JP5485973B2 - Memsミラー装置の制御方法およびmemsミラー装置 - Google Patents

Memsミラー装置の制御方法およびmemsミラー装置 Download PDF

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Description

本発明は、通信用光伝送装置、波長ルーティング装置などに使用され、光路の切替えができる波長選択スイッチ等の光スイッチに用いられる、二軸回動可能なMEMSミラー装置の制御方法に関するものである。
近年の光通信では、光信号を電気信号に変換することなく、光のままで通信先に送ることにより、通信速度を落とさない高速通信を実現している。また、一つの波長に一つの光信号を対応させて波長多重するWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術により、一本の光ファイバを使って大容量の光伝送が行えるようになっている。このような光通信技術の発展に伴い、光信号のままで経路を切り替える光スイッチの役割が重要性を増している。
光通信ネットワークの大規模化に伴って、光信号の波長数も増え、数十もの波長から任意の波長を選択して複数の出力ファイバのどれかから出力する波長選択スイッチの小型化、高機能化が進んでいる。このような高機能な波長選択スイッチをコンパクトに実現できる技術として、MEMSマイクロミラーを用いた空間光学系光スイッチが注目されている。
空間光学系光スイッチは、光ファイバのほかにレンズやミラーなどの空間光学部品から構成され、3次元的に配置することができるので、空間利用効率の高い大規模スイッチを構成できる。空間光学系光スイッチで利用される可動素子としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術で作成された二軸可動ミラーアレー(例えば、特許文献1参照)がよく用いられる。MEMS可動ミラーアレーは、光路の切り替えを実現する可動軸の他に、可動軸と直交するもう一つの回動軸を有しており、光信号を別のポートに切り替える際に、この直交する回動軸方向にミラーを回動させることで、途中に存在するポートを光信号が横切らないヒットレス動作が実現できる。MEMSミラーを使った波長選択スイッチの場合、切替時間は数十msecと短いが、信号速度が10Gbpsを越えているため、msecオーダの短い時間でも大量の情報が伝達されており、また、混線した同じ波長の異なる信号を光レベルで分離するのは困難なので、ヒットレス動作は波長選択スイッチに欠かせない機能となっている。
二軸回動が可能なミラーを使った光スイッチのヒットレス動作について、図14を用いて説明する。図14(A)は1×N光スイッチの構造を示す図である。ここでは、光スイッチから分散光学系を省略して、可動ミラーで5つのポートを選択する構成を描いている。100は共通ポート、101はミラー、102−1〜102−5は出力ポートである。また、θxはミラー101の主軸(x軸)周りの回動角度、θyはミラー101の副軸(y軸)周りの回動角度である。図15に示すように、図14(A)の構成に分散光学系103を加えれば、波長選択スイッチになる。
1つの共通ポート100から入力された光信号は、複数の出力ポート102−1〜102−5のどれかに出力される。例えば、出力ポート102−1から102−5に経路をスイッチする場合のヒットレス動作について図14(B)〜図14(E)を用いて説明する。
まず、図14(B)の状態では、共通ポート100と出力ポート102−1とが結合状態にある。つまり、共通ポート100からの光信号がミラー101によって反射され出力ポート102−1に入射している。このまま、ミラー101を主軸(x軸)周りに回動させて、共通ポート100と出力ポート102−5とを結合させてしまうと、ミラー101を回動させている間に、出力ポート102−1と102−5との間の出力ポート102−2〜102−4にも、一瞬だが、光信号が入射して、光結合してしまう。
そこで、図14(C)に示すように、出力ポート102−1に結合した状態から副軸(y軸)周りにミラー101を回動させて、出力ポート102−1〜102−5が並んだ列(y軸と平行な列)から光線を大きくずらす。この状態から、図14(D)に示すように出力ポート102−5と結合する角度までミラー101を主軸周りに回動させて、さらに図14(E)に示すように出力ポート102−5との結合位置までミラー101を副軸周りに回動させることにより、途中の出力ポートを横切らないヒットレス動作が可能になる。
上述のヒットレス動作について、出力ポート配置上のヒットレス経路を図16に示す。図16において、黒点および黒太線104はミラー101からの反射光が通る軌跡を示し、Bは図14(B)の状態、Cは図14(C)の状態、Dは図14(D)の状態、Eは図14(E)の状態を示している。図16から分かるように、一度、出力ポート102−1〜102−5が並んだ列から光線を外すためにミラー101を副軸周りに回動させ(B→C)、目的の出力ポート102−5と結合する角度までミラー101を主軸周りに回動させ(C→D)、出力ポート102−5と結合するようにミラー101を副軸周りに回動させる(D→E)。
出力ポートの中心に光線が入射しているときに、その出力ポートの光損失が最も小さくなり、出力ポートの中心から主軸方向、副軸方向のどちらかに光線がずれても最適結合状態からずれるため、出力ポートの光損失が大きくなる。このような光損失特性をミラー101の回動角度空間であるθx−θy平面上の光損失等高線(損失プロファイル)で示したのが図17である。200−1〜200−5は、それぞれ出力ポート102−1〜102−5の損失プロファイルである。主軸周りの回動角度θx方向には出力ポート数分の結合点があるので、各出力ポート102−1〜102−5の光損失等高線の集まりである同心楕円が回動角度θx方向に沿って5個並んでいる。各同心楕円は、楕円の中心に向かうほど、対応する出力ポートの光損失が小さくなることを表している。また、各同心楕円の中心座標は、対応する出力ポートの光損失が最小となる回動角度θx,θyを表している。
この図17におけるヒットレス経路は、出力ポート102−2〜102−4の損失プロファイル200−2〜200−4を避けるように、損失プロファイルが並んだ列から外れ(B→C)、次に損失プロファイルが並んだ列に沿って損失プロファイル200−5の位置まで移動し(C→D)、最後に損失プロファイル200−5の中心(出力ポート102−5の最適結合状態)に移動する(D→E)という軌跡となる。
図14、図16、図17は、どれもヒットレス経路について説明したものだが、本発明では、図17で示した損失プロファイルを使って説明するのが、最も発明の理由や効果を説明しやすいので、以降、損失プロファイルを使って説明する。
図18はミラー101を回動させるMEMSミラー装置の構造を示す斜視図、図19(A)はMEMSミラー装置の可動部の構造を示す平面図、図19(B)はMEMSミラー装置の電極の構造を示す平面図である。光を反射する平面視略長方形のミラー101の一方の短辺は、接続ばね105−1を介して可動片持ち梁106−1の一端に接続されている。可動片持ち梁106−1の他端は、アンカー108−1に固定されている。また、ミラー101の他方の短辺は、2つの接続ばね105−2,105−3を介して2つの可動片持ち梁106−2,106−3の一端に接続されている。可動片持ち梁106−2,106−3の他端は、アンカー108−2に固定されている。ミラー101と接続ばね105−1〜105−3と可動片持ち梁106−1〜106−3とは、例えばシリコンプロセスにより一体形成される。
