JP2013183652A - 食用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】パームを主に使用し、ラウリン系油脂量を低減しても、広い温度領域で一定の物性や機能を有する食用油脂組成物、並びに前記食用油脂組成物を使用した、食感良好なバターロールやバターケーキ等のパン・焼き菓子類を提供すること。
【解決手段】(A)パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油を15〜45質量%、(B)パームステアリンまたはパームステアリンのエステル交換油を1〜10質量%、且つ、(C)極度硬化油を0.5〜4質量%の比率で含有し、(D)残部が植物油脂から選択される油を含むことを特徴とする、食用油脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、パームを主として含み、一定の物性と機能を有し、広い温度領域で使用しうる食用油脂組成物、及びそれを使用した食感が良好なパン、焼き菓子類等の食品に関する。
クッキー、バターケーキ等の焼き菓子やパンの練りこみ用油脂として、従来から、安価であり、物性や機能性も良好である魚硬化油が多く使われてきた。
しかし、近年では、魚硬化油の原料となる魚の漁獲量が減少し、魚油が供給不足になり価格も高騰している。そのため、魚油の使用を減らし、その他の動植物油の使用に移行する動きがある。
また、近年、食品中のトランス脂肪酸を低減する流れがあり、それに伴い、トランス脂肪酸を生成する硬化油の使用から、エステル交換油への置き換えも進んでいる(特許文献1、2参照)。
一方、原材料としては比較的安価であるパーム油は、ショートニングやマーガリンの原料油として多く使われるようになってきている(特許文献3、4参照)。
しかしながら、パーム油を使用した場合、硬化油を使用した場合と比較して結晶の析出が比較的遅いという問題がある。
また、ラウリン酸を含む油脂は、チョコレートを含む菓子で使用した場合、保存中に加水分解して、いわゆるソーピー臭を発生することがあり、使用が限られる場合がある。
特開平8−242765号公報 特開2005−060614号公報 特開2002−338992号公報 特開2007-135443号公報
そこで、本発明では、ラウリン系油脂の量を低減した植物油脂を、従来の魚硬化油の代わりに用いることにより、一定の物性と機能を有し、広い温度領域で使用しうる食用油脂組成物を提供し、更にそれを使用した食感が良好なパンや焼き菓子類等の食品を提供することを目的とする。
本発明の更なる目的は、パーム系油脂を使用して、ラウリン系油脂量を低減しても良好な物性や機能を有する食用油脂組成物、並びに前記食用油脂組成物を使用したマーガリン、食感良好なパン、クッキー、バターケーキ等の焼き菓子を提供することである。
本発明は、(A)パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油を15〜45質量%、(B)パームステアリンまたはパームステアリンのエステル交換油を1〜10質量%、且つ、(C)極度硬化油を0.5〜4質量%の比率で含有し、(D)残部が植物油脂から選択される油を含むことを特徴とする、食用油脂組成物を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
また、本発明では、上記可塑性油脂組成物を使用したショートニング、マーガリン類、クリーム、パン及び焼き菓子類を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の食用油脂組成物は、経時変化で固くならず、一定の物性や機能を有し、クッキー等の焼き菓子に使用した場合も火抜けが良く良好な食感が得られる。また、本発明の食用油脂組成物を使用したパン類は、生地にソフト感があり口どけもよい。
本発明の食用油脂組成物に用いられる上記油脂配合物について以下に述べる。
本発明の食用油脂組成物油は、(A)パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油を15〜45質量%、(B)パームステアリンまたはパームステアリンのエステル交換油を1〜10質量%、且つ、(C)極度硬化油を0.5〜4質量%の比率で含有し、(D)残部が植物油脂から選択される油を含むことを特徴とする、食用油脂組成物である。
1.(A)パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油
