JP2013184952A - チロシナーゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、及び皮膚外用剤 - Google Patents

チロシナーゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、及び皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたチロシナーゼ活性阻害作用を有する新規なチロシナーゼ活性阻害剤、優れたコラゲナーゼ活性阻害作用を有する新規なコラゲナーゼ活性阻害剤、及び、これらを含有する皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を有効成分とするチロシナーゼ活性阻害剤、及びコラゲナーゼ活性阻害剤である。また、サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を含有する皮膚外用剤である。
【選択図】なし

Description

本発明は、サマエサーンの抽出物を含有するチロシナーゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、及び皮膚外用剤に関するものである。
メラニン色素の役割は紫外線による皮膚障害を緩和することにある。しかしながら,局所的な色素沈着であるしみやそばかすは過剰にメラニン合成が亢進することによって生じ、美容上大きな問題となる。メラニンの基本的な構造はチロシンから生じたインドール化合物が3次元方向に結合したポリマーであり、ヒトのメラニンには黒色色素のユウメラニンと黄色色素のフェオメラニンが存在する。メラニン合成の場であるメラノソームには、メラニン生合成酵素であるチロシナーゼ、TRP−1、TRP−2が存在し、特にチロシナーゼはメラニン生合成の律速酵素であり、その活性を抑制することはメラニン合成の抑制においても非常に有用である。従って、皮膚の色素沈着を予防又は改善するためには、メラニンの産生に関与するチロシナーゼの活性を阻害することが考えられる。
チロシナーゼの活性阻害に関し、下記特許文献1には、マメ科植物の抽出物を有効成分とするものが記載され、マメ科植物としてカワラケツメイ属に属するモクセンナ(Cassia glauca Lam)が挙げられている。また、下記特許文献2,3にはカワラケツメイ属(Cassia)に属するセンナの抽出物に、下記特許文献4,5には決明子(Cassia tora L.)、エビスグサ(Cassia odtusifolia L.)、ハブソウ(Cassia occidentalis L.)などの抽出物に、チロシナーゼ活性阻害作用があることが開示されている。しかしながら、従来、サマエサーンの抽出物にチロシナーゼ活性阻害作用があることは知られていなかった。
一方、シワやたるみの形成過程で起きる皮膚弾性の減少においては、コラーゲン分解酵素であるコラゲナーゼがコラーゲンを分解することによる三次元構造の変性が関わっていると考えられている。コラゲナーゼは、紫外線などの外部ストレスや生体内老化によって活性化される。コラゲナーゼの活性化を抑え、コラーゲンの分解や変性を防止することで、シワやたるみの形成を阻止し、皮膚の老化防止に繋がると考えられる。
コラゲナーゼの活性阻害に関し、下記特許文献6には、カワラケツメイ属に属するホソバセンナ(Cassia angustifolia Vahl)にコラゲナーゼ群に属するマトリックスメタロプロテアーゼの活性阻害作用があることが開示されている。また、下記特許文献7にはCassia alataに、下記特許文献8にはCassia auriculataに、コラゲナーゼ活性阻害作用があることが開示されている。しかしながら、従来、サマエサーンの抽出物にコラゲナーゼ活性阻害作用があることは知られていなかった。
特開2009−215269号公報 特開2005−015399号公報 特開平07−061917号公報 特開平07−277944号公報 特開平06−087731号公報 特開2003−201214号公報 特表2004−507505号公報 特開平08−026960号公報
