JP2013181692A - 蓄熱装置、空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】多段階にかつ種々の所望の条件で熱交換速度を変えることができる蓄熱装置等を提供すること。
【解決手段】蓄熱装置1では、熱媒流体の流れ方向に直交する方向に所定の間隔19でガイドレール7に取り付けて並べられた複数枚の蓄熱体5が1つの蓄熱体群11を構成する。これらの蓄熱体5は、ガイドレール7上を移動可能である。蓄熱槽3には、複数の蓄熱体群11が、熱媒流体の流れ方向に直列に配置される。蓄熱装置1では、蓄熱槽制御装置25による制御により、蓄熱体群11毎に蓄熱体5を移動させ、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させて、熱媒流体に対する蓄熱体5の合計露出面積を多段階に変化させることにより、熱媒流体と蓄熱体5との熱交換速度を多段階に変化させる。
【選択図】図3
【解決手段】蓄熱装置1では、熱媒流体の流れ方向に直交する方向に所定の間隔19でガイドレール7に取り付けて並べられた複数枚の蓄熱体5が1つの蓄熱体群11を構成する。これらの蓄熱体5は、ガイドレール7上を移動可能である。蓄熱槽3には、複数の蓄熱体群11が、熱媒流体の流れ方向に直列に配置される。蓄熱装置1では、蓄熱槽制御装置25による制御により、蓄熱体群11毎に蓄熱体5を移動させ、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させて、熱媒流体に対する蓄熱体5の合計露出面積を多段階に変化させることにより、熱媒流体と蓄熱体5との熱交換速度を多段階に変化させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、蓄熱体と熱媒流体との間で熱交換を行なう蓄熱装置、およびこれを用いた空調システムに関する。
蓄熱装置は、蓄熱材と熱媒流体との間で熱交換を行なって液体や気体を所望の温度とするものである。蓄熱装置に用いられる蓄熱材としては、潜熱蓄熱材や顕熱蓄熱材が知られている。
これらの蓄熱材を用いた蓄熱装置において、熱媒流体の保温や保冷のための熱供給時間(ここで、熱とは熱媒流体の加熱を行うための温熱と熱媒流体の冷却を行うための冷熱とを含む)を長くするためには、蓄熱材の量を増大させるのが有効だと考えられる。しかし、蓄熱材の量を増大させると、蓄熱材に蓄熱するのに要する蓄熱時間が長くなる、蓄熱装置が大型化するという問題がある。
そのため、特許文献1では、蓄熱材の熱交換面の面積を可変にすることにより、蓄熱時には蓄熱時間を短くし、保温時には熱供給時間を長くする蓄熱器が提案されている。これは、蓄熱時に熱交換面の面積を拡げ熱交換速度を速め、保温時に熱交換面の面積を狭め熱交換速度を低下させるものである。
しかしながら、特許文献1に記載の蓄熱器は、流体中のバイメタル等が温度に依存して形状変化することで、熱交換面の面積が2種類に切り替わるものであり、多段階的に、例えば3段階以上に熱交換面の面積を切り替えることができなかった。また熱交換面の面積の切り替えも、バイメタル等がその形状変化温度に達した時点でしか行うことができなかった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、多段階にかつ種々の所望の条件で熱交換速度を変えることができる蓄熱装置等を提供することである。
前述した目的を達成するための本発明は、熱媒流体が流通する蓄熱槽の内部に配置した複数の蓄熱体と、前記蓄熱体を移動させる移動手段と、を具備し、前記移動手段により前記蓄熱体を移動させることで、前記蓄熱槽における前記蓄熱体と前記熱媒流体との熱交換速度を少なくとも3段階以上で調整可能としたことを特徴とする蓄熱装置である。
本発明では、蓄熱槽の内部で、種々の所望の条件により移動手段で蓄熱体を移動させることができ、これにより、熱媒流体と蓄熱体との熱交換速度を多段階(3段階以上)に調整することができるようになる。
