まず、本実施例1に係る店舗のチェックアウトエリアのレイアウトを説明する。図1は、本実施例1に係る店舗のチェックアウトエリアのレイアウトを説明するための説明図である。なお、ここで言う「チェックアウトエリア」とは、商品の登録及び会計を行う領域を指す。
図1に示すように、本実施例1に係る店舗のチェックアウトエリアには、購入客により購入される商品を登録処理する登録装置10と、購入される商品の会計処理を行う会計装置20とがそれぞれ設けられている。この登録装置10は、店員により操作される装置であり、会計装置20は、購入客により操作される装置である。ここでは、登録装置10を操作する店員を「レジ店員」という。
購入客は、自らが購入する1又は複数の商品を買い物カゴに入れて登録装置の位置まで運び、買い物カゴをレジ店員に受け渡す。レジ店員は、買い物カゴ内に所在する商品に貼付されたバーコードをバーコードリーダにより順次読み取り、また、バーコードが貼付されない商品についてはテンキー等により商品価格等を手入力して、購入商品データを登録する。複数の商品に対して連続して登録を行なった場合には、購入商品データは複数の商品を含むデータとなり、複数の商品の価格の合計が算定される。
そして、買い物カゴ内の全ての商品の情報を読み取った後、登録装置10は、登録レシートを発行する。この登録レシートは、登録レシートを一意に特定する登録番号と会計価格とが印字されている。会計価格は、商品が一つの場合には該商品の価格となり、商品が複数の場合には複数の商品の合計価格となる。
その後、購入客は、登録を終えた商品が内在する買い物カゴと登録レシートとを持参して、すいている会計装置20に移動する。購入客が会計装置20に登録レシートを読み取らせると、会計装置20は、読み取った登録レシートの内容について会計処理が可能な状態となる。購入客は、会計装置20を操作して会計を完了させた後、チェックアウトエリアを出て商品の袋詰めを行なう。
チェックアウトエリアの外側には、サッカー台80が配置されたサッカーエリアが形成される。購入客は、このサッカー台に買い物カゴを置き、購入した商品を袋詰めすることができる。
このように、レジ店員は、登録装置10による登録操作のみを行なって登録レシートを発行し、購入客は登録レシートを受け取って会計装置20まで移動し、購入客自身の操作により会計を行なう。このため、レジ店員の負担が軽減し、購入する商品の登録から会計までの処理を効率よく行なうことができる。
チェックアウトエリアの出口近傍には、商品の購入客に対する案内を行なうアテンダントと呼ばれる案内店員を配置する。この案内店員は、会計装置20の操作に不慣れな購入客に対する操作方法の案内や、会計を行なわずにチェックアウトエリアを出ようとする購入客に対する会計装置20への案内などを行なう。
本実施例1に係る販売管理システムでは、登録装置10による登録を行う時点で商品の購入客の画像データを撮像し、未会計のまま所定時間が経過した購入客の画像を案内店員が携行する携帯端末に表示制御することで、案内店員が効率的に案内を行なうことができるよう支援する。図2は、本実施例1に係る販売管理システムの概念を説明するための説明図である。
図2に示すように、本実施例1に係る販売管理システムは、複数の登録装置10の近傍にそれぞれカメラ19を設置し、カメラ19により購入客の画像データ(以下、「購入客画像データ」と言う)を撮像する。また、登録装置10により登録された購入商品データをカメラ19により撮像された購入客画像データと関連付けて管理装置50に送信する。なお、購入客画像データとしては、購入客の顔画像など、購入客を特定可能な情報を含む画像データを用いる。なお、カメラ19は、防犯カメラとして継続的に撮像させてもよいが、取引中の所定のタイミングに撮像された画像データを購入客画像データとして用いることになる。
管理装置50は、購入商品データと購入客画像データとを関連付けて記憶し、会計装置20により会計処理が行なわれた場合に消し込み処理する。かかる処理により、管理装置50は、未会計の購入商品データ及び購入客画像データを管理することができる。
管理装置50は、未会計のまま所定時間が経過した購入商品データがある場合には、該購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを案内依頼として案内店員が携行する携帯端末30に送信する。
携帯端末30は、管理装置50から受信した購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを表示する。このため、案内店員は、携帯端末30の表示内容により案内の必要な購入客を確認し、効率的な案内を行なうことができる。案内店員は、携帯端末以外に、席に設置される監視端末を介して各種の情報を取得してもよい。
図3は、本実施例1に係る販売管理システムのシステム構成を説明するための説明図である。図3に示すように、本実施例1に係る販売管理システムは、複数の登録装置10と、複数の会計装置20と、無線装置70と、管理装置50とを通信回線で接続した構成を有する。また、複数の登録装置10には、それぞれカメラ19が接続されている。また、無線装置70は、携帯端末30と無線通信を行う。
