JP2013180586A - 液圧供給装置および車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧供給装置の負荷を小さくして、寿命を長くする。
【解決手段】イグニッションスイッチがOFFである場合(S12の判定がNO)に、液圧ブレーキにおける液圧要求レベルが第1レベル以下である場合(S13の判定がYES)には、アキュムレータが開放され、第1設定圧まで低下させられる(S14,15)。イグニッションスイッチがOFFであり、かつ、液圧要求レベルが第1レベル以下である場合には、アキュムレータから液圧を供給する必要性が非常に低いため、アキュムレータを開放しても差し支えないのであり、それにより、アキュムレータとブレーキシリンダとの間に設けられた増圧リニア制御弁に作用する差圧作用力を小さくすることができ、負荷を小さくすることができる。その結果、寿命を長くすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータを備えた液圧供給装置および液圧供給装置を備えた車両を制御する車両制御装置に関するものである。
特許文献1〜3には、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータを備え、そのアキュムレータに保持された作動液をブレーキシリンダに供給する液圧供給装置が記載されている。特許文献1〜3に記載の液圧供給装置においては、アキュムレータに蓄えられた作動液の液圧(以下、アキュムレータ圧と称する)が設定範囲内に保たれるように制御される。
特許文献1,2に記載の液圧供給装置において、車両の走行速度が設定速度以下の場合は、設定速度より大きい場合よりアキュムレータ圧が低めの設定範囲に制御される(アキュムレータ圧の制御範囲が低めに設定される)。
特許文献1に記載の液圧供給装置において、現在までに液圧供給装置に加えられた負荷が大きい場合は小さい場合より、アキュムレータ圧が低めの設定範囲に制御される。
特許文献3に記載の液圧供給装置において、アキュムレータ圧の低下勾配が大きい場合は小さい場合より高めの設定範囲に制御される。それにより、アキュムレータの小形化を図りつつ、アキュムレータ圧不足を良好に抑制することができる。
特開2006−15956 特開平6−183334 特開平6−173861
本発明の課題は、液圧供給装置の改良であり、例えば、液圧供給装置の負荷を小さくして、寿命を長くすることである。
課題を解決するための手段および効果
本発明は、液圧ブレーキにおける液圧要求レベルが低い場合にアキュムレータ圧を低くすることである。
液圧ブレーキの液圧要求レベルが低い場合にはアキュムレータ圧が低くても差し支えないのであり、アキュムレータ圧を低くすれば、液圧供給装置の負荷を小さくすることができ、寿命を長くすることができる。
また、液圧要求レベルが低い場合に制御範囲が低めに設定される場合と比較して、アキュムレータ圧を確実に低くすることができ、液圧供給装置の負荷を確実に小さくすることができる。
特許請求可能な発明
以下、本願において特許請求が可能と認識されている発明、発明の特徴点について説明する。
(1)流体を加圧した状態で保持する蓄圧装置を備え、その蓄圧装置から流体圧作動装置に流体圧を供給する流体圧供給装置であって、
前記流体圧作動装置における流体圧の要求レベルが第1レベル以下である場合に、前記蓄圧装置に蓄えられた流体の圧力である蓄圧を第1設定圧まで低下させる蓄圧低下装置を含むことを特徴とする流体圧供給装置。
流体圧供給装置は、例えば、ポンプ装置、蓄圧装置、蓄圧装置と流体圧作動装置との間の流体圧通路、その流体圧通路に設けられた電磁制御弁等を含むものとすることができる。
蓄圧装置は、流体を加圧した状態で保持するものであり、流体圧が蓄圧装置において設定された初期圧より大きくなると流入が許容される。そして、蓄圧装置に蓄えられた流体の圧力である蓄圧は設定範囲に保たれるように制御されるのが普通である。
そして、流体圧作動装置における流体圧の要求レベルが第1レベル以下である場合には、蓄圧を初期圧、あるいは、初期圧より僅かに高い圧まで低下させることができる。その結果、流体圧供給装置の負荷を良好に小さくすることができる。具体的には、流体圧通路、電磁制御弁に加えられる負荷を小さくしたり、蓄圧装置に加えられる負荷を小さくしたりすることができるのである。また、初期圧より低くされないようにすれば、ポンプ装置の作動により速やかに蓄圧装置に流体を流入させることができ、蓄圧を高くすることができる。
要求レベルは、高い流体圧が要求される場合(流体圧を高くする要求がある場合と、急勾配で流体圧を増加させる要求がある場合との少なくとも一方の場合)に最も高いレベル(レベルH)とされ、流体圧が要求されない場合に最も低いレベル(レベルL)とされる。流体圧が要求される可能性があると予測される場合、現時点において低い流体圧が要求される場合等には、これらレベルHとレベルLとの中間のレベル(レベルM)とされる。
第1レベルは、現時点において、流体圧作動装置において流体圧が要求されないレベル(レベルL、あるいは、レベルLに近いレベル)とすることができる。
(2)車両に設けられ、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータと、
そのアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧を制御するアキュムレータ圧制御装置と
を含み、前記アキュムレータ圧を、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダに供給する液圧供給装置であって、
前記アキュムレータ圧制御装置が、前記液圧ブレーキにおける液圧要求レベルが第1レベル以下である場合に、前記アキュムレータ圧を第1設定圧まで低くするアキュムレータ圧低減部を含むことを特徴とする液圧供給装置。
本項に記載の液圧供給装置は、(1)項に記載の流体圧供給装置において、流体圧が作動液の液圧とされ、流体圧作動装置が、車両の車輪の回転を抑制する液圧ブレーキとされたものである。本項に記載の液圧供給装置には、(1)項に記載の技術的特徴を採用することができる。
なお、アキュムレータ圧制御装置は、(i)ポンプ装置の制御によりアキュムレータ圧を制御するポンプ装置制御部と、(ii)電磁制御弁の制御によりアキュムレータ圧を制御する電磁制御弁制御部との少なくとも一方を含むものとすることができる。
また、(1)項に記載のように、第1設定圧は、アキュムレータの初期圧に基づいて決まる値とすることができる。例えば、初期圧とほぼ同じ値としたり、初期圧より高めの値としたりすることができる。
(3)前記アキュムレータ圧低減部が、(a)パーキングブレーキと、パーキングロック機構との少なくとも一方が作用状態にあり、かつ、前記車両が停止状態にあることと、(b)前記車両の運転席に運転者が乗車していないこととの少なくとも一方が満たされた場合に、前記液圧ブレーキの液圧要求レベルが前記第1レベル以下であると判定するレベル判定部を含む(2)項に記載の液圧供給装置。
パーキングブレーキは車輪に設けられたものであり、パーキングロック機構は駆動伝達装置に設けられたものである。
(a)の場合には、パーキングブレーキ、パーキングロック機構の少なくとも一方が作用状態にあり、かつ、車両が停止状態にあるため、サービスブレーキ(本項に記載の液圧ブレーキ)を作動させる必要性が非常に低い状態であると考えられる。
(b)の場合には、車両の運転席に人がいないため、車両が発進させられる可能性が低く、液圧ブレーキを作動させる必要性が非常に低い状態であると考えられる。また、イグニッションスイッチがOFFである場合には、イグニッションスイッチがONに切り換えられる可能性が低いと考えられる。さらに、運転席に人がいないため、イグニッションスイッチがOFFである可能性が高いと推測することができる。
