続]
スロットマシン1は、図3に示すように、主制御基板60上に配設された制御回路およびを備えて構成されている主制御基板60上に配設された制御回路では、メダルの受入や払出、あるいはリールの制御など、遊技に関する主たる制御を行っている。一方、副制御基板70上に配設された制御回路では、画像表示装置11による演出画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御およびバックランプ38a,38b,38c等のランプによる照明制御等を行っている。また、両制御基板60,70間の情報伝達は、主制御基板60から副制御基板70への一方向のみ行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶したROM62と、一時記憶領域であるRAM63とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技に関する主たる制御が行われるようになっている。
メインCPU61には、駆動パルスを発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生した駆動パルスを分周するための分周器65が接続されている。また、小役やビッグボーナス役等の大役の抽選に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、および乱数発生器66で発生した乱数をサンプリングして抽選を行うためのサンプリング回路67が接続されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52および副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37cおよび払出完了信号回路53からの各種信号を受信するように構成されている。
ここで、モータ駆動回路36は、各リール3a,3b,3cを回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。ここでの各種の表示用ランプには、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46jが含まれる。
また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、各リール3a,3b,3cに設置されたセンサ(図示せず)からの各検出信号に基づき、各リール3a,3b,3cの回転位置をそれぞれ検出する回路である。検出回路37aはリール3aに、検出回路37bはリール3bに対応し、検出回路37cはリール3cに対応する。また、ホッパー駆動回路52は、小役等の賞態様が成立した際に、ホッパ50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路である。さらに、払出完了信号回路53は、ホッパ50から所定数の遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部31により検出された際に、主制御基板60に払出完了信号を送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82および設定鍵型スイッチ(「設定キースイッチ」ともいう)83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入および電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1においてエラーが発生した際等に、主制御基板60に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。また、設定鍵型スイッチ83は、遊技役の当選確率である役決定確率等の設定変更を行う場合に、電源装置80からの電力が供給されていない状態である電源断の状態で操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、役決定確率等の設定を、たとえば6段階で変更するためのスイッチである。この設定変更スイッチ84は、設定鍵型スイッチ83がONとされ、電源装置80からスロットマシン1に電源が投入された後に操作されるようになっている。なお、設定スイッチ84は、リセットスイッチ82と兼用する態様とすることもできる。
なお、電源スイッチ81、リセットスイッチ82、設定鍵型スイッチ83および設定変更スイッチ84の各スイッチと、主制御基板60との接続態様は、上述の態様に限られるものではない。たとえば、電源スイッチ81、リセットスイッチ82および設定鍵型スイッチ83の全てのスイッチまたはそれらの一部を、電源装置80を介さずに主制御基板60に接続することや、設定変更スイッチ84を、電源装置80を介して主制御基板60に接続することも可能である。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているか、またはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24からの各情報が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。なお、以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を、適宜「ブロッカ信号」と称する。ブロッカ48をONにするためのブロッカ信号は、本発明のブロッカ作動情報となる。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、現在の遊技状態を判断して、データカウンタやホールコンピュータ等に所定の信号(以下、適宜「外端信号」と称する)を出力可能とされている。この外端信号により、ビッグボーナスに当選した回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、副制御基板70には、演出に関する各種の演算処理を行うサブCPU71と、制御プログラム等を記憶したROM72と、一時記憶領域であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における演出に関する制御が行われるようになっている。
サブCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信するとともに、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17およびランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ここで、表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路であり、ランプ制御回路18は、バックランプ38a,38b,38c等のランプの点灯を制御する回路である。
[機能ブロックの説明]
図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、操作信号出力手段95と、主制御手段100と、副制御手段200とを備えている。操作信号出力手段95は、ベット操作、役決定開始操作、リール回転停止操作、精算操作等の遊技者によりなされる各操作に対応した情報を出力する。このうち、ベット操作は、遊技メダルをベットするための操作であり、たとえば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作がある。また、役抽選開始操作は、役抽選処理を開始させるための操作であり、たとえば、スタートレバー25の傾動操作がある。さらに、リール回転停止操作は、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cを回転停止させるための操作であり、たとえば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作がある。そして、精算操作は、貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための操作であり、たとえば、精算スイッチ24の押圧操作がある。また、主制御手段100は、各リール3a,3b,3cを用いた遊技に関する制御を行い、副制御手段200は、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う。主制御手段100および副制御手段200については、後にさらに詳しく説明する。
本実施形態においては、遊技メダルがメダル投入口21に投入されると、そのことを示す情報である第3情報が通路センサ28aの検知に基づいて生成され、この第3情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。第3情報は、本発明の通路センサ通過情報となる。また、遊技メダルが投入された際にブロッカ48がON状態とされており、投入された遊技メダルがホッパ50に通じる受入通路に導かれた場合には、そのことを示す情報である第1,第2情報が投入メダルセンサ28b,28cの検知に基づいて生成され、この第1,第2情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。投入メダルセンサ28b,28cが本発明のベット受付手段となる。
さらに、1−BETスイッチ22が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報である1−BET情報が1−BETスイッチ22の検知に基づいて生成され、この1−BET情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。同様に、MAX−BETスイッチ23が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報であるMAX−BET情報がMAX−BETスイッチ22の検知に基づいて生成され、このMAX−BET情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。
また、スタートレバー25が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報であるスタート情報がスタートレバー25のスイッチ回路(図示略)の検知に基づいて生成され、このスタート情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。同様に、ストップスイッチ26a,26b,26cがそれぞれ操作中であるか非操作中であるかの各操作状態を示す情報であるリール停止情報がストップスイッチ26a,26b,26cおよびリール停止情報回路91の検知に基づいて生成され、このリール停止情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。
また、精算スイッチ24が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報である精算情報が精算スイッチ24の検知に基づいて生成され、この精算情報が入力ポートを介して主制御基板60に入力されるようになっている。なお、本実施形態におけるリジェクトスイッチ27は、メダル投入口21から投入されてセレクタ内に滞留したメダルを機械的に解放状態として、滞留したメダルを返却させるためのものである。ここで、メダル投入口21から投入されて滞留したメダルには、(正規の遊技メダル以外のメダルも含まれる。リジェクトスイッチ27が操作中であるか非操作中であるかの操作状態を示す情報は生成されない。ただし、この情報を生成するように構成することもできる。なお、以下の説明において、上述の第3情報、第1,第2情報、1−BET情報、MAX−BET情報、スタート情報、リール停止情報、および精算情報を総称して、適宜「遊技操作情報」と称することがある。
主制御手段100は、役決定手段101、リール制御手段102、設定変更手段103、遊技状態設定手段104、ベット管理手段105、遊技操作処理時機導出手段106、および停止表示図柄判定手段107を備えている。また、主制御手段100は、ブロッカ制御手段108、表示ランプ制御手段110、メイン情報記憶手段118、および情報送信手段119を備えている。なお、主制御手段100における各手段は、図3に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエアおよびROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。主制御手段100におけるブロッカ制御手段108は、本発明のブロッカ制御手段となる。また、RAM63は、本発明のブロッカ作動情報記憶手段となる。
