JP2013184637A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ランフラット走行時のバックリングを抑制してランフラット耐久性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】
少なくとも3層のベルト層7が、タイヤ周方向に対するコード角度が10°〜49°である少なくとも1層のローアングルベルト層Lとタイヤ周方向に対するコード角度が50°〜90°である少なくとも1層のハイアングルベルト層Hとを含むと共に、少なくとも3層のベルト層7の層間に少なくとも1層の補強ゴム層10を配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、ランフラット耐久性を向上することを可能にした空気入りタイヤに関する。
タイヤがパンクしてもそのまま一定距離を安全に走行可能にしたタイヤとして、サイドウォール部に硬質ゴムからなる断面三日月形状の補強ゴムを配置したサイド補強型のランフラットタイヤが知られている。このようなサイド補強型のランフラットタイヤは、ランフラット走行時には、主としてサイドウォール部とショルダー部で荷重を支えることで所定の距離を安全走行出来るようにしている。しかし、このようなサイド補強型のランフラットタイヤにおいては、ランフラット走行時に、サイドウォール部で荷重を支えるため、トレッドのセンター部が浮き上がるバックリングが発生し易いと云う問題がある。このようなバックリングが発生すると、トレッドの両ショルダー部において接地圧が著しく高くなり、発熱と摩耗が促進されるため、ランフラット耐久性が低下してしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、トレッド部に配置した2層のベルト層に加えて更にこれら2層のベルト層とはコードの傾斜角度が異なるベルト層を追加してベルト層を3層構造とすることで、トレッド部における幅方向の圧縮剛性と周方向の圧縮剛性とを同時に高めて、バックリングを抑制するようにした提案がある(例えば、特許文献1参照)。
一方で、近年、上述のサイド補強型のランフラットタイヤにおいてもタイヤサイズ(特に、タイヤ断面幅や外径)を大きくすることが為されているが、このような大タイヤサイズのタイヤは、タイヤ断面幅の拡大に伴ってランフラット走行時に荷重を支える左右のサイドウォール部間の距離が拡がるため、従来の小タイヤサイズのタイヤに比べてバックリングが発生し易い傾向にある。そのため、タイヤサイズの大きいサイド補強型のランフラットタイヤにおいて、バックリング防止のために上述の対策を施してベルト層を3層としただけでは、バックリングを充分に抑制することが難しいと云う問題がある。
特開2007−196895号公報
本発明の目的は、上述する問題点を解決するもので、ランフラット走行時のバックリングを抑制してランフラット耐久性を向上することを可能にした空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、左右一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に少なくとも3層のベルト層を配置すると共に、サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に断面三日月状のランフラット補強ゴム層を配置した空気入りランフラットタイヤにおいて、前記少なくとも3層のベルト層が、タイヤ周方向に対するコード角度が10°〜49°である少なくとも1層のローアングルベルト層とタイヤ周方向に対するコード角度が50°〜90°である少なくとも1層のハイアングルベルト層とを含むと共に、前記少なくとも3層のベルト層間に少なくとも1層の補強ゴム層を配置したことを特徴とする。
本発明は、上述のように、少なくとも3層のベルト層を周方向に対するコード角度が10°〜49°である少なくとも1層のローアングルベルト層と周方向に対するコード角度が50°〜90°である少なくとも1層のハイアングルベルト層とを含むように構成しているので、ローアングルベルト層がタイヤ周方向のバックリングを抑制すると共に、ハイアングルベルト層がタイヤ幅方向のバックリングを抑制し、更に、この少なくとも3層のベルト層間に配置された少なくとも1層の補強ゴム層が、これらローアングルベルト層とハイアングルベルト層とによる作用を補強して、効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制することが出来、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