登録装置10は、チェックアウトエリアに配置され、レジ店員の操作により商品を登録して登録レシートを発行する装置である。この登録装置10は、商品の登録を行なう際に、カメラ19により撮像した購入客画像データを取得し、購入商品データと関連付けて管理装置50に送信する。
会計装置20は、チェックアウトエリアに配置され、購入客の操作により商品の会計を行なう装置である。この会計装置20は、登録レシートを受け付けて該登録レシートにより特定される会計価格分の会計処理を行なう。また、会計装置20は、会計の完了を管理装置50に通知する。
管理装置50は、購入商品データと購入客画像データとを関連付けて記憶し、会計装置20により会計処理が行なわれた場合に消し込み処理することで、未会計の購入商品データ及び購入客画像データを管理する。そして、未会計のまま所定時間が経過した購入商品データがある場合には、該購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを案内依頼として案内店員が携行する携帯端末30に送信する。
携帯端末30は、管理装置50から受信した購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを表示することで、案内店員に案内の必要な購入客を確認させ、効率的な案内を行なわせる。
次に、図3に示した登録装置10の内部構成について説明する。図4は、図3に示した登録装置10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、登録装置10は、購入客を撮像するカメラ19と接続されている。また、登録装置10は、店側表示部11、操作部12、バーコードリーダ13、客側表示部14、レシートプリンタ15、通信部16、記憶部17及び制御部18を有する。
店側表示部11は、操作者であるレジ店員用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。操作部12は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、バーコードを貼付されていない商品の登録などに使用する。バーコードリーダ13は、商品に貼付されたバーコードを読み取る装置である。
客側表示部14は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。購入客は、この客側表示部14の表示内容を確認することにより、商品の価格や会計価格等を確認することができる。レシートプリンタ15は、登録した商品に関する情報を登録レシートとして印字して発行するプリンタである。通信部16は、通信回線を介して管理装置50との通信を行なう通信インタフェース部であり、購入商品データ及び購入客画像データを管理装置50に送信する場合に使用される。
記憶部17は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、商品マスタデータ17a及び登録ログデータ17bを記憶する。商品マスタデータ17aは、商品の識別情報に対して品名及び価格等を関連付けたデータである。登録ログデータ17bは、登録装置10が購入商品データとして登録したデータの履歴を示すデータである。
制御部18は、登録装置10を全体制御する制御部であり、商品データ特定部18a、会計価格算定部18b、購入客画像取得部18c、登録処理部18d及び登録レシート発行部18eを有する。
商品データ特定部18aは、バーコードリーダ13がバーコードを読み取った場合に、該バーコードにより示される商品識別情報を元に商品マスタデータ17aを参照し、商品の品名及び価格を特定する処理部である。
会計価格算定部18bは、購入商品データの会計価格を算定する処理部である。会計価格は、購入する商品が1つであるときは、商品データ特定部18aにより特定された商品の価格となり、同一の商品が複数ある場合には、商品データ特定部18aにより特定された商品の価格に購入数を乗算した値となる。また、商品データ特定部18aにより複数種類の商品が特定されたならば、特定された各商品の価格にそれぞれの個数を乗算した合計が会計価格となる。
購入客画像取得部18cは、カメラ19により撮像された購入客画像データを取得する処理部である。具体的には、カメラ19に対して撮像指示を出して購入客の画像データを撮像させ、撮像結果に対して特徴量算出処理を行ない、購入客を特定するために必要な特徴量が得られるまでカメラ19に撮像を繰り返させる。そして、購入客を特定するために必要な特徴量が得られた画像データを購入客画像データとする。
登録処理部18dは、商品データ特定部18aにより特定された商品の品名、価格及び個数並びに会計価格算定部18bにより算定された会計価格を含む購入商品データを登録する処理を行なう処理部である。この購入商品データには、購入商品データを一意に識別する登録番号を付与し、購入客画像データを関連付ける。登録処理部18dは、購入商品データを管理装置50に送信して登録するととともに、登録ログデータ17bに登録履歴として追加する。