本発明において「パーム分別油」とは、常温で半固形の油脂であるパーム油を硬質油部分と軟質油部分に分別して得たものである。エステル交換後の沃素価が55〜90となるようなフラクションを採取したものであればよい。
例えば、一種類のパーム分別油を用いてエステル交換して、沃素価55〜90のエステル交換油を得る場合には、エステル交換前の「パーム分別油の沃素価」も55〜90である。二種類以上のパーム分別油を用いてそれぞれエステル交換する場合、あるいは二種類以上のパーム分別油の混合物をエステル交換する場合には、用いる二種類のパーム分別油の沃素価は、最終エステル交換油が沃素価55〜90となるように適宜選択することができる。例えば、沃素価50のパーム分別油と沃素価70のパーム分別油を混合し、沃素価60のパーム分別油を作成してからこれをエステル交換することにより沃素価60のエステル交換油を得ることができる。
例えば、沃素価55〜90のパーム分別油を原料として用いる場合には、パーム油を適当な温度に冷却し、析出した結晶部分を取り除いて低融点画分(融点23℃以下)を得ることにより準備することができる。分別方法としては、ヘキサン・アセトンといった溶剤を使用する溶剤分別、溶剤を使用せず油脂そのものを冷却する自然分別がある。
上述した「パーム分別油」を従来公知の方法でエステル交換して得られるエステル交換油を使用する。油脂のエステル交換の方法は当該技術分野で公知の方法で行うことができる。エステル交換には、例えば、ランダム(非選択的)エステル交換反応方法、選択型(指向型)エステル交換反応方法があり(参考文献:安田耕作、福永良一郎、松井宣也、渡辺正男、新版油脂製品の知識、幸書房)、本発明では、ランダムエステル交換反応方法が好ましい。ランダムエステル交換は、例えば、ナトリウムメチラート、水酸化ナトリウム等を触媒としてエステル交換を行う化学的な方法、非選択的リパーゼ等を触媒としてエステル交換を行う酵素的な方法に従って行うことができる。特に、化学的な方法でランダムエステル交換反応を行うことにより、簡便であるため、より好ましい。
パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油は、本発明の食用油脂組成物の全質量に対して、15〜45質量%用いる。これより多量に使用すると、ショートニング、焼き菓子、パン類等を製造した場合に、固く、パサつく食感になり好ましくない。また、少ない量では、ショートニング、焼き菓子を製造した場合に、腰抜け、生地のだれが見られて好ましくない。
好ましくは、パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油は15〜40質量%、更に好ましくは20〜40質量%である。
2.(B)パームステアリン及び/またはパームステアリンのエステル交換油
本発明の油脂組成物には、パームステアリンまたはパームステアリンのエステル交換油を、本発明の食用油脂組成物の全質量に対して、1〜10質量%含む。好ましくは3〜9質量%含む。「パームステアリン」とは、パーム油を分別して得られる高融点画分(45〜58℃程度)をいう。一般には、酸価0.20以下、沃素価48以下、上昇融点44℃以上である。より好ましくは「パームステアリン」の沃素価は40以下、更に35以下であることが好ましい。
「パームステアリンのエステル交換油」とは、前記パームステアリンをエステル交換した油であり、エステル交換方法は、前述した「パーム分別油」のエステル交換方法と同じである。
前記範囲より多量に含む場合には、ショートニングを製造した場合に固くなり、なめらかさがなくなる。また、焼き菓子、パン類等を製造した場合にも固い食感になる。パームステアリンを含まない場合には、ショートニングとした場合に撹拌により腰が弱くなる傾向がある。また、焼き菓子、パン類を製造すると、焼成時にだれてしまい、更にねちゃつく食感を与える。
3.(C)極度硬化油
本発明の油脂組成物は、極度硬化油を、本発明の食用油脂組成物の全質量に対して、0.5〜4質量%の比率で含有する。好ましくは1〜3質量%である。
「極度硬化油」とは、通常の食用油脂を極度硬化処理したものである。「極度硬化」とは、水素添加によって不飽和脂肪酸を完全に飽和することである。水素添加の方法は当業者に公知の方法により適宜行うことができる。例えば「食用油製造の実際」(宮川高明著、幸書房、昭和63年7月5日 初版第1刷発行)に記載の方法に従い、行うことができる。
極度硬化油の原料油脂としては、通常、食用油脂として使用されるものが挙げられる。好ましくは、パーム油、パーム分別油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、米油、サフラワー油、オリーブ油、牛脂、及び豚脂からなる群より選択される油脂であり、更に好ましくはパーム系油脂であり、最も好ましくはパーム油あるいはパーム分別油である。
