JP2022155891A - インキ温度調整システムおよびインキ温度調整方法 - Google Patents

インキ温度調整システムおよびインキ温度調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 印刷機に供給されるインキの温度を安価に管理することができるインキ温度調整システムと、インキ温度調整方法を提供する。【解決手段】 インキ温度調整システムは、印刷機1に供給するインキを貯留するインキタンク3と、インキとの間で熱交換するための熱交換用タンク4と、温度調整された循環水を熱交換用タンクに送水するための往路パイプ53と、循環水を所定温度に制御する水温制御手段5と、熱交換用タンクから水温制御手段へ循環水を返送するための復路パイプ54と、循環水を循環させるためのポンプ55と、インキを熱交換用タンク内に通過させるインキ迂回パイプ6と、インキの温度を管理するインキ温度管理手段2とを備える。熱交換用タンクは、循環水を貯留させることができる容量を有するものであり、インキ迂回パイプは、熱交換用タンク内において貯留される循環水に浸漬される熱交換領域が形成されるものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、印刷機に供給するインキの温度を調整するためのシステムおよび方法に関し、特に、所望の温度内に調整されたインキを印刷機に供給するためのインキ温度調整システムおよびインキ温度調整方法に関するものである。
印刷機に供給すべきインキの温度は、印刷機が設置される環境(国や地域など)によって異なり、また、同じ場所であっても季節または気候等によって変化し、そのインキの温度によって粘度は変化し異なることがある。インキの粘度が変化する場合には、被印刷体への付着量が変化するため、印刷機に供給されるインキは、所定の粘度であることが要求される。そこで、印刷機に供給するインキの粘度を調整するための粘度コントローラが使用されている(特許文献1参照)。この粘度コントローラでは、インキの粘度はインキ濃度として認識され、粘度が大きい場合には希釈することで粘度を低下していた。
ところが、インキの温度が一定である場合には上記の粘度管理によって濃度調整を実現することができるものであるが、インキの温度が大きく異なる場合には、粘度管理のみでは濃度を管理できないことがあった。そこで、従来は、インキタンクに熱交換器を直接設置するものが創作されていた(特許文献2参照)。また、連続印刷によるローラ(版胴)の温度の上昇に伴うインキ温度の上昇を抑制するため、そのローラ(版胴)を冷却させる技術が創作されていた(特許文献3、4参照)。
特開2015-13227号公報 特開昭63-62734号公報 特開2015-104894号公報 特開2016-7851号公報
前掲の特許文献2は、印刷機が運転中である場合はインキを冷却し、運転中断時はインキを加温するものであるが、熱交換器が直接インキタンクに設置されることから、防爆装置を設置しなければ(防爆処理を施さなければ)ならなかった。他方、特許文献3および4は、ローラ(版胴)を冷却するものであるが、印刷機の設置場所、気温または気象等によって異なる温度のインキが供給され得ることまで考慮されたものではなかった。すなわち、例えば、夏季における工場内の温度は30℃を超え、また、冬季における工場内の温度は20℃を下回ることがあり、その環境に応じてインキタンクに貯留されるインキの温度は当然に一定ではなかった。これは、日本国内における地域的な差によっても異なるが、諸外国における国ごとの環境によっても異なるものであった。
そして、印刷機に供給すべきインキの粘度は、粘度コントローラによって調整することができるとしても、供給される(インキタンクに貯留される)インキの温度が異なる場合には、同じ粘度に調整されたインキの濃度は均一なものではないこととなり得るものであった。そこで、インキの温度を調整するためにインキを加温または冷却するとしても、インキタンクに直接(または近傍において間接的に)熱交換を行う場合には、防爆装置を用いることが要求されるため、加温または冷却のための装置は高価にならざるを得なかった。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、印刷機に供給されるインキの温度を安価に管理することができるインキ温度調整システムと、インキ温度調整方法を提供することである。
そこで、インキ温度調整システムに係る本発明は、印刷機に供給するインキの温度を調整するインキ温度調整システムであって、印刷機に供給するインキを貯留するインキタンクと、前記インキとの間で熱交換するための熱交換用タンクと、温度調整された循環水を前記熱交換用タンクに送水するための往路パイプと、前記熱交換用タンクに供給すべき循環水を所定温度に制御する水温制御手段と、前記熱交換用タンクから前記水温制御手段へ循環水を返送するための復路パイプと、前記循環水を往路パイプおよび復路パイプによって循環させるためのポンプと、前記インキを前記インキタンクから前記印刷機へ供給するまでの供給経路の途中において、該インキを前記熱交換用タンク内に通過させるためのインキ迂回パイプと、前記インキタンクから前記印刷機に供給されるインキの温度を管理するインキ温度管理手段とを備え、前記熱交換用タンクは、循環水を貯留させることができる容量を有するものであり、前記インキ迂回パイプは、前記熱交換用タンク内において貯留される循環水に浸漬される熱交換領域が形成されるものであることを特徴とする。