登録レシート発行部18eは、登録レシートを発行する処理部である。登録レシートには、購入商品データを識別する登録番号をバーコード印刷する。また、購入商品データに含まれる商品の品名、個数、価格並びに会計価格を印字してもよい。この登録レシートは、購入客に手渡され、会計装置20による会計処理に用いられる。
次に、図3に示した会計装置20の内部構成について説明する。図5は、図3に示した会計装置20の内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、会計装置20は、表示部21、操作部22、登録レシートリーダ23、レシートプリンタ24、カメラ25、通信部26、紙幣処理ユニット27a、硬貨処理ユニット27b、カード処理ユニット27c、電子マネー処理ユニット27d、記憶部28及び制御部29を有する。
表示部21は、操作者である購入客用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。操作部22は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、暗証番号の入力等に用いられる。登録レシートリーダ23は、登録レシートに印刷されたバーコードを読み取る装置である。
レシートプリンタ24は、会計終了後に会計レシートを印刷するプリンタである。カメラ25は、会計処理を行なった購入者の画像データを撮像する撮像装置である。通信部26は、通信回線を介して管理装置50との通信を行なう通信インタフェース部であり、購入商品データの取得及び会計結果の通知に使用される。
紙幣処理ユニット27aは、投入された紙幣の真贋及び金種の識別、金種毎のストック並びに釣銭としての払出を行なうユニットである。硬貨処理ユニット27bは、投入された硬貨の真贋及び金種の識別、金種毎のストック並びに釣銭としての払出しを行なうユニットである。カード処理ユニット27cは、クレジットカードやデビットカードの読取りを行なうユニットである。電子マネー処理ユニット27dは、カードや携帯電話端末等に関連付けられた電子マネーの残高読取処理及び決済処理を行なうユニットである。
記憶部28は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、会計ログデータ28aを記憶する。会計ログデータ28aは、会計装置20による会計処理の履歴を示すデータである。
制御部29は、会計装置20を全体制御する制御部である。制御部29は、購入商品データ取得部29a、会計客画像取得部29b、会計処理部29c及び会計レシート発行部29dを有する。
購入商品データ取得部29aは、登録レシートリーダ23が登録レシートの登録番号を読み取った場合に、該登録番号に対応する購入商品データを管理装置50から取得する処理部である。
会計客画像取得部29bは、カメラ25による画像データの撮像を管理する処理部である。具体的には、カメラ25に対して撮像指示を出して会計を行なった購入客の画像データを撮像させる。また、撮像結果に対して特徴量算出処理を行ない、購入客を特定するために必要な特徴量が得られるまでカメラ25に撮像を繰り返させる。そして、購入客を特定するために必要な特徴量が得られた画像データを会計客画像データとする。
会計処理部29cは、購入商品データ取得部29aにより管理装置50から取得された購入商品データを表示部21に表示制御し、該購入商品データに示された会計価格の会計を行なう処理部である。
この会計処理を現金により行なう場合には、購入客からの現金投入を受け入れ、紙幣処理ユニット27a及び硬貨処理ユニット27bにより金種識別を行なって投入された金額を算定し、必要に応じて釣銭を払い出す。また、会計処理をクレジットカード又はデビットカードにて行なう場合には、カード処理ユニット27cにより挿入されたカードの読取りを行なってクレジット決済又はデビット決済を行なう。クレジット決済又はデビット決済を行なう場合に必要な暗証番号の入力は操作部22により行なう。また、会計処理を電子マネー決済にて行なう場合には、電子マネー処理ユニット27dによりカードや携帯電話端末等から電子マネーの残高を読み取り、該残高を会計価格分だけ減算して更新する。
会計処理部29cは、会計処理が終了した場合に、会計結果を管理装置50に送信するとともに、会計ログデータ28aに会計履歴として追加する。会計結果や会計ログには、会計客画像取得部29bにより取得した会計客画像データを関連付けてもよい。
会計客画像データは、会計処理時に不正が行なわれた場合等に用いることができる。例えば、登録装置10による登録処理時に購入する商品を2つに分けてそれぞれ登録レシートの発行を受け、そのうちの一方のみを会計処理する等の不正が行なわれた場合には、一方のみを会計処理した購入客の会計客画像データを会計装置20で取得して、未会計の登録レシート分の購入客画像データとして使用することができる。
