JP2013179864A - 糖液及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、糖液及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
50〜90°のBrixを有し且つ少なくともスクロース、グルコース、フルクトース、マルトール、及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを含む糖液であって、前記糖液はスクロース100質量部に対してグルコース及びフルクトースを各々30〜90質量部含む、前記糖液を提供する。また、本発明は当該糖液の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖液及びその製造方法に関する。
ショ糖、ブドウ糖、又は異性化糖などの糖類を加熱すると、甘く且つ香ばしい香り(以下、甘味香ともいう)が生じる。当該甘味香は、例えばべっこう飴又は綿菓子などの香りである。当該甘味香は、上記加熱によるカラメル化反応によって生成する多種類の揮発性物質によるものである。当該甘味香をもたらす揮発性物質の例は、マルトール系化合物である。
上白糖及びグラニュ糖などの精製された糖類製品は白色粉体である。当該製品の製造における精製工程において甘味香が失われる一方で不純物が除去される。当該粉体を構成する結晶の色は、ショ糖結晶の色である無色透明である。
黒砂糖は、糖汁に石灰を加えて不純物を沈降させ、当該沈降後に糖汁を加熱して煮詰め、そして煮詰め液を冷却固化することにより製造される。黒砂糖の製造工程は精製工程を含まない。よって、黒砂糖の製造工程では、上記揮発性物質が除去されない。しかし、黒砂糖の煮詰め工程において、煮詰められる液中のサトウキビ由来の有機物及び塩類並びに不純物除去の為に添加される石灰に起因する強い黒蜜臭が生成する。この黒蜜臭が強いので、黒砂糖から甘味香は感じられない。また、黒砂糖は極めて濃い褐色である。
三温糖の製造工程では、上白糖及びグラニュ糖の製造工程で得られた糖蜜をさらに煮詰める。よって、三温糖は、上白糖及びグラニュ糖よりもやや強い甘味香を有する。しかし、三温糖の甘味香は、べっこう飴又は綿菓子のような強いものでなく、わずかに感じられる程度である。また、三温糖は褐色である。
また、上記糖類の加熱の結果得られる褐色に着目した着色料が市販されている。当該着色料の例として、カラメル色素が挙げられる。カラメル色素は、一般にカラメルとも呼ばれる。当該着色料は、当該褐色を食物に付与する為に食物に添加される。当該着色料は、苦味を有し、甘味香は極めて弱い。また、当該着色料は甘味を有さない。
上記糖類の加熱の結果得られる甘味香に着目したシロップも市販されている。当該シロップの例として、カラメルシロップが挙げられる。甘味香を生成させる為に、カラメルシロップの原料中の糖類は加熱により分解される。その結果、カラメルシロップ中の糖類含有量は少なく、カラメルシロップは苦味を有する。当該苦味の少ないカラメルシロップもある。しかし、当該苦味の少ないカラメルシロップは糖類の結晶が析出しやすい。その結果、当該苦味の少ないカラメルシロップは、長期保存ができない。
また、甘味香を付与する合成香料も市販されている。当該合成香料の例は、マルトール及びエチルマルトールである。エチルマルトールの香りの強さは、マルトールの香りの3〜5倍である。当該合成香料は、シュガーフレーバーとして販売されている。糖アルコール又は高甘味度甘味料は甘味香を有さない。そこで、糖アルコール若しくは高甘味度甘味料又はこれらを使用した製品に、甘味香を付与する為に当該合成香料が添加される。また、糖アルコール及び高甘味度甘味料を加熱しても、甘味香は生じない。
下記特許文献1は、砂糖類を、乾熱下、140℃〜150℃に到達するまで加熱・焙煎することにより製造されたものであり、且つ、2.5重量%濃度水溶液の波長280nmにおける吸光度が0.15〜0.95であることを特徴とする焙煎糖を記載する(請求項1)。
下記特許文献2は、乳成分を含む飲料であって、乳成分に、ブリックス度0.1°Bxの水溶液にした場合に360nmの吸光度が0.04以上0.9以下であり、10°Bxの水溶液にした場合にpHが2.0以上、4.0以下であるローストシュガーを1〜10重量%と、食塩を0.1〜0.2重量%配合したことを特徴とするカフェイン含有飲料風苦味とコクを付与した容器詰ノンカフェイン乳入り嗜好性飲料及びその製造方法を記載している(請求項1及び4)。当該製造方法は、糖類を170℃になるまで緩やかに焙煎・加熱し、加熱停止後余熱で180℃になることを確認した後、反応を終了させることにより、ブリックス度0.1°Bxの水溶液にした場合に360nmの吸光度が0.04以上0.9以下であり、10°Bxの水溶液にした場合にpHが2.0以上、4.0以下であるローストシュガーを調製し、該ローストシュガーを乳成分に1〜10重量%、更に、食塩を0.1〜0.2重量%配合し、常法により容器に充填したことを特徴とする(請求項4)。