役決定手段101は、スタートレバー25が傾動操作されたことを契機として、より詳細には、遊技操作処理時機導出手段106によって導出された役決定開始時機に基づいて、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果の中から少なくとも1つの役決定結果を選出するための役抽選処理を行うように構成されている。この役抽選処理は、図3に示す乱数発生器66およびサンプリング回路67を用いた乱数抽選により行われる。
具体的には、乱数発生器66により生成された乱数列の中から、サンプリング回路67によって1つの乱数(数字)を取得(ラッチおよび読込み)した後、その取得乱数が、図示しない役抽選テーブルに設定された複数の数値範囲の中のどの数値範囲に属するのかを判定し、取得乱数が属する数値範囲に対応した役抽選結果を選出するように構成されている。
リール制御手段102は、役決定手段101における役抽選処理により役抽選結果が選出された後に、各リール3a,3b,3cを一斉に回転開始させるとともに、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次押圧操作され、それらの各信号が入力された際に、対応する各リール3a,3b,3cを順次回転停止させるように構成されている。なお、各リール3a,3b,3cの回転停止制御は、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a,3b,3cが最大で4図柄移動する範囲内で行われる。すなわち、役決定手段101による役抽選処理の結果、所定の遊技役が決定されている場合には、可能な限りその決定された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、設定されたいずれの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように停止制御がなされるようになっている。
設定変更手段103は、設定変更スイッチ84が受け付けた設定変更指令操作に基づき役決定確率等の設定を、たとえば6段階(設定値1〜設定値6)で変更する設定変更を行うように構成されている。また、設定変更を行った場合には、設定変更後の設定値の情報等を、情報送信手段119を介して副制御手段200へ送信するように構成されている。
遊技状態設定手段104は、所定の遊技状態移行条件の成立を契機として、複数の遊技状態のうちのいずれかの遊技状態を設定するように構成されている。また、設定変更手段103により設定変更が行われた際には、設定変更後の遊技状態が設定変更前の遊技状態と同じ遊技状態となるように、設定変更後に設定する遊技状態を決定するように構成されている。
ベット管理手段105は、遊技者によるベット操作により設定されたベット数が規定枚数に達したか否かを判定するように構成されている。ここでのベット操作には、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作や1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作が含まれる。さらに、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作は、特に、投入メダルセンサ28aにより検出される投入操作を意味する。また、再遊技役が成立した場合に、次の遊技期間において、自動ベット処理を行うように構成されている。自動ベット処理とは、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、直前の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理である。
遊技操作処理時機導出手段106は、入力ポートからの各遊技操作情報が適正な時機に出力された場合に、出力された遊技操作情報を有効に受け付ける。ここで受け付けた遊技操作情報に基づく処理は、予めプログラムされた処理である。
停止表示図柄判定手段107は、各リール3a,3b,3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。また、どの図柄が停止表示されたのかを示す情報である停止表示図柄情報、または成立した遊技役を示す情報である成立役情報を、情報送信手段119を介して副制御手段200へ送信するように構成されている。
ブロッカ制御手段108は、ブロッカ信号をブロッカ48に出力して、ブロッカ48をON状態とOFF状態と間で切り替える制御を行っている。ここで、ブロッカ48がON状態にあるときには、遊技メダル受入可能状態となる。また、ブロッカ48がOFF状態にあるときには、遊技メダル受入不可状態となる。
表示ランプ制御手段110は、各種表示用ランプの点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。ここでの各種表示用ランプには、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46j等が含まれる。なお、図4では、上述の表示用ランプのうち、MAX−BET表示ランプ46aのみを表示している。
メイン情報記憶手段118は、役決定手段101における乱数抽選による役抽選処理によって選出された役抽選結果を示す情報や、遊技状態設定手段104により設定された遊技状態を示す情報を記憶するように構成されている。
情報送信手段119は、遊技に関する各種情報を副制御手段200に送信するように構成されている。ここでの遊技に関する各種情報としては、たとえば、スタートレバー25やストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたことの情報、役抽選結果を示す情報および当選役の成立の有無の情報、遊技状態の設定情報等がある。さらに、主制御手段100は、図示しない貯留枚数記憶手段を備えている。貯留枚数記憶手段は、スロットマシン1に貯留されている遊技メダルの貯留枚数を電気的に記憶している。貯留枚数記憶手段に記憶される遊技メダルの最大枚数(限界枚数)は50枚とされており、貯留枚数が限界枚数を超えた場合には、遊技メダルが返却口から返却される。
一方、副制御手段200は、演出実行制御手段202、サブ情報記憶手段208および情報受信手段209を備えている。なお、副制御手段200における上述の各手段は、図3に示す副制御基板70上に配されたサブCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエアおよびROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
演出実行制御手段202は、画像表示装置11、スピーカ15a,15b,44a,44b、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a,38b,38cを用いた各種の演出を制御するように構成されている。
サブ情報記憶手段208は、主制御手段100から送信された情報や、演出制御に関する情報を記憶するように構成されている。情報受信手段209は、主制御手段100から送信された遊技に関する各種情報を受信し、演出実行制御手段202およびサブ情報記憶手段208に対して必要な情報を伝達するように構成されている。
[設定変更後の復帰処理]
先にも述べたように本実施形態では、設定変更スイッチ84が設定変更指令操作を受け付けた場合には、設定変更手段103により、役決定確率等の設定変更が行われるように構成されている。この設定変更が行われた場合、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶された情報、およびサブ情報記憶手段208の各記憶領域に記憶された情報は次のように処理されるように構成されている。
設定変更は、電源断の状態において設定鍵型スイッチ83をONにし、再び電源を投入した後に設定変更スイッチ84を操作することにより可能となる。電源断時には、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶されていた情報およびサブ情報記憶手段208の各記憶領域に記憶されていた情報は、一旦全て保存される。
一方、設定変更時には、サブ情報記憶手段208の各記憶領域に記憶されていた情報は全て初期化されてクリアされるのに対し、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶されていた情報は、一部は初期化されてクリアされたり更新されたりするが、他の一部は設定変更後に引き継がれるように復帰するようになっている。
[主制御手段における処理]
続いて、本実施形態における主要な制御処理について説明する。まず、主制御手段100における制御処理について説明する。主制御手段100では、電源が投入されると、最初にプログラム開始処理を実行し、続いて設定変更処理または電源復帰処理を経て遊技進行メイン処理へと移行する。この遊技進行メイン処理によって、主に遊技が進行する。
以下、これらの処理について説明するが、プログラム開始処理等においては、主制御手段100への電力の供給が停止されたときである電源断時に実行され電源断処理時におけるデータ等を用いるので、先に電源断処理について簡単に説明する。
[電源断処理]
電源断処理では、割込みを禁止し、制御状態を示す主制御情報を保存する。具体的には、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等を行う。次いで、遊技情報の保存、具体的には、メイン情報記憶手段118の各記憶領域に記憶されている役抽選結果に関する情報や遊技状態に関する情報の保存や、チェックサムのセットを行い、電源断となるまでその状態で待機する。電源断処理が正常に行われ場合には、電源断実行処理フラグを正常値にセットする。こうして、電源断処理を終了する。
それでは、主制御手段100において実行されるプログラム開始処理、設定変更処理、電源復帰処理およびメイン処理について説明する。図5は、プログラム開始処理の手順を示すフローチャート、図6は、設定変更処理の手順を示すフローチャート、図7は、遊技進行メイン処理の手順を示すフローチャートである。
[プログラム開始処理]
図5に示すように、プログラム開始処理においては、まず、レジスタの初期化処理を行う(S1)。レジスタの初期化処理では、主制御手段100におけるシリアル通信回路の通信速度の設定や割込みの種類の設定、さらには、送信するコマンドの設定を行う。次に、電源断復帰準備処理を行う(S2)。電源断復帰準備処理では、電源断処理によって実行した主制御手段100におけるRAM63のチェックサムのセットなどを実行する。なお、電源断処理が正常に行われなかった場合には、チェックサムを実行する処理を実行せずに、電源断復帰データとして異常値がセットされる。遊技の進行中、雷等が発生すると、電源断処理が正常に行われることなく電力の供給が停止してしまうことがある。こうした不意の電力供給の停止の際、電源断処理が正常に行われていないことがある。このような場合に電源断復帰データとして異常値がセットされる。RAM63のチェックサムの処理等が済んだ後に、電源断復帰データをレジスタに記憶する。
続いて、指定スイッチがONされているか否かを判断する(S3)。ここでの指定スイッチは、前扉の開閉を検知するドアスイッチ、設定鍵型スイッチ83、および設定変更スイッチ84の3つのスイッチを意味している。指定スイッチがONされていると判断される具体的な条件は、ドアスイッチが開放され、設定鍵型スイッチ83および設定変更スイッチ84がON方向に回転されていることである。これらの3つの条件が満たされたときに、指定スイッチをONと判断し、その他の場合に指定スイッチがONでないと判断する。
このため、たとえば前扉2が閉じているときに設定鍵型スイッチ83および設定84スイッチ84が回転している場合には、指定スイッチがONとなっていると判断されない。その結果、後に説明する設定変更処理の条件を満たすことがなく、設定変更処理が行われないこととなる。この処理は、不正な状態における設定値の変更を抑制するための処理である。
ステップS3の判断の結果、指定スイッチがONされていると判断した場合には、電源断復帰データが異常であるか否かを判断する(S4)。その結果、電源断復帰データが異常でないと判断した場合には、設定変更不可フラグがONとなっているか否かを判断する(S5)。その結果、設定変更不可フラグがONとなっていると判断した場合には、電源断復帰データが正常であるか否かを判断する(S6)。ここで、電源断復帰データが正常であると判断した場合には、プログラム開始処理を終了し、電源復帰処理に移行する。
