JP2013181047A - 樹脂成形体 - Google Patents

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靖之 岡崎
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明 深見
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Abstract

【課題】温室効果ガスである二酸化炭素を相当量固定化することができる脂肪族ポリカーボネートの熱的及び機械的特性を汎用プラスチック並みに改善する。
【解決手段】二酸化炭素を原料とする脂肪族ポリカーボネート100質量部に対し、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群より選ばれた汎用プラスチック10〜500質量部を配合してなるポリマーアロイを含む樹脂成形体。
【選択図】図3

Description

本発明は、二酸化炭素を原料とする脂肪族ポリカーボネートを配合したポリマーアロイを含む樹脂成形体に関する。
エポキシド化合物と二酸化炭素とを共重合させて得られる脂肪族ポリカーボネートは、二酸化炭素を合成樹脂の原料に利用する点で注目されている。例えば、二酸化炭素とプロピレンオキシドから合成されるポリプロピレンカーボネートは、その質量の約43%が二酸化炭素に由来する。したがって、このような脂肪族ポリカーボネートを汎用プラスチックの代替材料として利用することができれば、温室効果ガスである二酸化炭素を相当量固定化することができ、地球温暖化対策への多大な貢献につながる。
ポリプロピレンカーボネート(PPC)は熱可塑性であり、ガラス転移温度(Tg)が約15〜40℃の範囲にある材料である。これは、ポリプロピレンカーボネートの軟化点が、通常、室温あるいは体温であることを意味する。実際、常温でのポリプロピレンカーボネートは、べとべとした柔らかいゴムのような性状である。このため、ポリプロピレンカーボネートをそのまま使用することは困難であり、汎用プラスチックとして利用するためには、その機械的特性を大幅に改善する必要がある。
ポリプロピレンカーボネートの機械的特性を改善する方法として、材料の複合化、特にはポリマーブレンドが検討されている。例えば、特許文献1に、ポリプロピレンカーボネート(PPC)にポリ乳酸(PLA)又はポリヒドロキシブチレート(PHB)を配合したポリマーアロイが記載されている。特に、PPCとPLAは、任意の成分比率でポリマーアロイを形成し得ることが記載されている。しかし、特許文献1には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の汎用プラスチック材料との複合化については、何らの教示もない。
特表2009−534509号公報
本発明の目的は、温室効果ガスである二酸化炭素を相当量固定化することができる脂肪族ポリカーボネートの熱的及び機械的特性を汎用プラスチック並みに改善することにある。
本発明の別の目的は、熱的及び機械的特性を改善した脂肪族ポリカーボネートに、導電性等の追加の特性を付与することにある。
本発明によると、二酸化炭素を原料とする脂肪族ポリカーボネート100質量部に対し、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群より選ばれた汎用プラスチック10〜500質量部を配合してなるポリマーアロイを含む樹脂成形体が提供される。
本発明によると、脂肪族ポリカーボネートの熱的及び機械的特性をポリプロピレン並みに改善することができるため、二酸化炭素を相当量固定化することができる汎用プラスチック代替材料の提供が可能となる。さらに本発明によると、熱的及び機械的特性を改善した脂肪族ポリカーボネートに、導電性等の追加の特性を付与することができる。
ポリプロピレンカーボネートの示差熱/熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示すグラフである。 ポリプロピレンカーボネートにポリスチレンを配合してなるポリマーアロイ(実施例8)の示差熱/熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示すグラフである。 各種ポリマーアロイの熱変形挙動を示すグラフである。
本発明において有用な脂肪族ポリカーボネートは、エポキシド化合物と二酸化炭素とを共重合させて得られる共重合体である。エポキシド化合物としてエチレンオキシドを用いるとポリエチレンカーボネートが得られ、またプロピレンオキシドを用いるとポリプロピレンカーボネートが得られる。本願明細書では、特に二酸化炭素とプロピレンオキシドから合成されるポリプロピレンカーボネート(PPC)について説明する。
