JP2013182029A - ミラー装置および波長選択スイッチ - Google Patents

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啓 桑原
Shigeru Nemoto
成 根本
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Abstract

【課題】ミラーの回動状態を、他のミラーの回動状態によらず高精度に制御する。
【解決手段】ミラー装置104は、複数のミラーと、駆動電極111a,111bと、駆動電圧印加部117と、制御部113を備える。制御部113は、補正対象のミラーが所望の回動状態となる基準駆動電圧情報を予め記憶するメモリ114と、補正対象のミラーが所望の回動状態となる基準駆動電圧値を基準駆動電圧情報に基づいて決定し、基準駆動電圧値と補正電圧値から補正対象のミラーの駆動電圧値を算出する電圧演算部115とを備える。電圧演算部115は、補正対象のミラーを駆動する駆動電極と隣接し、他のミラーを駆動する隣接駆動電極に印加される駆動電圧値から、補正対象のミラーの所望の回動状態の変動を抑制する補正電圧値を算出する補正電圧演算部116を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通信用光伝送装置などに使用される微細なミラー装置に係り、特に多数の微細なミラーが高密度に配置されたミラー装置に関するものである。
近年の光通信では、光信号を電気信号に変換することなく、光のままで通信先に送ることにより、通信速度を落とさない高速通信を実現している。また、一つの波長に一つの光信号を対応させて波長多重するWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術により、一本の光ファイバを使って大容量の光伝送が行えるようになっている。このような光通信技術の発展に伴い、光信号のままで経路を切り替える光スイッチの役割が重要性を増している。 光通信ネットワークの大規模化に伴い、光信号の波長数も増え、数十もの波長から任意の波長を選択して複数の出力ファイバのどれかから出力する波長選択スイッチの小型化、高機能化が進んでいる。このような高機能な波長選択スイッチなどをコンパクトに実現できるものとして、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたミラー装置が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
ミラー装置の具体例として、特許文献1に記載の波長選択スイッチ用ミラー装置の構成を図10〜図12を用いて説明する。図10に示すように、波長選択スイッチは、1つの入力ポート101と、m本の出力ポート102(102−1〜102−m)と、入力ポート101からの複数の光信号を分波する分散空間光学系103と、分波された光信号を出力ポート102と結合させるためのミラー装置104(104−1〜104−n)とを有する。
この波長選択スイッチでは、入力ポート101から入射された光を分散空間光学系103により波長ごとに直線的に一点に集光させ、アレイ状に配置したミラー装置104に照射し、個々のミラー装置104のミラーの回動を制御して光路を調整し、光を再び分散空間光学系103を通して所望の出力ポート102に結合させることによって、波長ごとに入出力ポートの結合を切り替える。
図11はアレイ状に配置されたミラー装置104の構造を示す斜視図、図12(A)、図12(B)はミラー装置104の構造を示す断面図であり、図12(A)は駆動電圧を印加していない状態を示し、図12(B)は駆動電圧を印加した状態を示している。
図12(A)、図12(B)に示すように、基板105上には絶縁層106が形成され、絶縁層106上には支持部107a,107bが形成されている。
支持部107a,107bによって支えられる可動部構造としては、可堯性を備えた可動電極108a,108bと、ミラー109と、トーションばね110a,110bとが形成されている。図11の例では、y軸方向に平行な線上に、可動電極108aと可動電極108bが整列されている。可動電極108aの一端は支持部107aによって固定され、可動電極108bの一端は支持部107bによって固定されている。可動電極108aと可動電極108bは、各々の他端が、基板105の法線方向(z軸方向)に変位可能な片持ち梁構造となっている。
可動電極108aと可動電極108bの間には、屈曲可能な一対のトーションばね110a,110bにより連結されてミラー109が配置されている。ミラー109は、可動電極108aおよび可動電極108bと1列に配列されて可動電極108aと可動電極108bの間に回動可能に配置されている。トーションばね110aは、可動電極108aの他端とミラー109とを連結し、トーションばね110bは、可動電極108bの他端とミラー109とを連結している。図11の例では、y軸方向に平行な線上に、可動電極108a、トーションばね110a、ミラー109、トーションばね110b、可動電極108bが順に整列している。
ミラー109は、長さ方向と直交するx軸と平行な回動軸周りに回動することができる。ミラー109の表面には、金やアルミニウムなどから構成された反射膜が形成され、例えば赤外領域の光を反射可能としている。以上のような可動電極108a、トーションばね110a、ミラー109、トーションばね110bおよび可動電極108bの整列が1つのミラー装置104の可動部側の構造を形成している。
また、絶縁層106の上には、1つのミラー装置毎に、駆動電極111a,111bが設けられている。駆動電極111a,111bは、それぞれ可動電極108a,108bと対向するように配置されている。駆動電極111a,111bは、y軸と平行な方向、すなわち可動電極108a,108bの整列方向と平行な方向に沿って溝が形成された、断面がU字型の形状となっている。この駆動電極111a,111bの大きさは、可動電極108a,108bが下方向に変位したときに、対向する駆動電極111a,111bと触れることなく駆動電極111a,111bの溝の中に入ることができるように設定されている。
以上のような駆動電極111a,111bが1つのミラー装置104の基板側の構造を形成している。そして、一対の可動電極108a,108bと、ミラー109と、一対のトーションばね110a,110bと、一対の駆動電極111a,111bとで1つのミラー装置104が構成されており、このようなミラー装置104がx軸方向に沿って複数配置されている。
駆動電極111a,111bには、可動電極108a,108bを駆動するための駆動電圧が、図示しない駆動電極配線を介して供給される。可動電極108a,108bとミラー109とトーションばね110a,110bとは、等電位とされる。ここで、等電位とは、例えば接地電位とすればよい。
ミラー109を回動させるには、駆動電極111a,111bに電圧を印加する。例えば駆動電極111aに電圧を印加すると、駆動電極111aと可動電極108aとの間に静電引力が発生し、図12(B)に示すように可動電極108aが、支持部107aによって固定されている一端を支点として撓み、可動電極108aの他端が基板105の側に引き寄せられるように変位する。この結果、ミラー109は、トーションばね110bを支点としてトーションばね110aの側が基板105の側に引き寄せられるようにして回動する。これは、x軸方向に平行な、ミラー109の中心を通る回動軸周りにミラー109が回動していることになる。