本発明においては、補強ゴム層がハイアングルベルト層に隣接することが好ましい。このように補強ゴム層を配置することで、ハイアングルベルト層との相乗により効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制してランフラット耐久性を向上することが出来る。
本発明においては、補強ゴム層を硬度の異なる2種類以上のゴムから構成することが好ましい。このように補強ゴム層を構成することで、例えばバックリングの起点となり易い部位に相対的に高硬度のゴムを配置することが可能になるので、バックリングを効果的に防止してランフラット耐久性をより向上することが出来る。
本発明においては、補強ゴム層のタイヤ幅方向の任意の位置での厚さH1が、補強ゴム層のタイヤセンターでの厚さH0に対して0.6H0〜1.4H0の範囲であることが好ましい。このように、補強ゴム層の厚さを特定の範囲に収めることで、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制し、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
本発明においては、補強ゴム層の幅W1が最大幅を有するベルト層の幅W0の60%以上120%以下であることが好ましい。このように、補強ゴム層の幅を特定の範囲に収めることで、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制して、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
本発明においては、補強ゴム層がゴム中に有機繊維が打ち込まれた有機繊維補強ゴムから構成されることが好ましい。特に、この有機繊維が短繊維であることが好ましい。このように補強ゴム層を繊維補強ゴムから構成することで、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制して、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
本発明は、タイヤ断面幅の呼びが245以上であるタイヤに好ましく使用することが出来る。
尚、本発明でいう硬度とは、JIS K6253に規定されるデュロメータ硬さであって、タイプAのデュロメータにより温度20℃において測定した硬さである。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤにおけるベルト層のみを抜き出して示す平面図である。 本発明に実施形態からなる空気入りタイヤにおけるベルト層と補強ゴム層との配置を模式的に示す説明図である。 本発明の他の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す要部断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す要部断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す要部断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す要部断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド部を示す要部断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部分と折り返し部分により包み込まれている。
また、サイドウォール部2におけるカーカス層4のタイヤ幅方向内側には、ゴムからなる断面三日月形状のランフラット補強ゴム層9が配設されている。このランフラット補強ゴム層9はサイドウォール部の他のゴムよりも硬く設定されている。このように断面三日月形状のランフラット補強ゴム層9を配設することで、ランフラット補強ゴム層9の剛性に基づいてランフラット走行時の荷重が支持される。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には少なくとも3層のベルト層7が埋設されている。図1の例では、ベルト層7として、内側から1番目に位置する1番ベルト層71、内側から2番目に位置する2番ベルト層72、及び内側から3番目(最外側)に位置する3番ベルト層の3層が設けられている。これらベルト層7はタイヤ周方向に対して傾斜する複数本のスチールコードやアラミド繊維コード等の有機繊維コードからなる補強コードを含み、かつ少なくとも3層の内の2層の層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
