JP2013182950A - 半導体ウエハ、半導体ウエハの製造方法、半導体装置、および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体ウエハ、半導体ウエハの製造方法、半導体装置、および半導体装置の製造方法 Download PDF

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泰広 木村
Hiroyuki Arie
寛之 有江
Nobuaki Umemura
信彰 梅村
Daisuke Taniguchi
大輔 谷口
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Abstract

【課題】エピタキシャルウエハを用いて製造する半導体装置の性能を向上させる。
【解決手段】半導体基板SUBの外周部に窒素またはアルゴンをイオン注入することにより、窒素またはアルゴンがイオン注入されかつアモルファス化された領域を形成してから、熱処理を行ってこの領域を結晶化するとともにこの領域に双晶欠陥を形成する。その後、半導体基板SUB上にエピタキシャル層EPを形成する。この際、双晶欠陥が、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面を越えてエピタキシャル層EPに延長するように、エピタキシャル層EPが成長する。これにより、半導体ウエハSWの外周部に、双晶欠陥が発生している双晶欠陥領域TRGが形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体ウエハ、半導体ウエハの製造方法、半導体装置、および半導体装置の製造方法に関し、特に、エピタキシャルウエハおよびそれを用いた半導体装置の製造技術に適用して有効な技術に関する。
半導体基板上にエピタキシャル層をエピタキシャル成長させることで、エピタキシャルウエハと呼ばれる半導体ウエハが製造される。このエピタキシャルウエハのエピタキシャル層に半導体素子を形成することで、所望の性能を有する半導体装置が製造される。
特開2010−118487号公報(特許文献1)には、シリコンウェーハ等の単結晶基板とその上に気相成長させた単結晶薄膜との間に発生するミスフィット転位を評価するためのエピタキシャルウエハの評価方法に関する技術が記載されている。
特開昭62−173713号公報(特許文献2)には、ホウ素を添加したシリコン単結晶ウエハの基板と、この基板上に形成されたオートドープ層と、このオートドープ層上に形成されたエピタキシャル層とを有するエピタキシャルウエハに関する技術が記載されている。
特開2003−163216号公報(特許文献3)には、下地シリコン基板にイオン注入によりゲッタリングサイトを設けたエピタキシャルウエハに関する技術が記載されている。
特開2001−77119号公報(特許文献4)には、シリコン基板にイオン注入による結晶欠陥層を形成し、シリコン基板上にシリコンエピタキシャル層を堆積したエピタキシャルシリコンウエハに関する技術が記載されている。
特開2004−342819号公報(特許文献5)には、Si基板上にSiGe層が積層された半導体基板において、Si基板とSiGe層との界面に、転位を発生し易くするための結晶欠陥領域を設けた半導体基板に関する技術が記載されている。
特開2005−79134号公報(特許文献6)には、基板表面でのミスフィット転位を抑制するエピタキシャルウエハに関する技術が記載されている。
特開2010−135553号公報(特許文献7)には、窒素やアルゴンを打ち込んで転位を抑制する半導体装置に関する技術が記載されている。
特開2010−118487号公報 特開昭62−173713号公報 特開2003−163216号公報 特開2001−77119号公報 特開2004−342819号公報 特開2005−79134号公報 特開2010−135553号公報
本発明者の検討によれば、次のことが分かった。
半導体基板上にエピタキシャル層をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウエハでは、下地の半導体基板とエピタキシャル層との格子不整合により、ミスフィット転位と呼ばれる欠陥が発生する虞がある。ミスフィット転位は、エピタキシャルウエハを用いて製造する半導体装置の性能を低下させる虞がある。
本発明の目的は、半導体装置の性能を向上できる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
代表的な実施の形態による半導体ウエハは、半導体基板上にエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルウエハであり、エピタキシャルウエハの主面の外周部において、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を横切るように前記半導体基板から前記エピタキシャル層にかけて双晶欠陥を形成したものである。
また、代表的な実施の形態による半導体装置は、半導体基板上にエピタキシャル層が形成されたエピタキシャルウエハの主面の外周部において、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を横切るように前記半導体基板から前記エピタキシャル層にかけて双晶欠陥を形成し、前記エピタキシャルウエハにおける前記双晶欠陥が形成された前記外周部よりも内側の領域に、半導体チップ領域をアレイ状に配置したものである。
また、代表的な実施の形態による半導体ウエハの製造方法は、半導体基板の主面の外周部に窒素またはアルゴンをイオン注入してから、窒素またはアルゴンが注入された領域を熱処理によって結晶化するとともにその領域に双晶欠陥を形成し、前記半導体基板の主面上にエピタキシャル層をエピタキシャル成長により形成する。この際、双晶欠陥が、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を越えて前記エピタキシャル層に延長するように、前記エピタキシャル層が成長する。
また、代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、半導体基板の主面の外周部に窒素またはアルゴンをイオン注入してから、窒素またはアルゴンが注入された領域を熱処理によって結晶化するとともにその領域に双晶欠陥を形成し、前記半導体基板の主面上にエピタキシャル層をエピタキシャル成長により形成する。この際、双晶欠陥が、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を越えて前記エピタキシャル層に延長するように、前記エピタキシャル層が成長する。その後、前記エピタキシャル層に半導体素子を形成するものである。
また、代表的な実施の形態による半導体ウエハの製造方法は、半導体基板の主面の外周部にイオン注入することにより、アモルファス状態化された第1領域を形成してから、前記第1領域を熱処理によって結晶化し、前記半導体基板の主面上にエピタキシャル層をエピタキシャル成長により形成する。この際、前記熱処理で結晶化された前記第1領域と前記エピタキシャル層との格子定数の差は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との格子定数の差よりも小さい。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
代表的な実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。
本発明の一実施の形態である半導体ウエハの上面図である。 本発明の一実施の形態である半導体ウエハの下面図である。 本発明の一実施の形態である半導体ウエハの断面図である。 本発明の一実施の形態である半導体ウエハの要部断面図である。 本発明の一実施の形態である半導体ウエハの製造工程を示す製造プロセスフロー図である。 本発明の一実施の形態である半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図6と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図6および図7と同じ半導体ウエハの製造工程中の要部断面図である。 図6〜8に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図9と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図9および図10と同じ半導体ウエハの製造工程中の要部断面図である。 図9〜図11に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図12と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図12および図13と同じ半導体ウエハの製造工程中の要部断面図である。 図12〜図14に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図15と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図15および図16と同じ半導体ウエハの製造工程中の要部断面図である。 図15〜図17に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図18と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図18および図19と同じ半導体ウエハの製造工程中の要部断面図である。 図18〜図20に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図21と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図21および図22と同じ半導体ウエハの製造工程中の要部断面図である。 本発明の一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図24に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図25に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図26に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図27に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図28に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 半導体ウエハに半導体素子を形成した後で、ダイシングを行う前の状態の半導体ウエハを模式的に示す平面図である。 エピタキシャルウエハにミスフィット転位が発生した状態を模式的に示す説明図である。 エピタキシャルウエハにミスフィット転位が発生した状態を模式的に示す説明図である。 エピタキシャルウエハにミスフィット転位が発生した状態を模式的に示す説明図である。 双晶欠陥の説明図である。 双晶欠陥の説明図である。 双晶欠陥の説明図である。 本発明の他の実施の形態である半導体ウエハの製造工程を示す製造プロセスフロー図である。 本発明の他の実施の形態である半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図38と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図38および図39に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図40と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図40および図41に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図42と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図42および図43に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図44と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。 図44および図45に続く半導体ウエハの製造工程中の平面図である。 図46と同じ半導体ウエハの製造工程中の断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
<半導体ウエハの構造について>
本実施の形態の半導体ウエハSWを図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態である半導体ウエハSWの上面図(平面図)、図2は、半導体ウエハSWの下面図(裏面図、平面図)、図3は、半導体ウエハSWの断面図、図4は、半導体ウエハSWの要部断面図である。図1は、半導体ウエハSWの上面側(エピタキシャル層EP形成側)の平面図が示され、図2は、半導体ウエハSWの下面側(エピタキシャル層EP形成側とは反対側)の平面図が示されている。また、図3は、図1のA1−A1線の断面図に対応しているが、理解を簡単にするために、図3は、厚み方向の寸法を実際よりも拡大して示してある。また、図4は、半導体ウエハSWの要部断面図であるが、(a)には、半導体ウエハSWの中央付近(すなわち双晶欠陥領域TRGが存在していない領域)の部分拡大断面図が示され、(b)には、半導体ウエハSWの外周部付近(すなわち双晶欠陥領域TRGが存在している領域)の部分拡大断面図が示されている。
図1〜図4に示される本実施の形態の半導体ウエハ(半導体基板)SWは、半導体基板(基板本体、ウエハ本体、半導体ウエハ、単結晶基板)SUBと、半導体基板SUBの主面上に形成されたエピタキシャル層(半導体層、単結晶層、単結晶薄膜)EPと、を有している。このため、半導体ウエハSWは、いわゆるエピタキシャルウエハである。
半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとは、半導体単結晶からなり、ここでは、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとは、どちらも単結晶シリコンからなる。具体的には、半導体基板SUBは、n型またはp型の単結晶シリコンからなり、エピタキシャル層EPは、n型またはp型の単結晶シリコンからなるが、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとは、不純物濃度が相違している。
すなわち、エピタキシャル層EPは、半導体基板SUBを構成する半導体単結晶(ここでは単結晶シリコン)と同じ材料の半導体単結晶(ここでは単結晶シリコン)からなる半導体層であるが、エピタキシャル層EPの不純物濃度は半導体基板SUBの不純物濃度よりも低く、エピタキシャル層EPの抵抗率(比抵抗)は半導体基板SUBの抵抗率(比抵抗)よりも高い。換言すれば、半導体基板SUBの不純物濃度はエピタキシャル層EPの不純物濃度よりも高く、半導体基板SUBの抵抗率(比抵抗)はエピタキシャル層EPの抵抗率(比抵抗)よりも低い。エピタキシャル層EPは、半導体基板SUBの主面上にエピタキシャル成長により形成されている。