ミラー101と接続ばね105−1〜105−3と可動片持ち梁106−1〜106−3とからなる可動部に対して、この可動部と対向する図示しない基板上には、可動片持ち梁106−1と対向するように固定電極107−1が配置され、可動片持ち梁106−2と対向するように固定電極107−2が配置され、可動片持ち梁106−3と対向するように固定電極107−3が配置されている。このMEMSミラー装置は、静電力とばねの復元力とのつり合いを使って、二つの回動軸に対して、それぞれ所望の回動角度にミラー101を回動させることが可能な装置である。主軸周り、副軸周りの二軸回動が可能でありながら、主軸周りの回動と副軸周りの回動を3個の固定電極で実現しており、それぞれの回動軸に2個の電極を使い、ミラー当たり合計で4個の電極を使う場合と比べて、少ない固定電極で動作させることが可能である。
図20(A)〜図20(C)を用いてMEMSミラー装置の動作を説明する。図20(A)〜図20(C)において、V1〜V3は固定電極107−1〜107−3に印加される電圧である。図20(A)に示すように、ミラー101を主軸周りにも副軸周りにも回動させていない状態(θx=θy=0)では、全ての固定電極107−1〜107−3に一定のバイアス電圧Vbを印加しておく。
ミラー101を主軸周りに回動させる場合は、可動片持ち梁106−1と対向する固定電極107−1に印加する電圧V1をVb−Vxにし、可動片持ち梁106−2,106−3と対向する固定電極107−2,107−3に印加する電圧V2,V3を共にVb+Vxにする(図20(B))。このような電圧印加により、可動片持ち梁106−1側では、可動片持ち梁106−1を固定電極107−1に引き付ける静電力が減るので、可動片持ち梁106−1の復元力によってミラー101が上へ持ち上がる。一方、可動片持ち梁106−2,106−3側では、可動片持ち梁106−2,106−3を固定電極107−2,107−3に引き付ける静電力が増えるので、ミラー101が下がる。この結果、ミラー101は主軸周りに回動する。ミラー101を反対方向に回動させたい場合は、V1=Vb+Vx,V2=V3=Vb−Vxとすればよい。Vxの値を変えることで、ミラー101の主軸周りの回動を制御できることから、Vxは電圧を単位とする主軸の制御変数と言える。
ミラー101を副軸周りに回動させる場合は、可動片持ち梁106−1と対向する固定電極107−1に印加する電圧V1をVbのままにして、可動片持ち梁106−2,106−3と対向する固定電極107−2,107−3に印加する電圧V2,V3を、V2=Vb+Vy,V3=Vb−Vyとする(図20(C))。このような電圧印加により、可動片持ち梁106−2側では、可動片持ち梁106−2を固定電極107−2に引き付ける静電力が増えるので、ミラー101が下がり、可動片持ち梁106−3側では、可動片持ち梁106−3を固定電極107−3に引き付ける静電力が減るので、ミラー101が上がる。この結果、ミラー101は副軸回りに回動する。ミラー101を反対方向に回動させたい場合は、V2=Vb−Vy,V3=Vb+Vyとすればよい。Vyの値を変えることで副軸周りの回動を制御できることから、Vyは電圧を単位とする副軸の制御変数と言える。
主軸周りの任意の回動角度および副軸周りの任意の回動角度を実現するには、主軸制御と副軸制御を組み合わせて、所望の主軸周りの回動角度に応じた電圧Vx、所望の副軸周りの回動角度に応じた電圧Vyを使って、電極電圧V1,V2,V3を以下のように設定すればよい。
V1=Vb−Vx ・・・(1)
V2=Vb+Vx+Vy ・・・(2)
V3=Vb+Vx−Vy ・・・(3)
図18、図19(A)、図19(B)に示したMEMSミラー装置の特徴として、3電極構造以外に、高密度にミラー101を並べることが可能なことが挙げられる。図21(A)、図21(B)を使って高密度にミラー101を並べる方法について説明する。図21(A)はミラー101を単純に並べた場合を示す平面図である。この場合は、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3がミラー101の間隔を決定してしまい、ミラー101を高密度に並べることはできない。
図21(B)はミラー101の向きを交互に変えて並べた場合を示す平面図である。ここでは、左端から数えて奇数番目のミラーでは可動片持ち梁106−2,106−3が図21(B)の下側になるようにし、偶数番目のミラーでは可動片持ち梁106−2,106−3が図21(B)の上側になるようにして、ミラー101の向きを交互に変えることで高密度にミラー101を並べている。ミラー101を高密度に並べることは、波長選択スイッチの場合、フィルファクタが大きくなることを意味するので、透過帯域の拡大につながり重要である。
ミラー101を高密度に並べると、隣接するミラー101からの静電干渉が問題になりやすいが、図22(A)で示すように、固定電極107−1〜107−3を平板電極からU字型電極に変えたり、可動片持ち梁106−1〜106−3の上部に電気力線を隣に回り込ませないためのGNDキャップ109−1〜109−3を設けたりすることで、静電干渉を減らす技術が既に確立されている(非特許文献1参照)。図22(B)は、図22(A)の可動片持ち梁106−1、固定電極107−1およびGNDキャップ109−1の部分の断面図である。
図23(A)に示すようにU字型の固定電極107とGNDキャップ109とを追加して隣接干渉を小さくした場合の可動片持ち梁106の電圧−変位特性を図23(B)に示す。図23(A)において、115は基板である。アンカー108は、可動片持ち梁106の一端を固定している。固定電極107およびアンカー108は、基板115上に形成されている。
U字型の固定電極107に電圧Vを印加すると、始めは通常の平板電極の場合と同様に、電圧Vに対して可動片持ち梁106の変位dは二次関数状に増加していく。しかし、ある程度変位dが大きくなると、U字型の固定電極107の壁面からの静電力により、電圧Vに対して変位dが直線的な変化に変わる。印加電圧Vをどれくらい増加させると二次関数状の変化から直線的な変化に変わるのかは、固定電極107の壁面の高さなどに依存するため、一概に決定できない。しかし、印加電圧Vと変位dとの関係は、Vが小さい領域ではほぼ二次関数、Vが大きい領域ではほぼ一次関数になると言える。
特開2003−57575公報
碓氷光男 他,"波長選択スイッチ(WSS)用MEMSミラーアレイモジュールの実装技術",27th センサ・マイクロマシン応用システム・シンポジウム C4−4,2010年10月14日
従来のMEMSミラー装置では、電圧平面上の損失プロファイルに大きな歪があるために、ヒットレス経路を設定しにくいという問題点があり、またミラーをアレー状に並べたときの奇数番目のミラーと偶数番目のミラーで損失プロファイルが大きく異なるために、ミラーの偶奇別にヒットレス経路に関するパラメータを定めなければならないという問題点があった。
以下、従来の問題点について具体的に説明する。図17に示した損失プロファイルを、電圧平面Vx−Vy上で表した損失プロファイルを図24に示す。この図24は、図21(B)の左端から奇数番目のミラーの損失プロファイルを示している。300−1〜300−5は、それぞれ出力ポート102−1〜102−5の損失プロファイルである。図17の場合と同様に、各同心楕円は、楕円の中心に向かうほど、対応する出力ポートの光損失が小さくなることを表している。また、各同心楕円の中心座標は、対応する出力ポートの光損失が最小となる電圧Vx,Vyを表している。