以上のように、(a)、(b)の少なくとも一方が満たされた場合には、液圧ブレーキを作動させる必要性が非常に低く、液圧要求レベルが第1レベル以下であると考えられる。そして、液圧ブレーキの液圧要求レベルが第1レベル以下である場合には、アキュムレータ圧を第1設定圧まで低くしても差し支えないのであり、アキュムレータ圧を第1設定圧まで低くすれば、液圧供給装置の負荷を小さくすることができる。
なお、(a)、(b)の少なくとも一方の状態が設定時間以上継続した場合に、液圧ブレーキの液圧要求レベルが第1レベル以下と判定されるようにすることもできる。
また、レベル判定部による判定は、イグニッションスイッチがOFFである場合に行われるようにすることができる。換言すれば、イグニッションスイッチがOFFであり、かつ、(a)、(b)の少なくとも一方が満たされた場合に、液圧要求レベルが第1レベル以下であると判定されるようにすることもできるのである。イグニッションスイッチがONである場合には、(a)、(b)の少なくとも一方が満たされても、直ちに、車両が発進させられ、液圧ブレーキにおいて液圧が要求される可能性もあるが、イグニッションスイッチがOFFである場合において、(a)、(b)の少なくとも一方が満たされた場合には、直ちに、車両が発進させられる可能性は低く、液圧ブレーキにおいて液圧が要求される可能性が低いからである。
(4)前記アキュムレータ圧制御装置が、前記液圧ブレーキの液圧要求レベルが第2レベルより高い場合に前記アキュムレータ圧を第1設定範囲に制御し、前記液圧要求レベルが前記第2レベル以下である場合に第2設定範囲に制御する第1設定範囲制御部を含み、前記第1設定範囲を規定する第1下限値と第1上限値との少なくとも一方が、その少なくとも一方に対応する前記第2設定範囲を規定する第2下限値と第2上限値との少なくとも一方より大きい値に設定された(2)項または(3)項に記載の液圧供給装置。
液圧ブレーキの液圧要求レベルが第2レベル以下である場合には、アキュムレータ圧が第2設定範囲に制御されるため、アキュムレータ圧が常に第1設定範囲に制御される場合に比較して、液圧供給装置の負荷が小さくなる機会を多くすることができる。
なお、液圧要求レベルが第2レベルより高い状態から第2レベル以下の状態になっても、アキュムレータ圧が直ちに低くされるとは限らない。
また、第1上限値と第1下限値との両方を、それぞれ、第2上限値、第2下限値より大きい値に設定しても、第1上限値と第1下限値とのいずれか一方を、第2上限値と第2下限値とのいずれか一方より大きい値に設定してもよい。
(5)前記第1設定範囲制御部が、(a)前記車両の走行速度が第1設定速度より低いことと、(b)前記車両の前後方向の加速度が第1設定加速度より小さいこととの少なくとも一方が満たされた場合に前記アキュムレータ圧の制御範囲を前記第2設定範囲に決定する第1制御範囲決定部を含む(4)項に記載の液圧供給装置。
(4)項、(5)項に記載の液圧供給装置におけるアキュムレータ圧の制御は、車両のイグニッションスイッチがONであることが前提とされる。イグニッションスイッチがONであることから、サービスブレーキを作動させる要求がないと考えることは困難である。そのため、サービスブレーキとしての液圧ブレーキの液圧要求レベルは第1レベルより高い状態であると考えられる。第2レベルは第1レベルより高いレベルであり、(4)項、(5)項に記載の液圧供給装置において、第2レベル以下である場合は、第1レベルより高く、第2レベル以下である場合であると考えることができる。
例えば、第1設定速度、第1設定加速度は、大きな制動力を加えなくても、車両を速やかに停止させ得る大きさに設定することができ、車両の速度が第1設定速度より小さい場合や、加速度が第1設定加速度より小さい場合には、液圧ブレーキにおける液圧要求レベルが中間のレベル(レベルM)であると考えられる。
例えば、(i)現時点において液圧ブレーキは非作用状態にあるが、液圧ブレーキを作動させる要求があっても、高い液圧が要求されることがないと予測される場合や、(ii)現時点において液圧ブレーキが作用状態にある場合において、目標液圧が小さい場合や目標液圧の増加勾配が小さい場合であると考えられる。また、「高い液圧が要求されない」とは、目標液圧が低いことと、目標増加勾配が小さいこととの少なくとも一方の場合である。目標増加勾配を実現するために、高い液圧が必要であるからである。
例えば、第1設定範囲を標準的な範囲(デフォルト範囲)とすることができる。第1設定範囲を、緊急時の液圧ブレーキにおける液圧要求を満たし得る範囲とし、第2設定範囲を、第1設定範囲より低めの範囲とすることができる。
(6)前記アキュムレータ圧制御装置が、前記液圧ブレーキの液圧要求レベルが前記第3レベルより高い場合に前記アキュムレータ圧を第3設定範囲に制御し、前記液圧要求レベルが前記第3レベル以下である場合に第4設定範囲に制御する第2設定範囲制御部を含み、前記第3設定範囲を規定する第3下限値と第3上限値との少なくとも一方が、その少なくとも一方に対応する前記第4設定範囲を規定する第4下限値と第4上限値との少なくとも一方より大きい値に設定された(2)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の液圧供給装置。
例えば、第3設定範囲は、第1設定範囲とほぼ同じ範囲としたり、第1設定範囲より高めの範囲としたりすることができ、第4設定範囲は、第2設定範囲とほぼ同じ範囲としたり、第2設定範囲より高めあるいは低めの範囲としたりすることができる。また、第4設定範囲を標準範囲とすることができ、第1設定範囲を標準範囲とした場合に比較して、多くの場合に、アキュムレータ圧を低めに制御することが可能となり、液圧供給装置の負荷を良好に小さくすることができる。
(7)前記第2設定範囲制御部が、(a)前記車両の走行速度が第2設定速度より大きいことと、(b)前記車両の加速度が第2設定加速度より大きいことと、(c)前記車両と前方車両との車間距離が設定距離より小さいことと、(d)前記アキュムレータの温度が設定温度より低いこととの少なくとも1つが満たされた場合に、前記アキュムレータ圧の制御範囲を前記第3設定範囲に決定する第2制御範囲決定部を含む(6)項に記載の液圧供給装置。
第2設定速度、第2設定加速度は、第1設定速度、第1設定加速度以上の値とすることができ、車両の走行速度が第2設定速度より大きい場合、加速度が第2加速度より大きい場合は、車両を停止させるのに、大きな制動力が必要である状態であると考えることができる。
車間距離が設定距離より小さい場合は、(i)現時点において非作用状態にあるが、液圧ブレーキを高い液圧で作動させる要求が生じると予測される場合、(ii)現時点において作用状態にあり、液圧ブレーキの目標液圧や目標増加勾配が大きい場合であると考えることができる。
設定温度は、例えば、アキュムレータがブラダ式のものである場合において、気体室の気体の温度が低くなることに起因して気体室の圧力が低下し、それに起因して液体室の液圧が低下することにより、液圧ブレーキにおける液圧の目標増加勾配の実現が困難となると考えられる温度とすることができる。
第3レベルは、第2レベルより高いレベルとすることができ、標準的な場合より高いアキュムレータ圧が要求される状態であると考えることができる。
なお、4つの条件すべてが満たされた場合に第3設定範囲に決定されるようにしたり、1つ、あるいは、2つ以上の条件が満たされた場合に第3設定範囲に決定されるようにしたりすることができる。
(8)当該液圧供給装置が、前記アキュムレータと前記ブレーキシリンダとの間に設けられた少なくとも1つの電磁制御弁を含む(2)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の液圧供給装置。