反対に、駆動電極111bに電圧を印加すると、駆動電極111bと可動電極108bとの間に静電引力が発生し、可動電極108bが、支持部107bによって固定されている一端を支点として撓み、可動電極108bの他端が基板105の側に引き寄せられるように変位する。この結果、ミラー109は、トーションばね110aを支点としてトーションばね110bの側が基板105の側に引き寄せられるようにして回動する。この回動動作は、駆動電極111aに電圧を印加する場合と反対の方向にミラー109を回動させることになる。以上のように、ミラー109を支持する2つの可動電極108a,108bの撓み量の差によって、ミラー109が回動し、ミラー109に照射された光の光路を変えることができる。
静電引力を用いてミラー109を回動させる方法は、低消費電力性や、作製容易性、長期信頼性などの点で優れていることから、MEMS技術を用いて作製するミラー装置104の駆動方法として広く採用されている。
波長選択スイッチなどに応用されるミラー装置104においては、ミラー109を高密度に配置することと、ミラー109の角度を高精度に制御することが要求される。例えば、波長選択スイッチの場合、取り扱う波長数に応じた数のミラー109を、波長と光学系によって定まる間隔で近接してアレイ状に配置することが必須となる。ミラー109の間隔としては、例えば100μm程度の間隔が必要とされる。また、例えばWDM光ネットワークにおいて発生する光信号間のパワーのばらつきを抑制するために、ミラー装置104には、入出力ポート間の光路を微調して光パワーを制御する機能が要求される。この機能を実現するためには、ミラー109の角度をmdegオーダの高い精度で制御することが必要となる。
特願2009−510845号公報
波長選択スイッチなどに用いるミラー装置104では、ミラー109を近接配置しなければならないことから、ミラー109を回動させる駆動電極111a,111bについても密に配置することが必要となる。この場合、図13に示すように、可動電極108a,108bは対向する駆動電極111a,111bとの間に生じる静電気力だけではなく、他のミラー109を駆動する駆動電極111a,111bからの静電気力の影響も受けるという電気干渉の問題が生じる。
電気干渉が生じると、ミラー109の回動状態は、他のミラー109の回動状態に依存して微小に変動してしまうため、高精度な制御を実現するためには電気干渉の抑制が課題となる。図13の構造例では、電極108a,108b,111a,111bの上部にGND電極112を配置することによって駆動電極間を伝搬する電界を遮蔽し、電気干渉を低減している。しかしながら、駆動電極間には隙間が存在しているため、一部の電気干渉は残存し、ミラー109の回動状態を高精度に制御することを妨げる要因となる。
電気干渉をさらに抑制するためには、例えば特許文献1で示されているように、隣接する駆動電極の間にも壁状の遮蔽構造物を形成する方法が考えられる。しかし、波長選択スイッチなどに用いるミラー装置の場合、高密度に配置された駆動電極間に遮蔽構造物を配置することは作製上困難である。また、遮蔽構造物を作製することができたとしても、遮蔽構造物を配置するために駆動電極111a,111bの面積を縮小することが必要となり、駆動力が低下してミラー109の回転角度が制限されたり、駆動電圧が高くなったりするという問題が発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、駆動電極間に遮蔽構造を配置することなく、ミラーの回動状態を、他のミラーの回動状態によらず高精度に制御することができるミラー装置および波長選択スイッチを提供することを目的とする。
本発明のミラー装置は、回動可能に支持された複数のミラーと、前記ミラーから離間してミラー毎に配置され静電引力により前記ミラーを回動させる駆動電極と、前記駆動電極に電圧を印加する駆動電圧印加手段と、前記ミラーの回動状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、補正対象のミラーを駆動する駆動電極以外の駆動電極に印加する駆動電圧を所定の基準電圧とした場合に前記補正対象のミラーが所望の回動状態となる基準駆動電圧情報を予め記憶するメモリと、前記補正対象のミラーが所望の回動状態となる基準駆動電圧値を前記基準駆動電圧情報に基づいて決定し、この基準駆動電圧値と補正電圧値から前記補正対象のミラーの駆動電圧値を算出する電圧演算手段とを備え、前記電圧演算手段は、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極と隣接し、他のミラーを駆動する隣接駆動電極に印加される駆動電圧値から、前記補正対象のミラーの所望の回動状態の変動を抑制する前記補正電圧値を算出する補正電圧演算手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例において、前記メモリは、補正対象のミラーを駆動する駆動電極毎および隣接駆動電極毎に補正係数を予め記憶し、前記補正電圧演算手段は、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極および前記隣接駆動電極に対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例において、前記メモリは、前記補正対象のミラーの回動状態毎に前記補正係数を予め記憶し、前記補正電圧演算手段は、前記補正対象のミラーの回動状態に対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例において、前記補正係数は、前記補正対象のミラーの駆動電極に印加される駆動電圧と前記補正対象のミラーの回動状態に基づいて予め決定され、前記メモリに記憶されることを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例において、前記補正係数は、前記補正対象のミラーの回動角の、前記隣接駆動電極に印加される電圧に対する変動感度と、前記補正対象のミラーの回転角の、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極に印加される基準駆動電圧に対する変動感度の逆数との積に−1を乗じた値である。
また、本発明のミラー装置の1構成例において、前記補正電圧演算手段は、前記隣接駆動電極毎に前記補正電圧値を算出し、この算出した電圧値の和を、前記補正対象のミラーの駆動電圧値の算出に用いる補正電圧値とすることを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例は、さらに、前記補正対象のミラーの周辺温度を検出する温度検出手段を備え、前記補正電圧演算手段は、前記隣接駆動電極に印加される駆動電圧値と前記温度検出手段で検出された温度とを用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例は、さらに、前記駆動電極が配置された基板を備え、この基板に、絶縁層を挟んで前記駆動電極と対向し、電気的に接地された第1のGND電極を備え、この第1のGND電極と反対の側に前記駆動電極と対向するように配置され、電気的に接地された第2のGND電極を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のミラー装置の1構成例は、さらに、前記ミラー毎に設けられ、一端が固定されて他端が前記ミラーの第1の辺に第1のトーションばねを介して接続された第1の可動電極と、前記ミラー毎に設けられ、一端が固定されて他端が前記第1の辺と対向する前記ミラーの第2の辺に第2のトーションばねを介して接続された第2の可動電極とを備え、前記駆動電極は、前記ミラー毎に設けられ、前記第1の可動電極と所定距離離間して対向配置された第1の駆動電極と、前記ミラー毎に設けられ、前記第2の可動電極と所定距離離間して対向配置された第2の駆動電極とからなり、前記第1の可動電極と前記第1のトーションばねと前記ミラーと前記第2のトーションばねと前記第2の可動電極とが整列する方向と垂直な方向に沿って前記複数のミラーが配置されることを特徴とするものである。