この図24から分かるように、制御変数である電圧Vx,Vyの平面上では、各出力ポート102−1〜102−5の損失プロファイル300−1〜300−5の形状は揃っていない。出力ポート102−1の損失プロファイル300−1は大きく、しかも歪んでおり、出力ポート102−5の損失プロファイル300−5は小さい。このように損失プロファイル300−1〜300−5の形状が揃わない理由は、出力ポート102−5に結合する場合、可動片持ち梁106−2,106−3が固定電極107−2,107−3に近づき、図23(B)のV−dの関係で言えば、一次関数領域にあって、固定電極107−2,107−3への印加電圧に対する可動片持ち梁106−2,106−3の変位の変化量が大きいために、固定電極107−2,107−3に電圧を加えると可動片持ち梁106−2,106−3の変位も大きく変わるのに対して、出力ポート102−1に結合する場合、可動片持ち梁106−2,106−3が固定電極107−2,107−3から遠ざかり、図23(B)のV−dの関係で言えば、二次関数領域にあって、固定電極107−2,107−3への印加電圧に対する可動片持ち梁106−2,106−3の変位の変化量が小さいため、固定電極107−2,107−3に電圧を加えても可動片持ち梁106−2,106−3の変位があまり変わらないためである。
つまり、副軸電圧Vyに対する副軸周りの回動角度θyの感度は、出力ポートもしくは主軸電圧Vxに依存するため、電圧平面上では、均等な損失プロファイルが並んだ形にならない。固定電極と可動片持ち梁の対の配置が主軸に対して非対称であるため、損失プロファイルがVy軸に対して非対称となる。一方、副軸に対しては、固定電極と可動片持ち梁の対の配置は対称であり、損失プロファイルはVx軸に対して対称である。
このような損失プロファイルの形状の不揃いから、2つの問題が生じる。1つの問題点は、回動角度平面上では直線であったヒットレス経路が、電圧平面上では図25の110で示すように曲線(実線)になることである。図25におけるBは図14(B)の状態、Cは図14(C)の状態、Dは図14(D)の状態、Eは図14(E)の状態を示している。曲線のヒットレス経路を定義するためには、起点と終点の二点だけでは足りず、何点か余計に経由点を決めなくてはならない。したがって、経路のパラメータを決めるうえで余計な手間となる。
また、必ずしも角度平面上と同じ経路を経由しなくてもよいと考えて、電圧平面上でヒットレス経路の起点と終点のみを定めた場合(図25中の経路111)、例えば出力ポート102−3において経路111の電圧Vyは経路110の電圧Vyより大きくなるが、このような電圧Vyの増大は必要以上に副軸周りにミラー101を回動させなければならないことを示している。過度にミラー101を回動させると、可動片持ち梁の復元力よりも静電力が大きく上回ってつり合いが取れなくなるプルイン現象が発生しかねない。プルイン現象がひとたび起きると、固定電極への印加電圧を一度リセット(ゼロに戻す)しないとミラー101を制御できなくなるので、絶対避けなければならない
もう1つの問題点は、電圧平面上の損失プロファイルの特性が偶数番目のミラーと奇数番目のミラーでVy軸に関して線対称となることである。図26(A)は図21(B)の左端から奇数番目のミラーの損失プロファイルを示し、図26(B)は図21(B)の左端から偶数番目のミラーの損失プロファイルを示している。このように偶数番目のミラーと奇数番目のミラーで損失プロファイルが異なるため、ミラーの偶奇別にヒットレス経路に関するパラメータを定めなければならないという問題が生じる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ポート切替制御(ヒットレス制御)を容易に実現することができ、ミラーの偶奇別にヒットレス経路に関するパラメータを定める手間を不要にすることができるMEMSミラー装置の制御方法およびMEMSミラー装置を提供することを目的とする。
本発明は、光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極とを備えたMEMSミラー装置を制御する制御方法であって、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出ステップと、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出ステップと、この印加電圧算出ステップで算出した値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧印加ステップとを含み、前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位と線形な変数であり、前記制御変数算出ステップは、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、前記印加電圧算出ステップは、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝V 2 のように二次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=aV 2 (aは係数)と定義し、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝Vのように一次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=bV+c(bは係数、cは定数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするものである
また、本発明は、光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極とを備えたMEMSミラー装置を制御する制御方法であって、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出ステップと、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出ステップと、この印加電圧算出ステップで算出した値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧印加ステップとを含み、前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位と線形な変数であり、前記制御変数算出ステップは、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、前記印加電圧算出ステップは、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係を、d=Vn(nは1〜2の実数)のようにn次関数で近似し、前記制御変数Uを、U=aVn(aは係数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするものである。
また、本発明のMEMSミラー装置の制御方法の1構成例において、前記MEMSミラー装置は、複数の前記ミラーの向きが交互に変えて並べて配置されることを特徴とするものである。