上記構成によれば、熱交換用タンクには、温度調整がなされた循環水が供給され、インキタンクに貯留されているインキは、インキタンクから印刷機へ供給するまでの供給経路の途中において、インキ迂回パイプの熱交換領域を通過することにより、熱交換用タンク内で熱交換されることとなる。このときの熱交換は、熱交換用タンクに供給された温水または冷水とインキとの間でなされるものであり、インキ温度を上昇させる場合には、熱交換用タンクの温水からインキが熱の供給を受けることとなり、インキ温度を下降させる場合には、インキの熱を吸収することができることとなる。熱交換用タンクに貯留される循環水は、水温制御手段によって水温調整されたものが常時循環するため、熱交換により温度が低下または上昇することを想定しつつ、温度調整された循環水が常時供給されるものとなる。このような構成により、インキタンクから離れた場所で温度管理された循環水を使用しつつインキの温度を調整することができるため、当該熱交換用タンクには防爆装置を設ける必要がないものとなる。
この場合、インキ温度管理手段は、インキの粘度を管理する粘度コントローラに設置されるものとすれば、インキの循環において粘度コントローラに設けられるポンプを使用することができる。また、熱交換用タンクが、粘度コントローラと印刷機との間に設けられることにより、印刷機に供給される直前のインキ温度を調整することができる。この場合、最終的に印刷機に供給されるインキの温度は、熱交換用タンクによって熱交換されたものとなるため、粘度コントローラ(インキ温度管理手段)による管理温度は、熱交換を想定した温度として管理することとなる。
上記構成の発明においては、前記水温制御手段として、適宜な水量を貯留する水温調整用タンクと、該水温調整用タンク内に貯留される循環水に対する熱の供給または吸収を行う加熱部または冷却部とを備えるものとすることができる。
このような構成においては、水温制御手段において、所定量の貯水が可能な水温調整用タンクにおいて、加熱部または冷却部による熱の供給または吸収が行われることとなり、印刷機(インキタンク)から適度に離れた場所での加温または冷却を行うことができる。加熱部には、ヒータを使用することができ、また、冷却部には、ウォータークーラを使用することができるが、これらに限定されるものではなく、一般的な加温・冷却用の熱交換器を使用することができる。
そして、上記の各構成による発明においては、前記水温制御手段が、非防爆区域に設置されるものとし、前記往路パイプおよび前記復路パイプは適宜分岐され、防爆区域内に設置される複数の前記熱交換用タンクとの間で循環水を循環させるものとすることができ、熱交換用タンクは、複数の印刷機の近傍において印刷機ごとに個別に設けられるインキ迂回パイプの熱交換領域を介して、供給すべきインキとの間で熱交換するものとすることができる。
このような構成においては、1台の水温制御手段により水温調整される循環水が複数の熱交換用タンクに供給されることとなり、複数の印刷機を同時に稼働する一般的な印刷工程において、同時に各印刷機に供給するインキの温度を調整することができる。それぞれの印刷機にインキを供給する際の管理は、個々のインキ温度管理手段によって管理されていることから、印刷機ごとに所定の温度となっているインキを供給することができる。特に、水温制御手段が、非防爆区域に設置されるものであることから、当該水温制御手段には防爆構造とする必要がなく、安価な装置を用いることも可能となる。従って、インキ温度を上昇させる必要がある場合においても、電熱ヒータその他の加熱手段を用いることが許容され、冷却装置としても、ガス燃焼型のエンジン等を使用するタイプを用いることも許容されることとなる。
他方、インキ温度調整方法に係る発明にあっては、上記のような構成のインキ温度調整システムを使用するものであって、防爆区域内に設置された複数の前記熱交換用タンクに対し、非防爆区域に設置された前記水温制御手段によって予め設定された水温の循環水を供給する工程と、前記インキタンクから前記印刷機へ供給するまでの供給経路の途中において、前記インキ迂回パイプ内でインキを移動させる工程とを含み、前記インキ迂回パイプ内でインキを移動させることにより、前記熱交換用タンク内で循環水とインキとの間で熱交換するものであることを特徴とする。
上記構成によれば、非防爆区域において水温調整がなされた循環水を熱交換用タンクに供給することにより、インキの温度調整を行うことができる。この循環水に対する水温制御手段は、非防爆区域に設置されるため、防爆装置等の設置が不要となり、安価な装置によるインキ温度の調整が可能となる。また、インキは、インキ迂回パイプに沿って循環させればよいこと、および複数の印刷機に対応させることができることから、これまた安価にインキ温度の管理ができることとなる。さらに、インキ温度の管理は、粘度コントローラ等によることができ、既存の装置を兼用させれば一層安価にインキの温度管理ができるものである。
インキ温度調整システムの実施形態の概略を示す説明図である。 複数の印刷機に供給されるインキの温度を調整する場合の形態を示す説明図である。 インキ温度管理手段および水温制御手段の構成を示す説明図である。 インキ温度管理手段による制御フローを示す説明図である。 熱交換用タンクの実施形態を示す説明図である。 インキ迂回パイプの実施形態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<インキ温度調整システムの基本構造>
