JP5457481B2 - Memsミラー装置の制御方法およびmemsミラー装置 - Google Patents

Memsミラー装置の制御方法およびmemsミラー装置 Download PDF

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Description

本発明は、通信用光伝送装置、波長ルーティング装置などに使用され、光路の切替えができる波長選択スイッチ等の光スイッチに用いられる、二軸回動可能なMEMSミラー装置の制御方法に関するものである。
近年の光通信では光信号を電気信号に変換することなく、光のままで通信先に送ることにより、通信速度を落とさない高速通信を実現している。また、一つの波長に一つの光信号を対応させて波長多重するWDM(Wavelength Division Multiplexing)技術により、一本の光ファイバを使って大容量の光伝送が行えるようになっている。このような光通信技術の発展に伴い、光信号のままで経路を切り替える光スイッチの役割が重要性を増している。
光通信ネットワークの大規模化に伴って、光信号の波長数も増え、数十もの波長から任意の波長を選択して複数の出力ファイバのどれかから出力する波長選択スイッチの小型化、高機能化が進んでいる。このような高機能な波長選択スイッチをコンパクトに実現できる技術として、MEMSマイクロミラーを用いた空間光学系光スイッチが注目されている。
空間光学系光スイッチは、光ファイバのほかにレンズやミラーなどの空間光学部品から構成され、3次元的に配置することができるので、空間利用効率の高い大規模スイッチを構成できる。空間光学系光スイッチで利用される可動素子としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術で作成された二軸可動ミラーアレー(例えば、特許文献1参照)がよく用いられる。MEMS可動ミラーアレーは、光路の切り替えを実現する可動軸の他に、可動軸と直交するもう一つの回動軸を有しており、光信号を別のポートに切り替える際に、この直交する回動軸方向にミラーを回動させることで、途中に存在するポートを光信号が横切らないヒットレス動作が実現できる。MEMSミラーを使った波長選択スイッチの場合、切替時間は数十msecと短いが、信号速度が10Gbpsを超えているため、msecオーダの短い時間でも大量の情報が伝達されており、また、混線した同じ波長の異なる信号を光レベルで分離するのは困難なので、ヒットレス動作は波長選択スイッチに欠かせない機能となっている。
二軸回動が可能なミラーを使った光スイッチのヒットレス動作について、図10を用いて説明する。図10(A)は1×N光スイッチの構造を示す図である。ここでは、波長選択スイッチから分散光学系を省略して、可動ミラーで5つのポートを選択する構成を描いている。100は共通ポート、101はミラー、102−1〜102−5は出力ポートである。また、θxはミラー101の主軸(x軸)周りの回動角度、θyはミラー101の副軸(y軸)周りの回動角度である。図11に示すように、図10(A)の構成に分散光学系103を加えれば、波長選択スイッチになる。
1つの共通ポート100から入力された光信号は、複数の出力ポート102−1〜102−5のどれかに出力される。例えば、出力ポート102−1から102−5に経路をスイッチする場合のヒットレス動作について図10(B)〜図10(E)を用いて説明する。
まず、図10(B)の状態では、共通ポート100と出力ポート102−1とが結合状態にある。つまり、共通ポート100からの光信号がミラー101によって反射され出力ポート102−1に入射している。このまま、ミラー101を主軸(x軸)周りに回動させて、共通ポート100と出力ポート102−5とを結合させてしまうと、ミラー101を回動させている間に、出力ポート102−1と102−5との間の出力ポート102−2〜102−4にも、一瞬だが、光信号が入射して、光結合してしまう。
そこで、図10(C)に示すように、出力ポート102−1に結合した状態から副軸(y軸)周りにミラー101を回動させて、出力ポート102−1〜102−5が並んだ列(y軸と平行な列)から光線を大きくずらす。この状態から、図10(D)に示すように出力ポート102−5と結合する角度までミラー101を主軸周りに回動させて、さらに図10(E)に示すように出力ポート102−5との結合位置までミラー101を副軸周りに回動させることにより、途中の出力ポートを横切らないヒットレス動作が可能になる。
上述のヒットレス動作について、出力ポート配置上のヒットレス経路を図12に示す。図12において、黒点および黒太線104はミラー101からの反射光が通る軌跡を示し、Bは図10(B)の状態、Cは図10(C)の状態、Dは図10(D)の状態、Eは図10(E)の状態を示している。図12から分かるように、一度、出力ポート102−1〜102−5が並んだ列から光線を外すためにミラー101を副軸周りに回動させ(B→C)、目的の出力ポート102−5と結合する角度までミラー101を主軸周りに回動させ(C→D)、出力ポート102−5と結合するようにミラー101を副軸周りに回動させる(D→E)。
出力ポートの中心に光線が入射しているときに、その出力ポートの光損失が最も小さくなり、出力ポートの中心から主軸方向、副軸方向のどちらかに光線がずれても最適結合状態からずれるため、出力ポートの光損失が大きくなる。このような光損失特性をミラー101の回動角度空間であるθx−θy平面上の光損失等高線(損失プロファイル)で示したのが図13である。200−1〜200−5は、それぞれ出力ポート102−1〜102−5の損失プロファイルである。主軸周りの回動角度θx方向には出力ポート数分の結合点があるので、各出力ポート102−1〜102−5の光損失等高線の集まりである同心楕円が回動角度θx方向に沿って5個並んでいる。各同心楕円は、楕円の中心に向かうほど、対応する出力ポートの光損失が小さくなることを表している。また、各同心楕円の中心座標は、対応する出力ポートの光損失が最小となる回動角度θx,θyを表している。
この図13におけるヒットレス経路は、出力ポート102−2〜102−4の損失プロファイル200−2〜200−4を避けるように、損失プロファイルが並んだ列から外れ(B→C)、次に損失プロファイルが並んだ列に沿って損失プロファイル200−5の位置まで移動し(C→D)、最後に損失プロファイル200−5の中心(出力ポート102−5の最適結合状態)に移動する(D→E)という軌跡となる。
図10、図12、図13は、どれもヒットレス経路について説明したものだが、本発明では、図13で示した損失プロファイルを使って説明するのが、最も発明の理由や効果を説明しやすいので、以降、損失プロファイルを使って説明する。
図14はミラー101を回動させるMEMSミラー装置の構造を示す斜視図、図15(A)はMEMSミラー装置の可動部の構造を示す平面図、図15(B)はMEMSミラー装置の電極の構造を示す平面図である。光を反射する平面視略長方形のミラー101の一方の短辺は、接続ばね105−1を介して可動片持ち梁106−1の一端に接続されている。可動片持ち梁106−1の他端は、アンカー108−1に固定されている。また、ミラー101の他方の短辺は、2つの接続ばね105−2,105−3を介して2つの可動片持ち梁106−2,106−3の一端に接続されている。可動片持ち梁106−2,106−3の他端は、アンカー108−2に固定されている。ミラー101と接続ばね105−1〜105−3と可動片持ち梁106−1〜106−3とは、例えばシリコンプロセスにより一体形成される。