また、前記移動手段による前記蓄熱体の移動を制御する制御装置をさらに具備することが望ましい。
これにより、熱交換速度の設定に関する種々の条件を定め、これに応じて、制御装置により蓄熱体の移動の制御を行い、熱交換速度を調整できるようになる。
これにより、熱交換速度の設定に関する種々の条件を定め、これに応じて、制御装置により蓄熱体の移動の制御を行い、熱交換速度を調整できるようになる。
また、前記移動手段は、前記蓄熱体を移動させて隣接する蓄熱体の対向する面同士を接触させ、前記熱媒流体に対する複数の前記蓄熱体の合計露出面積を変化させることが望ましい。
このようにして蓄熱体の合計露出面積、すなわち熱交換面の面積を変化させることで、熱交換速度の調整を容易に行うことができる。
このようにして蓄熱体の合計露出面積、すなわち熱交換面の面積を変化させることで、熱交換速度の調整を容易に行うことができる。
さらに、前記移動手段は、複数の前記蓄熱体が取り付けられるガイドレールを備え、前記蓄熱体が前記ガイドレール上を移動可能であることが望ましい。
移動手段として、複数の蓄熱体をガイドレールに取り付け、蓄熱体をガイドレール上で移動させることにより、簡単な機構を用いて容易に蓄熱体を移動させ、隣接する蓄熱体の対向する面同士を接触させることができる。
移動手段として、複数の蓄熱体をガイドレールに取り付け、蓄熱体をガイドレール上で移動させることにより、簡単な機構を用いて容易に蓄熱体を移動させ、隣接する蓄熱体の対向する面同士を接触させることができる。
加えて、前記ガイドレールに取り付けられた複数の前記蓄熱体が、前記蓄熱槽内で複数並べられることが望ましい。
ガイドレールに取り付けられた複数の蓄熱体を、蓄熱槽内で複数並べることにより、合計露出面積のより細かい制御が可能となる。
ガイドレールに取り付けられた複数の蓄熱体を、蓄熱槽内で複数並べることにより、合計露出面積のより細かい制御が可能となる。
また、前記移動手段は、前記蓄熱体を回転移動させて、前記熱媒流体の流れ方向に対する設置角度を変化させるものであってもよい。
このようにして、蓄熱体を回転させて、熱媒流体の流れ方向に対する蓄熱体の設置角度を変化させることでも、熱交換速度の調整を容易に行うことができる。
このようにして、蓄熱体を回転させて、熱媒流体の流れ方向に対する蓄熱体の設置角度を変化させることでも、熱交換速度の調整を容易に行うことができる。
第2の発明は、対象空間の温度の調整を行う空調システムであって、前記対象空間の空調条件を設定する空調条件設定装置と、前記対象空間の温度を計測する温度計測装置と、前記対象空間に流入する空気の熱交換を行う蓄熱装置と、を具備し、前記蓄熱装置は、前記空気が流通する蓄熱槽の内部に配置した複数の蓄熱体と、前記蓄熱体を移動させる移動手段と、前記移動手段による前記蓄熱体の移動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置が、前記空調条件設定装置から入力される前記空調条件および前記温度計測装置から入力される前記温度に基づき、前記移動手段により前記蓄熱体を移動させることで、前記蓄熱槽における前記蓄熱体と前記空気との熱交換速度を少なくとも3段階以上で調整可能としたことを特徴とする空調システム。
第2の発明は、第1の発明の蓄熱装置を用いた空調システムであり、対象空間の空調条件の設定や対象空間の温度に応じて、蓄熱装置での熱交換速度を多段階に制御することができるようになる。ここで、空調条件とは、空調設定温度(目的温度)や立ち上がり時間など、対象空間の空気調整に関する条件である。
本発明によれば、多段階にかつ種々の所望の条件で熱交換速度を変えることができる蓄熱装置等を提供できる。
[第1の実施形態]
まず、図面に基づいて、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