電磁制御弁の前後の差圧(高圧側の液圧と低圧側の液圧との差)は、低圧側の液圧が一定である場合において、高圧側の液圧、すなわち、アキュムレータ圧が小さくなると、小さくなる。電磁制御弁に加えられる差圧に応じた力(以下、差圧作用力と称することがある)が小さくなり、電磁制御弁に加えられる負荷が小さくなる。また、電磁制御弁とアキュムレータとの間の液通路の液圧も低くなり、液通路に加えられる負荷も小さくすることができる。
また、電磁制御弁を閉状態から開状態に切り換える場合に、前後の差圧が小さいと、キャビテーションが生じ難くすることもできる。
電磁制御弁は、ソレノイドに電流が供給されない場合に閉状態にある常閉弁であっても、常開弁であってもよい。
また、電磁制御弁は、ソレノイドへの供給電流量の大きさの連続的な制御により、高圧側と低圧側とのいずれか一方の液圧の大きさを連続的に制御するリニア制御弁(比例制御弁)であっても、ソレノイドへの電流供給のONOFFにより開状態と閉状態とに切換えられる電磁開閉弁であってもよい。
なお、アキュムレータとブレーキシリンダとの間に、1つ以上の電磁制御弁が互いに並列に設けられる場合があり、その場合には、1つ以上の電磁制御弁のすべてについて同様に差圧作用力が加えられる。
(9)当該流体圧供給装置が、前記アキュムレータに高圧の作動液を供給可能なポンプ装置を含み、前記第1設定範囲制御部が、前記ポンプ装置を制御することにより、前記アキュムレータ圧を制御するポンプ装置制御部を含む(4)項ないし(8)項のいずれか1つに記載の流体圧供給装置。
第2設定範囲内制御部についても同様である。アキュムレータ圧が設定範囲の下限値より低くなると、ポンプ装置を作動させ(ポンプモータをONとし)、設定範囲の上限値より高くなると、ポンプ装置を停止させる(ポンプモータをOFFとする)。
(10)前記液圧供給装置が、(a)前記アキュムレータと前記ブレーキシリンダとの間に設けられ、ソレノイドへの電流供給の制御により開閉させられる少なくとも1つの高圧側電磁制御弁と、(b)前記ブレーキシリンダと低圧源との間に設けられ、ソレノイドへの電流供給の制御により開閉させられる少なくとも1つの低圧側電磁制御弁とを含み、前記アキュムレータ圧低減部が、前記アキュムレータ圧を前記第1設定圧まで低下させる場合に、前記少なくとも1つの高圧側電磁制御弁のうちの1つ以上と前記少なくとも1つの低圧側電磁制御弁のうちの1つ以上との両方を開状態とする電磁制御弁制御部を含む(2)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の流体圧供給装置。
高圧側電磁制御弁、低圧側電磁制御弁の両方が開状態とされることにより、アキュムレータの液圧が低圧源に供給され、アキュムレータ圧が低下させられる。
また、アキュムレータから流出させられた作動液がブレーキシリンダに供給され難くすることができる。
なお、高圧側電磁制御弁、低圧側電磁制御弁のクリーニングを行うこともできる。
(11)(2)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の液圧供給装置を備えた車両を制御する車両制御装置であって、
当該車両のイグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられてから、前記アキュムレータ圧が前記第1設定圧より高い第2設定圧より高くなった場合に、当該車両の走行を許可する走行許可部を含むことを特徴とする車両制御装置。
「車両の走行を許可する状態」とは、シフト位置をドライブ位置に入れ、アクセルペダルを踏み込むと、車両が発進可能な状態をいう。アキュムレータ圧が第2設定圧より高くなったため、その後、車両が発進して、液圧ブレーキの作動要求が生じても、液圧ブレーキを作動させ得るからである。
第2設定圧は第1設定圧より高い値とされるのであり、例えば、第1〜第4設定範囲の下限値に基づいて決まる値とすることができる。具体的には、これらの下限値のうちの1つとほぼ同じ大きさの値とすることができる。
イグニッションスイッチがOFFである場合には、アキュムレータ圧が第1設定圧まで低下させられている可能性がある。しかし、車両が発進させられた後においては、液圧ブレーキの作動が要求される可能性があるため、車両が発進する際には、アキュムレータ圧は高い方が望ましい。しかし、第2設定圧が高いと、イグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられてから、車両の走行が許可されるまでに長い時間を要し、運転者が違和感を感じることがある。
これら事情を考慮して第2設定圧が決定されるようにすることができる。
(12)前記車両制御装置が、前記アキュムレータ圧が前記第2設定圧より高くなった場合に、当該車両の走行準備状態への移行を許可する準備状態移行許可部を含む(11)項に記載の車両制御装置。
イグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられると、IGモードとされ、オーディオ等の電装装置の作動が許可される。その後、アキュムレータ圧が第2設定圧より高くなると、車両が走行可能な状態となるための準備が開始され、この走行準備が完了すると、走行可能な状態となる。換言すれば、走行準備が行われないと、車両は走行することはできないことになる。
(13)前記車両制御装置が、前記アキュムレータ圧が前記第2設定圧より高くなり、かつ、当該車両が停止状態に保持され得る場合に、当該車両の走行準備状態への移行を許可する準備状態移行許可部を含む(11)項または(12)項に記載の車両。
仮に車両の駆動装置が始動させられても、車両が停止状態に保持され得る状態にある場合に、走行準備状態への移行が許可される。例えば、パーキングロック機構と、車輪の回転を抑制するブレーキとの少なくとも一方が作用状態にある場合には、車両が停止状態に保持され得ると考えられる。
(14)車両に設けられ、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータと、
そのアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧を制御するアキュムレータ圧制御装置と
を含み、前記アキュムレータ圧を、液圧作動装置に供給する液圧供給装置であって、
前記アキュムレータ圧制御装置が、前記アキュムレータ圧を供給する必要性のレベルが第1レベル以下である場合に、前記アキュムレータ圧を第1設定圧まで低くするアキュムレータ圧低減部を含むことを特徴とする液圧供給装置。
アキュムレータ圧がブレーキシリンダに供給され、他の液圧作動装置に供給されない場合には、液圧ブレーキにおける液圧要求レベルはアキュムレータ圧の必要性のレベルと同じであると考えることができる。しかし、アキュムレータ圧がブレーキシリンダと、ブレーキシリンダ以外の液圧作動装置とに供給されるようにされている場合には、液圧ブレーキにおける液圧要求レベルと、アキュムレータ圧の必要性のレベルとが異なる場合があり、液圧ブレーキにおける液圧要求レベルが低くても、アキュムレータ圧の必要性のレベルが高い場合がある。
本項に記載の液圧供給装置には、(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
(15)車両に設けられ、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータと、
そのアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧を制御するアキュムレータ圧制御装置と
を含み、前記アキュムレータ圧を、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダに供給する液圧供給装置であって、
