JP2013187272A - 加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工を、従来に比べて安価に実施する。
【解決手段】円板状被加工物1の裏面1b側の外周部分に切削ブレード33で環状溝6Aを形成し、次いで環状溝6Aの内側の環状溝内周領域6Bを切削除去して円形凹部1Eを形成するにあたり、環状溝内周領域6Bの一端で切削ブレード33を切り込ませる切り込みステップと、切り込みステップの後、被加工物1と切削ブレード33とを相対的に加工送り方向に直線移動させて環状溝内周領域6Bの一端から他端まで切削する直線切削ステップと、直線切削ステップの後、切削ブレード33の被加工物1への切り込みを解除するとともに加工送り方向に直交する割り出し送り方向に切削ブレード33と被加工物1とを相対移動させる割り出し送りステップとを繰り返し行い、円形凹部1Eを形成する。
【選択図】図5
【解決手段】円板状被加工物1の裏面1b側の外周部分に切削ブレード33で環状溝6Aを形成し、次いで環状溝6Aの内側の環状溝内周領域6Bを切削除去して円形凹部1Eを形成するにあたり、環状溝内周領域6Bの一端で切削ブレード33を切り込ませる切り込みステップと、切り込みステップの後、被加工物1と切削ブレード33とを相対的に加工送り方向に直線移動させて環状溝内周領域6Bの一端から他端まで切削する直線切削ステップと、直線切削ステップの後、切削ブレード33の被加工物1への切り込みを解除するとともに加工送り方向に直交する割り出し送り方向に切削ブレード33と被加工物1とを相対移動させる割り出し送りステップとを繰り返し行い、円形凹部1Eを形成する。
【選択図】図5
Description
本発明は、半導体ウェーハ等の円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに円形凹部を囲繞する環状凸部を形成する加工方法に関する。
半導体デバイスの製造工程では、シリコンやガリウムヒ素等の半導体材料からなる円板状ウェーハの表面に、格子状の分割予定ラインが設定され、この分割予定ラインで囲まれた多数の矩形状のデバイス領域に、ICやLSI等の電子回路を有するデバイスが形成される。そしてこのウェーハは、裏面が研削されて設定厚さに薄化されるなどの所定の工程を経てから、分割予定ラインに沿って切断されることにより、多数のチップ状のデバイスに分割される。このようにして得られたデバイスは、樹脂やセラミックでパッケージングされ、各種電子機器に実装される。近年では、電子機器の小型化・軽量化に伴い、ウェーハは厚さが例えば100μm以下といったようにきわめて薄く加工される場合がある。
この種のウェーハ等の円板状被加工物においては、上記のように薄く加工すると、剛性が低下してハンドリングが困難になる。そこで、被加工物の裏面側を、外周部を残して除去して裏面側に円形凹部を形成するとともに外周部に肉厚の環状凸部を補強部として残存させ、被加工物の全体を断面凹状に加工してハンドリングの問題を解決する技術が知られている(特許文献1)。
上記特許文献1に記載されるように、被加工物の裏面の円形凹部を形成するには、研削砥石を有する研削装置が広く使用されている。ところが、一般に研削装置は高価であり、したがって研削装置によって裏面に円形凹部を形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させた被加工物から製造されるデバイス等は、高価になるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工を、従来に比べて安価に実施することができる加工方法を提供することにある。
本発明の加工方法は、円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに該凹部を囲繞する環状凸部を形成する加工方法であって、円板状被加工物の表面側を回転可能な保持テーブルで保持する保持ステップと、該保持テーブルで保持された円板状被加工物の外周縁から円板状被加工物の中心側に所定距離向かった位置に回転する切削ブレードを円板状被加工物の裏面側から所定深さに切り込ませ、該保持テーブルを回転させて円板状被加工物の外周部に環状溝を形成する環状溝形成ステップと、該環状溝形成ステップを実施した後、前記環状溝で区画された環状溝内周領域を前記切削ブレードで切削除去して円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに該円形凹部を囲繞する環状凸部を形成する円形凹部形成ステップとを備え、前記円形凹部形成ステップは、前記環状溝内周領域の一端で前記切削ブレードを前記所定深さに切り込ませる切り込みステップと、該切り込みステップを実施した後、円形状被加工物と前記切削ブレードとを相対的に加工送り方向に直線移動させて前記環状溝内周領域の一端から他端まで切削する直線切削ステップと、該直線切削ステップを実施した後、前記切削ブレードの円板状被加工物への切り込みを解除するとともに前記加工送り方向に直交する割り出し送り方向に該切削ブレードと円板状被加工物とを相対移動させる割り出し送りステップとを含み、前記切り込みステップと前記直線切削ステップと前記割り出し送りステップとを繰り返すことで前記環状溝内周領域を前記切削ブレードで切削除去して前記円形凹部を形成するとともに該円形凹部を囲繞する環状凸部を形成することを特徴とする。