また、本発明の波長選択スイッチは、ミラー装置と、少なくとも1つの入力ポートと、少なくとも1つの出力ポートと、前記入力ポートから入った光を波長ごとに直線的に一点に集光する分散空間光学系とを備え、前記複数のミラーは、前記分散空間光学系の集光点上に配置され、前記メモリは、前記基準駆動電圧情報として、所望の入出力ポート間の光信号の損失が最小となるミラーの回動状態を実現する最適結合電圧情報と、光信号の所望の減衰率を実現する減衰率制御電圧情報とを記憶し、前記電圧演算手段は、前記最適結合電圧情報と前記減衰率制御電圧情報に基づいて所望の入出力ポートおよび所望の減衰率に対応する前記基準駆動電圧値を決定し、前記ミラーの回動を制御することで前記分散空間光学系から入射した光信号の向きを変え、この光信号を再び前記分散空間光学系を通して所望の出力ポートに出力し、かつ前記ミラーの回動を制御することで光信号の減衰率を調整することを特徴とするものである。
また、本発明の波長選択スイッチの1構成例において、前記補正係数は、前記補正対象のミラーが結合する出力ポートの光量の、前記隣接駆動電極に印加される電圧に対する変動感度と、前記補正対象のミラーが結合する出力ポートの光量の、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極に印加される基準駆動電圧に対する変動感度の逆数との積に−1を乗じた値である。
また、本発明の波長選択スイッチの1構成例において、前記メモリは、前記補正対象のミラーが結合する出力ポート毎に補正係数を予め記憶し、前記補正電圧演算手段は、前記補正対象のミラーが結合する出力ポートに対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の波長選択スイッチの1構成例において、前記メモリは、前記光信号の減衰率毎に補正係数を予め記憶し、前記補正電圧演算手段は、前記光信号の所望の減衰率に対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするものである。
本発明によれば、ミラー装置が、駆動電極に印加する電圧を調整してミラーの回動状態を制御する制御手段を備え、制御手段が、メモリと電圧演算手段と補正電圧演算手段とを備えるようにしたので、ミラーの配置密度を低下させる構造を付加することなく、補正対象のミラーの回動状態を、隣接するミラーの回動状態によらず高精度に制御することが可能となる。また、本発明では、補正電圧演算手段において、隣接駆動電極に印加される駆動電圧値から、補正対象のミラーの所望の回動状態の変動を抑制する補正電圧値を算出するようにしたので、多数のミラーと多数の駆動電極を備えたミラー装置において、補正電圧値を算出するための計算量と、計算に必要なメモリの量を大幅に削減することが可能となる。
また、本発明では、補正対象のミラーを駆動する駆動電極毎および隣接駆動電極毎に補正係数をメモリに記憶させ、補正電圧演算手段が、補正対象のミラーを駆動する駆動電極および隣接駆動電極に対応する補正係数をメモリから読み出し、隣接駆動電極に印加される電圧と基準電圧との差にメモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて補正電圧値を算出するようにしたことにより、補正電圧値を簡易な式で算出することが可能となり、計算量とメモリの量をさらに削減することが可能となる。
また、本発明では、補正対象のミラーの回動状態毎に補正係数をメモリに記憶させ、補正電圧演算手段が、補正対象のミラーの回動状態に対応する補正係数をメモリから読み出し、隣接駆動電極に印加される電圧と基準電圧との差にメモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて補正電圧値を算出するようにしたことにより、補正対象のミラーの回動状態が様々な場合において、隣接するミラーの回動状態の影響を小さく抑えることが可能となる。
また、本発明では、補正係数を、補正対象のミラーの回動角の、隣接駆動電極に印加される電圧に対する変動感度と、補正対象のミラーの回転角の、補正対象のミラーを駆動する駆動電極に印加される基準駆動電圧に対する変動感度の逆数との積に−1を乗じた値とすることにより、補正対象のミラーの回動状態が、隣接するミラーの回動状態に依存しないように、高精度に制御することが可能となる。
また、本発明では、補正電圧演算手段が、隣接駆動電極毎に補正電圧値を算出し、この算出した電圧値の和を、補正対象のミラーの駆動電圧値の算出に用いる補正電圧値とするようにしたことにより、補正対象のミラーの駆動電極が複数の隣接駆動電極と隣接する場合であっても、複雑な計算を行うことなく、補正電圧値を算出することが可能となる。
また、本発明では、補正対象のミラーの周辺温度を検出する温度検出手段を設け、補正電圧演算手段が、隣接駆動電極に印加される駆動電圧値と温度検出手段で検出された温度とを用いて補正電圧値を算出するようにしたことにより、温度が変化した場合であっても、補正対象のミラーの回動状態を、隣接するミラーの回動状態によらず高精度に制御することが可能となる。
また、本発明では、駆動電極が配置された基板に、絶縁層を挟んで駆動電極と対向し、電気的に接地された電極を設けることにより、簡易的に算出した補正電圧値の補正誤差を低減することが可能となる。
また、本発明では、波長選択スイッチに、メモリと電圧演算手段と補正電圧演算手段とを備えた制御手段を含むミラー装置を設けることにより、隣接するミラーの回動状態によらず、所望のポート結合と所望の減衰率を高精度に実現することが可能となる。
また、本発明では、補正対象のミラーが結合する出力ポート毎に補正係数をメモリに記憶させ、補正電圧演算手段が、補正対象のミラーが結合する出力ポートに対応する補正係数をメモリから読み出し、隣接駆動電極に印加される電圧と基準電圧との差にメモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて補正電圧値を算出するようにしたことにより、補正対象のミラーの結合ポート状態によらず、補正対象のミラーの回動状態が、隣接するミラーの回動状態に依存しないように高精度に制御することが可能となる。