ミラー101と接続ばね105−1〜105−3と可動片持ち梁106−1〜106−3とからなる可動部に対して、この可動部と対向する図示しない基板上には、可動片持ち梁106−1と対向するように固定電極107−1が配置され、可動片持ち梁106−2と対向するように固定電極107−2が配置され、可動片持ち梁106−3と対向するように固定電極107−3が配置されている。このMEMSミラー装置は、静電力とばねの復元力とのつり合いを使って、二つの回動軸に対して、それぞれ所望の回動角度にミラー101を回動させることが可能な装置である。主軸周り、副軸周りの二軸回動が可能でありながら、主軸周りの回動と副軸周りの回動を3個の固定電極で実現しており、それぞれの回動軸に2個の電極を使い、ミラー当たり合計で4個の電極を使う場合と比べて、少ない固定電極で動作させることが可能である。
図16(A)〜図16(C)を用いてMEMSミラー装置の動作を説明する。図16(A)〜図16(C)において、V1〜V3は固定電極107−1〜107−3に印加される電圧である。図16(A)に示すように、ミラー101を主軸周りにも副軸周りにも回動させていない状態(θx=θy=0)では、全ての固定電極107−1〜107−3に一定のバイアス電圧Vbを印加しておく。
ミラー101を主軸周りに回動させる場合は、可動片持ち梁106−1と対向する固定電極107−1に印加する電圧V1をVb−Vxにし、可動片持ち梁106−2,106−3と対向する固定電極107−2,107−3に印加する電圧V2,V3を共にVb+Vxにする(図16(B))。このような電圧印加により、可動片持ち梁106−1側では、可動片持ち梁106−1を固定電極107−1に引き付ける静電力が減るので、可動片持ち梁106−1の復元力によってミラー101が上へ持ち上がる。一方、可動片持ち梁106−2,106−3側では、可動片持ち梁106−2,106−3を固定電極107−2,107−3に引き付ける静電力が増えるので、ミラー101が下がる。この結果、ミラー101は主軸周りに回動する。ミラー101を反対方向に回動させたい場合は、V1=Vb+Vx,V2=V3=Vb−Vxとすればよい。Vxの値を変えることで、ミラー101の主軸周りの回動を制御できることから、Vxは電圧を単位とする主軸の制御変数と言える。
ミラー101を副軸周りに回動させる場合は、可動片持ち梁106−1と対向する固定電極107−1に印加する電圧V1をVbのままにして、可動片持ち梁106−2,106−3と対向する固定電極107−2,107−3に印加する電圧V2,V3を、V2=Vb+Vy,V3=Vb−Vyとする(図16(C))。このような電圧印加により、可動片持ち梁106−2側では、可動片持ち梁106−2を固定電極107−2に引き付ける静電力が増えるので、ミラー101が下がり、可動片持ち梁106−3側では、可動片持ち梁106−3を固定電極107−3に引き付ける静電力が減るので、ミラー101が上がる。この結果、ミラー101は副軸回りに回動する。ミラー101を反対方向に回動させたい場合は、V2=Vb−Vy,V3=Vb+Vyとすればよい。Vyの値を変えることで副軸周りの回動を制御できることから、Vyは電圧を単位とする副軸の制御変数と言える。
主軸周りの任意の回動角度および副軸周りの任意の回動角度を実現するには、主軸制御と副軸制御を組み合わせて、所望の主軸周りの回動角度に応じた電圧Vx、所望の副軸周りの回動角度に応じた電圧Vyを使って、電極電圧V1,V2,V3を以下のように設定すればよい。
V1=Vb−Vx ・・・(1)
V2=Vb+Vx+Vy ・・・(2)
V3=Vb+Vx−Vy ・・・(3)
図14、図15(A)、図15(B)に示したMEMSミラー装置の特徴として、3電極構造以外に、高密度にミラー101を並べることが可能なことが挙げられる。図17(A)、図17(B)を使って高密度にミラー101を並べる方法について説明する。図17(A)はミラー101を単純に並べた場合を示す平面図である。この場合は、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3がミラー101の間隔を決定してしまい、ミラー101を高密度に並べることはできない。
図17(B)はミラー101の向きを交互に変えて並べた場合を示す平面図である。ここでは、左端から数えて奇数番目のミラーでは可動片持ち梁106−2,106−3が図17(B)の下側になるようにし、偶数番目のミラーでは可動片持ち梁106−2,106−3が図17(B)の上側になるようにして、ミラー101の向きを交互に変えることで高密度にミラー101を並べている。ミラー101を高密度に並べ、かつ、ミラー間の隙間を小さくできることは、波長選択スイッチの場合、フィルファクタが大きくなることを意味するので、透過帯域の拡大につながり重要である。
ミラー101を高密度に並べると、隣接するミラー101からの静電干渉が問題になりやすいが、図18(A)で示すように、固定電極107−1〜107−3を平板電極からU字型電極に変えたり、可動片持ち梁106−1〜106−3の上部に電気力線を隣に回り込ませないためのGNDキャップ109−1〜109−3を設けたりすることで、静電干渉を減らす技術が既に確立されている(非特許文献1参照)。図18(B)は、図18(A)の可動片持ち梁106−1、固定電極107−1およびGNDキャップ109−1の部分の断面図である。
図19(A)に示すようにU字型の固定電極107とGNDキャップ109とを追加して隣接干渉を小さくした場合の可動片持ち梁106の電圧−変位特性を図19(B)に示す。図19(A)において、115は基板である。アンカー108は、可動片持ち梁106の一端を固定している。固定電極107およびアンカー108は、基板115上に形成されている。
U字型の固定電極107に電圧Vを印加すると、始めは通常の平板電極の場合と同様に、電圧Vに対して可動片持ち梁106の変位dは二次関数状に増加していく。しかし、ある程度変位dが大きくなると、U字型の固定電極107の壁面からの静電力により、電圧Vに対して変位dが直線的な変化に変わる。印加電圧Vをどれくらい増加させると二次関数状の変化から直線的な変化に変わるのかは、固定電極107の壁面の高さなどに依存するため、一概に決定できない。しかし、印加電圧Vと変位dとの関係は、Vが小さい領域ではほぼ二次関数、Vが大きい領域ではほぼ一次関数になると言える。
特開2003−57575公報
碓氷光男 他,"波長選択スイッチ(WSS)用MEMSミラーアレイモジュールの実装技術",27th センサ・マイクロマシン応用システム・シンポジウム C4−4,2010年10月14日
従来のMEMSミラー装置では、対象とするミラーの構造上、ミラーを副軸周りに回動させるために、可動片持ち梁にバイアス電圧を印加し、ミラーを下げた状態にする必要があるため、可動片持ち梁に要求される変位が大きくなる上、可動片持ち梁の変位が大きな領域では可動片持ち梁と固定電極との距離が近づくため、可動片持ち梁の撓みによる復元力を静電力が上回って、可動片持ち梁が固定電極に引き付けられるプルイン現象が発生して動かなくなってしまうリスクが高まるという問題点があった。
