JP2013180268A - 塗布システム及び塗布方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】幅方向に長く先端で開口しているスリット7が内部に形成されているノズル3を有し、このスリット7から基板Wに対して塗布液を吐出する塗布処理を行う塗布装置8と、塗布処理の待機状態で、スリット7内で塗布液が凝集するのを防ぐ管理処理を行う管理装置6とを備えている。管理装置6は、スリット7から吐出された塗布液を受ける液受けユニット11と、この液受けユニットが受けた塗布液を、再びスリット7内を通過させるポンプ21とを有している。
【選択図】 図2
Description
そして、塗布液を基板に対して塗布する装置として、幅方向に長いスリットが内部に形成されているノズルを有した塗布システムが知られている。この塗布システムによれば、基板に対してノズルを水平移動させながら、スリットから塗布液を吐出することで、基板の表面に塗布液による塗膜を形成することができる。
スリット内で塗布液が凝集した状態で塗布処理が再開されると、塗布液が凝集した部分(凝集部)では塗布液の流れが阻害され、スリットから吐出して基板上に形成した塗膜にスジが生じたり、塗膜の途切れが生じたりするおそれがあり、基板の品質に悪影響を及ぼすという問題点がある。特に、チキソ性の高い塗布液の場合、このような問題点は顕著に発生する。
本発明によれば、塗布処理の待機状態で、塗布液をスリットから吐出させ、この塗布液を液受けユニットが受けることができ、塗布液に流れを発生させて塗布液の粘度が変化するのを抑え、スリット内において塗布液が凝集するのを防ぐことが可能となる。特に、塗布処理の待機状態においても、塗布液は外力を受けて剪断され、流動し続けることによりスリットを含む流路全体において、塗布処理の際に吐出される塗布液の粘度と同程度の粘度が確保される。したがって、待機状態が解除されると、迅速に塗布処理を開始することが可能となる。
また、液受けユニットが受けた塗布液を、再びスリット内を通過させることで、塗布液を無駄にしないで済む。
この場合、塗布処理の待機状態で、塗布液がスリットを出入りすることができ、これにより、スリット内における塗布液の凝集を防止することが可能となる。
この場合、スリットから吐出された塗布液を液受けユニットで受けると、この塗布液をポンプによって、循環流路を通じて再度ノズルへと送り、この塗布液をスリットから吐出させることができ、スリット内における塗布液の凝集を防止することが可能となる。
この場合、液受けユニットが受けた塗布液は、ノズルの先端部と液受けユニットの内壁面との間を流れるが、その塗布液の流速を高めることができ、液受けユニット内で塗布液が滞留するのを防止することができる。これにより、液受けユニット内において塗布液の粘度が変化するのを防止することができる。例えば、ノズルの先端部の横断面形状が先細り形状である場合、液受けユニットの内壁面形状も先細り形状である。
本発明によれば、塗布処理の待機状態で、塗布液に流れを発生させて塗布液の粘度が変化するのを抑え、スリット内において塗布液が凝集するのを防ぐことが可能となる。特に、塗布処理の待機状態においても、塗布液は外力を受けて剪断され、流動し続けることによりスリットを含む流路全体において、塗布処理の際に吐出される塗布液の粘度と同程度の粘度が確保される。したがって、待機状態が解除されると、迅速に塗布処理を開始することが可能となる。
また、液受けユニットが受けた塗布液を、再びスリット内を通過させることで、塗布液を無駄にしないで済む。
〔全体構成〕
図1は、本発明の塗布システム1の実施の一形態を示す概略図である。この塗布システム1は、基板Wに対して塗布液の塗布を行う塗布装置8を備えており、この塗布装置8は、基板Wを載置可能なステージ2と、スリット7が内部に形成されているノズル(口金)3と、このノズル3を搭載しステージ2上の基板Wに対してノズル3を水平移動(X方向移動)させる駆動装置4とを備えている。駆動装置4はノズル3を上下移動させる機能も有している。図2は、塗布システム1の概略構成図である。塗布装置8(図2参照)は、さらに、塗布液を溜めているタンク20と、タンク20内の塗布液をノズル3に供給するポンプ21とを備えている。タンク20とポンプ21との間には、後述する制御装置5の制御信号に基づいて開閉するバルブ(第1バルブ)23が設けられている。