本発明の課題は、優れたチロシナーゼ活性阻害作用を有する新規なチロシナーゼ活性阻害剤を提供すること、優れたコラゲナーゼ活性阻害作用を有する新規なコラゲナーゼ活性阻害剤を提供すること、あるいはまた、チロシナーゼの活性阻害作用やコラゲナーゼ活性阻害作用を有する新規な皮膚外用剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討していく中で、カワラケツメイ属植物の中でもサマエサーンから抽出した抽出物に顕著なチロシナーゼ活性阻害作用やコラゲナーゼ活性阻害作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第1の態様は、サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を有効成分とするチロシナーゼ活性阻害剤である。
本発明の第2の態様は、サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性阻害剤である。
本発明の第3の態様は、サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
サマエサーンの抽出物は、優れたチロシナーゼ活性阻害作用やコラゲナーゼ活性阻害作用を有するので、種々の組成物に配合することにより、チロシナーゼ活性阻害作用やコラゲナーゼ活性阻害作用に優れた組成物を提供することができる。特に皮膚外用剤に配合することにより、美白効果や老化防止効果を有する皮膚外用剤を提供することができる。
以下、本発明に係る実施形態について詳細に説明する。
本実施形態で原料として用いられる植物は、マメ科カワラケツメイ属に属するサマエサーン(学名: Cassia garrettiana)である。サマエサーンは、東南アジア(特にタイ)に多く生息するマメ科(Leguminosae)の落葉樹である。抽出原料として使用し得る部位としては、例えば、葉、幹、枝、樹皮、花、果実などが挙げられるが、好ましくは葉である。
本実施形態においてサマエサーンから有効成分を抽出するための溶媒としては、親水性溶媒を用いることが好ましい。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4の低級一価アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンなどの炭素数2〜6の多価アルコール、及び水などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても2種以上併用してもよい。
より好ましくは、低級一価アルコール及び/又は多価アルコールなどのアルコールを含有する溶媒である。かかるアルコール含有溶媒としては、アルコール単独でも、アルコールと他の溶媒との混合溶媒であってもよい。他の溶媒としては、水、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(例えば、アセトン、エチルメチルケトンなど)が挙げられるが、好ましくは水である。アルコールと他の溶媒との混合溶媒を用いる場合、アルコールの含有率は特に限定されないが、40質量%以上であることが好ましい。例えば、上記アルコールと水とを混合してなる含水アルコールを用いる場合、含水率は特に限定するものではないが、約40〜60質量%であることが適当である。
抽出方法としては特殊なものは不要であり、常法に従い、室温ないし還流加熱下に、任意の装置を用いて抽出することができる。詳細には、抽出効率の点から、サマエサーンは予めすり潰すなどして破砕しておくことが好ましい。このようにして破砕したサマエサーンを、親水性溶媒で満たした処理槽に投入して浸漬し、室温ないし還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残澄を除去することにより抽出液を得ることができる。
得られた抽出液は、そのまま使用してもよいが、常法に従って希釈したり、濃縮したり、乾燥したりして、希釈液や濃縮液、乾燥物とした上で使用してもよい。また、チロシナーゼ活性阻害作用やコラゲナーゼ活性阻害作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理やカラムクロマトグラフィー等による分画処理を実施してもよい。すなわち、これらの抽出液、希釈液、濃縮液、乾燥物、精製物及び分画物も、本実施形態に係る抽出物に含まれる。