更に、ベルト層7の外周側には、高速耐久性の向上を目的として、タイヤ周方向に配向する繊維コードを含むベルト補強層8が配置されている。このベルト補強層8は少なくとも1本の繊維コードを引き揃えてゴム被覆してなるストリップ材Sをタイヤ周方向に螺旋状に巻回したジョイントレス構造を有している。このベルト補強層8のタイヤ周方向に対するコード角度は5°以下、より好ましくは、3°以下である。
上述のように、ベルト層7を構成する補強コードはタイヤ周方向に対して傾斜しているが、本発明においては、ベルト層7は、周方向に対するコード角度が10°〜49°である少なくとも1層のローアングルベルト層Lと周方向に対するコード角度が50°〜90°である少なくとも1層のハイアングルベルト層Hとを含んでいる。その一方で、ベルト層7の層間に少なくとも1層の補強ゴム層10が配置されている。
このようなベルト層7と補強ゴム層10とを設けることで、ローアングルベルト層Lによりタイヤ周方向の圧縮剛性が向上し、タイヤ周方向のバックリングが抑制され、ハイアングルベルト層Hによりタイヤ幅方向の圧縮剛性が向上し、タイヤ幅方向のバックリングが抑制される。更に、ベルト層7の層間に配置された補強ゴム層10が、これらローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとによる作用を補強して、効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制することが出来る。その結果、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
このとき、ベルト層7が、ローアングルベルト層L又はハイアングルベルト層Hのいずれか一方しか含まないと、タイヤ周方向又はタイヤ幅方向の圧縮剛性を向上する効果が得られず、タイヤ周方向またはタイヤ幅方向のいずれか一方のバックリング抑制効果しか得られなくなるため、ランフラット耐久性を充分に向上することが出来ない。また、ローアングルベルト層Lのコード角度が10°より小さいと、コード角度が殆んど周方向と同じになるためベルト層7としての補強効果が得られない。逆に、ローアングルベルト層Lのコード角度が49°より大きいとタイヤ周方向の圧縮剛性を充分に向上することが出来ず、タイヤ周方向のバックリングを抑制することが出来ない。また、ハイアングルベルト層Hのコード角度が50°より小さいとタイヤ幅方向の圧縮剛性を充分に向上することが出来ず、タイヤ幅方向のバックリングを抑制することが出来ない。
本発明のベルト層7は、上述のように少なくとも3層を設けるが、その中でのローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとの配置は特に限定されない。図2(a)〜(f)は、3層のベルト層(71,72,73)を設けた場合のローアングルベルト層L及びハイアングルベルト層Hの配置を示すために、ベルト層のみを抜き出して示す正面図である。図2(a)は、1番ベルト層71をローアングルベルト層Lとし、2番ベルト層72をローアングルベルト層Lとし、3番ベルト層73をハイアングルベルト層Hとしている。図2(b)は、1番ベルト層71をハイアングルベルト層Hとし、2番ベルト層72をローアングルベルト層Lとし、3番ベルト層73をローアングルベルト層Lとしている。図2(c)は、1番ベルト層71をローアングルベルト層Lとし、2番ベルト層72をハイアングルベルト層Hとし、3番ベルト層73をハイアングルベルト層Hとしている。図2(d)は、1番ベルト層71をハイアングルベルト層Hとし、2番ベルト層72をハイアングルベルト層Hとし、3番ベルト層73をローアングルベルト層Lとしている。図2(e)は、1番ベルト層71をローアングルベルト層Lとし、2番ベルト層72をハイアングルベルト層Hとし、3番ベルト層73をローアングルベルト層Lとしている。図2(f)は、1番ベルト層71をハイアングルベルト層Hとし、2番ベルト層72をローアングルベルト層Lとし、3番ベルト層73をハイアングルベルト層Hとしている。尚、ベルト層7におけるローアングルベルト層L及びハイアングルベルト層Hの配置は図2(a)〜(f)の何れであっても構わないが、これらのうち、図2(a)の配置(ローアングルベルト層L/ローアングルベルト層L/ハイアングルベルト層H)が好ましい。
尚、上述のような組み合わせにおいて、補強コードは、上述のように3層の内の少なくとも2層の層間で互いに交差するように配置されている。言い換えれば、3層の内少なくとも1層が他の2層と補強コードの傾斜方向が逆向きになっている。このとき、1番ベルトと2番ベルトとの層間で補強コードが互いに交差するように配置することが好ましい。