前記アキュムレータ圧制御装置が、前記車両の前後方向の加速度が第3設定加速度より大きい場合に前記アキュムレータ圧を第5設定範囲に制御し、前記加速度が前記3設定加速度以下である場合に第6設定範囲に制御する第3設定範囲制御部を含み、かつ、前記第6設定範囲を規定する第6下限値と第6上限値との少なくとも一方が、それに対応する前記第5設定範囲を規定する第5下限値と第5上限値との少なくとも一方より小さい値に設定されたことを特徴とする液圧供給装置。
本項に記載の液圧供給装置には、(1)項ないし(14)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
例えば、第3設定加速度は、第1設定加速度、第2設定加速度のいずれかとほぼ同じ大きさとすることができる。また、第5設定範囲は、第1設定範囲、第3設定範囲のいずれかとほぼ同じ範囲とすることができ、第6設定範囲は、第2設定範囲、第4設定範囲のいずれかとほぼ同じ範囲とすることができる。
(16)車両に設けられ、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータと、
そのアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧を制御するアキュムレータ圧制御装置と
を含み、前記アキュムレータ圧を、車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダに供給する液圧供給装置であって、
前記アキュムレータ圧制御装置が、(a)前記車両と前方車両との車間距離が設定距離より短いことと、(b)前記アキュムレータ内の温度が設定温度より低いこととの少なくとも一方が満たされた場合に、前記アキュムレータ圧を第7設定範囲に制御し、両方が成立しない場合に、前記アキュムレータ圧を第8設定範囲に制御する第4設定範囲内制御部を含み、かつ、前記第8設定範囲を規定する第8下限値と第8上限値との少なくとも一方が、前記第7設定範囲を規定する第7下限値と第7上限値との少なくとも一方より小さい値に設定されたことを特徴とする液圧供給装置。
本項に記載の液圧供給装置には、(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
例えば、第7設定範囲は、第1設定範囲、第3設定範囲、第5設定範囲のいずれかとほぼ同じ範囲とすることができ、第8設定範囲は、第2設定範囲、第4設定範囲、第6設定範囲のいずれかとほぼ同じ範囲とすることができる。
本発明の実施例1に係る液圧供給装置を含む車両全体を模式的に示す図である。車両には車両制御装置が設けられる。 上記液圧供給装置に含まれる電磁制御弁の断面図である。 上記液圧供給装置に含まれるブレーキECUの記憶部に記憶されたアキュムレータ圧制御プログラムを表すフローチャートである。 上記アキュムレータ圧制御プログラムの一部(制御範囲の決定)を表すフローチャートである。 上記アキュムレータ圧の設定範囲を示す図である。 上記車両制御装置に含まれる駆動等ECUの記憶部に記憶されたREADY移行許可プログラムを表すフローチャートである。 本発明の実施例2に係る液圧供給装置に含まれるブレーキECUの記憶部に記憶されたアキュムレータ圧制御プログラムの一部(制御範囲の決定)を表すフローチャートである。 上記アキュムレータ圧の設定範囲を示す図である。
発明の実施形態
以下、本発明の一実施形態である液圧供給装置が搭載された車両について、図面に基づいて詳細に説明する。車両は、本発明の一実施形態である車両制御装置によって制御される。
車両に含まれる駆動装置は、エンジンと電動モータとの少なくとも一方を含むものであり、車両は、通常のガソリン自動車であってもハイブリッド自動車であっても電気自動車であってもよいのである。
<車両>
図1に示すように、車両には液圧ブレーキシステムが搭載されている。液圧ブレーキシステムは、(i)運転者によるブレーキペダル10の操作により機械的に液圧を発生させるマニュアル式液圧源12と、(ii)ポンプ装置14の作動により液圧が発生させられる電力式液圧源16と、(iii)ブレーキシリンダ18の液圧により作動させられ、車両の車輪の回転を抑制する液圧ブレーキ20とを含む。
マニュアル式液圧源12は、ブレーキペダル10に連携させられた加圧ピストン30を有するマスタシリンダ32を含み、マスタシリンダ32において、ブレーキペダル10の操作に伴って加圧ピストン30が前進させられ、前方の加圧室34に液圧が発生させられる。加圧室34には、マスタ通路36を介してブレーキシリンダ18が接続され、マスタ通路36には、常開の電磁開閉弁であるマスタ遮断弁38が設けられるとともに、ストロークシミュレータ40がシミュレータ制御弁42を介して接続される。
電力式液圧源16は、ポンプ装置14に加えて、ポンプ装置14から吐出された作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータ50、アキュムレータ50の液圧を検出するアキュムレータ圧センサ52等を含む。
ポンプ装置14は、ポンプ54と電動モータであるポンプモータ56とを含む。ポンプ54は、ポンプモータ56の作動によりリザーバ58の作動液を汲み上げて加圧するものである。
アキュムレータ50は、本実施例においてはブラダ式のものであり、気体室と液体室とがダイヤフラムによって気密に仕切られ、圧力が釣り合った状態にある。気体室に封入されたエアには予圧が加えられており、液圧ブレーキシステムの作動液の液圧が予圧より高くなると、作動液の液体室への流入が許容される。この予圧を初期圧Pstaと称する。
また、アキュムレータ50の液体室に蓄えられた作動液の圧力(以下、アキュムレータ圧と称する)は、アキュムレータ圧センサ52によって検出され、ポンプ装置14の制御によって制御される。アキュムレータ圧は、設定範囲内に保たれるように制御されたり、設定圧力に制御されたりする。アキュムレータ圧の制御については後述する。
なお、符号60はリリーフ弁を示す。リリーフ弁60により、電力式液圧源16の液圧が過大にならないようにされる。
電力式液圧源16にはポンプ通路70を介してブレーキシリンダ18が接続され、ポンプ通路70には電磁制御弁としての増圧リニア制御弁72が設けられる。また、ブレーキシリンダ18にはリザーバ通路74を介してリザーバ58に接続され、リザーバ通路74には減圧リニア制御弁76が設けられる。
増圧リニア制御弁72は、図2に示すように、(a)ハウジング80と、(b)弁座82と弁座82に対して接近・離間可能な弁子84とを備えたシーティング弁部85と、(c)コイル86と、(d)コイル86への電流供給の制御によりハウジング80に対して相対移動させられるプランジャ88と、(e)プランジャ88とハウジング80との間に設けられ、弁子84を弁座82に着座させる向きに付勢するスプリング90とを含む。また、符号92は高圧側ポートを示し、符号94は低圧側ポートを示す。増圧リニア制御弁72においては、高圧側ポート92に電力式液圧源16が接続され、低圧側ポート94にブレーキシリンダ18が接続される。以上のように、増圧リニア制御弁72は、コイル86に電流が供給されない間は弁子84が弁座82に着座する閉状態にあり、高圧側ポート92と低圧側ポート94との間の液圧差に応じた差圧作用力が加えられる。差圧作用力は、低圧側ポート94の液圧が一定である場合に、高圧側ポート92に加えられる液圧が高い場合は低い場合より大きくなる。
減圧リニア制御弁74について、構造が同じであるため説明を省略する。減圧リニア制御弁74においては、高圧側ポート92にブレーキシリンダ18が接続され、低圧側ポート94にリザーバ58が接続される。
