JP2013180822A - 段ボール箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】
開封した後においても、再度完全に閉じることができ開封後の見栄えや収納性を向上させることのできる段ボール箱を提供すること。
【解決手段】
第一側板に第一係止片18が設けられ、第一端板30及び第二端板36には、第一係止片18が係止可能な第一係止孔34が設けられ、第二側板20に第二係止片が設けられ、第一端板30及び第二端板36には、第二係止片22が係止可能な第二係止孔35が設けられ、第二平板50には第三係止片52が設けられ、第一平板40には第三係止片52が係止可能な第三係止孔42が設けられ、第二平板50は、第二側板20とは別体に設けられるとともに、第二側板20に、抜糸可能な縫合糸Yにより縫い付けられて固定されるものとした。また、第二平板50は開閉用係止片59を第二側板20の開閉用係止孔24に差し込むことにより第二側板20に係止固定可能に構成した。
【選択図】 図4
開封した後においても、再度完全に閉じることができ開封後の見栄えや収納性を向上させることのできる段ボール箱を提供すること。
【解決手段】
第一側板に第一係止片18が設けられ、第一端板30及び第二端板36には、第一係止片18が係止可能な第一係止孔34が設けられ、第二側板20に第二係止片が設けられ、第一端板30及び第二端板36には、第二係止片22が係止可能な第二係止孔35が設けられ、第二平板50には第三係止片52が設けられ、第一平板40には第三係止片52が係止可能な第三係止孔42が設けられ、第二平板50は、第二側板20とは別体に設けられるとともに、第二側板20に、抜糸可能な縫合糸Yにより縫い付けられて固定されるものとした。また、第二平板50は開閉用係止片59を第二側板20の開閉用係止孔24に差し込むことにより第二側板20に係止固定可能に構成した。
【選択図】 図4
Description
本発明は段ボール箱に関し、特に、搬送後に開封した後にも容易に開閉可能な段ボール箱に関する。
従来、様々な収納物を収納するために段ボール箱が広く用いられている。このような段ボール箱において、搬送後において、収納物を段ボール箱内に収納したまま露呈させて当該収納物を展示するために、「切裂帯」を備えて段ボール箱の一部を簡易に開口させることのできる段ボール箱が知られている。この切裂帯は、段ボールの一部にあらかじめ切裂き用の切れ目をライナカット等により刻設しておき、必要な際にこの切れ目に沿って段ボールの一部を切除できるように構成し、段ボールの上部などを開口させることができるようにしたものである(特許文献1)。また、たとえばみかん等を収納する段ボール箱(いわゆる「A式」と呼ばれる段ボール箱)では、段ボール箱ごとみかんを購入した消費者が、少しずつ消費するみかんをそのまま保管するために、段ボール箱の上部フラップを開いた状態で段ボール箱の中にみかんを収納したまま保管することがある。このように、収納物を収納したまま使用を続ける使用態様の段ボール箱が知られている。
前述したような段ボール箱では、切裂帯を取り除いて段ボール箱内に収納物を収納したまま収納物を露呈させた状態とすることができるものの、段ボール箱の一部が切り離されてしまうので、例えば、切裂帯によって分離された段ボール箱の上部を再度収納物に被せるとしても、収納物を再度段ボール箱内に収納する際に収納物の増減により被せた段ボール箱が傾いたり、しっかりと被せることができなかったりして段ボール箱の見栄えが悪い。また、切裂帯が切除されてしまっているので、収納物を段ボール箱内に完全に収納することはできない。また、みかん箱のような通常の段ボール箱において上部フラップを開いて内部に収納物を収納したまま使用する場合には、上部フラップを完全に閉じることができるわけではない。よって、この場合にも見栄えが良くなく、また、完全には閉じられていない上部フラップの隙間からほこりなどの異物が内部に入り易くなるなどの問題もあった。