本明細書では、パーム油あるいはパーム分別油を原料として極度硬化処理した油脂を、「パーム極度硬化油」と呼ぶ。
極度硬化油を前記範囲より多く含む場合には、ショートニングを製造した場合に固くなり、なめらかさがなくなる。また、焼き菓子、パン類等を製造した場合にも固い食感になる。極度硬化油を含まない場合には、ショートニングとした場合に腰が無くなる傾向がある。また、焼き菓子、パン類を製造すると、焼成時にだれてしまい、更にややねちゃつく食感を与える。
4.(D)残部
本発明の油脂組成物は、上記(A)〜(C)に加え、残部として(D)植物油脂を含む。好ましくはラウリン系油脂を除く植物油脂である。ラウリン系油脂を除く植物油脂とは、例えば、パーム油、パーム分別油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、米油、サフラワー油、オリーブ油等が挙げられる。更に好ましくはパーム油及びパーム分別油からなる群より選択される油を含む。パーム油及びパーム分別油を併用してもよい。
パーム分別油とは常温で半固形の油脂であるパーム油をパームステアリンとパームオレインに分別したものである。好ましくは、パーム分別油は、沃素価55〜70の分別軟質部であり、更に好ましくはパームダブルオレインである。
5.食用油脂組成物
本発明の食用油脂組成物は、経時変化で固くならず、一定の物性や機能を有しているため、ショートニング、マーガリン、焼き菓子類、パン、クリームにおいての使用に特に適している。例えば、クッキー等の焼き菓子類に使用した場合には、良好な外観と食感が得られる。また、本発明の食用油脂組成物を使用したパン類は、生地にソフト感があり口どけもよい良好なものである。
・ショートニング
本発明の油脂組成物を従来公知の方法でショートニングに形成することができる。例えば、50〜60℃に加温して油脂組成物を完全に溶解し、その後、急冷捏和することによりショートニングを作成することができる。
本発明の食用油脂組成物をショートニングにした場合のペネトロメーターにより測定した硬度は、15℃で120〜190、20℃で120〜230の範囲となる。これらの範囲であることによりショートニングとした場合のハンドリング特性が優れているものと考えられる。
・焼き菓子類
焼き菓子類としては、クッキー、バターケーキ等が挙げられ、これらの焼き菓子類において従来使用されてきた油脂類(バター、ショートニング、マーガリン、ラード等)において、本発明の食用油脂組成物を用いることができる。例えば、クッキーは、小麦粉、砂糖、卵、及びショートニングを使用して製造する方法が知られているが、本発明の食用油脂組成物をショートニングとして、クッキーの製造に用いることができる。
・パン
パンとしては、ロールパン、食パン等が挙げられ、これらのパン類において従来使用されてきた油脂類(バター、ショートニング、マーガリン、ラード等)において本発明の食用油脂組成物を用いることができる。
・マーガリン類
本明細書においてマーガリン類とは、マーガリンやファットスプレッドといった油脂加工品をいう。マーガリンとは、食用油脂に水(<17.0%)を加えて乳化し,急冷練合わせをするか,または練合わせをしないで作られた可塑性のものである。油脂含有率が80%以上のものをいう。ファットスプレッドは、次に掲げるものであって、油脂含有率が80%未満のものをいう。
用途によって異なるが,融点が34〜40℃程度になるように,原料油脂を配合し,乳化剤,油溶性ビタミン,乳成分,食塩,調味料などが添加される。本発明の食用油脂組成物の添加量としては、例えばマーガリンに対して83質量%程度であり、これを乳化剤、香料を溶解して使用する。
・クリーム
本発明の食用油脂組成物を、バタークリーム、シュガークリームなどのクリーム類の製造に使用することができる。
製造方法の例としては例えば以下の方法が挙げられる。
バタークリームは、本発明の食用油脂組成物のショートニング50質量部をホイップし、液糖を20〜33質量部、加糖練乳を5〜15質量部程度混合し、比重0.85〜0.6までホイップする。
シュガークリームは、本発明の食用油脂組成物のショートニング45質量部をホイップし、グラニュー糖10〜33質量部、上白糖5〜16質量部、粉糖1〜6質量部を加えて、比重0.95〜0.88までホイップする。