特開平10−33126号公報 特開2009−219393号公報
上記のとおり、上白糖及びグラニュ糖は白色粉体であり、無色透明の結晶からなる製品であるが甘く且つ香ばしい香り(甘味香)を有さない。黒砂糖は甘味香の成分を有するが、黒蜜臭の存在の故に、黒砂糖から甘味香は感じられない。また、三温糖は、甘味香の成分を有するが、わずかに感じられる程度である。また、黒砂糖は褐色である。三温糖も褐色を有する。また、糖アルコール又は高甘味度甘味料は甘味香を有さない。糖アルコール及び高甘味度甘味料を加熱しても、甘味香は生じない。そこで、強い甘味香を有し且つ無色又は極めて薄い褐色である甘味料が望まれている。
上記のとおり、カラメル色素は苦味が強く、甘味料でない。
また、上記のとおり、既存のカラメルシロップは、苦味の問題及び結晶析出の問題を有する。そこで、これらの問題を解消した、甘味香を有する甘味料が求められている。
また、上記のとおり、甘味香を付与する合成香料が市販されている。しかし、当該香料は合成されたものであるので、消費者から敬遠されうる。そこで、合成香料が添加されていない甘味料が望まれている。また、ショ糖、ブドウ糖、又は異性化糖などの糖類の加熱において、マルトール以外にも多様な香り成分が生成しており、これらの多様な香り成分を、自然な甘味又は自然な香りとして消費者は知覚しうる。それ故に、合成香料だけを添加しても、自然な甘味又は自然な香りは得られない。そこで、自然な甘味又は自然な香りを有する、甘味香の強い甘味料が望まれている。
本発明は、糖類を加熱すると生じる甘く且つ香ばしい香り甘味香を有し且つ無色又は極めて薄い褐色である甘味料を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記甘く且つ香ばしい香りを有するが、苦味が無く且つ結晶の析出しない甘味料を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記甘く且つ香ばしい香りを有するが、合成香料が添加されていない甘味料を提供することを目的とする。また、本発明は、自然な甘味又は自然な香りを有し且つ甘味香の強い甘味料を提供することを目的とする。
また、本発明は、これらの甘味料を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、50〜90°のBrixを有し且つ少なくともスクロース、グルコース、フルクトース、マルトール、及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを含む糖液であって、スクロース100質量部に対してグルコース及びフルクトースを各々30〜90質量部含む前記糖液を提供する。好ましくは、前記糖液の糖類含有量1kgに対するマルトール含有量は1〜20mgである。好ましくは、前記糖液の糖類含有量1kgに対する5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量は50〜500mgである。また、Brixを70°に調整したときの前記糖液の色価は、好ましくは0.01〜1.5である。また、本発明は、スクロース結晶を95〜99.5質量%含み且つ請求項1又は2に記載の糖液を0.5〜5質量%含む組成物を提供する。
また、本発明は、50〜90°のBrixを有し且つ少なくともスクロース、グルコース、フルクトース、マルトール、及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを含む糖液であって、スクロース100質量部に対してグルコース及びフルクトースを各々30〜90質量部含む前記糖液を製造する方法を提供する。当該方法は、
スクロース水溶液を140〜170℃に加熱して、当該水溶液中に少なくともマルトール及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを生成する工程、
当該加熱後に、当該水溶液の温度を140℃未満に冷却する工程、そして
当該冷却された水溶液を55〜85℃でpH1〜3に維持して、当該水溶液中のスクロースをグルコース及びフルクトースに転化する工程
を含み、
前記転化する工程後の水溶液中のグルコース及びフルクトースの含有量が、スクロース100質量部に対して各々30〜90質量部である。
好ましくは、前記冷却された水溶液中の5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量が、当該水溶液中の糖類含有量1kgに対して50〜500mgである。
本発明の糖液は、長期保存しても結晶が析出しない。また、本発明の糖液は、甘味香を有し且つ/又は無色若しくは極めて薄い褐色である。また、本発明の糖液は苦味が無い。
