JP2013186519A - 情報提供装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 充電中に車両から離れているユーザに対して、充電完了時に車両に戻ってこられるような適切なタイミングで充電が完了する旨の通知を行う。
【解決手段】 情報提供ECUは、自車両位置とユーザ位置とに基づいて、ユーザが車両に戻ってくるのに要する必要移動時間Taを計算するとともに(S11〜S13)、充電ECUから必要残充電時間Tbを取得する(S14)。そして、情報提供ECUは、必要残充電時間Tbが必要移動時間Ta以下となった場合(S15:Yes)、ユーザの携帯端末に、ユーザを車両に引き返すための帰車メッセージ通知指令を送信する(S16)。これにより、ユーザは、バッテリ充電完了時に車両に戻ることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 情報提供ECUは、自車両位置とユーザ位置とに基づいて、ユーザが車両に戻ってくるのに要する必要移動時間Taを計算するとともに(S11〜S13)、充電ECUから必要残充電時間Tbを取得する(S14)。そして、情報提供ECUは、必要残充電時間Tbが必要移動時間Ta以下となった場合(S15:Yes)、ユーザの携帯端末に、ユーザを車両に引き返すための帰車メッセージ通知指令を送信する(S16)。これにより、ユーザは、バッテリ充電完了時に車両に戻ることができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、外部電源により充電可能な車載バッテリを搭載した電動車両のユーザに対して、車載バッテリの充電に関連した情報を提供するための情報提供装置に関する。
電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車といった電動車両の普及に伴って、電動車両の車載バッテリを充電するための充電施設も拡充されてきている。充電施設は、専用の充電スタンドだけでなく、コンビニエンスストア、ショッピングセンターなどの店舗や、娯楽施設等においても設けられ、駐車中にバッテリ充電を行うことができる。
電動車両における車載バッテリの充電は、ガソリン車の燃料補給に比べて時間がかかる。このため、車両ユーザは、充電時間を利用して買い物などをするために車両から離れることが多い。しかし、充電完了後に速やかに充電駐車スペースを空けないと、後続の充電待ち車両を更に待たせてしまうことになる。また、充電施設の稼働率の低下にもつながる。そこで、例えば、特許文献1においては、車載バッテリの充電がまもなく完了することを車両ユーザの携帯端末に通知する技術が提案されている。この通知により、車両ユーザは、車両から離れた位置で、車載バッテリの充電完了を事前に知ることができる。
しかしながら、車両ユーザが車両から遠く離れている場合には、充電完了の事前通知を受けてあわてて充電施設に戻っても、充電完了に間に合わない。このため、後続の充電待ち車両を待たせてしまうことになる。また、特許文献1においては、充電率を車両ユーザの携帯端末で通知するが、この充電率が通知されても、車両ユーザにとっては、車両からどこまで離れて良いのか検討がつかない。このため、特に、後続の充電待ち車両を気にする車両ユーザにとっては、車両から余り離れられず行動が過剰に規制されてしまう。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、充電中に車両から離れているユーザに対して、充電完了時に車両に戻ってこられるような適切な情報を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、電動車両(10)に搭載された車載バッテリ(20)を外部電源により充電しているときに、前記電動車両から離れている車両ユーザに対して、前記車載バッテリの充電に関連した情報を提供するための情報提供装置において、
前記車載バッテリの充電中に、前記車載バッテリの充電が完了するまでに必要となる必要残充電時間(Tb)を取得する必要残充電時間取得手段(124,221)と、前記車載バッテリを充電しているときの前記電動車両の位置を取得する車両位置取得手段(122,222)と、前記車載バッテリを充電しているときの前記車両ユーザの位置を取得するユーザ位置取得手段と(121,223)、前記必要残充電時間と前記電動車両の位置と前記車両ユーザの位置とに基づいた、前記車両ユーザが前記車載バッテリの充電が完了するときに前記電動車両の位置に戻れるようにするタイミングを表すタイミング情報、あるいは、前記タイミングをユーザが判断するための判断支援情報を前記車両ユーザに提供する情報提供手段(123,125,110,224,225,226,227)とを備えたことにある。
前記車載バッテリの充電中に、前記車載バッテリの充電が完了するまでに必要となる必要残充電時間(Tb)を取得する必要残充電時間取得手段(124,221)と、前記車載バッテリを充電しているときの前記電動車両の位置を取得する車両位置取得手段(122,222)と、前記車載バッテリを充電しているときの前記車両ユーザの位置を取得するユーザ位置取得手段と(121,223)、前記必要残充電時間と前記電動車両の位置と前記車両ユーザの位置とに基づいた、前記車両ユーザが前記車載バッテリの充電が完了するときに前記電動車両の位置に戻れるようにするタイミングを表すタイミング情報、あるいは、前記タイミングをユーザが判断するための判断支援情報を前記車両ユーザに提供する情報提供手段(123,125,110,224,225,226,227)とを備えたことにある。
本発明は、バッテリ充電中に電動車両から離れている車両ユーザが、バッテリ充電が完了するときに車両位置にまで戻ってこられるようにするために、必要残充電時間取得手段と車両位置取得手段とユーザ位置取得手段と情報提供手段とを備えている。必要残充電時間取得手段は、車載バッテリの充電が完了するまでに必要となる必要残充電時間を取得する。バッテリ充電中においては、必要残充電時間は時間の経過とともに少なくなっていくため、必要残充電時間取得手段は、バッテリ充電中において、所定の周期にて必要残充電時間を取得するとよい。
車両位置取得手段は、車載バッテリを充電しているときの電動車両の位置を取得する。例えば、電動車両にGPSを使った車両位置検出装置を備えている場合には、その検出情報を取得すればよい。また、バッテリ充電を行っている充電施設の位置情報を取得できる場合には、充電施設の位置を電動車両の位置として取得することもできる。ユーザ位置取得手段は、車載バッテリを充電しているときの車両ユーザの位置を取得する。例えば、車両ユーザが所持する携帯端末に設けられた位置検出装置にて検出される携帯端末の位置情報を所定の周期で取得する。
情報提供手段は、必要残充電時間と電動車両の位置と車両ユーザの位置とに基づいたタイミング情報、あるいは、判断支援情報を車両ユーザに提供する。タイミング情報は、車両ユーザが車載バッテリの充電が完了するときに電動車両の位置に戻れるようにするタイミングを表す情報である。判断支援情報は、そのタイミングについてユーザの判断を支援する情報である。
これにより、本発明によれば、車両ユーザは、バッテリ充電中に電動車両から離れていても、電動車両に戻るべき適切なタイミングを把握することができる。従って、車両ユーザは、後続の充電待ち車両を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後において、後続の充電待ち車両を待たせてしまうことを抑制できる。これにより、充電施設の稼働率を向上させることができる。
本発明の他の特徴は、前記情報提供手段は、前記電動車両の位置と、前記車両ユーザの位置とに基づいて、前記電動車両から離れている車両ユーザが前記電動車両の位置に戻ってくるまでに必要となる必要移動時間(Ta)を取得する必要移動時間取得手段(123)と、前記必要残充電時間と前記必要移動時間との関係に基づいて通知タイミングを設定し、前記設定した通知タイミングにて、前記車両ユーザに対して前記電動車両の位置に戻るよう促す通知を行う通知手段(110,125)とを備えたことにある。
本発明においては、情報提供手段は、必要移動時間取得手段と通知手段とを備えている。必要移動時間取得手段は、電動車両の位置と、車両ユーザの位置とに基づいて、電動車両から離れている車両ユーザが電動車両の位置に戻ってくるまでに必要となる必要移動時間を取得する。バッテリ充電中においては、車両ユーザは、電動車両から離れて移動することが多いため必要移動時間が変化する。従って、必要移動時間取得手段は、バッテリ充電中において、所定の周期にて必要移動時間を取得するとよい。
