JP2013184457A - 反転印刷方法および反転印刷装置 - Google Patents

反転印刷方法および反転印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高解像度でパターンを印刷でき、製造コストを低減できる反転印刷方法等を提供すること。
【解決手段】紫外線硬化性を持つインキが塗布されたブランケットに、凸部と凹部とから成るパターンが形成された除去版をラミネートするラミネートステップと、除去版がラミネートされたブランケットに紫外線を照射する照射ステップと、紫外線が照射されたブランケットから除去版を剥離することでインキの不要部分を除去して、当該ブランケット上に所望パターンのインキを形成する形成ステップと、ブランケット上に形成された所望パターンのインキを基材に転写して、当該基材上に所望のインキパターンを形成する転写ステップとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、樹脂性の薄いフィルムにパターンを形成するための反転印刷方法等に関する。
近年、ディスプレイは薄型化の一途をたどり、厚さ0.3mmのガラス基板を使ったディスプレイパネル等が登場している。
また、これまで、ディスプレイの表示方式には液晶表示方式が主流だったが、新たな表示デバイスである有機ELや電子ペーパー等が誕生し、ディスプレイの表示品質も向上しつつある。
さらに、ディスプレイパネル(以下、パネルという)の薄型化だけではなく、パネルを湾曲させることが可能なフレキシブルディスプレイも注目され始め、特に電子ペーパーはその技術に特化した表示デバイスと言える。
パネルを湾曲させるためには、パネルの基材としてガラスではなく、樹脂フィルムを使う必要がある。樹脂フィルムを使うことによって、ガラスでは不可能だったフレキシブル性を付加することができる。
ここで、パネルの部材である樹脂フィルムにパターンを転写する方法として、反転印刷法がよく用いられる。反転印刷法は、版銅に巻きつけたブランケット上にインキを塗工(塗布)してインキ膜を形成し、その後に凸部及び凹部のパターンからなる除去版をインキ膜に押圧することによりブランケット上から不要なパターン(インキ膜の除去すべき部分)を除去し、最後にブランケットに残ったパターンを基材に印刷する技術である(例えば特許文献1参照)。
フレキシブル部材へのパターン形成に反転印刷法が用いられるのは、ロール巻きでの基材処理に適していることと、解像性が高い点が挙げられる。つまり、高精細なパターンについては、反転印刷法は、フォトリソ法(フォトリソグラフィ法)以上に優位と言える。
除去版は、ガラス、または石英等の版材をエッチングすることによって作られる。Cr(クロム)等の金属膜が蒸着された版材に光硬化性を持つレジストを使ってフォトリソ法によってパターニングする。その後、Cr膜をエッチングした後にレジストを剥離すると、Crのパターンが形成される。更に版材をエッチングしてCr膜を剥離すれば、凸部と凹部のパターンからなる除去版が得られる。
特開2001−56405号公報
反転印刷法では、前述の通り除去版を使う。除去版は、ガラス、または石英等の版材に凸部と凹部とからなるパターンが形成されたものであり、ブランケット上のインキ膜に押圧すると、凸部がインキ膜に接触し、凹部はインキ膜に接触しない。したがって、ブランケットから除去版を剥離すると、凹部のパターンがブランケットに残る。ブランケットに残ったパターンは、ラミネート等の処理により、製品となる樹脂基材に転写される。
ここで、問題となるのは解像性(精細性)である。反転印刷法の利点として解像性が高い点を上述したが、除去版において凹部となるパターンのサイズが小さいと、パターンにおける直角コーナー等の形状が丸みを帯びてしまい、パターンの解像性が落ちてしまうという反転印刷の欠点がある。
除去版がブランケットのインキ膜に接触する際、凸部のみがインキ膜に接触し、凹部は接触しない。つまり、除去版の凹部にはインキは入りこまず、空隙を生じた状態となる。
その後、除去版とブランケットとを剥離すると、インキ膜と接触していた除去版の凸部分にのみブランケットのインキが転写される。一方、除去版の凹部分は、上記した空隙によって除去版とインキ膜が接触していないため、この空隙の形状がブランケットに残る。
近年問題となっているのが、小パターンの解像性悪化である。近年、ディスプレイパネルの高精細化に伴って、カラーフィルター等の画素パターンが更に小さくなってきている。画素パターンの小さな除去版を使って、反転印刷法によりパターンを基材に転写すると、四角形の画素のコーナーが丸みを帯びてしまうといった不具合が報告されている。
