JP2013179884A - メラニンカスケードに関与する成分を評価するための核酸マイクロアレイ及びメラニンカスケードに関与する成分の評価方法 - Google Patents

メラニンカスケードに関与する成分を評価するための核酸マイクロアレイ及びメラニンカスケードに関与する成分の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被験物質がメラニンカスケードにどのような影響を与えるか包括的に評価することができるマイクロアレイ及びそれを使用したスクリーニング方法の提供。
【解決手段】下記A群、B群、C群及びD群に属する遺伝子をそれぞれ少なくとも一種以上含むマイクロアレイ。A群:α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子。B群:α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子。C群:α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子。D群:アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、当該変動がα−MSH様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子。
【選択図】図2

Description

本発明は、被験物質のメラニンカスケードへの影響を評価できる核酸マイクロアレイに関する。
メラニン(melanin)は、ヒトを含む動物等において形成される色素であり、紫外線による皮膚への影響を防御する機能がある。皮膚に紫外線が照射されると基底層中のメラノサイト(色素細胞)が活性化されメラニンを生成し、それが表皮細胞に受け渡されて皮膚が黒く見える。その後ターンオーバーにより、皮膚上部へ押し上げられ垢と共に排出される。
しかしながら、メラニンが過剰に産生されたり、皮膚のターンオーバーが機能しにくくなったりした場合には、しみやくすみが生じる。現在では、美白といって白く透明感のある肌が求められているので、メラニン産生を初めとする皮膚のターンオーバーについて盛んに研究が行われている。
一般に、メラニン産生抑制剤の評価法としては、メラニン産生の鍵酵素であるチロシナーゼの酵素活性阻害を測定する方法(特許文献1参照)、メラニン産生細胞を培養し、産生されたメラニン量を測定する方法(特許文献2参照)、皮膚に紫外線を照射した後、黒化した皮膚に塗布して皮膚色を測定する方法、生物学的評価としてピンクアイ・ダイリュート遺伝子関連物質を指標とする方法(特許文献3参照)、チロシナーゼやMITF(Microphthalmia Transcription Factor)の発現量を測定する方法(特許文献4及び5参照)が開示されている。また、特許文献5は、メラニン産生抑制剤のみならず抗白髪効果の成分を判定する方法も開示している。
特開平3−109319号公報 特開2005−15472号公報 特開平11−103864号公報 特開2000−300298号公報 特開2007−209209号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、チロシナーゼに直接作用する薬剤に対してはある程度有効な評価方法であるが、ケラチノサイトからの情報伝達物質を遮断する物質や、メラニンを輸送する過程に影響を及ぼす成分の評価に対しては有効ではない。
また、特許文献2に記載の方法も同様に、メラニン産生量への影響は観測できても、被験物質がメラニン産生に対してどのように影響しているかは分からず、披験物質の正確な評価が出来ない。
特許文献3に記載の方法はメラノサイト鑑別法に関するものであり、メラニン産生抑制効果又は促進効果を有する有効成分の評価方法としては適さない。
特許文献4及び5に記載の方法は、MITFのmRNA量又はチロシナーゼのmRNA量のみによる評価であり、前記評価方法と同様に被験物質がメラニン産生に対してどのように影響しているかは分からず、披験物質の正確な評価が出来ない。
従って、本発明の主な目的は、被験物質が一連のメラニンカスケードにどのような影響を与えるかを包括的に評価することができるマイクロアレイ及びそれを使用したスクリーニング方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の条件で選択した複数の遺伝子群を搭載したマイクロアレイを使用することにより、被験物質が一連のメラニンカスケードにどのような影響を与えるかを包括的に評価することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
下記A群に属する遺伝子、B群に属する遺伝子、C群に属する遺伝子及びD群に属する遺伝子をそれぞれ少なくとも一種以上含む、被験物質のメラニンカスケードへの影響を評価するためのマイクロアレイ。
(1)A群:
メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子
(2)B群:
α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子
(3)C群:
α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子
(4)D群:
アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がα−MSH様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子。
本発明によれば、被験物質がメラニンカスケードにどのようなメカニズムでどのような影響を及ぼすかを包括的に評価することができ、従って、医薬品・化粧品成分候補のスクリーニングを効果的に行うことが出来る。
図1は、実施例のB16細胞のメラニン産生量を観察したときの細胞の状態を示す図である。 図2は、実施例B16細胞のメラニン産生量図である。 図3は、本発明で使用する配列固定器具の概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.本発明の概要
本発明に係るマイクロアレイは、被験物質が一連のメラニンカスケードにどのようなメカニズムでどのような影響を与えるかを包括的に評価できる核酸マイクロアレイである。
本明細書において、メラニンカスケードとは、サイトカインやメラニン細胞刺激ホルモン(α−Melanocyte Stimulating Hormone;α−MSH)等によるメラニン産生細胞の刺激から、その刺激により惹起されるシグナル伝達(細胞内シグナル伝達)、メラニンの生合成(産生)、メラノソームの輸送、及びメラニン沈着までを含む、一連の流れをいう。
2.遺伝子の選択
本発明のマイクロアレイに使用する遺伝子は、α−MSH様活性を有する物質とアルブチン様活性を有する物質との感受性に基づいて選択し、4種類の群に分類する。これらの4群に分類することにより、被験物質がメラニンカスケードのどの部分にどのようなメカニズムで影響を与えるかを包括的に評価することができる。
2−1.A群
A群に分類する遺伝子は、α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子である。すなわち、A群の遺伝子はアルブチンと同様又は類似のメカニズムによる美白効果に関与する遺伝子である。ここで、本明細書における美白効果とは、メカニズムは問わないが、例えば、メラニン色素の合成を阻害したり、メラノソームの輸送を抑制したり、メラニン色素の皮膚への沈着を抑制したりすることにより、皮膚の黒色化を抑制することをいう。