また、本発明では、光信号の減衰率毎に補正係数をメモリに記憶させ、補正電圧演算手段が、光信号の所望の減衰率に対応する補正係数をメモリから読み出し、隣接駆動電極に印加される電圧と基準電圧との差にメモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて補正電圧値を算出するようにしたことにより、光信号の減衰率の状態によらず、補正対象のミラーの回動状態が、隣接するミラーの回動状態に依存しないように高精度に制御することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るミラー装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るミラー装置の平面図である。 制御対象の駆動電極の電圧に対する補正係数の依存性を説明するための図である。 補正を行わない場合における、隣接駆動電極の電圧とミラー装置の出力ポートの光量変化との関係を測定した結果を示す図である。 制御対象の駆動電極の電圧とミラー装置の出力ポートの光量変化の関係を測定した結果を示す図である。 補正係数の算出結果を示す図である。 補正を行った場合における、隣接駆動電極の電圧とミラー装置の出力ポートの光量変化との関係を測定した結果を示す図である。 出力ポートおよび光信号の減衰率と補正係数との関係を示す図である。 ミラーの周辺温度と補正係数との関係を示す図である。 従来の波長選択スイッチの構成例を示す図である。 従来の波長選択スイッチ用ミラー装置の構造を示す斜視図である。 従来の波長選択スイッチ用ミラー装置の構造を示す断面図である。 従来の波長選択スイッチ用ミラー装置の問題点を説明する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下の実施の形態においては、波長選択スイッチ用のミラー装置の具体例を示すが、本発明は以下に示す具体的な構成に限定されるものではない。図1は、本実施の形態に係るミラー装置104の構成例を示すブロック図である。本実施の形態においても、波長選択スイッチの構成は図10に示した構成と同様であり、ミラー装置104のミラーと電極部の構成は図11、図12(A)、図12(B)、図13に示した構成と同様であるので、図10、図11、図12(A)、図12(B)、図13の符号を用いて説明する。
本実施の形態では、複数のミラー装置104が1つの制御部113を共有する構成となっている。各ミラー装置104のミラー109の回動状態を制御する制御部113は、メモリ114と、電圧演算部115と、駆動電圧印加部117とを備えている。メモリ114には、入力ポート101と所望の出力ポート102との間の光信号の損失が最小となるミラー109の回動状態を実現する最適結合電圧情報と、光信号の所望の減衰率を実現する減衰率制御電圧情報と、補正電圧を算出するために用いる補正係数と、駆動電極111a,111bに印加する電圧の値を表す駆動電圧値情報とが記憶されている。最適結合電圧情報と減衰率制御電圧情報とをまとめて基準駆動電圧情報と呼ぶ。
制御部113の電圧演算部115は、ミラー109の回動状態を制御して所望の入出力ポート間を所望の減衰率で結合させるために、まず、メモリ114に記憶された最適結合電圧情報と、減衰率制御電圧情報とを用いて、各ミラー装置104のミラー109の駆動電極111a,111bに印加する補正前の基準駆動電圧V0を決定する。
ここで、最適結合電圧情報とは、制御対象以外のミラー109の駆動電極111a,111bに基準電圧Vbを印加した状態において、制御対象のミラー109の駆動電極111a,111bに印加する電圧Vを変化させた場合に、制御対象のミラー109を介した所望の入出力ポート間の結合状態が最適(光信号の損失が最小)となる電圧Vの情報を記憶したものである。また、減衰率制御電圧情報とは、制御対象以外のミラー109の駆動電極111a,111bに基準電圧Vbを印加した状態において、制御対象のミラー109の駆動電極111a,111bに印加する電圧Vを変化させた場合に、光信号の所望の減衰率が得られる電圧Vの情報を記憶したものである。
したがって、制御対象以外のミラー109の駆動電極111a,111bに印加する電圧が基準電圧Vbである場合には、最適結合電圧情報と減衰率制御電圧情報とを用いて算出した電圧Vを制御対象のミラー109の駆動電極111a,111bに印加することによって、所望の出力ポート102に所望の減衰率で入力光を結合させることができる。なお、複数の入出力ポートが存在する場合、最適結合電圧情報と減衰率制御電圧情報とは、入力ポート毎および出力ポート毎に値を持つようにすればよい。また、基準電圧Vbは任意に定めればよく、例えば、0Vや、最大駆動電圧の2分の1の値などに定めればよい。なお、基準電圧Vbは、駆動電極毎に異なる電圧値としても良い。
次に、制御部113の補正電圧演算部116は、制御対象以外のミラー109が基準電圧Vbとは異なる値になることによって生じる、制御対象のミラー109の回動状態の変動を抑制するように、補正電圧Vcの算出を行う。そして、算出した補正電圧Vcの値を補正前の基準駆動電圧V0に加えることによって、最終的な駆動電圧を確定させ、駆動電極111a,111bに対して電圧を印加する。
本実施の形態では、駆動電圧の値をメモリ114に記憶させ、その値を用いて、制御対象のミラー109の回動状態の変動を抑制するようにフィードフォワード制御する機構を設けたため、他のミラー109の回動状態によらず、制御対象のミラー109の回動状態を高精度に制御することが可能となっている。
ここで、補正電圧の算出にあたっては、効率的な算出方法を用いることが重要である。なぜなら、波長選択スイッチ等においては多数のミラー装置104が存在し、それぞれのミラー装置104のミラー109が個別に多様な回動状態を取りうるため、これら全てのミラー109の回動状態の情報を用いて補正電圧を算出しようとすると、メモリ114の膨大な容量と計算量が必要になってしまい、ハードウェアの大規模化や消費電力の増大を引き起こしたり、処理時間が増加したりして、多数のミラー109の回動状態を同時に制御することが困難になるためである。
以下、図2を参照して、効率的な補正電圧の算出方法を説明する。図2は、本実施の形態のミラー装置104のミラーと電極部の平面図である。ここでは、制御対象のミラー装置104と制御対象以外のミラー装置104とを区別するため、制御対象のミラー装置104は、可動電極108a−2,108b−2とミラー109−2と駆動電極111a−2,111b−2とを有するものとする。また、制御対象以外のミラー装置104としては、可動電極108a−1,108b−1とミラー109−1と駆動電極111a−1,111b−1とを有するものと、可動電極108a−3,108b−3とミラー109−3と駆動電極111a−3,111b−3とを有するものがあるとする。なお、図2においてはミラー109が1次元的に配列されているが、ミラー109と可動電極111a,111bを2次元的に配置するようにしても良い。
本実施の形態の構成例では、制御対象のミラー109−2を駆動する駆動電極111a−2,111b−2に対する補正電圧を、この制御対象の駆動電極111a−2,111b−2と隣接し、他のミラー109−1,109−3を駆動する駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に対する電圧を用いて補正する。
具体的には、図2において、制御対象のミラー109−2を駆動する駆動電極111a−2に印加する電圧は、隣接ミラー109−1を駆動する駆動電極111a−1に印加する電圧と、隣接ミラー109−3を駆動する駆動電極111a−3に印加する電圧を用いて算出する。また、制御対象のミラー109−2を駆動する駆動電極111b−2に印加する電圧は、隣接ミラー109−1を駆動する駆動電極111b−1に印加する電圧と、隣接ミラー109−3を駆動する駆動電極111b−3に印加する電圧を用いて算出する。
電気干渉の大きさは電極間距離の増加に伴い急激に減少することから、補正電圧を算出する際に影響を考慮する駆動電極を、制御対象の駆動電極111a−2,111b−2と隣接する駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に限定しても、高い精度で電気干渉を低減することができる。上記の算出方法を用いることによって、補正電圧を算出するために必要な計算量やメモリ114の量を大幅に削減することができる。本実施の形態では、ミラー109が1次元的に配列され、駆動電極111aが1次元的に配列され、駆動電極111bも1次元的に配列されていることから、1つの駆動電極111aと隣接する他の駆動電極111aは最大で2つであり、1つの駆動電極111bと隣接する他の駆動電極111bも最大で2つなので、計算量とメモリ114の量を特に効率的に削減することができる。