必要残充電時間が必要移動時間よりも長い場合は、車両ユーザがこの時点で電動車両に引き返せば、バッテリ充電の完了前に電動車両に戻ることができると推定できる。逆に、必要残充電時間が必要移動時間よりも短い場合には、車両ユーザがこの時点で電動車両に引き返しても、バッテリ充電の完了前に間に合わないと推定できる。従って、必要残充電時間と必要移動時間との大小関係から、車両ユーザを電動車両の位置に戻るように促すための通知を行う適切な通知タイミングを設定することができる。
そこで、通知手段は、必要残充電時間と必要移動時間との関係に基づいて通知タイミングを設定し、設定した通知タイミングにて、車両ユーザを電動車両の位置に戻るように促すための通知を行う。この通知が、タイミング情報の提供に相当する。例えば、必要残充電時間と必要移動時間とを所定の周期で比較して、必要移動時間が必要残充電時間以上になったと判定したときに通知する。必要移動時間は、予め設定した時間余裕を加味したものであってもよい。この通知は、例えば、車両ユーザの所有する携帯端末を介して行うようにするとよい。
この結果、本発明によれば、車両ユーザは、バッテリ充電中に電動車両から離れていても、電動車両に戻るべき適切なタイミングで通知を受けることができる。従って、車両ユーザは、後続の充電待ち車両を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後において、後続の充電待ち車両を待たせてしまうことを抑制できる。これにより、充電施設の稼働率を向上させることができる。
本発明の他の特徴は、前記車載バッテリの充電完了から充電解除操作が行われるまでの時間である待機時間の履歴を記憶する待機時間履歴記憶手段(127)と、前記待機時間履歴記憶手段に記憶された履歴に基づいて、過去の待機時間が長い場合は短い場合に比べて、前記通知が早いタイミングで行われるように通知条件を変更する通知条件変更手段(128,S151)とを備えたことにある。
バッテリ充電が完了した場合には、速やかに充電解除を行って充電駐車スペースを空けないと、後続の充電待ち車両に待機状態を強いることになり、充電施設の稼働率を低下させてしまう。そこで、本発明においては、バッテリ充電の完了から速やかに充電解除を行わない傾向の強い車両ユーザに対しては、車両まで戻るように促すための通知を早めに行うようにするために、待機時間履歴記憶手段と通知条件変更手段とを備えている。
待機時間履歴記憶手段は、車載バッテリの充電完了から充電解除操作が行われるまでの時間である待機時間の履歴を記憶する。充電解除操作は、車両ユーザが充電を終了させて充電駐車スペースを空けられるようにする操作であって、例えば、充電用ケーブルの取り外し操作や、バッテリ充電制御を終了させる充電終了操作器の操作などが該当する。従って、待機時間履歴記憶手段は、こうした充電解除操作を検出することにより、車載バッテリの充電完了から充電解除操作までの待機時間を計測して、その履歴を記憶する。
通知条件変更手段は、待機時間履歴記憶手段に記憶された履歴に基づいて、過去の待機時間が長い場合は短い場合に比べて、通知が早いタイミングで行われるように通知条件を変更する。従って、バッテリ充電の完了から速やかに充電解除を行わない傾向(実績)のある車両ユーザに対しては、車両まで戻るように促すための通知が早めに行われることになる。これにより、車両ユーザの過去の実績に応じた適切なタイミングで通知を行うことができる。この結果、充電待ち車両の流れが一層スムーズとなり、充電施設の稼働率が一層向上する。
本発明の他の特徴は、前記車載バッテリの充電完了から充電解除操作が行われるまでの時間である待機時間の履歴を記憶する待機時間履歴記憶手段(127)と、前記待機時間履歴記憶手段に記憶された履歴に基づいて、過去の待機時間が長い場合は短い場合に比べて、前記通知手段が前記通知を行う周期を短くする通知周期可変手段(128,S171)とを備えたことにある。
本発明においては、通知周期可変手段が、待機時間履歴記憶手段に記憶された履歴に基づいて、過去の待機時間が長い場合は短い場合に比べて、通知手段が通知を行う周期を短くする。この場合、通知手段は、通知条件が成立するあいだは、所定の周期にて(所定のインターバルをあけて)繰り返し通知を行うものであり、通知周期可変手段は、この通知を行う周期を短くする。従って、バッテリ充電の完了から速やかに充電解除を行わない傾向(実績)のある車両ユーザに対しては、車両まで戻るように促すための通知が短い周期にて繰り返される。これにより、車両ユーザの過去の実績に応じた適切な頻度で通知を行うことができる。この結果、充電待ち車両の流れが一層スムーズとなり、充電施設の稼働率が一層向上する。
尚、過去の待機時間とは、過去の待機時間の累積値でもよいし、過去のバッテリ充電1回あたりの待機時間の平均値であってもよく、待機時間の履歴に関連した時間であればよい。
本発明の他の特徴は、前記情報提供手段は、前記電動車両の位置と前記車両ユーザの位置とに基づいて、前記電動車両から離れている車両ユーザが前記電動車両の位置に戻ってくるまでに必要となる必要移動時間を取得する必要移動時間取得手段(224)と、前記車載バッテリを充電しているときに、前記必要残充電時間と前記必要移動時間とを表す情報を前記判断支援情報として繰り返し前記車両ユーザに提供する時間情報提供手段(225)とを備えたことにある。
本発明においては、情報提供手段は、車両ユーザが車載バッテリの充電が完了するときに電動車両の位置に戻れるようにするタイミングをユーザが判断するための判断支援情報を車両ユーザに提供するために、必要移動時間取得手段と時間情報提供手段とを備えている。必要移動時間取得手段は、電動車両の位置と車両ユーザの位置とに基づいて、電動車両から離れている車両ユーザが電動車両の位置に戻ってくるまでに必要となる必要移動時間を取得する。バッテリ充電中においては、車両ユーザは、電動車両から離れて移動することが多いため必要移動時間が変化する。従って、必要移動時間取得手段は、バッテリ充電中において、所定の周期にて必要移動時間を取得するとよい。
時間情報提供手段は、必要残充電時間と必要移動時間とを表す情報を判断支援情報として繰り返し車両ユーザに提供する。車両ユーザは、必要残充電時間と必要移動時間とを比べることにより、電動車両の位置に戻るタイミングを容易に判断することができる。例えば、必要残充電時間から必要移動時間を引いた時間が余裕時間となるため、この余裕時間に基づいて電動車両の位置に戻るべきタイミングを適切に判断することができる。この結果、本発明によれば、車両ユーザは、バッテリ充電中に電動車両から離れていても、電動車両に戻るべきタイミングを適切に判断することができる。従って、車両ユーザは、後続の充電待ち車両を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後において、後続の充電待ち車両を待たせてしまうことを抑制できる。これにより、充電施設の稼働率を向上させることができる。
本発明の他の特徴は、前記情報提供手段は、前記必要残充電時間に基づいて、前記車載バッテリの充電が完了するときに車両ユーザが前記電動車両の位置に戻ってくることができる前記電動車両からの移動可能範囲を設定する移動可能範囲設定手段(226)と、前記車載バッテリを充電しているときに、前記電動車両の位置を基準とした前記移動可能範囲と前記車両ユーザの位置との関係を表す情報を前記判断支援情報として繰り返し前記車両ユーザに提供する位置情報提供手段(227)とを備えたことにある。
本発明においては、情報提供手段は、車両ユーザが車載バッテリの充電が完了するときに電動車両の位置に戻れるようにするタイミングをユーザが判断するための判断支援情報を車両ユーザに提供するために、移動可能範囲設定手段と位置情報提供手段とを備えている。移動可能範囲設定手段は、必要残充電時間に基づいて、車載バッテリの充電が完了するときに車両ユーザが電動車両の位置に戻ってくることができる電動車両からの移動可能範囲を設定する。位置情報提供手段は、車載バッテリを充電しているときに、電動車両の位置を基準とした移動可能範囲と車両ユーザの位置との関係を表す情報を判断支援情報として繰り返し車両ユーザに提供する。