基板Wがステージ2上に搬入されると、ノズル3が基板W上を移動し、塗布処理が行われる。塗布処理が完了すると、この基板Wがステージ2外へ搬出され、次の基板Wがステージ2上に搬入され、塗布処理が行われる。このように、塗布処理は繰り返し行われ、その動作タイミングが制御装置5によって制御される。
そして、次の塗布処理が開始されるまでの時間が長くなる場合に、管理装置6による管理処理が実行される。管理処理の実行のタイミングは、制御装置5によって制御される。
図2において、管理装置6は、更に、塗布液を送る液送り手段としてポンプを備えており、このポンプは、ノズル3を液受けユニット11内に進入させた状態で、塗布液を、スリット7内を通過させるためのものである。
本実施形態では、管理装置6の前記ポンプは、塗布装置8が備えているポンプ21であり、ポンプ21を、塗布装置8による塗布処理用と、管理装置6による管理処理用とに兼用させている。このポンプ21は、制御装置5の制御信号に基づいて所定の動作を行う。
ポンプ21とノズル3とは、流路(配管)22を介して接続されており、本実施形態では、ポンプ21はシリンジポンプからなる。また、流路22の途中には、制御装置5の制御信号に基づいて開閉するバルブ(第2バルブ)24が設けられている。そして、ポンプ21は、このポンプ21側の塗布液を、流路22を通じてノズル3へ供給することでスリット7から液受けユニット11に対して、その塗布液を吐出させる機能と、液受けユニット11が受けた塗布液を、スリット7及び流路22を通じてポンプ21側へ吸引する機能とを有している。
ノズル3(図1参照)が、ステージ2に載った基板W上を通過し塗布処理を終了すると(ステップS1)、駆動装置4がノズル3を上昇させ(ステップS2)、ノズル3を液受けユニット11の上方位置へと移動させ(ステップS3)、ノズル3を液受けユニット11の内壁面13に向かって降下させる(ステップS4)。
そして、第1バルブ23を閉、第2バルブ24を開とし(ステップS5)、ポンプ21が塗布液をノズル3へ供給し、ノズル3のスリット7を通じて塗布液の吐出(ダミー吐出)を行う(ステップS6)。このダミー吐出は、図2の液受けユニット11において、塗布液の液面が、設定された下限Z2に達するまで行われる。なお、下限Z2は、ノズル先端部9におけるスリット7の開口よりも上の位置である。
次に、ポンプ21を吐出動作から吸引動作へと切り換え、液受けユニット11に溜められた塗布液を、スリット7及び流路22を通じて吸引する(ステップS8)。この吸引する動作は、塗布液の液面が、設定された下限Z2に達するまでの動作であり、このステップS8を以下において「吸引動作」という。ポンプ21による吐出動作/吸引動作は、ポンプ21による吐出量/吸引量に基づいて制御装置5が制御してもよく、又は、液面をセンサ等によって検知することで制御装置5が制御してもよい。
このように、ポンプ21(液送り手段)は、液受けユニット11が受けた塗布液を、再びスリット7内を通過させることができ、特に、本実施形態の場合、ポンプ21(液送り手段)によって、スリット7から液受けユニット11への塗布液の吐出動作と、液受けユニット11からスリット7への塗布液の吸引動作とが、交互に繰り返して行われる。これら吐出動作と吸引動作による処理(管理処理)によって、塗布液がスリット7を出入りすることができ、塗布液に流れを発生させて塗布液の粘度が変化するのを抑え、スリット7内における塗布液の凝集を防止することが可能となる。
図4は、塗布システム1の第2実施形態の概略構成図である。塗布装置8は、第1実施形態と同様であり、ここでは説明を省略する。
管理装置6は、塗布液を送る液送り手段としてポンプ41を備えており、このポンプ41は、ノズル3を液受けユニット11内に進入させた状態で、塗布液を、スリット7内を通過させるためのものである。本実施形態では、管理用ポンプ41は、塗布装置8が有する塗布用のポンプ21と同じ型式のポンプであり、シリンジポンプである。