例えば、半導体基板SUBは、リン(P)などのn型不純物が導入されたn型の単結晶シリコンからなり、エピタキシャル層EPは、リン(P)などのn型不純物が導入されたn型の単結晶シリコンからなり、エピタキシャル層EPのn型不純物低濃度は、半導体基板SUBのn型不純物低濃度よりも低くなっている。
半導体ウエハSWは、主要な特徴の一つとして、半導体ウエハSWの主面の外周部(周辺部)に、双晶欠陥が発生している(形成されている)領域である双晶欠陥領域TRGを有している。図1からも分かるように、半導体ウエハSWにおいて、双晶欠陥領域TRGは、半導体ウエハSWの主面の外周部全体に形成される、すなわち、半導体基板SUBの主面の外周を一周するように形成されることが好ましい。
半導体ウエハSWにおいて、外周部に位置している双晶欠陥領域TRGに双晶欠陥が生じているが、双晶欠陥領域TRGよりも内側(半導体ウエハSWの主面の中心に近い側)の領域には、双晶欠陥は発生していないことが好ましい。
ここで、半導体ウエハSWの主面の中心に近い側を内側とし、半導体ウエハSWの主面の外周に近い側を外側とする。
半導体ウエハSWを用いて半導体装置(半導体チップ)を製造する際には、半導体ウエハSWにおける、双晶欠陥領域TRGよりも内側(半導体ウエハSWの主面の中心に近い側)の領域を用いて半導体装置(半導体チップ)を製造する。
双晶欠陥領域TRGは、下部が半導体基板SUBに存在し、上部がエピタキシャル層EPに存在している。すなわち、双晶欠陥領域TRGは、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの両者に跨って形成されている。つまり、双晶欠陥領域TRGは、半導体基板SUBに存在する第1領域(第1部分)TRG1と、エピタキシャル層EPに存在する第2領域(第2部分)TRG2とを有しており、第1領域TRG1は、半導体基板SUBの一部により構成され、第2領域TRG2は、エピタキシャル層EPの一部により構成されている。
双晶欠陥領域TRGの第1領域TRG1は、半導体基板SUBの一部であり、半導体基板SUBと同様に単結晶シリコンからなるが、双晶欠陥領域TRG(第1領域TRG1)以外の半導体基板SUBと相違しているのは、双晶欠陥領域TRGの第1領域TRG1には双晶欠陥が発生していることである。また、双晶欠陥領域TRGの第2領域TRG2は、エピタキシャル層EPの一部であり、エピタキシャル層EPと同様に単結晶シリコンからなるが、双晶欠陥領域TRG(第2領域TRG2)以外のエピタキシャル層EPと相違しているのは、双晶欠陥領域TRGの第2領域TRG2には双晶欠陥が発生していることである。双晶欠陥領域TRGの第2領域TRG2は第1領域TRG1上に位置しており、双晶欠陥領域TRGの第2領域TRG2と第1領域TRG1とは、上下方向(半導体ウエハSWの厚み方向)に連続的に配置されている。
双晶欠陥領域TRGの下面(すなわち第1領域TRG1の下面)は、半導体基板SUBの主面よりも低い位置にある。すなわち、双晶欠陥領域TRGの下面(すなわち第1領域TRG1の下面)は、半導体基板SUB中にある。双晶欠陥領域TRGの第1領域TRG1と第2領域TRG2との境界(界面)は、半導体基板SUBの主面(半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの境界(界面))と同じ高さ位置にある。双晶欠陥領域TRGの上面(すなわち第2領域TRG2の上面)は、エピタキシャル層EPの上面と同じ高さ位置にある。
半導体ウエハSWは、半導体基板SUB上にエピタキシャル層EPをエピタキシャル成長することで形成されているが、後述するように、双晶欠陥が生じている第1領域TRG1を有する半導体基板SUB上にエピタキシャル層EPをエピタキシャル成長することで、第1領域TRG1(半導体基板SUBの外周部)上の位置に、双晶欠陥が生じている第2領域TRG2(エピタキシャル層EPの外周部)が形成されている。
つまり、半導体基板SUBのうち、半導体基板SUBの外周部の上層部に双晶欠陥が発生してそこが双晶欠陥領域の第1領域TRG1となっている。そして、半導体基板SUBの主面(上面)の全面上にエピタキシャル層EPが形成されているが、エピタキシャル層EPのうち、下地の第1領域TRG1に生じている双晶欠陥がエピタキシャル層EPにも延長して発生している領域が、双晶欠陥領域の第2領域TRG2となっている。
半導体ウエハSWにおいて、双晶欠陥領域TRGに双晶欠陥が発生しているが、図4からも分かるように、双晶欠陥(図4では双晶欠陥TWとして示されている)は、第1領域TRG1(半導体基板SUB)と第2領域TRG2(エピタキシャル層EP)との境界(界面)で終端しているのではなく、第1領域TRG1と第2領域TRG2との両者にわたって(またがって)連続的に形成されている。つまり、双晶欠陥領域TRGに形成された双晶欠陥(TW)は、半導体基板SUB(第1領域TRG1)とエピタキシャル層EP(第2領域TRG2)との境界(界面)を横切るように、半導体基板SUB(第1領域TRG1)からエピタキシャル層EP(第2領域TRG2)にかけて連続的に形成されている。なお、図4においては、双晶欠陥を、符号TWを付して示してある。また、図4は、断面図であるが、ハッチングを省略してある(図4の(b)の符号TWを付した線は、ハッチングではなく双晶欠陥を示している)。
すなわち、第1領域TRG1に形成されている双晶欠陥(TW)のうち、第1領域TRG1(半導体基板SUB)と第2領域TRG2(エピタキシャル層EP)との境界(界面)に達している双晶欠陥(TW)は、第1領域TRG1(半導体基板SUB)と第2領域TRG2(エピタキシャル層EP)との境界(界面)を横切り、第2領域TRG2にも連続して形成されている(延在している)。逆に言えば、第2領域TRG2に形成されている双晶欠陥(TW)のうち、第1領域TRG1(半導体基板SUB)と第2領域TRG2(エピタキシャル層EP)との境界(界面)に達している双晶欠陥(TW)は、第1領域TRG1(半導体基板SUB)と第2領域TRG2(エピタキシャル層EP)との境界(界面)を横切り、第1領域TRG1にも連続して形成されている(延在している)。
エピタキシャル層EPは、半導体基板SUBの主面上にエピタキシャル成長により形成されているため、エピタキシャル層EP(を構成する単結晶シリコン)の結晶方位は、半導体基板SUB(を構成する単結晶シリコン)の結晶方位と同じである。半導体ウエハSWの面方位は、例えば、半導体基板SUBの主面(上面)およびエピタキシャル層EPの主面(上面)は、単結晶シリコンの(100)面であり、半導体基板SUBの主面(上面)およびエピタキシャル層EPの主面(上面)の面方位は、単結晶シリコンの<100>方向である。また、双晶欠陥領域TRGに発生している双晶欠陥(TW)は、半導体基板SUBおよびエピタキシャル層EPを構成する単結晶シリコンの(111)面に沿って形成される。このため、双晶欠陥領域TRGの双晶欠陥(TW)は、半導体基板SUB(第1領域TRG1)とエピタキシャル層EP(第2領域TRG2)との境界(界面)を横切る方向に形成され、半導体基板SUB(第1領域TRG1)とエピタキシャル層EP(第2領域TRG2)とにわたって連続的に形成される。
<半導体ウエハの製造工程について>
次に、本実施の形態の半導体ウエハSWの製造(作製)方法について、図5〜図23を参照して説明する。図5は、本発明の一実施の形態である半導体ウエハSWの製造工程を示す製造プロセスフロー図である。図6〜図23は、半導体ウエハSWの製造工程中の平面図または断面図である。図6〜図23のうち、図6、図9、図12、図15、図18および図21は、上面側の全体平面図であり、上記図1に対応するものである。図6〜図23のうち、図6〜図8は同じ工程段階を示し、図9〜図11は同じ工程段階を示し、図12〜図14は同じ工程段階を示し、図15〜図17は同じ工程段階を示し、図18〜図20は同じ工程段階を示し、図21〜図23は同じ工程段階を示している。また、図6〜図23のうち、図7、図10、図13、図16、図19および図22は、全体断面図であり、上記図3に対応するものである。例えば、図7は、図6のA1−A1線の断面図に対応している。理解を簡単にするために、上記図3と同様、図7、図10、図13、図16、図19および図22についても、厚み方向の寸法を実際よりも拡大して示してある。また、図6〜図23のうち、図8、図11、図14、図17、図20および図23は、要部断面図であり、上記図4に対応するものである。上記図4と同様、図8、図11、図14、図17、図20および図23においても、(a)には、半導体ウエハSW(または半導体基板SUB)の中央付近(すなわち双晶欠陥領域TRGが形成されない領域)の部分拡大断面図が示され、(b)には、半導体ウエハSW(または半導体基板SUB)の外周部付近(すなわち双晶欠陥領域TRGが形成される領域)の部分拡大断面図が示されている。例えば、図8の(a)には、図7の点線で囲まれた領域R1の拡大図が示され、図8の(b)には、図7の点線で囲まれた領域R2の拡大図が示されている。上記図4と同様、図8、図11、図14、図17、図20および図23についても、断面図であるが、ハッチングを省略してある(図20および図23の(b)の符号TWを付した線は、双晶欠陥を示している)。
半導体ウエハSWは、以下のようにして製造(作製)することができる。
まず、図6〜図8に示されるように、単結晶シリコンからなる半導体基板(基板本体、ウエハ本体、半導体ウエハ)SUBを準備する(図5のステップS1)。半導体基板SUBは、n型またはp型の不純物が高濃度(後で形成するエピタキシャル層EPの不純物濃度よりも高濃度)に導入されて、高濃度ドーパント基板とされている。
半導体基板SUBの平面形状は略円形状であるが、ノッチ(図示せず)またはオリエンテーションフラット(図示せず)などを設けることもできる。また、半導体基板SUBの端部(側面)には、ベベル部(面取りされた部分)を設けることもできる。
次に、図9〜図11に示されるように、半導体基板SUBの主面上に、フォトリソグラフィ法を用いて、マスク層としてフォトレジスト層(マスク層)PR1を形成する(図5のステップS2)。このフォトレジスト層PR1は、例えば、半導体基板SUBの主面(上面)全面にフォトレジスト膜を塗布し、周辺露光により半導体基板SUBの外周部上のフォトレジスト膜を露光して現像処理で除去することにより、形成することができる。
フォトレジスト層PR1は、半導体基板SUBの主面の外周部(周辺部)を露出し、それ以外の領域(外周部以外の半導体基板SUBの主面)を覆うように形成される。図9は、平面図であるが、理解を簡単にするために、フォトレジスト層PR1が形成されている領域にハッチングを付してある。図9からも分かるように、半導体基板SUBの主面の外周部全体が露出するように、すなわち、露出部(フォトレジスト層PR1からの半導体基板SUBの露出部)が半導体基板SUBの主面の外周を一周するように、フォトレジスト層PR1を形成する。
次に、図12〜図14に示されるように、フォトレジスト層PR1をイオン注入素子マスクとして用いて、半導体基板SUBに対してイオン注入IM1を行う(図5のステップS3)。図13および図14では、イオン注入IM1を矢印で模式的に示してある。
このイオン注入IM1では、窒素(N)またはアルゴン(Ar)をイオン注入する。イオン注入IM1により、半導体基板SUBのうち、フォトレジスト層PR1で覆われていなかった外周部(周辺部)に、窒素(N)またはアルゴン(Ar)がイオン注入(注入、導入)され、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入(導入)された領域TRG1aは、結晶が崩されてアモルファス化(アモルファスシリコン化)する。すなわち、n型またはp型の不純物が導入された単結晶シリコンからなる半導体基板SUBの外周部に、窒素(N)またはアルゴン(Ar)がイオン注入されて、アモルファス(アモルファスシリコン)状態となった領域TRG1aが形成される。なお、図14の(b)では、イオン注入IM1によって注入(導入)された窒素(N)またはアルゴン(Ar)をドットで模式的に示し、このドットで示された窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入(導入)された領域TRG1aは、アモルファス状態となっている。図12は、平面図であるが、理解を簡単にするために、フォトレジスト層PR1が形成されている領域と、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入された領域TRG1aとに、それぞれ異なるハッチングを付してある。
図12および後述の図15からも分かるように、半導体基板SUBにおいて、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入された領域TRG1aは、半導体基板SUBの主面の外周部全体に形成される、すなわち、半導体基板SUBの主面の外周を一周するように形成される。
ステップS3のイオン注入IM1のイオン注入の条件の一例を以下にあげる。
すなわち、イオン注入IM1において、例えば、窒素(N)を、7keV以上(この場合、窒素が注入された領域TRG1aの深さD1は10nm以上となる)の注入エネルギーで、1×1015〜1016原子/cmのドーズ量でイオン注入することができる。あるいは、イオン注入IM1において、例えば、アルゴン(Ar)を、10keV以上(この場合、アルゴンが注入された領域TRG1aの深さD1は10nm以上となる)の注入エネルギーで、1×1015〜1016原子/cmのドーズ量でイオン注入することができる。イオン注入IM1の条件は、必要に応じて適宜変更可能である。
但し、イオン注入IM1のドーズ量が少なすぎると、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入された領域(領域TRG1aに対応)がアモルファス化せず、後で双晶TWが上手く形成されない虞がある。また、イオン注入IM1のドーズ量が多すぎると、後述のステップS5の熱処理を行っても、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入された領域(領域TRG1aに対応)が再結晶化できず、双晶TWが上手く形成されない虞がある。このため、イオン注入IM1のドーズ量は、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入された領域TRG1aがアモルファス化され、かつ、この領域TRG1aが後述のステップS5の熱処理で再結晶化されて、双晶TWが上手く形成される(半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの境界を横切るように双晶TWが形成される)ように、設定する。