次に、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加する電圧から、制御対象のミラー109−2を駆動する駆動電極111a−2,111b−2に対する補正電圧を算出する方法について説明する。本実施の形態では、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加する電圧に、補正係数を乗じた値を用いて補正電圧を算出する。また、制御対象の駆動電極111a−2が複数の駆動電極111a−1,111a−3と隣接している場合、それぞれの隣接駆動電極111a−1,111a−3に印加する電圧から算出した補正電圧の和を、制御対象の駆動電極111a−2用の最終的な補正電圧とする。同様に、制御対象の駆動電極111b−2が複数の駆動電極111b−1,111b−3と隣接している場合、それぞれの隣接駆動電極111b−1,111b−3に印加する電圧から算出した補正電圧の和を、制御対象の駆動電極111b−2用の最終的な補正電圧とする。
具体的には、制御対象の駆動電極111a−2と隣接するk番目の隣接駆動電極111aに印加する電圧をV[k]、このk番目の隣接駆動電極111aの基準電圧をVb[k]、制御対象の駆動電極111a−2と隣接する隣接駆動電極の数をn、k番目の隣接駆動電極111aに対応する補正係数をa[k]としたとき、制御対象の駆動電極111a−2の補正電圧Vcは次式により求めることができる。
Figure 2013182029
すなわち、補正電圧演算部116は、制御対象の駆動電極111a−2と隣接する隣接駆動電極111aに印加する電圧V[k]と基準電圧Vb[k]との差にこの隣接駆動電極111aに対応する補正係数a[k]を乗じた電圧値を隣接駆動電極毎に計算し、隣接駆動電極毎に計算した電圧値の和を、制御対象の駆動電極111a−2の補正電圧Vcとすればよい。ここで、k番目の隣接駆動電極111aに対応する補正係数a[k]は、この隣接駆動電極111aに印加する電圧V[k]に依存しない係数である。補正係数a[k]および電圧V[k]の情報(駆動電圧値情報)は、メモリ114に記憶されている。以上のように、補正電圧Vcを隣接駆動電極111aに印加する電圧V[k]と基準電圧Vb[k]との差の線形和として算出することによって、補正電圧Vcを算出するために必要な計算量を大幅に削減することができる。
電圧演算部115は、式(1)により求めた補正電圧Vcの値に、駆動電極111a−2用に求めた補正前の基準駆動電圧V0を足した値を、制御対象の駆動電極111a−2に印加する駆動電圧の値とすればよい。電圧演算部115は、この駆動電極111a−2の駆動電圧の値を駆動電圧値情報としてメモリ114に記録する。
以上の説明では、制御対象の駆動電極111a−2,111b−2のうち一方の駆動電極111a−2の補正電圧Vcの求め方について説明したが、他方の駆動電極111b−2の補正電圧Vcについても同様に式(1)により計算することができる。すなわち、補正電圧演算部116は、制御対象の駆動電極111b−2と隣接する隣接駆動電極111bに印加する電圧V[k]とこの隣接駆動電極111bの基準電圧Vb[k]との差に隣接駆動電極111bに対応する補正係数a[k]を乗じた電圧値を隣接駆動電極毎に計算し、隣接駆動電極毎に計算した電圧値の和を、制御対象の駆動電極111b−2の補正電圧Vcとすればよい。そして、電圧演算部115は、計算した補正電圧Vcの値に、駆動電極111b−2用に求めた補正前の基準駆動電圧V0を足した値を、制御対象の駆動電極111b−2に印加する駆動電圧の値とすればよい。電圧演算部115は、この駆動電極111b−2の駆動電圧の値を駆動電圧値情報としてメモリ114に記録する。
駆動電圧印加部117は、電圧演算部115が制御対象の駆動電極111a−2用に計算した値の駆動電圧を発生させて、この駆動電圧を駆動電極111a−2に印加すると同時に、電圧演算部115が制御対象の駆動電極111b−2用に計算した値の駆動電圧を発生させて、この駆動電圧を駆動電極111b−2に印加する。このような電圧印加により、制御対象のミラー109−2は、x軸方向に平行な、ミラー109−2の中心を通る軸を回動軸として、駆動電圧に対応した回動状態まで回動する。また、駆動電圧印加部117は、他の隣接駆動電極111a,111bについても同様に、電圧演算部115が隣接駆動電極111a,111b用に決定した値の駆動電圧を発生させて、この駆動電圧を隣接駆動電極111a,111bに印加する。
ところで、一般に、静電引力は電圧の2乗に比例することが知られている。これは、静電引力が電荷と電界の積で与えられ、電荷と電界はいずれも電圧に比例する値だからである。一方、発明者らは、制御対象のミラー109−2と連結された可動電極108a−2,108b−2が、対向する駆動電極111a−2,111b−2に印加された電圧により駆動されている状態においては、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加された電圧により制御対象の可動電極108a−2,108b−2に発生する静電引力は、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加された電圧に比例することを見出した。
このような比例の理由は、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3により制御対象の可動電極108a−2,108b−2に誘起される電荷が、制御対象のミラー109−2を駆動する駆動電極111a−2,111b−2により誘起される電荷と比較して大幅に小さく、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加する電圧によって発生する静電引力が、制御対象のミラー109−2を駆動する駆動電極111a−2,111b−2により誘起される電荷と隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加する電圧によって発生する電界との積として近似的に表すことができるからである。
発明者らはさらに、上記のような比例が複数の隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に対しても線形に作用することを見出した。式(1)による計算は、ミラー109の回動状態を高精度に補正可能な補正電圧を簡易な算出式で求められるようにしたものである。
制御対象の可動電極108a−2,108b−2に生じる静電引力の大きさが隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加された電圧に比例する現象は、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3と制御対象の可動電極108a−2,108b−2との間の容量結合が、制御対象の駆動電極111a−2,111b−2と制御対象の可動電極108a−2,108b−2との間の容量結合よりも小さい状況において顕著となる。