α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動する遺伝子とは、α−MSH様活性を有する物質の投与により、当該投与がなかった場合に比べて有意に発現が増加(促進)又は減少(抑制)する遺伝子をいう。
その発現量の変動が(アルブチン様活性を有する物質の作用により)有意に抑制されるとは、以下の2つのパターンを表す。1つ目は、α−MSH様活性物質を添加することにより遺伝子の発現量が増加した場合、その増加が、アルブチン様活性を有する物質の作用により有意に減少する場合である。2つ目は、α−MSH様活性物質の作用により遺伝子の発現量が減少した場合、アルブチン様活性を有する物質の作用によりその減少が有意に抑制される場合である。
遺伝子の発現量とはその遺伝子のmRNAの発現量のことを示し、その測定は、例えばRT−PCR法、リアルタイムPCR、ウエスタンブロッティング、ノーザンブロッティング、ドットブロット、核酸マイクロアレイを用いた測定方法等により測定することができる。発現量が有意に変動するとは、被験物質を摂取、添加、投与する前後で発現量が変化し、且つその変化の有意性がP値=0.05以下、好ましくはP値=0.01以下の場合を指す。
α−MSH様活性を有する物質とは、細胞に投与してメラニン産生を促進する効果のある物質のことを示す。本明細書において、α−MSH様活性を有する物質は、α−MSHだけでなく、α−MSHに類似の活性を有する物質も含む。一方、アルブチン様活性を有する物質とは、アルブチンだけでなくアルブチンのようにメラニン産生を抑制する効果を有する物質も含む。
また、メラニン産生細胞とは色素細胞のことであり、B16細胞、A375細胞、A431細胞、A2058細胞、142BR細胞、149BR細胞、C211細胞、C32細胞、COLO 792細胞、FEL細胞、COLO 800細胞、2KO−101細胞、KJB−100細胞、KJB−101細胞、Clone M−3細胞、RPMI 1846細胞、G−361細胞、GR−M細胞、HMVII細胞、WM−115細胞等が挙げられる。
A群に分類する遺伝子の選択方法は、以下の方法が例示できる。例えば、まず、メラニン産生細胞にα−MSH様活性を有する物質を投与し、その投与により発現が有意に変動する遺伝子を選択する。次に、α−MSH様活性を有する物質を投与されたメラニン産生細胞にアルブチン様活性を有する物質を投与する。そして、上記のα−MSH様活性を有する物質の作用により有意に変動した遺伝子のうち、アルブチン様活性を有する物質の作用によりその変動が有意に抑制された遺伝子を選択する。
なお、α−MSH様活性を有する物質とアルブチン様活性を有する物質は同時に投与してもよい。その場合は、α−MSH様活性を有する物質を投与したサンプルから得られた遺伝子と、α−MSH様活性を有する物質及びアルブチン様活性を有する物質を同時に投与したサンプルから得られた遺伝子とを比較することにより、A群に分類する遺伝子を選択することができる。
A群の遺伝子を選択する際の実験条件は限定されず、適宜選択することができる。例えば、以下の方法が例示できる。B16細胞又はA375細胞を2.5×10cells/wellとなるように24ウェルプレートに播種し、24時間培養する。その後、ファイナル濃度5μMのα−MSHを添加して3日間培養したものと、ファイナル濃度5μMのα−MSH及びファイナル濃度0.5mMのアルブチンを添加して3日間培養したものとの遺伝子の発現量の測定及び比較を行う。ここで、ファイナル濃度とは、培養上清に薬剤を添加した後に得られる当該培養上清中の薬剤の濃度をいう。
A群に選択され得る遺伝子を表1(左端の欄)に例示する。
2−2.B群
B群に分類する遺伝子は、α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子である。すなわち、B群の遺伝子は美白効果に関与する可能性が低い遺伝子である。
発現量の変動が(アルブチン様活性を有する物質の作用により)有意に促進されるとは、以下の2つのパターンを表す。1つ目は、α−MSH様活性物質の作用により遺伝子の発現量が増加した場合、その増加がアルブチン様活性を有する物質の作用により更に有意に増加する場合である。2つ目は、α−MSH様活性物質の作用により遺伝子の発現量が減少した場合、その減少がアルブチン様活性を有する物質の作用により更に有意に減少する場合である。
B群に分類する遺伝子の選択方法は、以下の方法が例示できる。例えば、まず、メラニン産生細胞にα−MSH様活性を有する物質を投与し、その投与により発現が有意に変動する遺伝子を選択する。次に、α−MSH様活性を有する物質を投与されたメラニン産生細胞にアルブチン様活性を有する物質を投与する。そして、上記のα−MSH様活性を有する物質の作用により有意に変動した遺伝子のうち、アルブチン様活性を有する物質の作用によりその変動が更に有意に増強された遺伝子を選択する。
なお、α−MSH様活性を有する物質とアルブチン様活性を有する物質とは同時に投与してもよい。その場合は、α−MSH様活性を有する物質を投与したサンプルから得られる遺伝子と、α−MSH様活性を有する物質及びアルブチン様活性を有する物質を同時に投与したサンプルから得られる遺伝子とを比較すればよい。
より詳細な方法としては、A群を選択したときの方法に準じて行うことができる。B群に選択され得る遺伝子を表1(左から2つ目の欄)に併せて例示する。
2−3.C群
C群に分類する遺伝子は、α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子である。すなわち、C群の遺伝子は、アルブチンとは異なるメカニズムによりメラニン産生に影響を及ぼす遺伝子である。
アルブチン様活性を有する物質により影響を受けないとは、α−MSH様活性物質の作用により遺伝子の発現量が増加又は減少した場合、その変動が、アルブチン様活性を有する物質の作用により有意に変動しない場合である。
C群に分類する遺伝子の選択方法は、以下の方法が例示できる。例えば、まず、メラニン産生細胞にα−MSH様活性を有する物質を投与し、その投与により発現が有意に変動する遺伝子を選択する。次に、α−MSH様活性を有する物質を投与されたメラニン産生細胞にアルブチン様活性を有する物質を投与する。そして、上記のα−MSH様活性を有する物質の作用により有意に変動した遺伝子のうち、アルブチン様活性を有する物質の作用によりその変動に有意な影響を及ぼさなかった遺伝子を選択する。
なお、α−MSH様活性を有する物質とアルブチン様活性を有する物質とは同時に投与してもよい。その場合は、α−MSH様活性を有する物質を投与したサンプルから得られる遺伝子と、α−MSH様活性を有する物質及びアルブチン様活性を有する物質を同時に投与したサンプルから得られる遺伝子とを比較すればよい。
より詳細な方法としては、A群を選択したときの方法に準じて行うことができる。C群に選択され得る遺伝子を表1(左から3つ目の欄)に併せて例示する。
2−4.D群
D群に分類する遺伝子は、アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がα−MSH様活性を有する物質により影響を受けない遺伝子である。すなわち、D群の遺伝子からは、α−MSHが関与しないメカニズムによる美白効果を有する遺伝子である。