また、本発明のMEMSミラー装置は、光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極と、前記ミラーの回動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出手段と、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出手段と、この印加電圧算出手段で算出された値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧発生手段とを備え、前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位量と線形な変数であり、前記制御変数算出手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、前記印加電圧算出手段は、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝V 2 のように二次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=aV 2 (aは係数)と定義し、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝Vのように一次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=bV+c(bは係数、cは定数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするものである。
また、本発明のMEMSミラー装置は、光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極と、前記ミラーの回動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出手段と、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出手段と、この印加電圧算出手段で算出された値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧発生手段とを備え、前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位量と線形な変数であり、前記制御変数算出手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、前記印加電圧算出手段は、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係を、d=V n (nは1〜2の実数)のようにn次関数で近似し、前記制御変数Uを、U=aV n (aは係数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするものである。
本発明によれば、第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位と比例関係にある制御変数Uを使ってミラーを制御することにより、制御変数平面上の損失プロファイルは回動角度平面上の損失プロファイルと同等になるので、ヒットレス経路を起点と終点で定めることができ、ポート切替制御(ヒットレス制御)を容易に実現することができる。また、本発明では、複数のミラーの向きを交互に変えて並べて配置する場合に、奇数番目のミラーと偶数番目のミラーで損失プロファイルの形状差が小さくなるため、ミラーの偶奇に関係なく同じ方法によってパラメータを定めることが可能となる。
本発明の制御変数を説明する図である。 印加電圧から制御変数への変換方法について説明する図である。 本発明の実施の形態に係るMEMSミラー装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置の演算器の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る演算器の制御変数算出処理を説明するフローチャートである。 制御変数におけるバイアス値を説明する図である。 バイアス値の設定方法を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る演算器の印加電圧算出処理を説明するフローチャートである。 印加電圧から制御変数への第1の変換方法を説明する図および制御変数と可動片持ち梁の変位との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る演算器の別の印加電圧算出処理を説明するフローチャートである。 印加電圧から制御変数への第2の変換方法を説明する図および制御変数と可動片持ち梁の変位との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係るMEMSミラー装置の構造を示す断面図である。 固定電極への印加電圧とミラーの回動角度との関係を示す図である。 二軸回動が可能なミラーを使った光スイッチのヒットレス動作を説明する図である。 波長選択スイッチの構造を示す図である。 出力ポート配置上のヒットレス経路を示す図である。 回動角度平面上のヒットレス経路を示す図である。 MEMSミラー装置の構造を示す斜視図である。 MEMSミラー装置の可動部の構造および電極の構造を示す平面図である。 MEMSミラー装置の動作を説明する図である。 ミラーの高密度配置を説明する平面図である。 MEMSミラー装置において静電気干渉を抑える構造の例を示す斜視図および断面図である。 可動片持ち梁の電圧−変位特性を示す図である。 電圧平面上の損失プロファイルを示す図である。 電圧平面上のヒットレス経路を示す図である。 ミラーの向きを交互に変えて並べた場合の電圧平面上の損失プロファイルを示す図である。
[発明の原理]
本発明では、前述の2つの問題点を解決するため、固定電極への電圧Vではなく、可動片持ち梁の変位dに線形な制御変数Uを導入する。図1(A)〜図1(C)に本発明で導入する制御変数Uについての説明を示す。可動片持ち梁と対向する固定電極への印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係は、図23(B)で説明したように、印加電圧Vが小さいときにはVに関する二次関数に、印加電圧Vが大きいときにはVに関する一次関数になる。図1(A)は図23(B)に示した電圧−変位特性を再掲した図である。ここで、後述の方法により電圧Vを制御変数Uに変換して、制御変数Uと可動片持ち梁の変位dとが切片を0とする一次関数の関係、すなわち比例関係にあるように定める(図1(B))。
このように定めた結果、可動片持ち梁の変位dとミラーの回動角度θx,θyとが光スイッチで用いる数度程度の角度領域では線形の関係であるため、制御変数Uに対しても回動角度θx,θyは線形関係になる。そのため、制御変数Uを使ったUx−Uy平面上では、回動角度平面上の損失プロファイルと同様、各出力ポートの損失プロファイルが形状の揃った同心楕円となる。図1(C)は制御変数平面上の損失プロファイルを示す図である。400−1〜400−5は、それぞれ出力ポート102−1〜102−5の損失プロファイルを示している。各出力ポート102−1〜102−5の損失プロファイルの大きさが等しくなるため、制御変数平面上では、ヒットレス経路を起点と終点の2点で定義できるし、偶数番目のミラーと奇数番目のミラーで損失プロファイルの形状差がなくなるため、前述の2つの問題点を解決することができる。