図1に示した本実施の形態の構造では、駆動電極111a,111bの下方には絶縁層106を介してGND電極である基板105が存在し、駆動電極111a,111bの上方にはGND電極112が近接して配置されている。これらのGND電極105,112は、ミラー109や駆動電極111a,111bの配置密度を低下させることなく、隣接駆動電極111a,111bと制御対象の可動電極108a,108bとの間の容量結合を低減する効果があり、簡易に算出可能な補正電圧を用いて電気干渉を抑制するために適した構造となっている。
次に、補正係数a[k]の求め方について説明する。制御対象のミラー109−2を介して入力ポート101と結合した出力ポート102における光量Lが測定可能な場合、k番目の隣接駆動電極111aに対応する補正係数a[k]は、光量をL(単位はdB)、k番目の隣接駆動電極111aに印加する電圧をV[k]、制御対象の駆動電極111a−2に印加する補正前の基準駆動電圧をV0としたとき、次式により求めることができる。
Figure 2013182029
式(3)と式(1)を用いることによって、隣接駆動電極111aに印加する電圧による光量変動を相殺することが可能な補正電圧Vcを算出することができる。
また、制御対象のミラー109−2の角度θが測定可能な場合には、次式を用いてもよい。
Figure 2013182029
式(4)と式(1)を用いることによって、隣接駆動電極111aに印加する電圧による角度変動を相殺することが可能な補正電圧Vcを算出することができる。
以上の説明では、制御対象の駆動電極111a−2,111b−2のうち一方の駆動電極111a−2と隣接する隣接駆動電極111aに対応する補正係数a[k]の求め方について説明したが、他方の駆動電極111b−2と隣接する隣接駆動電極111bに対応する補正係数a[k]についても同様に計算することができる。すなわち、隣接駆動電極111bに対応する補正係数a[k]は、隣接駆動電極111bに印加する電圧V[k]、制御対象の駆動電極111b−2に印加する補正前の基準駆動電圧V0、制御対象のミラー109−2を介して入力ポート101と結合した出力ポート102における光量L、制御対象のミラー109−2の角度θを用いて、式(3)または式(4)により計算することができる。以上のようにして補正係数a[k]を、制御対象の駆動電極毎、隣接駆動電極毎、隣接駆動電極に印加する電圧毎および制御対象の駆動電極に印加する補正前の基準駆動電圧毎にあらかじめ計算し、計算した補正係数a[k]の値をメモリ114に登録しておけばよい。
式(3)におけるdL/dV[k]とdV0/dLの項や、式(4)におけるdθ/dV[k]とdV0/dθの項は、隣接駆動電極111a,111bの電圧に対する依存性は小さいが、制御対象のミラー109−2の回動状態や制御対象の駆動電極111a−2,111b−2の電圧に依存して変化する値である。このような依存性があるのは、図3(A)に示すように、制御対象の駆動電極111a−2の電圧V0が小さく、可動電極108a−2の変位が小さい場合には、隣接駆動電極111a−1,111a−3が発生する静電引力が可動電極108a−2を引き下げる方向に作用するのに対し、図3(B)に示すように、制御対象の駆動電極111a−2の電圧V0が大きく、可動電極108a−2の変位が大きい場合には、隣接駆動電極111a−1,111a−3が発生する静電引力が可動電極108a−2を引き上げる方向に作用するためである。
そこで、制御対象のミラー109−2の回動状態や制御対象の駆動電極111a−2,111b−2の電圧が様々な場合においても、制御対象のミラー109−2の回動状態が隣接するミラー109−1,109−3の回動状態に依存しないように制御するためには、補正係数a[k]を、制御対象のミラー109−2の回動状態や制御対象の駆動電極111a−2,111b−2の電圧の関数となるようにすればよい。
補正係数a[k]を制御対象のミラー109−2の駆動電圧の関数とする場合、制御対象の駆動電極111a−2,111b−2に印加する電圧を変えながら、隣接駆動電極111a−1,111b−1,111a−3,111b−3に印加する電圧を変化させ、制御対象のミラー109−2が結合する出力ポート102の光量Lもしくは制御対象のミラー109−2の角度θを測定することによって、式(3)もしくは式(4)から制御対象の駆動電極111a−2,111b−2に印加する補正前の基準駆動電圧毎に適切な補正係数a[k]を得ることができる。
このように隣接駆動電極に対応する補正係数a[k]は、制御対象の駆動電極毎、隣接駆動電極毎、隣接駆動電極に印加する電圧毎および制御対象の駆動電極に印加する補正前の基準駆動電圧毎にメモリ114に記憶されている。補正電圧演算部116は、制御対象の駆動電極と隣接駆動電極と隣接駆動電極に印加する電圧V[k]と制御対象の駆動電極に印加する補正前の基準駆動電圧V0とに対応する、隣接駆動電極の補正係数a[k]の値をメモリ114から取得することにより、制御対象の駆動電極の補正電圧Vcを式(1)により算出することができる。
また、制御対象の駆動電極に印加する補正前の基準駆動電圧V0と、隣接駆動電極に対応する補正係数a[k]との関係を近似式で表現し、この近似式をメモリ114に登録するようにしてもよい。この場合、補正電圧演算部116は、制御対象の駆動電極とこの制御対象の駆動電極に印加する補正前の基準駆動電圧V0と隣接駆動電極とに対応する補正係数a[k]の値を近似式により算出すればよい。
本実施の形態の補正方法の有効性を確認するため、実際のミラー装置を用いて測定を行った結果を図4〜図7に示す。図4は、補正を行わない場合について、制御対象のミラーを介して入力ポートと結合している出力ポートの光量Lを、隣接駆動電極の電圧を変化させながら測定した結果を示す図である。ここでは、制御対象の駆動電極の電圧が60V、80V、120Vの3つの場合について測定を行っている。
図4の測定においては、隣接駆動電極の基準電圧Vbを約110Vとしており、この基準電圧Vbにおける出力ポートの光量Lを0dBとして縦軸の光量を正規化している。本測定結果では、隣接駆動電極の電圧が0〜200Vまで変化すると、出力ポートの光量Lは最大で1.5dB程度変動していることが分かる。隣接駆動電極の電圧の変化に対して出力ポートの光量Lは線形に変化しているため、制御対象の駆動電極の電圧毎に線形近似した直線の傾きを求めることによって、式(3)におけるdL/dV[k]の項を得ることができる。
図5は、制御対象の駆動電極に印加する電圧を微小量変化させたときの、出力ポートの光量変化を測定した結果を示す図である。ここでは、制御対象の駆動電極の電圧の中心値(図5の横軸の0V)が60V、80V、120Vの3つの場合について測定を行っている。制御対象の駆動電極の電圧の変化は1V以下と小さいため、出力ポートの光量Lは、制御対象の駆動電極の電圧の変化に対して線形に変化している。制御対象の駆動電極の電圧毎に線形近似した直線の傾きの逆数を求めることによって、式(3)におけるdV0/dLの項を得ることができる。
図6は、図4及び図5に示した測定結果から得たdL/dV[k]とdV0/dLを用いて、制御対象の駆動電極の電圧毎に式(3)により補正係数a[k]を求めた結果を示す図である。なお、本実施の形態では制御対象の駆動電極の電圧が3つの場合についての測定結果を示したが、より高精度な制御を行うためには、さらに多数の電圧条件に対して補正係数a[k]を得るようにするとよい。測定した電圧以外の値に対する補正係数a[k]を得るためには、使用電圧範囲を複数の区間に分割し、区間ごとに補正係数a[k]を切り替えたり、補正係数a[k]と制御対象の駆動電極の電圧との関係を近似式で表し、この近似式を用いて、制御対象の駆動電極の電圧から補正係数a[k]を算出したりすればよい。