まず、図1は、インキ温度調整システムの全体的な構成を示す図である。印刷機(グラビア印刷機等)1に対してインキを供給する場合には、インキが適度な粘度で供給されるように、粘度コントローラ2を経由させるものである。粘度コントローラ2は、本体部21と溶剤タンク22とを備え、本体部21にダイヤフラム型ポンプ23が設置されている。ダイヤフラム型ポンプ23は、圧縮空気によって駆動されるものであり、圧縮空気はレギュレータによって所定圧力に調整され、ダイヤフラム型ポンプ23に供給される。このダイヤフラム型ポンプ23は、インキタンク3から適量のインキを吸引するとともに、ポンプとしての作動状況に応じて粘度を検出し、バルブ24を操作して溶剤タンク22の希釈溶剤を適宜混合させるものである。適度に希釈溶剤が混合させることによって好適な粘度に調整されたインキが印刷機1に供給されるものとなっている。
印刷機に供給されるインキは、インキ皿10に継続的に流入するとともに一時的に貯留され、版胴である第1シリンダ11に供給される。この第1シリンダに対向して、圧胴である第2シリンダ12が設けられ、第1シリンダ11と第2シリンダ12との間にシート状の印刷対象物Aを通過させることによって、インキ皿10のインキを印刷対象物Aに印刷することができる。インキ皿20に供給されるインキのうち、余剰のインキはインキ皿10から排出されてインキタンク3に返送され、再び粘度コントローラ2に吸引される構成である。
本発明の実施形態は、インキタンク3に貯留されるインキがインキ皿10に供給する過程において、その温度を調整するものである。温度調整には、熱交換用タンク4と、循環水の水温を調整する水温制御部(水温調整手段)5とを備えており、熱交換用タンク4は、循環水が送水および返送される構成である。この熱交換用タンク4の内部には、インキ迂回パイプ6の一部が配置されるものである。インキ迂回部6は、インキタンク3からインキ皿10に到達する過程のいずれかに設置されるものであるが、本実施形態では、粘度コントローラ2と印刷機1(インキ皿10)との間に設けられるものとしている。これに伴って熱交換用タンク4は、印刷機1と粘度コントローラ2との間に設置されるものとなっている。そして、熱交換用タンク4に対し、水温調整部5によって温度調整された循環水が供給され、その内部を通過するインキとの間で熱交換されるものである。なお、循環水としては蒸留水を使用することができるほか、蓄熱効果を有するエチレングリコールなどを使用してもよい。
インキ迂回パイプ6は、熱交換用タンク4の内部に向かって供給する供給領域61と、インキ皿10に対して吐出する吐出領域62とを有し、また、熱交換用タンク4の内部において循環水に浸漬されることで熱交換が行われる熱交換領域63が形成されている。供給領域61は、粘度コントローラ2から排出される排出パイプ25に連続または兼用されされるものであり、吐出領域62は、インキ皿10の近傍で開口している。なお、インキ迂回パイプ6におけるインキの流動は、粘度コントローラ2のダイヤフラム型ポンプ23による吐出圧によって行われ、当該ポンプ23が作動することにより継続的にインキを流動させることができる。また、インキ皿10からの余剰インキは、インキ皿10においてオーバフローした際に自然流下によってインキタンク3に返送されるものである。
水温制御部5の概略は、水温調整用タンク51と、この水温調整用タンク51に貯留される循環水の温度を調整する熱交換器52とで構成されるものとしている。熱交換器52は、循環水の温度を上昇させるための加熱(加温)の場合と、温度を下降させるための冷却の場合を切り替えて使用できるものである。なお、熱交換器52による温冷を切り替える構成のほか、冷却用の触媒を循環させる構成部分と、加熱のためのヒータ部分との二種類を備える構成でもよい。所定の温度の循環水を循環させるものであれば、水温調整用タンク51および熱交換器52の構成は、特に限定するものではない。そこで、冷却のための循環水の供給に際しては、例えば、印刷機用チラー(冷却水循環装置)における冷却水を使用することも可能であり、揚水した地下水を温度調整しつつ循環させることも可能である。他方、循環水の加温に際しては、高温に加熱する必要がないため、例えば、金型温度調整装置として汎用される温水機を使用することも可能である。
水温制御部5は、要するに水温調整用タンク51に貯留される循環水を常時所定温度に調整するものである。そして、水温調整用タンク51の循環水が所定温度(所定範囲内の温度)であるときに循環が許容される構成とするのである。所定温度(所定範囲内の温度)となった循環水は、往路パイプ53を経由して熱交換用タンク4に供給される。また、同時に、熱交換用タンク4に貯留される循環水は復路パイプ54を経由して返送されるものである。熱交換用タンク4は密閉された容器によって構成されるため、所定の流量の循環水が供給されることにより、同量の循環水が返送されるものとなっている。そのため、往路パイプ53の側に循環用のポンプ55が設けられている。
上記の往路パイプ53および復路パイプ54は、いずれも分岐可能であり、分岐したパイプは、別に設けられる図示と同種の熱交換用タンク4にも接続され、同種の印刷機1へ供給すべきインキの温度管理に利用されるものである。