以下、従来の問題点について具体的に説明する。図20(A)〜図20(E)は、ミラー101を副軸周りに回動させた場合に主軸周りの回動角度θxに影響を与えることを説明する図である。図20(A)〜図20(E)におけるdは可動片持ち梁106−1〜106−3の先端の変位、g0は固定電極107−1〜107−3に電圧が印加されていないときの固定電極107−1〜107−3と可動片持ち梁106−1〜106−3の間隔である。
固定電極107−2,107−3にバイアス電圧を加えることで、可動片持ち梁106−2,106−3は、図20(A)、図20(B)に示すように先端がdだけ下がった状態にある。すなわち、固定電極107−2,107−3と可動片持ち梁106−2,106−3の先端の間隔はg0−dとなっている。一方、固定電極107−1には電圧が加えられていないため、可動片持ち梁106−1は変位しておらず、固定電極107−1と可動片持ち梁106−1の間隔はg0のままである。
このような状態で、図20(C)に示すように、2つの可動片持ち梁106−2,106−3のうち一方の可動片持ち梁106−2の先端を更にδだけ下げ、他方の可動片持ち梁106−3の先端をδだけ上げるようにすれば、2つの可動片持ち梁106−2,106−3の先端の平均変位はdのままなので、主軸周りの回動角度θxを変えることなく、ミラー101を副軸周りに回動させることが可能になる。
これに対して、図20(D)に示すように、2つの可動片持ち梁106−2,106−3の変位が0であった場合、図20(E)に示すように、一方の可動片持ち梁106−3の先端をδだけ下げることは可能だが、静電力は吸引力としてのみ働くので、他方の可動片持ち梁106−2をδ上げることはできない。よって、2つの可動片持ち梁106−2,106−3の先端の平均変位はΔd=δ/2に変わってしまい、ミラー101の主軸周りの回動角度θxも変化してしまう。
つまり、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3の変位が0の状態で、ミラー101を副軸周りに回動させると、ミラー101の主軸周りの回動角度θxも変化させてしまうことになる。主軸、副軸、それぞれの軸の角度制御に関して、独立性が高い方が制御しやすいので、ミラー101の副軸周りの回動がミラー101の主軸周りの回動角度θxに影響を及ぼすのは問題である。
この問題を避けるには、3つの固定電極107−1〜107−3のそれぞれにバイアス電圧をあらかじめ印加して、図21(A)に示すように、3つの可動片持ち梁106−1〜106−3の先端を下げて、ミラー101の位置を下げておけばよい。こうしておけば、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3の変位が0の状態からミラー101を副軸周りに回動させることが無くなるため、図20(D)、図20(E)で説明したような問題は生じなくなる。
ところが、この方法では別の問題が生じる。それは、図20(A)〜図20(C)と同じ主軸周りの回動角度θxを保ったまま、ミラー101の全体の位置を下げたので、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3のうち一方の可動片持ち梁106−2の先端を更にδだけ下げ、他方の可動片持ち梁106−3の先端をδだけ上げると、変位が大きい側の可動片持ち梁106−2が固定電極107−2に、より接近することになることである(図21(C))。
図21(D)は固定電極と可動片持ち梁の間隔と、静電引力および可動片持ち梁の最大復元力との関係を示す図である。図21(D)の横軸は間隔、縦軸は力である。ただし、図21(D)では、右側に行くほど固定電極と可動片持ち梁の間隔が小さくなる。また、図21(D)における300は固定電極と可動片持ち梁間に発生する静電引力を示し、301は可動片持ち梁の最大復元力を示している。可動片持ち梁106−2が固定電極107−2に接近するということは、図21(D)に示したように、可動片持ち梁106−2の最大復元力を上回る静電引力が発生し、可動片持ち梁106−2が固定電極107−2に吸引されて戻らなくなる現象、所謂プルイン現象が発生する可能性が高まることを意味する。
プルインが発生すると、可動片持ち梁106−2が単に戻らなくなるだけではなく、最悪の場合、固定電極107−2と可動片持ち梁106−2とが電気的に接触して、接触部分が溶けて融着してしまう恐れがある。
また、プルインの問題だけではなく、プルインが発生しそうな領域は、固定電極への印加電圧に対して静電引力が大きく変化しやすいので(すなわち静電引力をf、電圧をVとしたときの変化率df/dVが大きい)、制御し難い領域であり、このプルイン領域での制御をなるべく避けたい。このようにプルイン領域により迫った状態で、ミラー101を副軸周りに回動させると、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3の一方は、さらにプルイン領域に近づくことになる。
図21(A)〜図21(D)で説明した問題を避ける方法としては、ミラー101を必要な角度だけ副軸周りに回動させた状態でも、最も下がった可動片持ち梁の変位がプルイン領域から離れるよう、ミラー101の主軸周りの最大回動角を制限する方法が考えられる。
しかし、主軸周りの最大回動角度の制限は、光スイッチのポート数を減らすことに繋がるので、好ましい解決策とは言えない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、可動片持ち梁が固定電極に吸引されて戻らなくなるプルイン現象の発生を抑制し、ミラーの主軸周りの回動角を増加させることができるMEMSミラー装置の制御方法およびMEMSミラー装置を提供することを目的とする。
本発明は、光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの第1の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記第1の辺と対向する前記ミラーの第2の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極とを備えたMEMSミラー装置を制御する制御方法であって、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に応じてバイアス電圧を算出するバイアス電圧算出ステップと、前記制御変数と前記バイアス電圧とから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧を算出する印加電圧算出ステップと、この印加電圧算出ステップで算出した値の印加電圧を前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧印加ステップとを備え、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に依存して、前記バイアス電圧を変化させることを特徴とするものである。
また、本発明のMEMSミラー装置の制御方法の1構成例において、前記ミラーの第1、第2の辺と平行でかつ前記ミラーの中心を通る軸を主軸、前記ミラーの第3、第4の辺と平行でかつ前記ミラーの中心を通る軸を副軸としたとき、前記バイアス電圧の算出に使用される前記制御変数は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数のうち、前記ミラーの主軸周りの所望の回動状態を指定する制御変数である。