印加電圧Vから制御変数Uへの変換方法について、図2(A)、図2(B)を使って説明する。図2(A)は印加電圧Vから制御変数Uへの第1の変換方法を説明する図である。図2(A)における薄線112は実際のV−d特性を示し、破線113はこの第1の変換方法により近似したV−d特性を示す。第1の変換方法は、図23(B)で説明したとおりV−d特性が二次関数から一次関数に変わることを利用して、V=0からV=Vth(Vthは閾値電圧)までの領域ではVとdの関係を二次関数で近似し、V≧Vthの領域ではVとdの関係を一次関数で近似する方法である。この場合、0≦V<Vthのときに、制御変数Uを式(4)のように定義し、Vth≦Vのときに制御変数Uを式(5)のように定義する。
U=aV2 ・・・(4)
U=bV+c ・・・(5)
ここで、aはVとdの関係を二次関数で近似した場合の係数、bはVとdの関係を一次関数で近似した場合の係数、cはVとdの関係を一次関数で近似した場合の定数である。
図2(B)は印加電圧Vから制御変数Uへの第2の変換方法を説明する図である。図2(B)における破線114はこの第2の変換方法により近似したV−d特性を示す。第2の変換方法は、V−d特性が、電圧Vが小さい領域ではVに関する二次関数になり、電圧Vが大きい領域ではVに関する一次関数になることから、Vとdの関係をVのn次関数(n=1〜2の実数)で近似する方法である。この場合、制御変数Uを式(6)のように定義する。
U=aVn ・・・(6)
ここで、aはVとdの関係をn次関数で近似した場合の係数である。
以下に、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明するが、本発明はここで示す実施の形態の具体的な構成に限定されるものではない。
[実施の形態]
図3は本発明の実施の形態に係るMEMSミラー装置の制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態においても、波長選択スイッチの構成は図15に示したとおりであり、波長選択スイッチに用いるMEMSミラー装置の構成は図18、図19(A)、図19(B)に示したとおりであり、複数のミラーの配置は図21(B)に示したとおりなので、図15、図18、図19(A)、図19(B)、図21(B)の符号を用いて説明する。制御装置は、制御変数Uを固定電極107−1〜107−3への印加電圧Vに変換する演算を行う演算器1と、演算に使用するパラメータを予め記憶するメモリ2と、演算器1が演算した電圧Vを発生してミラーの対応する固定電極107−1〜107−3に印加する電圧発生器3とから構成される。演算器1は、制御変数算出手段と印加電圧算出手段とを構成している。
演算器1としては、演算性能の高いCPU(Central Processing Unit)や、複数のミラー101を一度に高速に並列制御することが得意なFPGA(Field Programmable Gate Array)等が用いられる。演算器1としてCPUを用いる場合、CPUは、メモリ2に格納されたプログラムに従って後述の処理を実行する。
また、電圧発生器3としては、例えばアナログ・デバイセズ(Analog Devices)社製のAD5535のように、デジタル値で与えられた設定電圧に基づき、MEMSを動作させるのに十分な高電圧を発生することが可能な高電圧DAC(D/A Convertor)等が用いられる。
制御変数(Ux,Uy)の形でユーザからの要求を演算器1に与えると、演算器1は、制御変数(Ux,Uy)から印加電圧Vに変換するために必要なパラメータをメモリ2から取得した後に、このパラメータを使って制御変数(Ux,Uy)を固定電極107−1〜107−3への印加電圧(V1,V2,V3)に変換する。ここで、図1(C)に示した損失プロファイルを使って説明すると、例えば共通ポート100と出力ポート102−1とを結合させる場合、制御変数(Ux,Uy)の形で表した要求状態とは、出力ポート102−1の最小損失点を与える、Ux−Uy平面上の座標を指定することを意味する。
電圧発生器3は、演算器1が演算した値の電圧(V1,V2,V3)を発生させて、この電圧(V1,V2,V3)をMEMSミラー装置の固定電極107−1〜107−3に印加する。この電圧印加により、ミラー101は(Ux,Uy)に対応した回動状態(θx,θy)まで回動する。
[U→V変換の処理手続き]
次に、制御変数Uから印加電圧Vに変換する処理手続きについて説明する。図4は演算器1の動作を説明するフローチャートである。
波長選択スイッチを使用しているユーザから、ある出力ポートにスイッチする要求が入力された場合(図4ステップS1においてYES)、演算器1は、ユーザから指定された出力ポートに対応する制御変数(Ux,Uy)をメモリ2に予め記録されたテーブル等を参照して取得する(図4ステップS2)。このようなテーブル等を参照して制御変数(Ux,Uy)を得る方法自体はよく用いられる方法なので、本発明の権利を主張する範囲ではない。
続いて、演算器1は、主軸と副軸の制御変数(Ux,Uy)を、3つの可動片持ち梁106−1〜106−3の変位に比例する制御変数(U1,U2,U3)に変換するためのパラメータをメモリ2から取得する(図4ステップS3)。そして、演算器1は、ステップS3で取得したパラメータを使って、制御変数(Ux,Uy)から制御変数(U1,U2,U3)を算出する(図4ステップS4)。このステップS3,S4の処理の詳細については後述する。
次に、演算器1は、制御変数(U1,U2,U3)を固定電極107−1〜107−3への印加電圧(V1,V2,V3)に変換するためのパラメータをメモリ2から取得する(図4ステップS5)。そして、演算器1は、ステップS5で取得したパラメータを使って、制御変数(U1,U2,U3)から印加電圧(V1,V2,V3)を算出する(図4ステップS6)。このステップS5,S6の処理の詳細については後述する。
最後に、演算器1は、算出した印加電圧(V1,V2,V3)の値を電圧発生器3に設定する(図4ステップS7)。電圧発生器3の動作は前述のとおりである。
なお、始めからポートの最適結合状態を与える制御変数(Ux,Uy)を要求状態として設定するのではなく、ヒットレス経路を経由したスイッチを行う場合は、ヒットレス経路に従った終点座標を経路順に要求状態として順次与えながら、ミラー101を制御すればよい。例えば図17で説明したヒットレス動作の場合、図中のCに相当する(Ux,Uy)座標を与えてミラー101を回動させ、続いて図中のDに相当する(Ux,Uy)座標を与えてミラー101を回動させ、最後に図中のEに相当する(Ux,Uy)座標を与えてミラー101を回動させるようにすればよい。
[制御変数(U1,U2,U3)の算出方法]
次に、図4のステップS3,S4の処理の詳細について説明する。図5は演算器1の制御変数算出処理を説明するフローチャートである。
演算器1は、制御変数(Ux,Uy)を制御変数(U1,U2,U3)に変換するためのパラメータとして、バイアス値Ubをメモリ2から取得する(図5ステップS10、図4ステップS3)。
バイアス値Ubは、図6に示すようにミラー101を主軸周りにも副軸周りにも回動させていない状態(θx=θy=0)で固定電極107−1〜107−3に印加されるバイアス電圧Vbに対応する、制御変数Uにおけるバイアス値である。バイアス値Ubの設定の仕方であるが、例えば図7に示すように初期状態において必要とする変位の中間点に可動片持ち梁の変位が下がるようにバイアス値Ubを設定すれば、丁度、この中間点を主軸周りの回動軸にしてミラーを必要回動角まで回動させることができるので都合がよい。