一方、ステップS6において、電源断復帰データが正常でないと判断した場合には、復帰不可能エラーのエラー状態となる。復帰不可能エラーに移行すると、この状態が無限ループすることとなる。復帰不可能エラーは、設定変更処理が実行されるまで解除されないエラー状態であり、復帰不可能エラーの解除条件は、設定変更処理が行われることである。
また、ステップS3において、指定スイッチがONされていないと判断した場合には、ステップS6に進み、電源断復帰データが正常であるか否かの判断を行う。このときには、プログラム開始処理を実行する際における設定変更処理が行われないこととなる。また、ステップS4において、電源断復帰データが異常であると判断した場合、およびステップS5において設定変更不可フラグがONとなっていないときには、プログラム開始処理を終了し、設定変更処理に移行する。なお、設定変更不可フラグは、後に説明する役抽選処理から遊技終了チェック処理の間にONとされるフラグである。このため、役抽選処理から遊技終了チェック処理の間は、設定変更処理ができない状態とされる。なお、本実施形態においては設定変更不可フラグを設けて設定変更不可となる時期があるものとしているが、設定変更不可フラグを設けることなく、いつでも設定変更処理ができる状態としたものとすることもできる。
[設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。図6は、設定変更処理の手順を示すフローチャートである。図6に示すように、設定変更処理では、まず、RAM63の所定範囲をレジスタに記憶する(S11)。ここでは、電源断処理が正常に実行されたと判断した場合の範囲をセットし、設定値データや条件装置フラグ(当選役の持ち越し情報)等の初期化は実行しない。
続いて、RAM63の初期化処理を行う(S12)。RAM63の初期化処理では、電源断復帰データが正常であるか否かを判断し、電源断復帰データが正常である場合には、レジスタに記憶されている所定範囲または特定範囲のいずれかを初期化する。また、電源断復帰データが正常出ないと判断した場合には、これらの他に、設定値データ、遊技状態番号、条件装置フラグ等についても合わせて初期化する。
RAM63の初期化が済んだら、割込み処理の起動設定を行う(S13)。割込み処理の起動設定では、割込み処理の種類やタイマ割込みの周期の設定を行う。タイマ割込みの周期はたとえば2.235msに設定される。ただし、タイマ割込みの周期を他の時間に設定することもできる。割込み処理の起動設定が終了した後に割込み処理が実行可能とされる。
続いて、設定変更開始を示すデータをレジスタに記憶させる(S14)。設定変更開始を示すデータは、設定変更処理が実行されることを副制御手段200に知らせるためのコマンドである。このときに、電源断実行処理フラグをクリアする。それから、制御コマンドをセットする(S15)。この「制御コマンドセット」は、以下に説明する処理においても適宜実行されるものであるが、副制御手段200に送信するためのコマンドデータをRAM63に記憶する処理を意味するものとする。
続いて、設定値が正常範囲にあるか否かを判断する(S16)。その結果、設定値が正常範囲にないと判断した場合には、設定値「1」をRAM63に記憶し(S17)、図示しない設定変更処理中のランプを点灯させる処理を行う(S18)。それから、設定変更スイッチ84の操作が検出されたか否かを判断する(S19)。その結果、設定変更スイッチ84がの操作が検出されていると判断した場合には、設定変更スイッチ84の操作に応じた設定値に設定値を更新する(S20)。また、設定変更スイッチ84の操作が検出されていないと判断した場合には、そのままステップS21に進む。
続いて、スタートスイッチがONとなったか否かを判断する(S21)。スタートスイッチは、スタートレバー25が操作されることでONとなる。その結果、スタートスイッチがONとなっていない場合にはステップS19に戻り、設定変更スイッチ84が操作されているかを判断する。また、スタートスイッチがONとなっている場合には、ステップS22に進む。この処理により、設定変更が完了するための条件は、スタートレバー25の操作となる。
その後、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっているか否かを判断する(S22)。その結果、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっていないと判断した場合には、ステップS22の処理を繰り返す。一方、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっていると判断した場合には、設定変更処理中のランプを消灯させ(S23)、設定変更終了を示すデータをレジスタにセットする(S24)。設定変更終了を示すデータのセットにより、設定変更処理の終了を副制御手段200に知らせることが可能となる。その後、制御コマンドをRAM63にセットして(S25)、設定変更処理を終了し、遊技進行メイン処理に移行する。
[電源復帰処理]
プログラム開始処理において設定変更処理に移行することなく電源断復帰データが正常であった場合に実行される電源復帰処理について説明する。電源復帰処理では、設定値が正常であるか否かを判断し、設定値が正常である場合に、RAM63における未使用領域の初期化範囲をレジスタにセットする。また、設定値が正常でない場合には、復帰不可能エラーとなるが、設定変更処理を行うことでエラーを解除することができる。
次に、RAM63の初期化で定められた範囲を初期化し、RAM63における定められた範囲の初期化が完了した後、電源断前の入力データのうち必要なデータを最新のデータに更新する処理を行う。その後、割込み処理の起動設定を行い、電源断実行フラグをクリアする。こうして、電源復帰処理を終了し遊技進行メイン処理へと移行する。
[遊技進行メイン処理]
続いて、遊技進行メイン処理について説明する。図7は、遊技進行メイン処理の手順を示すフローチャートである。図7に示すように、遊技進行メイン処理では、まず、遊技開始処理を行う(S31)。遊技開始処理では、前回の遊技の際に有効ライン29に停止表示された図柄組合せに基づいて、今回の遊技が再遊技であるか否かなどをセットする。さらに、ウエイト待機や設定状態、遊技状態などの各種遊技情報を示すコマンドを副制御基板70に送信するため、それぞれRAM63に書き込む。
遊技開始処理が済んだら、遊技メダル受付開始処理を行う(S32)。遊技メダル受付開始処理では、再遊技の際に遊技メダルの自動投入を行ったり、ブロッカ48をON状態にしてメダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に誘導できるようにしたりする。遊技メダル受付開始処理が終了したら、遊技メダル投入待ち時表示処理を行う(S33)。遊技メダル投入待ち時表示処理では、設定確認作業を行うことできる状態を作るようにする。遊技メダル投入待ち時表示処理が終了した後は、遊技メダル管理処理を行う(S34)。遊技メダル管理処理では、メダル投入口21に投入されたメダルに基づいた投入処理や1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23、精算スイッチ24の操作に基づいた処理等を行う。これらの遊技メダル受付開始処理、遊技メダル投入待ち時表示処理、遊技メダル管理処理については、後に詳しく説明する。
遊技メダル管理処理が済んだら、遊技メダルのベット枚数がベット規定数と一致し、かつスタートレバー25が操作されてスタートスイッチがONとなったか否かを判断する(S35)。ステップS35の条件が満たされない場合には、ステップS33に戻り、遊技メダル投入待ち時表示処理を行う。また、ステップS35の条件が満たされると、ブロッカ48をOFF状態にするためにブロッカOFF処理を行う(S36)。ブロッカ48をOFFにすることで、遊技メダルの受付が中止される。また、ブロッカOFF処理の際に、ブロッカON処理(図16)でセットしたブロッカON状態情報を「0」にする。
ブロッカOFF処理が済んだら、役抽選処理を行う(S37)。役抽選処理は、役決定手段101によって行われる。役抽選処理が済んだら、フリーズ抽選処理を行う(S38)。フリーズ抽選処理は、フリーズ演出等の態様を決定する処理を行う。フリーズ演出処理を実行する際には、ステップS35において遊技メダルのベット枚数がベット規定数と一致し、かつスタートレバー25が操作されてスタートスイッチがONとなったと判断された場合に、所定のフリーズ時間のフリーズ制御を実行する。フリーズ制御とは、遊技の進行を所定期間一時停止状態にする制御であり、演出に関する操作を除いた遊技操作の受付を停止する制御である。また、フリーズ時間は、フリーズ演出の態様によって適宜決定することができる。このフリーズ時間としては、1種類の時間としておくこともできるし、複数種類の時間を設定し、フリーズ演出に応じて複数種類の時間の中から適宜決定できるようにすることもできる。フリーズ抽選処理は、基本的には、役抽選処理の抽選結果に基づいて行われる。ただし、役抽選処理の結果以外の条件、たとえば停止表示された図柄組み合わせの表示態様等によって決定することもできる。
フリーズ抽選処理が済んだら、リール停止管理処理を行う(S39)。リール停止管理処理では、リールの加速から停止までのリールの動作を管理する処理を行う。その後、表示判定処理を行い(S40)、払出処理を行う(S41)。表示判定処理では、停止された各リール3a,3b,3cにおける有効ライン上に停止表示された図柄組み合わせを判定し、所定の入賞役等に該当するか否かの判定処理を行う。払い出し処理では、表示判定処理における判定結果に基づいて、遊技メダル払出口41から遊技メダルを払い出す処理を行う。ただし、貯留枚数が最大枚数に到達していない場合には、貯留枚数が最大枚数に到達するまでは、遊技メダル払出口41からの払い出しに代えて、貯留枚数の加算を行う。そして、遊技終了チェック処理(S42)を行い、ステップS31に戻る。以後、この処理を繰り返して実行する。
それでは、遊技メダル受付開始処理について説明する。図8は、遊技メダル受付開始処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、遊技メダル受付開始処理においては、最初に、前回の遊技の際におけるベット数に相当する遊技メダル枚数データをクリアする(S51)。
次に、投入枚数表示LEDを消灯し(S52)、遊技メダル管理フラグ(遊技メダル限界フラグ、再遊技表示LEDのランプ等)をOFFにする(S53)。さらに、作動フラグチェック処理(S54)を経た後、前回の遊技が再遊技であり、再遊技作動時となっているか否かを判断する(S55)。その結果、再遊技作動時であると判断した場合には、貯留枚数読込み処理を行う(S56)。貯留枚数読込み処理では、スロットマシン1の内部に貯留されている(クレジットされている)メダルの枚数を読み込む処理を行う。
それから、貯留枚数が限界枚数である50枚に到達しているか否かを判断する(S57)。その結果、貯留枚数が限界枚数に到達してないと判断した場合には、図16に示すブロッカON処理を行う(S58)。ブロッカON処理については、後に詳しく説明する。ブロッカON処理が済んだ後に再遊技表示LEDを点灯させ(S59)、副制御手段200に対する自動投入時の出力要求をセットする(S60)。自動投入時の出力要求では、前回の遊技の際におけるベット数と同数の自動ベット処理の出力要求を行う。なお、「出力要求のセット」は、以下に説明する処理においても適宜実行されるものであるが、副制御手段200に送信するためのコマンドデータをセットする処理を意味するものである。その後、制御コマンドをセットし(S61)、図13に示す遊技メダル1枚加算処理を行う(S62)。遊技メダル1枚加算処理については、後に説明する。
遊技メダル1枚加算処理を行った後、遊技メダル限界に到達したか否かを判断する(S63)。遊技メダル限界は、メダルのベット規定数であり、たとえば3枚または2枚となる。この判断の結果遊技メダル限界に到達していないと判断した場合には、ステップS62に戻り、遊技メダル1枚加算処理を行い、遊技メダル限界に到達したと判断するまでステップS62,63の処理を繰り返す。また、遊技メダル限界に到達したと判断した時に、遊技メダル枚数データをセットして(S64)、遊技メダル受付開始処理を終了する。