また、本発明の糖液は合成香料を添加せずとも、甘味香を有する。さらに、本発明の糖液は、自然な甘味又は自然な香りを有しうる。
また、本発明の糖液は、上記本発明の方法により製造される。当該方法における原料はスクロース水溶液である。当該方法において、合成香料の添加は不要である。
本発明の糖液は無色又は極めて薄い褐色である。よって、当該糖液を白い砂糖に添加しても、その白さが維持される。
本発明の糖液は、Brixが50〜90°、特には55〜85°、より特には60〜80°である。当該Brixの値は上記値より低い場合、甘味料として不適当でありうる。また、上記値よりも低い場合、甘味香が弱くなり、また水分活性が高くなるため保存性が悪くなりうる。当該Brixの値が上記値よりも高い場合、糖液中に結晶が析出しうる。さらに、当該Brixの値が上記値よりも高い場合は糖液の粘度が高すぎるので、糖液の食品への添加において不都合が生じる場合がある。
本発明の糖液は、スクロース100質量部に対してグルコース及びフルクトースを各々30〜90質量部、好ましくは33〜87質量部、より好ましくは35〜85質量部含む。当該スクロース、グルコース、及びフルクトースの質量割合により、本発明の糖液における結晶析出が抑制される。当該質量割合は、以下で述べるHPLC分析法により測定された各糖類の含有量に基づき計算される。
スクロース、グルコース、及びフルクトースの含有量についてのHPLC分析法の測定条件は、以下のとおりである。
カラム:アミノプロピル基化学結合型シリカカラム(ジーエルサイエンス株式会社、Inertsil NH2カラム(4.6×250mm))
分離溶媒:アセトニトリル/水(80:20)
流速:1mL/分
分析温度:20℃
検出器:示差屈折計(東ソー株式会社、RI−8021)
試料の注入量:10〜15μL
スクロース、グルコース及びフルクトースを標準物質とした検量線を別途作成し、当該検量線に基づきこれらの糖類の含有量(質量%)を求める。なお、上記カラムは、アミノプロピル基化学結合型シリカカラムであれば、他のHPLCカラムであってもよい。また、上記検出器として、他のHPLC用示差屈折計を用いてもよい。
また、上記測定条件の代わりに、以下の測定条件を用いてもよい。
カラム:トリアコンチル基(C30)化学結合型シリカカラム(野村化学株式会社、Develosil RPAQUEOUS(4.6×250mm))
分離溶媒:水
流速:0.5mL/分
分析温度:50℃
検出器:示差屈折計(東ソー株式会社、RI−8021)
試料の注入量:20〜30μL
スクロース、グルコース及びフルクトースを標準物質とした検量線を別途作成し、当該検量線に基づき、これらの糖類の含有量(質量%)を求める。なお、上記カラムは、トリアコンチル基化学結合型シリカカラムであれば、他のHPLCカラムであってもよい。また、上記検出器として、他のHPLC用示差屈折計を用いてもよい。
「マルトール」とは、上記甘味香の成分の一つである。本発明の糖液のマルトール含有量は好ましくは、糖液の糖類含有量1kgに対し、1〜20mg、好ましくは2〜16mg、より好ましくは3〜12mg、さらにより好ましくは4〜10mg又は4〜10mg未満である。特には、本発明の糖液において、マルトール含有量が好ましくは、前記糖液のブリックス固形分含有量1kgに対し1〜15mg、好ましくは2〜14mg、より好ましくは3〜13mg、さらにより好ましくは4〜10mg又は4〜9.5mgでありうる。マルトール含有量の測定方法は、以下で述べる。マルトール含有量が上記範囲よりも低い場合、甘味香が感じられない。マルトール含有量が上記範囲よりも高くて良いが、マルトール含量が高い糖液は通常着色を有し、特には褐色である。本発明の糖液は、甘味香を有し、特にはべっこう飴のような香りを有しうる。この香りは、マルトールに起因するものでありうるが、他の成分によるものであってもよい。
本発明において、糖液の糖類含有量とは、上記HPLC分析法により測定したスクロース、グルコース、及びフルクトースの合計質量である。また、本発明において、ブリックス固形分含有量とは、糖液をレフブリックス計(RX−5000i―plus、株式会社アタゴ)により測定した測定値を、糖液の固形分含有量(質量%)とみなしたものである。
本発明において、マルトール含有量の測定方法は以下のとおりである。
まず、測定に用いられる各種溶液を以下のとおり用意する。
標準マルトール溶液:マルトール(和光純薬、特級)を100mg/1000mLになるように蒸留水で溶かして得られる。
0.55%鉄溶液:硫酸第二鉄アンモニウム24水塩(和光純薬工業)を1.00g取り、酢酸(和光純薬工業、特級)2mLを加え、100mLになるよう蒸留水で定容して得られる。
酢酸−エタノール液:酢酸(和光純薬工業、特級)23mL及び98.0%エタノール(和光純薬工業)20mLを蒸留水で100mLに希釈して得られる。
1Mチオ硫酸ナトリウム溶液:チオ硫酸ナトリウム(和光純薬工業)24.0gを蒸留水に溶かし、100mLになるように蒸留水で定容して得られる。