まず、図面に基づいて、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態の蓄熱装置1の斜視図である。なお、図では蓄熱槽3の内部の蓄熱体5等も示している。
図1に示すように、蓄熱装置1は、蓄熱槽3、複数の蓄熱体5、ガイドレール7、流体パイプ9、蓄熱槽制御装置25等からなる。
図1に示すように、蓄熱装置1は、蓄熱槽3、複数の蓄熱体5、ガイドレール7、流体パイプ9、蓄熱槽制御装置25等からなる。
蓄熱槽3は直方体の槽である。流体パイプ9は、蓄熱槽3の対向する2面に設けられる。流体パイプ9の内部と蓄熱槽3の内部とは連通しており、流体パイプ9は、矢印Aに示すように、熱媒流体の蓄熱槽3への供給・蓄熱槽3からの排出を行う。なお、本実施形態では、熱媒流体は空気である。
蓄熱槽3では熱媒流体が流通するとともに、複数の蓄熱体5により構成される蓄熱体群11が、熱媒流体の流れ方向(矢印Aに示す方向)に沿って3つ直列に並べられる。
図2は、蓄熱体5について示す図である。図2(a)は、蓄熱体5の正面図、図2(b)は、蓄熱体群11の側面図、図2(c)は、水平面で切断した蓄熱体5の斜視図である。
図2(a)に示すように、蓄熱体5は矩形の板状部材である。ガイドレール7は、矩形の蓄熱体5の四隅に配置される。
図2(b)に示すように、蓄熱装置1では、熱媒流体の流れ方向に直交する方向(矢印Bに示す方向)に配置されたガイドレール7に沿って、10枚の蓄熱体5が所定の間隔19で並べられ、これらが1つの蓄熱体群11を構成する。各蓄熱体5は、図示しないモータ等の駆動により、ガイドレール7に沿って移動可能である。これらガイドレール7やモータは、蓄熱体5の移動手段を構成する。
図2(b)に示すように、蓄熱装置1では、熱媒流体の流れ方向に直交する方向(矢印Bに示す方向)に配置されたガイドレール7に沿って、10枚の蓄熱体5が所定の間隔19で並べられ、これらが1つの蓄熱体群11を構成する。各蓄熱体5は、図示しないモータ等の駆動により、ガイドレール7に沿って移動可能である。これらガイドレール7やモータは、蓄熱体5の移動手段を構成する。
図2(c)に示すように、蓄熱体5は、容器13の内部に蓄熱材15を封入したものである。蓄熱材15は、本実施形態では潜熱蓄熱材とし、各種の水和塩、パラフィン類、有機物などが用いられるが、顕熱蓄熱材を用いることも可能である。容器13は、熱伝導率の高い材料からなる。熱伝導率の高い材料とは、例えば、アルミニウム、銅、ステンレススチール(SUS)等である。
なお、蓄熱装置1では、蓄熱槽3を図示しないカバー体で覆ってもよい。カバー体は、例えば、グラスウール、フェノール類等の、熱伝導率が1.0W/mK以下の材料からなることが望ましい。
蓄熱槽制御装置25は、前記のモータ等を駆動して蓄熱槽3内の蓄熱体5を移動させ、蓄熱体5の合計露出面積、すなわち熱交換面の面積を多段階に(3段階以上に)調整することにより、蓄熱装置1における熱交換速度を多段階に調整するものである。以下、その方法について図3を参照して説明する。
なお、熱交換速度は、単位時間あたりの伝達熱量の大きさをいい、蓄熱装置1における熱交換速度の調整とは、各実施形態における蓄熱体5の移動に伴い変化する値以外の、熱交換速度に影響を与える値(蓄熱体5と熱媒流体との温度差等)を仮に固定した場合の熱交換速度が変化し調整されることをいう。
本実施形態において、蓄熱体5の移動に伴い変化する値とは、前記したように蓄熱体5の合計露出面積である。
本実施形態において、蓄熱体5の移動に伴い変化する値とは、前記したように蓄熱体5の合計露出面積である。
図3は、蓄熱槽3内の蓄熱体5の配置状態を示す平面図である。
図に示すように、蓄熱装置1では、蓄熱体群11毎に蓄熱体5を移動させ、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させて、熱媒流体に対する蓄熱体5の合計露出面積を4段階で変化させる。