D群に分類する遺伝子の選択方法は、以下の方法が例示できる。例えば、まず、メラニン産生細胞にアルブチン様活性を有する物質を投与し、その投与により発現が有意に変動する遺伝子を選択する。次に、アルブチン様活性を有する物質を投与されたメラニン産生細胞にα−MSH様活性を有する物質を投与する。そして、上記のアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に変動した遺伝子のうち、α−MSH様活性を有する物質の作用でその変動に有意な影響を及ぼさなかった遺伝子を選択する。
なお、α−MSH様活性を有する物質とアルブチン様活性を有する物質とは同時に投与してもよい。その場合は、アルブチン様活性を有する物質を投与したサンプルから得られる遺伝子と、α−MSH様活性を有する物質及びアルブチン様活性を有する物質を同時に投与したサンプルから得られる遺伝子とを比較すればよい。
より詳細な方法としては、A群を選択したときの方法に準じて行うことができる。C群に選択され得る遺伝子を表1(一番右の欄)に併せて例示する。
3.核酸マイクロアレイの製造
本発明マイクロアレイは、上記の遺伝子選択方法により選択した遺伝子又は当該遺伝子の配列の一部をプローブとして基板に固定化することにより製造する。プローブとして使用する遺伝子は、上記の方法で選択した遺伝子の配列全体を使用してもよいし、選択した遺伝子の配列の一部分を使用することができる。詳細については後述する。
プローブとは、検出対象が含まれる溶液(検体)中のその検出対象を捕捉するものである。検出すべき遺伝子(検出対象)の塩基配列に相補的な塩基配列を有する核酸がプローブとなる。該核酸はDNA、RNA、PNAなどであり、ハイブリダイゼーション反応により検体中に存在する相補的な核酸配列を補足することができる。
基板の種類は限定されず、例えば、ガラス、PMMA、PAAM、シリコーン、ウレタン樹脂、ポリカーカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらを複合した板状のものを使用することができる。板の面に凹凸の形状、貫通孔があるものも用いることができる。
調製された各プローブは、適当な担体にそれぞれ独立に配置される。「独立に」とは、各プローブが物理的に隔離されて配置されている状態をいう。例えば、担体が平面基板の場合、各プローブが平面基板上にある一定の間隔を以って配置されている状態をいう。また、担体がストリップ状物の集束物である場合、1本のストリップに1種類のプローブが配置されている状態をいう。
基板にプローブを固定化するための処理として、プローブの末端を例えばビニル基のような官能基で修飾することもできるし、ゲルを介して固定化することもできる。担体として上述の平面基板又は表面に凹凸形状を有する基板を使用する場合には、例えばフォトリソグラフィー法、スポッティング法によりプローブを固定化することができる。
また、貫通孔型マイクロアレイの場合は、ゲル担体を有する貫通孔型マイクロアレイが好ましい。安定的に高感度で検出することが可能であるからである。好ましい貫通孔型マイクロアレイとしては、三菱レイヨン社製の貫通孔型マイクロアレイ(製品名:ジェノパールTM;掲載ウェブサイト:http://www.mrc.co.jp/genome/top.html;特許第3488456号公報、特許第3510882号公報等参照)が挙げられる。
上記の貫通孔型マイクロアレイは、所定のプローブを固定化したゲル担体をその種類毎に別々の中空繊維等管状体の中空部内に保持させ、そのすべての中空繊維等管状体を集束させ固定した後、繊維の長手方向で切断を繰り返すことにより得られるマイクロアレイである。
当該貫通孔型マイクロアレイは、薄片プレートに貫通孔を形成して得ることもできるが、同軸方向に配向した複数の線条体又は貫通孔を含むブロックを、線条体又は貫通孔の長手方向と交差する方向で切断して得るのが好ましい。安定した品質のマイクロアレイを大量生産することができるからである。
以下、貫通孔型マイクロアレイに関して説明する。このマイクロアレイは、例えば、上述したように4群の遺伝子の選択を行った後、下記(i)〜(iv)の工程を経て製造することができる。
工程(i):複数本の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列を樹脂で固定することにより、中空繊維束を製造する工程
貫通孔を形成する方法に特に限定はなく、例えば、特開2001−133453号公報に記載されたような中空繊維を同軸方向に配列させた配列体を作製後、樹脂で固める方法を利用することができる。中空繊維は、種々の材料を用いることができるが、有機材料が好ましい。
有機材料からなる中空繊維としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系中空繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート等のポリエステル系中空繊維、ポリアクリロニトリル等のアクリル系中空繊維、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系中空繊維、ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリレート系中空繊維、ポリビニルアルコール系中空繊維、ポリ塩化ビニリデン系中空繊維、ポリ塩化ビニル系中空繊維、ポリウレタン系中空繊維、フェノール系中空繊維、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等からなるフッ素系中空繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系中空繊維等が挙げられる。中空繊維は多孔質であってもよく、溶融紡糸法又は溶液紡糸法に延伸法、ミクロ相分離法、抽出法などの公知の多孔化技術を組み合わせることにより得ることができる。多孔度は特に限定されるものではないが、繊維材料単位長さ辺りに固定化されるプローブの密度を高めるという観点から、比表面積が大きくなるように高い多孔度であることが望ましい。中空繊維の内径は任意に設定できる。好ましくは10〜2000μm、より好ましくは150〜1000μmとすることができる。
当該中空繊維の製造方法は限定されず、特開平11−108928号公報に記載されたような公知の方法で製造することができる。例えば、溶融紡糸法が好ましく、ノズルとしては馬蹄型やC型ノズル、2重管ノズルなどを使用することができる。本発明においては、連続した均一な中空部を形成させることができる点で2重管ノズルを用いるのが好ましい。
また、必要に応じて、中空繊維にはカーボンブラック等の黒色顔料を適量含有させたものを用いることもできる。黒色顔料を含有することにより、検出する際にゴミ等の夾雑物由来の光学的ノイズを軽減することができたり、樹脂の強度を上げたりすることができる。顔料の含有量は限定されず、中空繊維のサイズやマイクロアレイの使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%とすることができる。
ブロック体の製造は配列体の配列が乱れないように接着剤等の樹脂で固定する方法が利用できる。例えば、粘着シート等のシート状物に複数本の中空繊維を所定の間隔をもって平行に配置し、シート状とした後、このシートを螺旋状に巻き取る方法(特開平11−108928号公報参照)が挙げられる。
また、複数の孔が所定の間隔をもって設けられた多孔板2枚を孔部が一致するように重ねあわせ、それらの孔部に、中空繊維を通過させ、2枚の多孔板の間隔を開き、2枚の多孔板間の、中空繊維の周辺に硬化性樹脂原料を充満させ硬化させる方法(特開2001−133453号公報)が挙げられる。