PPCの高分子主鎖を構成する結合は、主としてカーボネート結合である。PPCの高分子主鎖には、主たるカーボネート結合の他に、エーテル結合を含み得る。一般に、カーボネート結合とエーテル結合の割合は、重合の際の反応条件や合成触媒に左右される。PPCの性質を発現させるためには、PPCを構成するカーボネート結合とエーテル結合のうち、カーボネート結合の割合が85%以上であることが好ましく、さらに90%以上であることがより好ましい。
PPCの合成法としては、例えば、米国特許第4789727号明細書に記載された亜鉛グルタラートを触媒として用いる共重合法が知られている。また、高分子量PPCを製造する方法として、特表2008−523181号公報に記載の方法が知られている。当該方法によると、質量平均分子量Mwが230000g/モル以上であり、かつ、カーボネート結合の比率が90%以上であるPPCが得られる。さらに、PPC自体は市販されており、例えば、中聚天冠社、Novomer社、Empower社、等から入手することもできる。PPCの数平均分子量Mnは、一般に30000〜5000000、好ましくは35000〜1000000、最も好ましくは40000〜500000の範囲内である。なお、後述の汎用プラスチックと配合されるPPCは、所期の機械的特性を損なわない限り、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ乳酸(PLA)等の他のポリマーとの組成物であってもよい。しかしながら、二酸化炭素の固定化率をより高める目的には、純粋なPPC(ニート)を用いることが好ましい。
本発明によると、PPC等の脂肪族ポリカーボネートに対し、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群より選ばれた汎用プラスチックを配合してポリマーアロイを調製する。汎用プラスチックとは、一般に、価格が比較的安く、加工がし易い熱可塑性樹脂をさし、代表例としてポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等が挙げられる。このような汎用プラスチックを配合することにより、脂肪族ポリカーボネートを含むポリマーアロイの機械的特性、例えば、熱変形特性、引張強度、伸び率、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、等のうちの1又は2以上を、汎用プラスチックに匹敵するレベルにまで高めることができる。
ポリエチレン(PE)は、軽く、軟らかく、耐水・耐薬品性が良く、成形も容易な樹脂で、大きく低密度ポリエチレン(LDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)に分類される。LDPEは、密度が0.92程度、軟化点100℃、引張り強度14MPa、伸び500%で軽く、軟らかく、低温でも硬くならない。電気的性質も良好で、また耐薬品性、耐溶剤性に優れる。LDPEの用途としては、エアーキャップなど包装用フィルム、農業用フィルム、水道用等のパイプ、瓶等が挙げられる。一方、HDPEは、密度が0.95程度、軟化点130℃、引張り強度40MPa、伸び20%と、LDPEよりは硬くなる。また、LDPEと同様、電気的性質、耐薬品性、耐溶剤性等に優れる。HDPEの用途としては、包装用フィルム、ガス管、水道用パイプ、灯油缶、自動車のガソリンタンク等が挙げられる。
ポリプロピレン(PP)は、美しい表面光沢と透明感を持つ樹脂であり、密度が0.90程度で、引っ張り強さ、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性に優れる。PPの用途は幅広く、コンテナや容器類、自動車部品、電子レンジ用容器、給食器、フィルム、繊維、結束材等が挙げられる。
ポリスチレン(PS)は、透明で成形性に優れた樹脂であり、後述の耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)と区別するため、一般用ポリスチレン(GPPS)と称することがある。GPPSは、高周波域での絶縁性、耐酸性、耐アルカリ性、耐水性に優れる一方、耐衝撃性、耐有機溶剤性は低い。GPPSの用途としては、透明食品容器、透明ケース、電気製品の透明部材があります。耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)は、GPPSにブタジエンゴム等を配合して剛性を下げることにより、GPPSの耐衝撃性を向上させたものである。HIPSは透明性がなく、乳白色を呈する。HIPSの用途としては、家電製品やOA機器の外枠、洗面化粧台、玩具・文具類が挙げられる。