従って、車両ユーザは、移動可能範囲と車両ユーザの位置との関係から、電動車両の位置に戻るタイミングを容易に判断することができる。例えば、移動可能範囲に対して車両ユーザの位置が電動車両に接近しているほど、電動車両に戻るまでの時間的な余裕があると判断することができる。逆に、車両ユーザの位置が移動可能範囲の境界に接近しているほど、電動車両に戻るまでの時間的な余裕がないと判断することができる。この結果、本発明によれば、車両ユーザは、バッテリ充電中に電動車両から離れていても、電動車両に戻るべきタイミングを適切に判断することができる。従って、車両ユーザは、後続の充電待ち車両を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後において、後続の充電待ち車両を待たせてしまうことを抑制できる。これにより、充電施設の稼働率を向上させることができる。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、本発明の各構成要件は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明の一実施形態に係る情報提供装置について図面を用いて説明する。図1は、実施形態に係る情報提供装置が適用される車両情報提供システムを表す概略構成図である。
車両情報提供システムは、車両から離れている車両ユーザ(以下、単にユーザと呼ぶ)に対して、ユーザの所有する携帯端末を使って、バッテリ充電に関する情報を知らせるシステムである。この車両情報提供システムに適用される車両は、バッテリを備え、外部電源によりバッテリを充電できるようにしたプラグイン式電動車両である。例えば、バッテリの電力で走行用モータを駆動する電気自動車がその代表であるが、走行用モータと内燃機関とを備えたプラグイン式ハイブリッド自動車であってもよい。また、電動自転車、アシスト自転車、電動バイクなどのバッテリの出力する電力により走行する二輪車、三輪車等であってもよい。
車両情報提供システムは、図1に示すように、車両10に設けられる車載端末100と、ユーザの所有する携帯端末200と、車載端末100,携帯端末200を相互に通信可能に接続するインターネット等の通信回線網300とを備えている。通信回線網300には、複数の無線基地局310が接続され、車載端末100および携帯端末200は、この無線基地局310を介して通信回線網300に接続される。また、通信回線網300には、例えば、車両情報を管理する車両情報センターに設けられるセンターサーバー400など、各種の情報提供サービスを行うサーバーが接続されている。
車両10のバッテリ20は、家庭用のコンセントから充電することができるだけでなく、外出先においては、充電スタンドに加えて、コンビニエンスストア、ショッピングセンターなどの店舗や娯楽施設等の駐車場に設けられた給電装置500を用いて充電することができる。以下、給電装置500を備えた施設を充電施設と呼ぶ。給電装置500は、充電用ケーブル510を使って車両10に接続されることにより、充電用電力をバッテリ20に供給する。
車両10は、走行駆動系の構成として、バッテリ20から出力される直流電力を三相交流電力に変換するモータドライバ(例えば、インバータ)30と、モータドライバ30から出力される三相交流電力により駆動されて車輪Wを回転させる走行用のモータ40と、運転者の運転操作に応じてモータドライバ30の出力を制御するモータ制御ユニット50(以下、モータECU50と呼ぶ)とを備えている。モータECU50は、車輪Wの回転駆動時においては、バッテリ20の電力を使用するが、車両10の制動時においては、車輪Wの回転エネルギーでモータ40を回し、このときモータ40が発電した電力をバッテリ20へ回生するようにモータドライバ30を制御する。これにより、ブレーキ操作に応じた回生制動力を発生させることができるようになっている。
車両10は、バッテリ20を充電するための構成として、充電用ケーブル510の接続プラグ511の接続口である受電口60と、受電口60に供給される電力をバッテリ20の充電用電力に変換してバッテリ20を充電する充電器70と、充電器70によるバッテリ20への充電を制御する充電ECU80とを備えている。バッテリ20には、バッテリ20の充電状態を示す値であるSOC(State Of Charge)を検出するSOC検出器90が設けられる。SOC検出器90は、SOCとしてバッテリ20の充電率(%)を表す信号を充電ECU80に出力する。
充電ECU80は、マイクロコンピュータを主要部として備え、バッテリ20の充電時においては、SOC検出器90により検出されるバッテリ残量(充電率)がユーザの設定した目標値(例えば、満充電)に達するまで充電器70を作動させてバッテリ20を充電する。また、バッテリ残量と、給電装置500からバッテリに供給される電流量とに基づいて、バッテリ残量が目標値に達するまで(充電完了まで)に必要となる時間を所定の演算周期で推定計算する。以下、充電ECU80により推定計算されたバッテリ残量が目標値に達するまでに必要となる時間を必要残充電時間Tbと呼ぶ。
受電口60には、充電用ケーブル510の接続プラグ511が差し込まれたときに接点の状態が切り替わる機械的なプラグ検出スイッチ61が設けられており、プラグ検出信号を充電ECU80に出力する。プラグ検出スイッチ61は、例えば、接続プラグ511が受電口60に差し込まれた状態であるときにオン信号を出力し、接続プラグ511が受電口60から外されている状態であるときにオフ信号を出力する。これにより、充電ECU80は、バッテリ充電の操作を検出することができるようになっている。
充電ECU80は、充電器70を作動させてバッテリ20の充電を開始したときに、バッテリ充電の開始を表す充電開始情報を車載端末100に出力する。そして、バッテリ充電中においては、必要残充電時間Tbを所定の周期で計算し、その計算の都度、計算結果を車載端末100に出力する。また、充電ECU80は、バッテリ残量が目標値に達して充電器70の作動を停止させると、バッテリ充電が完了したことを表す充電完了情報を車載端末100に出力し、その後、充電用ケーブル510の接続プラグ511が抜かれて、プラグ検出スイッチ61がオン状態からオフ状態に切り替わると、充電解除されたことを表す充電解除情報を車載端末100に出力する。
車載端末100は、本発明の情報提供装置に相当するもので、通信回線網300に接続して外部通信機器と無線通信を行う通信制御装置110(通信ECU110と呼ぶ)と、バッテリ充電時に車両10から離れているユーザに対して充電に関する情報を提供するための情報提供制御装置120(以下、情報提供ECU120と呼ぶ)とを備えている。通信ECU110は、通信回線網300を介してユーザの所有する携帯端末200、あるいは、センターサーバー400に接続するものである。本実施形態においては、バッテリ充電に関する情報は、車載端末100から携帯端末200に送信するように構成しているが、センターサーバー400から携帯端末200に送信するように構成することもできる。
ユーザが所有する携帯端末200としては、例えば、スマートフォンや携帯電話が使用される。携帯端末200は、図2に示すように、通信回線網300に接続して外部通信機器と無線通信を行う通信制御部210と、表示器と操作器とを兼用したタッチパネル式液晶ディスプレイ230と、音声を発するスピーカやアンプを備えた発音部240と、GPS衛星からの電波に基づいて携帯端末200の現在位置を検出するGPSユニット250と、各種のアプリケーションの実行を司る主制御部220と、アプリケーションプログラムや各種のデータを記憶するメモリ260とを備える。携帯端末200は、電話機能、メール機能、インターネットと接続する機能、各種のアプリケーションプログラムのダウンロードおよびプログラムを実行する機能に加え、車載端末100あるいは車両情報センターのセンターサーバー400と通信接続して車両情報等各種の情報を授受する機能を備えている。
車載端末100の情報提供ECU120は、充電ECU80と接続され、相互に情報の授受ができるようになっている。また、情報提供ECU120は、GPS衛星からの電波に基づいて自車両の現在位置を検出するGPSユニット130と、地図情報(それに関連する情報も含む)を記憶した記憶ユニット140とを接続しており、自車両の現在位置情報および地図情報を取得できるようになっている。このGPSユニット130および記憶ユニット140は、図示しない車載ナビゲーション装置と共通に使用されるものでよい。尚、地図情報には、歩行者用ルートを設定するための歩道情報、交通機関情報なども含まれている。
情報提供ECU120は、マイクロコンピュータを主要部として備え、その機能に分類すると、図2に示すように、ユーザ位置取得部121、車両位置取得部122、必要移動時間計算部123、必要残充電時間取得部124、通知判定部125から構成される。これらの機能部における処理は、バッテリ20の充電開始から充電解除までの期間においてマイクロコンピュータにより実行される。