このようにして得られるサマエサーンの抽出物は、優れたチロシナーゼ活性阻害作用及び/又はコラゲナーゼ活性阻害作用を有するので、チロシナーゼ活性阻害剤やコラゲナーゼ活性阻害剤の有効成分として使用することができる。その場合、サマエサーン抽出物は、そのままでもチロシナーゼ活性阻害剤及び/又はコラゲナーゼ活性阻害剤として使用することができるが、常法に従って製剤化して提供することもできる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするために、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加することができ、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状などの任意の剤形に製剤化することができる。
本実施形態に係るチロシナーゼ活性阻害剤は、上記サマエサーン抽出物を有効成分とするものであり、化粧料、医薬品、食品、入浴料などの種々の組成物に配合することにより、チロシナーゼ活性阻害作用を有する組成物、すなわちチロシナーゼ活性阻害用組成物を得ることができる。得られたチロシナーゼ活性阻害用組成物は、サマエサーンからの抽出物が有するチロシナーゼ活性阻害作用を通じて、チロシナーゼの活性を阻害することができる。これにより、皮膚の黒化、シミ、ソバカス等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本実施形態のチロシナーゼ活性阻害剤は、これらの用途以外にもチロシナーゼ活性阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。チロシナーゼ活性阻害剤の上記組成物への配合量は、組成物の種類や目的、抽出物の生理活性等によって適宜調整することができ、特に限定されないが、好適な配合量は、組成物の全量に対して、サマエサーン抽出物の固形分換算で、0.0001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本実施形態に係るコラゲナーゼ活性阻害剤は、上記サマエサーン抽出物を有効成分とするものであり、化粧料、医薬品、食品、入浴料などの種々の組成物に配合することにより、コラゲナーゼ活性阻害作用を有する組成物、すなわちコラゲナーゼ活性阻害用組成物を得ることができる。得られたコラゲナーゼ活性阻害用組成物は、サマエサーンからの抽出物が有するコラゲナーゼ活性阻害作用を通じて、コラゲナーゼの活性を阻害することができる。これにより、皮膚のシワやたるみ等を予防、治療又は改善することができる。ただし、本実施形態のコラゲナーゼ活性阻害剤は、これらの用途以外にもコラゲナーゼ活性阻害作用を発揮することに意義のあるすべての用途に用いることができる。コラゲナーゼ活性阻害剤の上記組成物への配合量は、組成物の種類や目的、抽出物の生理活性等によって適宜調整することができ、特に限定されないが、好適な配合量は、組成物の全量に対して、サマエサーン抽出物の固形分換算で、0.0001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本実施形態に係る皮膚外用剤は、上記サマエサーン抽出物を有効成分として含有するものである。サマエサーン抽出物は、皮膚に適用した場合の安全性に優れているため、化粧料を始めとする各種皮膚外用剤に配合するのが特に好適である。
上記のようにサマエサーン抽出物はチロシナーゼ活性阻害作用を有するため、皮膚の黒化、シミ、ソバカス等を予防、治療又は改善するという美白作用を、皮膚外用剤に付与することができる。従って、本実施形態に係る皮膚外用剤は、美白用皮膚外用剤、特には美白化粧料として好適に用いることができる。
また、上記のようにサマエサーン抽出物はコラゲナーゼ活性阻害作用を有するため、皮膚のシワやたるみ等を予防、治療又は改善するという老化防止作用を、皮膚外用剤に付与することができる。従って、本実施形態に係る皮膚外用剤は、老化防止用皮膚外用剤、特にはアンチエンジング化粧料として好適に用いることができる。
更には、サマエサーン抽出物がチロシナーゼ活性阻害作用とともにコラゲナーゼ活性阻害作用も有することから、美白作用と老化防止作用を同時に備えた皮膚外用剤を提供することができ、例えば、アンチエイジング美白化粧料として好適に用いることができる。
本実施形態に係る皮膚外用剤には、有効成分として、上記サマエサーン抽出物、即ち上記チロシナーゼ活性阻害剤又はコラゲナーゼ活性阻害剤のみを配合してもよいし、その他の有効成分を組み合わせて配合してもよい。皮膚外用剤の種類としては、特に限定されないが、例えば、化粧水、美容液(エッセンス)、乳液、ジェル、クリーム、パック、入浴剤、ファンデーション等の化粧料の他、軟膏剤、パップ剤、プラスター剤などの医薬品、更には医薬部外品であってもよい。