会計レシート発行部29dは、会計レシートを発行する処理部である。会計レシートには、会計処理した商品の品名、商品の個数、商品の価格、会計価格、投入金額並びに釣銭などを印字する。
次に、図3に示した管理装置50の内部構成について説明する。図6は、図3に示した管理装置50の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、管理装置50は、表示部51、入力部52、通信部53、記憶部54及び制御部55を有する。
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等であり、入力部52は、キーボードやマウス等である。通信部53は、通信回線を介して登録装置10、会計装置20、携帯端末30と通信するための通信インタフェース部である。
記憶部54は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、購入商品データベース54aを記憶する。購入商品データベース54aは、登録装置10から受信した購入商品データが登録されたデータベースである。また、会計装置20により会計処理が行なわれた場合には、対応する購入商品データは消し込まれる。したがって、記憶部54が記憶する購入商品データベース54aは、未会計の購入商品データを示すこととなる。
制御部55は、管理装置50を全体制御する制御部であり、登録処理部55a、消込処理部55b、閾値算定部55c、判定部55d及び案内依頼部55eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、登録処理部55a、消込処理部55b、閾値算定部55c、判定部55d及び案内依頼部55eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
登録処理部55aは、登録装置10から受信した購入商品データを記憶部54の購入商品データベース54aに追加登録する処理を行なう処理部である。消込処理部55bは、会計装置20から登録番号を受信した場合に、受信した登録番号に対応する購入商品データを会計装置20に送信し、会計装置20から会計終了の通知を受けた場合に購入商品データの消し込みを行なう処理部である。
閾値算定部55cは、判定部55dによる判定に用いる閾値Thを算定する処理部である。具体的には、未会計の購入商品データの数をA、会計装置20の数をB、会計装置20を操作して会計処理を終えるまでに要する平均処理時間をCとし、「Th=A÷B×C」により閾値Thを算定する。また、マージンDを加算して「A÷B×C+D」を閾値Thとしてもよい。
判定部55dは、購入商品データベース54aに登録された未処理の購入商品データについて、該購入商品データを登録した処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回るか否かを判定する処理部である。
案内依頼部55eは、処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回る購入商品データについて、該購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを案内依頼として携帯端末30に送信する処理部である。
図7は、図6に示した購入商品データベース54aを説明するための説明図である。図7に示すように、購入商品データベース54aは、登録番号、登録装置番号、処理時刻、会計価格、購入点数、購入客画像データ、会計情報及び備考の項目を有する。
登録番号は、購入商品データを一意に特定するための番号である。登録装置番号は、該購入商品データを登録した登録装置を一意に特定するための番号である。処理時刻は、該購入商品データを登録した時刻を示す。会計価格は、該購入商品データの会計価格を示し、購入点数は、購入商品データに含まれる商品の数を示す。購入客画像データは、該購入商品データに関連付けられた購入客の画像データであり、会計情報は、会計処理が終了したか否かを示す。また、備考は、購入した商品の品名及び数等を示す。
図7は、登録番号「1234」の購入商品データが登録装置番号「3」の登録装置10により登録された状況を示している。また、この購入商品データは、「10:05」に登録され、商品Aを1つ、商品Bを4つ含む12点の商品に対応し、その会計価格が「¥3,280」であることを示している。また、この購入商品データは、会計情報が「未会計」、即ち会計処理が行なわれていない。
次に、登録装置10による処理手順について説明する。図8は、登録装置10の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、登録装置10は、レジ店員による登録開始操作を受け付けたならば(ステップS101;Yes)、バーコードリーダ13により商品に貼付されたバーコードを読み取る(ステップS102)。