また、本発明のMEMSミラー装置の制御方法の1構成例において、前記バイアス電圧をVbias、前記ミラーの主軸周りの所望の回動状態を指定する制御変数を主軸電圧Vx、所定の閾値電圧をVxth、所定の比例係数をkminus,kplus、Vx=Vxthのときの所定のバイアス電圧をVcとしたとき、前記バイアス電圧算出ステップは、Vx<Vxthの場合、Vbias=kminus・(Vx−Vxth)+Vcにより前記バイアス電圧Vbiasを算出し、Vx≧Vxthの場合、Vbias=kplus・(Vx−Vxth)+Vcにより前記バイアス電圧Vbiasを算出することを特徴とするものである。
また、本発明のMEMSミラー装置は、光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの第1の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記第1の辺と対向する前記ミラーの第2の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極と、前記ミラーの回動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に応じてバイアス電圧を算出するバイアス電圧算出手段と、前記制御変数と前記バイアス電圧とから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧を算出する印加電圧算出手段と、この印加電圧算出手段で算出された値の印加電圧を前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧発生手段とを備え、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に依存して、前記バイアス電圧を変化させることを特徴とするものである。
本発明によれば、ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に依存して、バイアス電圧を変化させることにより、ミラーの主軸周りの回動角制御と副軸周りの回動角制御の独立性を保ったまま、可動片持ち梁に必要な最大変位量を減らすことができるので、プルイン現象が発生し難い制御を実現することができる。また、本発明では、バイアスが固定値の場合と比較して、ミラーの主軸周りの回動角を増加させることができる。
バイアス電圧が固定の場合の可動片持ち梁の変位の主軸回動および副軸回動への寄与を説明する図である。 2つ並んだ可動片持ち梁の位置によりバイアス電圧を変えた場合の可動片持ち梁の変位の主軸回動および副軸回動への寄与を説明する図である。 本発明の実施の形態における可動片持ち梁の変位とバイアスとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態における可変バイアスの設定の仕方の例を示す図である。 固定電極に印加する電圧とバイアスの関係を説明する図である。 バイアス電圧を主軸電圧に関する2つの線形関数で表した図である。 本発明の実施の形態に係るMEMSミラー装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置の演算器の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る演算器のバイアス電圧算出処理を説明するフローチャートである。 二軸回動が可能なミラーを使った光スイッチのヒットレス動作を説明する図である。 波長選択スイッチの構造を示す図である。 出力ポート配置上のヒットレス経路を示す図である。 回動角度平面上のヒットレス経路を示す図である。 MEMSミラー装置の構造を示す斜視図である。 MEMSミラー装置の可動部の構造および電極の構造を示す平面図である。 MEMSミラー装置の動作を説明する図である。 ミラーの高密度配置を説明する平面図である。 MEMSミラー装置において静電気干渉を抑える構造の例を示す斜視図および断面図である。 可動片持ち梁の電圧−変位特性を示す図である。 ミラーを副軸周りに回動させた場合に主軸周りの回動角度に影響を与えることを説明する図である。 ミラーを副軸周りに回動させた場合に主軸周りの回動角度に影響を与えることを説明する図である。
[発明の原理]
本発明では、ミラーの主軸周りの最大回動角度を減らすことなく、上述の問題を解決する方法を提供する。このために、本発明では、固定電極に印加するバイアス電圧を固定値とせず、主軸周りの回動角に応じたバイアス電圧を印加する。本発明においても、波長選択スイッチの構成は図11に示したとおりであり、波長選択スイッチに用いるMEMSミラー装置の構成は図14、図15(A)、図15(B)に示したとおりであり、複数のミラーの配置は図17(B)に示したとおりなので、図11、図14、図15(A)、図15(B)、図17(B)の符号を用いて説明する。上記の説明から明らかなとおり、ミラー101の主軸は、ミラー101の短辺と平行でかつミラー101の中心を通る軸であり、ミラー101の副軸は、ミラー101の長辺と平行でかつミラー101の中心を通る軸である。
図1(A)に可動片持ち梁106の変位dの定義を改めて示し、固定電極107に印加するバイアス電圧が固定値の場合の可動片持ち梁106の変位dの主軸回動および副軸回動への寄与を図1(B)を用いて模式的に説明する。固定電極107に電圧を印加していないときの可動片持ち梁106が水平の状態を基準として、固定電極107に電圧を印加して可動片持ち梁106が撓んだときの復元力と静電引力が釣合ったところで静止したときの可動片持ち梁106の先端の変位がdである。
図1(B)における固定バイアス点は、固定電極107に固定のバイアス電圧を印加したときの可動片持ち梁106の先端の変位dを示している。また、図1(B)の「主軸変位」はミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdxmaxを表し、「副軸変位(上)」は可動片持ち梁106が上側にある状態(変位dが0に近い状態)でミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdymaxを表し、「副軸変位(下)」は、可動片持ち梁106が下側にある状態(変位dがプルイン領域に近い状態)でミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdymaxを表している。
なお、可動片持ち梁106が上側にある状態とは、固定電極107にバイアスを印加している条件下で可動片持ち梁106の変位dが0に近い状態のことを意味し、可動片持ち梁106が下側にある状態とは、固定電極107にバイアスを印加している条件下で可動片持ち梁106の変位dがプルイン領域に近い状態のことを意味しているものとする。
ミラー101の主軸周りの回動角度θxがどの角度でも、ミラー101を副軸周りに回動させるためには、ミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdxmaxに加え、可動片持ち梁106が上側にある状態でミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdymaxの1/2と、可動片持ち梁106が下側にある状態でミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdymaxの1/2とが必要になる。つまり、必要な最大変位dmaxは、dmax=Δdxmax+Δdymaxである。