本発明は前述した従来の段ボール箱の問題点を解消するものであり、いったん開封した後においても、再度完全に閉じることができ、開封後の段ボール箱の見栄えや収納性を向上させることのできる段ボール箱を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明の第一の手段の段ボール箱は、矩形状の底板と、前記底板に連設される第一側板、第二側板、第一端板及び第二端板と、前記第一側板に連設される第一平板と、前記第二側板に連設される第二平板と、を備える段ボール箱であって、前記第一側板と、前記第一端板及び前記第二端板とには、いずれか一方には第一係止片が、他方には前記第一係止片が係止可能な第一係止孔が設けられ、前記第二側板と、前記第一端板及び前記第二端板とには、いずれか一方には第二係止片が、他方には前記第二係止片が係止可能な第二係止孔が設けられ、前記第一平板と前記第二平板には、いずれか一方には第三係止片が、他方には前記第三係止片が係止可能な第三係止孔が設けられ、前記第二平板は、前記第二側板とは別体に設けられるとともに、前記第二側板に抜糸可能な縫合糸により縫い付けられて固定されていることを特徴とする。
本発明の段ボール箱では、通常の段ボール箱と同様に、矩形状の底板と、底板に連設される第一側板、第二側板、第一端板及び第二端板と、第一側板に連設される第一平板と、第二側板に連設される第二平板とを備えており、これらにより箱の基本形状が構成される。そして、第一側板と、第一端板及び第二端板とには、いずれか一方には第一係止片が、他方には第一係止片が係止可能な第一係止孔が設けられている。第一側板に第一係止片が設けられる場合はこれが係止される第一端板・第二端板には第一係止孔が設けられ、また、逆に第一側板に第一係止孔が設けられる場合はこれに係止される第一端板・第二端板には第一係止片が設けられる態様のいずれでも良い主旨である。また、第一端板には第一係止片、第二端板には第一係止孔をそれぞれ設け、第一側板にはそれぞれに対応する第一係止孔と第一係止片を設けることとしても良い。また同様に、第二側板と第一端板及び第二端板とには、いずれか一方には第二係止片が、他方には第二係止片が係止可能な第二係止孔が設けられている。第二係止片と第二係止孔をいずれの部材に設けるかは、前述の第一係止片と第一係止孔の態様と同様に種々の態様が含まれる。これにより、第一側板は第一端板及び第二端板に対して係止されて組立可能に構成され、また、第二側板も同様に、第一端板及び第二端板に対して係止されて組立可能に構成され、よってワイヤーやテープを用いることなく簡便にこれらを固定することができる。さらに、第一平板と第二平板には、いずれか一方には第三係止片が、他方には第三係止片が係止可能な第三係止孔が設けられており、内部に収納物を収納した後に第一平板と第二平板とを係止することにより、やはり、ワイヤーやテープを用いることなく簡便に第一平板と第二平板とを固定することができる。このように、本発明の段ボール箱では、箱の組み立てを、それぞれ係止片と係止孔によって、ワイヤーやテープによる固定を必要とせずに簡便に行える。
そしてさらに、本発明の段ボール箱では、上部の平板のうちの第二平板は、第二側板と別体に形成されるとともに、第二側板に対して、抜糸可能な縫合糸により縫い付けられる構成を採用している。したがって、まず、第一平板と第二平板とは、それぞれの第三係止片と第三係止孔とを係止することにより閉じることが可能であり、蓋状の一つの平板として機能する。そして、第二平板と第二側板とは別体に形成される一方、あらかじめ縫合糸により一体的に固定されているが、抜糸をすれば、第二平板と第二側板とは分離可能に構成されている。よって、第一平板および第二平板とを第三係止片および第三係止孔によって係止固定している状態では、第一平板および第二平板とが一体的に段ボール箱の上面を覆う一つの「蓋」として構成され、抜糸をすれば第二側板と分離されてこの「蓋」を開閉可能に構成することができる。
本発明の第二の段ボール箱は、第一の手段の段ボール箱であって、前記第二平板の第二側板側の端部には、開閉用係止片が突設され、前記第二側板には、前記開閉用係止片を差し込んで係止可能な開閉用係止孔が設けられていることを特徴とする。
本発明の段ボール箱では第二平板の第二側板側の端部に「開閉用係止片」が設けられ、第二側板には「開閉用係止孔」が設けられている。よって、これらを係止固定することにより、前述したような第一平板と第二平板とからなり開閉可能に構成された「蓋」を、第二側板に対して固定しておくことが可能となる。よって、開閉可能な第一平板および第二平板を必要に応じて確実に閉じておくことができる。