次に、図15〜図17に示されるように、フォトレジスト層(マスク層)PR1を除去する(図5のステップS4)。図15は、平面図であるが、理解を簡単にするために、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入された領域TRG1aに、ハッチングを付してある。
次に、熱処理(アニール処理)を行って、アモルファス状態となっていた領域TRG1aを結晶化させる(図5のステップS5)。これにより、図18〜図20に示されるように、アモルファス状態であった領域TRG1aは、結晶化(再結晶化)して、第1領域TRG1となる。
ステップS5の熱処理の条件の一例を挙げると、次のような熱処理条件をあげることができる。半導体基板SUBを炉体で熱処理する場合では、例えば700℃程度の熱処理温度で、10分かそれ以上の熱処理時間で、熱処理を行うことができる。また、半導体基板SUBをRTA(Rapid Thermal Anneal)装置で熱処理する場合では、例えば1000℃程度の熱処理温度で、10秒かそれ以上の熱処理時間で、熱処理を行うことができる。熱処理の雰囲気は、例えば不活性ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気、水素ガス雰囲気、あるいはそれらの混合雰囲気とすることができる。なお、酸素は、窒素(N)またはアルゴン(Ar)注入層が酸化により消失しない範囲で、微量添加しても良い。この熱処理は、半導体ウエハを用いて半導体装置を製造する際に、トランジスタのソース・ドレイン領域形成用のイオン注入を行った後に注入した不純物を活性化する熱処理(活性化アニール)と、ほぼ同様の熱処理条件とすることができる。
アモルファス状態の領域TRG1aがステップS5の熱処理で結晶化して、結晶化された第1領域TRG1となったことで、第1領域TRG1を含む半導体基板SUB全体は、n型またはp型の不純物が導入された単結晶シリコンからなり、導入されているn型またはp型の不純物は、単結晶シリコンのSiサイト(Si位置)に入っている。
しかしながら、第1領域TRG1以外の半導体基板SUBとは異なり、第1領域TRG1には、窒素(N)またはアルゴン(Ar)も導入されており、導入されている窒素(N)またはアルゴン(Ar)は、単結晶シリコンのSiサイト(Si位置)には入っていない。この窒素(N)またはアルゴン(Ar)が導入された第1領域TRG1では、導入された窒素(N)またはアルゴン(Ar)が阻害要因となり、正常な(完全な)単結晶にはならずに双晶欠陥が発生する。双晶欠陥の発生を促進できるイオン注入種としては、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が好適であるため、上記イオン注入IM1では、窒素(N)またはアルゴン(Ar)をイオン注入する。
すなわち、半導体基板SUBに窒素(N)またはアルゴン(Ar)をイオン注入してから、窒素(N)またはアルゴン(Ar)が注入されてアモルファス化された領域(ここでは領域TRG1a)を熱処理によって結晶化すると、単に結晶化するだけでなく、図20からも分かるように、結晶化とともに双晶欠陥(図20では双晶欠陥TWとして示されている)が発生するのである。第1領域TRG1は、結晶状態であるが、第1領域TRG1を構成する単結晶シリコン中に双晶欠陥が発生し、第1領域TRG1以外の半導体基板SUBには、双晶欠陥はほとんど発生しない。なお、図20においては、双晶欠陥を、符号TWを付して示してある。
次に、図21〜図23に示されるように、第1領域TRG1が形成されている半導体基板SUBの主面(上面)全面上に、半導体層であるエピタキシャル層EPをエピタキシャル成長する(図5のステップS6)。これにより、第1領域TRG1を含む半導体基板SUBの主面上にエピタキシャル層EPが形成された半導体ウエハ(エピタキシャルウエハ)SWが形成される。
エピタキシャル層EPは、単結晶シリコンからなり、n型またはp型の不純物が導入されているが、エピタキシャル層EPの不純物濃度は、半導体基板SUBの不純物濃度よりも低く、エピタキシャル層EPの抵抗率(比抵抗)は、半導体基板SUBの抵抗率(比抵抗)よりも高くなっている。例えば、半導体基板SUBは、n型の不純物(例えばリン、ヒ素またはアンチモン)が高濃度で導入(ドープ)されたn型のシリコン基板であり、エピタキシャル層EPは、n型の不純物(例えばリン、ヒ素またはアンチモン)が半導体基板SUBよりも低濃度で導入(ドープ)されたn型のシリコン層である。
エピタキシャル層EPのエピタキシャル成長は、例えば気相成長により行うことができ、原料ガスとしては、例えば、SiCl(成長温度は例えば1150〜1250℃程度)、SiHCl(成長温度は例えば1100〜1200℃程度)、SiHCl(成長温度は例えば1050〜1150℃程度)、またはSiH(成長温度は例えば950〜1050℃程度)などを用いることができる。ここで、成長温度とは、エピタキシャル成長時の基板温度(半導体基板SUBの温度)に対応している。また、エピタキシャル層EPに導入するn型またはp型の不純物に応じて、エピタキシャル成長の成膜用ガスに含ませるドーピングガスを選択する。
半導体基板SUBにおいては、第1領域TRG1以外の領域はもちろん、第1領域TRG1も結晶化されている。このため、第1領域TRG1を含む半導体基板SUBの主面上にエピタキシャル層EPをエピタキシャル成長させると、下地(第1領域TRG1を含む半導体基板SUBの主面)の原子配列(結晶構造)を反映した原子配列(結晶構造)を有するエピタキシャル層EPが形成(成長)される。この際、半導体基板SUBにおいて第1領域TRG1に双晶欠陥が発生していた(エピタキシャル層EPの成長の直前の段階で第1領域TRG1の上面に双晶が露出していた)ことを受けて、第1領域TRG1に生じていた双晶欠陥は、成長するエピタキシャル層EP中においても、第1領域TRG1から延長して発生する。つまり、半導体基板SUBにおける第1領域TRG1において発生していた双晶欠陥(TW)は、エピタキシャル層EPを成長させると、このエピタキシャル層EPにおいても連続して形成されていくのである。
すなわち、第1領域TRG1を含む半導体基板SUBの主面上にエピタキシャル層EPを成長させると、図23からも分かるように、第1領域TRG1に生じていた双晶欠陥(TW)は、半導体基板SUB(第1領域TRG1)とエピタキシャル層EPとの境界(界面)で終端する(止まる)のではなく、該境界(界面)を横切り(突き抜け)、第1領域TRG1(半導体基板SUB)からエピタキシャル層EPにかけて連続して形成される。なお、図23においては、双晶欠陥を、符号TWを付して示してある。
エピタキシャル層EPを形成すると、第1領域TRG1に生じていた双晶欠陥(TW)がエピタキシャル層EPにも延長して(伸展して)形成されることにより、エピタキシャル層EPには、双晶欠陥(TW)が発生している領域である第2領域TRG2が形成されることになる。すなわち、第2領域TRG2は、エピタキシャル層EPのうち、第1領域TRG1に生じている双晶欠陥(TW)が延長して(伸展して)いる領域である。第1領域TRG1と第2領域TRG2とにより、半導体ウエハSWにおいて、双晶欠陥(TW)が発生している領域である双晶欠陥領域TRGが形成される。
つまり、エピタキシャル層EPの成長前に、半導体基板SUBの外周部に双晶欠陥(TW)が生じた第1領域TRG1を形成しておき、この第1領域TRG1に生じている双晶欠陥(TW)が、エピタキシャル層EPの成長時にエピタキシャル層EPでも連続して形成される(発生する)ことにより、半導体ウエハSWにおいて、外周部に双晶欠陥(TW)が発生している領域である双晶欠陥領域TRGが形成される。この双晶欠陥領域TRGは、半導体基板SUBの一部である第1領域TRG1とエピタキシャル層EPの一部である第2領域TRG2とにより構成される。双晶欠陥領域TRGに形成されている双晶欠陥(TW)は、半導体基板SUB(第1領域TRG1)とエピタキシャル層EP(第2領域TRG2)との境界(界面)で終端せずに、該境界(界面)を横切り、半導体基板SUB(第1領域TRG1)とエピタキシャル層EPとにわたって連続的に形成される。
エピタキシャル層EPにおいて、第2領域TRG2以外では双晶欠陥はほとんど発生しない。すなわち、半導体基板SUBの第1領域TRG1の双晶欠陥(TW)が延長してエピタキシャル層EPの第2領域TRG2に形成された双晶欠陥(TW)以外は、エピタキシャル層EPに双晶欠陥はほとんど発生しない。
このようにして、半導体ウエハSWが製造される。
<半導体装置の製造工程について>
次に、本実施の形態の半導体ウエハSWを用いて半導体装置を製造する工程(方法)について、図24〜図29を参照して説明する。図24〜図29は、半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
上述のステップS1〜S6のようにして半導体ウエハSWを準備(製造)する。それから、この半導体ウエハSW(主としてエピタキシャル層EP)に半導体素子を形成する。
半導体ウエハSWには、種々の半導体素子を形成することができるが、ここでは一例として、トレンチ型ゲート構造を有する縦型のパワーMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を半導体ウエハSWに形成する場合について、図24〜図29を参照して以下に説明する。
まず、上述のステップS1〜S6のようにして、上記図1〜図4の半導体ウエハSW(すなわち上記図21〜図23の半導体ウエハSW)に対応する図24の半導体ウエハSWを準備(製造)する。
それから、半導体ウエハSWの主面(すなわちエピタキシャル層EPの主面)に絶縁膜(酸化シリコン膜)を形成した後、この絶縁膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターン化するなどして、図25に示されるように、フィールド絶縁膜(素子分離領域)11を形成する。フィールド絶縁膜11は、酸化シリコンなどの絶縁体で形成され、活性領域を規定(画定)するための素子分離領域として機能することができる。
次に、半導体ウエハSWの主面にp型の不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入することなどにより、半導体ウエハSW(エピタキシャル層EP)の表層部分にp型ウエル(p型半導体領域)PWLを形成する。
次に、図26に示されるように、半導体ウエハSWの主面にトレンチゲート(ゲート電極)形成用の溝(トレンチ、ゲート用トレンチ、ゲート電極用の溝)12を形成する。溝12を形成するには、例えば、半導体ウエハSW上にフォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジストパターン(図示せず)を形成し、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて半導体ウエハSW(エピタキシャル層EP)をドライエッチングすることにより、溝12を形成することができる。溝12の深さは、後で形成するp型半導体領域15の底部(接合面)よりも深く、かつエピタキシャル層EPの底部(エピタキシャル層EPと半導体基板SUBとの界面)よりは浅くなる寸法である。
次に、例えば熱酸化法などを用いて、溝12の内壁面(側面および底面)上などに比較的薄いゲート絶縁膜(酸化シリコン膜)13を形成する。
次に、半導体ウエハSWの主面上に、溝12内を埋めるように、不純物(例えばn型不純物)が導入されて低抵抗率とされた多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜)などの導体膜を形成する。それから、ゲート配線(ゲート引き出し用配線)形成領域を覆いかつそれ以外の領域を露出するようなフォトレジストパターン(図示せず)を上記導体膜上に形成し、このフォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて、上記導体膜をエッチバック(エッチング、異方性エッチング)することにより、溝12内と上記フォトレジストパターンの下に上記導体膜を残し、それ以外の上記導体膜を除去する。これにより、溝12内に埋め込まれた低抵抗の多結晶シリコンなど(上記導体膜に対応)からなるゲート電極(ゲート電極部、ゲート部)14と、ゲート電極14と一体的に形成されたゲート配線部(ゲート引き出し用配線部)14aとが形成される。ゲート電極14は、ゲート絶縁膜13を介して溝12内に埋め込まれた状態となっている。
次に、図27に示されるように、半導体ウエハSWの主面に対してp型の不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入することなどにより、チャネル領域用のp型半導体領域(p型半導体領域)15を形成する。それから、半導体ウエハSWの主面に対してn型の不純物(例えばヒ素(As))をイオン注入することなどにより、ソース領域用のn型半導体領域(n型半導体領域)16を形成する。p型半導体領域15およびn型半導体領域16は、半導体ウエハSW(エピタキシャル層EP)の表層部分に形成されるが、n型半導体領域16は、p型半導体領域15の上部に形成される。n型半導体領域16は、トレンチゲート型MISFETのソース領域としての機能を有しており、ソース用の半導体領域とみなすことができる。p型半導体領域15は、トレンチゲート型MISFETのチャネル形成領域としての機能を有している。n型半導体領域16およびp型半導体領域15は、溝12よりも浅く形成されるため、溝12は、n型半導体領域16およびp型半導体領域15を貫通して、その下層のエピタキシャル層EP中で終端した状態となっている。
次に、図28に示されるように、半導体ウエハSWの主面上に、ゲート電極14およびゲート配線部14aを覆うように、層間絶縁膜として絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)17を形成する。それから、この絶縁膜17に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、半導体ウエハSWの主面を露出するコンタクトホール(開口部、孔、貫通孔)18と、ゲート配線部14aの一部を露出するスルーホール(開口部、孔、貫通孔)19とを形成する。コンタクトホール18は、隣り合う溝12間の領域上の絶縁膜17に形成され、スルーホール19は、ゲート配線部14a上の絶縁膜17に形成される。
次に、コンタクトホール18から露出する半導体ウエハSW(エピタキシャル層EP)に、例えばp型の不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入することによって、p型半導体領域21を形成する。この場合、p型半導体領域21は、n型半導体領域16を貫通してp型半導体領域15に接するように形成される。p型半導体領域21は、p型半導体領域15よりも、不純物濃度(p型不純物濃度)が高い。その後、洗浄またはエッチングなどにより、コンタクトホール18の開口面積を拡張する。