最大変位dmaxはプルイン領域に入らないように、設計上制限されるので、この有限のdmaxを如何に有効に使用するかが問題になるが、バイアス電圧が固定の場合では、ミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位Δdxmaxのさらに両端に、ミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位の半分Δdymax/2が必要となってしまう。
そこで本発明では、図2(A)〜図2(D)に示すように、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が上側(変位dが0に近い状態)にあるときには固定電極107−2,107−3に印加するバイアス電圧を大きくしてミラー101を下げ、逆に、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が下側(変位dがプルイン領域に近い状態)にあるときにはバイアス電圧を小さくしてミラー101を上げる。
図2(A)、図2(B)は2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が上側にあるときを示し、図2(C)、図2(D)は2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が下側にあるときを示している。図2(A)、図2(B)における上側バイアス点db_upperは、可動片持ち梁106が上側にある状態に対応するバイアス電圧を固定電極107−2,107−3に印加したときの可動片持ち梁106−2,106−3の先端の変位dを示し、図2(C)、図2(D)における下側バイアス点db_lowerは、可動片持ち梁106が下側にある状態に対応するバイアス電圧を固定電極107−2,107−3に印加したときの可動片持ち梁106−2,106−3の先端の変位dを示している。
このように2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3の位置に応じて、固定電極107−2,107−3に印加するバイアス電圧を変えることにより、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が上側にあるときでも、ミラー101の主軸周りの回動角θxに影響を与えることなくミラー101を副軸周りに回動させることができ、かつ、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が下側にあるときでも、電極と片持ち梁の間隔を離しておけるので、プルインを恐れてミラー101の主軸周りの回動角θxを減らすことがない。
図2(B)と図2(D)を比較すると分かるように、本発明において変化させるバイアス量は、変位換算でΔdymax/2であり、その結果、最大変位dmaxは、dmax=Δdxmax+Δdymax/2となる。つまり、同じ主軸周りの回動角Δdxmaxと副軸周りの回動角Δdymaxを得るのに、固定バイアスのときと比較して、Δdymax/2だけ、最大変位を小さくすることができる。
ここまで説明してきたように本発明により、ミラー101の主軸周りの回動角制御と副軸周りの回動角制御の独立性を保ったまま、可動片持ち梁106に必要な最大変位量を減らすことができるので、プルイン現象が発生し難い制御を実現することができる。
面積をS、電極間隔をg0−d、誘電率をε、電極間電圧をVとしたときの2枚の平行平板電極にかかる静電引力fの一般式は以下のようになる。
f=εSV2/2(g0−d)2 ・・・(4)
本発明により減らすことができる可動片持ち梁106の変位量は、ミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量の半分Δdymax/2程度であるが、式(4)からも分かるように、静電引力fが電極間電圧Vに対して2次関数で増大し、かつ電極間隔の二乗分の1で減少することから、少しでも必要変位を抑えて可動片持ち梁106の変位をプルイン領域から離すことは、プルインを発生させないために非常に有効である。
ここまでの説明では、ミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdxmaxとミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量Δdymaxが与えられたことを前提に、ミラー101の主軸周りの回動角θxがどの角度でも、ミラー101を副軸周りに必要な角度まで回動させるための可動片持ち梁106の最大変位dmaxが、固定バイアスの場合よりも可変バイアスの方が小さくなることを述べた。
別の見方をすれば、可動片持ち梁106の最大変位dmaxが与えられたことを前提にすれば、本発明の可変バイアスの方が固定バイアスの場合よりも、最大変位dmax中に占める、ミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位Δdxmaxの割合が増えることになる。
最大変位dmax中に占める、ミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位Δdxmaxの割合Δdxmax/dmaxは、固定バイアスの場合、式(5)のようになる。
Δdxmax/dmax=Δdxmax/(Δdxmax+Δdymax)
・・・(5)
一方、割合Δdxmax/dmaxは、可変バイアスの場合、式(6)のようになる。
Δdxmax/dmax=Δdxmax/(Δdxmax+Δdymax/2)
・・・(6)
よって、同じ最大変位dmaxが与えられた場合、本発明の可変バイアスを適用することにより、固定バイアスの場合よりもミラー101の主軸周りの回動角θxを増加させることができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明するが、本発明はここで示す実施の形態の具体的な構成に限定されるものではない。
[実施の形態]
図3に本発明の実施の形態における可動片持ち梁106の変位とバイアスとの関係を示す。図3で示したグラフの横軸が可動片持ち梁106の変位d、縦軸が可動片持ち梁106と対向する固定電極107に印加するバイアスである。なお、図3に示したバイアスは電圧の値ではなく、固定電極107にバイアス電圧を印加したことによって発生した可動片持ち梁の変位を示しているので、バイアス電圧と区別するためにバイアス変位とした。
図3の変位d=0近傍では、可動片持ち梁106の変位が小さく、ミラー101が上がっている状態、すなわち図2(A)、図2(B)に示した可動片持ち梁106が上側にある状態となっている。この状態では、ミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位を確保するために、バイアスを大きく取る必要がある。図3では、このときのバイアス変位を上側バイアス点として示している。