次に、演算器1は、取得したバイアス値Ubと制御変数(Ux,Uy)とを使って、式(1)〜式(3)に準じた以下の式(7)〜式(9)により制御変数(U1,U2,U3)を算出する(図5ステップS11、図4ステップS4)。
U1=Ub−Ux ・・・(7)
U2=Ub+Ux+Uy ・・・(8)
U3=Ub+Ux−Uy ・・・(9)
そして、演算器1は、以下の式(10)〜式(12)のような制御変数(U1,U2,U3)の下限処理を行う(図5ステップS12、図4ステップS4)。
if U1<0 then U1=0 ・・・(10)
if U2<0 then U2=0 ・・・(11)
if U3<0 then U3=0 ・・・(12)
すなわち、演算器1は、式(7)で算出した制御変数U1が負の場合、U1=0とする下限処理を行い、式(8)で算出した制御変数U2が負の場合、U2=0とする下限処理を行い、式(9)で算出した制御変数U3が負の場合、U3=0とする下限処理を行う。
以上で、制御変数算出処理が終了する。
[第1の変換方法に基づく印加電圧(V1,V2,V3)の算出方法]
次に、図4のステップS5,S6の処理の詳細について説明する。まず、印加電圧Vから制御変数Uへの第1の変換方法に基づく印加電圧算出処理について説明する。図8は演算器1の印加電圧算出処理を説明するフローチャートである。
演算器1は、制御変数(U1,U2,U3)を固定電極107−1〜107−3への印加電圧(V1,V2,V3)に変換するためのパラメータとして、pi,qi,ri,Uthiをメモリ2から取得する(図8ステップS20、図4ステップS5)。パラメータpi,qi,ri,Uthi(iは電極番号1〜3を表す添え字)は、固定電極107−i毎に個別に与えられる。
演算器1は、制御変数Uiが閾値Uthiより小さい場合、次式を使って制御変数Uiから印加電圧Viを算出する(図8ステップS21、図4ステップS6)。
Vi=(piUi)1/2 ・・・(13)
また、演算器1は、制御変数Uiが閾値Uthi以上の場合、次式を使って制御変数UiからViを算出する(図8ステップS21、図4ステップS6)。
Vi=qiUi+ri ・・・(14)
閾値Uthiは閾値電圧VthをU変数に置き換えた値である。閾値Uthiの例については後述する。こうして、制御変数Uiを固定電極107−iへの印加電圧Viに変換することができる。本実施の形態では、1つのMEMSミラー装置に3つの固定電極107−1〜107−3があるので、これら固定電極107−1〜107−3毎に式(13)または式(14)の演算が実施される。
次に、パラメータpi,qi,ri,Uthiの与え方について説明する。図9(A)は印加電圧Vから制御変数Uへの第1の変換方法を説明する図であり、印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係を示す図である。図2(A)で説明したとおり、薄線112は実際のV−d特性を示し、破線113は第1の変換方法により近似したV−d特性を示す。図9(B)は制御変数Uと可動片持ち梁の変位dとの関係を示す図である。
固定電極への印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係は、前述のとおり、V=0からV=Vthまでの領域では二次関数で近似することができ、V≧Vthの領域では一次関数で近似することができる。閾値電圧Vthは、図9(A)に示したV−d特性グラフ上において、傾きがV−d特性を近似した一次関数の傾きと等しい直線で、かつ可動片持ち梁の必要な最大変位dmaxとこのdmaxに対応する最大印加電圧Vmaxとで決まる座標(Vmax,dmax)を通るような直線を引けば、この直線と実際のV−d特性の曲線とが離れる点の電圧座標として得ることができる。もしくは、V−d特性の微分値を取って、微分値がほぼ電圧の一次関数となっているところから、微分値が定数に変わるところの電圧値として、閾値電圧Vthを得ることができる。
V=0からV=Vthまでの領域において印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係を近似した二次関数を式(15)のように定める。
d(V)=aV2 ・・・(15)
V≧Vthの領域において印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係を近似した一次関数を式(16)のように定める。
d(V)=bV+c ・・・(16)
固定電極に閾値電圧Vthを印加したときの可動片持ち梁の変位をdthとすれば、式(15)、式(16)に現れた係数a,b,cを次式で表すことができる。
a=dth/Vth2 ・・・(17)
b=(dmax−dth)/(Vmax−Vth) ・・・(18)
c=dth−Vth(dmax−dth)/(Vmax−Vth) ・・・(19)
次に、印加電圧Vを何らかの方法で変換した制御変数Uが、図9(B)のU−d特性に示すように、可動片持ち梁の変位dと線形の関係になるとする。ここでは、最大変位dmaxを与える制御変数Uの最大値Umaxが最大印加電圧Vmaxと同じ値になると定義する。この定義に従えば、U−d特性の直線の傾きkと閾値Uth(閾値電圧VthをU変数に変換した値)とは次式のように表現することができる。
k=dmax/Vmax ・・・(20)
Uth=dth/k=(dth/dmax)・Vmax ・・・(21)
なお、ここでの定義は1つの例であり、他の定義、例えば閾値の値がV−d特性でもU−d特性でも同じとする定義も、もちろん可能である。
式(13)から、0<U<UthではU=V2/pなので、このU=V2/pをd(U)=kUに代入したとき、d(V)=aV2になるためには、パラメータpを次式のように定めるとよい。
p=k/a=(Vth2/Vmax)・(dmax/dth) ・・・(22)
同様に、U≧UthではU=(V−r)/qなので、このU=(V−r)/qをd(U)=kUに代入したとき、d(V)=bV+cになるためには、パラメータq,rを次式のように定めるとよい。
q=k/b=(dmax/Vmax)・(Vmax−Vth)/(dmax−dth)
・・・(23)
r=Vth−dth/b=Vth−{dth・(Vmax−Vth)}
/(dmax−dth) ・・・(24)
式(22)〜式(24)に示されるように、固定電極への印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係であるV−d特性は事前に調べておくことができるので、この特性を用いて、制御変数Uを印加電圧Vに変換するためのパラメータp,q,r,Uthを予め求めることができる。1つのMEMSミラー装置には複数の固定電極107−iがあるので、これら固定電極107−iの各々についてV−d特性を調べて、固定電極107−i毎にパラメータpi,qi,ri,Uthiを決定すればよい。
以上の第1の変換方法に基づく印加電圧Vの算出方法は、演算器1として、高速で並列処理が得意だが、複雑な演算には時間がかかりやすいFPGAを採用した場合に適する方法である。
[第2の変換方法に基づく印加電圧(V1,V2,V3)の算出方法]
次に、印加電圧Vから制御変数Uへの第2の変換方法に基づく印加電圧算出処理について説明する。図10は演算器1の印加電圧算出処理を説明するフローチャートである。