本発明の第三の段ボール箱は、第二の手段の段ボール箱であって、前記開閉用係止片が、前記第二平板の第二側板側の端部の折曲部において、左右両側の余白部が切除可能な切れ目が刻設され、この切れ目に沿って余白部を切除して形成可能に設けられていることを特徴とする。
本発明の段ボール箱では開閉用係止片を前述のように余白部を切除して構成しているので、開閉用係止片の大きさを小さくすることができ、開閉用係止孔に係止固定した際にも見栄えが悪くならない。また当然ながら開閉用係止孔の大きさも小さくすることができるので、見栄えを悪くすることがない。特に、開閉用係止孔は、段ボール箱の外側表面においてあらかじめ抜き加工してあるが、この開閉用係止孔の抜き加工の幅を小さくすることにより、搬送時の段ボール箱の見栄えも良くすることができる。
本発明の段ボール箱は前述のように、前記第一側板と、前記第一端板及び前記第二端板とには、いずれか一方には第一係止片が、他方には前記第一係止片が係止可能な第一係止孔が設けられ、前記第二側板と、前記第一端板及び前記第二端板とには、いずれか一方には第二係止片が、他方には前記第二係止片が係止可能な第二係止孔が設けられ、前記第一平板と前記第二平板には、いずれか一方には第三係止片が、他方には前記第三係止片が係止可能な第三係止孔が設けられ、前記第二平板は、前記第二側板とは別体に設けられるとともに、前記第二側板に抜糸可能な縫合糸により縫い付けられて固定されており、ワイヤーやテープを用いることなく簡便に組み立てることができ、また、縫合糸を抜糸することにより、開閉可能な蓋を容易に形成することができる。また、特に第二の手段の段ボール箱においては、開閉可能な「蓋」を段ボール箱の開封後にも閉じておくことができるので、ほこりなどの異物の侵入を減少させることができ、収納物の汚れなどを効果的に防止でき、また段ボール箱の見栄えをより向上させることができる。また、特に第三の手段の段ボール箱では前述のような「蓋」の閉止時の固定をより確実にし、また、「蓋」の見栄えをより一層良くすることができる。
次に、本発明の実施の形態について図を参考にして詳細に説明する。図1に示されるように、本発明の段ボール箱1は、いわゆる「A式」に準ずるタイプの段ボール箱であり、天面のみ天板のみが突合されるタイプの段ボール箱である。
段ボール箱1を組み立てる前の段ボールシート2は、図1のような展開状態に示される。ここで本段ボール箱1の特徴の一つとしては、段ボールシート2の本体部3と第二平板50とが別体に形成される一方、縫合糸Yによって一体的に縫合固定されている点にある。
本体部3には、底板10と、底板10に連設される第一側板16及び第二側板20と、底板10に連設される第一端板30及び第二端板36と、第一側板16に連設される第一平板40とが備えられている。これらの第一側板16及び第二側板20、第一端板30及び第二端板36は、それぞれ底板10の各辺と折れ目線Xを介して折り曲げ可能に連設されている。また、第一平板40は同様に折れ目線Xを介して第一側板16に連設されている。前述のとおり、第二平板50は本体部3とは別体に形成されている。
底板10はやや横長の矩形状に形成されている。第一側板16及び第二側板20は、底板10の対向する長辺12にそれぞれ連設されている。また、第一端板30及び第二端板36は、底板10の対向する短辺13にそれぞれ連設されている。
第一側板16は横長の長方形状に形成されており、左右の短辺17には、第一係止片18がそれぞれ折れ目線Xを介して連設されている。また、第一側板16の底板10と反対側の長辺19には、折れ目線Xを介して第一平板40が連設されている。
第一平板40は、底板10の長辺12及び第一側板16の長辺19と同じ左右の長さに形成され、上下が底板10の上下の約半分の長さに形成された長方形状に形成されている。第一平板40の先端付近には、後述する本体部3と別体に形成された第二平板50の第三係止片52が係止固定可能な第三係止孔42が開設されている。第三係止孔42は、左右の部位が中央よりやや上下に大きく開口された形状に形成されており、その中央には、後述する第二平板50の第三係止片52に形成された係合孔53に係合されて、第三係止孔42から第三係止片52が抜けにくくする係合突片43が設けられている。