本発明に用いられる汎用プラスチックは、種々の市販品の中から、所期の性能に応じて適宜採用することができる。
本発明によるポリマーアロイには、汎用プラスチックの配合により改善された機械的特性を更に向上させるため、或いは、そのように改善された機械的特性に更に別の特性を付与するため、1種以上の添加剤を含めることができる。例えば、本発明によるポリマーアロイにガラス繊維(GF)、炭素繊維(CF)その他の充填剤を添加することにより、脂肪族ポリカーボネートを含むポリマーアロイの機械的特性、例えば、熱変形特性、引張強度、破断点伸び率、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、等のうちの1又は2以上を、より一層高めることができる。また、脂肪族ポリカーボネートに導電性を付与するため、本発明によるポリマーアロイに炭素繊維(CF)、カーボンナノチューブ(CNT)その他の導電剤を添加することもできる。さらに、本発明によるポリマーアロイには、熱可塑性樹脂に一般的に使用される酸化防止剤、安定剤、加工助剤、可塑剤、界面活性剤、滑剤、顔料、染料、光沢剤、相溶化剤、難燃剤その他の添加剤を含めることができる。このような添加剤は、任意の公知の添加剤を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、その種類、添加量、添加法等についても、所期の性能に応じて適宜選定することができる。
本発明によるポリマーアロイは、脂肪族ポリカーボネートに汎用プラスチックを任意の公知の方法で配合することにより調製することができる。例えば、所定量の脂肪族ポリカーボネートと所定量の汎用プラスチックとを、必要に応じて1種以上の添加剤と共に、押出機で混練押出することができる。混練押出の溶融温度は、具体的な脂肪族ポリカーボネートと汎用プラスチックの組合せにもよるが、一般に150〜250℃、好ましくは170〜230℃の範囲にある。押出機は市販の装置を用いることができ、その種類に特に制限はない。別法として、脂肪族ポリカーボネートと汎用プラスチックを溶剤に溶解した溶液を組み合わせることで、ポリマーアロイを調製してもよい。溶剤としては、使用する脂肪族ポリカーボネートと汎用プラスチックの良溶媒であれば特に制限はなく、例えば、トリクロロメタンやテトラヒドロフラン等の揮発性溶剤が挙げられる。
脂肪族ポリカーボネートと汎用プラスチックとを配合して得られたポリマーアロイは、必要に応じてペレット状に加工された後、射出成形、ブロー成形、深絞り成形、溶融押出成形、圧縮成形その他の成形技法によって任意の形状の樹脂成形体にすることができる。
実施例において、以下の材料を用いた。
PPCは、中聚天冠社から入手した商品名:PPC(ニート)、PPC101、PPC201及びPPC301、並びにNovomer社から入手した商品名:POLY(PROPYLENE CARBONATE)を用いた。
(汎用プラスチック)
GPPSは、PSジャパン(株)社製 商品名:NF20を用いた。
HIPSは、PSジャパン(株)社製 商品名:HT50を用いた。
水添スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEBS)は、(株)クラレ社製 商品名:セプトン8006を用いた。
PPは、(株)プライムポリマー社製 商品名:J3000GV及び住友化学(株)社製商品名:W101を用いた。
GFは、日本電気硝子(株)社製 商品名:03−187Hを用いた。
CFは、東邦テナックス(株)社製 商品名:HTA−C6−SRSを用いた。
CNTは、NANOCYL社製 商品名:NC7000を用いた。
酸化防止剤は、BASFジャパン(株)社製 商品名:イルガノックス(Irg)1076を用いた。
安定剤は、日東化成工業(株)社製 商品名:Zn−Stを用いた。
材料物性の測定は、以下のJIS規格に準拠して実施した。
メルトフローレート(MFR):K7210
灰分量:K7250−1
含水量:K7251
密度:K7112
荷重たわみ温度(HDT):K7191−1
引張強度及び破断点伸び率:K7113
曲げ強度及び曲げ弾性率:K7171
シャルピー衝撃:K7111−1
状態調節及び測定雰囲気:K7100
試験片の射出成形法:K7152−1
導電性:K7194
実施例1