他の形態として、絶縁膜17をエッチングマスクとして用いてコンタクトホール18から露出するエピタキシャル層EPをエッチングしてコンタクトホール18の底部がn型半導体領域16を貫通してp型半導体領域15に到達するようにしてから、コンタクトホール18から露出するエピタキシャル層EP(のp型半導体領域15)にp型の不純物をイオン注入することによって、p型半導体領域21を形成することもできる。
次に、半導体ウエハSWの主面上に、コンタクトホール18およびスルーホール19を埋めるように、導電体膜(例えばアルミニウム膜またはアルミニウム合金膜を主体とする金属膜)をスパッタリング法などにより形成し、この導電体膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてパターン化することにより、ゲート配線22Gおよびソース配線22Sを形成する。ゲート配線22Gとソース配線22Sとは、同層の導電体膜からなるが、互いに分離されている。
フィールド絶縁膜11上の一部にも、ゲート配線部14aが形成されており、ゲート電極14とゲート配線部14aとは、一体的に形成されて互いに電気的に接続されている。ゲート配線22Gは、スルーホール19の底部でゲート配線部14aに電気的に接続され、ゲート配線部14aを通じてゲート電極14に電気的に接続されている。
ソース配線22Sは、絶縁膜17に形成されたコンタクトホール18を通じて、半導体ウエハSWのエピタキシャル層EPに形成されているソース用のn型半導体領域16と電気的に接続されている。また、このソース配線22Sは、p型半導体領域15の上部であってn型半導体領域16の隣接間に形成されたp型半導体領域21に電気的に接続され、これを通じてチャネル形成用のp型半導体領域15と電気的に接続されている。ソース配線22Sが、ソース用のn型半導体領域16だけでなく、チャネルとなるp型半導体領域15にも電気的に接続されていることにより、ベース電位を一定とすることができる。
次に、図29に示されるように、半導体ウエハSWの主面上に、例えばポリイミド系の樹脂などからなる表面保護のための絶縁膜(保護膜、表面保護膜)23を形成する。それから、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて絶縁膜23をパターン化し、ゲート配線22Gおよびソース配線22Sの一部が露出するような開口部24を形成してボンディングパッドを形成する。絶縁膜23の開口部24(ソース用のボンディングパッドPDSを形成するための開口部24)から露出するソース配線22Sが、ソース用のボンディングパッドPDSとなり、絶縁膜23の開口部24(ゲート用のボンディングパッドPDGを形成するための開口部24)から露出するゲート配線22Gが、ゲート用のボンディングパッドPDGとなる。
また、開口部24から露出するソース配線22Sおよびゲート配線22Gの表面(すなわちソース用のボンディングパッドおよびゲート用のボンディングパッドの表面)上には、メッキ法などで更に金属層(図示せず)を形成する場合もある。この金属層は、例えば、下から順に形成された銅(Cu)膜とニッケル(Ni)膜と金(Au)膜との積層膜や、あるいは、下から順に形成されたチタン(Ti)膜とニッケル(Ni)膜と金(Au)膜との積層膜などからなる。この金属層を形成したことにより、下地のアルミニウム(ソース配線22Sおよびゲート配線22G)の表面の酸化を抑制または防止することができる。
次に、半導体ウエハSWの裏面(エピタキシャル層EPを形成した側とは逆側の半導体ウエハSWの主面、すなわちエピタキシャル層EPを形成した側とは逆側の半導体基板SUBの裏面)を研削または研磨して、半導体ウエハSWの厚みを薄くする。その後、半導体ウエハSWの裏面(半導体基板SUBの裏面)全体に金属層を蒸着法などによって被着することにより、裏面電極(ドレイン電極)BEを形成する。裏面電極BEは、トレンチゲート型の縦型のパワーMISFETのドレインに電気的に接続されており、ドレイン電極(ドレイン用裏面電極)として機能することができる。半導体基板SUBおよびエピタキシャル層EPは、トレンチ型ゲート構造を有する縦型のMISFETのドレイン領域としての機能を有している。裏面電極BEは、例えば、半導体ウエハSWの裏面から順にチタン(Ti)層、ニッケル(Ni)層および金(Au)層の積層膜により形成することができる。
このようにして、トレンチゲート型の縦型のパワーMISFET(電界効果トランジスタ)が半導体ウエハSWに形成される。ここで、縦型のMISFETとは、ソース・ドレイン間の電流が、半導体ウエハSWの厚さ方向(半導体ウエハSWの主面に略垂直な方向)に流れるMISFETに対応する。トレンチゲート型の縦型のMISFETの動作電流は、ドレイン用のエピタキシャル層EPとソース用のn型半導体領域16との間をゲート電極14の側面(すなわち溝12の側面)に沿って半導体ウエハSWの厚さ方向に流れるようになっている。すなわち、チャネルが半導体ウエハSWの厚さ方向に沿って形成される。p型半導体領域15のうち、ゲート絶縁膜13を介してゲート電極14に隣接する領域、すなわち、n型半導体領域16とエピタキシャル層EPとの間で溝12に沿った領域が、チャネル形成領域(チャネル層)となる。
ゲート用のボンディングパッドPDGからゲート配線22Gなどを介して、ゲート電極14にVth(チャネルの反転電圧、しきい値)以上の電圧を印加することで、ソース用のボンディングパッドPDSと、裏面電極BEとの間に、ソース配線22S、ソース領域(n型半導体領域16)、チャネル層、エピタキシャル層EP(ドレイン領域)および半導体基板SUBを介して、電流を流すことができる。
また、ここでは、nチャネル型のトレンチゲート型MISFETを形成する場合について説明した。他の形態として、n型とp型の導電型を逆にして、pチャネル型のトレンチゲート型MISFETを半導体ウエハSWに形成することもできる。また、トレンチゲート型以外のMISFETや、あるいは、MISFET以外の半導体素子を半導体ウエハSWに形成することもできる。例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などを半導体ウエハSWに形成することもできる。
図30は、半導体ウエハSW(主としてエピタキシャル層EP)に半導体素子(図24〜図29の場合はトレンチ型のMISFET)を形成した後で、ダイシングを行う前の状態の半導体ウエハSWを模式的に示す平面図である。
図30に示されるように、半導体ウエハSWは、複数の半導体チップ領域CHPを有している。図30に示される半導体ウエハSWにおいて、アレイ(行列)状に配列された矩形の領域のそれぞれが、半導体チップ領域CHPに対応している。ここで、半導体チップ領域(CHP)とは、半導体ウエハ(SW)において、そこから1つの半導体チップ(CHP1)が取得される領域に対応している。すなわち、半導体ウエハ(SW)をダイシングによって個々の半導体チップ領域(CHP)に分割(分離、切断)したときに、個々の半導体チップ領域(CHP)が、それぞれ半導体チップ(CHP1)となる。
半導体ウエハSWの各半導体チップ領域CHPに、半導体素子(半導体集積回路)が形成されている。各半導体チップ領域CHPには、それぞれ同じ回路(集積回路)が形成されている。
本実施の形態では、半導体ウエハSWに形成した双晶欠陥領域TRG(双晶欠陥TWが発生している領域)は、半導体チップ領域CHPとしては使用しない。すなわち、図30に示されるように、半導体ウエハSWにおいて、双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域に、複数の半導体チップ領域CHPがアレイ(行列)状に配置されるようにする。このため、各半導体チップ領域CHPには、双晶欠陥(TW)が形成されていないため、半導体チップ領域CHPから得られる半導体チップCHP1にも、双晶欠陥(TW)が形成されていないことになる。つまり、本実施の形態では、半導体ウエハSWにあえて双晶欠陥領域TRG(双晶欠陥TWが発生している領域)を形成しているが、この双晶欠陥領域TRGは、製品となる半導体チップCHP1を取得するための半導体チップ領域CHPには含まれず、従って、半導体チップCHP1にも含まれない。
半導体ウエハSWに半導体素子(図24〜図29の場合はトレンチ型のMISFET)を形成した後、半導体ウエハSWは、ダイシングソーなどを用いて切断またはダイシングされて、個片化された半導体チップ(半導体装置)CHP1に分離(分割)される。半導体ウエハSWをダイシング(切断)する際には、半導体チップ領域CHP間のスクライブ領域(切断領域)に沿って半導体ウエハSWを切断する。これにより、半導体ウエハSWは、各半導体チップ領域CHPに個片化(分割)され、各半導体チップ領域CHPが、それぞれ半導体チップCHP1になる。これにより、半導体素子(図24〜図29の場合はトレンチゲート型のMISFET)を有する半導体チップ(半導体装置)CHP1が製造される。
なお、図30では、半導体ウエハSWのダイシングにより得られた半導体チップCHP1を1つのみ示しているが、実際には、半導体ウエハSWにアレイ状に配列する半導体チップ領域CHPの数だけ、半導体チップCHP1が取得される。
半導体チップCHP1は、半導体装置とみなすことができる。また、上述のように半導体ウエハSW(主としてエピタキシャル層EP)に半導体素子(図24〜図29の場合はトレンチ型のMISFET)を形成した後で、かつ、ダイシングを行う前の状態の半導体ウエハSW(図30でダイシングを行う前の状態の半導体ウエハSW)についても、製品として顧客に出荷して顧客側でダイシングを行うこともできるため、半導体装置とみなすことができる。
<本実施の形態の主要な特徴と効果について>
次に、本実施の形態の主要な特徴と効果について説明する。
まず、ミスフィット転位について説明する。
半導体基板上にエピタキシャル層をエピタキシャル成長したエピタキシャルウエハにおいて、下地の半導体基板の格子定数と、成長させるエピタキシャル層の格子定数との差に起因して、ミスフィット転位と呼ばれる欠陥が発生する虞がある。このミスフィット転位は、下地の半導体基板の格子定数と、エピタキシャル層の格子定数との差が大きいほど、発生しやすくなる。
単結晶シリコンに不純物をドープした場合、ドープされた不純物濃度に応じて格子定数が変化する。このため、エピタキシャルウエハにおいて、半導体基板の不純物濃度と、エピタキシャル層の不純物濃度とが相違していると、半導体基板の格子定数とエピタキシャル層の格子定数とに差が生じて、ミスフィット転位の発生を招く虞がある。そして、エピタキシャルウエハにおいて、半導体基板の不純物濃度と、エピタキシャル層の不純物濃度との差が大きくなると、半導体基板の格子定数とエピタキシャル層の格子定数との差が大きくなって、ミスフィット転位の発生が生じやすくなる。エピタキシャルウエハを用いて製造する半導体装置の高性能化のためには、エピタキシャルウエハにおいて、半導体基板の不純物濃度を低くして半導体基板を低抵抗率とする傾向にあるが、これは、半導体基板の格子定数とエピタキシャル層の格子定数との差を大きくして、ミスフィット転位が発生しやすくなるように作用してしまう。エピタキシャルウエハにミスフィット転位が発生すると、半導体装置の性能の低下や半導体装置の製造歩留まりの低下を招いてしまう。例えば、エピタキシャルウエハに縦型のパワーMISFETを形成する場合、低損失化(低オン抵抗化)のために、半導体基板の不純物濃度を低くして半導体基板を低抵抗率とすることが望まれるが、これは、ミスフィット転位に起因した歩留まりの低下を招く虞がある。近年は、エピタキシャルウエハにおける下地基板の不純物濃度を高くする傾向にあるため、ミスフィット転位が生じやすくなっている。ミスフィット転位は、エピタキシャル層をエピタキシャル成長する際に発生する場合と、エピタキシャルウエハに半導体素子を形成する際の熱処理工程で発生する場合とがある。
図31〜図33は、エピタキシャルウエハSW101にミスフィット転位が発生した状態を模式的に示す説明図である。このうち、図31は、エピタキシャルウエハSW101の全体平面図が示され、図32は、エピタキシャルウエハSW101の断面図が示されている。また、図33は、エピタキシャルウエハSW101における半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面近傍の原子配列を模式的に示してある。
なお、図32は、ミスフィット転位がエピタキシャルウエハSW101に形成された半導体素子に与える影響を説明するために、エピタキシャルウエハSW101に形成された半導体素子(図32ではトレンチゲート型の縦型のパワーMISFET)も模式的に示してあるが、その半導体素子は、実際の寸法よりも拡大して示してある。また、図32のエピタキシャルウエハSW101は、厚み方向の寸法を実際よりも拡大して示してある。また、図32は、断面図であるが、図面を見やすくするために、ハッチングを省略してある。また、図33は、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に垂直な面が示されている。なお、単結晶シリコンの結晶構造は立方晶ではないが、図33では、理解を簡単にするために、Si原子の配列を立方晶的に描いてある。
エピタキシャルウエハSW101は、単結晶シリコンからなる半導体基板SUB101の主面上に単結晶シリコンからなるエピタキシャル層EP101が形成されたものである。このエピタキシャルウエハSW101には、トレンチゲート型の縦型のパワーMISFETが形成されている。具体的には、エピタキシャル層EP101に設けられた溝112(上記溝12に相当)に、ゲート絶縁膜113(上記ゲート絶縁膜13に相当)を介してゲート電極114(上記ゲート電極14に相当)が埋め込まれている。エピタキシャル層EP101の表層部分には、チャネル用のp型半導体領域115(上記p型半導体領域15に相当)とソース用のn型半導体領域116(上記n型半導体領域16に相当)が形成されており、ソース用のn型半導体領域116に接するようにソース配線122S(上記ソース配線22Sに相当)が形成されている。p型半導体領域115のうち、ゲート絶縁膜113を介してゲート電極114に隣接する領域、すなわち、n型半導体領域116とエピタキシャル層EP101との間で溝112に沿った領域が、チャネル形成領域(チャネル層)となる。
半導体基板SUB101上にエピタキシャル層EP101をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウエハSW101においては、図33に示されるように、下地の半導体基板SUB101の格子定数と、エピタキシャル層EP101の格子定数との差に起因して、格子不整合によりミスフィット転位MFが発生する。このミスフィット転位MFは、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に沿って、例えば図33の紙面に垂直な方向に連続して発生する。
半導体基板SUB101の不純物濃度とエピタキシャル層EP101の不純物濃度との差が大きくなってくると、半導体基板SUB101の格子定数とエピタキシャル層EP101の格子定数との差も大きくなるため、ミスフィット転位MFがより発生しやすくなる。