当該液圧ブレーキシステムには、コンピュータを主体とするブレーキECU100が設けられる。ブレーキECU100には、アキュムレータ圧センサ52,ブレーキペダル10の操作ストロークを検出するストロークセンサ102,ブレーキペダル10が踏み込まれた状態にあるか否かを検出するブレーキスイッチ104,各車輪に設けられ、各々の車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ106,車両の前後方向の加速度を検出する前後Gセンサ108,図示しないパーキングブレーキの作動を指示するパーキングブレーキスイッチ110,温度センサ112,イグニッションスイッチ114等が接続されるとともに、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁76,マスタ遮断弁38,シミュレータ遮断弁42のコイルが図示しない駆動回路を介して接続され、ポンプモータ56が図示しない駆動回路を介して接続される。
ブレーキECU100においては、各車輪の車輪速度に基づいて車両の走行速度Vが演算により求められる。また、温度センサ112は、車室内の温度を検出するものであっても、アキュムレータ50の近傍の温度を検出するものであってもよい(温度センサ112の設置場所は問わない)が、いずれにしても、検出された温度に基づいてアキュムレータ50の気体室のエアの温度が推定される。
また、ブレーキECU100および、コンピュータを主体とする駆動等ECU120,前方車両検出装置122等がCAN(Car Area Network)124に接続される。
駆動等ECU120には、図示しないトランスミッションのシフト位置を検出するシフト位置センサ130,運転席に加えられる荷重を検出する荷重センサ132等が接続されるとともに、駆動装置134が接続される。荷重センサ132によれば、運転者用シートに人が着座しているか否かを検出することができる。
前方車両検出装置122は、レーザ装置、撮像装置等を含み、これらにより、前方車両の有無および前方車両との間の相対位置関係(例えば、車間距離D)等が取得される。
これらブレーキECU100,駆動等ECU120,前方車両検出装置122等は、CAN124を介して、互いに情報を取得することができるのであり、ブレーキECU100においては、運転者用のシートに人が着座しているか否か、トランスミッションのシフト位置、前方車両との車間距離等を表す情報をCAN124を介して取得することができる。
<車両において行われる制御>
液圧ブレーキシステムにおいて、イグニッションスイッチ114がON状態にある場合には、アキュムレータ圧Paccが設定範囲内に保たれるように制御され、イグニッションスイッチ114がOFF状態にある場合において液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下である場合に、アキュムレータ50が開放され、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧とされる。
イグニッションスイッチ114のON状態において、アキュムレータ圧Paccは、通常は、第1設定範囲に制御される。第1設定範囲は、図5に示すように、第1下限値Pthd1,第1上限値Pthu1で規定される範囲であり、本実施例においては、第1設定範囲が標準的な範囲とされる。第1設定範囲は、ブレーキシリンダ18において、高い液圧が要求される場合であっても、それを満たし得る範囲に設定される。「高い液圧が要求される場合」とは、ブレーキシリンダ18の目標液圧が高い場合、目標増加勾配が大きい場合の少なくとも一方の場合である。
アキュムレータ圧センサ52によって検出されたアキュムレータ圧Paccが第1下限値Pthd1より低くなると、ポンプモータ56が始動させられ、第1上限値Pthuを越えるとポンプモータ56が停止させられる。それにより、アキュムレータ圧が第1設定範囲に制御される。
しかし、上述のように、第1設定範囲は、ブレーキシリンダ18に高い液圧を供給可能な範囲に設定されるため、増圧リニア制御弁72に作用するアキュムレータ圧Paccは高くなり、大きさな差圧作用力が加えられる。そのため、増圧リニア制御弁72に大きな負荷が加えられる等の問題があった。
そこで、本実施例においては、イグニッションスイッチ114がON状態であっても、液圧ブレーキ18の液圧要求レベルが第2レベル以下である場合には、アキュムレータ圧Paccが第2設定範囲に制御される。
第2設定範囲は、図5に示すように第2下限値Pthd2,第2上限値Pthu2で決まる範囲であり、第2設定範囲を規定する第2下限値Pthd2,第2上限値Pthu2は、それぞれ、第1設定範囲を規定する第1下限値Pthd1,第1上限値Pthu1より小さい値に設定される。
本実施例においては、(a)車両の走行速度Vが第1設定速度Vth1より小さいこと(車両が停止状態にある場合も含む)、(b)車両の前後Gが第1設定加速度Gth1より小さいことの両方が満たされた場合に、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベルより高く、第2レベル以下であると判定される。第1設定速度Vth1、第1設定加速度Gth1は、例えば、現時点において液圧ブレーキ20は非作用状態にあるが、液圧ブレーキ20を作動させて車両を停止させる要求が生じた場合であっても、高い液圧が要求されないと予測される大きさとすることができる。
また、イグニッションスイッチ114がONであることから、液圧ブレーキ20における液圧要求レベルは第1レベルより高いと判定される。イグニッションスイッチ114がONである場合には、車両が停止状態にあっても、直ちに、発進させられて、液圧ブレーキ20を作動させる要求が生じる可能性があるからである。
なお、上述の(a)、(b)のいずれか一方が満たされた場合に、第1レベルより高く第2レベル以下であると判定されるようにしたり、(a)、(b)の少なくとも一方の状態が、設定時間以上継続した場合に、第1レベルより高く第2レベル以下であると判定されるようにしたりすることもできる。
イグニッションスイッチ114がOFF状態にあり、かつ、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下である場合に、アキュムレータ50が開放され、アキュムレータ圧Paccが初期圧Pstaより僅かに高い第1設定圧Psta0まで低下させられる。
本実施例においては、(c)パーキングブレーキスイッチ110がONであること、(d)シフト位置がパーキング位置であること、(f)車両の走行速度Vが停止状態Vとみなし得る停止速度Vth0以下であること、(e)運転者用シートに運転者が着座していないことのすべてが満たされた場合に、第1レベル以下であると判定される。
パーキングブレーキ、あるいは、パーキングロックが作用状態にあり、車両が停止状態にあるため、サービスブレーキである液圧ブレーキ20を作動させる必要性は低い。また、運転席に人がいないため、直ちに、車両が発進させられることがないと考えられる。そのため、アキュムレータ50が開放され、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧まで低下させられても差し支えないのである。
なお、(c)〜(f)のうちの少なくとも1つが満たされた場合に、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下であると判定されるようにしたり、(c)〜(f)のうちの少なくとも1つが設定時間以上継続して満たされた場合に、第1レベル以下であると判定されるようにしたりすることができる。また、イグニッションスイッチ114がOFFであり、かつ、(c)〜(f)のうちの少なくとも1つが満たされた場合に、第1レベル以下であると判定されるようにすることもできる。
図3のフローチャートで表されるアキュムレータ圧制御プログラムは、イグニッションスイッチ114がONであってもOFFであっても、予め定められた設定時間毎に実行される。