パターンが形成された除去版をインキ膜に接触させると、例えばパターンとなる四角形の凹部には、インキが接触しない。しかし、パターンとなる四角形が小さくなると、あるサイズからインキの表面張力の働きが顕著になり、四角形の四隅にインキが侵食する(吸い上がる)という現象が発生する。
除去版の凹部の四隅にインキが侵食すると、本来ブランケットに残すべき四角形のコーナー部分のインキが除去版によって取られてしまうために、ブランケットから基材に転写されるパターンは丸みを帯びた四角形になってしまう。
印刷物、とりわけディスプレイの光学素子として使われるパネルにおいて、解像度は非常に重要である。例えばカラーフィルターにおける解像度不良は、開口率に大きな影響を与える。
カラーフィルターの形状は、大きく分けて、ストライプ型とアイランド型とがある。ストライプ型は、各色がストライプ状に並んで配色されているのに対し、アイランド型は、各色の四角形が縦横に並んで配色されている。
ディスプレイにあらゆる方式があることは前述の通りだが、それに使われるカラーフィルターは、近年アイランド型が多くなってきた。また、方式によっては、ブラックマトリックスを採用しないものも出始めており、アイランド形における各色の形状は、丸みを帯びない、高解像(高精細)のものが求められている。
また、反転印刷のもう1つの問題がコストである。反転印刷法で使われるブランケットが高価であるために、反転印刷には、製造原価が下げ難いという欠点がある。
ブランケットが高価な理由は、樹脂フィルムにシリコーン等の離型剤を形成する必要があるためである。樹脂フィルムに離型剤を形成し、その上にインキをコートすることによって、容易にパターンを転写することができる。
この離型剤を形成する工程が省略できれば、材料費はもとより、塗工装置の償却費や労務費も削減することができる。
それ故に、本発明の目的は、高解像度でパターンを印刷でき、製造コストを低減できる反転印刷方法等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号、説明文言等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明の第1の局面は、基材(4)上に所望のインキパターン(9、17)を形成する反転印刷方法であって、紫外線硬化性を持つインキが塗布されたブランケット(3)に、凸部(13)と凹部(12)とから成るパターンが形成された除去版(6)をラミネートするラミネートステップ(図2(c)参照)と、除去版がラミネートされたブランケットに紫外線(15、16)を照射する照射ステップ(図2(c)参照)と、紫外線が照射されたブランケットから除去版を剥離することでインキの不要部分を除去して、当該ブランケット上に所望パターンのインキを形成する形成ステップ(図2(d)参照)と、ブランケット上に形成された所望パターンのインキを基材に転写して、当該基材上に所望のインキパターンを形成する転写ステップ(図2(e)(f)参照)とを備える。
第1の局面によれば、上記した照射ステップによって、ブランケットに離型剤層を形成する必要がなくなる。離型剤層はインキとブランケットを剥がれやすくするために形成されるものだが、紫外線を照射することによって、それと同等の効果が得られるためである。
また、第2の局面では、除去版の凸部は、受像性能を持ってもよい。
第2の局面によれば、基材上に形成するパターンにおいて、例えば四角形のコーナーが丸みを帯びることなく、不要なパターンのみを高精度で除去版に転写することが可能となる。つまり、ブランケット上に形成する、基材に転写すべきインキパターンを高精細にすることができる。
また、第3の局面では、除去版の前記凸部は、波長365nmの紫外線の透過率が10%以下であってもよい。
第3の局面によれば、除去版側から紫外線を照射した際に、除去版の凹部のみで紫外線を透過し、インキを硬化させることができる。これによって、インキの硬化部と非硬化部とが破断しやすくなるため、インキの硬化部は高精度でブランケットに残り、インキの未硬化部は高精度で除去版に転写される。つまり、除去版側から紫外線を照射することによって、ブランケットに離型剤層を形成しなくても、ブランケット上に、基材に転写すべき高精細なインキパターンを容易に形成することができる。
また、第4の局面では、ブランケットは、波長365nmの紫外線の透過率が10%以上であってもよい。