なお、インキタンク3は、粘度コントローラ2に内蔵されるか、または粘度コントローラ2の近傍に設置され、熱交換用タンク4は、このインキタンク3の近傍に設置されるものである。そして、これらと印刷機1は、それぞれ防爆区域Xに設置されるものであるが、水温制御部5は非防爆区域Yに設置されるものである。
「防爆区域」とは、インキ等の可燃性液体を使用する区域において火気の発生を防止するために、使用機器類を防爆構造とすべきこと(防爆処理)を要する領域を意味し、また、「非防爆区域」とは、可燃性液体が使用される場所から相当程度に離れ、または隔離されるなどにより、防爆処理が不要な領域を意味する。
従って、上述のように、水温制御部5を非防爆区域Yに設置し、そこから供給される循環水を防爆区域Xに供給する場合、熱交換用タンク4は火気の発生要因とはなり得ないことから、防爆区域Xに設置することが可能となる。その結果として、インキの温度調整は、個別の印刷機の近傍において、防爆区域Xのなかで行うことができることとなる。
<循環水・インキの循環経路>
ここで、複数の印刷機に供給されるインキの温度を調整する際の各種液体の循環経路について説明する。図2は、1台の水温制御部5に対し、3台の印刷機1A,1B,1Cに使用するインキの温度を調整する場合の態様を例示するものである。なお、図は、各装置の配置状態を示すものであり、各装置の大きさ(尺度)は適当に示されている。
1台の水温制御部5は、上述のとおり非防爆区域Yに設置され、往路パイプ53が分岐されて、各印刷機1A,1B,1Cの近傍に設置される熱交換用タンク4A,4B.4Cに供給される。また、同様に、復路パイプ54は、分岐されつつ熱交換用タンク4A,4B,4Cに接続され、個々の熱交換用タンク4A,4B,4Cから循環水が返送される。水温制御部5では、設定された所定温度に予め調整された循環水が貯留されることから、個々の熱交換用タンク4A,4B,4Cに供給される循環水の温度は一定であり、また、常時循環されることにより、熱交換用タンク4A,4B,4Cの内部を通過する循環水の温度は、熱交換されることを前提として想定される範囲内の温度に維持させることができる。
他方、インキタンク3A,3B,3Cに貯留されるインキは、それぞれインキ温度管理手段として機能する粘度コントローラ2A,2B,2Cによって吸引され、熱交換用タンク4A,4B,4Cを経由して印刷機1A,1B,1C(インキ皿10A,10B,10C)に供給された後、余剰インキが再びインキタンク3A,3B,3Cに戻される。従って、個々の印刷機1A,1B,1Cに供給されるインキは、個別の熱交換用タンク4A,4B,4Cの内部を通過する構成となっている。インキが熱交換用タンク4A,4B,4Cの内部を通過することにより、熱交換されて温度が上昇(または下降)し、印刷機1A,1B,1C(インキ皿10A,10B,10C)に供給されることとなる。また、インキタンク3A,3B,3Cに返送されるインキは、インキタンク3A,3B,3Cにおいて他のインキと混合することとなるが、インキタンク3A,3B,3Cに貯留されるインキが既に熱交換用タンク4A,4B,4Cを通過し、適度に温度調整がなされたものであれば、インキタンク3A,3B,3Cの内部で温度が変化(大きく上昇または下降)することはないものとなる。
ところで、印刷機を始動する際に、インキタンク3A,3B,3Cに貯留されるインキの温度が所定範囲内でない場合であって、印刷に供すべき温度から乖離しているような状態では、仮に1回の熱交換用タンク4A,4B,4Cにより温度調整が行われたとしても印刷機に供給することが好ましくない場合があり得る。そこで、それぞれの粘度コントローラ(インキ温度管理手段)2A,2B,2Cには温度センサが設けられ、粘度コントローラ2A,2B,2Cに吸引されたインキの温度に応じて、印刷機1A,1B,1Cを作動させるか否かが判断される。すなわち、粘度コントローラ2A,2B,2Cに吸引されるインキの温度が所定の温度(熱交換用タンク4A,4B,4Cを経由した後の温度を想定した範囲の温度)となるまで、印刷機1A,1B,1Cを作動させることなくインキの循環のみを繰り返すものとすることができる。
そして、粘度コントローラ2A,2B,2Cに吸引されるインキの温度が適正な状態となった後に印刷機1A,1B,1Cを作動させるとともに、インキ温度を常時管理しつつ熱交換用タンク4A,4B,4Cを経由させながらインキを循環させることとなる。なお、粘度コントローラ2A,2B,2Cによるインキ粘度の管理は、印刷機1A,1B,1Cを作動させるタイミングで開始され、吸引される温度が好適な状態である場合においても粘度が適正でない場合、希釈溶剤を混合させることにより粘度調整が行われるものとしている。
<制御構造>
上記のように、インキおよび循環水を必要に応じて循環させることによって、印刷機1に供給すべきインキの温度を調整するものであるが、ここで、インキ温度管理部(インキ温度管理手段)および水温制御部(水温制御手段)による制御の構成について説明する。図3は、両装置(両手段)の制御部を例示するものである。
この図に示されているように、本実施形態においては、インキ温度制御部(インキ温度制御手段)として粘度コントローラ2が用いられる場合を例示しており、粘度コントローラ2に設けられる制御部21によって管理されるものを示している。具体的には、インキの温度を検出する温度センサ22により計測されるインキ温度を入力値として、熱交換による温度調整の要否を制御部21が判断する。温度センサ22はインキタンク3から吸引されるインキの温度を計測するものであり、粘度コントローラ2が粘度調整する前段階またはダイヤフラム型ポンプ内部を通過する段階で計測するものとしている。この制御部21による制御信号は、出力インターフェース23を介して水温制御部5のコントローラ56へ出力されるほか、印刷機1に対する操作信号として出力される。この制御部21による制御により、水温制御部5の作動・停止の操作を可能とし、同時に、印刷機1の運転・停止を操作可能としている。