塗布用のポンプ21とノズル3とは、第1の流路(配管)42を介して接続されており、第2バルブ24と第3バルブ28との間の流路42の途中には、制御装置5の制御信号に基づいて開閉する、第2バルブ24及び第3バルブ28が設けられており、また、流路42の途中には合流部43が設けられている。合流部43と液受けユニット11は、第2の流路(配管)44を介して接続されており、この流路44の途中に、制御装置5の制御信号に基づいて所定の動作を行う前記管理用ポンプ41、並びに、制御装置5の制御信号に基づいて開閉する、第4バルブ29及び第5バルブ30が設けられている。
以上より、管理装置6は、液受けユニット11とノズル3とを結ぶ循環流路47を有しており、この循環流路47は、第2の流路44と、第1の流路42の内の合流部43からノズル3までの流路と、ノズル3内部の流路(マニホールド10及びスリット7を含む)と、液受けユニット11内の流路(後述の液受容部45及び排出流路46を含む)から構成されている。なお、合流部43からノズル3までの流路については、塗布用のポンプ21によって塗布処理を行うための流路と共通している。そして、この循環流路47の途中に前記管理用ポンプ41が設けられている。
液受けユニット11は、前記実施形態と同様に、幅方向に長く形成されており(図1参照)、ノズル3の先端部(ノズル先端部9)が隙間を有して対向する内壁面13を有している。そして、図4に示すように、この内壁面13は、ノズル先端部9の形状に沿う形状を有している。つまり、ノズル先端部9の横断面形状が先細り形状であることから、内壁面13を、このノズル先端部9の形状に沿う形状とするために、液受けユニット11の内壁面13の形状も先細り形状である。
ノズル3(図1参照)が、ステージ2に載った基板W上を通過し塗布処理を終了すると(ステップS21)駆動装置4がノズル3を上昇させ(ステップS22)、ノズル3を液受けユニット11の上方位置へと移動させ(ステップS23)、ノズル3を液受けユニット11の内壁面13に向かって降下させる(ステップS24)。
そして、第1バルブ23を閉、第2バルブ24を開、第3バルブ28を開、第4バルブ29を閉とし(ステップS25)、塗布用のポンプ21によって塗布液がノズル3へ供給され、ノズル3のスリット7から塗布液の吐出(ダミー吐出)を行う(ステップS26)。このダミー吐出は、図4の液受けユニット11において、塗布液の液面が、設定された下限Z2と上限Z1との間に達するまで行われる。本実施形態では、塗布液の液面が、上限Z1に達するまで行われる。なお、上限Z1と下限Z2との定義は、図2に示す実施形態と同じである。
そして、次の塗布開始命令があるまで、ステップS29からステップS32までの吐出吸引処理(管理処理)が繰り返し行われる(ステップS33)。
図5のステップS29からステップS32までの吐出吸引処理によれば、スリット7から吐出された塗布液を液受けユニット11で受けると、この塗布液を管理用ポンプ41によって、循環流路47を通じて再度ノズル3へと送り、この塗布液をスリット7から吐出させ、塗布液に流れを発生させて塗布液の粘度が変化するのを抑え、スリット7内における塗布液の凝集を防止することが可能となる。
以上の前記各実施形態に係る塗布システム1では、塗布装置8によって塗布処理は繰り返し実行されるが、この塗布処理を待機する状態が発生する。この場合において、特に塗布液がチキソ性の高い塗布液であると、その粘度が高くなってノズル3内で凝集するおそれがある。しかし、この塗布処理の待機状態であっても、管理装置6によれば、塗布液をスリット7から吐出させ、この塗布液を液受けユニット11が受けることができる。これにより、塗布液に流れを発生させて塗布液の粘度が変化するのを抑え、スリット7内において塗布液が凝集するのを防止することが可能となる。
特に、塗布液は外力を受けて剪断され、流動し続けることによりスリット7を含む流路全体において、塗布処理の際に吐出される塗布液の粘度と同程度の粘度が、塗布処理の待機状態においても確保される。したがって、待機状態が解除されると、迅速に塗布処理を開始することが可能となる。