このような様々なベルト層7の配置に対して、補強ゴム層10は、ベルト層7の層間に配置される。即ち、図3に示すように、ベルト層7が3層からなる場合、1番ベルト層と2番ベルト層との層間(図3(a))、2番ベルト層と3番ベルト層との層間(図3(b))、その両方(図3(c))のいずれかに配置することが出来る。
尚、ベルト層7を3層よりも多く設ける場合は、上述の3層のベルト層71,72,73に、更に4番ベルト層、5番ベルト層、・・・として、ローアングルベルト層L又はハイアングルベルト層Hを追加すれば良く、補強ゴム層10はこれらベルト層7の層間に適宜配置すれば良い。
上述のように、ベルト層7はローアングルベルト層L及びハイアングルベルト層Hを含む少なくとも3層から構成されるが、ベルト層7を1層のローアングルベルト層Lと1層のハイアングルベルトからなる2層構造として、その層間に補強ゴム層10を配置しただけでは、タイヤ周方向及びタイヤ幅方向のバックリング抑制効果が得られたとしても、限定的なものになるので、ランフラット耐久性を向上する効果は不充分になる。
このような配置のうち、特に、補強ゴム層10がベルト層7のうちのハイアングルベルト層Hに隣接することが好ましい。即ち、補強ゴム層10をローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとの層間に配置するか、2層のハイアングルベルト層Hの層間に配置することが好ましい。より具体的には、図2(a)の場合、図3(b)のように2番ベルト層72と3番ベルト層73との層間に補強ゴム層10を配置することが好ましい。図2(b)の場合、図3(a)のように1番ベルト層71と2番ベルト層72との層間に補強ゴム層10を配置することが好ましい。図2(c)〜(f)の場合、2番ベルト層72がハイアングルベルト層Hであるか、ハイアングルベルト層Hが2層設けられているため、図3(a)〜(c)の配置の全て、即ち、1番ベルト層と2番ベルト層との層間、2番ベルト層と3番ベルト層との層間、及びその両方(図3(c))のいずれに補強ゴム層10を配置しても好ましい。
このように補強ゴム層10を配置することで、ハイアングルベルト層Hとの相乗により効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制してランフラット耐久性を向上することが出来る。また、このように補強ゴム層10を配置することで、補強ゴム層10がローアングルベルト層Lのみと隣接する場合、即ち、補強ゴム層10が2層のローアングルベルト層Lの層間に配置された場合に比べて、優れた操縦安定性を得ることが出来る。
本発明において、ローアングルベルト層L及びハイアングルベルト層Hはコード角度が上述の範囲内であれば良いが、好ましくは、ローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとのコード角度の差が25°〜45°であることが好ましい。このようにローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとの間に、所定のコード角度差を付けることで、タイヤ周方向のバックリングとタイヤ幅方向のバックリングをそれぞれ効果的に抑制してランフラット耐久性を向上することが出来る。
このとき、コード角度の差が25°より小さいと、ローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとの差が殆んどなくなるため、ローアングルベルト層Lによるタイヤ周方向の圧縮剛性とハイアングルベルト層Hによるタイヤ幅方向の圧縮剛性とを充分に向上することが出来ず、タイヤ幅方向のバックリングを充分に抑制することが出来ない。逆に、コード角度の差が45°より大きいと、操縦安定性が低下する傾向になる。
本発明において、補強ゴム層10は単一のゴムから構成することが出来るが、好ましくは、硬度の異なる2種類以上のゴムから構成すると良い。このように補強ゴム層10を構成することで、例えばバックリングの起点となり易い部位を相対的に高硬度のゴムにより重点的に補強することが可能になるので、バックリングを効果的に防止してランフラット耐久性をより向上することが出来る。
具体的には、図4に示すように、センター側領域Cに高硬度ゴム11を配置すると共に、ショルダー側領域Sに低硬度ゴム12を配置することが好ましい。このように補強ゴム層10を構成することで、バックリングの起点となり易いセンター側領域Cを効果的に補強してランフラット耐久性を向上することが出来る。尚、センター側領域Cとショルダー側領域Sとの境界位置は、タイヤセンターから最大幅を有するベルト層(図4の場合、2番ベルト層72)の幅の70%〜80%の範囲に設定する。