ステップ11(以下、S11と略称する。他のステップについても同様とする)において、アキュムレータ圧Paccが検出され、S12において、イグニッションスイッチ114がONであるか否かが判定される。イグニッションスイッチ114がOFFである場合には、S13において、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下であるか否かが判定される。上述の(c)〜(f)の条件すべてが満たされるか否かが判定されるのである。(c)〜(f)の条件すべてが満たされる場合には、S14において、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧Psta0より高いか否かが判定される。大抵の場合には、第1設定圧Psta0より高いため、判定がYESとなり、S15において、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁74のコイル30に電流(開弁電流以上の電流)が供給されることにより、開状態に切り換えられる。アキュムレータ50の作動液は、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁74を経てリザーバ58に排出され、アキュムレータ圧Paccが低下する。S11〜15が繰り返し実行されることにより、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧Psta0以下になると、S14の判定がNOとなり、S16において、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁74が閉状態に切り換えられる。
それに対して、(c)〜(f)のうちの少なくとも1つが満たされない場合には、S14〜16が実行されない。アキュムレータ50が開放されることはなく、そのままの状態で保持される。
このように、液圧ブレーキ20を作動させる必要性が非常に低く、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下である場合に、アキュムレータ圧Paccが初期圧Psta近傍まで低下させられるため、増圧リニア制御弁72に加わる差圧作用力を小さくすることができ、増圧リニア制御弁72の寿命を長くすることができる。
また、アキュムレータ50の作動液が、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁74の各々の、高圧側ポート92,弁座82,弁子84,低圧側ポート94を通ってリザーバ58に流れるため、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁74のシーティング弁部85のクリーニングを行うことも可能である。
さらに、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下であると判定されても、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧Psta0以下である場合には、そのままの状態で保持される(S13の判定がYES,S14の判定がNOの場合には、S16において、増圧リニア制御弁72,減圧リニア制御弁76が閉状態のままとされる)。そのため、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧Psta0より低くされることはない。このように、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧Psta0以上に保持されるため、次に、イグニッションスイッチ114がONにされた後、ポンプ装置14を作動させることにより、ポンプ圧をアキュムレータ50に速やかに液圧を供給することが可能となり、アキュムレータ圧Paccを所望の液圧まで増圧させることができる。
また、イグニッションスイッチ114がOFFである場合には、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベル以下であると判定されるようにすることも可能である。しかし、本実施例における場合のように、イグニッションスイッチ114がOFFであり、かつ、(c)〜(f)の条件が満たされた場合に第1レベル以下であると判定されて、アキュムレータ50が開放されるようにすれば、アキュムレータ圧不足を良好に抑制することができる。
イグニッションスイッチ114がONである場合には、S17において、アキュムレータ圧の制御範囲(設定範囲)が決定される。そして、S18において、ポンプモータ56がONであるか否かが判定される。OFFである場合には,S19において、アキュムレータ圧Paccが制御範囲の下限値Pthdより低いか否かが判定される。下限値Pthdより低い場合には、S20において、ポンプモータ56がONに切り換えられるが、下限値Pthd以上である場合には、ポンプモータ56はOFFのままである。
次に本プログラムが実行される場合に、ポンプモータ56がONである場合には、S21において、アキュムレータ圧Paccが上限値Pthuより高いか否かが判定される。上限値Pthu以下である場合には、ポンプモータ56はON状態に保たれるが、上限値Pthuより高くなると、S22において、ポンプモータ56が停止させられる。
S17の制御範囲の決定は、図4の制御範囲決定ルーチンの実行により行われる。
S41、42において、車両の走行速度V、前後加速度Gが検出される。そして、S43において、走行速度Vが第1設定速度Vth1より小さいか否かが判定され、S44において、加速度Gが第1設定加速度Gth1より小さいか否かが判定される。S43,44のいずれ一方の判定がNOである場合には、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第2レベルより高いと判定され、S45において、第1設定範囲に決定される。第1下限値Pthd1が下限値Pthdとされ,第1上限値Pthu1が上限値Pthuとされる。
それに対して、S43,44の両方の判定がYESである場合には、液圧ブレーキ20における液圧要求レベルが第1レベルより高く、第2レベル以下であると判定されて、S46において、第2設定範囲に決定される。第2下限値Pthd2が下限値Pthdとされ,第2上限値Pthu2が上限値Pthuとされる。
このように、イグニッションスイッチ114がONである場合の、大抵の場合には、アキュムレータ圧Paccが第1設定範囲に制御されるが、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第1レベルより高く、第2レベル以下であると判定された場合には、第2設定範囲に制御される。そのため、増圧リニア制御弁72に高い差圧作用力が加えられる時間を短くすることができ、その分、負荷を小さくすることができ、寿命を長くすることができる。また、第2設定範囲に制御される場合には、第1設定範囲に制御される場合に比較して、増圧リニア制御弁72の前後の差圧が小さくなるため、増圧リニア制御弁72を開状態に切り換えた場合にキャビテーションが生じ難くすることができる。
また、図6のフローチャートで表されるREAD状態移行許可プログラムが、予め定められた設定時間毎に実行される。READY状態移行許可プログラムは、駆動ECU120の記憶部に記憶される。
イグニッションスイッチ114のOFF状態において、アキュムレータ50が開放され、アキュムレータ圧Paccが第1設定圧Psta0にある場合には、その後、イグニッションスイッチ114がONとなり、直ちに、車両が発進させられて、液圧ブレーキ20において高圧の液圧が要求されても、ブレーキシリンダ18の液圧を良好に増加させることが困難な場合がある。そこで、イグニッションスイッチ114がONにされた場合であっても、アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psbより低い場合には、車両のREADY状態への移行が禁止されるようにした。