図に示すように、蓄熱装置1では、蓄熱体群11毎に蓄熱体5を移動させ、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させて、熱媒流体に対する蓄熱体5の合計露出面積を4段階で変化させる。
図3(a)は、合計露出面積が最も大きい場合の蓄熱体5の配置状態を示す図である。図3(a)では、蓄熱体群11−1、蓄熱体群11−2、蓄熱体群11−3の全てにおいて、隣接する蓄熱体5同士の間に隙間17がある。そのため、蓄熱体5の合計露出面積が最も広くなる。
図3(b)は、合計露出面積が2番目に大きい場合の蓄熱体5の配置状態を示す図である。図3(b)では、蓄熱体群11−2、蓄熱体群11−3において、隣接する蓄熱体5同士の間に隙間17があるが、蓄熱体群11−1では、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士が接触している。そのため、図3(a)に示す配置状態に比して、蓄熱体5の合計露出面積が2/3程度の大きさになる。
図3(c)は、合計露出面積が2番目に小さい場合の蓄熱体5の配置状態を示す図である。図3(c)では、蓄熱体群11−3において、隣接する蓄熱体5同士の間に隙間17があるが、蓄熱体群11−1、蓄熱体群11−2では、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士が接触している。そのため、図3(b)に示す配置よりも蓄熱体5の合計露出面積が小さくなり、図3(a)に示す配置状態の1/3程度となる。
図3(d)は、合計露出面積が最も小さい場合の蓄熱体5の配置状態を示す図である。図3(d)では、蓄熱体群11−1、蓄熱体群11−2、蓄熱体群11−3の全てにおいて、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士が接触している。そのため、蓄熱体5の合計露出面積が最小になる。
上記のように、蓄熱装置1では、蓄熱体群11の蓄熱体5を移動させ、熱媒流体に対する蓄熱体5の合計露出面積を4段階に変化させる。これに伴い、蓄熱装置1における蓄熱体5と熱媒流体との間の熱交換速度は4段階に変化し、合計露出面積が大きいほど、熱交換速度は上昇する。
次に、この蓄熱装置1を用いた空調システムの例について説明する。
図4は、蓄熱装置1を用いた空調システム21の概要を示す図である。図4に示すように、空調システム21は、蓄熱装置1、空調コントローラ27、温度センサ29等からなり、対象空間23における空気調整を行うものである。
図4は、蓄熱装置1を用いた空調システム21の概要を示す図である。図4に示すように、空調システム21は、蓄熱装置1、空調コントローラ27、温度センサ29等からなり、対象空間23における空気調整を行うものである。
空調システム21では、熱媒流体(空気)が図示しないファン等により流体パイプ9を介して蓄熱装置1に送りこまれ、蓄熱装置1において熱交換が行われる。熱交換が行われた熱媒流体は流体パイプ9を介して排出され、対象空間23に供給される。
対象空間23は、空調システム21による空気調整が行われる対象となる空間であり、各種の室、スペース等である。
この対象空間23には、空調コントローラ27、温度センサ29が配置される。
空調コントローラ27は、図示しない入力部や制御部等を備え、対象空間23での空調条件を設定可能な空調条件設定装置である。空調条件とは、空調設定温度(目的温度)や立ち上がり時間など、対象空間23の空気調整に関する条件である。
温度センサ29は、対象空間23の温度を計測する温度計測装置である。
空調コントローラ27は、図示しない入力部や制御部等を備え、対象空間23での空調条件を設定可能な空調条件設定装置である。空調条件とは、空調設定温度(目的温度)や立ち上がり時間など、対象空間23の空気調整に関する条件である。