ユーザ位置取得部121は、ユーザの所持する携帯端末200の位置を表す情報を取得することにより、ユーザの現在位置(ユーザ位置と呼ぶ)を検出する。ユーザ位置取得部121は、充電ECU80からバッテリ充電が開始されたことを表す充電開始情報を入力すると、通信ECU110に対してユーザ位置取得指令を出力する。通信ECU110は、ユーザ位置取得部121から出力されたユーザ位置取得指令に基づいて、ユーザの所持する携帯端末200にアクセスして、携帯端末200に対してユーザ位置要求指令を送信する。
携帯端末200は、ユーザ位置要求指令を受信すると、主制御部220がユーザ位置通知プログラムを実行し、GPSユニット250により検出される携帯端末200の現在位置を表す情報を読み込み、読み込んだ位置情報をユーザ位置情報として車載端末100に送信する。ユーザ位置取得部121は、充電ECU80から充電解除情報を入力するまでのあいだ、こうした処理を所定の周期で繰り返す。これにより、ユーザ位置取得部121は、バッテリ充電が開始されてから解除されるまでのあいだ、ユーザ位置情報をリアルタイムで取得することができる。ユーザ位置取得部121は、携帯端末200から取得したユーザ位置情報を取得する都度、取得したユーザ位置情報を必要移動時間計算部123に出力する。
車両位置取得部122は、充電ECU80から充電開始情報を入力すると、車両10に搭載されたGPSユニット130により検出される自車両の現在位置を表す情報を読み込む。これにより、バッテリ充電中における車両位置情報を取得する。バッテリ充電中においては、車両10は移動しないため、車両位置情報の取得は1回のみ行われる。車両位置取得部122は、取得した車両位置情報を必要移動時間計算部123に出力する。
必要移動時間計算部123は、ユーザ位置取得部121から出力されたユーザ位置情報と、車両位置取得部122から出力された車両位置情報とを入力し、ユーザが車両位置に戻るのに要する時間である必要移動時間Taを計算により取得する。必要移動時間Taの計算は、ユーザ位置情報が入力される都度、実行される。この場合、必要移動時間計算部123は、記憶ユニット140に記憶されている地図情報を使って、ユーザが地図上におけるユーザ位置から車両位置まで戻ってくる経路を設定し、その経路における距離を移動速度(例えば、歩行速度)で除算することにより必要移動時間Taを計算する。この経路の設定にあたっては、例えば、最短経路を用いても良いし、ユーザ位置情報の履歴(ユーザ移動履歴)から求めたユーザの移動した経路等を用いるようにしても良い。また、移動速度は、予め設定した固定値でもよいし、ユーザ移動履歴から計算により求めるようにしてもよい。
また、ユーザ移動履歴から、ユーザが電車、バス等の公共交通機関を利用して移動したと推定できる場合には、その公共交通機関を使ってユーザが車両位置に戻るのに要する時間を計算するようにするとよい。この場合には、記憶ユニット140に記憶されている交通機関情報(時刻表情報等)を用いて利用駅の発着時刻等を考慮して計算するとよい。尚、地図情報、交通機関情報等に関しては、必ずしも記憶ユニット140に記憶しておく必要はなく、例えば、Webサービスを利用して、これらの情報を通信ECU110を介して取得するようにしてもよい。
また、必要移動時間Taの計算は、必要移動時間計算部123で行わずに、例えば、図示しない車載ナビゲーション装置に実行させるようにしてもよいし、通信回線網300に接続されたルート検索サイト等のWebサーバーに実行させるようにしてもよい。この場合には、必要移動時間計算部123は、必要移動時間Taの計算を実行させる装置に対して、ユーザ位置情報と車両位置情報(車載ナビゲーション装置の場合には不要)とを送信し、そこで計算された計算結果を取得するようにすればよい。
必要移動時間計算部123は、必要移動時間Taを取得(計算)する都度、その必要移動時間Taを通知判定部125に出力する。
必要残充電時間取得部124は、充電ECU80から所定の周期で出力される必要残充電時間Tbを取得し、その都度、取得した必要残充電時間Tbを通知判定部125に出力する。
通知判定部125は、必要移動時間計算部123から出力された必要移動時間Taと、必要残充電時間取得部124から出力された必要残充電時間Tbとを入力し、両者を比較する。必要残充電時間Tbが必要移動時間Taよりも長い場合(Tb>Ta)は、ユーザがこの時点で車両10に引き返せば、ユーザはバッテリ充電の完了前に車両10に到着することができると推定される状況である。一方、必要残充電時間Tbが必要移動時間Taよりも短い場合(Tb<Ta)には、ユーザがこの時点で車両10に引き返しても、ユーザはバッテリ充電の完了前に車両10に到着することができないと推定される状況である。この場合には、後続の充電待ち車両10’を待たせてしまうことになる。
そこで、通知判定部125は、必要残充電時間Tbが必要移動時間Ta以下となる場合(Tb≦Ta)には、ユーザを車両10に戻るように促すメッセージ通知を行うための通知指令を通信ECU110に対して出力する。また、必要残充電時間Tbが必要移動時間Taより長い場合(Tb>Ta)には、ユーザはすぐに戻る必要がない、つまり、まだ充電完了までの時間に余裕があるため、通知指令を出力しない。
通信ECU110は、通知判定部125から通知指令を入力した場合には、ユーザの所持する携帯端末200に対して帰車メッセージ通知指令を送信する。携帯端末200は、帰車メッセージ通知指令を受信すると、主制御部220が帰車メッセージ通知プログラムを実行し、通知音を発生させるとともに、ユーザを車両10に戻すためのメッセージである帰車メッセージを液晶ディスプレイ230に表示する。帰車メッセージは、例えば、「これ以上、遠くに行くと、充電完了時に充電ステーションに戻れなくなります。車に引き返すようにしてください。」というように、ユーザをすぐに車両10に戻るように促すことのできるものであればよい。この場合、液晶ディスプレイ230による表示に代えて、あるいは、加えて、発音部240による音声アナウンスによる通知を行うようにしてもよい。
必要移動時間Taと必要残充電時間Tbとは時間経過とともに変化する。このため、通知判定部125は、必要移動時間Taあるいは必要残充電時間Tbを入力する度に、上述した比較判定を行う。そして、通知指令を出力した場合には、その通知指令後の一定時間は、上記判定を行わないように待機し、一定時間経過した後に上述した処理を再開する。
ここで、情報提供ECU120における全体処理の流れについて図3を用いて説明する。図3は、情報提供ECU120の実行する充電情報通知制御ルーチンを表す。この充電情報通知制御ルーチンは、充電ECU80から充電開始情報を入力すると起動し、充電ECU80から充電解除情報を入力すると終了する。
充電情報通知制御ルーチンが起動すると、情報提供ECU120は、ステップS11において、GPSユニット130により検出される自車両位置を取得する。続いて、ステップS12において、通信ECU110にユーザ位置取得指令を出力することにより、携帯端末200から送信されたユーザ位置を取得する。続いて、ステップS13において、記憶ユニット140に記憶されている地図情報を参照して、自車両位置とユーザ位置とに基づいて、ユーザが車両位置にまで戻ってくるのに要する必要移動時間Taを計算する。続いて、ステップS14において、充電ECU80から出力される必要残充電時間Tbを取得する。
続いて、情報提供ECU120は、ステップS15において、必要残充電時間Tbが必要移動時間Ta以下であるか否かを判断する。充電開始当初においては、必要残充電時間Tbは長く、また、ユーザは車両10から遠くに離れていないため必要移動時間Taは短い。このため、必要残充電時間Tbは必要移動時間Taよりも長くなる。この場合、ステップS14における判断は、「No」となり、情報提供ECU120は、その処理をステップS12に戻して上述した処理を所定の周期で繰り返す。
バッテリ充電が開始されると、時間の経過とともに、必要残充電時間Tbは短くなってくる。一方で、ユーザは、車両10から遠くに離れることができる。この場合、ユーザが車両10から遠く離れるほど必要移動時間Taが長くなる。
情報提供ECU120は、こうした処理を繰り返すうちに、必要残充電時間Tbが必要移動時間Ta以下になったことを検出すると(S15:Yes)、その処理をステップS16に進めて、通信ECU110に通知指令を出力することにより、ユーザの携帯端末200に帰車メッセージを送信する。これにより、ユーザは、車両10に戻る必要性を認識することができる。