硬化性樹脂原料としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の有機材料からなるものが好ましい。具体的には、有機高分子等から構成される1種類以上の材料から形成されているものが好ましい。有機高分子としては、ポリウレタン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などのゴム材料や、ナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のポリメタクリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等からなるフッ素系樹脂、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系樹脂等が挙げられる。有機高分子にはカーボンブラック等の黒色顔料を適量含有させることもできる。黒色顔料を添加することにより、検出する際にゴミ等の夾雑物由来の光学的ノイズを軽減することができたり、また、樹脂の強度を上げたりすることができる。顔料の含有量は限定されず、中空繊維のサイズやマイクロアレイの使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%とすることができる。
本発明で配列する中空繊維の数、すなわちスポットの数は限定されず、目的とする実験等に応じて適宜選択することができる。従って、中空繊維同士の距離も、マイクロアレイの面積と配列する中空繊維の数等に応じて適宜選択することができる。
工程(ii):上述したように選択した4群の遺伝子又は当該遺伝子の一部を含むゲル前駆体溶液を中空繊維束の各中空繊維の中空部に導入する工程
中空糸内へ充填するゲル材の種類は、特に限定されず、天然物から得られるゲル材であれば、アガロース、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類の他、ゼラチン、ポリリジン等のタンパク質などが利用できる。合成高分子としては、例えば、ポリアクロイルスクシンイミドなど反応性官能基を有するポリマーと、反応性を示す架橋剤を反応させて得られるゲルが利用できる。他には、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルアミノエトキシエタノール、N−アクリロイルアミノプロパノール、N−メチロールアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、(メタ)アクリル酸及びアリルデキストリン等の重合性モノマーを単量体として、多官能性単量体、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等との共重合により得られる合成高分子ゲルが好ましい。
本発明のマイクロアレイに用いるゲルの濃度は特には限定されず、使用するプローブの長さや量に応じて適宜選択することができる。例えば、単量体成分の濃度に換算して、2〜10質量%が好ましく、より好ましくは3〜7質量%、更により好ましくは3.5〜5質量%である。2質量%以上とするのは、プローブが確実に固定化することができ、標的物質の検出を効率良く行うことができるからである。また、10質量%以下とするのは、それ以上濃度を高くしても飛躍的な効果が得られにくいからである。
また、プローブに使用する核酸の長さは特に限定されないが、8merから500mer、さらに好ましくは10merから200mer、さらに好ましくは15merから100mer、さらに好ましくは30merから70merである。これは短すぎると選択性が低くなり、長すぎると使用するゲルへの重合効率に影響があるからである。平面基板にプローブを固定化させるときもこの長さを用いることができる。
合成高分子ゲルを前記の貫通孔基板のマイクロアレイに保持させる場合は、前記ブロックに合成高分子のゲル前駆体溶液を充填させた後、ブロック内でゲル化させて保持させることができる。ゲル前駆体溶液をブロックの貫通孔内に充填する方法は、例えば、微細な針を有するシリンジに前記溶液を吸引し、各中空繊維の中空部に針を差し込むことにより導入することができる。また、中空繊維束の固定されている端部の中空部を封止し、もう一方の固定されていない端部の中空部を開放しておく。次にメタクリル基などの重合反応点を末端に持つ核酸プローブを含むゲル前駆体溶液を調製し、該ゲル前駆体溶液及び前記中空繊維束をデシゲーター内に設置し、次いで中空繊維束の中空繊維が固定されていない端部を、この溶液中に浸し、デシゲーター内を減圧状態にした後、常圧に戻すことにより、中空繊維の溶液に浸した端部より、この溶液を中空繊維中空部へ導入することができる。
工程(iii):中空繊維束の中空部に導入したゲル前駆体溶液を反応させ、遺伝子又はその一部を含むゲル状物を中空繊維の中空部に保持する工程
中空繊維の中空部に導入されたゲル前駆体溶液を重合させることにより、核酸プローブ含むゲル状物を中空繊維の中空部に保持させる。重合条件は特には限定されず、使用したゲル前駆体の種類等により適宜選択することができる。例えば、アクリルアミド系の単量体であれば、ラジカル開始剤を使用して重合することができ、好ましくは、アゾ系開始剤を利用した熱重合反応により重合させることができる。
工程(iv):中空繊維束を繊維の長手方向に交叉する方向で切断して薄片化する工程
切断方法は、薄片化することができれば限定されない。例えば、ミクロトーム、レーザー等により行うことができる。得られる薄片の厚みは限定されず、実験の目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、5mm以下、好ましくは0.1〜1mmとすることができる。
4.メラニンカスケードに影響を及ぼす被験物質のスクリーニング方法
本発明のマイクロアレイを使用して、メラニンカスケードに影響を及ぼす物質のスクリーニングを行うことができる。以下にその方法を詳細に説明する。
(4−1)被験物質を被験対象体に投与する工程
本発明において、「被験物質」とは、被験対象体に接触させる物質、被験生物が摂取する物質又は被験生物に投与する物質を意味し、食品や薬物が含まれる。
食品とはすべての飲食物のことであり、生鮮食品、加工食品、飲料、調味料材料、食品添加物などの加工材料、植物の粉砕物、植物からの抽出物、それら食品の混合物、食品成分といったものが含まれる。薬物としては医薬品、医薬部外品、薬剤候補物、薬剤混合物、化粧品、化粧品成分、香料、着色料が含まれる。
食品は本発明においては特に効能、機能が示されている食品が好ましく、以下に分類分けと食品例を挙げるが、これに限定するものではない。