なお、インキ温度管理部(粘度コントローラ)2が、表示部24を備えることにより、インキの温度や熱交換の状態を表示パネル等に表示させることができる。この場合には、印刷機1の作動状態(運転・停止)に関する操作を手動とし、表示部に表示されるインキ温度を管理者が目視により確認し、管理者の判断に基づいて印刷機1を操作するように構成することができる。また、さらに入力部25を設ける場合には、印刷機やインキの種類に応じて、管理すべきインキの温度を設定・変更等ができるものとなる。いずれの場合においても、熱交換用タンク4が粘度コントローラ2とインキ皿10との間に設けられる場合には、粘度コントローラ2によるインキ温度計測後に温度調整がされることとなるから、その熱交換による温度調整分を想定した温度設定がなされるものとなる。
水温制御部5は、コントローラ56を備えるものであり、インキ温度管理部2から出力される信号を入力として、始動および停止ならびに循環水の設定温度を制御することができるものとしている。また、水温制御部5が有する水温調整用タンク51には、温度センサが設けられ、コントローラ56は、当該温度センサによる循環水の温度を入力値として、熱交換器52の運転状況を管理するものとしている。そのため制御信号は、出力インターフェース57を介して、熱交換器52に出力させるものとしている。なお、水温調整用タンク51に貯留される循環水の温度が適宜範囲となった場合には、循環ポンプ55を作動し、熱交換用タンク4に対する循環水の供給を開始するものである。このとき、1台の水温制御部5によって複数台の印刷機1(粘度コントローラ2)において個別にインキ温度を管理する場合は、循環ポンプ55とは別に、複数の熱交換用タンク4に接続される往路パイプ53ごとに電磁弁(図示せず)を設け、個々のインキ温度管理部2から入力される情報に応じて、個々の電磁弁を操作するように構成してもよい。
このように、インキ温度管理部2から出力される情報に応じて、熱交換器52の作動状態を管理し、必要な条件下において必要な程度の循環水を熱交換用タンク4に供給するものである。なお、水温制御部5に表示部58を設けることにより、運転状態、設定温度、循環水の温度などを表示させることができる。また、入力部59を設けることにより、手入力により運転・停止および設定温度等を入力させることも可能となる。入力部59による操作を行う場合には、インキ温度管理部2からコントローラ56への信号出力を不要としてもよい。すなわち、インキ温度管理部2の表示部24によってインキの温度を確認し、その温度に応じて、水温制御部5における運転状況を入力部59に入力することで管理しててもよいものである。さらに、明らかにインキ温度の調整が必要である場合には、当初よりインキ温度調整システム全体(水温制御部5を含む全体)を作動させるものとしてよい。この場合、水温制御部5における循環水の温度のみを制御させてもよいが、予め循環水を所望の温度に設定しておくことでインキ温度が適正になることが明白な場合は、循環水の温度設定を手入力で設定してもよい。
<作動態様(インキ温度調整方法)>
次に、上記実施形態におけるインキ温度調整システムを作動させる場合の作動態様について説明する。なお、インキ温度調整システムが全体として作動する条件は、印刷機1に供給すべきインキの温度が所定の範囲にない場合であり、インキの温度が所定の範囲にあるか否かは、インキ温度管理部(粘度コントローラ)2の制御部21によって判断される。ただし、明らかにインキ温度を調整すべき環境である場合は、当初よりシステム全体を作動させることがあり得る。因みに、印刷機1に供給されるインキの温度は概ね24℃~26℃が好適な範囲と想定されることから、夏季において、インキ温度が26℃を超える場合には冷却水による熱交換がなされ、冬季において、24℃を下回る場合には温水による熱交換が行われる。
まず、インキ温度調整システムが全体として作動させるべき条件下においては、循環水が予め設定温度に制御され、水温が調整された循環水が熱交換用タンク4に供給される。ここでの設定温度は、インキ温度が所定範囲から逸脱している程度によって異なる。例えば、インキ温度が20℃程度である場合には、循環水は28℃程度に設定されるが、インキ温度が10℃の場合は、循環水を30℃に設定する場合がある。また、インキ温度が30℃の場合には、循環水を22℃程度に設定するが、35℃以上の場合には、循環水を10℃程度とする場合があり得る。
いずれにしても、インキ温度調整システムを作動させる場合には、インキ温度管理手段(粘度コントローラ2)によりインキタンク3のインキが吸引され、インキの温度が計測される。計測されたインキの温度が所定範囲から逸脱するとき、水温制御手段(水温制御部)5が作動し、インキ温度調整システムが全体として作動する。ただし、明らかにインキ温度を調整すべき場合は、当初より水温制御手段(水温制御部)5は作動する。水温制御手段(水温制御部)5の作動により、予定される温度の循環水が熱交換用タンク4に供給されることとなる。そして、熱交換用タンク4に配置されるインキ迂回パイプ6(熱交換領域63)をインキが移動することにより、インキ迂回パイプ6の熱交換領域63において、インキと循環水との間で熱交換がなされる。熱交換されて温度が変化したインキは印刷機1のインキ皿10に供給され、さらに余剰インキがインキタンク3に返送される。