第2の変換方法では、印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係をVのn次関数(nは1〜2の実数)で近似するが、nの具体的な数値については、それほど厳密に考える必要はなく、小数1位程度の精度で求まれば構わない。nの求め方として、例えば実測で測定したM点(Mは3以上の整数)の(Vj,dj)について(jは1〜Mの整数)、近似関数をd(V)=ξVnとすれば、以下の式(25)が最小となるnを選べばよい(最小二乗法の適用)。
Figure 0005485973
理論的に導出する以外に、Microsoft(登録商標)社製のExcel(登録商標)などの表計算ソフト等を使って(Vj,dj)に近いn次関数を探索してもよい。なお、係数ξは、(Vmax,dmax)を通るように決める。
ξ=dmax/Vmaxn ・・・(26)
まず始めに、演算器1は、制御変数(U1,U2,U3)を固定電極107−1〜107−3への印加電圧(V1,V2,V3)に変換するためのパラメータとして、siをメモリ2から取得する(図10ステップS30、図4ステップS5)。パラメータsi(iは電極番号1〜3を表す添え字)は、固定電極107−i毎に個別に与えられる。
演算器1は、パラメータsiを次式に与えて、制御変数Uiから印加電圧Viを算出する(図10ステップS31、図4ステップS6)。
Vi=(siUi)1/n ・・・(27)
こうして、制御変数Uiを固定電極107−iへの印加電圧Viに変換することができる。本実施の形態では、1つのMEMSミラー装置に3つの固定電極107−1〜107−3があるので、これら固定電極107−1〜107−3毎に式(27)の演算が実施される。
次に、パラメータsiの与え方について説明する。図11(A)は印加電圧Vから制御変数Uへの第2の変換方法を説明する図であり、印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係を示す図である。図11(B)は制御変数Uと可動片持ち梁の変位dとの関係を示す図である。図2(A)、図2(B)で説明したとおり、薄線112は実際のV−d特性を示し、破線114は第2の変換方法により近似したV−d特性を示す。
ここで、可動片持ち梁の必要な最大変位dmaxを与える制御変数Uの最大値Umaxが最大印加電圧Vmaxと同じ値になると定義する。最大変位dmaxと最大印加電圧Vmaxとを使って、U−d特性の直線の傾きkは次式で表される。
k=dmax/Vmax ・・・(28)
また、n次関数の係数aは、次式で与えられる。
a=dmax/Vmaxn ・・・(29)
式(27)から、U=Vn/sなので、このU=Vn/sをd(U)=kUに代入したとき、d(V)=aVnになるためには、式(28)、(29)からパラメータsを次式のように定めるとよい。
s=k/a=Vmax(n-1) ・・・(30)
式(30)に示されるように、固定電極への印加電圧Vと可動片持ち梁の変位dとの関係であるV−d特性は事前に調べておくことができるので、最大変位dmaxに対する最大印加電圧Vmaxの値も予め知ることができる。よって、この最大印加電圧Vmaxを用いて、制御変数Uを印加電圧Vに変換するためのパラメータsを予め求めることができる。1つのMEMSミラー装置には複数の固定電極107−iがあるので、これら固定電極107−iの各々についてV−d特性を調べて最大印加電圧Vmaxの値を求め、固定電極107−i毎にパラメータsiを決定すればよい。
以上の第2の変換方法に基づく印加電圧Vの算出方法は、演算器1として、並列処理能力は高くないものの、複雑な演算を一瞬で計算可能なCPUを採用した場合に適する方法である。
[V−d特性の調査方法]
最後に、V−d特性を調べる具体的な方法について説明する。図12は図18、図19(A)、図19(B)に示したMEMSミラー装置の断面図である。アンカー108−1,108−2は、可動片持ち梁106−1,106−2の一端を固定している。固定電極107−1,107−2およびアンカー108−1,108−2は、基板115上に形成されている。図12における116はミラー101に入射して反射されるレーザ光線である。
MEMSミラー装置では、ミラー101の両側に可動片持ち梁があるが、V−d特性を調べる場合には、V−d特性の調査の対象となる可動片持ち梁側の固定電極にのみ電圧を印加し、他方の固定電極の印加電圧をゼロとしておく。図12の例では、固定電極107−1に電圧Vを印加し、固定電極107−2,107−3に印加する電圧をゼロとしている。また、ミラー101には、レーザ光線などの平行光を入射しておき、ミラー101の回動角度θを測定できるようにしておく。
固定電極107−1に電圧Vを印加すると、ミラー101は傾き、図13に示すようなV−θ特性が得られる。ところで、図12から分かるように、可動片持ち梁106−1の変位dとミラー101の回動角度θには、θが小さい領域では次式のような線形関係がある。
d=Lθ ・・・(31)
ここで、Lはミラー101の長さ(接続ばね105−1〜105−3の屈曲ポイントまでを含む長さ)である。つまり、先ほど得たV−θ特性の縦軸にLを掛ければ、V−d特性が得られることになる。なお、本実施の形態で求めたいのは、変位dではなく、変換パラメータであるp,q,rやsなので、変位dの加わりに角度θを使ってこれらのパラメータを求めても全く問題ない。
各可動片持ち梁106−iのV−d特性は、これらの可動片持ち梁106−iが同じディメンションで作製されている場合は、MEMSのプロセス精度に依存する範囲で同じ特性を示すので、例えば1つの可動片持ち梁106−1についてV−d特性を測定し、このV−d特性を代表値として各可動片持ち梁106−iのパラメータpi,qi,ri,Uthi,siを求めても構わない。
各可動片持ち梁106−iが異なるディメンションで作製されている場合は、1つの可動片持ち梁106−1側のV−d特性と、2つの可動片持ち梁106−2,106−3側のV−d特性とを測定して、各可動片持ち梁106−iについてパラメータpi,qi,ri,Uthi,siを求めればよい。
なお、ミラー101に2つの可動片持ち梁106−2,106−3が接続されている側において2つの可動片持ち梁106−2,106−3のディメンションを大きく変えることは、ミラー101の動きに非対称性が発生して扱いにくくなるので、避けるのがふつうである。よって、この2つの可動片持ち梁106−2,106−3のV−d特性は同じと考えてよい。そこで、2つの可動片持ち梁106−2,106−3が接続されている側のV−d特性を測定するには、固定電極107−2,107−3に印加する電圧V2,V3を同じにすればよい。
本発明は、二軸回動可能なMEMSミラー装置に適用することができる。
1…演算器、2…メモリ、3…電圧発生器、101…ミラー、105−1〜105−3…接続ばね、106−1〜106−3…可動片持ち梁、107−1〜107−3…固定電極、108−1,108−2…アンカー、115…基板。

Claims (6)

  1. 光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極とを備えたMEMSミラー装置を制御する制御方法であって、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出ステップと、
    前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出ステップと、