例えば生鮮食物であれば、コメ、麦、トウモロコシ、カブ、ダイコン、ハツカダイコン、ワサビ、ホースラディッシュ、ゴボウ、チョロギ、ショウガ、ニンジン、ラッキョウ、レンコン、ユリ根、ナス、ペピーノ、トマト、タマリロ、タカノツメ、トウガラシ、シシトウガラシ、ハバネロ、ピーマン、カボチャ、ズッキーニ、キュウリ、ツノニガウリ、シロウリ、ツルレイシ、トウガン、ヘチマ、ユウガオ、オクラ、アズキ、インゲンマメ、エンドウ、エダマメ、ササゲ、シカクマメ、ソラマメ、ダイズ、ナタマメ、ラッカセイ、レンズマメ、ゴマ、スプラウト、モヤシ、かいわれ大根、イチゴ、スイカ、メロン、マクワウリ、カラシナ、キャベツ、クレソン、ケール、コマツナ、サイシン、サンチュ、山東菜、シュンギク、シロナ、セリ、セロリ、タアサイ、ダイコンナ、タカナ、チシャ、チンゲンサイ、ニラ、菜の花、野沢菜、白菜、パセリ、ハルナ、フダンソウ、ホウレンソウ、ミズナ、ミブナ、ミツバ、メキャベツ、ルッコラ、レタス、はなっこりー、ワサビナ、アサツキ、アスパラガス、ウド、コールラビ、ザーサイ、タケノコ、ニンニク、ヨウサイ、ネギ、ワケギ、タマネギ、アーティチョーク、ブロッコリー、カリフラワー、食用菊、なばな、フキノトウ、ミョウガ、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、ナガイモ、ヤマノイモ、エノキタケ、エリンギ、キクラゲ、キヌガサタケ、シイタケ、シメジ、シロキクラゲ、タモギタケ、チチタケ、ナメコ、ナラタケ、ハタケシメジ、ヒラタケ、ブナシメジ、ブナピー、ポルチーニ、ホンシメジ、マイタケ、マッシュルーム、マツタケ、ヤマブシタケ、カリン、チュウゴクナシ、ナシ、マルメロ、セイヨウカリン、ジューンベリー、シポーバ、リンゴ、アメリカンチェリー、アンズ、ウメ、サクランボ、スミミザクラ、スピノサスモモ、スモモ、モモ、アーモンド、イチョウ、クリ、クルミ、ペカン、アケビ、イチジク、カキ、キイチゴ、キウイフルーツ、グミ、クワ、クランベリー、コケモモ、ザクロ、サルナシ、シーバックソーン、スグリ、ナツメ、ニワウメ、ビルベリー、フサスグリ、ブドウ、ブラックベリー、ブルーベリー、ポーポー、マツブサ、ラズベリー、ユスラウメ、柑橘類、オリーブ、ビワ、ヤマモモ、トロピカルフルーツ、イチゴ、スイカ、メロン、バナナ及びこれらの食材の可食部、葉、種子、他に牛肉、豚肉、鶏肉、卵、馬肉、羊肉、猪肉、鹿肉、魚やカニ、海老、イカ、蛸といった魚介類、海草などが挙げられる。加工食品としてはケフィア、ヨーグルト、納豆、味噌、醤油、漬物などといった発酵食品が挙げられ、他に煎茶、玉露、番茶といった緑茶や、白茶、ウーロン茶といった青茶、紅茶、黒茶、コーヒーのような飲料、前述した生鮮食品からの窄汁、塩、こしょうと言った調味料などを挙げることができる。
さらに食品中の成分として例を挙げると、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート(EGCG)などを含むカテキン類、ダイゼイン、ダイジン、ゲニステイン、ゲニスチン、グリシテイン、グリシチン、フォルモノネチンなどを含むイソフラボン類、シアニジン、ペラルゴニジン、デルフィニジンなどを含むアントシアニン類、ケルセチン、ミリセチン、ルチン、レスベラトロール、ケンフェロール、セサミン、クルクミン、リモニン、ガンマ−アミノ酪酸(GABA)、アスタキサンチン、ガランギン、シトラール、トリゴネリン塩酸塩、エラグ酸、キナ酸、サポニン、カプサイシン、ハイドロコルチゾン、オレイン酸、ベンジルイソチオシアネート、マンギフェリン、アピゲニン、ルテオリン、クロロゲン酸、リモネン、スクアレン、レチノール、ロズマリン酸、カフェ酸、リポ酸などの物質、カロテノイド類、アラキドン酸、リノレン酸などを含む多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、9c11tCLA、10t12cCLAなどを含む共役リノール酸類、胆汁酸、葉酸、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンD、ビタミンE、ビタミン誘導体などのビタミン類、アミノ酸、アミノ酸誘導体、糖類、糖化最終産物、免疫賦活物質、その他リバビリン、インターフェロン類など多様な化合物を挙げることができる。また食品中の成分としては厚生労働省の指定添加物リスト記載の添加物等が含まれる。
薬物としても以下に分類分けと食品例を挙げるが、これに限定するものではない。たとえば薬剤成分としてはアスピリン、アミラーゼ、アラントイン、アロイン、アンジオテンシン、アンドロステンジオン、インベルターゼ、AMT、N−ニトロソフェンフルラミン、エフェドリン、カオリン、カタラーゼ、γ−オリザノール、グアイフェネジン、グルタチオン、2C−I、2−CT−2、2−CT−7、GHB、GBL、シクロフェニール、臭化水素酸デキストロメトルファン、スルフォンアミド、タイシャセキ、タウリン、脱N−ジメチルシブトミン、DHEA、1-デオキシノジリマイシン、TMA-2、ニコチン、パパイン、パンクレアチン、BZP 1、BD、BDD、5−HTP(ヒドロキシトリプトファン)、ビンカミン、プロスタグランジン、プロテアーゼ、ブロメライン、ペプシン、ホモシルデナフィル、マルターゼ、メラトニン、ヨウキセキ、ラクターゼ、リパーゼ、ルンブルキナーゼ等の薬剤成分、ビンブラスチン、ビンクリスチンや、パクリタキセル、リグナン由来の薬剤が挙げられ、そのほか厚生労働省 「医薬品の範囲に関する基準」に記載の植物由来物、動物由来物、化学物質等なども挙げられる。
化粧品成分としてはアクリル酸、アシタバエキス、アスコルビン酸、アセトン、アセロラエキス、アプレシエ、甘草エキス、アミノ酪酸、アラントイン、アルギニン、アルテアエキス、アルブチン、アルミナ、アロエベラエキス、安息香酸Na、イオウ、イソオクタン酸セチル、イソステアリン酸、イソフラボン、イチョウエキス、ウコンエキス、ウワウルシエキス、エタノール、エステル類、エデト酸、エラグ酸、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、オウゴンエキス、オキシベンゾン、オタネニンジンエキス、オリーブ油、オレイン酸、加水分解コラーゲン、加水分解コンキオリン、カッコンエキス、カミツレエキス、カルボマー、カロチン、カワラヨモギエキス、カンフル、キウイエキス、キサンタンガム、キュウリエキス、クエン酸、グリコール酸、グリセリン、グリチルリチン酸2カリウム、グルタチオン、グルタミン酸、クロレラエキス、ケイヒエキス、ケラチン、コーン油、コウジ酸、コハク酸、コムギ胚芽エキス、コメヌカエキス、サクラ葉エキス、サフラワー油、サリチル酸ナトリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、シクロメチコン、ジステアリン酸グリコール、シソエキス、シャクヤクエキス、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブロピレングリコール、ジメチコン、シラカバエキス、シリカ、シルクエキス、スーパーオキシドジスムターゼ、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水添レシチン、酢酸トコフェロール、スクワラン、ステアリン酸、ステアリルアルコール、スルホコハク酸、セージエキス、セタノール、セラミド3、セリン、ソウハクヒエキス、ソルビトール、ダイズエキス、ダイズステロール、タルク、チャエキス、チューベロース、月見草油、ツバキ油、テトラオレイン酸ソルベス-60、テンシャエキス、トウエキス、トコフェロール、トリエタノールアミン、トレハロース、ナイアシンアミド、ナイロン12、ナガサリエキス、ナズナエキス、ニコチン酸トコフェロール、乳酸、乳酸ナトリウム、尿素、ネオペンタン酸オクチルドデシル、ノバラ油、パーフルオロ、白金、パパイン、ハマメリスエキス、パラフィン、パラベン、パルミチン酸レチノール、パレス-3硫酸ナトリウム、パンテノール、BG、PG、PCA-ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒトオリゴペプチド、ビフィズス菌発酵エキス、フェノキシエタノール、ブクリョウエキス、ブドウ種子油、ブナエキス、フラーレン、プラセンタエキス、フラビンアデニンジヌクレオチド、プルラン、ベタイン、ベニバナ、ベンジルアルコール、ホップエキス、ホホバ油、ポリアクリル酸Na、ポリエチレン、ポリソルベート60、ポリビニルアルコール、マイカ、マカデミアナッツ油、マンニトール、ミツロウ、ミネラルオイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ムクロジエキス、メトキシケイヒ酸オクチル、メドウフォーム油、メントール、ヤシ油脂肪酸、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、ラウリン酸、ラウレス7、ラウロイル加水分解シルク、ラクトフェリン、ラノリン、リノール酸、リボフラビン、レイシエキス、レチノール、レモンエキス、ローズマリーエキス、ローズヒップ油、ローヤルゼリー、ワセリン、ワレモコウエキスなどが挙げられる。