この場合、帰車メッセージが通知されたときにユーザがすぐに車両10に引き返せば、バッテリ充電が完了する時とほぼ同じタイミングで車両10に到着することができる。
情報提供ECU120は、続くステップS17において、通知指令の出力から設定時間Tsだけ時間経過するまで待機した後、その処理をステップS12に進めて、上述した処理を繰り返す。従って、ユーザが帰車メッセージの通知を無視してすぐに車両10に引き返さない場合には、定期的に帰車メッセージが通知されることになる。
情報提供ECU120は、充電ECU80から充電解除情報を入力すると、充電情報通知制御ルーチンを終了する。
以上説明した本実施形態の車両情報提供システムによれば、必要移動時間Taと必要残充電時間Tbとを所定の周期で比較し、必要残充電時間Tbが必要移動時間Ta以下となったことを検出したタイミングでユーザの携帯端末200を使って帰車メッセージを通知する。従って、必要残充電時間が長くても、ユーザが車両10から遠くに離れた段階で、帰車メッセージが通知される。また、必要残充電時間が短くなってくると、ユーザが車両10から遠くに離れていなくても帰車メッセージが通知される。つまり、帰車メッセージの通知されないエリア(車両10を中心とした範囲)が狭くなる。
この結果、ユーザは、バッテリ充電中に車両10から離れていても、車両10に戻る適切なタイミングを把握することができる。このため、ユーザは、後続の充電待ち車両10’を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後においても後続の充電待ち車両10’を待たせてしまうことを抑制できる。これにより、給電装置500を備えたショッピングセンター、娯楽施設等においては、駐車場の車両の流れがスムーズとなる。また、利用客が増加する。また、給電装置500を効率よく使用できるため充電施設の稼働率が向上する。
尚、本実施形態においては、必要移動時間Taと必要残充電時間Tbとを直接比較しているが、時間余裕を設けておくようにしてもよい。この場合には、必要移動時間Taに予め設定した余裕時間Tcを加算した値(Ta+Tc)と、必要残充電時間Tbとを比較するようにすればよい。あるいは、必要移動時間Taに時間余裕係数K(>1)を乗算した値(Ta×K)と、必要残充電時間Tbとを比較するようにしてもよい。
また、バッテリ充電の目標値(目標充電率)は、ユーザが設定してもよいし、固定値であっても良い。目標値を車両10側で設定する場合には、充電ECU80が目標設定値を読み込むようにすればよいが、給電装置500で設定するシステムである場合には、充電用ケーブル510を通信ラインに兼用して、給電装置500と充電ECU80とあいだの電力搬送通信(PLC:Power Line Communication)により、目標設定値を給電装置500から充電ECU80に送信するようにするとよい。
<第2実施形態>
次に、情報提供ECU120の構成を変更した実施形態である第2実施形態について説明する。尚、上述した実施形態を第1実施形態と呼ぶ。図4は、第2実施形態に係る車載端末100の機能ブロック図である。この第2実施形態における情報提供ECU1201は、第1実施形態における情報提供ECU120の構成に、待機時間計測部126と、待機履歴記憶部127と、通知条件変更部128とを追加したもので、他の構成については、第1実施形態と同一である。以下、追加した構成について説明する。
次に、情報提供ECU120の構成を変更した実施形態である第2実施形態について説明する。尚、上述した実施形態を第1実施形態と呼ぶ。図4は、第2実施形態に係る車載端末100の機能ブロック図である。この第2実施形態における情報提供ECU1201は、第1実施形態における情報提供ECU120の構成に、待機時間計測部126と、待機履歴記憶部127と、通知条件変更部128とを追加したもので、他の構成については、第1実施形態と同一である。以下、追加した構成について説明する。
バッテリ充電時においては、充電ECU80は、目標充電率にまでバッテリ20を充電すると充電器70の作動を停止して充電を完了するが、充電完了後に速やかに充電解除を行って充電駐車スペースを明け渡さなければ、後続の充電待ち車両10’は充電することができない。ここで、充電完了から充電解除が行われるまでの状態、つまり、充電待ち車両10’に対して必要以上に待たせてしまう状態を待機状態と呼び、その時間を待機時間と呼ぶ。
第2実施形態においては、待機状態を頻繁に起こすユーザに対しては、バッテリ充電中における帰車メッセージの通知タイミングを早めるとともに、その通知インターバルを早くすることにより、待機状態となることを抑制する。
待機時間計測部126は、バッテリ20の充電が完了したときに充電ECU80が出力する充電完了情報と、充電が解除されたときに充電ECU80が出力する充電解除情報を入力する。充電解除の検出は、本実施形態においては、充電用ケーブル510の接続プラグ511が受電口60から抜かれたこと(プラグ検出スイッチ61のオフ)を検出して行っているが、それに代えて、例えば、車両10内にバッテリ20の自動充電制御を終了させる充電解除スイッチ(図示略)を設け、この充電解除スイッチの操作を検出するようにしてもよい。また、給電装置500に設けられた給電終了スイッチ(図示略)の操作を充電ECU80にて検出するようにしてもよい。この場合は、給電装置500と充電ECU80とを電力搬送通信(PLC)あるいは近距離無線通信等により通信接続して、給電装置500から充電ECU80に対して充電解除信号を送信するようにすればよい。
待機時間計測部126は、充電完了情報を入力するとタイマを起動して計時を開始し、その後、充電解除情報を入力するとタイマの計時を終了する。これにより、待機時間計測部126は、充電完了から充電解除までにかかった時間である待機時間Twを計測する。待機時間計測部126は、バッテリ20の充電が行われる度に、待機時間Twを待機履歴記憶部127に出力する。
待機履歴記憶部127は、待機時間計測部126から出力される待機時間Twを累積し、その計算値である累積待機時間ΣTwを記憶保持する。この累積待機時間ΣTwは、ユーザが過去に充電待ち車両10’を無駄に待たせてしまった時間に比例していると推定できる。
通知条件変更部128は、充電ECU80から充電開始情報を入力すると、待機履歴記憶部127に記憶されている最新の累積待機時間ΣTwを読み出し、累積待機時間ΣTwに基づいて、早め通知時間αと、早め周期係数βとを設定する。早め通知時間αは、バッテリ充電中における帰車メッセージの通知タイミングを早めるための調整時間を表し、必要移動時間Taに加算される時間(あるいは必要残充電時間Tbに減算される時間)である。早め通知時間αは、次式に示すように、累積待機時間ΣTwが長くなるに従って増加するように設定される。ここで、K1は、任意に設定された係数である。
α=K1×ΣTw
α=K1×ΣTw
また、早め周期係数βは、帰車メッセージの通知周期Tsを短くする度合を表し、通知周期Tsに乗算される係数である。早め周期係数βは、次式に示すように累積待機時間ΣTwが長くなるに従って減少するように設定される。ここで、K2は、任意に設定された係数である。
β=K2/ΣTw
β=K2/ΣTw
通知条件変更部128は、設定した早め通知時間αと早め周期係数βとを通知判定部125に出力する。通知判定部125は、この早め通知時間αと早め周期係数βとに基づいて通知条件を変更して通知判定を行う。
ここで、通知条件の変更を含んだ情報提供ECU1201における全体処理の流れについて図5を用いて説明する。図5は、情報提供ECU1201の実行する充電情報通知制御ルーチンを表す。この充電情報通知制御ルーチンは、充電ECU80から充電開始情報を入力すると起動し、充電ECUから充電解除情報を入力すると終了する。充電情報通知制御ルーチンは、第1実施形態の充電情報通知制御ルーチン(図3)において、ステップS100,S102を追加し、ステップS15,S17に代えてステップS151,S171を設けたものである。従って、第1実施形態と同一の処理については、図面に第1実施形態と同一のステップ番号を付して説明を省略する。
充電情報通知制御ルーチンが起動すると、情報提供ECU1201は、ステップS100において、累積待機時間ΣTwを取得し、続くステップS101において、累積待機時間ΣTwに基づいて、上述した計算式を使って、早め通知時間αと早め周期係数βとを設定する。