本発明の食用油脂組成物は、油脂組成物全質量に対してトランス脂肪酸量を10質量%以下にすることができるため好ましい。更に好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、最も好ましくは1質量%以下に抑制することができる。
本発明の食用油脂組成物は、油脂組成物全質量に対して飽和脂肪酸量を40〜60質量%含むことが好ましく、42〜50質量%含むことが更に好ましく、43〜47質量%含むことが最も好ましい。飽和脂肪酸量が多すぎると、油脂組成物が固くなり、ハンドリングに悪影響を及ぼす。また、少なすぎると、柔らかすぎて焼成時の耐熱性が得られなくなる。飽和脂肪酸がこの範囲であると、適度な固さでハンドリングもよく、かつ焼成時の耐熱性も良好であるものを製造できる。
本発明の食用油脂組成物は、油脂組成物全質量に対してオレイン酸量を35〜45質量含むことが好ましく、リノール酸を10〜15質量%含むことが好ましい。オレイン酸量が多すぎると、柔らかすぎて耐熱性が得られない。また、少なすぎると、油脂のしなやかさがなくなり、ハンドリングが悪くなる。リノール酸量が多すぎても、同様に耐熱性が得られず、ハンドリングが悪くなる。オレイン酸、リノール酸量がこの範囲であると、適度な固さでハンドリング良好なものを製造することができる。
本発明の食用油脂組成物は、好ましくは10℃のSFCが23〜40、15℃のSFCが10〜30、及び20℃のSFCが11〜20である。更に好ましくは、10℃のSFCが24〜39、15℃のSFCが13〜25、20℃のSFCが11〜18である。また、好ましくは25℃のSFCが5〜15である。これらの範囲であることにより、ショートニング、マーガリン類、焼き菓子類、パン類、クリーム類を製造した場合のハンドリング特性、焼き菓子類やパン類の外観及び食感が特に優れたものを製造することができるからである。
(参考製造例)
パーム油の分別
パーム油(沃素価51)を分別し、沃素価60のパームダブルオレイン、沃素価64のパームダブルオレインを得た。
A.パーム分別油脂のエステル交換油の製造
沃素価60のパームダブルオレインを0.12質量%のナトリウムメトキシド触媒にて、95℃で30分間非選択的エステル交換反応を行った。その後脱色・脱臭を行いエステル交換油を得た。
B.パームダブルオレインの製造
パームダブルイレイン(沃素価64)を脱色・脱臭を行い試料油脂を得た。
脱色条件:活性白土2.3%を添加し、撹拌しながら減圧下(0.009MPa)110℃まで加熱し15分間保持後80℃まで冷却した。これを濾紙にて活性白土を濾過して脱色油を得た。
脱臭条件:脱臭時圧力330Pa、脱臭温度250℃、脱臭時間60分にて脱臭を行った。
C.パームステアリンの製造
パームステアリン(沃素価32)を脱色・脱臭を行い試料油脂を得た。
脱色条件:活性白土2.3%を添加し、撹拌しながら減圧下(0.009MPa)110℃まで加熱し15分間保持後80℃まで冷却した。これを濾紙にて活性白土を濾過して脱色油を得た。
脱臭条件:脱臭時圧力330Pa、脱臭温度250℃、脱臭時間60分にて脱臭を行った。
D.パーム極度硬化油の製造
パーム油(沃素価52)を、オートクレーブ内で、開始温度150℃、水素圧力0.5MPa、ニッケル触媒3%(商品名 SO−850:堺化学工業株式会社製)にて、水素の吸収がなくなるまで水素添加した。この極度硬化油を脱色・脱臭を行い試料油脂を得た。
脱色条件:活性白土2.3%を添加し、撹拌しながら減圧下(0.009MPa)110℃まで加熱し15分間保持後80℃まで冷却した。これを濾紙にて活性白土を濾過して脱色油を得た。
脱臭条件:脱臭時圧力330Pa、脱臭温度250℃、脱臭時間60分にて脱臭を行った。
(実施例1)
参考製造例で製造したエステル交換油を30質量部、パームステアリン5質量部、パームダブルオレイン62質量部、パーム極度硬化油1質量部からなる油脂組成物を、60℃に加温して完全に溶解し、急冷捏和してショートニングを作成した。この油脂組成物の物性については表1に示した。
(実施例2〜10、比較例1〜10)
実施例1と同様に、表1〜3に記載した組成の油脂組成物を製造し、ショートニングを得た。これらの油脂組成物の物性については表1〜3に示した。
上記実施例1〜10及び比較例1〜10のそれぞれで得たショートニングについて、状態・ハンドリング、硬度試験、ロールパン、ラングドシャクッキーの焼成試験を下記の評価方法により行った。
ショートニングの状態・ハンドリング
○:適度な固さでなめらかであり、良好な物性。
△:使用可能であるが、作業性が劣る。(更に、観察された点を書き加えた)
×:目的とする物性とは異なり、使用に適さない。(更に、観察された点を書き加えた)
硬度試験