被験対象体とは、動植物個体、動植物組織、動植物細胞(培養細胞を含む)、線形動物及び微生物(ウイルス、菌類)などが含まれる。
動物は、昆虫、魚類、爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類の生きている動物を指す。被験動物としては、被験物質を接触、摂取又は投与する対象となる動物であれば限定されるものではないが、例えば、ヒト、マウス、ラット、ウマ、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ウシ、ブタ、アカゲザル、コモンマーモセット、ニワトリ、アフリカツメガエル、ニシツメガエル、ゼブラフィッシュ、メダカ、蚊、線虫、ショウジョウバエ、マラリア原虫などが挙げられる。被験動物としては、特に、一定の運動を定量的に行えるヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウマ、イヌが好ましく、ヒト、マウス、ラットがより好ましい。疲労が負荷した身体部位を採取して直接測定する場合は、マウス、ラットが好ましい。また、植物としては、アブラナ、藻類、褐藻類などが挙げられる。
細胞は、培養細胞としてケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、線維芽細胞、毛母細胞、色素細胞、毛乳細胞などが挙げられる。より詳細には、B16細胞、A375細胞、A431細胞、A2058細胞、142BR細胞、149BR細胞、C211細胞、C32細胞、COLO 792細胞、FEL細胞、COLO 800細胞、2KO−101細胞、KJB−100細胞、KJB−101細胞、Clone M−3細胞、RPMI 1846細胞、G−361細胞、GR−M細胞、HMVII細胞、WM−115細胞などが挙げられる。細胞を用いる場合は三次元培養皮膚モデルがより好ましい。実際の生体に近いからである。
スクリーニングに使用する細胞の濃度は限定されるものではないが、細胞回収時に十分な核酸濃度が回収できる濃度が好ましい。例えば、終濃度(細胞回収時の細胞濃度)が1×10cells/well以上、好ましくは終濃度5×10cells/well以上である。
本発明において、接触、摂取または投与する方法は、動物に対しては被験物質を経口、経皮、静脈、腹腔、局所で投与することであり、細胞、菌類に対しては、培地に対して被験物質を添加することをいう。接触、摂取又は投与する被験物質の状態は固体、粉末、溶液、懸濁液といずれでもかまわないが、摂取する方法に適した状態が望ましい。
被験物質を被験対象体に投与等する際の濃度や量は、被験物質や被験対象体の種類等に応じて適宜選択することができる。該被験物質による被験対象生物に毒性が生じない濃度で行うのが好ましい。核酸抽出に影響があるからである。毒性が生じないとは、動物の場合は、死亡しない、又は部分的な壊死、炎症が観測されないこと、細胞では、炎症性サイトカインの放出が観測されない、又は細胞生存率が90%以上であることが挙げられる。
(4−2)被験対象体から遺伝子を抽出する工程
核酸の抽出方法、抽出した核酸の処理方法は限定されず、公知の方法で行うことができるが、使用するマイクロアレイの種類に適した方法で行うのが好ましい。以下、三菱レイヨン株式会社製の貫通孔型マイクロアレイ(ジェノパール(登録商標))を使用する場合を例に説明する。
まず、Total RNAを抽出する。この抽出方法は限定されず、検体に応じて適宜選択することができる。以下に抽出方法の一例を示す。
被験対象体として動物の個体や組織を使用する場合、薬物を投与した後の個体から所望の組織を摘出し、当該組織を−80度又は液体窒素等で凍結する。被験対象体として細胞を使用する場合、細胞に薬物を投与(細胞を薬物で刺激)した後、その細胞の回収に適した濃度のトリプシン溶液による処理又はセルクレーパーで細胞を回収し、遠心分離により細胞を沈殿させた後、バッファーで洗浄する。この遠心分離と洗浄の操作は必要に応じて繰り返すことができる。洗浄し終わったら、遠心分離し、上清を除いてペレットにする。
続いて、試料(組織又は細胞又は細胞付着物)に0.5gあたり10mLとなるように4Mグアニジンチオシアネイト溶液(4Mグアニジンチオシアネイト、25mMクエン酸ナトリウム、0.5%サルコシル、0.1Mβ−メルカプトエタノール)を加えてホモジナイズする。そこに2Mの酢酸ナトリウム1mL、フェノールを10mL、クロロホルムを2mL加えてよく混和する。その溶液を10分遠心し(10000rpm)、水相を回収する。その水相に等量のイソプロパノールを加え10分延遠心し(10000rpm)、Total RNAを沈殿する。
沈殿したTotal RNAを再び10mLの4Mのグアニジンチオシアネイト溶液に溶解し、2M酢酸ナトリウム溶液1mL、フェノール5mL、クロロホルム1mLを加えてよく混和する。再び同様の遠心操作で水相を回収し、イソプロパノールでtotal RNAを沈殿する。
そこに70%エタノールを20mL加え、10000rpmで10分間遠心し、Total RNAを沈殿する。これに5mLのTNES緩衝液(0.1MTris−HCl(pH7.4)、50mM NaCl、10mM EDTA、0.2% SDS)に溶解して、200μg/mLとなるようにProteinaseKを加える37℃、30分処理し酸性フェノールで抽出し、さらにクロロホルムによる抽出を行い、エタノール沈殿後のサンプルをRNase Free Waterに溶解させる。
これらの操作は市販のキットを使用することができ、例えばRNeasy mini kit(QIAGEN)などが挙げられる。
次いで、得られたTotal RNA溶液から、以下の操作によりaRNA(amplified RNA)を調製する。1μg相当のTotal RNAにT7 Oligo dT primer(ambion)1μL、10xFirst Strand Buffer(ambion)2μL、dNTP(ambion) 4μL、RNase Inhibitor(ambion) 1μL、Array Script(ambion) 1μLを加え、RNase free Waterで20μLにする。
これを42℃で2時間インキュベーションし、氷冷後、これに10x Second strand Buffer(ambion)、dNTP(ambion)、DNA polymerase(ambion)、RNase H(ambion)、を添加して100μLとし、16℃で2時間インキュベートする。
その溶液を5倍量のBuffer PBI(QIAGEN)と混合し、QIAquickスピンカラム(QIAGEN)で精製後(10000g 30秒)、Buffer PE(QIAGEN)で洗浄し(10000g 30秒)、RNase free Water 20μLで溶出する(10000g 1分)。その溶出液にBiotin−NTP(ambion)12μL、T7 10x Reaction Buffer(ambion)4μL、T7 Enzyme Mix(ambion)4μLを添加して混合し、37℃で14時間インキュベーションする。
インキュベーション後の溶液に60μLのRNase free Water を添加し、さらに350μLのBuffer RLT(QIAGEN)、250μLの99.5%エタノールを加えて、よく混和する。