或いは、補強ゴム層10を硬度の異なる2種類以上のゴム(11,12)から構成し、図5に示すように、トレッド部1の表面に設けられた周方向主溝20の内側部分に高硬度ゴム11を配置すると共にそれ以外の部分に低硬度ゴム12を配置することが好ましい。このように補強ゴム層10を構成することで、バックリングの起点となり易い周方向主溝20の内側部分を効果的に補強してランフラット耐久性をより向上することが出来る。尚、高硬度ゴム11は、周方向主溝20の内側部分において、周方向主溝20の溝幅の90%〜120%の範囲を覆っていることが好ましい。
尚、使用するゴムの種類を少なく抑えながら、効果的にランフラット耐久性を向上することを考えると、上述の図4,5の実施形態のように、補強ゴム層10を2種類のゴム(11,12)から構成することが特に好ましい。
このとき、補強ゴム層10を構成するゴムの硬度は、JIS−A硬度で50〜90であることが好ましい。補強ゴム層10を構成するゴムの硬度が50より小さいと、バックリングを抑制してランフラット耐久性を向上する効果が不充分になる。逆に、補強ゴム層10を構成するゴムの硬度が90より大きいと、通常走行時の乗心地性が低下する。更に、この範囲において、高硬度ゴム11の硬度を76〜90、低硬度ゴム層12の硬度を50〜75の範囲にすることが好ましい。また、高硬度ゴム11の硬度と低硬度ゴム層12との硬度差を15〜25にすることが好ましい。
また、本発明において、補強ゴム層10の厚さはタイヤ幅方向に一定であっても異なっていても構わないが、補強ゴム層10の厚さがタイヤ幅方向の位置によって異なる場合、補強ゴム層10のタイヤ幅方向の任意の位置での厚さH1が、補強ゴム層のタイヤセンターでの厚さH0に対して0.6H0〜1.4H0の範囲であることが好ましい。このように、補強ゴム層10の厚さを特定の範囲に収めることで、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制し、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
例えば、図6に示すように、複数層のベルト層7の幅の違いにより発生した段差に伴って、補強ゴム層10の端部が厚くなっている場合、任意の位置での厚さH1(特に、最大厚さHmax )が1.4H0以下であるようにして、補強ゴム層10の厚さが上述の範囲を満たすようにすることが好ましい。図6のような実施形態であっても、このように構成すれば、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制し、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
上述のように補強ゴム層10の厚さが幅方向の位置によって異なる場合、特に、図7に示すように、センター側領域Cに含まれる補強ゴム層10の厚さを相対的に厚くすると共にショルダー側領域Sに含まれる補強ゴム層10の厚さを相対的に薄くすることが好ましい。即ち、タイヤセンターを含むセンター側領域Cの厚さをH0にすると共に、ショルダー側領域Sの任意の位置での厚さH1を0.6H0以上1.0H0未満にすることが好ましい。このように補強ゴム層10を構成することで、バックリングの起点となり易いセンター側領域Cを効果的に補強してランフラット耐久性を向上することが出来る。尚、センター側領域Cとショルダー側領域Sとの境界位置の範囲は、上記図4の実施形態の場合と同様である。
或いは、トレッド部1の表面に設けられた周方向主溝20の内側部分を相対的に厚くすると共にそれ以外の部分を相対的に薄くすることが好ましい。即ち、周方向主溝20の内側部分の任意の位置での厚さH1を1.0H0超1.4以下にするか(タイヤセンターに溝が無い場合)、周方向主溝20の内側部分の厚さをタイヤセンターでの厚さと同じH0とすると共に周方向主溝20の内側部分以外の任意の位置での厚さを0.6H0以上1.0H0未満にする(タイヤセンターに溝がある場合)ことが好ましい。このように補強ゴム層10を構成することで、バックリングの起点となり易い周方向主溝20の内側部分を効果的に補強してランフラット耐久性をより向上することが出来る。尚、この場合も、高硬度ゴム11は、周方向主溝20の内側部分において、周方向主溝20の溝幅の90%〜120%の範囲を覆っていることが好ましい。
尚、このように補強ゴム層10の厚さが幅方向の位置によって異なる場合、図6のように段階的に厚さが変化するよりも、図7に示すように連続的に厚さが変化するようにすることが好ましい。