なお、グラフの向きの関係で、バイアス変位が大きい方が紙面上側になっているが、ミラーから見ると、バイアス変位が大きい方が下がっている状態になる。
一方、変位dがプルイン領域に近い場合には、可動片持ち梁106の変位が大きく、ミラー101が下がっている状態、すなわち図2(C)、図2(D)に示した可動片持ち梁106が下側にある状態となっている。この状態では、プルイン領域に入らないようにミラー101の副軸周りの回動を発生させるため、バイアスを小さくする必要がある。図3では、このときのバイアス変位を下側バイアス点として示している。
上側バイアス点から下側バイアス点への遷移の方法は、(I)2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が上側(変位dが0に近い状態)にある場合は、必要な副軸周りの最大角度までミラー101を副軸周りに回動させたときに、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3のうちの一方の可動片持ち梁が物理的に取りえない変位、すなわち下方の固定電極への方向とは逆向きに反り返えらなければ要求された副軸周りの角度を満たすことができないようにならないこと、および、(II)2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が下側(変位dがプルイン領域に近い状態)にある場合は、必要な副軸周りの最大角度までミラー101を副軸周りに回動させたときに、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3のうちの一方の可動片持ち梁がプルイン領域に入り込まないようにすること、を満たせば、後は自由に設定してよい。
図3のグラフで示せば、変位dが小さい領域では破線30の上側にバイアス電圧が設定され、変位dが大きい領域では破線31の下側にバイアス電圧が設定されていればよい。つまり、4つの点A,B,C,Dを頂点とする平行四辺形の中に在って、A点とB点を通るように可変バイアス量を設定すればよい。
図4に、3つの可変バイアスの設定の仕方の例を示した。パターン1は、A点を含む、ほぼ全域に渡って上側バイアス点に対応するバイアス電圧を固定電極に印加し、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が下側(変位dがプルイン領域に近い状態)に来てミラー101を副軸周りに回動させ始めた段階(C点)から、B点に至った時に下側バイアス点になるようにバイアス電圧を下げるパターンである。
パターン2は、パターン1の逆で、B点を含む、ほぼ全域に渡って下側バイアス点に対応するバイアス電圧を固定電極に印加し、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3が上側(変位dが0に近い状態)に来てミラー101を副軸周りに回動させ始めた段階(D点)から、A点に至った時に上側バイアス点になるようにバイアス電圧を上げるパターンである。
パターン3は、A点からB点に至る段階で、直線的にバイアス電圧を上側バイアス点に対応する電圧から下側バイアス点に対応する電圧に変化させるパターンである。
これらのパターンは比較的簡単に定式化しやすいが、これらのパターンの組み合わせの他に、A−B点を通り、かつ、前述の平行四辺形内に入っているパターンならば、どのようなパターンでも構わない。
次に、図5を使って、具体的なバイアス電圧の設計方法について説明する。ここまでの説明では可動片持ち梁106の変位dを使ってきたが、変位dは直接、制御で指定できる値ではなく、指定できる変数は電圧Vである。よって、電圧Vについて、バイアスの設定方法を定義する必要がある。
図5(A)、図5(B)を用いて、バイアス電圧を印加することにより発生する変位=バイアス変位dbの定義を説明する。バイアス電圧は3つの電極107−1〜107−3に同じ値を印加するので、3つの可動片持ち梁106−1〜106−3にほぼ同じ変位が発生し、その結果、ミラー101の平均位置が下がる。平均位置は主軸の垂直方向の位置と考えてもよい。バイアス電圧がゼロの場合のミラー101の位置を基準として、バイアスを印加することによって下がったミラー101の垂直方向の変位がバイアス変位である。前述の通り、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3の変位が小さく、上側に位置している時は、副軸周りの回動を発生させるための副軸変位(上)の領域を設けるため、バイアス変位を大きく取る必要がある。つまり、ミラー101の平均位置を下げるバイアスとする。この時のバイアス変位をdb_upperとする。逆に、2つ並んだ可動片持ち梁106−2,106−3の変位が大きく、下側に位置している時は、副軸周りの回動を発生させるための副軸変位(下)の領域を設けるため、バイアス変位を小さくする必要がある。つまり、ミラー101の平均位置を上げるバイアスとする。この時のバイアス変位をdb_lowerとする。図5(C)に、固定電極107に印加するバイアス電圧Vbとミラー101の平均位置を示すバイアス変位dbとの関係を示す。図5(C)の縦軸がバイアス変位db、「主軸変位(上)」は可動片持ち梁106が上側にある状態でミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量を表し、「主軸変位(下)」は、可動片持ち梁106が下側にある状態でミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量を表している。
可動片持ち梁106の必要変位(最大変位)をdmaxとすると、この必要変位dmaxの範囲に、可変バイアスを上側バイアス点に定めたときのミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量とミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量とが収まり、かつ必要変位dmaxの範囲に、可変バイアスを下側バイアス点に定めた時のミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量とミラー101の副軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の変位量とが収まっている必要がある。
バイアス点dbは、可動片持ち梁106の変位が、ミラー101の主軸周りの最大回動角に必要な可動片持ち梁106の変位(=主軸変位)の中間点になるように定める。例えば、上側バイアス点db_upperは、図5(A)に示すように、ミラー101の主軸周りの回動に必要な可動片持ち梁106の主軸変位(上)の中間点とする。このバイアス変位をバイアス電圧に直すには、図5(C)を使って、上側バイアス点db_upperに対応するバイアス電圧Vaを定めればよい。可変バイアスを下側バイアス点に定めた時も同様に、下側バイアス点db_lowerに対応するバイアス電圧Vbを定めることができる。これらのバイアス電圧Va,Vbは、可動片持ち梁106の最大変位dmaxの中間変位に対応する電圧Voを中心として、その前後に位置している。