他方、ステップS55において、再遊技作動時でないと判断した場合には、ブロッカON処理を行う(S65)。ここでのブロッカON処理は、ステップS58におけるブロッカON処理と共通する処理を行う。再遊技が作動したときに、貯留枚数が限界枚数となっていると、メダルの投入を受け付けることなくなるので、ブロッカON処理を行わないこととなるが、再遊技でないときには、BETが可能な状態となり、メダルの投入を受け付けることとなるので、貯留枚数が限界枚数となっているときであっても、ブロッカON処理を行うこととしている。ブロッカON処理が済んだ後は、そのまま遊技メダル受付開始処理を終了する。
続いて、遊技メダル投入待ち時表示処理について説明する。図9は、遊技メダル投入待ち時表示処理の手順を示すフローチャートである。なお、遊技メダル投入待ち時表示処理は、遊技メダルがベットされていない場合に実行される処理であり、遊技メダルがベットされている状態のときには、遊技メダル投入待ち時表示処理を行うことなく、次の遊技メダル管理処理に進む。図9に示すように、遊技メダル投入待ち時表示処理では、最初に、設定鍵型スイッチ83がONとなっているか否かを判断する(S71)。
その結果、設定鍵型スイッチ83がONとなっていると判断した場合には、ブロッカをOFFにするブロッカOFF処理を行う(S72)。続いて、副制御手段200に対する設定値表示開始時の出力要求をセットし(S73)、制御コマンドをセットする(S74)。その後、設定表示LEDを点灯させる(S75)。
設定表示LEDを点灯させたら、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっているか否かを判断する(S76)。その結果、設定鍵型スイッチ83がOFFとなっていないと判断した場合には、設定鍵型スイッチ83がOFFとなるまで、ステップS76の処理を繰り返す。一方、設定鍵型スイッチ83がOFFとなったと判断した場合には設定表示LEDを消灯させる(S77)。
続いて、副制御手段200に対する設定値表示終了時の出力要求をセットし(S78)、制御コマンドをセットする(S79)。それから、ブロッカON処理を行う(S80)。このブロッカ処理は、図8に示すステップS58およびステップS65に示す処理と共通する処理であり、その内容については後に説明する。
その後、遊技待機表示が開始されたか否かを判断する(S81)。具体的には、所定時間(たとえば60秒間)遊技メダルがベットされていないか否かを判定する。その結果、遊技待機表示が開始された(上記の所定時間遊技メダルがベットされていない)と判断した場合には、獲得枚数表示をクリアし(S82)、遊技メダル投入待ち時表示処理を終了する。また、遊技待機表示が開始されていないと判断した場合には、獲得枚数表示をクリアする処理を行うことなく、そのまま遊技メダル投入待ち時表示処理を終了する。
続いて、遊技メダル管理処理について説明する。図10は、遊技メダル管理処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すように、遊技メダル管理処理では、最初に、ブロッカ信号がONとなっているか否かを判断する(S91)。具体的には、RAM63に設定されたブロッカ信号を記憶するための領域を参照することで、ブロッカ信号がONとなっているかを判断する。ここで、ブロッカ信号がONとなっているときには、ブロッカ48により遊技メダルがホッパ50に振り分けられる。
その結果、ブロッカ信号がONとなっていると判断した場合には、上流側投入メダルセンサ28b(以下「投入センサ1」ともいう)または下流側投入メダルセンサ28c(以下「投入センサ2」ともいう)がONとなっているか否かを判断する(S92)。その結果、投入センサ1または投入センサ2がONとなっていると判断した場合には、メダルの投入を意味するので、遊技メダル投入チェック処理に移行する。遊技メダル投入チェック処理については、遊技メダル管理処理の説明の後に説明する。
また、ステップS91において、ブロッカ信号がONでないと判断した場合、およびステップS92において、投入センサ1または投入センサ2がONとなっていないと判断した場合には、遊技メダル管理処理には移行しないこととなる。この場合には、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24の操作の受付が可能となっているか否かを判断する(S93)。
ここで、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24の操作の受付が可能となっていると判断した場合には、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23または精算スイッチ24の操作を検知したか否かを判断する(S94)。その結果、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24の操作を検知したと判断した場合には、検知した操作が精算スイッチ24の操作であるか否かを判断する(S95)。
その結果、検知した操作が精算スイッチ24の操作であると判断した場合には、メダル精算処理を行う(S96)。メダル精算処理では、スロットマシン1の内部に貯留されている枚数のメダルを遊技メダル払出口41から払い出す処理を実行する。また、検知した操作が精算スイッチ24の操作でないと判断した場合には、貯留投入処理を行う(S97)。貯留投入処理では、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23の操作に応じた枚数のメダルのベット処理を行う。こうして、遊技メダル管理処理を終了する。また、ステップS94において1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24の操作の受付が可能となっていないと判断した場合、ステップS95において1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23および精算スイッチ24の操作を検知していないと判断した場合は、いずれもそのまま遊技メダル管理処理を終了する。
続いて、遊技メダル投入チェック処理について説明する。遊技メダル投入チェック処理は、図11および図12に示すフローに沿って行われる。図11は、遊技メダル投入チェック処理の手順を示すフローチャート、図12は、図11に続く処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すように、遊技メダル投入チェック処理においては、まず、スタートスイッチ41の受付け許可フラグをクリアする(S101)。次に、投入センサ1がONであるか否かを判断する(S102)。
その結果、投入センサ1がONであると判断した場合には、投入センサ1の通過チェック時間をセットする(S103)。投入センサ1によりメダルが検知されると投入センサ1がONとなるが、その後、所定時間を経過しても第1情報に係るデータがOFFにならないときは、メダル詰まり等が考えられるので、投入センサ1の通過チェック時間を計測する。投入センサ1の通過チェック時間は、メダル詰まりを判定するための任意の時間とすることができ、たとえば100ms〜200ms程度とすることができる。
続いて、投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしているか否かを判断する(S104)。その結果、投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしていると判断した場合には、投入センサ2の通過チェック時間をセットする(S105)。投入センサ2の通過チェック時間についても、投入センサ1の通過チェック時間と同様に、たとえば100ms〜200ms程度とすることができる。
さらに、投入センサ1がOFFであり、投入センサ2がONであるという条件を満たしているか否かを判断する(S106)。その結果、投入センサ1がOFFであり、投入センサ2がONであるという条件を満たしていると判断した場合には、投入センサ1および投入センサ2がOFFであるという条件を満たしているか否かを判断する(S107)。
また、ステップS104において、投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしていないと判断した場合には、投入センサ1がONであるか否かを判断する(S108)。ここで、投入センサ1がONであると判断した場合には、投入センサ1のチェック時間が経過しているか否かを判断する(S109)。その結果、投入センサ1のチェック時間が経過していないと判断した場合には、ステップS104に戻る。
さらに、ステップS106において、投入センサ1がOFFであり、投入センサ2がONであるという条件を満たしていないと判断した場合には、投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしているか否かを判断する(S110)。その結果、投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしていると判断した場合には、投入センサ1または投入センサ2のチェック時間が経過しているという条件を満たしているか否かを判断する(S111)。ここで、投入センサ1または投入センサ2のチェック時間が経過しているという条件を満たしていないと判断した場合には、ステップS106に戻る。
また、ステップS107において、投入センサ1および投入センサ2がOFFであるという条件を満たしていないと判断した場合には、投入センサ2がONであるか否かを判断する(S112)。その結果、投入センサ2がONであると判断した場合には、投入センサ2のチェック時間が経過したか否かを判断する(S113)。ここで、投入センサ2のチェック時間が経過していないと判断した場合には、ステップS107に戻る。
さらに、ステップS107において投入センサ1および投入センサ2がOFFであるという条件を満たしていると判断した場合には、図12に示すフローに移行し、ベット規定数およびリプレイ作動の確認を行う(S114)。それから、ベット枚数および貯留枚数読込み処理を行う(S115)。
続いて、次のメダルが投入可能か否かを判断する(S116)。ここでは、リプレイの非作動時には、ベット規定数と最大貯留枚数の加算値と、ベット枚数と貯留枚数との加算値と、の差が0のときには、次のメダルが投入不能と判断され、両加算値の差が−1以下のときに、次の投入メダルが投入可能と判断される。また、リプレイ作動時には、最大貯留枚数と貯留枚数との差が0のときに次のメダルが投入不能と判断され、最大貯留枚数と貯留枚数との差が−1以下のときに、次の投入メダルが投入可能と判断される。なお、リプレイの作動時においても、リプレイの非作動時と同様の判定方法によって次のメダルが投入可能か否かを判定する演算処理を行うこともできる。リプレイの作動時には、ベット枚数はベット規定数となっていることから、最大貯留枚数と貯留枚数との差が0のときに次のメダルが投入不能と判断され、最大貯留枚数と貯留枚数との差が−1以下のときに次のメダルが投入不能と判断される。
その結果、次のメダルの投入が可能でないと判断した場合には、ブロッカ信号をOFFにする(S117)。その後、1枚投入を示すデータをレジスタに記憶する(S118)。また、次のメダルの投入が可能であると判断した場合には、ブロッカ信号をOFFにすることなく、そのまま、1枚投入を示すデータをレジスタに記憶する(S118)。
それから、制御コマンドをセットし(S119)、遊技メダル限界フラグがONであるか否かを判断する(S120)。その結果、遊技メダル限界フラグがONである場合には、貯留枚数1枚加算処理を行う。一方、遊技メダル限界フラグがONでない場合には、遊技メダル1枚加算処理を行う。貯留枚数1枚加算処理および遊技メダル1枚加算処理については、後に説明する。
また、ステップS108において、投入センサ1がONでないと判断した場合は、遊技メダル不正通過エラーを示すエラー番号等のデータをレジスタに記憶させる(S121)。ステップS104で投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしていないにも関わらず、投入センサ1がONでないと判断されるのは、投入センサ1がONでなく、投入センサ2がONのときである。いま、投入センサ1は投入センサ2よりも上流側に配置されていることから、このときには、不正が行われている可能性があることとなる。そこで、この場合には、遊技メダル不正通過エラーを示すデータをレジスタに記憶させるようにしている。