サマエサーン抽出物を皮膚外用剤に配合する場合、その配合量は、皮膚外用剤の種類に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、好適な配合量は、皮膚外用剤の全量に対して、サマエサーン抽出物の固形分換算で、0.0001〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001〜1質量%である。
本実施形態に係る皮膚外用剤には、上記チロシナーゼ活性阻害作用及び/又はコラゲナーゼ活性阻害作用の妨げにならない限り、皮膚外用剤の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他任意の助剤を配合することができ、上記チロシナーゼ活性阻害剤及び/又はコラゲナーゼ活性阻害剤のみが主剤となるものに限られるわけではない。例えば、油脂類、ロウ類、炭化水素、脂肪酸類、アルコール類、多価アルコール類、エステル類、アミン・アミド・金属石鹸類、ガム質・水溶性高分子化合物、界面活性剤、酸化防止剤、ビタミン類、香料、色材類、防腐殺菌剤、アミノ酸類、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、消炎剤、抗ヒスタミン剤、生薬類、美白剤、保湿剤など、種々の皮膚用薬品類などを配合することができる。
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
[実施例1:サマエサーン・EtOH抽出物]
サマエサーン(Cassia garrettiana)の葉の粗粉砕物100gに、抽出溶媒としてエタノールを2.8L加え、室温にて1週間放置し、濾過した。濾過により得た2.0Lの抽出液を当該抽出物とした。得られた抽出物の固形分濃度は0.49質量%であった。
[実施例2:サマエサーン・50%BG抽出物]
サマエサーン(Cassia garrettiana)の葉の粗粉砕物100gに、抽出溶媒として50質量%含水1,3−ブチレングリコール(ブチレングリコール/水=50/50(質量比))を2.8L加え、室温にて1週間放置し、濾過した。濾過により得た2.0Lの抽出液を当該抽出物とした。得られた抽出物の固形分濃度は0.52質量%であった。
[比較例1:センナ・50%EtOH抽出物]
センナ(Cassia angustifolia)の葉の粗粉砕物100gに、抽出溶媒として50質量%含水エタノール(エタノール/水=50/50(質量比))を2.8L加え、室温にて1週間放置し、濾過した。濾過により得た2.0Lの抽出液を当該抽出物とした。得られた抽出物の固形分濃度は0.32質量%であった。
[比較例2:センナ・50%BG抽出物]
センナ(Cassia angustifolia)の葉の粗粉砕物100gに、抽出溶媒として50質量%含水1,3−ブチレングリコール(ブチレングリコール/水=50/50(質量比))を2.8L加え、室温にて1週間放置し、濾過した。濾過により得た2.0Lの抽出液を当該抽出物とした。得られた抽出物の固形分濃度は0.57質量%であった。
[試験例1:チロシナーゼ活性阻害作用の評価]
上記実施例1及び2のサマエサーン抽出物を試料として用いて、下記表1に示す濃度に試料を水で希釈して試料溶液を調製し、得られた試料溶液を用いてチロシナーゼ活性阻害作用を評価した。評価方法は以下の通りである。
Mcllvaine緩衝液(pH6.5)で調製した150U/mLのチロシナーゼ(マッシュルーム由来,Sigma社製)溶液と試料溶液を等量混合し、37℃で10分間インキュベーションした。その後、Mcllvaine緩衝液(pH6.5)で調製した0.3mg/mLのチロシン溶液を試料溶液量と同量加え、さらに37℃で10分間インキュベーションした。反応終了後、波長475nmにおける吸光度を測定した。なお、対照は試料の溶媒とし、チロシナーゼ溶液の代わりにMcllvaine緩衝液を添加する盲検を設け、検体と盲検の吸光度の差から以下の数式でチロシナーゼ活性阻害率(%)を算出した。
チロシナーゼ活性阻害率(%)=100−((試料存在下の検体の吸光度−盲検の吸光度)/(試料非存在下の検体の吸光度−盲検の吸光度))×100