商品データ特定部18aは、読み取ったバーコードにより示される商品識別情報を元に商品マスタデータ17aを参照し、商品の品名及び価格を特定する(ステップS103)。会計価格算定部18bは、特定した商品の価格を会計価格に加算する(ステップS104)。
会計価格の加算(ステップS104)の後、登録装置10は、レジ店員による登録終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。レジ店員による登録終了操作を受け付けていなければ(ステップS105;No)、登録装置10は、バーコード読み取り(ステップS102)に移行する。
一方、レジ店員による登録終了操作を受け付けたならば(ステップS105;Yes)、購入客画像取得部18cは、カメラ19に対して撮像指示を出して購入客の画像データを撮像させる(ステップS106)。購入客画像取得部18cは、撮像結果に対して特徴量算出処理を行ない、購入客を特定するために必要な特徴量が得られたか、すなわち正常に撮像できたかを判定する(ステップS107)。
正常に撮像できていなければ(ステップS107;No)、購入客画像取得部18cは、カメラ19に対して撮像指示を出して購入客の画像データを撮像させる(ステップS106)。正常に撮像できたならば(ステップS107;Yes)、登録処理部18dは、購入商品データを管理装置50に送信して登録するととともに、登録ログデータ17bに登録履歴として追加する(ステップS108)。また、登録レシート発行部18eは、購入商品データを識別する登録番号をバーコード印刷した登録レシートを発行し(ステップS109)、処理を終了する。
次に、会計装置20による処理手順について説明する。図9は、会計装置20の処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、会計装置20は、登録レシートリーダ23により登録レシートを読み取ったならば(ステップS201;Yes)、カメラ25が操作者を撮像し(ステップS202)、購入商品データ取得部29aが登録レシートに示された登録番号に対応する購入商品データを管理装置50から取得する(ステップS203)。
会計処理部29cは、購入商品データ取得部29aにより管理装置50から取得された購入商品データを表示部21に表示制御し(ステップS204)、操作者による承認操作の入力待ち状態となる(ステップS205)。
操作者による承認操作を受け付けたならば(ステップS205;Yes)、操作者の操作に基づいて会計方法を選択し(ステップS206)、選択された会計方法により会計処理を実行する(ステップS207)。選択可能な会計方法は、現金による会計、クレジットカード決済又はデビットカード決済である。
会計処理(ステップS207)の後、会計処理部29cは、会計が終了したか否かを判定し(ステップS208)、会計処理が終了していなければ(ステップS208;No)、会計方法の選択(ステップS206)に移行する。
会計処理が終了したならば(ステップS208;Yes)、会計処理部29cは、会計結果を管理装置50に送信し(ステップS209)、会計レシート発行部29dが会計レシートを発行して(ステップS210)、処理を終了する。
なお、会計方法の選択については、操作者が選択入力する方法以外に、決済媒体が読み込まれただけで、対応する決済モードに切り替わるようにしてもよい。
次に、管理装置50による処理手順について説明する。図10は、管理装置50の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、管理装置50は、登録装置10から購入商品データを受信したならば(ステップS301;Yes)、受信した購入商品データを購入商品データベース54aに追加登録する(ステップS302)。
購入商品データベース54aへの追加登録(ステップS302)の後若しくは購入商品データを受信していない場合(ステップS301;No)には、管理装置50は、会計装置20から会計結果を受信したか否かを判定する(ステップS303)。会計結果を受信したならば(ステップS303;Yes)、消込処理部55bにより対応する購入商品データの消し込みを行なう(ステップS304)。
消し込みを行なった(ステップS304)後若しくは会計結果を受信していなければ(ステップS303;No)、管理装置50は、閾値算定部55cによる閾値の算定を行なう(ステップS305)。判定部55dは、購入商品データベース54aに登録された未処理の購入商品データについて、該購入商品データを登録した処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回るか否かを判定する(ステップS306)。
処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回る購入商品データがなければ(ステップS306;No)、管理装置50は処理を終了する。一方、処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回る購入商品データがあるならば(ステップS306;Yes)、該購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを案内依頼として携帯端末30に送信して(ステップS307)、処理を終了する。