本発明の加工方法によれば、研削装置を用いず切削ブレードを用いることにより、円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工を、従来に比べて安価に実施することができるといった効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は一実施形態に係る加工方法を好適に実施し得る切削装置10を示しており、図2の符号1は、該切削装置10で加工が施される円板状被加工物を示している。
図1は一実施形態に係る加工方法を好適に実施し得る切削装置10を示しており、図2の符号1は、該切削装置10で加工が施される円板状被加工物を示している。
(1)被加工物
先に図2によって被加工物1について説明すると、被加工物1は、厚さが例えば数百μm程度の半導体ウェーハ等であり、切削装置10に供給されるために、表面側を、環状のフレーム8に貼着された粘着テープ9に貼着されている。被加工物1の表面には、格子状の分割予定ライン2によって複数の矩形状のデバイス領域3が設定されており、これらデバイス領域3に、例えばICやLSIからなる電子回路が形成されている。
先に図2によって被加工物1について説明すると、被加工物1は、厚さが例えば数百μm程度の半導体ウェーハ等であり、切削装置10に供給されるために、表面側を、環状のフレーム8に貼着された粘着テープ9に貼着されている。被加工物1の表面には、格子状の分割予定ライン2によって複数の矩形状のデバイス領域3が設定されており、これらデバイス領域3に、例えばICやLSIからなる電子回路が形成されている。
複数の矩形状のデバイス領域3は、被加工物1の表面の、外周部を除いたほとんどの部分である円形状部分に形成され、この円形状のデバイス形成領域4の外側は、矩形状のデバイス領域3が形成されていない外周余剰領域5とされる。図2の符号6で示す破線は、デバイス形成領域4と外周余剰領域5との境界線である。
被加工物1は、デバイス領域3に電子回路が形成された表面側が粘着テープ9に貼着され、被加工面である裏面1bが露出させられる。フレーム8はステンレス等の剛性を有する金属板等からなるもので、フレーム8および粘着テープ9を介して被加工物1は切削装置10に搬送されセットされる。
(2)切削装置
続いて、図1により切削装置10を説明する。
切削装置10は、載置された被加工物1を水平に保持する保持テーブル20と、保持テーブル20に保持された被加工物1に対し切削加工を行う切削手段30とを有している。保持テーブル20は上面が被加工物1よりも外径がやや大きい円形状の保持面に形成され、保持面に載置された被加工物1を負圧吸引作用で吸引保持する。保持テーブル20は、上記フレーム8を挟持して保持する複数のクランプ21を有している。また、保持テーブル20は、駆動源22によって回転駆動される。駆動源22は移動基台23上に固定されており、移動基台23は、X軸送り手段40によってX軸方向に移動可能となっている。
続いて、図1により切削装置10を説明する。
切削装置10は、載置された被加工物1を水平に保持する保持テーブル20と、保持テーブル20に保持された被加工物1に対し切削加工を行う切削手段30とを有している。保持テーブル20は上面が被加工物1よりも外径がやや大きい円形状の保持面に形成され、保持面に載置された被加工物1を負圧吸引作用で吸引保持する。保持テーブル20は、上記フレーム8を挟持して保持する複数のクランプ21を有している。また、保持テーブル20は、駆動源22によって回転駆動される。駆動源22は移動基台23上に固定されており、移動基台23は、X軸送り手段40によってX軸方向に移動可能となっている。
X軸送り手段40は、X軸方向に配設されたボールねじ41と、ボールねじ41の一端に運結されたパルスモータ42と、ボールねじ41と平行に配設されたガイドレール43とから構成され、ボールねじ41には、移動基台23の下部に備えたナット(図示せず)が螺合している。ボールねじ41は、パルスモータ42に駆動されて回転し、それに伴って移動基台23がガイドレール43にガイドされてX軸方向に移動する構成となっている。