脂肪族ポリカーボネートとして35質量部のPPC301と、汎用プラスチックとして35質量部のGPPS(NF20)と、添加剤として30質量部のGF(03−187H)と、酸化防止剤として0.1質量部のIrg1076とを配合し、同方向回転2軸押出機(池貝社製:PCM30)を用いてポリマーアロイを作製した。押出機は、スクリュー径30mmφ、スクリュー回転数100rpm、溶融混練温度190℃の条件で運転し、ダイから押し出されたストランドをクエンチバスに通してから切断することによりペレット状ポリマーアロイを得た。得られたペレットを、プレート作製用成型機(JSW社製:28SC)において、型締め圧28t、設定温度200℃、射出圧30kgf/cm、型温度30℃の条件で加工し、厚さ3mm×横50mm×縦80mmの成型プレートを作製した。また、試験片作製用成型機(住友重工社製:ネスタール350/120)において、型としてISO試験片を使用し、型締め圧120t、設定温度170〜200℃、射出圧44kgf/cm、射出時間1.7秒、樹脂温度200℃、型温度40℃の条件で加工することにより、ダンベル形試験片を作製した。表1に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例2
PPC301に代えてPPC(ニート)を用いたことを除き、実施例1の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表1に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例3
PPC301とNF20の配合量をそれぞれ45質量部に変更し、かつ、03−187Hに代えて10質量部のCF(HTA−C6−SRS)を用いたことを除き、実施例1の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表1に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例4
PPC(ニート)とNF20の配合量をそれぞれ45質量部に変更し、かつ、03−187Hに代えて10質量部のHTA−C6−SRSを用いたことを除き、実施例2の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表1に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例5
PPC301に代えてPPC(ニート)を用い、かつ、NF20に代えてPP(J3000GV)を用いたことを除き、実施例1の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表1に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
Figure 2013181047
実施例6
脂肪族ポリカーボネートとして50質量部のPPC101と、汎用プラスチックとして50質量部のNF20と、酸化防止剤として0.1質量部のIrg1076と、安定剤として0.1質量部のzn−stとを配合し、同方向回転2軸押出機(池貝社製:PCM45)を用いてポリマーアロイを作製した。押出機は、スクリュー径45mmφ、スクリュー回転数200〜250rpm、溶融混練温度180〜220℃の条件で運転し、ダイから押し出されたストランドをクエンチバスに通してから切断することによりペレット状ポリマーアロイを得た。得られたペレットを、試験片成型機(住友重工社製:ネスタール350/120)において、型としてISO試験片を使用し、型締め圧120t、設定温度170〜200℃、射出圧44kgf/cm、射出時間1.7秒、樹脂温度200℃、型温度40℃の条件で加工することにより、ダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例7
PPC101に代えてPPC201を用いたことを除き、実施例6の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例8
PPC101に代えてPPC(ニート)を用いたことを除き、実施例6の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例9
PPC101に代えてPPC(ニート)を用い、かつ、NF20に代えてHIPS(HT50)を用いたことを除き、実施例6の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例10
PPC101に代えてPPC(ニート)を用い、NF20の配合量を40質量部に変更し、かつ、ゴム材料として10質量部のSEBS(セプトン8006)を用いたことを除き、実施例6の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例11
PPC101に代えて35質量部のPPC301を用い、NF20の配合量を35質量部に変更し、30質量部の03−187Hを用い、かつ、zn−stを省略したことを除き、実施例6の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