図4で示した可変バイアスのパターンをバイアス電圧を用いて描き直した図が図5(D)である。図5(D)の縦軸にはバイアス電圧を取っている。また図5(D)の横軸は、ミラー101の主軸周りの回動角に応じた主軸電圧Vxとミラー101の副軸周りの回動角に応じた副軸電圧Vyとからなる2軸で示している。図4の点A,B,C,Dを頂点とする平行四辺形が電圧Vxを横軸にした図5(D)に転写される形になるが、点A,B近傍の、Δdymax/2に相当する電圧範囲は、ミラー101の副軸周りの回動角を発生するために副軸電圧Vyのみを変えている状態なので、転写された平行四角形の両端部分(図5(D)の点A,1,2で囲まれた部分と点B,4,5で囲まれた部分)が+Vy方向に折れた形となる。
本実施の形態では、バイアス電圧を、ミラー101の主軸周りの所望の回動角に応じた主軸電圧Vxの関数で表す。この場合、図5(D)の点1,2,3,4,5,6を頂点とする六角形からはみ出さなければ、自由に関数を設けてよい。点1は、バイアス電圧Vaに対応する電圧Vxの取り得る範囲のうちの最小値である。点2は、電圧Voに対応する電圧Vxの取り得る範囲のうちの最小値である。点3(図3、図4の点Dに対応する点)は、バイアス電圧Vbに対応する電圧Vxの取り得る範囲のうちの最小値である。点4は、バイアス電圧Vbに対応する電圧Vxの取り得る範囲のうちの最大値である。点5は、電圧Voに対応する電圧Vxの取り得る範囲のうちの最大値である。点6(図3、図4の点Cに対応する点)は、バイアス電圧Vaに対応する電圧Vxの取り得る範囲のうちの最大値である。
図6は、簡単で、かつ上述の六角形内でいろいろなパターンを実現できるよう、バイアス電圧Vbiasを主軸電圧Vxに関する2つの線形関数で表した図である。図中の点1,2,3,4,5,6は、図5(D)と同一である。本実施の形態では、所定の閾値電圧Vxthを境として、バイアス電圧Vbiasを次の一次式で表す。Vx<Vxth、すなわち主軸電圧Vxが閾値電圧Vxthより小さい場合(閾値電圧Vxthに対応するミラー101の主軸周りの回動角よりも主軸電圧Vxに対応するミラー101の主軸周りの回動角が小さくなる場合)、バイアス電圧Vbiasは式(7)のように表すことができる。
Vbias=kminus・(Vx−Vxth)+Vc ・・・(7)
一方、Vx≧Vxth、すなわち主軸電圧Vxが閾値電圧Vxth以上の場合(主軸電圧Vxに対応するミラー101の主軸周りの回動角が閾値電圧Vxthに対応するミラー101の主軸周りの回動角以上の場合)、バイアス電圧Vbiasは式(8)のように表すことができる。
Vbias=kplus・(Vx−Vxth)+Vc ・・・(8)
ここで、VcはVx=Vxthの時のバイアス電圧であり、kminus,kplusは比例定数である。図6に示すように、比例係数kminusは、点1と点7(閾値電圧Vxthとバイアス電圧Vcの交点)とを結ぶ直線の傾きであり、比例係数kplusは、点7と点4とを結ぶ直線の傾きである。
なお、閾値電圧Vxthとバイアス電圧Vcと比例係数kminus,kplusの決め方は、ミラー101の使い方に依存し、様々な決定方法があるので、本実施の形態では定義しない。例えば、バイアス電圧を大きく取ることでミラー全体を沈めて、固定電極107への印加電圧に対するミラー101の回動角度の変化率を上げたいときは、全体的にバイアス電圧が大きくなり、Vx−Vbias平面上の軌跡がなるべくパターン1に近い形をとるように、閾値電圧Vxthとバイアス電圧Vcとを設定すればよい。閾値電圧Vxthとバイアス電圧Vcが定まれば、比例係数kminus,kplusを決定することができる。
反対に、固定電極107への印加電圧に対するミラー101の回動角度の変化率を下げたいときは、Vx−Vbias平面上の軌跡がパターン2に近い形をとるように、閾値電圧Vxthとバイアス電圧Vcとを設定すればよい。
また、特にそのような工夫が必要ないときは、kminus=kplusとなるよう、すなわち1つの線形関数でバイアス電圧Vbiasを表せるようにすれば、変数を1つ減らすことができる。
次に、ミラー101の制御についてより具体的に説明する。図7は本発明の実施の形態に係るMEMSミラー装置の制御装置の構成を示すブロック図である。制御装置は、ミラー101の主軸周りの所望の回動角に対応する主軸電圧Vxからバイアス電圧Vbiasを算出し、さらに主軸電圧Vxとミラー101の副軸周りの所望の回動角に対応する副軸電圧Vyとバイアス電圧Vbiasとから、各固定電極107−1〜107−3に印加する電圧(V1,V2,V3)を算出する演算を行う演算器10と、演算に使用するパラメータを予め記憶するメモリ11と、演算器10が演算した電圧(V1,V2,V3)を発生してミラーの対応する固定電極107−1〜107−3に印加する電圧発生器12とから構成される。演算器10は、バイアス電圧算出手段と印加電圧算出手段とを構成している。
演算器10としては、演算性能の高いCPU(Central Processing Unit)や、複数のミラー101を一度に高速に並列制御することが得意なFPGA(Field Programmable Gate Array)等が用いられる。演算器10としてCPUを用いる場合、CPUは、メモリ11に格納されたプログラムに従って後述の処理を実行する。
また、電圧発生器12としては、例えばアナログ・デバイセズ(Analog Devices)社製のAD5535のように、デジタル値で与えられた設定電圧に基づき、MEMSを動作させるのに十分な高電圧を発生することが可能な高電圧DAC(D/A Convertor)等が用いられる。
次に、ユーザの要求を固定電極107−1〜107−3への印加電圧(V1,V2,V3)に変換する処理手続きについて説明する。図8は演算器10の動作を説明するフローチャートである。
光スイッチを使用しているユーザから、ある出力ポートにスイッチする要求が入力された場合(図8ステップS1においてYES)、演算器10は、ユーザから指定された出力ポートに対応する電圧(Vx,Vy)の値をメモリ11に予め記録されたテーブル等を参照して取得する(図8ステップS2)。このようなテーブル等を参照して電圧(Vx,Vy)の値を得る方法自体はよく用いられる方法なので、本発明の権利を主張する範囲ではない。
続いて、演算器10は、主軸電圧Vxからバイアス電圧Vbiasを算出するためのパラメータをメモリ11から読み出す(図8ステップS3)。図6の例で示すと、これらのパラメータは、比例係数kminus,kplusと閾値電圧Vxthである。そして、演算器10は、ステップS3で取得したパラメータを使って、主軸電圧Vxからバイアス電圧Vbiasを算出する(図8ステップS4)。このステップS3,S4の処理の詳細については後述する。
次に、演算器10は、電圧(Vx,Vy)とバイアス電圧Vbiasとから印加電圧(V1,V2,V3)を算出する(図8ステップS5)。このステップS5の処理の詳細については後述する。
最後に、演算器10は、算出した印加電圧(V1,V2,V3)の値を電圧発生器12に設定する(図8ステップS6)。
電圧発生器12は、演算器10が演算した値の電圧(V1,V2,V3)を発生させて、この電圧(V1,V2,V3)をMEMSミラー装置の固定電極107−1〜107−3に印加する。この電圧印加により、ミラー101は、電圧(Vx,Vy)に対応した回動状態(θx,θy)まで回動する。
[バイアス電圧Vbiasの算出方法]
次に、図8のステップS3,S4の処理の詳細について説明する。図9は演算器10のバイアス電圧算出処理を説明するフローチャートである。