インキタンク3に貯留するインキの温度(インキ温度管理手段(粘度コントローラ2)におけるインキ温度の計測値)が所定範囲内になった時点で、印刷機1が運転可能な状態となる。この供給開始は、インキ温度管理部2の制御部21によって判断され、印刷機1に対して指示信号が出力されるか、または操作者が目視で確認して印刷機1を始動させることとなる。印刷機1へのインキが供給される間もインキタンクに貯留されるインキの温度は計測され、印刷機1の運転が可能であるか否かが判断される。インキの温度が所定の範囲内に維持されている場合は、印刷機1の運転が一時的に中断される(手入力で中断する)こととなる。このとき、インキの温度が下限値または上限値に接近するように変動する場合には、インキ温度調整システムは継続的に作動し、循環水の温度を調整することができる。この循環水の温度調整は、インキ温度管理手段(粘度コントローラ2)におけるインキ温度の計測値に応じて、水温制御部5によって水温を昇降させるように制御させてもよく、手入力で設定温度を調整してもよい。また、インキ温度が大きく変動するような場合には、水温制御部5を断続的に作動する(運転・停止を繰り返させる)ように制御してもよい。
<制御方法>
ここで、インキ温度管理部(粘度コントローラ)2の制御部21による制御方法について説明する。なお、水温制御部5による水温制御については、熱交換器52のON・OFF操作、循環用ポンプ55のON・OFF操作および設定温度入力であるため、ここでの説明は省略する。
制御部21による制御フローを図4に示す。この図に示されるように、制御が開始すると、まず、粘度コントローラ2を作動させ、内部設置のダイヤフラム型ポンプ(インキ循環用のポンプ)23を作動させる(S101)。これと同時に水温制御部5を作動させる(S102)。粘度コントローラ2のポンプ23が作動すると、インキタンク3に貯留されているインキを吸引することができることから、この状態でインキ温度(温度センサの情報)を読み出し(S103)、インキ温度が、所定範囲内であるか否かが判断される(S104)。このときの判断において、インキ温度の上限値および下限値をもって、当該範囲の判断基準とする場合もあるが、いずれか一方(例えば、上限値のみまたは下限値のみ)の限界値をクリアしているかを判断するものであってもよい。
これは、夏季は上限値が限界値であり、冬季は下限値となることは常識であり、また、設置場所において、南国等の高温地域に設置される場合は上限値のみが問題となり、他方、北国等の寒冷地域に設置される場合は下限値のみが問題となるから、これらに対応させるためである。また、設定温度を単一の数値(例えば、25℃)としておき、その上下温度(例えば、±1℃)を所定範囲としてもよい。なお、熱交換用タンク4が粘度コントローラ2とインキ皿10との間に設置される場合には、温度センサの情報とは異なる(熱交換された)温度のインキがインキ皿10に供給されることとなるから、予め所定範囲は熱交換されることを想定したものとして設定されることとなる。
上記のように、インキ温度が判断された結果、インキ温度が所定範囲外であるときは、インキ温度が所定範囲内となるまで待機することとなる。この待機の間、水温制御部5は作動していることから、インキは、熱交換用タンク4において熱交換され、徐々にインキ温度が変化することとなる。そして、その間は、温度センサの情報は適宜読み出され(S103)、インキ温度が所定範囲内か否かが判断される(104)。これは、インキ温度が所定範囲内になるまで繰り返され、印刷機1を作動させない状態(作動しないような操作)が維持されることとなる。
また、制御開始の際において、または上記ループの繰り返しの後において、インキ温度が所定範囲内にあるものと判断(S104)されるときは、印刷機1に対して運転を開始させるための信号が出力される(S105)。なお、印刷機1を手動で操作する場合は、粘度コントローラ2の表示部に表示される情報によって操作することとなる。印刷機1が稼働する状態において正常運転となり、水温制御部5を作動させつつ(インキ温度を調整しつつ)温度調整がなされたインキが印刷機1に供給され続けることとなる。
上記のように正常運転がなされている期間中において、印刷機1による印刷が完了した場合、または不測の事態により停止せざるを得ないなど、運転を終了すべき条件がある場合は、運転停止の信号(または操作)が行われることとなるため、その信号等の入力の有無が判断される(S106)。運転停止の条件が成就している場合は、印刷機1は停止され、システムの制御も終了する。この信号等が入力されるまでは、計測されるインキ温度(温度センサの情報)が入力され(S107)、その温度の範囲が判断される(S108)。
ここでの判断における所定温度は、運転停止中における所定温度よりも狭い範囲(現価値よりも狭い温度範囲)とすることができる。その理由は、インキ温度が一時的に適温となった場合であっても、その後インキ温度は変化することがあるから、印刷に適する温度から逸脱する前に、インキ温度を適正に維持させるためである。例えば、周囲の温度環境によっても変化する可能性があり、特に、印刷機1が稼働することにより、シリンダ11,12によってインキの温度が変化することがあるうえ、また希釈溶剤との混合による温度変化の可能性がある。そして、インキ温度が所定の範囲を逸脱して印刷機1を停止させることなく、継続的な運転を維持させるために、限界値よりも狭い範囲で管理することが好ましいものである。