実施例12
PPC101に代えてPPC301を用い、かつ、zn−stを省略したことを除き、実施例6の手順を繰り返してペレット状ポリマーアロイ及びダンベル形試験片を作製した。表2に、配合成分と、各種物性の測定結果をまとめた。
尚、汎用プラスチック自体の各種物性を、PP(住友化学社製、商品名:W101)及びNF20について測定値を、それぞれ表2にまとめた。
Figure 2013181047
PPC(ニート)自体と、PPC(ニート)にNF20を配合してなるポリマーアロイ(実施例8)とについて、示差熱/熱重量同時測定(TG−DTA)を実施し、その結果をそれぞれ図1と図2に示した。図2が示すように、実施例8のポリマーアロイにおいてPPC(ニート)とNF20はそれぞれ独立に熱分解していることから、溶融混練過程でPPCが実質的に分解していないことがわかる。
実施例13
各種材料の荷重たわみ温度(HDT)を測定するため、以下の試料を用意した。
PP:W101
GPPS:NF20
PPC3S50:GFを省略したことを除き、実施例1の手順に従い調製
PPC3G30:PSを省略したことを除き、実施例1の手順に従い調製
PPC3S50G30:実施例1で得られたポリマーアロイ
PPC0P50G30:実施例5で得られたポリマーアロイ
USPPC0S50:PPC301に代えてNovomer社から入手したPPCを使用し、かつ、GFを省略したことを除き、実施例1の手順に従い調製
測定結果を図3に示した。
実施例14
各種材料の導電性を測定するため、以下の試料を用意した。
PPC3S50CNT02:PPC301を使用し、GFを省略し、かつ、2質量部のNC7000を添加したことを除き、実施例1の手順に従い調製
PPC0S50C10:実施例4で得られたポリマーアロイ
これらの試料について導電性を測定したところ、以下の結果が得られた。
PPC3S50CNT02:3.0×10Ω/□
(測定方法:ローレスター90V;プレスシート1mm厚)
PPC0S50C10:1.56×10Ω/□
(測定方法:ローレスター90V;成形プレート3mm厚)
実施例1〜14から明らかなように、ポリプロピレンカーボネートにポリスチレンを配合することにより、各種熱的及び機械的特性の1又は2以上を汎用プラスチック並みに改善することができる。特に、図3から明らかなように、PPCとPSとのポリマーアロイ、或いはこれに更にGFを添加したポリマーアロイは、熱変形特性がPP並み又はそれ以上となることから、PPの代替材料になり得ることが実証された。これらのポリマーアロイは、その内部に固定化される二酸化炭素の質量比率が最大で約22質量%となり、PPを代替した場合には温室効果ガスを有意に削減することが可能となる。また、実施例8と実施例10との対比から明らかなように、これらのポリマーアロイは、汎用プラスチックの一部をゴム材料に置換したことにより、機械強度と衝撃強度のバランスを調整できることも実証された。さらに、実施例14から明らかなように、これらのポリマーアロイは、炭素繊維やカーボンナノチューブの添加により、改善された熱的及び機械的特性を損なうことなく、導電性が付与されることが実証された。また、実施例1〜5(表1)と実施例6〜12(表2)から明らかなように、溶融混練規模の差がポリマーアロイの機械的特性に現れることはなく、生産設備のスケールアップに際しても本発明の効果の再現性が期待される。
本発明によると、二酸化炭素を原料とする脂肪族ポリカーボネートの熱的及び機械的特性をポリプロピレン並みに改善することができるため、二酸化炭素を相当量固定化することができる汎用プラスチック代替材料として、地球温暖化対策への多大な貢献が期待し得る。

Claims (7)

  1. 二酸化炭素を原料とする脂肪族ポリカーボネート100質量部に対し、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群より選ばれた汎用プラスチック10〜500質量部を配合してなるポリマーアロイを含む樹脂成形体。
  2. 該ポリマーアロイがさらに添加剤を含む、請求項1に記載の樹脂成形体。
  3. 該脂肪族ポリカーボネートがポリプロピレンカーボネートである、請求項1に記載の樹脂成形体。
  4. 該汎用プラスチックがポリスチレンである、請求項1に記載の樹脂成形体。
  5. 該添加剤がガラス繊維又は炭素繊維である、請求項2に記載の樹脂成形体。
  6. 該添加剤が炭素繊維又はカーボンナノチューブである、請求項2に記載の樹脂成形体。
  7. 該汎用プラスチックがポリプロピレンであり、かつ、該添加剤がガラス繊維又は炭素繊維である、請求項2に記載の樹脂成形体。
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