    この印加電圧算出ステップで算出した値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧印加ステップとを含み、
    前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位と線形な変数であり、
    前記制御変数算出ステップは、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、
    前記印加電圧算出ステップは、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝V 2 のように二次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=aV 2 (aは係数)と定義し、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝Vのように一次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=bV+c(bは係数、cは定数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするMEMSミラー装置の制御方法。
  2. 光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極とを備えたMEMSミラー装置を制御する制御方法であって、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出ステップと、
    前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出ステップと、
    この印加電圧算出ステップで算出した値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧印加ステップとを含み、
    前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位と線形な変数であり、
    前記制御変数算出ステップは、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、
    前記印加電圧算出ステップは、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係を、d=V n (nは1〜2の実数)のようにn次関数で近似し、前記制御変数Uを、U=aV n (aは係数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするMEMSミラー装置の制御方法。
  3. 請求項1または2記載のMEMSミラー装置の制御方法において、
    前記MEMSミラー装置は、複数の前記ミラーの向きが交互に変えて並べて配置されることを特徴とするMEMSミラー装置の制御方法。
  4. 光を反射するミラーと、
    一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、
    一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、
    前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極と、
    前記ミラーの回動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出手段と、
    前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出手段と、
    この印加電圧算出手段で算出された値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧発生手段とを備え、
    前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位量と線形な変数であり、
    前記制御変数算出手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、
    前記印加電圧算出手段は、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝V 2 のように二次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=aV 2 (aは係数)と定義し、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係が、d∝Vのように一次関数で近似できる印加電圧Vの領域では、前記制御変数Uを、U=bV+c(bは係数、cは定数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするMEMSミラー装置。
  5. 光を反射するミラーと、
    一端が前記ミラーの一方の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、
    一端が前記ミラーの他方の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、
    前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極と、
    前記ミラーの回動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求に応じて制御変数Uを算出する制御変数算出手段と、
    前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出する印加電圧算出手段と、
    この印加電圧算出手段で算出された値の印加電圧Vを前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧発生手段とを備え、
    前記制御変数Uは、前記印加電圧Vの関数であり、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位量と線形な変数であり、
    前記制御変数算出手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する要求を、予め定められた第1のパラメータを用いて、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁の変位dに比例する制御変数Uに変換し、
    前記印加電圧算出手段は、前記印加電圧Vと前記変位dとの関係を、d=V n (nは1〜2の実数)のようにn次関数で近似し、前記制御変数Uを、U=aV n (aは係数)と定義したときに、前記印加電圧Vと前記変位dとの既知の関係に基づいて予め定められた第2のパラメータを用いて、前記制御変数Uから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧Vを算出することを特徴とするMEMSミラー装置。
  6. 請求項4または5記載のMEMSミラー装置において、
    複数の前記ミラーの向きが交互に変えて並べて配置されることを特徴とするMEMSミラー装置。
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