なお、運転継続時におけるインキ温度の範囲(S108)を狭く設定する場合には、さらにインキ温度の限界値の範囲内か否かを判断させてもよい(S109)。この場合には、狭い範囲内における判断(S108)において、当該範囲を逸脱したことが判断された時点で、水温制御部5に対する水温の変更を指示させるものとしつつ(図示せず)、印刷機1の運転は継続させるように制御することができる。ただし、この限界値の判断(S109)において限界値を逸脱している場合は、印刷機1を停止させ(S110)、再度インキ温度が所定範囲内となるまで、待機期間(S103,S104)とするように制御することができる。
このように、適宜インキ温度の状態が確認されつつ、印刷機1の運転を制御することにより、印刷機1において使用されるインキ温度は所定の範囲内に調整されることとなる。上記の処理フローは、1台の印刷機1に対するインキ温度を管理するものとしているが、1台の水温制御部5によって複数台の印刷機1に対するインキ温度を管理する場合は、インキ温度は、それぞれの粘度コントローラ2によって管理され、それぞれの印刷機1の運転・停止がそうさせることとなる。なお、上記処理手順は、ソフトウエア上で管理され、図中の(S)の表示は、それぞれ処理ステップを示している。
<熱交換用タンクの構成>
上記のように、熱交換用タンク4に循環水を供給し、この熱交換用タンク4の内部でインキとの間で熱交換することによりインキの温度を上昇または下降させることができるものであるが、ここで使用する熱交換用タンク4の構成について、その一例を説明する。
熱交換用タンク4は、温度調整された循環水の適量を貯留し、インキ迂回パイプ6が通過できるようになっていれば、インキ迂回パイプ6を介して、両者間で熱交換が可能であるが、インキが熱交換用タンク4の内部を通過する際の量により、その熱交換効率は異なるものであることから、熱交換用タンク4の内部において循環水に浸漬される部分(熱交換領域63)は、例えば蛇行させるなどにより、多量のインキが循環水の内部を通過できるようにすべきである。
そこで、図5に熱交換用タンク4を例示する。なお、図5のうち(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。この図5に示されるように、例えば、熱交換用タンク4を立方体状の箱形とし、インキ迂回パイプ6の熱交換領域63を螺旋状に形成することができる。
熱交換用タンク4には、矩形側面の対角線上の二箇所(上下)に分かれて配置される上位口41と下位口42とが設けられ、いずれか一方を供給口とする場合、他方を排出口とするものであり。それぞれが往路パイプ53と復路パイプ54に接続されて、循環水の供給および排出が可能となっている。この上位口41および下位口42のどちらを供給口または排出口とするかは、予め決定しておき、その後変更しないものとしてもよいが、温水または冷却水のいずれかを循環させるかによって変更してもよい。例えば、夏季等における冷却水の供給時は、上位口41を供給口として、熱交換用タンク4の内部に貯留する循環水に対し、上方から冷却水を供給して全体的に対流を生じさせるものとし、また、冬季等に温水を供給する場合は、下位口42を供給口とし、内部の循環水に対し、下方から温度上昇させて対流を生じさせるものとすることができる。
他方、インキ迂回パイプ6は、供給領域61と吐出領域62に連続する熱交換領域63が、熱交換用タンク4の内部に設置されるものであるが、熱交換領域63は、螺旋状に蛇行させて循環水に浸漬されるパイプ長を長くしている。また、熱交換領域63は、熱交換用タンク4の内部において、支持された状態としており(支持部は図中省略している)、螺旋状としたパイプは、底面、上面および側面から適宜間隔を有した状態で設置され、循環水に接する表面が大きくなるように設けられている。
ここで、熱交換領域63のみを図6に示す。なお、図6のうち、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図である。この図6に示されるように、熱交換領域63は、単なる螺旋状としたものではなく、平面視においてループ状、すなわち、直線部分と弧状部分を組み合わせて略楕円状としたものである。このような形状により、螺旋(ループ)の内側には適度な開口面積を形成させることができ、熱交換用タンク4の内部において、循環水の通り道を確保している。
前述のように、熱交換用タンク4を直方体とする場合、当該熱交換用タンク4は平面視において長方形(矩形)となり、タンク全体が短辺側壁面と長辺側壁面に区分されるため、長辺側壁面に沿って直線部分を配置し、短辺側壁面近傍において弧状部分を配置するのである。このような形態の場合には、熱交換用タンク4における貯留量を増大させることなく、従って、循環水の循環速度を高めて水温調整された循環水を適宜流入させることができ、かつ熱交換領域63は、熱交換用タンク4の内部を有効に利用できることから循環水と接する表面積を増大させることができるのである。