ミスフィット転位MFは、図31および図32にも示されるように、エピタキシャルウエハSW101の端部(外周端部)を起点にして、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に沿って伸びる(延在する)ように発生する。図31でミスフィット転位MFが伸びる(延在する)方向が、図33の紙面に略垂直な方向に対応する。
また、半導体基板SUB101の面方向が<100>方向である場合(半導体基板SUB101の主面が(100)面である場合に対応)には、ミスフィット転位MFは、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に沿って、<110>方向に伸びるように発生しやすい。
ミスフィット転位MFは、半導体基板SUB101の主面の内部領域ではなく、エピタキシャルウエハSW101の端部(外周端部)を起点にして発生し、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に沿って伸びる(延在する)ように発生する。このミスフィット転位MFは、前記界面に沿ってそのまま反対側の端部(外周端部)に抜ける場合(図31のミスフィット転位MF1に対応)と、前記界面に沿った伸びを途中で停止してエピタキシャル層EP101の上面側に抜ける場合(図31のミスフィット転位MF2,MF3,MF4に対応)とがある。図32では、理解を簡単にするために、ミスフィット転位MF1,MF2,MF3,MF4を同じ断面図に一緒に示してある。
ミスフィット転位MF1は、エピタキシャルウエハSW101の端部(外周端部)を起点にして発生し、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に沿ってそのまま反対側の端部(外周端部)に抜けるように延在する。このようなミスフィット転位MF1は、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面にのみミスフィット転位MF1が残留することから、エピタキシャルウエハSW101に形成した半導体素子(図32ではトレンチゲート型の縦型のパワーMISFET)の特性には、ほとんど影響を与えない。
しかしながら、ミスフィット転位MF2,MF3,MF4は、エピタキシャルウエハSW101の端部(外周端部)を起点にして発生し、半導体基板SUB101とエピタキシャル層EP101との界面に沿って伸びるが、半導体基板SUB101の主面の内部領域の途中で伸びを停止してエピタキシャル層EP101の上面側に抜ける。この場合、エピタキシャルウエハSW101の半導体チップ領域(上記半導体チップ領域CHPに相当)のエピタキシャル層EP101をミスフィット転位MF2,MF3,MF4が横切ることになる。
図32に模式的に示されるように、ミスフィット転位MF3がPN接合部(例えばソース用のp型半導体領域115とチャネル用のn型半導体領域116とのPN接合部や、チャネル用のn型半導体領域116とドレイン用のn型のエピタキシャル層EP101とのPN接合部)を横切ると、接合リークが増加してしまう。また、図32に模式的に示されるように、ミスフィット転位MF4がゲート部(ゲート絶縁膜113を介してゲート電極114が埋め込まれた溝112)付近に露出すると、ゲートリーク電流(ゲート絶縁膜のリーク電流)が増加してしまう。
このため、エピタキシャルウエハを用いて製造した半導体装置の性能を向上し、また、半導体装置の製造歩留まりを向上するためには、ミスフィット転位の起点となりやすいエピタキシャルウエハの端部(外周端部)からミスフィット転位が発生したとしても、エピタキシャルウエハの内部領域にはミスフィット転位が伝播、形成されないようにすることが望まれる。
そこで、本実施の形態では、エピタキシャルウエハに、あえて双晶欠陥領域TRG(双晶欠陥TWが発生している領域)を形成することで、ミスフィット転位の発生(成長)を抑制または防止する。
図34〜図36は、双晶欠陥の説明図である。図34には、正常な結晶(Si結晶)が模式的に示され、図35および図36には、双晶欠陥が生じた結晶(Si結晶)が模式的に示されている。なお、図34〜図36では、各六角形の角にSi原子が配置されている。
図34に示されるように、正常なシリコン単結晶では、<111>方向に、A、B、C、A、B、C、A、B、C・・・の順に規則的に層(面、原子層)が重なっている。一方、図35では、図34の配列に対して余分な層(面、原子層)が一層入っている。このため、図35では、<111>方向に、A、B、C、A、C、B、C、A、B・・・の順に層(面、原子層)が重なっており、途中で不規則な層(面、原子層)があり、この追加された余分な層(面、原子層)が双晶欠陥となる。この追加された余分な層(面、原子層)は、図35に示されるように、Si結晶の(111)面にしか入らない。このため、双晶欠陥は、Si結晶の(111)面に沿って発生し、図36に示される2方向(DR1,DR2)にだけ発生することになる。なお、図36では、図面を見やすくするために、双晶(双晶欠陥)をドットのハッチングを付して示してある。
双晶欠陥部は、元の半導体基板SUBとは異なる結晶方位となっている。このため、予め半導体基板に双晶(双晶欠陥)を形成してから半導体基板上にエピタキシャル層を成長すると、双晶上では、双晶の結晶方位に沿ってエピタキシャル成長するため、半導体基板に形成されていた双晶欠陥は、エピタキシャル層にも伝播する。このため、半導体基板に形成されていた双晶欠陥は、エピタキシャル層と半導体基板との境界(界面)を越えて、エピタキシャル層にも延長して連続的に形成される。
双晶の界面は、転位(ここではミスフィット転位)に対して、結晶粒界と同様の作用をすることができるため、転位(ここではミスフィット転位)は、双晶の界面を越えて伝播または成長することが困難である。
このため、ミスフィット転位は、半導体基板とエピタキシャル層との界面に沿って伝播しようとするが、途中で双晶欠陥があるとそこで止まり、双晶欠陥を越えた位置では、ミスフィット転位が伝播、形成されなくなる。すなわち、図36において、ミスフィット転位が方向DR3(半導体基板SUBの主面、ここでは(100)面、に沿った方向DR3)に伝播した場合、途中に存在する双晶界面で伝播が停止し、双晶欠陥を越えた領域には、ミスフィット転位が伝播されなくなる。
そこで、本実施の形態では、ミスフィット転位のバリア(成長バリア)として、双晶欠陥を半導体ウエハSWにあえて設けることで、半導体チップ領域CHPにミスフィット転位が生じるのを抑制または防止している。そして、ミスフィット転位の起点となる箇所(ミスフィット転位発生箇所)が、エピタキシャルウエハの端部(外周端部)であることに着目して、半導体ウエハSWにおける双晶欠陥領域TRGの位置を設定している。
すなわち、本実施の形態では、半導体ウエハSWの主面の外周部に、双晶欠陥が発生している双晶欠陥領域TRGを設けている。これにより、たとえ半導体ウエハSWの端部(外周端部)でミスフィット転位が発生したとしても、そのミスフィット転位は、双晶欠陥領域TRGの双晶欠陥を越えては伝播または成長しなくなり、双晶欠陥領域TRGよりも内側(半導体ウエハSWの主面の中心に近い側)にはミスフィット転位が形成されない。このため、半導体ウエハSWにおける双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域では、ミスフィット転位の発生を抑制または防止することができる。これにより、半導体ウエハSWを用いて製造した半導体装置の性能や信頼性を向上させることができる。また、半導体ウエハSWを用いた半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、本実施の形態とは異なり、双晶欠陥が半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面を横切っておらず、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面で双晶欠陥が終端するか、あるいは前記界面に双晶欠陥が到達していない場合には、ミスフィット転位は、双晶欠陥に妨げられることなく、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面に沿って成長することができる。このため、半導体ウエハSWの端部(外周端部)で発生したミスフィット転位が、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面に沿って成長するのを妨げるためには、本実施の形態のように、双晶欠陥が、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面を横切るように、半導体基板SUBからエピタキシャル層EPにかけて連続的に形成されていることが重要である。
本実施の形態では、双晶欠陥が、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの界面を横切るように、半導体基板SUBからエピタキシャル層EPにかけて連続的に形成されていることで、ミスフィット転位の成長を双晶欠陥によって的確に防止することができ、半導体ウエハSWにおける双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域において、ミスフィット転位の発生を的確に防止することができる。これにより、半導体ウエハSWを用いて製造した半導体装置の性能や信頼性を、的確に向上させることができる。また、半導体ウエハSWを用いた半導体装置の製造歩留まりを、的確に向上させることができる。
また、本実施の形態では、半導体ウエハSWの主面の外周部に双晶欠陥領域TRGを設けているが、これは、半導体ウエハSWの端部(外周端部)で発生したミスフィット転位が、双晶欠陥領域TRGの双晶欠陥を越えて成長しないようにすることに加えて、双晶欠陥領域TRGに形成された双晶欠陥が半導体装置の製造に悪影響を与えないようにする効果もある。本実施の形態では、双晶欠陥領域TRGを半導体ウエハSWの主面の外周部に設けたことで、双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域には、ミスフィット転位と双晶欠陥との両方とも形成されないようにすることができるとともに、その領域の面積を大きくすることができる。このため、半導体ウエハSWにおける双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域(ミスフィット転位および双晶欠陥の形成が防止された領域)を用いて取得できる半導体チップの数を増やすことができる。これにより、半導体装置の製造コストを低減することができる。
また、本実施の形態では、半導体ウエハSWにおける双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域を用いて、半導体チップ(CHP1)が製造される。すなわち、半導体ウエハSWを用いて複数の半導体チップ(CHP1)を製造する際には、半導体ウエハSWにおいて、双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域に、複数の半導体チップ領域CHPがアレイ状に配置されるようにする。つまり、本実施の形態では、半導体ウエハSWに形成した双晶欠陥領域TRG(双晶欠陥TWが発生している領域)は、半導体チップ領域CHPとしては使用せず、双晶欠陥領域TRG以外の領域(ここでは双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域)を、半導体チップ領域CHPとして使用する。換言すれば、半導体チップ領域CHPとしては使用しない半導体ウエハSWの外周部に、双晶欠陥が生じている双晶欠陥領域TRGを設け、半導体チップ領域CHPとして使用する領域(すなわち双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域)には、双晶欠陥が生じないようにしているのである。
これにより、双晶欠陥領域TRGの双晶欠陥が、半導体ウエハSWを用いて製造された半導体チップ(CHP1)に悪影響を与えることを防止できる。そして、半導体ウエハSWにおける双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域(ミスフィット転位および双晶欠陥の形成が防止された領域)が半導体チップ領域CHPとなり、そこから半導体チップ(CHP1)が取得されるため、半導体チップ(CHP1)にミスフィット転位および双晶欠陥が形成されているのを防止できる。これにより、半導体ウエハSWを用いて製造した半導体装置の性能や信頼性を、より的確に向上させることができる。また、半導体ウエハSWを用いた半導体装置の製造歩留まりを、より的確に向上させることができる。
また、ステップS3のイオン注入IM1により、上記領域TRG1a(窒素またはアルゴンが注入された領域)は、半導体基板SUBの表面(上面)から、所定の深さまで形成される。このとき、上記領域TRG1aの深さD1は、10nm以上(すなわちD1≧10nm)が好ましい。ここで、上記領域TRG1aの深さD1は、図13および図14に示されており、半導体基板SUBの主面からの深さ(半導体基板SUBの主面に垂直な方向の深さ)に対応している。D1≧10nmが好ましい理由は、以下のようなものである。
すなわち、エピタキシャル層EPを形成する際には、エピタキシャル成長の前に半導体基板SUBに対して、表層の自然酸化膜を還元除去するとともに原子の再配列を促し結晶性を整える作用およびエッチング作用のある水素(H)アニール(水素ガス雰囲気中の基板加熱処理)を行うことが好ましい。このため、窒素またはアルゴンが注入された領域TRG1aの深さD1が小さいと、エピタキシャル層EPをエピタキシャル成長する前に(上記水素アニールにより)、上記領域TRG1aまたは第1領域TRG1が消失する懸念がある。それに対して、窒素またはアルゴンが注入された領域TRG1aの深さD1を10nm以上(すなわちD1≧10nm)とすることにより、そのような懸念はなくなり、上記双晶欠陥領域TRGを的確に形成でき、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの境界(界面)を横切るように双晶を的確に形成できるようになる。
また、ステップS3のイオン注入IM1により形成された上記領域TRG1a(窒素またはアルゴンが注入された領域)の幅D2は、0.5mm以上(すなわちD2≧0.5mm)が好ましい。ここで、上記領域TRG1aの幅D2は、図13および図16に示されており、半導体基板SUBの端部(外周端部)から、上記領域TRG1aの内周側端部(内周側側面)までの距離(半導体基板SUBの外周端部と半導体基板SUBの主面の中心とを結ぶ直線に沿った距離)に対応している。なお、上記領域TRG1aの内周側端部(内周側側面)の位置は、イオン注入IM1のマスク層として用いたフォトレジスト層PR1の端部(側面)の位置にほぼ対応している。D2≧0.5mmが好ましいその理由は、以下のようなものである。