さらに、ステップS110において、投入センサ1および投入センサ2がONであるという条件を満たしていないと判断した場合およびステップS112において投入センサ2がONでないと判断した場合にも、不正が行われている可能性がある。このため、これらの場合にも、遊技メダル不正通過エラーを示すデータをレジスタに記憶させる(S121)。そして、遊技メダル不正通過エラーを示すデータをレジスタに記憶させた後、エラー表示処理を行う(S122)。エラー表示処理については後に説明する。こうして、遊技メダル投入チェック処理を終了する。
また、ステップS109において、投入センサ1のチェック時間が経過したと判断した場合には、遊技メダルの滞留が発生している可能性がある。このため、遊技メダル滞留エラーを示すエラー番号などのデータをレジスタに記憶させる処理を行う(S123)。さらに、ステップS111において、投入センサ1または投入センサ2のチェック時間が経過しているという条件を満たしていると判断した場合やステップS113において投入センサ2のチェック時間が経過したと判断した場合も同様に、遊技メダルの滞留が発生している可能性がある。このため、遊技メダル滞留エラーを示すデータをレジスタに記憶させる処理を行う(S123)。そして、遊技メダル不正通過エラーを示すデータをレジスタに記憶させた後、エラー表示処理を行い(S122)、遊技メダル投入チェック処理を終了する。
遊技メダル投入チェック処理では、ブロッカ信号がONの時に通路センサ28aや投入メダルセンサ28b,28cに基づくエラーが発生した場合には遊技をすぐに停止するブロッカOFF等の処理に移行するようにしている。このエラーの検出を行う際には、後に説明する投入監視カウンタを用いている。遊技メダル投入チェック処理では、投入センサ2がONからOFFとなり、投入センサ2から入力される第2情報が立ち下がり状態となって、ステップS107において、投入センサ1および2がOFFであるという条件が満たされたときに、投入監視カウンタを「1」減算する。さらに、その後、投入監視カウンタのカウント値をが正常範囲(0〜3)であるか否かを判定し、正常範囲にない場合にはエラー(異常)の発生を検出する。また、通路センサ28aや投入メダルセンサ28b,28c等に基づくエラーが発生しているときには、割込み処理による通路センサ28aの監視処理や投入メダルセンサ28b,28cの監視処理を実行しないようにしている。ただし、この場合には、ホッパ50に備えられた払出センサの監視は割込みの周期に基づいて行い、払出センサによって遊技メダルの滞留や逆流などの異常を検出した場合には、検出した異常に伴うエラーコマンドを副制御手段200に送信するセット処理を実行する。
続いて、貯留枚数1枚加算処理について説明する。図13は、貯留枚数1枚加算処理の手順を示すフローチャートである。図13に示すように、貯留枚数1枚加算処理では、まず、スロットマシン1に貯留されている遊技メダルの貯留枚数読み込みを行う(S141)。この処理は、図8に示す遊技メダル受付開始処理のステップS56の処理と同一である。次に、遊技メダルの貯留枚数を1加算する処理を行う(S142)。たとえばスロットマシン1における貯留枚数が「18」であった際には、この処理により、スロットマシン1における貯留枚数が「19」となる。それから、1加算した後の貯留枚数のデータを保存する(S143)。こうして、貯留枚数1枚加算処理を終了する。
さらに、遊技メダル1枚加算処理について説明する。図14は、遊技メダル1枚加算処理の手順を示すフローチャートである。図14に示すように、遊技メダル1枚加算処理では、まず、遊技メダルの読込み処理を行う(S161)。遊技メダルの読込み処理は、遊技者等によってベット操作が行われた際に行われる。
次に、遊技メダルのベット枚数を1加算する(S162)。遊技メダルのベット枚数の加算は、MAX−BETスイッチ23の押圧操作が行われた場合でも、1枚ずつの加算処理を行う。続いて、獲得メダル枚数をクリア処理する(S163)。ここでは、前回の遊技の入賞による遊技メダルの払出枚数表示を行うためのデータを消去する。
それから、投入枚数表示LED点灯データを生成する(S164)。ここでは、遊技メダルの1枚の投入に対して、遊技メダルが1枚投入されるごとに、1つの投入枚数表示LEDを点灯させる処理を行うためのデータを生成する。それから、生成されたデータに基づいて、投入枚数表示LEDを点灯させる(S165)。
続いて、ベット規定数を確認する処理を行い(S166)、さらに、遊技メダルのベット枚数の読込み処理を行う(S167)。それから、遊技メダルのベット枚数が、限界値に到達したか否かを判断する(S168)。ここでは、遊技メダルのベット規定数とベット枚数とを比較し、ベット枚数がベット規定数に到達しているときに、限界値に到達したと判断する。また、ベット枚数がベット規定数に到達していないときには限界値に到達していないと判断する。
ステップS168の判断の結果、遊技メダルのベット枚数が限界値に到達していると判断した場合には遊技メダル限界フラグをセットし(S169)、遊技メダル1枚加算処理を終了する。一方、遊技メダルのベット枚数が限界値に到達していないと判断した場合には、遊技メダル限界フラグをセットすることなく、そのまま遊技メダル1枚加算処理を終了する。
続いて、エラー表示処理について説明する。図15は、エラー表示処理の手順を示すフローチャートである。図15に示すように、エラー表示処理では、まず、エラー番号の保存を行う(S181)。スロットマシン1において発生するエラーには、上記の遊技メダル不正通過エラーや遊技メダル滞留エラーを含め、そのほかに種々のエラーが存在する。これらのエラーが発生した場合に、エラー表示処理が行われるが、エラー表示処理に移行する前に、発生したエラーに相当するエラー番号を記憶している。ステップS181では、ことのときに記憶したエラー番号を保存する。
次に、エラーが発生する直前におけるブロッカ信号およびホッパ50におけるホッパモータの駆動信号の状態情報を退避させる(S182)。それから、ホッパモータ駆動信号をOFFにする(S183)。ホッパモータ駆動信号をOFFにすることで、エラー発生時における遊技メダルの払出をいったん中止するようにし、遊技メダルの払出の過誤を抑制している。
続いて、ブロッカOFF処理を行う(S184)。このブロッカOFF処理によって、ブロッカ48をOFF状態にして、エラー発生時における遊技メダルの受入をいったん中止している。こうして、エラー発生時における遊技メダルの受付の過誤を抑制している。さらに、スタートレバー受付許可フラグをクリアし(S185)、スタートレバー25の操作に基づくスタート情報の受付をいったん中止している。こうして、エラー発生時には遊技をすぐに中止させるようにしている。また、このブロッカOFF処理が実行された際には、ブロッカ48をOFF状態にするタイミングに同期して副制御手段200によってエラーの発生を報知する態様とすることもできる。
それから、獲得枚数表示ランプ46jに表示されている獲得枚数表示を退避させ(S186)、エラー表示をセットする(S187)。こうして、獲得枚数表示ランプ46jに対して、エラー表示を行う。ここでのエラー表示は、ステップS181で保存したエラー番号に対応する表示とされる。それから、エラー表示を開始する際の出力要求をセットし(S188)、制御コマンドをセットする(S189)。
続いて、エラー発生報知処理を行う(S190)。エラー発生報知処理では、エラー番号に対応するエラーを示す情報を遊技場の店員等に報知し、エラー要因を除去する処理を促す。さらには、エラー要因が除去され、かつ図示しないリセットボタンが操作されたか否かの検査を行う。その結果、エラー要因が除去され、かつリセットボタンが操作されたか否かを判断する(S191)。ここで、エラー要因が除去されていない、またはリセットボタンが操作されていないと判断した場合には、ステップS190に戻り、エラー発生報知処理を行う。このエラー発生報知処理をエラー要因が除去されるまで繰り返す。
一方、エラー要因が除去され、かつリセットボタンが操作されたと判断した場合には、保存したエラー番号をクリアする(S192)。それから、獲得枚数表示を復帰させ(S193)、獲得枚数表示ランプ46jに獲得枚数を再表示させる。その後、エラー表示終了時の出力要求をセットし(S194)、制御コマンドをセットする(S195)。
それから、ステップS182で退避させたブロッカ信号およびホッパモータ駆動信号の状態情報を復帰させる(S196)。その後、ホッパモータ駆動信号を復帰させ(S197)、続いて、エラー発生前のブロッカ信号がONであったか否かを判断する(S198)。ここで、エラー発生前のブロッカ信号がONであったと判断した場合には、ブロッカON処理を行って(S199)、エラー表示処理を終了する。一方、エラー発生前のブロッカ信号がONでなかったと判断した場合には、ブロッカON処理を行うことなく、そのままエラー表示処理を終了する。
なお、エラー表示処理を行うにあたり、スタートレバー25が操作されてブロッカ信号がOFFとなり、ブロッカ48がOFF状態となったときに、画像表示装置11などにおいて演出が実行されているときには、この演出をキャンセルしてエラー表示を行うことができる。あるいは、スタートレバー25が操作されてブロッカ信号がOFFとなったときに、画像表示装置11などにおいて演出が実行されているときには、演出を継続しながらエラー表示を行うこともできる。
さらに、スタートレバー25が操作されてブロッカ信号がOFFとなり、ブロッカ48がOFF状態となったときに、画像表示装置11などにおいて演出が実行されているときには、演出の種類に応じてエラー表示の実行タイミングを調整することもできる。たとえば、ボーナスの当選などの期待度が高い演出や、遊技者に有利な操作順序を報知するアシスト演出などの特定の演出が実行されているときには、演出を継続したままエラー表示を行い、その他の期待度の低い演出が実行されているときには演出をキャンセルしてエラー表示を行うなどの態様とすることができる。
続いて、ブロッカON処理について説明する。図16は、ブロッカON処理の手順を示すフローチャートである。図16に示すように、ブロッカON処理では、まず、ブロッカOFF時監視時間が経過したか否かを判断する(S201)。その結果、ブロッカOFF時監視時間が経過していないと判断した場合には、ブロッカOFF時監視時間が経過するまで、ステップS201におけるブロッカOFF時監視時間の経過判断を繰り返す。ただし、ステップS201におけるブロッカOFF時監視時間の経過判断を繰り返している過程において、ブロッカ信号がOFFとなった場合には、ブロッカ48をON状態にすることなくブロッカON処理をそのまま終了する。
ここで、ブロッカOFF時監視時間について説明する。通過センサ28aが遊技メダルを検出すると、ブロッカOFF時監視時間がセットされる。ブロッカOFF時監視時間は、たとえば100.57msにセットされる。このブロッカOFF時監視時間は、通過センサ28aが遊技メダルを検知してから、ブロッカ48を通過するまでに要する時間に基づいて設定される。ブロッカOFF時監視時間は、本発明の通過猶予時間に相当する。
いま、ブロッカ信号がONとなると、ブロッカ48の可動板が遊技メダルの流路に当接されてブロッカ48がON状態となる。ここで、通過センサ28aが遊技メダルを検出してから遊技メダルがブロッカ48を通過するまでの間にブロッカ信号がONとなると、ブロッカ48の可動板を遊技メダルの流路に当接させる過程において、ブロッカ48の可動板と遊技メダルの流路との間に遊技メダルが挟み込まれてしまう可能性がある。換言すると、遊技メダルが返却口に流れていく途中でブロッカ48がONとなることで遊技メダルがブロッカ48に挟み込まれてしまう可能性がある。
その一方、通過センサ28aが遊技メダルを検出した後、相当の猶予時間が経過した後にブロッカ48の可動板が遊技メダルの流路に当接されるのであれば、ブロッカ48の可動板を遊技メダルの流路に当接させる際には、遊技メダルはすでにブロッカ48を通過している可能性が高くなる。このため、相当の猶予時間として、ブロッカOFF時監視時間をセットし、ブロッカOFF時監視時間が経過した後にブロッカ信号をONにしてブロッカ48をON状態にすることにより、ブロッカ48の可動板と遊技メダルとの間に遊技メダルが挟み込まれる事態を抑制できる。
ここでの説明からわかるように、ブロッカOFF時監視時間は、長い時間とするほど、ブロッカ48による遊技メダルの挟み込みを好適に抑制できる。ところが、ブロッカOFF時監視時間を長くしすぎると、その分ブロッカ48がON状態となるタイミング遅くなってしまい、遊技メダルの受付開始が遅くなってしまう。遊技メダルの受付開始が遅くなると、スムーズな遊技の進行を妨げる要因となりえることから、遊技メダルの受付開始は極力早めることが望まれる。