第4の局面によれば、ブランケット側から紫外線を照射した際に、紫外線がブランケットを透過して塗工インキに到達するため、インキの硬化が進み、ブランケットとインキとの密着性が下がる。したがって、ブランケット側から紫外線を照射することによって、ブランケットに離型層を形成しなくても、ブランケット上に、基材に転写すべき高精細なインキパターンを容易に形成することができる。
また、第5の局面では、照射ステップでは、波長365nmを含む平行光の紫外線を照射してもよい。
第5の局面によれば、紫外線の波長365nmは多くの重合開始剤が持つ吸収波長であるので、多くの紫外線硬化性インキに本方法を展開することができる。また、平行光を使うことによって、基材ステージ上に転写ローラー等のパーツが具備されている印刷方式であっても、基材ステージより離れた場所に紫外線の光源を設置し、必要な時だけ障害となるパーツを退避させて、紫外線を照射することができる。これにより装置設計の自由度が大幅に向上する。
また、第6の局面では、照射ステップでは、ブランケット側から、及び、除去版側からの、少なくともいずれか一方から、紫外線を照射してもよい。
第6の局面によれば、装置設計上、もしくはプロセスの都合に応じて、紫外線の照射方法を選択することができる。また、双方から紫外線を照射することによって、より高精細なインキパターンをブランケット上に形成することができる。
また、第7の局面は、基材(4)上に所望のインキパターン(9、17)を形成する反転印刷装置(100)であって、紫外線硬化性を持つインキが塗布されたブランケット(3)に、凸部(13)と凹部(12)とから成るパターンが形成された除去版(6)をラミネートするラミネート手段(1、2、7、8等)と、除去版がラミネートされたブランケットに紫外線(15、16)を照射する照射手段(20、21)と、紫外線が照射されたブランケットから除去版を剥離することでインキの不要部分を除去して、当該ブランケット上に所望パターンのインキを形成する形成手段(1、2、7、8等)と、ブランケット上に形成された所望パターンのインキを前記基材に転写して、当該基材上に所望のインキパターンを形成する転写手段(1、2、7、8等)とを備える。
第7の局面によれば、第1の局面と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、高解像度でパターンを印刷でき、製造コストを低減できる反転印刷方法等を提供することができる。
本発明の反転印刷装置の一例の概略図 本発明の反転印刷方法の一例を説明するための図
以下に、本発明における、離型剤層の無いブランケットを使って高精細のパターンを得るための反転印刷の一実施形態について説明する。
図1は反転印刷装置100の一例の概略を示す図であり、図1(a)は反転印刷装置100を上から視た概略図であり、図1(b)は反転印刷装置100が除去版によってブランケットにパターンを転写する様子を横から視た概略図であり、図1(c)は反転印刷装置100がブランケットによって基材にパターンを転写する様子を横から視た概略図である。
図1に示すように、反転印刷装置100は、延伸ローラー1及び2と、ブランケット3と、ラミネートローラー7と、基材ステージ8と、紫外線照射部20及び21とを含む。ブランケット3は、延伸ローラー1及び2によって両側から張力がかけられている。なお、図1(a)及び(b)に示すように、ブランケット3の一表面には、インキの塗工領域であるインキ塗工領域5が設けられている。
図1(a)は、除去版6によってブランケット3にパターンを転写する工程におけるブランケット3、除去版6、および基材4の位置関係を示したものである。インキ塗工領域5は、例えば塗工ステージにブランケット3を吸着し、ダイ方式等によってインキをブランケット3に塗工(塗布)して形成する。そして、インキ塗工領域5は、延伸ローラー1及び2を用いてブランケット3を搬送することによって、基材ステージ8上まで運ばれる。
図1(b)は、インキ塗工領域5を除去版6にラミネートする(貼り付ける)工程を示している。図1(b)に示すように、ブランケット3上のインキ塗工領域5は、延伸ローラー1及び2によって両側から張力をかけながら、ラミネートローラー7によって除去版6にラミネートされる(貼り付けられる)。そして、ラミネート後は、除去版6とブランケット3を接触させた状態で、紫外線照射部20によってブランケット3側から紫外線15を照射し、又は/及び、紫外線照射部21によって除去版6側から紫外線16を照射する。
図2は、本発明の反転印刷方法の一例を説明するための図である。図2(a)に示すように、除去版6には、凹部12によってパターンが形成されている。ラミネート時に凹部12にはインキ塗工領域5のインクが接触しないため、インキ塗工領域5から除去版6を剥離すると、接触した部分のみのインキがブランケット3から取り除かれる。このことから、除去版6の凹部12からなるインキパターンがブランケット3のインキ塗工領域5に残される(転写される)ことになる。