次に、携帯端末30による処理手順について説明する。図11は、携帯端末30の処理手順を示すフローチャートである。図11に示すように、携帯端末30は、管理装置50から案内依頼を受信したならば(ステップS401;Yes)、案内依頼に示された購入商品データ及び購入客画像データを取得する(ステップS402)。
携帯端末30は、取得した購入商品データ及び購入客画像データを表示し(ステップS403)、案内店員による確認入力の入力待ち状態となる(ステップS404)。案内店員による確認入力を受け付けたならば(ステップS404;Yes)、携帯端末30は、案内店員による終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS405)。
案内店員による終了操作を受け付けていない場合(ステップS405;No)若しくは案内依頼を受信していない場合(ステップS401;No)、携帯端末30は、案内依頼を受信したか否かの判定に移行する(ステップS401)。そして、案内店員による終了指示を受け付けた場合に(ステップS405;Yes)、処理を終了する。
なお、消し込み処理では、必ずしもデータを消去する必要は無く、別のファイル等に移動保存して監視対象外とするが、必要時に呼び出せるように管理してもよい。
上述してきたように、本実施例1では、購入対象として指定された商品の情報を購入商品データとして登録する登録装置10の近傍にカメラ19を設置して購入客画像データを撮像し、購入商品データに購入客画像データを関連付けて記憶し、購入客が会計装置20を操作して会計処理を行なった場合に購入商品データを消し込み処理し、未会計のまま所定時間が経過した購入商品データがある場合には、該購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを案内依頼として案内店員が携行する携帯端末30に送信するよう構成したので、案内店員に効率的な案内を行なわせることができる。
上述した実施例1では、管理装置が案内の必要な購入客を判定し、案内店員により携行される携帯端末に対して案内依頼を送信する構成を示したが、案内店員により携行される携帯端末が案内の必要な購入客を判定する構成としてもよい。本実施例2では、案内店員により携行される携帯端末が案内の必要な購入客を判定する構成について説明する。
図12は、本実施例2に係る販売管理システムの概念を説明するための説明図である。図12に示す販売管理システムでは、管理装置150は、登録装置10より受信した購入商品データ及び購入客画像データを携帯端末130に送信する。また、管理装置150は、会計装置20から受信した会計結果を携帯端末130に送信する。
携帯端末130は、管理装置150から受信した購入商品データ、購入客画像データ及び会計結果に基づいて、未会計の購入商品データを管理し、未会計のまま所定時間が経過した購入商品データがあるか否かを判定する。そして、未会計のまま所定時間が経過した購入商品データがある場合には、該購入商品データに対応する購入客画像データを表示制御する。
次に、図12に示した管理装置150の内部構成について説明する。図13は、図12に示した管理装置150の内部構成を示すブロック図である。図13に示すように、管理装置150は、制御部55に登録処理部55a、消込処理部55b、判定対象抽出部151及び通知部152を有する。その他の構成及び動作については実施例1に示した管理装置50と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
登録処理部55aは、実施例1と同様に、登録装置10から受信した購入商品データを記憶部54の購入商品データベース54aに追加登録する処理を行なう処理部である。消込処理部55bは、実施例1と同様に、会計装置20から登録番号を受信した場合に、受信した登録番号に対応する購入商品データを会計装置20に送信し、会計装置20から会計終了の通知を受けた場合に購入商品データの消し込みを行なう処理部である。
判定対象抽出部151は、購入商品データの登録及び消し込みについて、携帯端末130による判定の対象とすべき購入商品データを抽出する処理部である。具体的には、会計価格が予め定めた所定価格以上である場合に、該購入商品データを判定対象として抽出する。
通知部152は、携帯端末130に対する通知を行なう処理部である。具体的には、購入商品データの登録が行なわれ、該購入商品データが判定対象抽出部151により判定対象として抽出された場合には、通知部152は、登録された購入商品データと該購入商品データに対応する購入客画像データとを携帯端末130に通知する。また、購入商品データの消し込み処理が行なわれ、該購入商品データが判定対象抽出部151により判定対象として抽出された場合には、通知部152は、消し込み処理された購入商品データの会計結果を携帯端末130に通知する。