すなわち、半導体基板SUBの端部(側面)には、ベベル部と呼ばれる面取りされた部分を設けることが好ましいが、ベベル部上ではエピタキシャル成長は不安定になりやすい。このため、上記領域TRG1aの幅D2が小さすぎると、上記領域TRG1aがほとんどベベル部に形成されてしまい、上記双晶欠陥TWは、エピタキシャル成長が不安定なベベル部にのみ形成されてしまう懸念がある。ベベル部の寸法(半導体基板SUBの外周端部と半導体基板SUBの主面の中心とを結ぶ直線に沿った寸法)は、概ね0.3〜0.5mm程度である。それに対して、上記領域TRG1a(窒素またはアルゴンが注入された領域)の幅D2を0.5mm以上(すなわちD2≧0.5mm)とすることにより、そのような懸念はなくなり、ベベル部以外の領域(半導体基板SUBの表面が平坦になっている領域)にも上記双晶欠陥TWが形成されるため、その双晶欠陥TWによるミスフィット転位の防止効果を、より的確に得ることができるようになる。
また、ステップS3のイオン注入IM1により形成された上記領域TRG1aの幅D2は、2mm以下(すなわちD2≦2mm)が好ましい。これは、上記領域TRG1aの幅D2が大きすぎると、半導体ウエハSWのうち、半導体チップ領域CHPとして使用できる面積が小さくなるため、一枚の半導体ウエハSWから取得できる半導体チップ(CHP)数が少なくなり、半導体チップ(CHP)のコストの増加を招いてしまうからである。
このため、窒素またはアルゴンが注入された領域TRG1aの幅D2は、0.5mm以上で2mm以下(すなわち2mm≧D2≧0.5mm)が、より好ましく、これにより、双晶欠陥(TW)によるミスフィット転位の防止効果の向上と半導体ウエハSWからの半導体チップ(CHP)の取得数の向上とを両立することができる。なお、この領域の大きさは、ベベル形状やチップ配置などによって柔軟に変更できるものであることは言うまでもない。
また、半導体基板上にエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエハにおいて、ミスフィット転位は、半導体基板とエピタキシャル層との格子定数の差が大きくなるほど(従って半導体基板とエピタキシャル層との不純物濃度の差が大きくなるほど)、生じやすくなるとともに、このときのエピタキシャル層の厚みが厚くなるほど、ミスフィット転位が生じやすくなる。
例えば、n型の半導体基板上にn型のエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエハにおいては、エピタキシャル層のn型不純物濃度に対する半導体基板のn型不純物濃度の比が100倍程度であれば、エピタキシャル層の厚みが約10μm以上のときにミスフィット転位が起きやすくなる傾向にある。また、エピタキシャル層のn型不純物濃度に対する半導体基板のn型不純物濃度の比が200倍程度であれば、エピタキシャル層の厚みが約4μm以上のときにミスフィット転位が起きやすくなり、1000倍程度では、エピタキシャル層の厚みが約0.3μm以上のときにミスフィット転位が起きやすくなる傾向にある。
それに対して、本実施の形態では、上述のように双晶欠陥(TW)によりミスフィット転位の成長を防止できるため、半導体基板SUBとエピタキシャル層EPとの不純物濃度の差を大きくすることが可能になり、また、エピタキシャル層EPの厚みを厚くすることが可能になる。
また、本実施の形態では、熱処理装置などを用いてステップS5の熱処理を行った後で、エピタキシャル成長装置などを用いてステップS6のエピタキシャル層EPの形成工程を行っている場合について説明した。ステップS5の熱処理工程とステップS6のエピタキシャル層EPの形成工程とを別々に行うと、ステップS5の熱処理条件とステップS6のエピタキシャル層EPの形成条件とを、それぞれ独立に決めることができるため、半導体ウエハSWを製造しやすくなる。
他の形態として、同じ装置(半導体製造装置)を用いてステップS5の熱処理工程と、ステップS6のエピタキシャル層EPの形成工程とを連続的に行うこともできる。例えば、ステップS4でフォトレジスト層PR1を除去した後、エピタキシャル成長装置に半導体基板SUBを配置してから、エピタキシャル成長の前に半導体基板SUBを加熱し(この基板加熱をステップS5の熱処理とする)、その後続けて、半導体基板SUB上にエピタキシャル層EPをエピタキシャル成長することもできる。この場合の半導体基板SUBの加熱処理は、上述した、エピタキシャル成長の前に行う水素(H)アニール(水素ガス雰囲気中の基板加熱処理)とすることもでき、この際のアニール条件は、例えば1000℃かそれ以上のアニール温度で10秒かそれ以上のアニール時間を例示することができる。このようにすることで、製造時間を短縮し、また、スループットを向上することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2の半導体ウエハSW1の製造工程を図37〜図47を参照して説明する。図37は、本実施の形態の半導体ウエハSW1の製造工程を示す製造プロセスフロー図である。図38〜図47は、半導体ウエハSW1の製造工程中の平面図または断面図である。
図38〜図47のうち、図38、図40、図42、図44および図46は、上面側の全体平面図であり、上記実施の形態1の上記図1などに対応するものである。また、図38〜図47のうち、図39、図41、図43、図45および図47は、全体断面図であり、上記図3などに対応するものである。また、図38〜図47のうち、図38および図39は同じ工程段階を示し、図40および図41は同じ工程段階を示し、図42および図43は同じ工程段階を示し、図44および図45は同じ工程段階を示し、図46および図47は同じ工程段階を示している。例えば、図39は、図38のA1−A1線の断面図に対応している。理解を簡単にするために、上記実施の形態1の上記図3などと同様、図39、図41、図43、図45および図47についても、厚み方向の寸法を実際よりも拡大して示してある。
本実施の形態においては、半導体ウエハSW1は、以下のようにして製造(作製)することができる。
まず、図38および図39に示されるように、上記実施の形態1と同様の半導体基板SUBを準備する(図37のステップS1)。このステップS1については、上記実施の形態1と基本的には同じであり、また、半導体基板SUBについては、上記実施の形態1で説明したので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
次に、図40および図41に示されるように、半導体基板SUBの主面に、フォトリソグラフィ法を用いて、マスク層として上記実施の形態1と同様のフォトレジスト層PR1を形成する(図37のステップS2)。このステップS2については、上記実施の形態1と基本的には同じであり、また、フォトレジスト層PR1については、上記実施の形態1で説明したので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
次に、図42および図43に示されるように、フォトレジスト層PR1をイオン注入素子マスクとして用いて、半導体基板SUBに対してイオン注入IM2を行う(図37のステップS3a)。図43では、イオン注入IM2を矢印で模式的に示してある。
このイオン注入IM2は、イオン注入種(注入元素)が、上記実施の形態1のイオン注入IM1と相違している。すなわち、上記実施の形態1のイオン注入IM1では、窒素(N)またはアルゴン(Ar)をイオン注入しており、このイオン注入IM1のイオン注入種(ここではNまたはAr)は、シリコン(Si)結晶のSiサイト(Si位置)には入らず、双晶欠陥の生成を促進する。一方、本実施の形態のイオン注入IM2では、シリコン(Si)結晶のSiサイトに入る元素を、イオン注入種として用いる。以下では、イオン注入IM2で半導体基板SUB(の領域MRG1)に注入(導入)した元素(注入種)を、注入元素M2と称することとする。詳細は後述するが、注入元素M2は、例えば、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)とすることができる。
上記実施の形態1では、イオン注入IM1は、双晶欠陥の生成のために行っていた。一方、本実施の形態では、イオン注入IM2は、半導体基板SUBの格子定数の調整のために行っているが、これについては、後でより詳細に説明する。
イオン注入IM2により、半導体基板SUBのうち、フォトレジスト層PR1で覆われていなかった外周部(周辺部)に、注入元素M2が注入(導入)され、注入元素M2が注入(導入、ドープ)された領域MRG1は、結晶が崩されてアモルファス化(アモルファスシリコン化)する。すなわち、n型またはp型の不純物が導入された単結晶シリコンからなる半導体基板SUBの外周部に、イオン注入IM2で注入元素M2が注入されて、アモルファス(アモルファスシリコン)状態となった領域MRG1が形成される。図42は、平面図であるが、理解を簡単にするために、フォトレジスト層PR1が形成されている領域と、イオン注入IM2で注入元素M2が注入された領域MRG1とに、それぞれ異なるハッチングを付してある。上記実施の形態1の上記領域TRG1aと同様に、本実施の形態の領域MRG1は、図42および後述の図44からも分かるように、半導体基板SUBの主面の外周部全体に形成される、すなわち、半導体基板SUBの主面の外周を一周するように形成される。
次に、図44および図45に示されるように、フォトレジスト層(マスク層)PR1を除去する(図37のステップS4)。図44は、平面図であるが、理解を簡単にするために、イオン注入IM2で注入元素M2が注入された領域MRG1に、ハッチングを付してある。
次に、熱処理(アニール処理)を行って、アモルファス状態となっていた領域MRG1を結晶化させる(図37のステップS5a)。これにより、アモルファス状態であった領域MRG1は、結晶化(再結晶化)して、結晶化された領域MRG2となる。
ステップS5aの熱処理条件は、上記実施の形態1の上記ステップS5の熱処理条件と、ほぼ同様のものとすることができる。
アモルファス状態の領域MRG1がステップS5aの熱処理で結晶化して、結晶化された領域MRG2となったことで、領域MRG2を含む半導体基板SUB全体は、n型またはp型の不純物が導入された単結晶シリコンからなり、導入されているn型またはp型の不純物は、単結晶シリコンのSiサイト(Si位置)に入っている。また、イオン注入IM2で注入された注入元素M2も、結晶化された領域MRG2において、単結晶シリコンのSiサイト(Si位置)に入っている。すなわち、領域MRG2と、領域MRG2以外の半導体基板SUBとの相違は、イオン注入IM2による注入元素M2が導入されているか否かであり、領域MRG2にはイオン注入IM2の注入元素M2は導入(ドープ)され、領域MRG2以外の半導体基板SUBにはイオン注入IM2の注入元素M2は導入(ドープ)されていない。
すなわち、領域MRG2以外の半導体基板SUBには、ステップS1の段階で半導体基板SUBに導入されていたn型またはp型の不純物が導入されおり、この不純物はシリコン(Si)結晶のSiサイトに入っている。領域MRG2には、ステップS1の段階で半導体基板SUBに導入されていたn型またはp型の不純物に加えて、イオン注入IM2の注入元素M2も導入されており、両者が、シリコン(Si)結晶のSiサイトに入っている。
次に、図46および図47に示されるように、領域MRG2を含む半導体基板SUBの主面(上面)全面上に、半導体層であるエピタキシャル層EPをエピタキシャル成長する(図37のステップS6)。これにより、領域MRG2を含む半導体基板SUBの主面上にエピタキシャル層EPが形成された半導体ウエハ(エピタキシャルウエハ)SW1が形成される。エピタキシャル層EPの形成法については、上記実施の形態1と基本的には同じである。
本実施の形態で形成されたエピタキシャル層EPは、上記実施の形態1のエピタキシャル層EPと以下の点が相違している。
すなわち、本実施の形態では、半導体基板SUBに上記双晶欠陥領域TRGの上記第1領域TRG1は形成されていないため、エピタキシャル層EPには、上記双晶欠陥領域TRGの上記第2領域TRG2は形成されない。つまり、本実施の形態では、上記双晶欠陥領域TRGの第1領域TRG1に形成されていたような双晶欠陥は半導体基板SUBに形成されていないため、そのような双晶欠陥がエピタキシャル層EPに伝播して形成されることは無く、上記双晶欠陥領域TRGの第2領域TRG2に形成されるような双晶欠陥はエピタキシャル層EPには形成されない。それ以外については、本実施の形態におけるエピタキシャル層EPも上記実施の形態1のエピタキシャル層EPと基本的には同じである。
このようにして、半導体基板SUB上にエピタキシャル層EPが形成された半導体ウエハSW1が製造される。
また、本実施の形態の半導体ウエハSW1を用いて半導体装置を製造する工程については、上記実施の形態1の半導体ウエハSWを用いて半導体装置を製造する工程と基本的には同様とすることができるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。
但し、上記実施の形態1では、半導体ウエハSWを用いて複数の半導体チップ(CHP1)を製造する際には、半導体ウエハSWにおいて、双晶欠陥領域TRGよりも内側の領域に、複数の半導体チップ領域CHPがアレイ状に配置されるようにし、双晶欠陥領域TRG(双晶欠陥TWが発生している領域)は、半導体チップ領域CHPとしては使用していなかった。一方、本実施の形態では、半導体ウエハSW1を用いて複数の半導体チップ(CHP1)を製造する際には、半導体ウエハSW1において、領域MRG2よりも内側(半導体ウエハSW1の主面の中心に近い側)の領域に、複数の半導体チップ領域CHPがアレイ状に配置されるようにし、領域MRG2(イオン注入IM2の注入元素M2が注入されている領域)は、半導体チップ領域CHPとしては使用しないようにすることが好ましい。すなわち、半導体ウエハSW1における領域MRG2よりも内側の領域を用いて、半導体チップ(CHP1)を製造することが好ましい。
次に、本実施の形態の主要な特徴と効果について説明する。
上述のように、エピタキシャルウエハにミスフィット転位が発生すると、半導体装置の性能の低下や半導体装置の製造歩留まりの低下を招いてしまうため、ミスフィット転位を抑制または防止することが望まれる。
本実施の形態では、半導体基板SUB上にエピタキシャル層EPが形成された半導体ウエハSW1において、半導体基板SUBの主面の外周部に、イオン注入IM2のイオン注入種(注入元素M2)が導入(ドープ)された領域MRG2を設けている。半導体ウエハSW1においては、注入元素M2は、半導体基板SUBの主面の外周部の領域MRG2には導入(ドープ)されているが、領域MRG2以外の半導体基板SUB(すなわち半導体基板SUBにおいて領域MRG2よりも内側の領域)には、注入元素M2は導入(ドープ)されていない。また、領域MRG2以外の半導体基板SUB(すなわち半導体基板SUBにおいて領域MRG2よりも内側の領域)に導入されている不純物(例えばリン)は、領域MRG2にも導入(ドープ)されている。そして、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2とエピタキシャル層EPとの格子定数の差は、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)とエピタキシャル層EPとの格子定数の差よりも小さくなっている。すなわち、領域MRG2と、領域MRG2以外の半導体基板SUB(すなわち半導体基板SUBにおける領域MRG2よりも内側の領域)とで相違しているのは、注入元素M2の有無と、格子定数の大きさである。