直径6cm、高さ3cmの丸セルクル型にて各ショートニングを打ち抜いた。その後、15℃、20℃の各温度の恒温水浴に2時間保存して、下記硬度計により硬度を測定した。
円錐を試料表面から5秒間貫入させた。この時の針の貫入した距離について、0.1mmを1単位とし、硬度とした。
測定装置;自動針入度試験器(RPM-101)、円錐(102.5±0.05g)、保持具(47.4±0.05g)
ラングドシャクッキー作成試験
実施例1〜10、比較例1〜10で得られたショートニングを用いて、次の配合及び製法によりラングドシャクッキーを作成して、ラングドシャクッキーの外観及び食感を評価した。
(配合)
ショートニング92質量部、粉糖90質量部、食塩0.3質量部、脱脂粉乳3質量部、全卵15質量部、水18質量部、卵白35質量部、薄力粉100質量部
(製法)
卓上ミキサー(ホバート)にてショートニング、粉糖、食塩及び脱脂粉乳を添加し、低速1分間混合して、中速1分間ホイップした。次に全卵・卵白・水を低速で混合し、中速で1分間ホイップした。薄力粉を加え、低速1分間混合して、ラングドシャ生地を得た。
天板に4cm×4cm×厚さ2mmのシャブロン型を載せ、生地を刷り込み、180℃7分間焼成し、冷却して包装した。
(食感評価)
○:ソフトでサクサクした食感
△:やや口どけが悪い。
×:固く、口どけが悪い。
上記に加えて外観、食感において観察された点を書き加えた。
バターロール作成試験
実施例1〜10、比較例1〜10で得られたショートニングを用いて、次の配合及び製法によりバターロールを作成して、バターロールの外観及び食感を評価した。
(配合)
強力粉80質量部、薄力粉20質量部、生イースト2.5質量部、イーストフード0.1質量部、砂糖10質量部、食塩1.5質量部、全卵10質量部、水57質量部、脱脂粉乳2質量部
(製法)
20L縦型ミキサーにて、低速2分間、中速3分間撹拌し、ショートニングを投入して後、低速2分間、中速5分間撹拌した。28℃湿度85%にて90分間発酵し、ガス抜きしてからさらに30分間発酵させた。その後、40gずつ生地を分割し、ベンチタイム20分間の後、成形してホイロ(32℃湿度85%)にて50分間発酵させた。200℃で15分間焼成して、冷却して包装した。
(食感評価)
○:しっとりとして口どけが良い。
△:ややパサパサしている。
×:パサパサした食感。口どけが悪い。
上記に加えて外観、食感において観察された点を書き加えた。
Figure 2013183652
Figure 2013183652
Figure 2013183652

Claims (10)

  1. (A)パーム分別油をエステル交換して得られる沃素価55〜90のエステル交換油を15〜45質量%、(B)パームステアリン及び/またはパームステアリンのエステル交換油を1〜10質量%、且つ、(C)極度硬化油を0.5〜4質量%の比率で含有し、(D)残部が植物油脂から選択される油を含むことを特徴とする、食用油脂組成物。
  2. 油脂組成物の10℃のSFCが23〜40、15℃のSFCが10〜30、かつ20℃のSFCが11〜20、であることを特徴とする、請求項1に記載の食用油脂組成物。
  3. (D)残部の植物油脂が、ラウリン系油脂を除く植物油脂であることを特徴とする、請求項1または2に記載の食用油脂組成物。
  4. (D)ラウリン系油脂を除く植物油脂が、パーム油及びパーム分別油からなる群より選択されることを特徴とする、請求項3に記載の食用油脂組成物。
  5. (C)極度硬化油が、パーム極度硬化油であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の食用油脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の食用油脂組成物から製造されるマーガリン類。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の食用油脂組成物を使用して製造されるパン。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の食用油脂組成物を使用して製造されるショートニング。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の食用油脂組成物を使用して製造される焼き菓子類。
  10. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の食用油脂組成物を使用したクリーム。
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