図7は、補正を行った場合について、制御対象のミラーを介して入力ポートと結合している出力ポートの光量Lを、隣接駆動電極の電圧を変化させながら測定した結果を示す図である。ここでは、制御対象の駆動電極の補正前の基準駆動電圧が60V、80V、120Vの3つの場合について測定を行っている。補正は、図6に示した補正係数と式(1)を用いて行った。補正を行うことによって、制御対象の駆動電極や隣接駆動電極の電圧が変化した場合であっても光量変動が0.2dB以下に抑制されており、本実施の形態が大きな効果を有することが実証されている。
前述の例では、補正係数a[k]を駆動電圧の関数とする方法について説明したが、次に、補正係数a[k]をミラー109の回動状態の関数とする場合について説明する。
ミラー109の回動状態を表す情報としては、具体的には、ミラー109の角度や変位量が挙げられる。ミラー装置104において、これらの量を検出可能な機構を設け、前述の例と同様にして、検出したミラー109の角度または変位量に応じて補正係数a[k]を変えることにより、ミラー109の回動状態が様々な場合においても、制御対象のミラー109の回動状態が隣接するミラー109の回動状態に依存しないように制御することができる。
ミラー109の角度や変位量を検出する機構としては、レーザー等を利用する機構や、静電容量や渦電流を利用する機構、可動部に圧電素子を組み込んで抵抗変化や発生電圧を検出する機構など、公知の様々な方法に基づく機構を利用することができる。ミラー109の回動状態を把握する方法としては、上記の直接的な方法に加え、間接的な方法も有効である。具体的には、波長選択スイッチの場合を例にとると、制御対象のミラー109の回動状態は、制御対象のミラー109が結合している出力ポート102の番号と、この出力ポート102に入射する光信号の減衰率から把握することができる。
ミラー109の回動状態を間接的に把握する方法を図10を用いて具体的に説明する。図10において、各ミラー装置104のミラー109に入射した光信号は、ミラー109の角度に応じた方向に反射され、出力ポート102に結合する。ミラー109の角度を変えると、結合する出力ポート102が変わる。また、ミラー109の角度を微小に変えると、結合している出力ポート102との結合率が変わるため、光信号の減衰率が変わる。したがって、ミラー109が結合している出力ポート102の番号と光信号の減衰率とは、ミラー109の回動状態を間接的に表すパラメータである。
波長選択スイッチでは、各ミラー109が結合している出力ポート102の番号や光信号の減衰率の情報が把握されているため、補正係数a[k]を、ポート番号と減衰率の関数とすることによって、ミラー109の回動状態が様々な場合においても、制御対象のミラー109の回動状態が隣接するミラー109の回動状態に依存しないように制御することができる。
図8に、出力ポート102および光信号の減衰率と補正係数a[k]との関係の1例を示す。図8における80−1,80−2,80−mはそれぞれ出力ポート102−1,102−2,102−mに対応する特性を示している。補正係数a[k]を制御対象のミラー109の駆動電圧の関数とする場合と同様にして、制御対象のミラー109が結合する出力ポート102と光信号の減衰率とを変えながら隣接駆動電極に印加する電圧を変化させ、制御対象のミラー109が結合する出力ポート102の光量Lもしくは制御対象のミラー109の角度θを測定することによって、式(3)もしくは式(4)から制御対象のミラー109の回動状態毎に適切な補正係数a[k]を得ることができる。
このように隣接駆動電極に対応する補正係数a[k]は、制御対象の駆動電極毎、隣接駆動電極毎、隣接駆動電極に印加する電圧毎、制御対象のミラーが結合する出力ポート毎および制御対象のミラーが結合する出力ポートに入射する光信号の減衰率毎にメモリ114に記憶されている。補正電圧演算部116は、制御対象の駆動電極と隣接駆動電極と隣接駆動電極に印加する電圧V[k]と制御対象のミラーが結合する出力ポートとこの出力ポートに入射する光信号の減衰率とに対応する、隣接駆動電極に対応する補正係数a[k]の値をメモリ114から取得することにより、制御対象の駆動電極の補正電圧Vcを式(1)により算出することができる。
なお、様々な光信号の減衰率の値に対して適切な補正係数a[k]を得るためには、使用する減衰率の範囲を複数の区間に分割し、区間ごとに補正係数a[k]を切り替えたり、補正係数a[k]と光信号の減衰率との関係を近似式で表し、この近似式を用いて、制御対象のミラーが結合する出力ポートに入射する光信号の減衰率から補正係数a[k]を算出したりすればよい。
ところで、ミラー109を広い温度範囲に渡って使用する場合、ミラー109を構成する部材の熱膨張係数差などによって、ミラー109の形状が微小に変形する場合がある。ミラー109が変形すると、隣接駆動電極から受ける干渉の大きさが微小量変化するため、広い温度範囲に渡ってミラー109を使用する場合には、使用温度条件に応じて補正係数a[k]の値を変えることが望ましい。
使用温度条件に応じて補正係数a[k]の値を変えるためには、ミラー109の周辺の温度を検出する温度検出部を設け、補正係数a[k]を温度の関数とすればよい。図9に、ミラー109の周辺温度と補正係数a[k]との関係の1例を示す。制御対象のミラー109の周辺温度を変えながら隣接駆動電極に印加する電圧を変化させ、制御対象のミラー109が結合する出力ポート102の光量Lもしくは制御対象のミラー109の角度θを測定することによって、式(3)もしくは式(4)から制御対象のミラー109の周辺温度毎に適切な補正係数a[k]を得ることができる。
この場合、隣接駆動電極に対応する補正係数a[k]は、制御対象の駆動電極毎、隣接駆動電極毎、隣接駆動電極に印加する電圧毎、制御対象のミラーの周辺温度毎にメモリ114に記憶されている。補正電圧演算部116は、制御対象の駆動電極と隣接駆動電極と隣接駆動電極に印加する電圧V[k]と温度検出部が検出したミラーの周辺温度とに対応する、隣接駆動電極に対応する補正係数a[k]の値をメモリ114から取得することにより、制御対象の駆動電極の補正電圧Vcを式(1)により算出することができる。
様々な温度に対して適切な補正係数a[k]を得るためには、使用する温度範囲を複数の区間に分割し、区間ごとに補正係数a[k]を切り替えたり、補正係数a[k]と温度との関係を近似式で表し、この近似式を用いて、ミラーの周辺温度から補正係数a[k]を算出したりすればよい。
なお、波長選択スイッチの初期状態においては、予め初期状態用に設定されている基準駆動電圧情報に基づいて各ミラー装置104の駆動電極111a,111bに初期状態用の基準駆動電圧を印加すればよい。そして、制御対象のミラー109を駆動する駆動電極111a,111bについては、上記のとおり駆動電圧の補正を行えばよい。
本発明は、波長選択スイッチなどに適用することができる。
101…入力ポート、102…出力ポート、103…分散空間光学系、104…ミラー109装置、105…基板、106…絶縁層、107a,107b…支持部、108a,108b…可動電極、109…ミラー、110a,110b…トーションばね、111a,111b…駆動電極、112…GND電極、113…制御部、114…メモリ、115…電圧演算部、116…補正電圧演算部、117…駆動電圧印加部。

Claims (13)

  1. 回動可能に支持された複数のミラーと、
    前記ミラーから離間してミラー毎に配置され静電引力により前記ミラーを回動させる駆動電極と、