切削手段30は、ハウジング31によって回転可能に支持されたY軸方向に延びるスピンドル32の先端に切削ブレード33が装着された構成となっており(図3参照)、ハウジング31は支持部34によって支持された構成となっている。ハウジング31の側部には、被加工物1の被加工面である裏面を検出するアライメント手段35が固定されている。アライメント手段35は、被加工物1の被加工面を撮像するカメラ36を備えており、カメラ36によって取得した画像に基づいて被加工面の切削すべき部分を検出(アライメント)する。
切削手段30およびアライメント手段35は、Z軸送り手段50によってZ軸方向に移動可能となっている。Z軸送り手段50は、壁部51の一方の面(X2側の面)にZ軸方向に配設された図示せぬボールねじと、該ボールねじを回転駆動するパルスモータ52と、該ボールねじと平行に配設されたガイドレール53とから構成され、支持部34の内部のナット(図示せず)が該ボールねじに螺合している。支持部34は、パルスモータ52によって該ボールねじが回転駆動するのに伴ってガイドレール53にガイドされてZ軸方向に昇降し、支持部34に支持された切削手段30もZ軸方向に昇降する構成となっている。
切削手段30は、Y軸送り手段60によってY軸方向に移動可能となっている。Y軸送り手段60は、Y軸方向に配設されたボールねじ61と、壁部51と一体に形成され内部に設けられた図示せぬナットがボールねじ61に螺合する移動基台65と、ボールねじ61を回転させるパルスモータ62と、ボールねじ61と平行に配設されたガイドレール63とから構成され、移動基台65内のナットがボールねじ61に螺合している。移動基台65は、パルスモータ62によって駆動されボールねじ61が回転するのに伴ってガイドレール63にガイドされてY軸方向に移動し、これに伴い切削手段30もY軸方向に移動する構成となっている。
保持テーブル20に保持された被加工物1は、上記X軸送り手段40によってX軸方向に移動するようになっており、すなわち切削ブレード33は被加工物1に対しX軸方向に相対移動する。このX軸方向が、切削ブレード33の加工送り方向となっている。また、切削手段30の切削ブレード33は、上記Y軸送り手段60によってY軸方向に移動し、このY軸方向が加工送り方向に直交する切削ブレード33の割り出し送り方向となっている。また、切削手段30の切削ブレード33は、上記Z軸送り手段50によってZ軸方向に移動し、このZ軸方向が切削ブレード33の切り込み送り方向となっている。
被加工物1は、図2に示したように粘着テープ9を介してフレーム8に支持され、切削装置10の保持テーブル20に被加工面である裏面1bを露出した状態で、該保持テーブル20に保持される。すなわち被加工物1は保持テーブル20に粘着テープ9を介して表面側を保持テーブル20の保持面に同心状に載置され、保持面が負圧になることで該保持面に吸引保持される。また、フレーム8はクランプ21に挟持されて保持される。
(3)加工方法
続いて、上記切削装置10によって、被加工物1の裏面1bに円形凹部を形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工方法を説明する。はじめに、上記のようにして被加工物1の表面側を粘着テープ9を介して保持テーブル20の保持面で保持するとともに、フレーム8をクランプ21で保持する(保持ステップ)。
続いて、上記切削装置10によって、被加工物1の裏面1bに円形凹部を形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工方法を説明する。はじめに、上記のようにして被加工物1の表面側を粘着テープ9を介して保持テーブル20の保持面で保持するとともに、フレーム8をクランプ21で保持する(保持ステップ)。
次に、X軸送り手段40により保持テーブル20をX軸方向に移動させて、保持テーブル20の中心を切削手段30のスピンドル32の軸線直下に位置付けるとともに、Y軸送り手段60により切削手段30をY軸方向に移動させて、図3(a)に示すように、切削ブレード33の刃先を被加工物1のデバイス形成領域4と外周余剰領域5との境界線6の直上に位置付ける。この場合、切削ブレード33は図1においてY2側の境界線6上に位置付けている。
次に、切削ブレード33を回転させた状態としてから、Z軸送り手段50により切削手段30をZ2方向に下降させて、回転する切削ブレード33を被加工物1の裏面1b側から境界線6上に所定深さに切り込ませる。境界線6は被加工物1の外周縁から被加工物1の中心側に所定距離すなわち外周余剰領域5の幅の距離向かった位置であり、切削ブレード33の切り込み深さは、形成する円形凹部の深さである。