第二側板20は前述した第一側板16とほぼ上下対称に形成されており、横長の長方形状に形成され、左右の短辺21には、第二係止片22がそれぞれ折れ目線Xを介して連設されている。また、第二側板20には、後述する開閉用係止片59が係止可能な長さに横長にトムソンで抜き加工がされた開閉用係止孔24が形成されている。また、開閉用係止孔24は第二側板20の長辺25とほぼ平行に形成されている。また、開閉用係止孔24は第二側板20の長辺25の中央にほぼ半分の長さに形成されている。また、開閉用係止孔24は、第二側板20の高さ方向において上方から約3分の1の位置に形成されている。そして、第二側板20の先端側の長辺25と開閉用係止孔24との間には、第二側板20の長辺25の長さにおいて、後述する第二平板50が縫合糸Yによって縫い付けられて固定可能に構成されている。縫合糸Yはスフ糸(レーヨンの一種)が用いられており、木材パルプを化学処理して溶かし繊維にしたものである。成分は綿や麻と同じセルロースで構成されているので、土中で自然に分解される繊維から構成されている。後述するように本段ボール箱1においては段ボールシート2及びこのような縫合糸Yからのみ構成され、パルプ材質からのみ構成することができる。
第一端板30と第二端板36とは、底板10の対向する短辺13にそれぞれ折れ目線Xを介して左右対称に連設されている。第一端板30は縦長の長方形状に形成されており、長辺31の長さは底板10の短辺13と同じ長さに、短辺32の長さは第一側板16の短辺17及び第二側板20の短辺21と同じ長さにそれぞれ形成されている。
また、第一端板30の先端には、折れ目線Xを介して、長辺31と同じ長さに連設された支持片33が形成されている。この支持片33は、後述するように、段ボール箱1を組み立てた際に第一平板40及び第二平板50の端部の裏側に当接して、第一平板40及び第二平板50が奥側に凹まないように支持するために設けられている。
また、第一端板30の底板10寄りには、ほぼ「L」字状に切れ目として切りかかれた第一係止孔34及び第二係止孔35が形成されている。第一係止孔34には、前述した第一側板16の第一係止片18が係止固定可能に、また第二係止孔35には、前述した第二側板20の第二係止片22が係止固定可能となる形状に形成されている。
第一端板30は以上のように構成されているが、第二端板36は前述のとおり第一端板30と左右対称に構成されているので、同様の構成については図面中に第一端板30と同じ符号を付して説明を省略する。
次いで第二平板50について説明する。第二平板50は図1に示されるように、ほぼ長方形状の全体形状であって、第一平板40に近い大きさに形成されている。第二平板50の上部(図1の上方寄りの部位)には、前述した第一平板40の第三係止孔42に差し込み可能であり、この第三係止孔42に係止固定可能な第三係止片52が突設されている。第三係止片52は平面視において上部中央がややくぼんだ緩やかな「く」の字状に形成されている。
第二平板50の下部(図1の下方寄りの部位)には、折れ目線Xを介して折り曲げ可能に連設された折曲部54が形成されている。折曲部54は第二側板20の内側に一体的に取り付けられるように構成されており、前述したように、縫合糸Yによって第二側板20に縫合固定される。縫合糸Yは、図1に示されるように、折曲部54のうち折れ目線Xに近い部位において折れ目線Xに沿って縫合されている。
また、折曲部54には、切れ目56に沿って余白部58が切除されることにより開閉用係止片59が形成されるように構成されている。そして開閉用係止片59は、第二平板50の横方向の長さよりも短く第二側板20に開設された開閉用係止孔24に差し込み可能な長さであって開閉用係止孔24に対して係止固定可能に構成されている。また、開閉用係止片59は、平面視において先端が基端よりも僅かに短い逆台形形状に設けられている。切れ目56はライナカット等により刻設されており、開閉用係止片59の左右に形成される余白部58を保持して引っ張ることにより、開閉用係止片59を残して切り離すことが可能に構成されている。