情報提供ECU1201は、ステップS11からステップS14までの処理を行うと、ステップS151において、必要移動時間Taに早め通知時間αを加算した時間である調整後必要移動時間(Ta+α)を計算し、必要残充電時間Tbが調整後必要移動時間(Ta+α)以下であるか否かを判断する。そして、必要残充電時間Tbが調整後必要移動時間(Ta+α)以下となった段階で、ステップS16において、帰車メッセージの通知を行う。従って、早め通知時間αが長いほど、必要残充電時間Tbに対して早めに帰車メッセージの通知が行われることになる。つまり、累積待機時間ΣTwが多いユーザほど、早めに帰車メッセージの通知が行われることになる。
情報提供ECU1201は、続くステップS171において、設定時間Tsに早め周期係数βを乗算した値である調整後設定時間(Ts×β)を計算し、通知指令の出力から調整後設定時間(Ts×β)だけ時間経過するまで待機した後、その処理をステップS12に戻して、上述した処理を繰り返す。従って、早め周期係数βが小さいほど調整後設定時間(Ts×β)が短くなって、短いインターバルで通知判定(S12〜S151)および通知処理(S16)が行われることになる。これにより、累積待機時間ΣTwが多いユーザほど、帰車メッセージの通知の頻度が高くなる。
情報提供ECU1201は、充電ECU80から充電解除情報を入力すると充電情報通知制御ルーチンを終了する。このとき、情報提供ECU1201は、今回のバッテリ充電における充電完了から充電解除までの待機時間Twを記憶蓄積する。
以上説明した第2実施形態の車両情報提供システムによれば、充電完了から充電解除までにかかった時間である待機時間Twを累積した累積待機時間ΣTwを記憶し、累積待機時間ΣTwが多いほど、帰車メッセージの通知を必要残充電時間Tbに対して早いタイミングで行うとともに、通知周期を短くする。これにより、待機状態にする傾向の強いユーザに対しては、そうした傾向の弱いユーザに比べて、バッテリ充電中における帰車メッセージの通知タイミングが早められ、また、通知頻度が高められる。従って、ユーザの過去の傾向に応じた適切なタイミングで帰車メッセージの通知を行うことができる。この結果、充電待ち車両の流れが一層スムーズとなり、充電施設の稼働率が一層向上する。
尚、家庭でバッテリ充電する場合には待機時間を考慮する必要がないため、パーキング等の共有で使用する充電施設においてバッテリ充電する場合のみ、待機時間Twを計測するようにするとよい。つまり、待機時間Twの履歴を記憶すべき状況であるか否かを判断する状況判断手段を設けて、待機時間Twの履歴を記憶すべき状況である場合においてのみ、待機時間の履歴を記憶するようにするとよい。例えば、情報提供ECU1201は、GPSユニット130により検出される自車両の現在位置と、記憶ユニット140に記憶された地図情報(施設情報を含む)とに基づいて、自車両が共有の充電施設に位置していると判断した場合において、待機時間Twを計測するようにすればよい。あるいは、自車両位置が自宅位置とは異なると判断した場合において、待機時間Twを計測するようにしてもよい。あるいは、給電装置500と充電ECU80とを電力搬送通信(PLC)あるいは近距離無線通信等により通信接続して、給電装置500から充電ECU80に対して待機時間Twの計測指令を送信するようにしてもよい。
また、第2実施形態においては、待機時間Twの累積値である累積待機時間ΣTwに基づいて、早め通知時間αと、早め周期係数βとを設定するが、累積待機時間ΣTwに代えて、バッテリ充電1回あたりの待機時間Twの平均値Twaveに基づいて、早め通知時間αと、早め周期係数βとを設定するようにしてもよい。例えば、平均値Twaveは、累積待機時間ΣTwをバッテリ充電回数で乗算することに求めることができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。上述した第1,第2実施形態においては、必要残充電時間Tbと必要移動時間Taとの関係に基づいて通知タイミングを設定し、設定した通知タイミングにて、ユーザに対して車両位置に戻るよう促す通知を行うものであるが、第3実施形態においては、ユーザ自身が車両位置に戻るタイミングを判断することができる判断材料となる判断支援情報をユーザに対して提供するものである。図6は、第3実施形態に係る車載端末100および携帯端末200の機能ブロック図である。この第3実施形態における情報提供ECU1202は、車両位置取得部122と必要残充電時間取得部124とを備える。車両位置取得部122と必要残充電時間取得部124は、第1実施形態と同様の機能を備える。
次に、第3実施形態について説明する。上述した第1,第2実施形態においては、必要残充電時間Tbと必要移動時間Taとの関係に基づいて通知タイミングを設定し、設定した通知タイミングにて、ユーザに対して車両位置に戻るよう促す通知を行うものであるが、第3実施形態においては、ユーザ自身が車両位置に戻るタイミングを判断することができる判断材料となる判断支援情報をユーザに対して提供するものである。図6は、第3実施形態に係る車載端末100および携帯端末200の機能ブロック図である。この第3実施形態における情報提供ECU1202は、車両位置取得部122と必要残充電時間取得部124とを備える。車両位置取得部122と必要残充電時間取得部124は、第1実施形態と同様の機能を備える。
車両位置取得部122は、GPSユニット130から取得した車両位置情報を通信ECU110に出力する。また、必要残充電時間取得部124は、充電ECU80から所定の周期で出力される必要残充電時間Tbを取得し、その都度、取得した必要残充電時間Tbを通信ECU110に出力する。通信ECU110は、車両位置取得部122から入力した車両位置情報、および、必要残充電時間取得部124から入力した必要残充電時間Tbを携帯端末200に送信する。車両位置情報は、バッテリ充電が開始されたときに1回だけ送信され、必要残充電時間Tbは、バッテリ20の充電開始から充電解除までの期間において所定の周期で送信される。
携帯端末200における主制御部220は、マイクロコンピュータを主要部として備え、その機能に分類すると、図6に示すように、必要残充電時間取得部221と、車両位置取得部222と、ユーザ位置取得部223と、必要移動時間計算部224、表示制御部225とから構成される。これらの機能部における処理は、車載端末100から情報提供されているあいだマイクロコンピュータにより実行される。
必要残充電時間取得部221は、車載端末100から所定の周期で送信される必要残充電時間Tbを受信する都度、その必要残充電時間Tbを表示制御部225に出力する。車両位置取得部222は、バッテリ充電の開始時に車載端末100から送信された車両位置情報を必要移動時間計算部224に出力する。ユーザ位置取得部223は、GPSユニット250により検出される携帯端末200の現在位置を表す情報を読み込み、読み込んだ位置情報をユーザ位置情報として必要移動時間計算部224に出力する。
必要移動時間計算部224は、車両位置取得部222から出力された車両位置情報とユーザ位置取得部223から出力されたユーザ位置情報とを入力し、ユーザが車両位置に戻るのに要する時間である必要移動時間Taを計算により取得する。必要移動時間Taの計算は、ユーザ位置情報が入力される都度、実行される。この場合、必要移動時間計算部223は、メモリ260に記憶されている地図情報を使って、ユーザが地図上におけるユーザ位置から車両位置まで戻ってくる経路を設定し、その経路における距離を移動速度(例えば、歩行速度)で除算することにより必要移動時間Taを計算する。この計算にあたっては、第1実施形態における必要移動時間計算部123と同様の処理を行うようにすることができる。必要移動時間計算部224は、計算により取得した必要移動時間Taを表示制御部225に出力する。
表示制御部225は、必要残充電時間取得部221から入力した必要残充電時間Tbと、必要移動時間計算部224から入力した必要移動時間Taとを表す情報をディスプレイ230に表示する。図7は、このときにディスプレイ230に表示される画面G1を表す。この画面G1においては、例えば、「バッテリ充電中です。充電完了までに車両に戻って下さい。」というメッセージと、必要残充電時間Tbを表す充電残時間(この例では、60分)と、必要移動時間Taを表す必要戻り時間(この例では、40分)とが表示される。この充電残時間と必要戻り時間とは所定の周期で変化していく。このため、ユーザは、画面G1に表示される充電残時間と必要戻り時間とに基づいて、バッテリ充電の完了前に車両位置に戻ることができる状況であるか否かについて判断することができる。例えば、ユーザは、充電残時間が必要戻り時間を上回っているあいだであれば、バッテリ充電の完了に間に合うと判断することができる。また、ユーザは、充電残時間と必要戻り時間との差に基づいて、バッテリ充電の完了に間に合う余裕の程度を把握することができる。従って、この充電残時間(必要残充電時間Tb)と必要戻り時間(必要移動時間Ta)とに基づいて、車両に戻るタイミングをユーザ自身で決定することができる。このように、画面G1に表示された充電残時間と必要戻り時間とは、ユーザが、バッテリ充電が完了するときに車両位置に戻れるように支援する判断支援情報(判断材料)として機能する。