次に、回転する切削ブレード33を境界線6上に切り込ませたまま、図3(a)に示すように保持テーブル20を回転させて境界線6に沿った環状溝6Aを形成していく。そして被加工物1を1周以上自転させることにより、図4(a)に示すように境界線6の全周にわたる環状溝6Aを形成する(環状溝形成ステップ)。環状溝6Aは切削ブレード33の厚さに応じた幅であり、例えば切削ブレード33の厚さは0.5〜10mm程度のものとされる。環状溝6Aが形成されることにより、該環状溝6Aの内周側には円形状の環状溝内周領域6Bが形成される。
次に、Z軸送り手段50により切削ブレード33を上昇させて被加工物1から離間させ、続いて、環状溝6Aで区画された環状溝内周領域6Bを切削ブレード33により切削除去して、被加工物1の裏面1bのデバイス形成領域4に対応する中央部分に円形凹部を形成するとともに、外周余剰領域5を残存させて環状凸部とする加工を施す(円形凹部形成ステップ)。以下、円形凹部形成ステップの一具体例を示す。
はじめに、X軸送り手段40とY軸送り手段60によって被加工物1と切削ブレード33とをX軸方向およびY軸方向に適宜に相対移動させて、図3(b)に示すように、切削ブレード33を、保持テーブル20の中心を通ることが可能で、かつ、環状溝6Aの内側の環状溝内周領域6Bの一端側(X2側)の直上に位置付ける。この場合、切削ブレード33を図1においてX2側の環状溝内周領域6Bの一端の直上に位置付けている。
次に、Z軸送り手段50により切削手段30をZ2方向に下降させて、図4(b)に示すように、回転する切削ブレード33を環状溝内周領域6Bの一端に環状溝6Aと同じ深さまで切り込ませる(切り込みステップ)。
次に、X軸送り手段40により保持テーブル20をX2方向に移動させて、図3(c)および図4(c)に示すように、環状溝内周領域6Bの中央に、X方向の一端から他端まで、すなわちX2側からX1側まで、X方向に沿った直線溝6Cを形成する(直線切削ステップ)。この中央直線溝6Cを形成したら、切削ブレード33を上昇させて被加工物1への切り込みを解除するとともに、図5(a)に示すように、環状溝内周領域6Bの他端側において、Y軸送り手段60により切削ブレード33をY軸方向の一方側(図5(a)でY1側)に移動させる(割り出し送りステップ)。この割り出し送りステップでの切削ブレード33の移動距離は、切削ブレード33の厚さよりも僅かに小さい距離とする。
次いで、回転する切削ブレード33を環状溝内周領域6Bの他端に環状溝6Aと同じ深さまで切り込ませ(切り込みステップ)、続いて保持テーブル20をX1方向に移動させて切削ブレード33をX2方向に相対移動させ、図5(b)に示すように、先に形成した中央直線溝6Cの隣すなわちY1側に直線溝6cを形成する(直線切削ステップ)。このときの直線溝6cは、先に形成した中央直線溝6C側に開いたものとなり、実質的には先に形成した中央直線溝6CのY1側の周壁を削り取っていくことになる。そして切削ブレード33が環状溝内周領域6Bの一端側に戻ったら、切削ブレード33を上昇させて被加工物1への切り込みを解除するとともに、環状溝内周領域6Bの一端側において、切削ブレード33をY軸方向の一方側(図5(a)でY1方向)に再び移動させる(割り出し送りステップ)。
この後、上記の切り込みステップ、直線切削ステップ、割り出し送りステップをこの順で繰り返すことで、最初に形成した中央直線溝6CのY1側において切削ブレード33をジグザグ状に移動させながら、環状溝内周領域6Bを切削ブレード33で切削除去し、図5(c)に示すように半月状の凹部1eを形成する。そして、上記と同様の切削ブレード33による切削動作を、図5(c)のY2側に残っている半月状の環状溝内周領域6bに対して行い、該半月状の環状溝内周領域6bも切削除去する。これにより、図6に示すように、被加工物1の裏面1bへの円形凹部1Eの形成が完了し、また、円形凹部1Eの形成と同時に、裏面1bの外周部には補強部として環状凸部1Fが残存する。
(4)実施形態の作用効果
上記実施形態の加工方法によれば、研削装置を用いることなく、切削ブレード33を備えた切削装置10を用いて被加工物1の裏面1b側を切削加工して円形凹部1Eを形成している。このため、被加工物1の裏面1bに円形凹部1Eを形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工を、従来に比べて安価に実施することができる。
上記実施形態の加工方法によれば、研削装置を用いることなく、切削ブレード33を備えた切削装置10を用いて被加工物1の裏面1b側を切削加工して円形凹部1Eを形成している。このため、被加工物1の裏面1bに円形凹部1Eを形成するとともに外周部に補強部として環状凸部を残存させる加工を、従来に比べて安価に実施することができる。