READY状態とは、車両が走行可能な状態であり、走行準備が整った状態である。そのため、シフト位置がドライブ位置に切り換えられて、アクセルペダルが踏み込まれれば、車両が発進する状態である。READY状態への移行が許可されれば、駆動装置130等において、走行準備が開始される。
第2設定圧Psbは、本実施例においては、第1設定圧Psta0より高く、第2下限値Pthu2より僅かに低い圧とした。第2設定範囲の下限値より僅かに低い圧まで増加すれば、ポンプ装置14の作動の継続により、車両の発進時にまでに第2下限値Pthd2に達し得ると予測されるからである。また、第2設定圧Psbが高いと、イグニッションスイッチ114がONにされてからREADY状態への移行が許可されるまでの時間が長くなり、運転者が違和感を感じる。以上のことを考慮して、第2設定圧Psbが設定されることが望ましい。
なお、第2設定圧Psbは、第2下限値Pthd2より大きい値としたり、第1下限値Pthd1より大きい値としたりすることもできる。
また、本実施例においては、アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psb以上になり、かつ、車両が停止状態に保持され得る場合に、READY状態への移行が許可される。例えば、(g)シフト位置がパーキング位置であること、(h)ブレーキスイッチ104がONであること、(i)ブレーキペダル10のストロークが設定ストロークより大きいことの3つが満たされた場合には、仮に、駆動装置130が始動させられても、停止状態に保たれる状態であると判定される。
S51において、アキュムレータ圧Paccが検出され、S52において、イグニッションスイッチ114がOFFからONに切り換わったか否かが判定される。切り換わった場合には、S53において、アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psbより高いか否かが判定される。第2設定圧Psbより高い場合には、S54において、(g)〜(i)が満たされるか否かが判定される。(g)〜(i)がすべて満たされる場合には、S55において、READY状態への移行が許可される。
イグニッションスイッチ114がOFFにある場合に、アキュムレータ50が開放されなかった場合には、イグニッションスイッチ114がONに切り換えられた後に、アキュムレータ圧Paccは第2設定圧Psbより高いのが普通であるため、S53の判定がYESとなる。S54の判定がYESとなれば、S55において、READY状態への移行が許可される。
それに対して、イグニッションスイッチ114がOFFである場合等にアキュムレータ50が開放され、第1設定圧Psta0まで低下させられていた場合には、イグニッションスイッチ114がONにされた場合に、S53の判定はNOとなり、S54,55が実行されることはない。アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psb以下であるため、図3のフローチャートで表されるアキュムレータ圧制御プログラムの実行により、ポンプモータ56が始動させられ、アキュムレータ圧Paccは増加させられる。
そして、次に本プログラムが実行される場合には、イグニッションスイッチ114はONであるため、S52の判定がNO,S56の判定がYESとなり、S53が実行される。アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psbより低い間、S51,52,56,53が繰り返し実行され、アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psbより高くなると、S53がYESとなり、S54,55が実行され、READY状態への移行が許可される。
このように、イグニッションスイッチ114がOFFの間にアキュムレータ50が開放されても、イグニッションスイッチ114がONになってから、アキュムレータ圧Paccが第2設定圧Psbより高くなった後に、READY状態への移行が許可される。そのため、ブレーキシリンダ18の液圧が不足することがなく、増圧リニア制御弁72に加えられる負荷を小さくしつつ、安全性を向上させることができる。
本実施例においては、電力式液圧源16,ポンプ通路70,増圧リニア制御弁72,ブレーキECU100,イグニッションスイッチ114,パーキングブレーキスイッチ110,センサ102、104,106,108,112、130,132等により液圧供給装置が構成される。
そのうちの、イグニッションスイッチ114,パーキングブレーキスイッチ110,車輪速度センサ106,前後Gセンサ108,シフト位置センサ130,荷重センサ132等ブレーキECU100の図3のフローチャートで表されるアキュムレータ圧制御プログラムを記憶する部分、実行する部分等によりアキュムレータ圧制御装置が構成され、そのうちの、パーキングブレーキスイッチ110,イグニッションスイッチ114,車輪速度センサ106,荷重センサ132,シフト位置センサ130、ブレーキECU100のS11〜S16を記憶する部分、実行する部分等により、アキュムレータ圧低減部が構成される。アキュムレータ圧低減部のうちのパーキングブレーキスイッチ110,イグニッションスイッチ114,車輪速度センサ106,荷重センサ132,シフト位置センサ130、ブレーキECU100のS13を記憶する部分、実行する部分等によりレベル判定部が構成される。アキュムレータ圧低減部は電磁弁制御部である。
また、アキュムレータ圧制御装置のうちの車輪速度センサ106,前後Gセンサ108,ブレーキECU100のS11,12,17〜22を記憶する部分、実行する部分等により第1設定範囲制御部が構成され、そのうちの車輪速度センサ106,前後Gセンサ108,ブレーキECU100のS17(S41〜46)を記憶する部分、実行する部分等により第1制御範囲決定部が構成される。第1設定範囲制御部はポンプ装置制御部でもある。
さらに、ブレーキECU100、駆動等ECU120,車輪速度センサ106,シフト位置センサ130,ブレーキスイッチ102,ストロークセンサ104等により車両制御装置が構成される。そのうちの、車輪速度センサ106,シフト位置センサ130,ブレーキスイッチ102,ストロークセンサ104、駆動等ECU120の図6のフローチャートで表されるREADY状態移行許可プログラムを記憶する部分、実行する部分等により走行許可部が構成される。
また、アキュムレータ圧Paccの制御範囲は、図7のフローチャートで表される制御範囲決定プログラムの実行により決定されるようにすることもできる。
本実施例においては、図8に示すように、液圧ブレーキ20の液圧要求レベルが第3レベルより高い場合には、第3設定範囲に決定される。第3設定範囲は、本実施例においては、第1設定範囲より高めの範囲とされ、第3下限値Pthd3,第3上限値Pthu3は、それぞれ、第1下限値Pthd1,第1上限値Pthu1より大きい値に設定される。
それに対して、液圧要求レベルが第3レベル以下である場合には、第4設定範囲に決定される。第4設定範囲は、第1設定範囲より低めの範囲であり、第4下限値Pthd4,第4上限値Pthu4は、第1下限値Pthd1,第1上限値Pthu1より小さい値とされる。本実施例においては、第4設定範囲は標準的な範囲とされる。
なお、第3設定範囲、第4設定範囲を、上述のように設定することは不可欠ではなく、第3設定範囲を第1設定範囲とほぼ同じ範囲としたり、第4設定範囲を第2設定範囲とほぼ同じ範囲としたりすること等ができる。