図1(c)は、図1(b)の工程によってパターンが除去版6から転写されたインキ塗工領域5のインキパターンである転写後インキパターン9を基材4に転写する工程を示している。転写後インキパターン9を基材4にラミネート(貼付け)する方法は、上記した除去版6と同じく、ブランケット3に延伸ローラー1及び2によってブランケット3の両側から張力をかけながら、ラミネートローラー7によって基材4に転写後インキパターン9をラミネートするものである。この結果として、除去版6の凹部12からなるパターン(図2(a)参照)が反転して基材4に転写される。
上述の通り、ブランケット3のインキ塗工領域5と除去版6とをラミネートした後に紫外線を照射することが本願における特徴の1つである。以下に、図2を用いて、紫外線照射の目的と効果について説明する。
図2(b)は、ブランケット3におけるインキ塗工領域5の面を除去版6側に向けた、ラミネート前の状態を示している。ここで、除去版6の凸部13は、受像性能を持つ樹脂レジストから成る。凸部13は、ガラス基板に受像性能をもつフォトレジストを、スピン又はダイコート等により塗布した後、露光処理および現像処理によって形成される。この形成の処理は、ネガレジストによる処理又はポジレジストによる処理に限定するものではないが、高解像パターンを形成し易いポジレジストによる処理が望ましい。
凸部13の高さ(深さ)である版深は、特に限定するものではないが、3〜5マイクロメートルが望ましい。版深は、受像性能をもつフォトレジストを塗工する際の膜厚調整によって決定される。版深が深いほど、底当たりしにくい一方で、除去版6の解像性、つまり受像性能をもつレジストのパターニング解像性が落ちる。良好な解像性は、反転印刷の長所であるため、版深の深い版を作製することは好ましくない。
図2(c)は、ブランケット3のインキ塗工領域5の面と除去版6とをラミネートした(貼り付けた)直後の状態を示している。除去版6の凹部12に塗工インキが浸入している状態が確認できる(図2(c)の14参照)。インキ塗工領域5に塗工されたインキ面は既に減圧工程を経ているので、流動性は低い。したがって、図2(c)に示した通り、凹部12の空隙にインキが押し込まれているような盛り上がりが形成される。塗工されたインキが厚かったり、版深が浅すぎたりすると、この盛り上がりが除去版6の底に当たり、パターンが形成できない。これが先に述べた底当たりと呼ばれる現象である。
このラミネート直後の状態において、紫外線15又は/及び紫外線16を照射する。ここで、紫外線15を照射することによる効果と、紫外線16を照射することによる効果とは、その効果が異なる。以下、それぞれのメカニズム及び効果について説明する。
まず、紫外線15によってブランケット3の上方から紫外線を照射した場合について説明する(図2(c)参照)。この場合、除去版6はガラスをエッチングして作製した通常の除去版であってもよい。紫外線15は、365nmの波長を含み、ブランケット3は、365nm波長の透過率が10%以上の光透過特性を持つ。このことから、ブランケット3に照射された波長365nmの紫外線15の10%以上がインキ塗工領域5のインキ(以下、単に、インキという場合がある)に到達する。紫外線15が到達すると、インキ塗工領域5のインキは、紫外線15を吸収して硬化を始める。その際、インキは、硬化と併せて体積の膨張又は収縮を生じて、との接触面で応力歪みが発生する。この結果として、インキとブランケット3とを剥離する際に、この応力歪みが開放されるので、ブランケット3とインキとの境界できれいに両者を剥がすことができる。言い替えれば、紫外線15の照射により、ブランケット3とインキとの密着力を下げることができる。
ここで、インキの硬化は紫外線の照射面から進む。つまり、紫外線15の照射の場合は、ブランケット3とインキとが接触している面から硬化が開始する。したがって、紫外線15を照射し過ぎると、除去版6とインキとの接触面においても密着力を下げ過ぎてしまい、インキの転写されるべき部分(取り去るべき部分)を除去版6に正確に転写できない場合がある。除去版6のインキとの接触部分を精密に除去版6に転写し、除去版6のインキとの非接触部分(図2(c)の14参照)をブランケット3に精密に残すためには、照射する紫外線15の光量を適切に調整する必要がある。ただし、後述する通り、除去版6の凸部13の形成に受像性能を持つレジストを採用した場合は、除去版6とインキとの密着力が非常に高くなるため、紫外線15の照射量の調整はほとんど不要となる。