この溶液をRNeasy MinElute Cleanupスピンカラム(QIAGEN)上に添加して遠心する(10000g 15秒)。500μLのBuffer RPE(QIAGEN)、500μLの80%エタノールで洗浄し(各10000g 15秒)、メンブレンを完全に乾燥後、RNase free Water 20μLを添加してaRNAを溶出する。
これらの操作は市販のキットでも行うことができ、Message AmpII−Biotin Enhancedキット(アプライドバイオシステムズ社製)などが使用できる。
精製したaRNA 5μ相当量に5x Fragmentation Buffe(ambion)とRNase free Waterを添加して 20μLとし、94℃で7.5分間インキュベーションする。この溶液にバッファー等を添加し検体溶液(0.12M Tris−HCl、0.12M NaCl、0.5% Tween20)200μLを調製する。
得られた検体溶液に核酸マイクロアレイを浸漬し、65℃で16時間ハイブリダイゼーション反応を行う。当該核酸マイクロアレイからハイブリダイゼーションに用いた検体液を除去した後、当該核酸マイクロアレイを65℃の0.12M TNT溶液(0.12M Tris−HCl、0.12M NaCl、0.5% Tween 20溶液)中に浸漬し(20分間×2回)、次いで、65℃に温めた0.12M TN溶液(0.12M Tris−HCl、0.12M NaCl)に10分間浸漬して、洗浄する。
核酸マイクロアレイにおけるシグナルの検出は、各核酸マイクロアレイ、検体調製に適した測定方法で行う。例えば検体調製時にラベル化をして置き、そのラベル由来もしくはラベルを介し他標識による蛍光検出を行う。
(4−3)抽出した遺伝子を解析する工程
測定結果で評価に使用するデータは、判定値以上の値のみを使用する。判定値はネガティブコントロールの平均値Xを用いることができ、さらにはXに標準偏差σを足した値、さらにはX+2σ、さらにはX+3σが望ましい。
ネガティブコントロールとは、被験生物からの試料で検出されるはずのない遺伝子であり、例えば、被験生物と異なる他種生物の遺伝子などである。得られたデータの各サンプル間の誤差をハウスキーピング遺伝子(gapdh、actin、arbp等)の値で補正し、補正したデータを用いてmRNA量の変動を判定する(mRNA量の変動は検定により統計的に判定する。各被験生物より試料をn=3以上取得し、t検定を行う。P値が0.05以下の場合に、さらには0.01以下の場合に有意に変動したと判定する)。
測定データの解析方法は被験物質を接触、摂取又は投与した被験生物からの試料及び接触、摂取又は投与前又はブランク(プラセボ、溶媒のみなど)を接触、摂取又は投与した被験生物からの試料を測定し、得られたmRNA量測定結果より被験物質の作用を関連付ける。
どの群のどの遺伝子が発現変化しているか解析し、その解析結果より被験物質がメラニン産生のどの工程に影響を及ぼすか、また及ぼす場合にはどのような効果を示すかを予測する。好ましくは、同じ細胞を用いて既知の化粧品成分の効果を測定したデータベースを作成し、遺伝子群ごとに行った被験物質を用いて他の評価実験結果の予測あるいはまた化粧品等の製品に用いる場合にどのような成分と組合せると効果がより発揮されるかを推測することができる。
(1)遺伝子の選択
マウスメラノーマ細胞株B16を6wellプレートに2.5×10cells/wellとなるように播種し、24時間培養した。その後、下記表2に示すようにα−MSH及び/又はアルブチンを培養上清に添加して3日間培養することにより細胞を刺激した(表2中、「+」は刺激、「−」は未刺激を示す)。α−MSHの濃度はファイナル濃度(培養上清に添加した結果得られる濃度)で5μM、アルブチンの濃度は同様に0.5mMを用いた。

その後、細胞をPBS(−)で洗浄し、顕微鏡による細胞の観測、メラニン量の測定及び核酸マイクロアレイによる遺伝子発現解析を行った。
顕微鏡による細胞の観測結果を図1に示す。4枚の写真のうち、左上の写真は何も刺激しなかった細胞(表2の1群)、右上はアルブチンのみで刺激した細胞(表2の2群)、左下はα−MSHのみで刺激した細胞(表2の3群)、右下はα−MSHとアルブチンとにより刺激した細胞(表2の4群)を示す。これらの結果から、メラニンを含むメラノソーム(顕微鏡上の黒い点)がα−MSH添加により増加し、アルブチン添加により減少しているということが分かった。
次に、メラニン量の測定結果を図2に示す。左図はメラニンの吸収波長である405nmの吸光度を示し、右図はアルブチンを添加しない場合を100%としたときのメラニン産生の比率を表す。メラニン量の測定はB16細胞に蓄積したメラニンを1mL/L水酸化ナトリウム溶液で溶解させ、溶解液の吸光度からメラニン量を測定した。これらの結果から、α−MSHを添加することでメラニン量が増加していることが分かり、アルブチンを添加することでメラニン量が50%以下に減少していることが分かった。
さらに、マイクロアレイを用いて遺伝子発現を解析した。その結果を表3に示す。
マイクロアレイによる遺伝子発現解析の操作は、Rneasy Mini Kit(Qiagen社製)のプロトコルの通りに行った。細胞をPBS(−)で洗浄後、トリプシン処理で回収し、1000rpmで沈殿させ、上清を除去後にPBS(−)175μLを添加した。細胞サンプル溶液175μLにキットに付属のRLT溶液175μLを添加し、1mLシリンジで5回出し入れして、細胞を破砕した。破砕液に70%エタノールを添加し、ピペッティング5回行ったあと、その溶液を添付のカラムに添加して遠心し(13000rpm 1分)、次いで付属のRW1700μL、RPE500μLで洗浄し(各13000rpm、1分)、RNase free Water 30μLで溶出してRNAの精製を行った。
次に、Message Amp II−Biotin Enhancedキット(アプライドバイオシステムズ社製)を用い、添付のプロトコールに従ってTotal RNA 1mgからaRNAの調製を行った。aRNA 5μgをプラスチックチューブに入れ、Message AmpII−Biotin Enhancedキット(アプライドバイオシステムズ社製)付属の5x Array Fragmentation Buffeを4μL添加し、20μLにメスアップしてよく混合した後、94℃で7.5分間加熱してaRNAの断片化を行った。断片化後の溶液20μLに、18μLの1M Tris−HCl溶液(インビトロジェン社製)、18μLの1M NaCl溶液(ナカライテスク社製)及び15μLの0.5% Tween20溶液をそれぞれ混合し、Nuclease-free waterで150μLにメスアップして、検体液を調製した。
調製した検体液に、核酸マイクロアレイ(配列表1に記載のプローブを搭載した三菱レイヨン株式会社製DNAチップ)を浸漬し、65℃で16時間ハイブリダイゼーション反応を行った。当該アレイからハイブリダイゼーションに用いた検体液を除去した後、当該アレイを65℃の0.12M TNT溶液(0.12M Tris−HCl、0.12M NaCl、0.5% Tween20溶液)中に浸漬し(20分間×2回)、次いで、65℃に温めた0.12M TN溶液(0.12M Tris−HCl、0.12M NaCl)に10分間浸漬して洗浄した。その後、核酸マイクロアレイのシグナルを検出した。
核酸マイクロアレイにおけるシグナルの検出は、DNAチップ検出装置(横河電機製:MB−M3A、レーザー波長:633nm)を用い、Cy5の蛍光強度を測定した(露光時間:0.1秒、1秒、4秒、40秒)。