このように構成された段ボールシート2を組み立てて段ボール箱1とするには、下記のような手順で行う。図2に示されるように、底板10を底面にして第一側板16、第二側板20、第一端板30及び第二端板36を立ち上げるようにして箱状に形成していく。前述のとおり、第二側板20にはあらかじめ縫合糸Yによって第二平板50が縫合固定されている。この際に、第一側板16のそれぞれの第一係止片18を第一端板30の第一係止孔34及び第二端板36の第一係止孔34に、段ボール箱1の外側から差し込むようにして、係止固定させていく。また同様に、第二側板20のそれぞれの第二係止片22を第一端板30の第二係止孔35及び第二端板36の第二係止孔35に、段ボール箱1の外側から差し込むようにして係止固定させていく。このようにして、第一平板40及び第二平板50を開放した状態で、底板10を底面にして四方を囲むように段ボールシート2が箱状に組み立てられる。そして、このように第一平板40及び第二平板50を開放した状態において、収納物(例えば米袋)などを内部に収納する。
次いで、図3に示されるように、第二平板50の第三係止片52を第一平板40の第三係止孔42に係止固定して段ボール箱1を閉じる。このように本段ボール箱1では、テープやワイヤーを用いることなく、係止手段のみによって段ボールシート2から段ボール箱1を組み立てることができる。よって、特別な組立用の設備を必要とせず手作業のみで簡便に段ボール箱1の組み立て作業を行うことができる。また、テープやワイヤーを用いないので、組立後の段ボール箱1の見た目を損なうことがなく、廃棄処理の際には分別の必要がない。そして、このように組み立てられた状態で段ボール箱1は搬送の用に供される。
次いで搬送終了後に段ボール箱1を開封する手順について説明する。図4に示されるように、まず縫合糸Yを抜き取る。縫合は単環縫いまたは二重環縫いとされているので、抜き取ることが容易であり女性などでも容易に抜き取りを行うことができる。また、縫合糸Yを用いておりワイヤーの様に固い材質ではないので、商品へのダメージや作業者の怪我のおそれも少ない。縫合糸Yを抜き取ると、別体に形成されて縫合固定されていた第二平板50と第二側板20とは分離される。この際において、前述のように第三係止片52と第三係止孔42により第二平板50は第一平板40に係止固定されているので、第二平板50と第一平板40とは、先端側の第二平板50と基端側の第一平板40とが一体的に係止固定された開閉自在な蓋60を構成することになる。よって、内部に収納物を収納したままの状態とするなどして蓋60を開閉し、収納物を露呈させたり、逆に収納物を隠ぺいしたりすることが自在にできる。
さらにまた、図4に示されるように、余白部58を切れ目56に沿って切除することにより、第二平板50の折曲部54の中央付近に開閉用係止片59を形成することができる。余白部58は切除した後に廃棄すれば良い。この開閉用係止片59は、前述したように第二側板20の開閉用係止孔24に差し込み可能に設けられており、開閉用係止孔24に差し込まれることにより、蓋60が第二側板20に係止固定される。
ここで、開閉用係止片59は第二平板50と一体的に形成されており、例えば段ボールシート2を重ね合わせて二重にされてワイヤーによって固定した部位において構成されるなど複雑な構成とされておらず、第二平板50と開閉用係止片59が1枚の段ボールシート2から形成可能に構成されている。特に、第一平板40と第二平板50とを第三係止片52と第三係止孔42とにより固定して段ボール箱1を閉じることが可能に構成され、かつ、縫合糸Yによって別体の第二側板20及び第二平板50を単に縫合糸Yを抜糸することにより分離可能に構成しているので、収納物の収納時及び段ボール箱1の組み立て時には第一平板40と第二平板50とを簡便に固定することができるとともに、開封後の蓋6の開閉用係止片59の部位を段ボールシート2が二重になることを回避できる。よって、開閉用係止片59と開閉用係止孔24の係止構造を簡便なものとすることができ、係止固定を確実・簡便に達成することができる。