そこで、ブロッカOFF時監視時間は、通過センサ28aが遊技メダルを検出してからブロッカ48を通過し終えるまでに経過する時間より長くしながらも、極力短い時間とすることが好適となる。このようなブロッカOFF時監視時間として、本実施形態においては100.57msを設定している。ただし、通過センサ28aが遊技メダルを検出してからブロッカ48を通過し終えるまでに経過する時間より長くしながらも、極力短い時間となるブロッカOFF時監視時間は適宜決定することができ、たとえば数十ms〜数千msの間の適宜の時間とすることができる。
こうして、ステップS201において、ブロッカOFF時監視時間が経過したと判断した場合には、割込み禁止処理を行う(S202)。続いて、ブロッカ信号をONにして、ブロッカ48をON状態とする(S203)。ブロッカ48をONにすることで、メダル投入口21に投入された遊技メダルの受付を行うことができるようにする。ステップS203においてブロッカ信号をONにする処理としては、具体的に、ブロッカ48をONにする(メダル流路を形成する)ための情報をRAM63における所定の記憶領域に格納する処理を実行する。また、ブロッカ信号は、後に詳しく説明する割込み処理においてセレクタ(ブロッカ48)に送信される。このため、RAM63における当該記憶領域に「1」が記憶されている場合には、割込み処理において、ブロッカ信号がセレクタ(ブロッカ48)に送信されてブロッカ48がONとなる。また、RAM63における当該記憶領域に「0」が記憶されている場合には、割込み処理において、ブロッカ信号がセレクタ(ブロッカ48)に送信されてブロッカ48がOFFとなる。
それから、後に説明する入力エラーチェック処理(図18参照)の際にセットされる投入監視カウンタをクリアする(S204)。投入監視カウンタとは、また、投入監視カウンタとは、セレクタに関する異常判定を行うために用いられるカウンタである。投入監視カウンタは、RAM63における所定の記憶領域において、カウント数の情報を記憶している。投入監視カウンタのカウント数は、通路センサ28aがOFFからONになって通路センサ28aからの第3情報を入力して第3情報が立ち上がり状態となったときに「1」加算され、投入センサ2がONからOFFになって投入センサ2からの第2情報を入力して第2情報が立ち下がり状態となったときに「1」減算される。そして、正常投入があった場合の投入センサ2からの第2情報を入力する度に、投入監視カウンタを1減算する。このときに、投入監視カウンタが所定範囲、本実施形態では「0〜3」の範囲外となった場合にはエラーになり、エラー表示を実行する。つまり、投入監視カウンタが所定範囲内の値である場合には正常と判断し、所定範囲から外れると異常と判断するものである。投入監視カウンタによる異常判断は、上記の遊技メダル投入チェック処理におけるステップS107に続く処理として実行される。
なお、投入監視カウンタについては、上記の例のように、その所定範囲を「0〜3」とするほか、最大値を2として「0〜2」の範囲とすることもできるし、あるいは最大値を4として「0〜4」の範囲とすることもできる。所定範囲を「0〜2」とすることで、エラー検出に一層の確実性を持たせることができる。あるいは、所定範囲を「0〜4」とすることで、エラー検出の精度をあえて緩和することもできる。さらには、通路センサ28aから投入センサ2までの距離に応じて、最大値を「3」「4」以外の値とすることもできる。
投入監視カウンタをクリアしたら、ブロッカON状態情報をセットする(S205)。ブロッカON状態情報とは、投入可能表示ランプ46cを点灯させるための情報であって、RAM63における所定の記憶領域に記憶される情報である。当該記憶領域に「1」が記憶されていることに基づいて、後に説明する割込み処理において、投入可能表示ランプ46cを点灯させる処理を行う。一方、当該記憶領域に「0」が記憶されていることに基づいて、後に説明する割込み処理において、投入可能表示ランプ46cを消灯させる処理を行う。その後、ステップS202で禁止した割込み処理を許可する(S206)。こうして、ブロッカON処理を終了する。なお、ステップS204でセットしたブロッカON状態情報は、ステップS36、S72、S184におけるブロッカOFF処理等で「0」とされる。
ここで、ブロッカON処理の際に、割込み処理が実行されると、次の不具合が生じる可能性がある。たとえば、ブロッカON処理の際には、投入監視カウンタをクリアする(S203)が、割込み処理では、後に説明するように、投入監視カウンタが「1」加算されることがある。投入監視カウンタを「1」加算した後、投入監視カウンタをクリアしてしまうと、遊技メダル投入チェック処理において、投入センサ2から入力される第2情報が立ち下がり状態となって投入監視カウンタが「1」減算されると、正常投入であるにもかかわらず、投入監視カウンタが「−1」となって所定範囲である「0〜3」を逸脱してしまう不具合が生じえる。
あるいは、ブロッカ信号をONにした(S203)後、割込み処理が実行され、続いてブロッカ状態信号がONとなると、実際にはブロッカ48ががONとなる処理が当該割込み処理で実行されるのにも関わらず、遊技開始表示LEDが非点灯となっている不整合が生じる不具合が生じえる。これらの不具合の発生を抑制するために割込み禁止処理(S202)を行っている。
[割込み処理]
本実施形態では、遊技者により行われる遊技操作に応じて、入力ポートに入力された遊技操作情報の読込みや信号レベルの検出等の処理が、予め設定された一定の時間毎に実施される割込み処理によって行われる。ここでの一定時間は、たとえば、2.235msとされているが、適宜設定することができる。以下、割込み処理について説明する。
図17は、割込み処理の手順を示すフローチャートである。図17に示すように、割込み処理では、まず、レジスタの退避および重複割込みの禁止処理が行われる(S221)。ここでは、遊技進行メイン処理で使用しているメインCPU61のレジスタを割込み処理で使用するため、現在のレジスタ値をRAM63のスタック領域に退避させる。次に、電源断を検知したか否かを判断し(S222)、電源断を検知したと判断した場合には、電源断処理に移行する。
一方、電源断を検知していないと判断した場合には、制御用カウンタを更新する(S223)。制御用カウンタの更新ではリール3a,3b,3cを回転駆動させる前に実行することがある揺れ変動を行う際に用いる揺れ変動カウンタのカウント値の更新等を行う。揺れ変動カウンタ等の制御用カウンタが設けられていない場合には、このステップを省略することができる。
続いて、タイマ計測を行う(S224)。タイマ計測では、遊技制御処理においてセットされた任意のタイマの経過時間等を計測するものである。ここでのタイマとしては、4.1sのウエイト時間を計測する計測タイマ、通路センサ滞留時間を計測する計測タイマなどがある。タイマ計測を行った後、7セグ表示制御処理を行う(S225)。7セグ表示制御処理では、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46j等の7セグメント表示されるランプの表示制御を行う。
それから、入力ポート読込処理を行う(S226)。この入力ポート読込処理では、入力ポートに入力された各遊技操作情報の読込み、および遊技操作情報のレベルデータのRAM63へのセットなどを行う。レベルデータとは、各遊技操作情報の操作/非操作を示すデータである。
次いで、前回の割込み処理においてセットされたレベルデータと、今回の割込み処理においてセットされたレベルデータとを比較して、第3情報や第1,第2情報などの各種情報の立ち上がりデータや立ち下がりデータをRAM63における立ち上がり/立ち下がりデータを記憶する所定の領域に格納する。ここでの具体的な処理について、たとえば通路センサ28aから入力される第3情報について説明すると前回のタイマ割込みにおいて、第3情報が「LOW」であり、今回の割込み処置において、第3情報が「HIGH」である場合には、第3情報について立ち上がりデータを当該領域に格納する。また、前回のタイマ割込みにおいて、第3情報が「HIGH」であり、今回の割込み処置において、第3情報が「LOW」である場合には、第3情報について立ち下がりデータを当該領域に格納する。これらの立ち上がりデータや立ち下がりデータについて、上流側投入メダルセンサ28b(投入センサ1)から入力される第1情報、下流側投入メダルセンサ28c(投入センサ2)から入力される第2情報、さらにはその他の遊技操作情報などについて当該領域に格納する。こうして、入力ポート読込み処理を終了する。
入力ポート読込処理が済んだら、リール駆動制御処理を行う(S227)。リール駆動制御処理では、各リール3a,3b,3cの回転の加速、減速、定速維持および停止等の制御を行う。このリール駆動制御は、各リール3a,3b,3cのそれぞれに対して行う。それから、全リール3a,3b,3cに対してリール駆動制御を行ったか否かを判断する(S228)。
その結果、全リール3a,3b,3cに対してリール駆動制御を行ったと判断した場合には、ポート出力処理を行う(S229)。ポート出力処理では、RAM63におけるブロッカ信号が記憶される領域に「1」が格納されている場合には、ブロッカ信号をブロッカ48に出力する処理を行う。ブロッカ信号がブロッカ48に出力されることで、ブロッカ48がON状態となる。このように、ブロッカ信号は割込み処理においてブロッカ48に出力されるので、ブロッカ48は、割込み処理でON状態となる。また、RAM63におけるブロッカON状態情報が記憶される領域に「1」が格納されている場合には、ブロッカON状態情報を投入可能表示ランプ48cに出力する処理を行う。ブロッカON状態情報が投入可能表示ランプ48cに出力されることで、投入可能表示ランプ48cが点灯する。このように、ブロッカON状態情報は割込み処理において投入可能表示ランプ48cに出力されるので、投入可能表示ランプ48cは、割込み処理で点灯する。他方、ポート出力処理では、リール3a,3b,3cやホッパ50の励磁出力、さらには各種LEDの出力処理を行う。その後、入力エラーチェック処理を行う(S230)。入力エラーチェック処理は、後にさらに説明する。
それから、制御コマンド送信処理を行う(S231)。制御コマンド送信処理では、RAM63に記憶されている未送信の制御コマンドを副制御手段200、データカウンタ、ホールコンピュータ等に出力する。その後、所定の情報をレジスタに記憶し、乱数更新処理等を行った後、ステップS221で退避させたレジスタを復帰させ、前回の割込みを許可して(S232)、割込み処理を終了する。
続いて、入力エラーチェック処理について説明する。図18は、入力エラーチェック処理の手順を示すフローチャートである。図18に示すように、入力エラーチェック処理では、まず、投入関連エラー発生時であるか否かを判定する(S241)。その結果、投入関連エラー発生時でないと判断した場合には、下流側投入メダルセンサ28cの異常である投入センサ2異常が検出されたか否かを判断する(S242)。
ここで、投入センサ2異常が検出されたと判断した場合には、入力エラーセット処理を行う(S243)。入力エラーセット処理については、入力エラーチェック処理の後に説明する。続いて、通路センサ28aから出力された第3情報が立ち上がり状態となっているか否かを判断する(S244)。この判断は、RAM63における所定の領域に立ち上がりデータが格納されている否かによって行い、立ち上がりデータが格納されているときに立ち上がり状態であると判断する。また、投入センサ2異常が検出されなかったと判断した場合には、入力エラーセット処理を行うことなく、そのままS244に進み、通路センサ28aからの出力情報が立ち上がり状態を判断する。
ステップS244の判断の結果、通路センサ28aから出力された第3情報が立ち上がり状態であると判断した場合には、投入監視カウンタを「1」加算し(S245)、続いて通路滞留時間およびブロッカOFF時監視時間をセットする(S246)。通路滞留時間としては、通路センサ28aに遊技メダルが滞留していると判断するための時間がセットされる。通路滞留時間は、適宜の時間を設定することができるが、たとえば、メダル詰まりと判断する時間である投入センサ1の通過チェック時間と同等の100ms〜200ms程度とすることができる。投入センサ1の通過チェック時間と通路センサ滞留とは、共通する時間に設定することもできるし、異なる時間に設定することもできる。また、通路滞留時間については、メダル詰まりのほか、いわゆるゴト行為によってブロッカ48がON状態とされている場合に、そのゴト行為を検出するための時間を設定することもできる。また、ステップS244の判断の結果、通路センサ28aから出力された第3情報が立ち上がり状態でないと判断した場合には、そのままステップS250に進む。