なお、上記実施形態では、環状溝内周領域6Bの中央に直線溝6Cを形成し、この中央直線溝6Cの両側を順に切削除去することで円形凹部1Eを形成しているが、切削ブレード33で環状溝内周領域6Bを切削除去する場所および手順、すなわち切削ブレード33の動かし方のパターンは任意である。例えば、Y方向の一端側から他端側に向けて(例えば図5のY1側からY2側に向けて)切削ブレード33をジグザグ状に移動させていくなパターンが挙げられる。
また、この他の切削ブレード33の動かし方のパターンとしては、直線切削ステップの際には、加工送り方向に対し常に切削ブレード33の刃先が下降しながら被加工物1に切り込んでいく所謂ダウンカットになるように切削する場合が挙げられる。この場合には、切削ブレード33が一方向に加工送りされている際にダウンカットで直線溝を形成するようになされる。
具体的には、例えば図3(b)に示したように環状溝内周領域6Bの一端(X2側の端部)に切削ブレード33を切り込ませる切り込みステップの後、保持テーブル20をX2方向に移動させて切削ブレード33を相対的にX1方向に加工送りして環状溝内周領域6Bの他端までダウンカットで直線切削ステップを行う。次に、切削ブレード33を上昇させて切り込みを解除し、続いて切削ブレード33をY軸方向の一方側に移動させて割り出し送りステップを行う。次に、保持テーブル20をX1方向に移動させて切削ブレード33を環状溝内周領域6Bの一端側に戻し、この後、また環状溝内周領域6Bの一端に切削ブレード33を切り込ませてから保持テーブル20をX2方向に移動させて切削ブレード33を相対的にX1方向に加工送りして環状溝内周領域6Bの他端までダウンカットで直線切削ステップを行う。このように切削ブレード33がX1方向に加工送りされる際にダウンカットで直線切削を繰り返すことにより環状溝内周領域6Bを切削削除し、円形凹部1Eを最終的に形成する。
以上は切削ブレード33の動作パターンの一例であり、本発明はこれらに限定されることはなく、上記の切り込みステップ、直線切削ステップ、割り出し送りステップをこの順で繰り返すことにより環状溝内周領域6Bを切削除去できれば、如何なる動作パターンであってもよい。
1…円板状被加工物
1b…円板状被加工物の裏面
1E…円形凹部
1F…環状凸部
6A…環状溝
6B…環状溝内周領域
10…切削装置
20…保持テーブル
33…切削ブレード
1b…円板状被加工物の裏面
1E…円形凹部
1F…環状凸部
6A…環状溝
6B…環状溝内周領域
10…切削装置
20…保持テーブル
33…切削ブレード
Claims (1)
- 円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに該凹部を囲繞する環状凸部を形成する加工方法であって、
円板状被加工物の表面側を回転可能な保持テーブルで保持する保持ステップと、
該保持テーブルで保持された円板状被加工物の外周縁から円板状被加工物の中心側に所定距離向かった位置に回転する切削ブレードを円板状被加工物の裏面側から所定深さに切り込ませ、該保持テーブルを回転させて円板状被加工物の外周部に環状溝を形成する環状溝形成ステップと、
該環状溝形成ステップを実施した後、前記環状溝で区画された環状溝内周領域を前記切削ブレードで切削除去して円板状被加工物の裏面に円形凹部を形成するとともに該円形凹部を囲繞する環状凸部を形成する円形凹部形成ステップと、を備え、
前記円形凹部形成ステップは、
前記環状溝内周領域の一端で前記切削ブレードを前記所定深さに切り込ませる切り込みステップと、
該切り込みステップを実施した後、円形状被加工物と前記切削ブレードとを相対的に加工送り方向に直線移動させて前記環状溝内周領域の一端から他端まで切削する直線切削ステップと、
該直線切削ステップを実施した後、前記切削ブレードの円板状被加工物への切り込みを解除するとともに前記加工送り方向に直交する割り出し送り方向に該切削ブレードと円板状被加工物とを相対移動させる割り出し送りステップと、を含み、
前記切り込みステップと前記直線切削ステップと前記割り出し送りステップとを繰り返すことで前記環状溝内周領域を前記切削ブレードで切削除去して前記円形凹部を形成するとともに該円形凹部を囲繞する環状凸部を形成すること
を特徴とする加工方法。
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-
2012
- 2012-03-07 JP JP2012049933A patent/JP2013187272A/ja active Pending
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