そして図5に示されるように、第二側板20の開閉用係止孔24に開閉用係止片59を係止固定することにより、第二平板50、ひいては蓋60を第二側板20に確実に固定して閉止することができる。よって、段ボール箱1は開封後の状態においても確実に閉止することができる。したがって、搬送後において開封した後に収納物を段ボール箱1内部に収納したままにしておき、よって引き続き収納物を段ボール箱1内部に収納して段ボール箱1を使用する場合において、内部にほこりその他の異物の侵入を防止することができるので、搬送及び開封後の収納物の汚損などを有効に回避することができる。したがって、段ボール箱1を従来のように単なる包装手段として使用するだけではなく、展示手段・装飾手段としても利用することを可能にする。特に、段ボール箱1に図柄・絵柄などの装飾を施しておくと、搬送後にもそのまま展示ツールとして利用することができ、展示目的に一層資することが可能な段ボール箱1とすることができる。
本発明の実施の形態は前述のように構成されているが、本発明はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の主旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、縫合糸Yの位置は開閉用係止孔24よりも上方において縫合されているが、開閉用係止孔24の下方において縫合することとしても良い。しかしながら、前述の実施の形態のように開閉用係止孔24よりも上方の折れ目線Xに近い位置において縫合することにより、第二平板50と第二側板20との固定をより強固・確実にすることができる。また、第一〜第三係止片と第一〜第三係止孔の構成は前述の例に限られず、他の構成の係止手段でも良い。また、当然ながら第一平板40・第一平板50、第一側板16・第二側板20、第一端板30・第二端板36などの縦横比率その他のサイズは適宜変更することが可能である。また、前述の例では、蓋60が上面に位置するように段ボール箱1を使用する態様を想定しているがこれに限られず、蓋60を正面にして使用するなどの他の使用態様の段ボール箱に応用することも可能である。また、切り取り時の利便性を図るために余白部58に「摘み部」を設けることとしても良い。
本発明は広く段ボール箱に利用することができる。
1;段ボール箱、2;段ボールシート、3;本体部、10;底板、12;長辺、13;短辺、16;第一側板、17;短辺、18;第一係止片、19;長辺、20;第二側板、21;短辺、22;第二係止片、24;開閉用係止孔、25;長辺、30;第一端板、31;長辺、32;短辺、33;支持片、34;第一係止孔、35;第二係止孔、36;第二端板、40;第一平板、42;第三係止孔、43:係合突片、50;第二平板、52;第三係止片、53;係合孔、54;折曲部、56;切れ目、58;余白部、59;開閉用係止片、60;蓋、X;折れ目線、Y;縫合糸。
Claims (3)
- 矩形状の底板と、
前記底板に連設される第一側板、第二側板、第一端板及び第二端板と、前記第一側板に連設される第一平板と、前記第二側板に連設される第二平板と、を備える段ボール箱であって、
前記第一側板と、前記第一端板及び前記第二端板とには、いずれか一方には第一係止片が、他方には前記第一係止片が係止可能な第一係止孔が設けられ、前記第二側板と、前記第一端板及び前記第二端板とには、いずれか一方には第二係止片が、他方には前記第二係止片が係止可能な第二係止孔が設けられ、
前記第一平板と前記第二平板には、いずれか一方には第三係止片が、他方には前記第三係止片が係止可能な第三係止孔が設けられ、
前記第二平板は、前記第二側板とは別体に設けられるとともに、前記第二側板に抜糸可能な縫合糸により縫い付けられて固定されていることを特徴とする段ボール箱。 - 前記第二平板の第二側板側の端部には、開閉用係止片が突設され、前記第二側板には、前記開閉用係止片を差し込んで係止可能な開閉用係止孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の段ボール箱。
- 前記開閉用係止片が、前記第二平板の第二側板側の端部の折曲部において、左右両側の余白部が切除可能な切れ目が刻設され、この切れ目に沿って余白部を切除して形成可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の段ボール箱。
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