温度センサ29は、対象空間23の温度を計測する温度計測装置である。
蓄熱槽制御装置25は、図示しない制御部等を備え、空調コントローラ27、温度センサ29から入力される対象空間23の空調条件や対象空間23の温度に基づき、前記のように、蓄熱装置1における蓄熱体5の合計露出面積を制御する。
蓄熱槽制御装置25は、例えば、空調の立ち上げ時に、立ち上がり時間を短くする場合や、空調設定温度と対象空間23の温度差が大きい場合には、図3(a)や図3(b)に示すように、蓄熱体5の合計露出面積を大きくすることにより、熱媒流体の温度を急速に低くまたは高くして対象空間23に送り込む。その逆の場合、あるいは空調の通常運転時等では、図3(d)や図3(c)に示すように、蓄熱体5の合計露出面積を小さくして、熱交換速度を下げて熱供給時間を長くする。
なお、蓄熱時には、図3(a)に示すように、蓄熱体5の合計露出面積を大きくして熱交換速度を上げて蓄熱時間を短くすればよい。この蓄熱は、夜間に安い電力で冷風もしくは温風を生成し蓄熱槽3に吹き込んだり、地熱により一定温度とした空気を蓄熱槽3に吹き込んだりして行なう。
このように、第1の実施形態の蓄熱装置1では、蓄熱槽制御装置25による制御により、蓄熱槽3内で蓄熱体5を移動させて隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させ、熱媒流体に対する蓄熱体5の合計露出面積を4段階で変化させることで、熱交換速度を4段階に調整できる。
この蓄熱装置1を空調システム21に用いることにより、対象空間23の空調設定温度や立ち上がり時間等の空調条件や、対象空間23の温度等に応じて、種々の条件で熱交換速度を変えることができる。この条件は予め蓄熱槽制御装置25で設定しておけばよい。
この蓄熱装置1を空調システム21に用いることにより、対象空間23の空調設定温度や立ち上がり時間等の空調条件や、対象空間23の温度等に応じて、種々の条件で熱交換速度を変えることができる。この条件は予め蓄熱槽制御装置25で設定しておけばよい。
また、蓄熱装置1では、複数の蓄熱体5をガイドレール7に取り付け、蓄熱体5をガイドレール7上で移動させて隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させ、蓄熱体5の合計露出面積を変化させるため、簡単な機構を用いて熱交換速度を変化させることができる。
また、複数の蓄熱体群11を、熱媒流体の流れ方向に沿って複数並べることにより、蓄熱体5の合計露出面積の細かい制御が可能となる。
また、複数の蓄熱体群11を、熱媒流体の流れ方向に沿って複数並べることにより、蓄熱体5の合計露出面積の細かい制御が可能となる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、合計露出面積の調整時に、1つの蓄熱体群11の全ての蓄熱体5について、隣接する蓄熱体5の対向する面6同士を接触させたが、1つの蓄熱体群11において、一部の蓄熱体5のみ隣接する蓄熱体5の対向する面6同士が接触するようにしてもよい。これにより、蓄熱体5の合計露出面積をより細かく多段階で制御することが可能になる。
さらに、第1の実施の形態では、蓄熱体5をモータの駆動によりガイドレール7上で移動させたが、これに限らず、様々な方法で蓄熱体5を移動させ合計露出面積を変化させることが可能である。
さらに、第1の実施の形態では、蓄熱体5をモータの駆動によりガイドレール7上で移動させたが、これに限らず、様々な方法で蓄熱体5を移動させ合計露出面積を変化させることが可能である。
加えて、熱交換速度を変化させる方法も、蓄熱体5の合計露出面積を変化させるものに限らない。以下、熱交換速度を変化させる別の例について、第2の実施形態として説明する。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態の蓄熱装置1aにおける蓄熱槽3内の蓄熱体5aの配置を示す平面図である。なお、図5に示す蓄熱装置1aにおいて、第1の実施形態の蓄熱装置1と同様の構成部材には、同一の符号を付して説明を一部省略する。