補強ゴム層10の具体的な厚さとしては、補強ゴム層10の厚さが一定の場合であっても異なる場合であっても、タイヤセンターでの厚さを0.8mm〜4.0mmの範囲にすることが好ましい。タイヤセンターでの厚さH0が0.8mmより小さいと、補強ゴム層10が薄くなり過ぎてバックリングを抑制してランフラット耐久性を向上する効果が不充分になる。逆に、タイヤセンターでの厚さH0が4.0mmより大きいと、補強ゴム層10が厚くなり過ぎて通常走行時の乗心地性が低下する。
本発明において、図8に示すように、補強ゴム層10の幅をW1とし、最大幅を有するベルト層の幅をW0としたとき、幅W1は幅W0の60%以上120%以下であることが好ましい。尚、図8では、2番ベルト層72が最大幅を有している。このように、補強ゴム層10の幅を特定の範囲に収めることで、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制して、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
このとき、幅W1が幅W0の60%よりも小さいと、補強ゴム層10がタイヤ幅方向に小さくなり過ぎてバックリングを充分に抑制することが出来ず、ランフラット耐久性を向上する効果が不充分になる。逆に、幅W1が幅W0の120%より大きいと、補強ゴム層10がタイヤ幅方向に大きくなり過ぎてタイヤ重量が増加する。
この範囲において、更に、補強ゴム層10が最大幅を有するベルト層7よりも幅が狭いことが好ましい。即ち、幅W1が幅W0の60%以上100%未満であることが好ましい。補強ゴム層10の幅W1を更にこの範囲に限定することで、補強ゴム層10の量を抑えながら、効果的にランフラット耐久性を向上する効果を得ることが出来る。
このように補強ゴム層10の幅W1を最大幅を有するベルト層の幅W0よりも狭くする場合、補強ゴム層10をタイヤセンター側に配置すると良い。或いは、補強ゴム層10を少なくともトレッド部1の表面に設けられた周方向主溝20の内側部分にタイヤ幅方向に断続的に設けるようにしても良い。つまり、補強ゴム層10の幅W1を最大幅を有するベルト層の幅W0よりも狭くする場合、少なくともバックリングの起点となり易いタイヤ幅方向センター側や周方向主溝の内側部分を補強するように配置することが好ましく、これにより、少ない補強ゴム層10で効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制して、ランフラット耐久性を向上することが出来る。
本発明において、補強ゴム層10を構成する補強ゴムとしては、どのようなものを使用しても構わないが、好ましくは、ゴム中に有機繊維が打ち込まれた有機繊維補強ゴムを用いることが好ましい。特に、この有機繊維が短繊維であることが好ましい。このように補強ゴム層を繊維補強ゴムから構成することで、より効果的にランフラット走行時のバックリングを抑制して、ランフラット耐久性を向上することが出来る。特に、ゴム中に打ち込まれる有機繊維が短繊維であると重量増加を最小限に抑えつつ耐久性を向上することが出来る。
上述の本発明の空気入りタイヤは、タイヤ断面幅の呼びが245以上のタイヤに好ましく使用することが出来、タイヤ断面幅が大きいタイヤにおいて発生し易いバックリングを効果的に防止することが出来る。
タイヤサイズ255/40R19 94Yの空気入りタイヤにおいて、タイヤの断面構造を図1のようにし、ベルト層の枚数、ローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hの1番ベルト層〜3番ベルト層に対する配置、補強ゴム層の枚数、配置を表1,2のように異ならせた従来例1〜2,比較例1〜4,実施例1〜16の22種類の試験タイヤを製作した。尚、この22種類の試験タイヤにおいて、ローアングルベルト層及びハイアングルベルト層のそれぞれのコード角度とその差、補強ゴム層の硬度、厚さ(タイヤセンターでの厚さH0と任意の位置での厚さH1)、幅W1、ゴム中の有機繊維の有無は表1,2のように共通である。
更に、上述の表1における実施例1を基準として、3層のベルト層におけるローアングルベルト層Lとハイアングルベルト層Hとの配置、補強ゴム層の枚数及び配置を共通にし、ローアングルベルト層及びハイアングルベルト層のそれぞれのコード角度とその差、補強ゴム層の硬度(相対的に高硬度である硬度1,相対的に低硬度である硬度2)、厚さ(タイヤセンターでの厚さH0、任意の位置での厚さH1,H2)、幅W1、ゴム中の有機繊維の有無(有機繊維の形態)を表3〜4のように異ならせた実施例17〜38の22種類の試験タイヤを製作した。
尚、表1〜4において、補強ゴム層が幅方向に複数の硬度(硬度1,硬度2)、厚さ(H0,H1,H2)を有する場合に、その硬度や厚さになっている位置を、括弧を付して表中に併記した。