次に、管理装置150による処理手順について説明する。図14は、管理装置150の処理手順を示すフローチャートである。図14に示すように、管理装置150は、登録装置10から購入商品データを受信したならば(ステップS501;Yes)、受信した購入商品データを購入商品データベース54aに追加登録する(ステップS502)。
判定対象抽出部151は、追加登録された購入商品データの会計価格が所定額以上であるか否かを判定し(ステップS503)、会計価格が所定価格以上であるならば(ステップS503;Yes)、携帯端末130に登録した購入商品データ及び購入客画像データを通知する(ステップS504)。
携帯端末130への通知(ステップS504)の後、会計価格が所定価格未満である場合(ステップS503;No)若しくは購入商品データを受信していない場合(ステップS501;No)には、管理装置150は、会計装置20から会計結果を受信したか否かを判定する(ステップS505)。会計結果を受信したならば(ステップS505;Yes)、消込処理部55bにより対応する購入商品データの消し込みを行なう(ステップS506)。
判定対象抽出部151は、消し込み処理された購入商品データの会計価格が所定額以上であるか否かを判定し(ステップS507)、会計価格が所定価格以上であるならば(ステップS507;Yes)、携帯端末130に消し込み処理した購入商品データの会計結果を通知する(ステップS508)。
携帯端末130への通知(ステップS508)の後、会計価格が所定価格未満である場合(ステップS507;No)若しくは会計結果を受信していない場合(ステップS505;No)、管理装置150は処理を終了する。
次に、図12に示した携帯端末130の内部構成について説明する。図15は、図12に示した携帯端末130の内部構成を示すブロック図である。図15に示すように、携帯端末130は、表示部31、操作部32、無線通信部33、記憶部34及び制御部35を有する。
表示部31は、操作者である案内店員用の表示部兼操作部であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。操作部32は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなる。無線通信部33は、無線装置70及び通信回線を介して管理装置150と通信するための通信インタフェース部である。
記憶部34は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、購入商品データベース34aを記憶する。購入商品データベース34aは、管理装置150から受信した購入商品データが登録されたデータベースである。また、管理装置150から会計結果を受信した場合には、対応する購入商品データは消し込まれる。管理装置150からは、判定対象として抽出された購入商品データ及び会計結果が送信されるので、記憶部34が記憶する購入商品データベース34aは、管理装置150により抽出された、未会計の購入商品データを示すこととなる。
制御部35は、携帯端末130を全体制御する制御部であり、登録処理部131、消込処理部132、閾値算定部133、判定部134及び案内処理部135を有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、登録処理部131、消込処理部132、閾値算定部133、判定部134及び案内処理部135にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
登録処理部131は、管理装置150から受信した購入商品データを記憶部34の購入商品データベース34aに追加登録する処理を行なう処理部である。消込処理部132は、管理装置150から会計結果を受信した場合に購入商品データの消し込みを行なう処理部である。
閾値算定部133は、判定部134による判定に用いる閾値Thを算定する処理部である。具体的には、未会計の購入商品データの数をA、会計装置20の数をB、会計装置20を操作して会計処理を終えるまでに要する平均処理時間をCとし、「Th=A÷B×C」により閾値Thを算定する。また、マージンDを加算して「A÷B×C+D」を閾値Thとしてもよい。
判定部134は、購入商品データベース34aに登録された未処理の購入商品データについて、該購入商品データを登録した処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回るか否かを判定する処理部である。
案内処理部135は、処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回る購入商品データについて、該購入商品データと該購入商品データに関連付けられた購入客画像データとを表示部31に表示制御する処理部である。