図5は、第2の実施形態の蓄熱装置1aにおける蓄熱槽3内の蓄熱体5aの配置を示す平面図である。なお、図5に示す蓄熱装置1aにおいて、第1の実施形態の蓄熱装置1と同様の構成部材には、同一の符号を付して説明を一部省略する。
図5(a)に示すように、蓄熱装置1aは、蓄熱槽3、複数の蓄熱体5a、支持部材31、ピン33、流体パイプ9、蓄熱槽制御装置25等からなる。
この蓄熱装置1aでは、熱媒流体の流れ方向(矢印Cに示す方向)に直交する方向に所定の間隔35で並べられた10枚の蓄熱体5aが、1つの蓄熱体群11aを構成する。各蓄熱体5aの上辺および下辺の中央は、同一の支持部材31にピン33により接合される。蓄熱体5aは、図示しないモータ等によりピン33を中心にそれぞれ回転可能である。これらピン33やモータは、蓄熱体5aを移動させる移動手段を構成する。なお、蓄熱体5aの形状や構成、材質は、第1の実施形態の蓄熱体5と同様である。
蓄熱装置1aでは、蓄熱槽3の内部に、3つの蓄熱体群11aが、熱媒流体の流れ方向に直列に配置されている。
次に、蓄熱装置1aにおいて、熱交換速度を多段階に調整する方法について説明する。蓄熱装置1aでは、蓄熱体群11a毎に蓄熱体5aを回転させて、熱媒流体の流れ方向に対する蓄熱体5aの設置角度を変化させる。
先ほどの図5(a)では、熱交換速度が最も小さい場合の蓄熱体5aの配置状態が示されている。図5(a)では、蓄熱体群11a−1、蓄熱体群11a−2、蓄熱体群11a−3の全てにおいて、蓄熱体5aの上下辺が熱媒流体の流れ方向に平行に配置される。
図5(b)は、熱交換速度が中程度の場合の蓄熱体5aの配置状態を示す図である。図5(b)では、蓄熱体群11a−2、蓄熱体群11a−3の蓄熱体5aの上下辺が熱媒流体の流れ方向に平行に配置されるが、蓄熱体群11a−1では、各蓄熱体5aが回転し、その上下辺が熱媒流体の流れ方向に対して斜め方向に所定の角度で配置される。
図5(c)は、熱交換速度が最も大きい場合の蓄熱体5aの配置を示す図である。図5(c)では、蓄熱体群11a−1、蓄熱体群11a−2、蓄熱体群11a−3の全てにおいて、蓄熱体5aが回転し、熱媒流体の流れ方向に対して斜め方向に所定の角度で配置される。
蓄熱装置1aでは、上記したように、蓄熱槽3内で蓄熱体5aを回転移動させ、熱媒流体の流れ方向に対する蓄熱体5aの設置角度を蓄熱体群11aごとに変化させる。これにより、熱交換速度が3段階で調整される。蓄熱装置1aでは、熱媒流体の流れ方向に対し斜め方向に配置された蓄熱体5aが多いほど、熱交換速度が上昇する。あるいは、設置角度も様々に定めることができ、熱媒流体の流れ方向に対する設置角度が大きいほど、熱交換速度は上昇する。
このように、第2の実施形態の蓄熱装置1aでは、蓄熱槽3内で蓄熱体5aを回転移動させ、熱媒流体の流れ方向に対する蓄熱体5aの設置角度を変化させることにより、熱交換速度を3段階に調整できる。例えば、蓄熱装置1aを前記の空調システム21に用いれば、前記と同様、対象空間23の空調条件や温度等に応じて、熱交換速度を変えることができる。
また、蓄熱装置1aでは、複数の蓄熱体5aをピン33で支持部材31に取り付け、ピン33を中心に蓄熱体5aを回転移動させるため、簡単な機構を用いて容易に熱交換速度を変化させることができる。ただし、これに限らず、様々な方法で蓄熱体5aを回転移動させ設置角度を変化させることが可能である。
さらに、本実施形態では、1つの蓄熱体群11aの全ての蓄熱体5aを回転させたが、一部のみ回転させることも可能であり、これにより、より細かく多段階に熱交換速度を制御できる。