なお、比較のために、サマエサーンと同じカワラケツメイ属に属するセンナ(Cassia angustifolia)の抽出物である比較例1及び2、更には、ポジティブコントロール(P. cont.)として、コウジ酸についても、上記と同様にチロシナーゼ活性阻害作用を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2013184952
表1に示すように、実施例のサマエサーン抽出物であると、優れたチロシナーゼ活性阻害作用を有することが確認された。特に、サマエサーン抽出物は、カワラケツメイ属として一般的なセンナ(Cassia angustifolia)の抽出物に比べて、顕著なチロシナーゼ活性阻害作用を持つものであった。
[試験例2:コラゲナーゼ活性阻害作用の評価]
上記実施例1及び2のサマエサーン抽出物を試料として用いて、下記表2に示す濃度に試料を水で希釈して試料溶液を調製し、得られた試料溶液を用いてコラゲナーゼ活性阻害作用を評価した。評価方法は以下の通りである。
緩衝液は20mMCaClを含有した0.1MTris−HCl緩衝液(pH7.1)を用いた。緩衝液で調製した0.1mg/mLのコラゲナーゼ(Clostridium histolyticum由来、Sigma社製)溶液と試料溶液を等量混合し、37℃で20分間インキュベーションした。その後、緩衝液で調製した0.5mg/mLの基質(PZ-peptide、フナコシ社製)溶液を体積比で試料溶液量の4倍量加え、さらに37℃で30分間インキュベーションした。その後、25mMクエン酸溶液を添加し反応を停止した。次に酢酸エチルを添加し、遠心分離(3000rpm、5分間)後、酢酸エチル層(上層)について、波長320nmにおける吸光度を測定した。なお、対照は試料の溶媒として、反応停止後に基質溶液を添加する盲検を設け、検体と盲検の吸光度の差から以下の数式でコラゲナーゼ活性阻害率(%)を算出した。
コラゲナーゼ活性阻害率(%)=100−((試料存在下の検体の吸光度−盲検の吸光度)/(試料非存在下の検体の吸光度−盲検の吸光度))×100
なお、比較のため、サマエサーンと同じカワラケツメイ属に属するセンナ(Cassia angustifolia)の抽出物である比較例1及び2、更には、ポジティブコントロール(P. cont.)として、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA・2Na)についても、上記と同様にしてコラゲナーゼ活性阻害作用を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013184952
表2に示すように、実施例のサマエサーン抽出物であると、優れたコラゲナーゼ活性阻害作用を有することが確認された。特に、サマエサーン抽出物は、カワラケツメイ属として一般的なセンナ(Cassia angustifolia)の抽出物に比べて、顕著なコラゲナーゼ活性阻害作用を持つものであった。
以下に、本実施形態に係るチロシナーゼ活性阻害作用及びコラゲナーゼ活性阻害作用を有するサマエサーン抽出物を配合した皮膚外用剤の処方例を示す。以下においてサマエサーンエキスとは、実施例1又は2で得られた抽出物である。
[処方例1:ローション]
(配合成分) (質量%)
(1)グリセリン 5.0
(2)ジプロピレングリコール 4.0
(3)キサンタンガム 0.02
(4)ソルビット 1.0
(5)加水分解コラーゲン 0.1
(6)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(7)ダイズエキス 0.2
(8)サマエサーンエキス 0.5
(9)エタノール 10.0
(10)精製水 残余
(製法)
(10)に(1)〜(9)を加えて室温にて溶解する。可溶化した後、ろ過して製品とする。
[処方例2:エッセンス]
(配合成分) (質量%)
(1)POEオレイルアルコールエーテル(60EO) 1.0
(2)オリーブ油 0.2
(3)フェノキシエタノール 0.5
(4)エタノール 7.0
(5)ソルビトール 8.0
(6)1,3−ブチレングリコール 5.0
(7)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
(8)トリメチルグリシン 1.0
(9)ローヤルゼリーエキス 1.0
(10)酵母エキス 0.1
(11)プラセンタエキス 0.1
(12)ブドウ葉エキス 0.1
(13)サマエサーンエキス 1.0
(14)精製水 残余
(製法)