次に、携帯端末130による処理手順について説明する。図16は、携帯端末130の処理手順を示すフローチャートである。図16に示すように、携帯端末130は、管理装置150から通知を受信したならば(ステップS601;Yes)、購入商品データベース34aを更新する(ステップS602)。具体的には、購入商品データ及び購入客画像データを通知された場合には、購入商品データベース34aに購入商品データの登録処理を行ない、会計結果を通知された場合には、購入商品データの消し込み処理を行なうこととなる。
購入商品データベース34aの更新(ステップS602)の後、携帯端末130は、閾値算定部133による閾値の算定を行なう(ステップS603)。判定部134は、購入商品データベース34aに登録された未処理の購入商品データについて、該購入商品データを登録した処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回るか否かを判定する(ステップS604)。
処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回る購入商品データがあるならば(ステップS604;Yes)、該購入商品データに関連付けられた購入客画像データを表示部31に表示し(ステップS605)、案内店員による確認入力の入力待ち状態となる(ステップS606)。案内店員による確認入力を受け付けたならば(ステップS606;Yes)、携帯端末130は、案内店員による終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS607)。
案内店員による終了操作を受け付けていない場合(ステップS607;No)、処理時刻からの経過時間が閾値Thを上回る購入商品データがない場合(ステップS604;No)若しくは管理装置150から通知を受信していない場合(ステップS601;No)、携帯端末130は、管理装置150から通知を受信したか否かの判定に移行する(ステップS601)。そして、案内店員による終了指示を受け付けた場合に(ステップS607;Yes)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2では、案内店員により携行される携帯端末130が管理装置150から購入商品データの登録及び消し込みに係る通知を受信して未会計の購入商品データを管理し、未会計のまま所定時間が経過した購入商品データがある場合には、該購入商品データに関連付けられた購入客画像データと表示するよう構成したので、案内店員に効率的な案内を行なわせることができる。
また、管理装置150は、会計価格が所定価格以上である購入商品データを抽出した上で携帯端末130に通知するので、携帯端末130が管理する購入商品データの数を減少させ、携帯端末130の処理負担を軽減することができる。
なお、管理装置150が携帯端末130に通知する購入商品データを抽出する際の条件としては、会計価格に限らず任意の条件を用いることができる。例えば、レジ店員の操作に基づいて購入商品データに案内が必要であることを示すフラグをセットできるようにしてもよい。このフラグは、高齢の客や購入点数が多い客など、会計に補助が必要とレジ店員が判断した場合に、任意にセットすることができる。管理装置150は、フラグがセットされた購入商品データについて携帯端末130への通知を行なう。
このフラグに基づく案内は、実施例1の構成においても適用可能である。また、フラグがセットされた購入商品データについては、未会計状態での経過時間に関わらず、携帯端末30又は130に表示制御するようにしてもよい。
なお、上記実施例1及び2で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
具体的には、上記実施例1及び2では、会計装置20が管理装置50の購入商品データを参照して会計処理を行なう場合について説明したが、登録レシートの印刷内容に基づいて会計処理を行なって会計ログを蓄積し、所定のタイミングで会計ログを管理装置50に送信して消込処理を行なうように構成してもよい。この場合には、登録装置10からの登録ログの送信も所定のタイミングで行なうことができる。
例えば、登録装置10が購入商品データを登録してから所定時間(例えば数分)経過しても未会計の場合に登録及び消込を行うようにしてもよい。また、一定時間(例えば15分)毎に登録及び消込を行うようにしてもよい。また、閉店処理時に一括して登録及び消込を行ってもよいし、店員の操作に基づいて一括して登録及び消込をおこなってもよい。
また、上記実施例1及び2では、現金による会計、クレジットカード決済、デビットカード決済を例示したが、商品券による決済等、任意の会計方法を用いることができる。
また、登録レシートには、上記の登録番号と会計価格に加え、店舗名、処理日時、登録装置の識別番号、レジ店員の識別番号、商品の明細、会計価格、購入点数など、任意の情報を印字することができ、購入者が登録内容を目視で確認できる。また、会計装置20での会計を促すメッセージを印字してもよい。
また、上記実施例2では、閾値の算定を携帯端末130が行なう構成を示したが、管理装置150が閾値の算定を行なって、算定した閾値を携帯端末130に送信するよう構成してもよい。