なお、螺旋状を形成する熱交換領域63における上下に重なる複数段のループ(パイプ)は、相互に近接するものであるが、その上下方向には間隙が形成され、やはり循環水が挿通可能な状態している。これにより、ループの内側を通過する循環水と、ループの外側を通過する循環水は相互に入れ替わることができ、その際にループ(パイプ)の上下においても循環水と接する領域が確保されるものとなるのである。
<変形例>
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、本発明が上記実施形態に限定されるものではない。従って、本発明の趣旨の範囲内おいて種々の変更が可能である。例えば、熱交換用タンク5は直方体としたものを例示しているが、このタンク形状については上記に限定されるものではなく、円筒状または立方体であってもよい。また、水温制御部5に使用する熱交換器52は、加熱手段としてガスヒータまたは電熱ヒータ等を使用してもよい。
さらに、インキ迂回パイプ6の熱交換領域63は、上記実施形態において示した他の形態により、循環水の移動を円滑にしつつ、接する面積が大きくなるような形態があれば、変更してもよく、また、熱交換効率を向上させるため、パイプの材質を銅その他の熱伝導率の良い材料によって構成してもよい。
また、実施形態における制御は、ソフトウエアによる制御方法を示したが、上記構成のインキ温度調整システムを使用する際に、個々の操作を手作業で行うこともできる。この場合には、印刷機1の設置場所ごとにおける温度・湿度等の各種環境を考慮しつつ、感覚的に循環水の水温制御を行うものとしてもよい。
1 印刷機
2 粘度コントローラ(インキ温度管理部、インキ温度管理手段)
3 インキタンク
4 熱交換用タンク
5 水温制御部(水温制御手段)
6 インキ迂回パイプ
10 インキ皿
11 印刷シリンダ(版胴)
12 印刷シリンダ(圧胴)
21 制御部
22 温度センサ
23 出力インターフェース
24 表示部
25 入力部
41 熱交換用タンクの上位口
42 熱交換用タンクの下位口
51 水温調整用タンク
52 熱交換器
53 往路パイプ
54 復路パイプ
55 ポンプ
56 コントローラ
57 出力インターフェース
58 表示部
59 入力部
61 インキ迂回パイプの供給領域
62 インキ迂回パイプの吐出領域
63 インキ迂回パイプの熱交換領域
A 印刷対象物
X 防爆区域
Y 非防爆区域

Claims (6)

  1. 印刷機に供給するインキの温度を調整するインキ温度調整システムであって、
    印刷機に供給するインキを貯留するインキタンクと、
    前記インキとの間で熱交換するための熱交換用タンクと、
    温度調整された循環水を前記熱交換用タンクに送水するための往路パイプと、
    前記熱交換用タンクに供給すべき循環水を所定温度に制御する水温制御手段と、
    前記熱交換用タンクから前記水温制御手段へ循環水を返送するための復路パイプと、
    前記循環水を往路パイプおよび復路パイプによって循環させるためのポンプと、
    前記インキを前記インキタンクから前記印刷機へ供給するまでの供給経路の途中において、該インキを前記熱交換用タンク内に通過させるためのインキ迂回パイプと、
    前記インキタンクから前記印刷機に供給されるインキの温度を管理するインキ温度管理手段とを備え、
    前記熱交換用タンクは、循環水を貯留させることができる容量を有するものであり、
    前記インキ迂回パイプは、前記熱交換用タンク内において貯留される循環水に浸漬される熱交換領域が形成されるものである
    ことを特徴とするインキ温度調整システム。
  2. 前記インキ温度管理手段は、インキの粘度を管理する粘度コントローラに設置されるものであり、前記熱交換用タンクは、前記粘度コントローラと印刷機との間に設けられるものである請求項1に記載のインキ温度調整システム。
  3. 前記水温制御手段は、適宜な水量を貯留する水温調整用タンクと、該水温調整用タンク内に貯留される循環水に対する熱の供給または吸収を行う加熱部または冷却部とを備えるものである請求項1または2に記載のインキ温度調整システム。
  4. 前記インキ迂回パイプの熱交換領域は、前記熱交換用タンク内において、蛇行させつつ所定の長さが循環水に浸漬されるものである請求項1~3のいずれかに記載のインキ温度調整システム。
  5. 前記水温制御手段は、非防爆区域に設置されるとともに、前記往路パイプおよび前記復路パイプは適宜分岐され、防爆区域内に設置される複数の前記熱交換用タンクとの間で循環水を循環させるものであり、該熱交換用タンクは、複数の印刷機の近傍において印刷機ごとに個別に設けられ、前記インキ迂回パイプの熱交換領域を介して、該熱交換領域内を移動するインキとの間で熱交換するものである請求項1~4のいずれかに記載のインキ温度調整システム。
  6. 請求項5に記載のインキ温度調整システムを使用する印刷機に供給するインキの温度調整方法であって、
    防爆区域内に設置された複数の前記熱交換用タンクに対し、非防爆区域に設置された前記水温制御手段によって予め設定された水温の循環水を供給する工程と、
    前記インキタンクから前記印刷機へ供給するまでの供給経路の途中において、前記インキ迂回パイプ内でインキを移動させる工程とを含み、
    前記インキ迂回パイプ内でインキを移動させることにより、前記熱交換用タンク内で循環水とインキとの間で熱交換するものであることを特徴とするインキ温度調整方法。
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