なお、上記では、ブランケット3の波長365nmの紫外線透過率は10%以上としているが、この紫外線透過率は高い方が望ましい。これにより、紫外線の光強度や光量を少なくできるので、装置価格とランニングコストを低く抑えることができる。
次に、紫外線16によって除去版6の下方から紫外線を照射した場合について説明する(図2(c)参照)。この場合、受像性能をもつレジストでパターニングして製作した除去版6を使用することが前提となり、通常のガラスエッチングで作製した除去版では効果が無い。
紫外線16は365nmの波長を含む。また、受像性能を持つレジストの波長365nmの紫外線透過率は10%以下である。したがって、紫外線16の波長365nmの照射光は、除去版6の凹部12では透過する一方で、除去版6の凸部13ではその透過率は10%以下となる。この結果として、インキ塗工領域5のインキは、除去版6の凹部12に対応する部分(図2(c)の14参照)のみが硬化し、凸部13に対応する部分のインキは硬化しない。
この様に、インキに硬化部と未硬化部とができることによって、両者の境界には応力歪みが生じる。これにより、インキの硬化部と未硬化部との剥離の際には、両者の境界の応力歪みの部分で精密に破断させることができる。なお、凸部13は受像性能を持つため、凸部13が接触した部分のインキは、除去版6側に強く密着する。したがって、除去版6側の凸部13にインキが精密に残り、凹部12に対応するインキ(図2(c)の14参照)はブランケット3側に精密に残る。
図2(d)は、ブランケット3と除去版6との剥離後の状態を示している。インキ塗工領域5から除去すべきインキの領域(部分)を除去した最終転写パターン17がブランケット3に形成されていることが分かる。なお、最終転写パターン17は、図1(c)の転写後インキパターン9に等しい。図2(e)は、最終転写パターン17を基材4に転写している状態を示している。図2(f)は、その後、最終転写パターン17を基材4から剥離して基材4にパターン形成した状態を示している。図2(f)の状態が製品の最終形体である。
なお、紫外線の照射は、ブランケット3側からの紫外線15の照射と、除去版6側からの紫外線16の照射との両方を併用することが望ましいが、どちらか一方でもよい。但し、先に述べた通り、紫外線15の照射はブランケット3とインキとの剥離性を上げ、紫外線16の照射はインキのパターン境界の剥離時の破断性を容易にするものであり、両者は目的が異なる。したがって、目的に応じて両者を併用したり、一方のみを実施することがより望ましい。また、紫外線15及び16は、平行光であることが望ましい。
[実施例]
以下、上記実施形態に沿った具体的な反転印刷方法について説明する。本検証においては、本願方法を用いてカラーフィルターを想定したパターンを形成し、その効果について検証した。
除去版6のパターン形状は80マイクロメートルの四角形とし、配列は図2(a)と同一のものとした。除去版6の版材には0.7mm厚の無アルカリガラスを使用した。当該ガラスの365nm紫外線透過率は95%以上である。
除去版6は、受像性能を持つフォトレジストをパターニング形成することで作製した。レジストには透明なポジ材を採用し、露光にはプロキシミティー露光装置を使った。版深、つまりレジスト膜厚は3マイクロメートルとした。当該レジストの365nm紫外線透過率は、1%未満であることを確認した。
図1に示した通り、ブランケット3はロール状のものを使用し、テンションを掛けながら転写、剥離する方法を採用した。基材4は枚葉のシートであり、基材ステージ8に手投入することで印刷を行った。インキは波長365nmの紫外線に感度を持つ光硬化型のRedインキを用い、ダイコーターによりブランケット3に塗工した。塗工後は1Torr下20secの減圧乾燥処理を施し、減圧後膜厚は1.0マイクロメートルとした。
ブランケット3を構成するフィルムの材質にはPETを採用し、基材4を構成するフィルムの材質にはPENを採用した。ここで、ブランケット3を構成するフィルムには離型層を形成せずに、PET表面に直接インキを塗工した。
乾燥させたインキ塗工領域5を基材ステージ8に搬送し、上記の除去版6にラミネートした。ラミネート完了後、インキ塗工領域5を剥離する前に紫外線の照射を行った。紫外線照射は、紫外線照射装置(20、21)にて実施し、検証した。
ブランケット3上のインキを除去版6にラミネートした後、ブランケット3のテンションを解除し、除去版6と接触した状態でロールから切り離した。これを紫外線照射装置に投入し、両面に紫外線を照射した。