これら44種類の試験タイヤについて、下記の評価方法によりランフラット耐久性を評価し、その結果を表1〜4に併せて示した。
ランフラット耐久性
試験タイヤをリムサイズ19×8 1/2JJのリムに組み付けて、ECE30に記載されるランフラットタイヤ用ドラム耐久試験条件でドラム試験機上を走行させ、タイヤに破壊故障が発生するまでの走行距離を測定した。評価結果は、表1及び2については従来例1を100とする指数にて示し、表3及び4については実施例1(表1の実施例1に対応)を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほどランフラット耐久性が優れていることを意味する。
Figure 2013184637
Figure 2013184637
Figure 2013184637
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表1,2から判るように、実施例1〜16はいずれもベルト層の層間に補強ゴム層を有さない従来例1,2に対して、優れたランフラット耐久性を発揮した。特に、補強ゴム層がハイアングルベルト層と隣接する実施例2,3,5〜16は、特に優れたランフラット耐久性を発揮した。
一方、ベルト層が2層である比較例1〜2、3層のベルト層が全て同一のコード角度からなる比較例3〜4は、ランフラット耐久性を向上する効果を示さなかった。
更に、表3〜4から判るように、ベルト層のコード角度、補強ゴム層の硬度、厚さ、幅、ベルト層に使用するゴムの構成を好ましい設定とした実施例17〜38は、実施例1に比べて更に優れたランフラット耐久性を発揮した。
尚、表1,2における実施例1以外の実施例2〜16のいずれかを基準として、表3,4と同様に各仕様を異ならせた場合についても、その基準とした実施例(実施例2〜16のいずれか)を100とする指数で表わした場合には、ランフラット耐久性の評価は表3,4と同じになった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
71 1番ベルト層
72 2番ベルト層
73 3番ベルト層
8 ベルト補強層
9 ランフラット補強ゴム層
10 補強ゴム層
L ローアングルベルト層
H ハイアングルベルト層

Claims (8)

  1. 左右一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部における前記カーカス層の外周側に少なくとも3層のベルト層を配置すると共に、サイドウォール部における前記カーカス層のタイヤ幅方向内側に断面三日月状のランフラット補強ゴム層を配置した空気入りランフラットタイヤにおいて、
    前記少なくとも3層のベルト層が、タイヤ周方向に対するコード角度が10°〜49°である少なくとも1層のローアングルベルト層とタイヤ周方向に対するコード角度が50°〜90°である少なくとも1層のハイアングルベルト層とを含むと共に、前記少なくとも3層のベルト層間に少なくとも1層の補強ゴム層を配置したことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強ゴム層が前記ハイアングルベルト層に隣接することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強ゴム層を硬度の異なる2種類以上のゴムから構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強ゴム層のタイヤ幅方向の任意の位置での厚さH1が、前記補強ゴム層のタイヤセンターでの厚さH0に対して0.6H0〜1.4H0の範囲であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記補強ゴム層の幅W1が最大幅を有する前記ベルト層の幅W0の60%以上120%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記補強ゴム層がゴム中に有機繊維が打ち込まれた有機繊維補強ゴムから構成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記有機繊維が短繊維であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. タイヤ断面幅の呼びが245以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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