本実施の形態において、半導体基板SUBの主面の外周部の領域MRG2(MRG1)に注入元素M2を導入(ドープ)しているのは、その領域MRG2の格子定数を、半導体基板SUBの格子定数から変えるためである。すなわち、本実施の形態では、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2とエピタキシャル層EPとの格子定数の差が、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)とエピタキシャル層EPとの格子定数の差よりも小さくなるように、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)に注入元素M2を注入(導入)している。
上述のように、エピタキシャルウエハにおいて、ミスフィット転位は、下地の半導体基板の格子定数とエピタキシャル層の格子定数との差が大きいほど、発生しやすくなる。そして、ミスフィット転位は、エピタキシャルウエハの端部(外周端部)を起点にして、半導体基板とエピタキシャル層EPとの界面に沿って伸びる(延在する)ように発生する。
そこで、本実施の形態では、ミスフィット転位の発生の起点になる半導体ウエハSW1の端部(外周端部)において、下地の半導体基板SUB(ここでは領域MRG2)の格子定数とエピタキシャル層の格子定数との差が小さくなるように、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)に注入元素M2を導入(ドープ)している。
具体的には、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)の格子定数がエピタキシャル層EPの格子定数よりも小さい場合は、半導体基板SUBを構成する半導体結晶(ここではシリコン結晶)の格子定数を大きくできるような元素を注入元素M2に選んで、この元素を半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)に導入(ドープ)する。すなわち、ステップS1で準備した半導体基板SUBの格子定数が、ステップS6で形成するエピタキシャル層EPの格子定数よりも小さい場合は、半導体基板SUBを構成する半導体結晶(ここではシリコン結晶)の格子定数を大きくできるような元素を注入元素M2に選んで、この元素を、ステップS3aのイオン注入IM2で半導体基板SUBの外周部の領域MRG1に注入する。シリコン結晶の格子定数を大きくできるような元素とは、シリコン結晶のSiサイトに入るが、Siに比べて結合半径が大きい元素であり、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)、スズ(Sn)がある。
また、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)の格子定数がエピタキシャル層EPの格子定数よりも大きい場合は、半導体基板SUBを構成する半導体結晶(ここではシリコン結晶)の格子定数を小さくできるような元素を注入元素M2に選んで、この元素を半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)に導入(ドープ)する。すなわち、ステップS1で準備した半導体基板SUBの格子定数が、ステップS6で形成するエピタキシャル層EPの格子定数よりも大きい場合は、半導体基板SUBを構成する半導体結晶(ここではシリコン結晶)の格子定数を小さくできるような元素を注入元素M2に選んで、この元素を、ステップS3aのイオン注入IM2で半導体基板SUBの外周部の領域MRG1に注入する。シリコン結晶の格子定数を小さくできるような元素とは、シリコン結晶のSiサイトに入るが、Siに比べて結合半径が小さい元素であり、炭素(C)やボロン(B、ホウ素)がある。なお、各種原子の結合半径を例示すると、炭素(C)の結合半径は0.77Å、ボロン(B、ホウ素)の結合半径は0.88Å、リン(P)の結合半径は1.10Å、シリコン(Si)の結合半径は1.17Å、ヒ素(As)の結合半径は1.18Å、ゲルマニウム(Ge)の結合半径は1.22Å、アンチモン(Sb)の結合半径は1.36Å、スズ(Sn)の結合半径は1.40Åである。
シリコン単結晶の半導体基板にn型不純物であるリン(P)を導入した場合には、導入したリン(P)はシリコン結晶のSiサイトに入るが、リン(P)はSiに比べて結合半径が小さいため、半導体基板におけるリン(P)の濃度が大きいほど、半導体基板の格子定数は小さくなる。このため、n型の単結晶シリコンからなる半導体基板上に、半導体基板よりも低不純物濃度のn型の単結晶シリコンからなるエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウエハにおいては、n型(高濃度)の半導体基板の格子定数が、n型(低濃度)のエピタキシャル層の格子定数よりも小さくなる。
そこで、ステップS1で準備された、リン(P)がドープされたn型の単結晶シリコンからなる半導体基板SUB上に、ステップS6で半導体基板SUBよりも低不純物濃度の単結晶シリコン(n型の単結晶シリコン)からなるエピタキシャル層EPを形成する場合には、ステップS3aのイオン注入IM2の注入元素M2を、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)にする。シリコン単結晶の半導体基板にゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)を導入した場合には、導入したゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)は、シリコン結晶のSiサイトに入るが、Siに比べて結合半径が大きい。
従って、n型の単結晶シリコンからなる半導体基板SUBの外周部の領域MRG1にステップS3aのイオン注入IM2で注入元素M2としてゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)を注入すると、ステップS5aの熱処理を行った段階で、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2の格子定数が、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)の格子定数よりも大きくなる。これにより、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2の格子定数とエピタキシャル層EPの格子定数との差を、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)の格子定数とエピタキシャル層EPの格子定数との差よりも小さくすることができる。つまり、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2の格子定数とエピタキシャル層EPとの格子定数の差を、ステップS1で準備した半導体基板SUBの格子定数とエピタキシャル層EPの格子定数との差よりも小さくすることができる。
このため、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2と、その領域MRG2上に形成されるエピタキシャル層EPとは、格子定数が近いため、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2と、その領域MRG2上に形成されるエピタキシャル層EPとの間のミスフィット応力を緩和させることができる。すなわち、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2と、その領域MRG2上に形成されるエピタキシャル層EPとの間には、ミスフィット転位が生じにくくなる。これにより、ミスフィット転位が発生しやすい半導体ウエハSW1の主面の外周部において、下地の半導体基板SUBである領域MRG2と、その上に形成されるエピタキシャル層EPとの格子定数の差を低減することで、ミスフィット転位の発生を抑制または防止することができる。従って、半導体ウエハSW1を用いて製造した半導体装置の性能や信頼性を向上させることができる。また、半導体ウエハSW1を用いた半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、ステップS1で準備された、ボロン(B、ホウ素)がドープされたp型の単結晶シリコンからなる半導体基板SUB上に、ステップS6で半導体基板SUBよりも低不純物濃度の単結晶シリコン(p型の単結晶シリコン)からなるエピタキシャル層EPを形成する場合には、ステップS3aのイオン注入IM2の注入元素M2を、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)にすればよい。ボロン(B、ホウ素)はSiに比べて結合半径が小さな元素であり、ゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)およびスズ(Sn)は、Siに比べて結合半径が大きな元素である。また、ステップS1で準備された、アンチモン(Sb)がドープされたn型の単結晶シリコンからなる半導体基板SUB上に、ステップS6で半導体基板SUBよりも低不純物濃度の単結晶シリコン(n型の単結晶シリコン)からなるエピタキシャル層EPを形成する場合には、ステップS3aのイオン注入IM2の注入元素M2を、炭素(C)またはボロン(B、ホウ素)にすればよい。アンチモン(Sb)は、Siに比べて結合半径が大きな元素であり、炭素(C)とボロン(B、ホウ素)は、Siに比べて結合半径が小さな元素である。
つまり、ステップS1において、Siに比べて結合半径が小さな元素であるリン(P)またはボロン(B、ホウ素)がドープされた半導体基板SUBを準備した場合は、ステップS3aのイオン注入IM2の注入元素M2を、Siに比べて結合半径が大きな元素であるゲルマニウム(Ge)、アンチモン(Sb)またはスズ(Sn)にする。また、ステップS1において、Siに比べて結合半径が大きな元素であるアンチモン(Sb)がドープされた半導体基板SUBを準備した場合は、ステップS3aのイオン注入IM2の注入元素M2を、Siに比べて結合半径が小さな元素であるボロン(B、ホウ素)または炭素(C)にする。こうすることで、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2の格子定数とエピタキシャル層EPの格子定数との差を、半導体基板SUB(ここでは領域MRG2以外の半導体基板SUB)の格子定数とエピタキシャル層EPの格子定数との差よりも小さくすることができ、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2と、その領域MRG2上に形成されるエピタキシャル層EPとの間に、ミスフィット転位が生じにくくなる。これにより、半導体ウエハSW1を用いて製造した半導体装置の性能や信頼性を向上させることができる。また、半導体ウエハSW1を用いた半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、本実施の形態では、半導体基板SUBの主面全体にイオン注入IM2の注入元素M2を導入するのではなく、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)にイオン注入IM2の注入元素M2を導入(ドープ)し、領域MRG2(MRG1)よりも内側(半導体基板SUBの主面の中心に近い側)の領域には、イオン注入IM2の注入元素M2を導入(ドープ)しない。これは、注入元素M2は、格子定数を調整してミスフィット転位を防止するために注入されるためであり、注入量(濃度)は格子定数の調整に必要な量を考慮して決めるため、半導体チップ領域(CHP)に注入元素M2が導入されていると、得られる半導体チップ(CHP1)の特性が変化する虞があるためである。
例えば、シリコン(Si)とゲルマニウムとは、熱伝導率が大きく異なり、ゲルマニウムの熱伝導率はシリコン(Si)の熱伝導率よりもかなり小さい。このため、ゲルマニウム(Ge)を半導体基板にドープした半導体チップでは、ゲルマニウム(Ge)を半導体基板にドープしなかった場合に比べて、熱伝導率が低下してしまう。このため、ゲルマニウム(Ge)を半導体基板にドープした半導体チップでは、半導体チップを動作させた際に、発生する熱が逃げにくくなり、半導体チップの温度上昇が大きくなる虞がある。このため、ゲルマニウム(Ge)を半導体基板にドープした半導体チップでは、ゲルマニウム(Ge)を半導体基板にドープしていない半導体チップと同一の動作をさせた場合、放熱方法に追加の対策が必要になる虞がある。
それに対して、本実施の形態では、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)にイオン注入IM2の注入元素M2を導入(ドープ)し、領域MRG2(MRG1)よりも内側(半導体基板SUBの主面の中心に近い側)の領域には、イオン注入IM2の注入元素M2を導入(ドープ)しない。このため、ミスフィット転位の起点となりやすい半導体ウエハSW1の外周部で、下地基板(ここでは領域MRG2)の格子定数とエピタキシャル層EPの格子定数との差を低減して、ミスフィット転位の発生を防止できるとともに、半導体基板SUBにおいて領域MRG2よりも内側(半導体基板SUBの主面の中心に近い側)の領域には注入元素M2を導入(ドープ)しないことで、半導体チップ(CHP1)への影響を防止できる。このため、半導体チップ(CHP1)への影響を気にせずに、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2(MRG1)に注入元素M2を導入(ドープ)して、ミスフィット転位の発生を防止することができる。このため、半導体ウエハSW1を製造するための各工程の条件設定が、容易となり、半導体ウエハSW1が製造しやすくなる。また、上述のような半導体基板にゲルマニウム(Ge)をドープしたことによる熱伝導率の低下やそれに伴う不具合は、本実施の形態の半導体ウエハSW1から得られる半導体チップ(CHP1)では生じなくなる。
また、本実施の形態では、半導体ウエハSW1を用いて複数の半導体チップ(CHP1)を製造する際には、半導体ウエハSW1において、領域MRG2よりも内側(半導体ウエハSW1の主面の中心に近い側)の領域に、複数の半導体チップ領域CHPがアレイ状に配置されるようにし、領域MRG2(注入元素M2が導入されている領域)は、半導体チップ領域CHPとしては使用しないようにすることが好ましい。すなわち、半導体ウエハSW1における領域MRG2(注入元素M2が導入されている領域)よりも内側の領域を用いて、半導体チップ(CHP1)を製造することが好ましい。これにより、イオン注入IM2の注入元素M2が半導体チップ(CHP1)に影響するのを的確に防止できるため、半導体チップ(CHP1)への影響を気にせずにイオン注入IM2で注入元素M2を注入して、半導体ウエハSW1を製造することができる。