紫外線の光源には、高圧水銀ランプを採用し、平行光の照射ができる装置を使った。光量は、両面それぞれに365nmの輝線を約30mJ/cm2照射とした。照射後はブランケットを切り離したロールに戻し、再度テンションをかけて除去版6から剥離した。
紫外線の光源に水銀ランプを使ったため、光源波長は365nm以外の輝線を含む。今回の実験では特に光学フィルターを使用せず、全輝線を使用したが、材料の特性等によっては所望の輝線のみを透過させる光学フィルターを使用することが好ましい場合もある。例えば365nmのバンドパスフィルターを使うことによって、インキを半硬化状態にし、ブランケット3とインキの密着力だけを下げる効果も期待できる。
最後に、ブランケット3に形成されたパターンを基材4に転写し、最終製品とした。その結果、ブランケットに離型層を形成する従来方式と比べて、同等レベル以上の解像度を持つパターンが、フィルム基材4上に形成されていることを確認した。
以上に説明したように、本発明によれば、ブランケットに離型層を形成する必要がなくなるため、離型剤が不要となり、また、離型剤を塗布する装置も不要となる。したがって、製造コストの削減が実現できる。
また、以上に説明したように、本発明によれば、従来方式よりも良好な解像性を持つパターンが基材4に転写できる。
なお、本発明において、従来方式のように離型層を形成したブランケットを使えば、更に解像性の高いパターンを基材4に転写できる。
本発明は、反転印刷等に利用可能であり、反転印刷において製造コストを下げつつ解像性の高いパターン形成を実現したい場合等に有用である。
1…延伸ローラー1
2…延伸ローラー2
3…ブランケット
4…基材
5…インキ塗工領域
6…除去版
7…ラミネートローラー
8…基材ステージ
9…転写後インキパターン
10…ラミネート方向
11…延伸方向
12…除去版における凹部
13…除去版における凸部
14…除去版の凹部に塗工インキが僅かに浸入している部分
15…ブランケット側からの紫外線
16…除去版側からの紫外線
17…最終転写パターン
100…反転印刷装置

Claims (7)

  1. 基材上に所望のインキパターンを形成する反転印刷方法であって、
    紫外線硬化性を持つインキが塗布されたブランケットに、凸部と凹部とから成るパターンが形成された除去版をラミネートするラミネートステップと、
    前記除去版がラミネートされた前記ブランケットに紫外線を照射する照射ステップと、
    紫外線が照射された前記ブランケットから前記除去版を剥離することで前記インキの不要部分を除去して、当該ブランケット上に所望パターンのインキを形成する形成ステップと、
    前記ブランケット上に形成された前記所望パターンのインキを前記基材に転写して、当該基材上に所望のインキパターンを形成する転写ステップとを備える、反転印刷方法。
  2. 前記除去版の前記凸部は、受像性能を持つ、請求項1に記載の反転印刷方法。
  3. 前記除去版の前記凸部は、波長365nmの紫外線の透過率が10%以下である、請求項2に記載の反転印刷方法。
  4. 前記ブランケットは、波長365nmの紫外線の透過率が10%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の反転印刷方法。
  5. 前記照射ステップでは、波長365nmを含む平行光の紫外線を照射する、請求項1〜4のいずれかに記載の反転印刷方法。
  6. 前記照射ステップでは、前記ブランケット側から、及び、前記除去版側からの、少なくともいずれか一方から、前記紫外線を照射する、請求項1〜5いずれかに記載の反転印刷方法。
  7. 基材上に所望のインキパターンを形成する反転印刷装置であって、
    紫外線硬化性を持つインキが塗布されたブランケットに、凸部と凹部とから成るパターンが形成された除去版をラミネートするラミネート手段と、
    前記除去版がラミネートされた前記ブランケットに紫外線を照射する照射手段と、
    紫外線が照射された前記ブランケットから前記除去版を剥離することで前記インキの不要部分を除去して、当該ブランケット上に所望パターンのインキを形成する形成手段と、
    前記ブランケット上に形成された前記所望パターンのインキを前記基材に転写して、当該基材上に所望のインキパターンを形成する転写手段とを備える、反転印刷装置。
JP2012053428A 2012-03-09 2012-03-09 反転印刷方法および反転印刷装置 Expired - Fee Related JP5891861B2 (ja)

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