なお、結果はバックグランドを減算後、β−Actin、Arbp、Gapdhの値を用いて補正した。補正後、表2の「1群」をコントロールとして、1群の平均値で各値を除算し、それを底2のLogで表3に表記した。またT検定によるP値、発現量の増減をプラスとマイナスの記号で表3に表した。その結果よりA群からD群に分類した結果を表1に示した。
(2)中空繊維束の製造
図3に示す配列固定器具を利用して中空繊維束を製造した。なお、図中のx、y、zは直交の3次元軸であり、x軸は繊維の長手方向と一致する。
まず、直径0.32mmの孔が、孔の中心間距離を0.12mmとして、縦横各16列で合計256個設けられた厚さ0.1mmの多孔板2枚を準備した。これらの多孔板を重ね合わせて、そのすべての孔に、外径280μm、内径180μm、長さ150mmのポリカーボネート中空繊維を1本づつ、通過させた。
X軸方向に各繊維に0.1Nの張力をかけた状態で2枚の多孔板の位置を移動させて、中空繊維の一方の端部から20mmの位置と100mmの位置の2ヶ所に固定した。即ち、2枚の多孔板の間隔を80mmとした。次いで、多孔板間の空間の周囲3面を板状物で囲った。このようにして上部のみが開口状態にある容器を得た。
次に、この容器の上部から容器内に樹脂原料を流し込んだ。樹脂としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)ニッポラン4276、コロネート4403)の総質量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加したものを使用した。25℃で1週間静置して樹脂を硬化させた。次いで多孔板と板状物を取り除き、中空繊維束を得た。得られた中空繊維束をデシケーター中に入れ内部を窒素置換した後、16時間静置した。
(3)中空糸内へのプローブの固定化とスライス
表4に記載の遺伝子選択で選んだ遺伝子のプローブ溶液(BEX社よりビニル化オリゴヌクレオチド(各プローブの配列は配列表に記載された通り)を購入)を含む表5に示す組成のゲル重合前駆体溶液をマイクロウェルプレートの各ウェルに36μL分注した。該ウェルプレートをデシゲーター内に設置し、端部から各ウェルに分注したゲル前駆体溶液を吸引し、中空繊維の中空部に導入した。
次いで、前記の中空繊維束を前記デシケーター内に設置し、デシケーター内を窒素雰囲気下、55℃まで昇温して、55℃で3時間、重合反応を実施した。
重合反応終了後、ミクロトームを用い、中空繊維束を中空繊維の長手方向に直角方向に厚さ250μmで薄片化した。このようにして、228個のキャプチャープローブを含むゲルスポットを搭載した厚さ250μmのマイクロアレイを300枚作製した。
1 配列固定器具
11 孔部
21 多孔板
31 中空繊維
41 板状物

Claims (5)

  1. 下記A群に属する遺伝子、B群に属する遺伝子、C群に属する遺伝子及びD群に属する遺伝子をそれぞれ少なくとも一種以上含む、被験物質のメラニンカスケードへの影響を評価するためのマイクロアレイ。
    (1)A群:
    メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子
    (2)B群:
    α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子
    (3)C群:
    α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子
    (4)D群:
    アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がα−MSH様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子
  2. 下記工程を含む、被験物質のメラニンカスケードへの影響を測定するための遺伝子の選択方法。
    (1)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子を選択する工程
    (2)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子を選択する工程
    (3)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子を選択する工程
    (4)アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がα−MSH様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子を選択する工程
  3. 下記の工程を含む、請求項1記載のマイクロアレイの製造方法。
    (1)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子を選択する工程
    (2)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子を選択する工程
    (3)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子を選択する工程
    (4)アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がα−MSH様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子を選択する工程、
    (5)前記(1)〜(4)の工程で選択した遺伝子又は当該遺伝子の配列の一部を基板に固定化する工程。
  4. 下記工程を含む、請求項1記載のマイクロアレイの製造方法。
    (1)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により有意に抑制される遺伝子を選択する工程
    (2)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用により促進される遺伝子を選択する工程
    (3)α−MSH様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がアルブチン様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子を選択する工程
    (4)アルブチン様活性を有する物質の作用により発現が有意に変動し、且つ、当該変動がα−MSH様活性を有する物質の作用に影響を受けない遺伝子を選択する工程、
    (5)複数本の中空繊維を、中空繊維の各繊維軸が同一方向となるように3次元に配列し、その配列を樹脂で固定することにより、中空繊維束を製造する工程
    (6)前記工程(1)〜(4)で選択した遺伝子又は当該遺伝子の配列の一部を含むゲル前駆体溶液を中空繊維束の各中空繊維の中空部に導入する工程
    (7)(6)の中空繊維束の中空部に導入したゲル前駆体溶液を反応させ、遺伝子又はその一部を含むゲル状物を中空繊維の中空部に保持する工程
    (8)中空繊維束を繊維の長手方向に交叉する方向で切断して薄片化する工程
  5. 以下の工程を含む、メラニンカスケードに影響を及ぼす物質をスクリーニングする方法。
    (1)被験物質を被験対象体に投与する工程
    (2)被験対象体から遺伝子を抽出する工程
    (3)抽出した遺伝子を請求項1記載のマイクロアレイを用いて解析する工程
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