さらに、本実施形態では、1つの蓄熱体群11aの全ての蓄熱体5aを回転させたが、一部のみ回転させることも可能であり、これにより、より細かく多段階に熱交換速度を制御できる。
また、以上の実施形態では、熱媒流体の流れ方向と直交する方向に並べた10枚の蓄熱体で1つの蓄熱体群を構成し、熱媒流体の流れ方向に3つの蓄熱体群を直列に配置したが、蓄熱体の数量や配置はこれに限らない。例えば、各実施形態において、熱媒流体の流れ方向に複数の蓄熱体を並べ蓄熱体群とし、その直交方向に複数の蓄熱体群を直列に配置することも可能である。
さらに、以上の実施形態では、熱媒流体を空気とし、蓄熱装置を空調システムに用いる例について述べたが、この他乾燥機の補助等としても使用できる。また、熱媒流体は空気に限らない。同様の蓄熱装置を用いて、熱媒流体を水とすれば、風呂水の温度を調整したり、印刷工場で印刷機に用いる冷却水の温度を調整したりすることもでき、これらの場合も同様の効果が得られる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a………蓄熱装置
3………蓄熱槽
5、5a………蓄熱体
6………面
7………ガイドレール
11、11−1〜11−3、11a、11a−1〜11a−3………蓄熱体群
15………蓄熱体
3………蓄熱槽
5、5a………蓄熱体
6………面
7………ガイドレール
11、11−1〜11−3、11a、11a−1〜11a−3………蓄熱体群
15………蓄熱体
Claims (7)
- 熱媒流体が流通する蓄熱槽の内部に配置した複数の蓄熱体と、
前記蓄熱体を移動させる移動手段と、
を具備し、
前記移動手段により前記蓄熱体を移動させることで、前記蓄熱槽における前記蓄熱体と前記熱媒流体との熱交換速度を少なくとも3段階以上で調整可能としたことを特徴とする蓄熱装置。 - 前記移動手段による前記蓄熱体の移動を制御する制御装置をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置。
- 前記移動手段は、前記蓄熱体を移動させて隣接する蓄熱体の対向する面同士を接触させ、前記熱媒流体に対する複数の前記蓄熱体の合計露出面積を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蓄熱装置。
- 前記移動手段は、複数の前記蓄熱体が取り付けられるガイドレールを備え、前記蓄熱体が前記ガイドレール上を移動可能であることを特徴とする請求項3記載の蓄熱装置。
- 前記ガイドレールに取り付けられた複数の前記蓄熱体が、前記蓄熱槽内で複数並べられることを特徴とする請求項4記載の蓄熱装置。
- 前記移動手段は、前記蓄熱体を回転移動させて、前記熱媒流体の流れ方向に対する設置角度を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蓄熱装置。
- 対象空間の温度の調整を行う空調システムであって、
前記対象空間の空調条件を設定する空調条件設定装置と、
前記対象空間の温度を計測する温度計測装置と、
前記対象空間に流入する空気の熱交換を行う蓄熱装置と、
を具備し、
前記蓄熱装置は、
前記空気が流通する蓄熱槽の内部に配置した複数の蓄熱体と、
前記蓄熱体を移動させる移動手段と、
前記移動手段による前記蓄熱体の移動を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置が、前記空調条件設定装置から入力される前記空調条件および前記温度計測装置から入力される前記温度に基づき、前記移動手段により前記蓄熱体を移動させることで、前記蓄熱槽における前記蓄熱体と前記空気との熱交換速度を少なくとも3段階以上で調整可能としたことを特徴とする空調システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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