本実施例においては、(j)車両の走行速度Vが第2設定速度Vth2より大きいこと、(k)車両の前後加速度Gが第2設定加速度Gth2より大きいこと、(m)車間距離Dが設定距離Dthより短いこと、(n)温度が設定温度Tthより低いことのすべての条件が成立した場合に、ブレーキシリンダ18において高圧の液圧が要求される可能性が高いと予測されるため、液圧要求レベルが第3レベルより高いと判定される。第3レベルは第2レベルより高いレベルである。
第2設定速度Vth2、第2設定加速度Gth2は、それぞれ、第1設定速度Vth1、第1設定加速度Gth1より大きい値とされる。走行速度が第2設定速度Vth2より大きい場合、前後Gが第2設定加速度Gth2より大きい場合には、車両を停止させるために大きな制動力が必要であると考えられる。
設定距離Dthは、液圧ブレーキ20において高い液圧が要求される可能性が高い距離とすることができ、設定温度Tthは、アキュムレータ50の気体室の温度が低いことに起因して、気体室の圧力が低下し、それに伴って液体室の液圧が低くなり、ブレーキシリンダ18における目標増圧勾配を実現することが難しくなる温度とすることができる。この場合には、アキュムレータ圧Pacc、すなわち、液体室(気体室)の液圧自体を高くしておくことが望ましい。
S61〜S64において、車両の走行速度V、前後加速度G、車間距離D、エアの推定温度Tが取得され、S65〜68において、走行速度が設定速度Vth2より大きいか否か、前後Gが設定Gth2より大きいか否か、車間距離Dが設定距離Dthより短いか否か、推定温度Tが設定温度Tthより低いか否かが判定される。S65〜68のすべての判定がYESである場合には液圧要求レベルが第3レベルより高いと判定されて、S69において、設定範囲が第3設定範囲に決定される。それに対して、少なくとも1つの判定がNOである場合には液圧要求レベルが第3レベル以下であると判定されて、S70において、第4設定範囲に決定される。
このように、本実施例においては、標準的な範囲が第1設定範囲より低目に設定されるため。増圧リニア制御弁72に加えられる負荷を良好に小さくすることができ、寿命を長くすることができる。また、液圧要求レベルが第3レベルより高い場合には、アキュムレータ圧Paccが第3設定範囲に制御されるため、ブレーキシリンダ18に液圧不足が生じるおそれはない。
以上、本実施例においては、車輪速度センサ106,前後Gセンサ108,前方車両検出装置122,温度センサ112,ブレーキECU100のS61〜70、S18〜22を記憶する部分、実行する部分等により第2設定範囲制御部が構成され、そのうちの、車輪速度センサ106,前後Gセンサ108,前方車両検出装置122,温度センサ112,ブレーキECU100のS61〜70を記憶する部分、実行する部分等により第2制御範囲決定部が構成される。
以上、種々の実施例について説明したが、アキュムレータ圧の制御範囲、設定圧の大きさ等は、上記実施例における場合に限らず適宜設定することができる。例えば、制御範囲について、上記実施例においては、範囲を一定にした状態(上限値−下限値の値が同じ状態)で、上限値、下限値の大きさが変更されるようにされていたが、範囲が変更されるように上限値、下限値が変更されるようにすることもできる。
また、液圧供給装置の構造は問わない等、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
14:ポンプ装置 16:電力式液圧源 50:アキュムレータ 52;アキュムレータ圧センサ 54:ポンプ 56:ポンプモータ 72:増圧リニア制御弁 76:減圧リニア制御弁 100:ブレーキECU 106:車輪速度センサ 108:前後Gセンサ 110:PKBSW 112:温度センサ 114:イグニッションスイッチ 120:駆動等ECU 122:前方車両検出装置 130:シフト位置センサ 132:荷重センサ

Claims (9)

  1. 車両に設けられ、作動液を加圧した状態で保持するアキュムレータと、
    そのアキュムレータに蓄えられた作動液の液圧であるアキュムレータ圧を制御するアキュムレータ圧制御装置と
    を含み、前記アキュムレータ圧を、前記車両の車輪の回転を抑制する液圧ブレーキのブレーキシリンダに供給する液圧供給装置であって、
    前記アキュムレータ圧制御装置が、前記液圧ブレーキにおける液圧要求レベルが第1レベル以下である場合に、前記アキュムレータ圧を第1設定圧まで低くするアキュムレータ圧低減部を含むことを特徴とする液圧供給装置。
  2. 前記アキュムレータ圧低減部が、(a)パーキングブレーキと、パーキングロック機構との少なくとも一方が作用状態にあり、かつ、前記車両が停止状態にあることと、(b)前記車両の運転席に運転者が乗車していないこととの少なくとも一方が満たされた場合に、前記液圧ブレーキの液圧要求レベルが前記第1レベル以下であると判定するレベル判定部を含む請求項1に記載の液圧供給装置。
  3. 前記アキュムレータ圧制御装置が、前記液圧ブレーキの液圧要求レベルが前記第1レベルより高いレベルである第2レベルより高い場合に前記アキュムレータ圧を第1設定範囲に制御し、前記液圧要求レベルが前記第2レベル以下である場合に第2設定範囲に制御する第1設定範囲制御部を含み、前記第1設定範囲を規定する第1下限値と第1上限値との少なくとも一方が、その少なくとも一方に対応する前記第2設定範囲を規定する第2下限値と第2上限値との少なくとも一方より大きい値に設定された請求項1または2に記載の液圧供給装置。
  4. 前記第1設定範囲制御部が、(a)前記車両の走行速度が第1設定速度より低いことと、(b)前記車両の前後方向の加速度が第1設定加速度より小さいこととの少なくとも一方が満たされた場合に前記アキュムレータ圧の制御範囲を前記第2設定範囲に決定する第1制御範囲決定部を含む請求項3に記載の液圧供給装置。
  5. 前記アキュムレータ圧制御装置が、前記液圧ブレーキの液圧要求レベルが前記第1レベルより高いレベルである第3レベルより高い場合に前記アキュムレータ圧を第3設定範囲に制御し、前記液圧要求レベルが前記第3レベル以下である場合に第4設定範囲に制御する第2設定範囲制御部を含み、前記第3設定範囲を規定する第3下限値と第3上限値との少なくとも一方が、その少なくとも一方に対応する前記第4設定範囲を規定する第4下限値と第4上限値との少なくとも一方より大きい値に設定された請求項1ないし4のいずれか1つに記載の液圧供給装置。
  6. 前記第2設定範囲制御部が、(a)前記車両の走行速度が第2設定速度より大きいことと、(b)前記車両の加速度が第2設定加速度より大きいことと、(c)前記車両と前方車両との車間距離が設定距離より小さいことと、(d)前記アキュムレータの温度が設定温度より低いこととの少なくとも1つが満たされた場合に、前記アキュムレータ圧の制御範囲を前記第3設定範囲に決定する第2制御範囲決定部を含む請求項5に記載の液圧供給装置。
  7. 当該液圧供給装置が、前記アキュムレータと前記ブレーキシリンダとの間に設けられた少なくとも1つの電磁制御弁を含む請求項1ないし6のいずれか1つに記載の液圧供給装置。
  8. 当該流体圧供給装置が、前記アキュムレータに高圧の作動液を供給可能なポンプ装置を含み、前記第1設定範囲制御部が、前記ポンプ装置を制御することにより、前記アキュムレータ圧を制御するポンプ装置制御部を含む請求項3または4に記載の流体圧供給装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の液圧供給装置を備えた車両を制御する車両制御装置であって、
    当該車両のイグニッションスイッチがOFFからONに切り換えられてから、前記アキュムレータ圧が前記第1設定圧より高い第2設定圧より高くなった場合に、当該車両の走行を許可する走行許可部を含むことを特徴とする車両制御装置。
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