以上説明した第3実施形態によれば、充電中に車両10から離れているユーザに対して、充電完了時に車両位置に戻ってこられるような適切な情報を提供することができる。これにより、ユーザは、後続の充電待ち車両10’を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後においても後続の充電待ち車両10’を待たせてしまうことを抑制できる。尚、第3実施形態においては、携帯端末200が本発明の情報提供装置に相当する。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。上述した第3実施形態においては、ユーザ自身が車両位置に戻るタイミングを判断することができる判断材料となる判断支援情報として、必要残充電時間Tbを表す充電残時間と、必要移動時間Taを表す必要戻り時間をユーザに対して提供したが、第4実施形態においては、車両位置を基準とした移動許可範囲と、ユーザの位置との関係を表す情報を判断支援情報としてユーザに提供する。
次に、第4実施形態について説明する。上述した第3実施形態においては、ユーザ自身が車両位置に戻るタイミングを判断することができる判断材料となる判断支援情報として、必要残充電時間Tbを表す充電残時間と、必要移動時間Taを表す必要戻り時間をユーザに対して提供したが、第4実施形態においては、車両位置を基準とした移動許可範囲と、ユーザの位置との関係を表す情報を判断支援情報としてユーザに提供する。
図8は、第4実施形態に係る車載端末100および携帯端末200の機能ブロック図である。この第4実施形態における情報提供ECU1202は、第3実施形態における情報提供ECU1202と同一である。携帯端末200における主制御部2201は、マイクロコンピュータを主要部として備え、その機能に分類すると、図8に示すように、必要残充電時間取得部221と、車両位置取得部222と、ユーザ位置取得部223と、移動可能範囲設定部226と、表示制御部227とから構成される。これらの機能部における処理は、車載端末100から情報提供されているあいだマイクロコンピュータにより実行される。必要残充電時間取得部221と、車両位置取得部222と、ユーザ位置取得部223とに関しては、第3実施形態と同様の機能を備える。
移動可能範囲設定部226は、必要残充電時間取得部221の出力する必要残充電時間Tbを入力する都度、必要残充電時間Tbに基づいて、移動可能範囲を設定する。この移動可能範囲は、バッテリ充電が完了するときにユーザが車両位置に戻ってくることができる範囲を表す。移動可能範囲は、例えば、必要残充電時間Tbを歩行速度で乗算して得られる移動可能距離を半径とした円に設定される。歩行速度は、人の歩く平均速度(例えば、4km/時)に設定した固定値を用いても良いし、ユーザが任意に設定した設定値を用いても良い。移動可能範囲設定部226は、設定した移動可能範囲を表示制御部227に出力する。
表示制御部227は、移動可能範囲設定部226の出力する移動可能範囲と、車両位置取得部222の出力する車両位置と、ユーザ位置取得部223の出力するユーザ位置とを入力し、車両位置を基準とした移動可能範囲とユーザ位置との関係を表す情報をディスプレイ230に表示する。図9は、このときにディスプレイ230に表示される画面G2を表す。この画面G2においては、例えば、「バッテリ充電中です。このエリアから外れると充電完了時に車両に戻れません。」というメッセージと、車両位置を表す車両マークCと、車両位置を中心とした円状の移動可能範囲Aと、ユーザ位置を表すユーザマークUとが表示される。この場合、表示制御部227は、車両位置とユーザ位置とに基づいて、車両10とユーザとの間の距離D(例えば、直線距離)を計算し、車両位置から距離Dだけ離れた位置にユーザマークUを表示する。また、移動可能範囲Aの半径(この例では3km)と、車両10とユーザとの間の距離D(この例では2km)についても、数値で表示する。
この例では、車両位置から真横に離れた位置にユーザマークUを表示しているが、ユーザマークUは、任意の方向に表示してかまわない。例えば、表示制御部227は、車両位置を中心に配置した地図をディスプレイ230に表示し、この地図上におけるユーザ位置にユーザマークUを表示するようにしてもよい。この場合においても、地図上に、車両マークC、移動可能範囲A、距離情報を表示する。
移動可能範囲Aは、図10に示すように、必要残充電時間Tbが短くなっていくにしたがって狭くなっていく。従って、ユーザは、画面G2に表示される移動可能範囲Aとユーザ位置との関係から、バッテリ充電の完了前に車両位置に戻ることができる状況であるか否かについて判断することができる。例えば、ユーザマークUが移動可能範囲Aに入っている状況であれば、バッテリ充電の完了に間に合うと判断することができる。この場合、移動可能範囲Aに対してユーザ位置が車両位置に接近しているほど、車両10に戻るまでの時間的な余裕があると判断することができる。逆に、ユーザ位置が移動可能範囲Aの境界に接近しているほど、車両10に戻るまでの時間的な余裕がないと判断することができる。また、ユーザは、数値で表された移動可能範囲Aの広さ(半径)を表す距離と、車両10とユーザとの間の距離とに基づいて、バッテリ充電の完了に間に合う余裕の程度を一層適切に把握することができる。従って、移動可能範囲Aとユーザ位置との関係から、車両に戻るタイミングをユーザ自身で決定することができる。このように、画面G2に表示された移動可能範囲Aとユーザ位置との関係は、ユーザが、バッテリ充電が完了するときに車両位置に戻れるように支援する判断支援情報(判断材料)として機能する。
以上説明した第4実施形態によれば、充電中に車両10から離れているユーザに対して、充電完了時に車両位置に戻ってこられるような適切な情報を提供することができる。これにより、ユーザは、後続の充電待ち車両10’を気にすることなく、ショッピング等でバッテリ充電時間を有効利用することができる。また、バッテリ充電の完了後においても後続の充電待ち車両10’を待たせてしまうことを抑制できる。尚、第4実施形態においては、携帯端末200が本発明の情報提供装置に相当する。
以上、本実施形態に係る情報提供装置を備えた車両情報提供システムについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、1台の車両10と1台の携帯端末200とを対応付けて情報提供を行うようにしているが、例えば、複数のユーザが1台の車両10を交代で使用する場合には、車両10を起動したユーザを識別し、その特定されたユーザの所有する携帯端末200に情報提供を行うようにすればよい。この場合には、例えば、ユーザが個々に所有する車両キーのIDとユーザの携帯端末200のIDとを関連付ける関連付け情報を通信ECU110に予め記憶しておくとよい。通信ECU110は、車両起動時に車両キーIDを読み込んで、バッテリ充電時に、車両キーIDに対応した携帯端末200を選択して通信を行うようにすればよい。
この場合、第2実施形態においては、待機履歴記憶部127は、ユーザ毎に分けて、例えば、車両キーID毎に分けて、累積待機時間ΣTwを記憶するとよい。
また、第1,第2実施形態においては、必要移動時間Taの計算処理や通知判定処理を車両10側で行っているが、例えば、車両情報センターに設けられたセンターサーバー400にて、これらの処理を行うようにしてもよい。ここで、センターサーバー400にて行う変形例について説明する。車両情報センターは、車両10から送信される各種の車両情報を収集するとともに、ユーザに対して種々のサービス情報を提供する施設である。車両情報センターに設けられるセンターサーバー400は、マイクロコンピュータ、大容量記憶装置、通信回路を主要部として備え、その機能に分類すると、図1に示すように、通信回線網300に接続して通信制御を行う通信制御部410と、車両情報を管理する車両管理部420と、ユーザ情報を管理するユーザ管理部とから構成される。センターサーバー400は、車載端末100から送信された車両IDおよび車両キーIDを受信することにより、通信対象となる車両10およびユーザを特定することができる。ユーザ管理部430には、各ユーザに対応付けて携帯端末200の情報(電話番号、メールアドレス、通信アドレスなど)が記憶されている。従って、センターサーバー400は、車載端末100から車両キーIDを受信することで、その車両10のユーザの所有する携帯端末200に通信することができるようになっている。