    前記駆動電極に電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
    前記ミラーの回動状態を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    補正対象のミラーを駆動する駆動電極以外の駆動電極に印加する駆動電圧を所定の基準電圧とした場合に前記補正対象のミラーが所望の回動状態となる基準駆動電圧情報を予め記憶するメモリと、
    前記補正対象のミラーが所望の回動状態となる基準駆動電圧値を前記基準駆動電圧情報に基づいて決定し、この基準駆動電圧値と補正電圧値から前記補正対象のミラーの駆動電圧値を算出する電圧演算手段とを備え、
    前記電圧演算手段は、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極と隣接し、他のミラーを駆動する隣接駆動電極に印加される駆動電圧値から、前記補正対象のミラーの所望の回動状態の変動を抑制する前記補正電圧値を算出する補正電圧演算手段を備えることを特徴とするミラー装置。
  2. 請求項1に記載のミラー装置において、
    前記メモリは、補正対象のミラーを駆動する駆動電極毎および隣接駆動電極毎に補正係数を予め記憶し、
    前記補正電圧演算手段は、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極および前記隣接駆動電極に対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするミラー装置。
  3. 請求項2に記載のミラー装置において、
    前記メモリは、前記補正対象のミラーの回動状態毎に前記補正係数を予め記憶し、
    前記補正電圧演算手段は、前記補正対象のミラーの回動状態に対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするミラー装置。
  4. 請求項2または3に記載のミラー装置において、
    前記補正係数は、前記補正対象のミラーの駆動電極に印加される駆動電圧と前記補正対象のミラーの回動状態に基づいて予め決定され、前記メモリに記憶されることを特徴とするミラー装置。
  5. 請求項4に記載のミラー装置において、
    前記補正係数は、前記補正対象のミラーの回動角の、前記隣接駆動電極に印加される電圧に対する変動感度と、前記補正対象のミラーの回転角の、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極に印加される基準駆動電圧に対する変動感度の逆数との積に−1を乗じた値であることを特徴とするミラー装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のミラー装置において、
    前記補正電圧演算手段は、前記隣接駆動電極毎に前記補正電圧値を算出し、この算出した電圧値の和を、前記補正対象のミラーの駆動電圧値の算出に用いる補正電圧値とすることを特徴とするミラー装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のミラー装置において、
    さらに、前記補正対象のミラーの周辺温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記補正電圧演算手段は、前記隣接駆動電極に印加される駆動電圧値と前記温度検出手段で検出された温度とを用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とするミラー装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のミラー装置において、
    さらに、前記駆動電極が配置された基板を備え、
    この基板に、絶縁層を挟んで前記駆動電極と対向し、電気的に接地された第1のGND電極を備え、
    この第1のGND電極と反対の側に前記駆動電極と対向するように配置され、電気的に接地された第2のGND電極を備えることを特徴とするミラー装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のミラー装置において、
    さらに、前記ミラー毎に設けられ、一端が固定されて他端が前記ミラーの第1の辺に第1のトーションばねを介して接続された第1の可動電極と、
    前記ミラー毎に設けられ、一端が固定されて他端が前記第1の辺と対向する前記ミラーの第2の辺に第2のトーションばねを介して接続された第2の可動電極とを備え、
    前記駆動電極は、前記ミラー毎に設けられ、前記第1の可動電極と所定距離離間して対向配置された第1の駆動電極と、前記ミラー毎に設けられ、前記第2の可動電極と所定距離離間して対向配置された第2の駆動電極とからなり、
    前記第1の可動電極と前記第1のトーションばねと前記ミラーと前記第2のトーションばねと前記第2の可動電極とが整列する方向と垂直な方向に沿って前記複数のミラーが配置されることを特徴とするミラー装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のミラー装置と、
    少なくとも1つの入力ポートと、
    少なくとも1つの出力ポートと、
    前記入力ポートから入った光を波長ごとに直線的に一点に集光する分散空間光学系とを備え、
    前記複数のミラーは、前記分散空間光学系の集光点上に配置され、
    前記メモリは、前記基準駆動電圧情報として、所望の入出力ポート間の光信号の損失が最小となるミラーの回動状態を実現する最適結合電圧情報と、光信号の所望の減衰率を実現する減衰率制御電圧情報とを記憶し、
    前記電圧演算手段は、前記最適結合電圧情報と前記減衰率制御電圧情報に基づいて所望の入出力ポートおよび所望の減衰率に対応する前記基準駆動電圧値を決定し、
    前記ミラーの回動を制御することで前記分散空間光学系から入射した光信号の向きを変え、この光信号を再び前記分散空間光学系を通して所望の出力ポートに出力し、かつ前記ミラーの回動を制御することで光信号の減衰率を調整することを特徴とする波長選択スイッチ。
  11. 請求項10に記載の波長選択スイッチにおいて、
    前記補正係数は、前記補正対象のミラーが結合する出力ポートの光量の、前記隣接駆動電極に印加される電圧に対する変動感度と、前記補正対象のミラーが結合する出力ポートの光量の、前記補正対象のミラーを駆動する駆動電極に印加される基準駆動電圧に対する変動感度の逆数との積に−1を乗じた値であることを特徴とする波長選択スイッチ。
  12. 請求項10または11に記載の波長選択スイッチにおいて、
    前記メモリは、前記補正対象のミラーが結合する出力ポート毎に補正係数を予め記憶し、
    前記補正電圧演算手段は、前記補正対象のミラーが結合する出力ポートに対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とする波長選択スイッチ。
  13. 請求項10または11に記載の波長選択スイッチにおいて、
    前記メモリは、前記光信号の減衰率毎に補正係数を予め記憶し、
    前記補正電圧演算手段は、前記光信号の所望の減衰率に対応する補正係数を前記メモリから読み出し、前記隣接駆動電極に印加される電圧と前記基準電圧との差に前記メモリから読み出した補正係数を乗じた値を用いて前記補正電圧値を算出することを特徴とする波長選択スイッチ。
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