(14)に(5)〜(13)を加えて室温にて溶解する。(4)に(1)〜(3)を順次溶解後、前述の水相に可溶化する。その後、ろ過し製品とする。
[処方例3:乳液]
(配合成分) (質量%)
(1)スクワラン 5.0
(2)ワセリン 2.0
(3)ミツロウ 0.5
(4)ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8
(5)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 1.2
(6)1,2−ペンタンジオール 5.0
(7)ジプロピレングリコール 5.0
(8)カルボキシビニルポリマー 0.2
(9)エタノール 5.0
(10)水酸化カリウム 0.1
(11)リン酸L−アスコルビルマグネシウム 1.0
(12)ローズマリーエキス 0.5
(13)サマエサーンエキス 1.0
(14)精製水 残余
(製法)
(14)に(7)と(9)を加えて加熱混合した後、(8)を加えて70℃とする。別に(1)〜(6)を混合し加熱溶解して70℃とする。この油相部を前述の水相部に加えて予備乳化を行った後、(10)を加えて中和する。これをホモミキサーにより均一に乳化した後、熱交換器により冷却する。40℃まで温度が下がった時点で(11)〜(13)を添加し製品とする。
[処方例4:エモリエントジェル]
(配合成分) (質量%)
(1)ジプロピレングリコール 10.0
(2)カルボキシビニルポリマー 0.4
(3)キサンタンガム 0.2
(4)ソルビット 1.0
(5)グリセリン 10.0
(6)水素添加大豆リン脂質 0.5
(7)マカデミアンナッツ油 3.0
(8)スクワラン 5.0
(9)ホホバ油 3.0
(10)水酸化カリウム 0.1
(11)アルニカエキス 0.5
(12)サマエサーンエキス 0.5
(13)精製水 残余
(製法)
(13)に(1)〜(5)を加え、70℃で溶解する。別に(6)〜(9)を混合し加熱溶解して70℃とする。この油相部を前述の水相部に加えて混合した後、(10)を添加し中和する。その後冷却し、40℃まで温度が下がった時点で(11)〜(12)を加え製品とする。
[処方例5:W/O型エモリエントクリーム]
(配合成分) (質量%)
(1)マイクロクリスタリンワックス 9.0
(2)パラフィン 2.0
(3)ミツロウ 3.0
(4)ワセリン 5.0
(5)還元ラノリン 8.0
(6)スクワラン 34.0
(7)ヘキサデシルアジピン酸エステル 10.0
(8)月見草油 1.0
(9)セラミド 0.05
(10)親油型モノオレイン酸グリセリン 3.5
(11)POEソルビタンモノラウリン酸エステル(20EO) 1.0
(12)パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.1
(13)オウバクエキス 0.2
(14)カミツレエキス 0.2
(15)バラエキス 0.2
(16)サマエサーンエキス 0.2
(17)アスタキサンチン 0.001
(18)ジプロピレングリコール 2.0
(19)精製水 残余
(製法)
(19)に(18)を加え、加熱して70℃にする。別に(1)〜(12)を混合し、加熱溶解して70℃とする。この油相部に前述の水相部を加えて、ホモミキサーで均一に乳化した後、熱交換器により冷却する。40℃まで温度が下がった時点で(13)〜(17)を添加し製品とする。
上記のように、実施例1,2のサマエサーン抽出物は優れたチロシナーゼ活性阻害作用とコラゲナーゼ活性阻害作用を有するので、これを配合した上記各処方例の化粧料(皮膚外用剤)は、そのチロシナーゼ活性阻害作用に基づいて、皮膚の黒化、シミ、ソバカス等を予防、治療、改善することができるとともに、コラゲナーゼ活性阻害作用に基づいて、皮膚のシワやたるみ等を予防、治療、改善することができる。

Claims (3)

  1. サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を有効成分とするチロシナーゼ活性阻害剤。
  2. サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性阻害剤。
  3. サマエサーン(Cassia garrettiana)の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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