第1,第2実施形態の変形例として、必要移動時間Taの計算処理や通知判定処理をセンターサーバー400で行う場合、センターサーバー400に、ユーザ位置取得部121、車両位置取得部122、必要移動時間計算部123、必要残充電時間取得部124、通知判定部125を設けるようにして、車載端末100から、車両ID、車両キーIDに加えて、バッテリ充電開始情報、車両位置情報、必要残充電時間情報、充電解除情報をセンターサーバー400に送信するようにすればよい。この場合、必要残充電時間情報については、所定の周期にて送信する。
センターサーバー400は、携帯端末200からユーザ位置情報を所定の周期で取得して、ユーザ位置と車両位置とから必要移動時間Taを計算し、必要移動時間Taと必要残充電時間Tbとに基づいて帰車メッセージの通知を携帯端末200に送信する。この場合、必要移動時間Taを計算するために必要となる地図情報は、センターサーバー400に記憶しておくようにしてもよいし、センターサーバー400がWebサービスを利用して取得するようにしてもよい。また、センターサーバー400に、待機時間計測部126、待機履歴記憶部127、通知条件変更部128を設けて、ユーザ毎に、帰車メッセージの通知条件を変更するようにしてもよい。この場合には、充電完了情報も車載端末100からセンターサーバー400に送信する。
この変形例においても、第1,第2実施形態と同様の作用効果が得られる。また、この変形例によれば、車載端末100の演算負担が軽くなる。
また、第1,第2実施形態の変形例として、必要移動時間Taの計算処理や通知判定処理を携帯端末200で行うようにしてもよい。この場合には、携帯端末200に、ユーザ位置取得部121、車両位置取得部122、必要移動時間計算部123、必要残充電時間取得部124、通知判定部125を設け、車載端末100からバッテリ充電開始情報、車両位置情報、必要残充電時間情報、充電解除情報を携帯端末200に送信するようにすればよい。また、必要移動時間Taを計算するために必要となる地図情報は、携帯端末200のメモリ260に記憶しておくようにしてもよいし、携帯端末200がWebサービスを利用して取得するようにしてもよい。また、携帯端末200に、待機時間計測部126、待機履歴記憶部127、通知条件変更部128を設けてもよい。
また、情報提供ECU120(1201)に設けられた機能部121〜125(121〜128)を、センターサーバー400と携帯端末200とに分配するように構成することもできる。
また、第3,第4実施形態においても、携帯端末200の主制御部220(2201)における機能部の一部をセンターサーバー400あるいは車載端末100に分配するように構成することもできる。
また、第3実施形態においては、必要残充電時間と必要移動時間とを数値を使って情報提供しているが、例えば、帯グラフなど必要残充電時間と必要移動時間とを比較可能に表示したイメージを使って情報提供するようにしてもよい。
また、第4実施形態においては、移動可能範囲とユーザ位置との関係を、平面的なイメージを使って情報提供しているが、移動可能範囲を表す車両位置からの距離と、車両位置からユーザ位置までの距離とを数値のみを使って情報提供するようにしてもよい。また、帯グラフなど他のイメージを使って、移動可能範囲とユーザ位置との関係を表す情報を提供するようにしてもよい。
10…車両、20…バッテリ、60…受電口、61…プラグ検出スイッチ、70…充電器、80…充電ECU、90…SOC検出器、100…車載端末、110…通信ECU、120,1201,1202…情報提供ECU、121,223…ユーザ位置取得部、122,222…車両位置取得部、123,224…必要移動時間計算部、124,221…必要残充電時間取得部、125…通知判定部、126…待機時間計測部、127…待機履歴記憶部、128…通知条件変更部、225,227…表示制御部、226…移動可能範囲設定部、130…GPSユニット、140…記憶ユニット、200…携帯端末、210…通信制御部、220,2201…主制御部、230…タッチパネル式液晶ディスプレイ、240…発音部、250…GPSユニット、260…メモリ、300…通信回線網、400…センターサーバー、410…通信制御部、420…車両管理部、430…ユーザ管理部、500…給電装置、510…充電用ケーブル、511…接続プラグ、Ta…必要移動時間、Tb…必要残充電時間、Tw…待機時間、α…早め通知時間、β…早め周期係数、ΣTw…累積待機時間。
Claims (6)
- 電動車両に搭載された車載バッテリを外部電源により充電しているときに、前記電動車両から離れている車両ユーザに対して、前記車載バッテリの充電に関連した情報を提供するための情報提供装置において、
前記車載バッテリの充電中に、前記車載バッテリの充電が完了するまでに必要となる必要残充電時間を取得する必要残充電時間取得手段と、
前記車載バッテリを充電しているときの前記電動車両の位置を取得する車両位置取得手段と、
前記車載バッテリを充電しているときの前記車両ユーザの位置を取得するユーザ位置取得手段と、
前記必要残充電時間と前記電動車両の位置と前記車両ユーザの位置とに基づいた、前記車両ユーザが前記車載バッテリの充電が完了するときに前記電動車両の位置に戻れるようにするタイミングを表すタイミング情報、あるいは、前記タイミングをユーザが判断するための判断支援情報を前記車両ユーザに提供する情報提供手段と
を備えたことを特徴とする情報提供装置。 - 前記情報提供手段は、
前記電動車両の位置と、前記車両ユーザの位置とに基づいて、前記電動車両から離れている車両ユーザが前記電動車両の位置に戻ってくるまでに必要となる必要移動時間を取得する必要移動時間取得手段と、
前記必要残充電時間と前記必要移動時間との関係に基づいて通知タイミングを設定し、前記設定した通知タイミングにて、前記車両ユーザに対して前記電動車両の位置に戻るよう促す通知を行う通知手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。 - 前記車載バッテリの充電完了から充電解除操作が行われるまでの時間である待機時間の履歴を記憶する待機時間履歴記憶手段と、
前記待機時間履歴記憶手段に記憶された履歴に基づいて、過去の待機時間が長い場合は短い場合に比べて、前記通知が早いタイミングで行われるように通知条件を変更する通知条件変更手段と
を備えたことを特徴とすることを請求項2記載の情報提供装置。 - 前記車載バッテリの充電完了から充電解除操作が行われるまでの時間である待機時間の履歴を記憶する待機時間履歴記憶手段と、
前記待機時間履歴記憶手段に記憶された履歴に基づいて、過去の待機時間が長い場合は短い場合に比べて、前記通知手段が前記通知を行う周期を短くする通知周期可変手段と
を備えたことを特徴とする請求項2または3記載の情報提供装置。 - 前記情報提供手段は、
前記電動車両の位置と前記車両ユーザの位置とに基づいて、前記電動車両から離れている車両ユーザが前記電動車両の位置に戻ってくるまでに必要となる必要移動時間を取得する必要移動時間取得手段と、
前記車載バッテリを充電しているときに、前記必要残充電時間と前記必要移動時間とを表す情報を前記判断支援情報として繰り返し前記車両ユーザに提供する時間情報提供手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。 - 前記情報提供手段は、
前記必要残充電時間に基づいて、前記車載バッテリの充電が完了するときに車両ユーザが前記電動車両の位置に戻ってくることができる前記電動車両からの移動可能範囲を設定する移動可能範囲設定手段と、
前記車載バッテリを充電しているときに、前記電動車両の位置を基準とした前記移動可能範囲と前記車両ユーザの位置との関係を表す情報を前記判断支援情報として繰り返し前記車両ユーザに提供する位置情報提供手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報提供装置。
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