演算器10は、主軸電圧Vxからバイアス電圧Vbiasを算出するためのパラメータとして、比例係数kminus,kplusと閾値電圧Vxthとをメモリ11から取得する(図9ステップS10、図8ステップS3)。
次に、演算器10は、取得した比例係数kminus,kplusと閾値電圧Vxthとを使って、主軸電圧Vxからバイアス電圧Vbiasを算出する(図9ステップS11,図8ステップS4)。演算器10は、Vx<Vxth、すなわち主軸電圧Vxが閾値電圧Vxthより小さい場合、バイアス電圧Vbiasを式(7)により算出し、Vx≧Vxth、すなわち主軸電圧Vxが閾値電圧Vxth以上の場合、バイアス電圧Vbiasを式(8)により算出する。以上で、バイアス電圧算出処理が終了する。
[印加電圧(V1,V2,V3)の算出方法]
次に、図8のステップS5の処理の詳細について説明する。演算器10は、電圧(Vx,Vy)とバイアス電圧Vbiasとから、式(9)〜式(11)により印加電圧(V1,V2,V3)を算出する。
V1=Vbias−Vx ・・・(9)
V2=Vbias+Vx+Vy ・・・(10)
V3=Vbias+Vx−Vy ・・・(11)
以上で、印加電圧算出処理が終了する。
なお、始めからポートの最適結合状態を与える電圧(Vx,Vy)を要求状態として設定するのではなく、ヒットレス経路を経由したスイッチを行う場合は、ヒットレス経路に従った終点座標を経路順に要求状態として与えながら、Vxが更新される都度、バイアス電圧Vbiasを算出しながら、ミラー101を制御すればよい。例えば図13で説明したヒットレス動作の場合、図中のCに相当する終点座標(Vx,Vy)を与えてミラー101を回動させ、続いて図中のDに相当する終点座標(Vx,Vy)を与えてミラー101を回動させ、最後に図中のEに相当する終点座標(Vx,Vy)を与えてミラー101を回動させるようにすればよい。
また、本実施の形態では、制御変数を主軸電圧および副軸電圧である(Vx,Vy)としたが、例えば電圧に関する関数fx,fyを用いて、Ux=fx(Vx),Uy=fy(Vy)として変数変換した制御変数(Ux,Uy)に対しても、同様に本発明を適用可能である。
本発明は、二軸回動可能なMEMSミラー装置に適用することができる。
10…演算器、11…メモリ、12…電圧発生器、101…ミラー、105−1〜105−3…接続ばね、106−1〜106−3…可動片持ち梁、107−1〜107−3…固定電極、108−1,108−2…アンカー、115…基板。

Claims (6)

  1. 光を反射するミラーと、一端が前記ミラーの第1の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、一端が前記第1の辺と対向する前記ミラーの第2の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極とを備えたMEMSミラー装置を制御する制御方法であって、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に応じてバイアス電圧を算出するバイアス電圧算出ステップと、
    前記制御変数と前記バイアス電圧とから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧を算出する印加電圧算出ステップと、
    この印加電圧算出ステップで算出した値の印加電圧を前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧印加ステップとを備え、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に依存して、前記バイアス電圧を変化させることを特徴とするMEMSミラー装置の制御方法。
  2. 請求項1記載のMEMSミラー装置の制御方法において、
    前記ミラーの第1、第2の辺と平行でかつ前記ミラーの中心を通る軸を主軸、前記ミラーの第3、第4の辺と平行でかつ前記ミラーの中心を通る軸を副軸としたとき、前記バイアス電圧の算出に使用される前記制御変数は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数のうち、前記ミラーの主軸周りの所望の回動状態を指定する制御変数であることを特徴とするMEMSミラー装置の制御方法。
  3. 請求項2記載のMEMSミラー装置の制御方法において、
    前記バイアス電圧をVbias、前記ミラーの主軸周りの所望の回動状態を指定する制御変数を主軸電圧Vx、所定の閾値電圧をVxth、所定の比例係数をkminus,kplus、Vx=Vxthのときの所定のバイアス電圧をVcとしたとき、
    前記バイアス電圧算出ステップは、Vx<Vxthの場合、Vbias=kminus・(Vx−Vxth)+Vcにより前記バイアス電圧Vbiasを算出し、Vx≧Vxthの場合、Vbias=kplus・(Vx−Vxth)+Vcにより前記バイアス電圧Vbiasを算出することを特徴とするMEMSミラー装置の制御方法。
  4. 光を反射するミラーと、
    一端が前記ミラーの第1の辺に第1の接続ばねを介して接続され他端が固定された第1の可動片持ち梁と、
    一端が前記第1の辺と対向する前記ミラーの第2の辺に第2、第3の接続ばねを介して接続され他端が固定された第2、第3の可動片持ち梁と、
    前記第1、第2、第3の可動片持ち梁から離間して配置された第1、第2、第3の固定電極と、
    前記ミラーの回動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に応じてバイアス電圧を算出するバイアス電圧算出手段と、
    前記制御変数と前記バイアス電圧とから、前記第1、第2、第3の固定電極への印加電圧を算出する印加電圧算出手段と、
    この印加電圧算出手段で算出された値の印加電圧を前記第1、第2、第3の固定電極に印加する電圧発生手段とを備え、
    前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数に依存して、前記バイアス電圧を変化させることを特徴とするMEMSミラー装置。
  5. 請求項4記載のMEMSミラー装置において、
    前記ミラーの第1、第2の辺と平行でかつ前記ミラーの中心を通る軸を主軸、前記ミラーの第3、第4の辺と平行でかつ前記ミラーの中心を通る軸を副軸としたとき、前記バイアス電圧の算出に使用される前記制御変数は、前記ミラーの所望の回動状態を指定する制御変数のうち、前記ミラーの主軸周りの所望の回動状態を指定する制御変数であることを特徴とするMEMSミラー装置。
  6. 請求項5記載のMEMSミラー装置において、
    前記バイアス電圧をVbias、前記ミラーの主軸周りの所望の回動状態を指定する制御変数を主軸電圧Vx、所定の閾値電圧をVxth、所定の比例係数をkminus,kplus、Vx=Vxthのときの所定のバイアス電圧をVcとしたとき、
    前記バイアス電圧算出手段は、Vx<Vxthの場合、Vbias=kminus・(Vx−Vxth)+Vcにより前記バイアス電圧Vbiasを算出し、Vx≧Vxthの場合、Vbias=kplus・(Vx−Vxth)+Vcにより前記バイアス電圧Vbiasを算出することを特徴とするMEMSミラー装置。
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