特にスリット7における塗布液の凝集が防止されていることから、塗布処理を再開した際に、吐出した塗布液による基板W上の塗膜M(図1参照)に、スジが発生したり塗膜が途切れたりするのを防ぐことが可能となり、塗布品質の低下を防ぐことができる。
また、液受けユニット11は、ノズル先端部9が隙間を有して対向する内壁面13を有しており、この内壁面13は、ノズル先端部9の形状に沿う形状であることから、つまり、前記のとおり(図2参照)、内壁面13の第1側壁面14と第2側壁面15との間の角度θ1は、ノズル先端部9の第1斜面25と第2斜面26との間の角度θ2と同じであることから、液受けユニット11が受けた塗布液は、ノズル先端部9と液受けユニット11の内壁面13との間を流れるが、その塗布液の流速を一定とすることができ、液受けユニット11内で塗布液の局所的な滞留が発生しにくくなる。特にノズル先端部9と内壁面13との間に形成される隙間が小さいことから、この隙間を流れる塗布液は剪断され低粘度の状態が保たれる。
例えばスリット7において塗布液が凝集している場合、圧力が上昇し、圧力センサ50はこれを検知する。この場合、圧力センサ50から検知信号を受けた制御装置5は、ポンプ21(41)による塗布液の吐出圧力を高め、凝集した塗布液をスリット7から強制的に排出させる。なお、送出する塗布液の圧力を設定するために、ポンプ21(41)の下流側に圧力調整バルブが設けられていてもよく、制御装置5はこのバルブを制御する。
また、前記実施形態では、ステージ2上の基板Wに対してノズル3が水平移動する塗布システム1(図1参照)について説明したが、これとは異なって、ノズルは水平方向に移動しないで、基板Wを載せたステージが水平方向に移動する塗布システムであってもよい。なお、この場合、液受けユニット11は、ステージと共に水平移動し、ノズルの下方に位置することができる。
Claims (5)
- 幅方向に長く先端で開口しているスリットが内部に形成されているノズルを有し、当該スリットから基板に対して塗布液を吐出する塗布処理を行う塗布装置と、
前記塗布処理の待機状態で、前記スリット内で前記塗布液が凝集するのを防ぐ管理処理を行う管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
前記スリットから吐出された塗布液を受ける液受けユニットと、
前記液受けユニットが受けた前記塗布液を、再び前記スリット内を通過させる液送り手段と、
を有していることを特徴とする塗布システム。 - 前記液送り手段は、前記ノズルと流路を介して接続されていると共に、前記スリットから前記液受けユニットへの塗布液の吐出と、前記液受けユニットから前記スリットへの塗布液の吸引とを交互に繰り返して行うポンプを有している請求項1に記載の塗布システム。
- 前記管理装置は、更に、前記液受けユニットと前記ノズルとを結ぶ循環流路を有し、
前記液送り手段は、前記循環流路の途中に設けられていると共に、前記液受けユニットが受けた塗布液を前記循環流路を通じて吸引すると共に当該循環流路を通じて前記ノズルへと送るポンプを有している請求項1に記載の塗布システム。 - 前記液受けユニットは、前記ノズルの先端部が隙間を有して対向する内壁面を有し、この内壁面は、当該先端部の形状に沿う形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布システム。
- 幅方向に長く先端で開口しているスリットが内部に形成されているノズルの、当該スリットから基板に対して塗布液を吐出する塗布工程と、
前記塗布処理の待機状態で、前記スリット内で前記塗布液が凝集するのを防ぐ管理工程と、を備えた塗布方法であって、
前記管理工程では、前記スリットから吐出した塗布液を、再びスリット内を通過させる管理処理を行い、
この管理処理は、前記スリットから塗布液を吐出するステップと吐出した塗布液を前記スリットから吸引するステップとを交互に繰り返して行う処理と、前記スリットを含む循環流路において塗布液を循環させる処理と、のいずれか一方を含むことを特徴とする塗布方法。
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