また、領域MRG2(MRG1)における注入元素M2の濃度の決め方の一例を、以下に示す。
ドーパントによる格子定数の変化率Pは、次の式1で表わされる。
=(1−r/rSi)×C/NSi ・・・(式1)
ここで、式1中のrはドーパントの結合半径、rSiはSiの結合半径、Cはドーパント濃度、NSiはSiの原子密度である。
リン(P)の結合半径は1.10オングストローム、シリコン(Si)の結合半径は1.17オングストローム、ゲルマニウム(Ge)の結合半径は1.22オングストロームである。このため、リン(P)の濃度がCのときの格子定数の変化を、ゲルマニウム(Ge)の導入によって相殺するために必要なゲルマニウム(Ge)の濃度をCGeとすると、次の式2が成り立つ。
(1−1.10/1.17)×C/NSi
=(1−1.22/1.17)×CGe/NSi ・・・(式2)
この式2を解くと、次の式3が成り立つ。
Ge=1.4×C ・・・(式3)
つまり、リン(P)が濃度Cで導入(ドープ)されている半導体基板(単結晶シリコン基板)に、リン(P)の濃度Cの約1.4倍の濃度CGeでゲルマニウム(Ge)を導入(ドープ)すれば、リン(P)の導入による格子定数の低下とゲルマニウム(Ge)の導入による格子定数の増加とが相殺されて、単結晶シリコンの格子定数と同じ格子定数となる。このため、リン(P)が高濃度で導入(ドープ)されている半導体基板SUB上に低濃度のエピタキシャル層EPを形成する場合には、半導体基板SUBの外周部の領域MRG1(MRG2)にイオン注入IM2により、リン(P)の濃度の約1.4倍の濃度でゲルマニウム(Ge)を導入(ドープ)すれば、半導体基板SUBの外周部の領域MRG2と、エピタキシャル層EPとの格子定数の差をほぼ同じにすることができる。なお、このゲルマニウムのドープを結晶成長時に行う場合は多量の高価なゲルマニウム材料が必要となるが、本実施の形態によるイオン注入による方法では必要とするゲルマニウム量は極わずかであり、製造コストの面で大きな利点を有する。
また、他の手法として、半導体基板SUBと同様の半導体基板に注入元素M2を導入(ドープ)したときの注入元素M2の濃度と半導体基板の格子定数との相関を実験的に求めておき、その相関に基づいて、半導体基板SUBの外周部の領域MRG1(MRG2)に導入(ドープ)する注入元素M2の濃度を決めることもできる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、半導体ウエハ、半導体装置、およびその製造技術に適用して有効である。
11 フィールド絶縁膜
12 溝
13 ゲート絶縁膜
14 ゲート電極
14a ゲート配線部
15 p型半導体領域
16 n型半導体領域
17 絶縁膜
18 コンタクトホール
19 スルーホール
21 p型半導体領域
22G ゲート配線
22S ソース配線
23 絶縁膜
24 開口部
112 溝
113 ゲート絶縁膜
114 ゲート電極
115 p型半導体領域
116 n型半導体領域
122S ソース配線
BE 裏面電極
CHP 半導体チップ領域
CHP1 半導体チップ
D1 深さ
D2 幅
DR1,DR2,DR3 方向
EP,EP101 エピタキシャル層
IM1,IM2 イオン注入
MF、MF1,MF2,MF3,MF4 ミスフィット転位
MRG1,MRG2 領域
PDG,PDS ボンディングパッド
PR1 フォトレジスト層
R1,R2 領域
SUB,SUB101 半導体基板
SW,SW1 半導体ウエハ
SW101 エピタキシャルウエハ
TRG 双晶欠陥領域
TRG1 第1領域
TRG1a 領域
TRG2 第2領域
TW 双晶欠陥(双晶)

Claims (20)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたエピタキシャル層とを有する半導体ウエハであって、
    前記半導体ウエハの主面の外周部に、双晶欠陥が発生している双晶欠陥領域を有し、
    前記双晶欠陥領域は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との両方に跨っており、
    前記双晶欠陥領域に発生している双晶欠陥は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を横切るように、前記半導体基板から前記エピタキシャル層にかけて連続的に形成されていることを特徴とする半導体ウエハ。
  2. 請求項1記載の半導体ウエハにおいて、
    前記エピタキシャル層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも低いことを特徴とする半導体ウエハ。
  3. 請求項2記載の半導体ウエハにおいて、
    前記半導体ウエハでは、前記双晶欠陥領域に双晶欠陥が生じており、前記双晶欠陥領域よりも内側の領域には、双晶欠陥は生じていないことを特徴とする半導体ウエハ。
  4. 請求項3記載の半導体ウエハにおいて、
    前記半導体ウエハにおける前記双晶欠陥領域よりも内側の領域を用いて、半導体チップが製造されることを特徴とする半導体ウエハ。
  5. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたエピタキシャル層とを有する半導体ウエハと、
    前記半導体ウエハの主面にアレイ状に配置され、それぞれ半導体素子が形成された複数の半導体チップ領域と、
    を有する半導体装置であって、
    前記半導体ウエハの主面の外周部に、双晶欠陥が発生している双晶欠陥領域を有し、
    前記双晶欠陥領域は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との両方に跨っており、
    前記双晶欠陥領域に発生している双晶欠陥は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を横切るように、前記半導体基板から前記エピタキシャル層にかけて連続的に形成されており、
    前記半導体ウエハにおいて、前記双晶欠陥領域よりも内側の領域に、前記複数の半導体チップ領域がアレイ状に配置されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5記載の半導体装置において、
    前記エピタキシャル層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも低いことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項6記載の半導体装置において、
    前記半導体ウエハでは、前記双晶欠陥領域に双晶欠陥が生じており、前記双晶欠陥領域よりも内側の領域には、双晶欠陥は生じていないことを特徴とする半導体装置。
  8. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたエピタキシャル層とを有する半導体ウエハの製造方法であって、
    (a)前記半導体基板を準備する工程、
    (b)前記半導体基板の外周部に窒素またはアルゴンをイオン注入することにより、窒素またはアルゴンがイオン注入された第1領域を形成する工程、
    (c)前記(b)工程後、前記半導体基板を熱処理する工程、
    (d)前記(c)工程後、前記半導体基板の主面上に前記エピタキシャル層を、エピタキシャル成長により形成する工程、
    を有し、
    前記(c)工程の熱処理により、前記半導体基板の前記第1領域が結晶化され、かつ前記第1領域に双晶欠陥が形成され、
    前記(d)工程では、前記第1領域に形成されている双晶欠陥が、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を越えて前記エピタキシャル層に延長するように、前記エピタキシャル層が成長することを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  9. 請求項8記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記(b)工程は、
    (b1)前記半導体基板の主面に、前記半導体基板の主面の前記外周部を露出しかつ前記外周部よりも内側の領域を覆うように、マスク層を形成する工程、
    (b2)前記(b1)工程後、前記マスク層をイオン注入阻止マスクとして、前記半導体基板の前記外周部に窒素またはアルゴンをイオン注入することにより、窒素またはアルゴンがイオン注入された前記第1領域を形成する工程、
    (b3)前記(b2)工程後、前記マスク層を除去する工程、
    を有することを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  10. 請求項9記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記エピタキシャル層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも低いことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  11. 請求項10記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記(b)工程では、前記第1領域は、前記イオン注入によりアモルファス状態となり、
    前記(c)工程では、前記第1領域は、前記熱処理により結晶化されることを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  12. 請求項11記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記半導体基板の側面から、前記第1領域の内周までの距離は、0.5mm以上で2mm以下であることを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  13. 請求項12記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記(b)工程では、前記第1領域の深さが、前記半導体基板の主面から10μm以上の深さとなるように、前記イオン注入を行うことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  14. (a)半導体基板を準備する工程、
    (b)前記半導体基板の主面に、前記半導体基板の主面の外周部を露出しかつ前記外周部よりも内側の領域を覆うように、マスク層を形成する工程、
    (c)前記(b)工程後、前記マスク層をイオン注入阻止マスクとして、前記半導体基板の前記外周部に窒素またはアルゴンをイオン注入することにより、窒素またはアルゴンがイオン注入された第1領域を形成する工程、
    (d)前記(c)工程後、前記マスク層を除去する工程、
    (e)前記(d)工程後、前記半導体基板を熱処理する工程、
    (f)前記(e)工程後、前記半導体基板の主面上にエピタキシャル層を、エピタキシャル成長により形成する工程、
    (g)前記(f)工程後、前記エピタキシャル層に半導体素子を形成する工程、
    を有し、
    前記(e)工程の熱処理により、前記半導体基板の前記第1領域が結晶化され、かつ前記第1領域に双晶欠陥が形成され、
    前記(f)工程では、前記第1領域に形成されている双晶欠陥が、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との界面を越えて前記エピタキシャル層に延長するように、前記エピタキシャル層が成長することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
    前記エピタキシャル層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも低いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたエピタキシャル層とを有する半導体ウエハの製造方法であって、
    (a)前記半導体基板を準備する工程、
    (b)前記半導体基板の主面に、前記半導体基板の主面の外周部を露出しかつ前記外周部よりも内側の領域を覆うように、マスク層を形成する工程、
    (c)前記(b)工程後、前記マスク層をイオン注入阻止マスクとして、前記半導体基板の前記外周部にイオン注入することにより、アモルファス状態化された第1領域を形成する工程、
    (d)前記(c)工程後、前記マスク層を除去する工程、
    (e)前記(d)工程後、前記半導体基板を熱処理して前記第1領域を結晶化する工程、
    (f)前記(e)工程後、前記半導体基板の主面上に前記エピタキシャル層を、エピタキシャル成長により形成する工程、
    を有し、
    前記(e)工程で結晶化された前記第1領域と前記エピタキシャル層との格子定数の差は、前記半導体基板と前記エピタキシャル層との格子定数の差よりも小さいことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  17. 請求項16記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記エピタキシャル層の不純物濃度は、前記半導体基板の不純物濃度よりも低いことを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  18. 請求項17記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記半導体基板および前記エピタキシャル層は、それぞれシリコン単結晶からなり、
    前記(c)工程でイオン注入された元素は、前記(e)工程で結晶化された前記第1領域では、シリコン単結晶のSiサイトに入ることを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  19. 請求項18記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記(a)工程で準備された前記半導体基板は、リンまたはボロンがドープされており、
    前記(c)工程では、前記第1領域にゲルマニウム、アンチモンまたはスズをイオン注入することを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
  20. 請求項18記載の半導体ウエハの製造方法において、
    前記(a)工程で準備された前記半導体基板は、アンチモンがドープされており、
    前記(c)工程では、前記第1領域にボロンまたは炭素をイオン注入することを特徴とする半導体ウエハの製造方法。
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