それから、通路センサ28aがONであるか否かを判断する(S247)。その結果、通路センサがONであると判断した場合には、通路センサ滞留時間が経過しているか否かを判断する(S248)。その結果、通過センサ滞留時間が経過していると判断した場合には、ブロッカ48においてメダル詰まりが発生しているか、あるいはゴト行為によってブロッカ48が不正にON状態とされ、不正なベット誘発行為が発生している可能性がある。このため、ステップS248において、通過センサ滞留時間が経過していると判断した場合には、入力エラーセット処理を行う(S249)。ここでの入力エラーセット処理では、ステップS243と共通する処理が行われる。要は、通路センサ28aからの第3情報が立ち上がり状態であるときには、通路センサ28aがONであり、かつ通路センサ滞留時間が経過しているときに、入力エラーセット処理を行う。
また、ステップS241において投入エラーが発生しているときであると判断した場合には、ホッパ50のエラーであるホッパエラーが発生しているか否かを判断する(S250)。その結果ホッパエラーが発生しているときにはないと判断した場合には、ホッパエラー検出処理を行う(S251)。ホッパエラー検出処理では、払出センサからの検出情報および払出センサの異常検出時間等を参照することで、ホッパエラーの発生を判断し、ホッパエラーが発生した際には、ステップS243、ステップS249と同等の入力エラーチェック処理を行う。
それから、特定情報更新処理を行う(S252)。特定情報更新処理では、前回の特定情報を取り出し、最新の特定情報に更新して保存する。さらには、これらの特定情報の出力要求をセットする。ただし、電源断復帰の場合には、更新した特定情報の出力要求は行わない。ここでの特定情報としては、指定スイッチ(前扉の開閉を検知するドアスイッチ、設定鍵型スイッチ83、および設定変更スイッチ84)のONOFF情報等が含まれる。
特定情報更新処理が済んだら、電源断復帰処理を行う(S253)。電源断復帰処理では、電源断復帰時であるか否かを判断し、電源断復帰時である場合には、電源断復帰時の特定情報の出力要求をセットする。また電源断復帰時でない場合には、これらの特定情報の出力要求を行うことなく、次のステップに進む。
電源断復帰処理が済んだら、特定情報送信処理を行う(S254)。特定情報送信処理では、特定情報更新処理または電源断復帰処理の際に出力要求された特定情報を副制御手段200等に送信する場合には、制御コマンドをセットする。その後、入力エラーチェック処理を終了する。また、特定情報を送信しない場合には、制御コマンドのセットを行うことなく、入力エラーチェック処理を終了する。
続いて、入力エラーセット処理について説明する。図19は、入力エラーセット処理の手順を示すフローチャートである。図19に示すように、入力エラーセット処理では、異常入力フラグを更新する(S271)。異常入力フラグは、図18において検出されたエラーの種類に応じたフラグをセットする。たとえば、ステップS242における投入センサ2の異常が検出された場合には、投入センサ2異常フラグを入力し、ステップS247、S248において、通路センサがONであり、かつ通路センサ滞留時間の経過が検出された場合に、通路センサ異常フラグをセットする。
異常入力フラグの更新を行ったら、現在、異常入力エラーが検出された状態であるか否かを判断する(S272)。その結果、異常入力エラーが検出された状態であるときには、エラー表示開始時の出力要求をセットし(S273)、入力エラーセット処理を終了する。こうして、エラーが発生した際のエラー表示が開始されるようにする。一方、異常入力エラーが検出されてないときには、そのまま入力エラーセット処理を終了する。
以上の説明のとおり、本実施形態に係るスロットマシン1は、ブロッカ48備えており、ブロッカ48をON状態とすることで遊技メダルの受付が可能となり、ブロッカ48をOFF状態にすると、遊技メダルの受付が不能となる。また、ブロッカ48の上流側に配置されている通路センサ28aが遊技メダルを検出すると、その遊技メダルは、通路センサ28aを通過してブロッカ48へと到達する。ここで、通路センサ28aを通過した遊技メダルがブロッカ48に到達するまでの間にブロッカ信号がONとされ、ブロッカ48が閉状態から開状態に移行すると、ブロッカ48の可動板の動作中に遊技メダルがブロッカ48の位置に到達してしまい、ブロッカ48に遊技メダルが挟み込まれる不具合の発生が生じるおそれがある。
この点、上記のスロットマシン1では、ブロッカ48をOFF状態からON状態に切り替えるブロッカON処理を行うに際し、ブロッカOFF時監視時間を設定し、ブロッカOFF時監視時間を経過するまでブロッカ信号のONを待機している。ブロッカOFF時監視時間は、上記のフローでは、図18に示す入力エラーチェック処理の際におけるステップS246でセットされる。ブロッカOFF時監視時間のセットのトリガは通路センサ28aからの第3情報が立ち上がり状態となったときであり、要は、通路センサ28aが遊技メダルを検出したときである。
ブロッカOFF時監視時間をセットし、ブロッカON処理ではブロッカOFF時監視時間が経過するまでブロッカ信号をONとするのを待機するようにしている。このため、ブロッカ48がON状態となるようにブロッカ信号がONとなるのは、通過センサ28aに検出された遊技メダルがブロッカ48を通過するまでに十分な猶予時間を経過した後とすることができる。このため、ブロッカ48が可動板の動作によってON状態に切り替えられる際においても、ブロッカ48における遊技メダルの挟み込みを防止することができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1においては、ブロッカ48をON状態とするブロッカON処理は、主に遊技が終了して、次の遊技が開始されるまでの間(以下「遊技間インターバル」という)で行われる。そのほかにブロッカON処理が実行されるのは、設定変更時およびエラー復帰時である。
上記のフローを参照して説明すると、遊技間インターバルに実行されるブロッカON処理は、図8に示す遊技メダル受付開始処理中におけるステップS45において再遊技(リプレイ)作動時であると判断された後のステップS58、および再遊技作動時でないと判断された後のステップS65におけるブロッカON処理である。このフローからわかるように、遊技間インターバルで実行されるブロッカ処理では、前回の遊技結果が再遊技であるか否かによってブロッカON処理が実行される条件が変わる。具体的に、前回の遊技結果が再遊技である場合には、貯留枚数が限界枚数でないことを条件としてブロッカON処理が実行され、貯留枚数が限界枚数の際には、ブロッカ信号がONとはされない。一方、前回の遊技結果が再遊技でない場合には、必ずブロッカ信号がONとされる。
前回の遊技結果が再遊技である場合には、自動ベットが行われることから、貯留枚数が限界枚数であると、メダル投入口21に遊技メダルが投入されたとしても、ベットおよび貯留も行うことができない状態となっている。このため、前回の遊技結果が再遊技でかつ貯留枚数が限界枚数の際には、ブロッカ信号をONにせず、ブロッカ48をOFF状態のままとするようにしている。このため、不必要時におけるブロッカをONにする制御を省略することができ、制御負担を軽減することができる。
一方、前回の遊技結果が再遊技でない場合には、貯留枚数が限界枚数であったとしても、ベットが行われていないことから、ベットのためにメダル投入口21に遊技メダルを投入する余地は残されていることとなる。このため、前回の遊技結果が再遊技でない場合には、ブロッカ信号をONにしてブロッカ48をON状態とするようにしている。
このように、前回の遊技結果が再遊技である場合には、ブロッカ信号がON となる場合とOFFとなる場合との双方が存在する。このため、遊技者は、前回の遊技結果が再遊技である場合に、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入の可否に戸惑ってしまい、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入タイミングがばらつくことがある。メダル投入口21に対する遊技メダルの投入タイミングのばらつきは、ブロッカ48において発生する遊技メダルの挟み込みを助長することが懸念される。
本実施形態に係るスロットマシン1では、前回の遊技結果が再遊技であった場合において、ブロッカ信号をONするにあたり、ブロッカOFF時監視時間を設けてブロッカ信号がONとなるタイミングを遅らせている。このため、遊技メダルの挟み込みが助長され得る再遊技後におけるブロッカ48の閉状態から開状態への移行を行う際の遊技メダルの挟み込みを効果的に防止することができる。
また、設定確認時に実行されるブロッカON処理は、図9に示す遊技メダル投入待ち時表示制御処理のステップS80において実行される。ここでは、ステップS72におけるブロッカOFF処理でブロッカ信号がOFFとされてブロッカ48がOFF状態となる。このように、ブロッカ48をOFF状態とした後に設定確認処理ができるようにする。
いわゆるゴトなどの不正行為が発生していない状態では、遊技が継続しているときに設定確認が実行されることはない。このため、遊技の継続中に設定確認処理に移行していると、何らかの不正が発生していることが想定される。このような不正が発生している状態で遊技を継続させると、不正に遊技メダルを払い出してしまうおそれが生じる。そこで、このような不正行為を抑制すべく、設定確認処理時には、ブロッカ48をOFF状態として、遊技の継続を妨げるようにして、不正行為の抑制に寄与している。
設定確認処理が終了して設定鍵型スイッチがOFFとされた場合には、ブロッカ信号をONとして、ブロッカ48をON状態とし、遊技メダルの受付を開始できるようにしている。この場合においても、通路センサ28aを通過した遊技メダルがブロッカ48に到達するまでの間にブロッカ信号がONとされ、ブロッカ48が閉状態から開状態に移行すると、ブロッカ48に遊技メダルが挟み込まれる不具合の発生が生じるおそれがある。
上記のスロットマシン1では、このような設定確認処理の後にブロッカ信号をONにする際にも、ブロッカOFF時監視時間を経過するまでブロッカ信号のONを待機している。このため、設定変更処理の後にブロッカ48が可動板の動作によってON状態に切り替えられる際においても、ブロッカ48における遊技メダルの挟み込みを防止することができる。
さらに、エラー復帰時に実行されるブロッカON処理は、図10に示すエラー表示処理のステップS199において実行される。ここでは、ステップS184におけるブロッカOFF処理でブロッカ信号がOFFとされてブロッカ48がOFF状態となる。このように、ブロッカ48をOFF状態とした後にエラー表示が実行される。
エラー表示が実行されている間は、スロットマシン1に何らかの不具合が発生しているため、遊技を継続させておくのは適切でない状態となっていることが多い。このような遊技の継続に適切でない状態では、スロットマシン1の遊技をいったん中止させることが適切である。このため、エラー発生時における遊技の継続を抑制するために、ブロッカ信号をOFFにしてブロッカ48をOFF状態とする。
その後、エラー要因が除去され、かつリセットボタンが操作されてエラー表示が終了した場合には、ブロッカ信号をONとして、ブロッカ48をON状態とし、遊技メダルの受付を開始できるようにしている。この場合においても、通路センサ28aを通過した遊技メダルがブロッカ48に到達するまでの間にブロッカ信号がONとされ、ブロッカ48が閉状態から開状態に移行すると、ブロッカ48に遊技メダルが挟み込まれる不具合の発生が生じるおそれがある。
上記のスロットマシン1では、このようなエラー表示の後にブロッカ信号をONにする際にも、ブロッカOFF時監視時間を経過するまでブロッカ信号のONを待機している。このため、設定変更処理の後にブロッカ48が可動板の動作によってON状態に切り替えられる際においても、ブロッカ48における遊技メダルの挟み込みを防止することができる。
さらに、上記のスロットマシン1においては、ブロッカOFF時監視時間を計測する際に、通路センサ28aにおける遊技メダルの検出結果を利用している。その一方、通路センサ28aにおける遊技メダルの検出結果は、図18に示す入力エラーチェック処理において、遊技メダルの滞留によるエラー発生の判断に利用している。このように、ブロッカ48におけるメダルの挟み込みを防止するために、ブロッカ48におけるメダル詰まりや不正なベット誘発行為などのゴト行為の発見などの他の用途で利用されている通路センサ28aを有効的に活用できるので、メダルの挟み込みを防止するために遊技メダルを検出するセンサを別途設ける必要がなくなる。したがって、その分部品点数の削減を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記の実施形態では、遊技インターバルの間、設定確認時、およびエラー復帰時において行われるブロッカON処理において、いずれもブロッカOFF時監視時間の経過を待ってブロッカ信号をONするようにしているが、これらのいずれかにおいてのみブロッカOFF時監視時間の経過を待つことなく、ブロッカ信号をONにする態様とすることができる。
特に、設定確認時およびエラー復帰時においては、ブロッカ信号がONとされる直前に遊技者等が遊技メダルをメダル投入口に投入可能となっていることは稀であることがある。たとえば、設定確認処理はスロットマシン1の前扉を開放した状態で行われるので、設定確認のための操作が終了してメダル投入口21に遊技メダルを投入可能となるのは、前扉を閉じた後である。このため、前扉を閉じるための時間を考慮すると、設定確認時にはブロッカ信号がONとされる直前に遊技者等が遊技メダルをメダル投入口に投入可能となっていることはほとんどない。したがって、設定確認時には、ブロッカOFF時監視時間の経過を待つことなくブロッカ信号をONにする態様とすることもできる。
また、エラー復帰時においては、発生したエラーによってエラー解除の直後にメダル投入口21に対する遊技メダルの投入ができない場合も生じえる。たとえば、ホッパエラーが発生した場合には、前扉を開放してエラー解除のための処理、たとえばホッパ50への遊技メダルの補給を行う必要がある。このため、前扉を閉じるための時間を考慮すると、ブロッカ信号がONとされる直前に遊技者等が遊技メダルをメダル投入口に投入可能となっていることはほとんどない。したがって、ホッパエラーの解除後には、ブロッカOFF時監視時間の経過を待つことなくブロッカ信号をONにする態様とすることもできる。
また、上記の実施形態に係るスロットマシン1では、前回の遊技結果が再遊技役であるか否かによってブロッカ信号をONにする際の条件を変更するようにしている。これに対して、前回の遊技結果が再遊技役である場合でも、ブロッカ信号をONにする際の条件をさらに細かく設定したスロットマシンとすることもできる。
上記の実施形態では、再遊技役としてのリプレイ役は、1種類のみであったが、再遊技役を複数種類設定して、これらら再遊技役のいずれに入賞するかによってブロッカ信号をONにする際の条件を変更することができる。たとえば、再遊技役として、有効ライン29に「リプレイ」が揃う再遊技1、有効ライン29以外のラインに「ベル」が揃う再遊技2、有効ラインに「リプレイ」「リプレイ」「チェリー」が揃う再遊技3を備えるスロットマシンとする。
このようなスロットマシンにおいて、再遊技1〜3のいずれが揃った場合であっても、図16に示すブロッカON処理を行うことができる。あるいは、再遊技1〜3のいずれかが揃った場合にのみ図16に示すブロッカON処理を行い、その他の再遊技が揃った場合には、図16に示すブロッカON処理のうち、ステップS201におけるブロッカOFF時監視時間が経過したか否かの判断を行うことなく、ステップS202からブロッカON処理を行う態様とすることもできる。
さらに、このような再遊技1〜3のような複数の再遊技を設定したスロットマシンにおいて、所定の再遊技の際にはメダル投入口21に対する遊技メダルの投入によるベットを受付可能とし、他の再遊技の際には、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入によるベットを受付不能とするスロットマシンとすることもできる。たとえば、有効ライン29に「リプレイ」が揃った再遊技では、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入によるベットを受付可能とし、非有効ラインに「ベル」が揃った再遊技では、メダル投入口21に対する遊技メダルの投入によるベットを受付不能とした態様とすることもできる。このスロットマシンにおいても、再遊技1〜3のいずれが揃った場合であっても、図16に示すブロッカON処理を行うことができる。あるいは、再遊技1〜3のいずれかが揃った場合にのみ図16に示すブロッカON処理を行い、その他の再遊技が揃った場合には、図16に示すブロッカON処理のうち、ステップS201におけるブロッカOFF時監視時間が経過したか否かの判断を行うことなく、ステップS202からブロッカON処理を行う態様とすることもできる。
このようなスロットマシンでは、再遊技に入賞したとしても、ある再遊技ではメダル投入口21に対する遊技メダルの投入よるベットを受け付け、他の再遊技に入賞した際にはそのベットを受け付けない。このため、再遊技に入賞したときにメダル投入口21に対する遊技メダルの投入よるベットを受け付けるか否かを遊技者が誤認してしまうことが考えられ、ブロッカ48における遊技メダルの挟み込みが発生しやすくなることが考えられる。このため、このようなスロットマシンにおいて、上記のブロッカOFF時監視時間の経過を判断するブロッカON処理を実行することで、ブロッカによる遊技メダルの挟み込みを効果的に防止することができる。
さらに、前回の遊技結果が再遊技役でない時にも、その他の遊技結果に応じてブロッカ信号をONにする条件を変更することもできる。たとえば、遊技メダルの払出がある小役に当選した場合と、遊技メダルの払出がない役に当選しまたははずれの場合とで、ブロッカ信号をONにする条件を変更することもできる。
遊技メダルの払出がある小役に当選した場合には、全リール3a,3b,3cが停止されて有効ライン29に遊技メダルの払出がある小役、たとえば「ベル役」が停止表示された場合には、所定の遊技メダルの払出、たとえば7枚の遊技メダルの払出がある。この遊技メダルの払出は、図7に示す遊技進行メイン処理におけるステップS41の払出処理で行われ、払出処理が終了した後の遊技終了チェック処理を経てから遊技メダル受付開始処理においてブロッカON処理が行われる。したがって、全リール3a,3b,3cが停止した後、遊技メダルの払出に要する時間を経てからブロッカ処理が行われてブロッカ信号がONとなる。
その一方、全リール3a,3b,3cが停止されて有効ライン29に遊技メダルの払い出しがない小役、たとえばチャンス目役に当選した場合やはずれとなった場合には、遊技メダルの払出が行われない。このため、全リール3a,3b,3cが停止した直後にブロッカ処理が行われてブロッカ信号がONとなる。
このように、前回の遊技結果によってブロッカON処理が開始されるタイミングにずれがあるので、このタイミングのずれを考慮して、ブロッカOFF時監視時間の経過を待ってブロッカ信号をONにするか、ブロッカOFF時監視時間の経過を待つことなくブロッカ信号をONにするかを決定する態様とすることもできる。たとえば、払出のある小役に当選した場合には、遊技メダルの払出にある程度の時間を要するので、遊技者がストップスイッチ26a,26b,26cの操作を終えてからメダル投入口21に遊技メダルを投入するためにある程度の時間を要したとしても、ブロッカON処理を行う際にメダル投入口21に遊技メダルを投入して、挟み込みの発生を起こしてしまう可能性がある。その一方、払出のない小役に当選した場合には、遊技者がストップスイッチ26a,26b,26cの操作を終えてからメダル投入口21に遊技メダルを投入するためにある程度の時間を要すると、ブロッカON処理が行われる際に遊技者がメダル投入口21に遊技メダルを投入する余裕はないことが多いこととなる。このため、前回の遊技結果が再遊技役でない場合には、たとえば払出のある小役に当選したときには、ブロッカOFF時監視時間の経過を待ってブロッカ信号をONにし、払出のない小役に当選したときには、ブロッカOFF時監視時間の経過を待つことなくブロッカ信号をONにするようにすることもできる。
また、上記の実施形態に係るスロットマシンでは、有効ライン29に表示された図柄組合せに基づく遊技メダルの払出がある場合には、遊技メダルの払出が行われている間は、ブロッカ48がOFFとされており、遊技メダルの払出が完了した後にブロッカON処理が行われる。これに対して、有効ライン29に表示された図柄組合せに基づく遊技メダルの払出がある場合に、遊技メダルの払出が行われている間であってもブロッカON処理を開始できる態様とすることもできる。
あるいは、遊技状態に応じてブロッカOFF時監視時間の経過を待ってブロッカ信号をONにするか、ブロッカOFF時監視時間の経過を待つことなくブロッカ信号をONにするかを決定する態様とすることもできる。たとえば、遊技メダルの払出のある小役に入賞しやすい状態、たとえばボーナス状態やいわゆるAT(アシストタイム)状態中には、投入口21に対する遊技メダルの投入は稀であるので、ボーナス状態やいわゆるAT状態中には、ブロッカOFF時監視時間の経過を待つことはくブロッカ信号をONにする態様とすることもできる。
なお、AT状態は、リール3a,3b,3cの停止順序(以下「押し順」という)に正解と不正解とがあり、押し順に正解すると、所定枚数の遊技メダルの払出があり、押し順に不正解だと所定枚数より少ない遊技メダルの払出があるか遊技メダルの払出がないこととなる小役が設けられたスロットマシンにおいて設定される遊技状態である。ここでの押し順に正解した際の遊技メダルの払出枚数は、ベット規定数よりも多い枚数に設定される。そして、AT状態とは、当該小役に当選した場合に、画像表示装置11などを介して正解の押し順を遊技者に報知する遊技状態である。このため。AT状態中は、遊技メダルの消費を抑えながら、あるいは遊技メダルが増加する状態で、遊技を進行できる遊技者に有利となる遊技状態となる。
また、上記実施形態においては、フリーズ制御が行われるのは、遊技メダルのベット枚数がベット規定数と一致し、かつスタートレバー25が操作されてスタートスイッチがONとなった場合のみであるが、その他のタイミングでフリーズ制御を実行することができる。たとえば、全リール3a,3b,3cが停止表示されたタイミングでフリーズ制御を行うこともできる。このように、全リール3a,3b,3cが停止表示されたタイミングでフリーズ制御を行う場合でも、上記のブロッカOFF時監視時間を設定したブロッカON処理を実行することができる。
さらに、上記の実施形態においては、通路センサ28aから出力された第3情報が立ち上がり状態であるときに、投入監視カウンタのセットおよびブロッカOFF時監視時間のセットを行い、要は、通路センサ28aから出力された第3情報が立ち上がり状態であるときに、通路センサ28aがONであり、かつ通路センサ滞留時間が経過しているときに、入力エラーセット処理を行っている。これに対して、通路センサ28aから出力された第3情報が立ち下がり状態であるときに、投入監視カウンタのセットおよびブロッカOFF時監視時間のセットを行い、要は、通路センサ28aから出力された第3情報の立ち下がり時に、通路センサ28aがONであり、かつ通路センサ滞留時間が経過しているときに、入力エラーセット処理を行う態様とすることもできる。通路センサ28aから出力された第3情報の立ち下がり時に、通路センサ28aがONであり、かつ通路センサ滞留時間が経過しているときに、入力エラーセット処理を行うことで、ブロッカOFF時監視時間を短く設定することができる。したがって、ブロッカ48をONにするまでの時間を短くできるので、遊技メダルの受付を早期に開始しながらも、ブロッカ48による遊技メダルの挟み込みを効果的に防止することができる。
また、上記の実施形態においては、通路センサ28aから出力された第3情報の立ち上がり状態の判断について、図17に示す割込み処理中の入力エラーチェック処理で行っている。これに対して、通路センサ28aから出力された第3情報の立ち上がり状態の判断について、遊技進行メイン処理中に組み込ませて行う態様とすることもできる。
さらに、上記の実施形態においては、通路センサ28aから出力された第3情報の立ち上がり状態に基づいて投入監視カウンタを「1」加算するなど、所定の情報の立ち上がり状態や立ち下がり状態に基づいて所定の処理を行うようにしている。これに対して、立ち上がり状態に代えて、ON情報を用いたり、立ち下がり状態に代えてOFF情報を用いたりして所定の処理を行う態様とすることもできる。
他方、上述した実施形態や変更態様における各構成は、適宜組み合わせて用いることが可能である。