0.05N硫酸:1.0N硫酸溶液(和光純薬工業、定量分析用)を蒸留水で希釈して得られる。
測定に用いられるシリカゲルカラムは、Wako Gel S-1(和光純薬工業)に蒸留水を加え、傾斜法で微粒子を除いた後に、直径2.0cm×長さ30cmのガラス管に高さ110mmになるようにつめたものである。
試料(糖液)20gを、300mLの蒸留水に溶かした水溶液を用意する。当該水溶液に、上記0.55%鉄溶液1mLを添加する。当該添加により、マルトール−Fe3+錯体が形成される。当該添加後、当該水溶液を上記シリカゲルカラムに1.0mL/分の流速で通液して、マルトール−Fe3+錯体をシリカゲルに吸着させる。次に、上記1Mチオ硫酸ナトリウム溶液1mLを蒸留水で500mLにした溶液を同流速で通液して、カラムを洗浄する。その後、上記酢酸−エタノール液100mLを通液し、吸着したマルトール−Fe3+錯体を溶出する。溶出液に、上記0.55%鉄溶液2mLを添加し、そしてエバポレーターで濃縮乾固して固形物(以下、「試料固形物」という)を得る。
500mL容量のナスフラスコを5つ用意する。これらナスフラスコに、蒸留水1mL、又は上記標準マルトール溶液0.5mL、1mL、2mL、若しくは4mLをそれぞれ入れる。それぞれのナスフラスコに、上記酢酸−エタノール溶液100mL及び上記0.55%鉄溶液2.00mLを添加し、エバポレーターで濃縮乾固して固形物を得る。当該固形物は、検量線作成のために用いられる。得られた固形物(以下、「検量線用固形物」という)は、マルトールをそれぞれ0μg、50μg、100μg、200μg、又は400μg含む。
上記試料固形物及び検量線用固形物のそれぞれに、上記0.05N硫酸5.00mLを添加し、これらの固形物を溶解する。溶解後、溶解液を0.8μmのメンブレンフィルター(アドバンテック CS080AN)でろ過する。ろ過後、ろ液を10mmセルに入れ、波長522nmでの吸光度を分光光度計(島津製作所UV−1800)で測定する。標準マルトール溶液についての吸光度と標準マルトール溶液中のマルトール量とに基づき、検量線が得られる。得られた検量線と試料固形物の溶解液についての吸光度とに基づき、試料中のマルトール質量が得られる。得られたマルトール質量と上記糖類含有量又は上記ブリックス固形分含有量とに基づき、糖液の糖類含有量1kg又はブリックス固形分含有量1kgに対するマルトール含有量(mg)が算出される。
なお、以下で述べる本発明の組成物のマルトール含有量を測定する場合は、試料(糖液)20gを300mLの蒸留水に溶かした水溶液を用意する代わりに試料(組成物)60gを300mLの蒸留水に溶かした水溶液を用意すること以外は、上記と同じ方法でマルトール含有量を得る。
「5−ヒドロキシメチルフルフラール」(以下、HMFともいう)とは、糖類を加熱したときの着色の指標となる物質であり、また、上記香ばしく且つ甘い香りの成分の中間体でもある。HMFは、はちみつの国際規格の指標の一つでもある。当該国際規格において、はちみつの色の観点から、はちみつ中のHMF含有量は一定量以下であることが要求されている。本発明の糖液において、HMF含有量が好ましくは、前記糖液の糖類含有量1kgに対し50〜500mg、好ましくは70〜450mg、より好ましくは100〜400mgである。また、本発明の糖液において、HMF含有量が好ましくは、前記糖液のブリックス固形分含有量1kgに対し45〜500mg、好ましくは70〜450mg、より好ましくは100〜400mgでありうる。HMF含有量が上記範囲よりも高い場合、糖液の色が濃い褐色になる。HMF含有量は上記範囲よりも低くてよいが、糖液の製造効率の観点から上記範囲の下限値よりも高いものであることが好ましい。
HMF含有量の測定法は、以下のとおりである。まず、HMF含有量を測定したい試料(糖液)を蒸留水で10w/v%に調整する。調整された液を、RQフレックスの試験紙(メルク社、Hydroxymethylfurfural (HMF)-Test、1.17952.0001)に付ける。液を付けた試験紙を、反射式光度計(メルク社、RQflex plus 10、1.16955.0001)に入れ、測定する。測定された値が、当該調整された液中のHMF濃度(mg/L)である。当該HMF濃度と上記糖類含有量又はブリックス固形分含有量とに基づき、糖類含有量1kg又はブリックス固形分含有量1kg当たりのHMF含有量(mg)が算出される。
なお、以下で述べる本発明の組成物のHMF含有量を測定する場合は、最初に、試料(糖液)を蒸留水で10w/v%に調整する代わりに試料(組成物)を蒸留水で10w/v%に調整すること以外は、上記と同じ方法でHMF含有量を得る。
本発明の糖液の色価は、当該糖液のBrixを70°に調整したときに、好ましくは0.01〜1.5、より好ましくは0.05〜1.3、さらにより好ましくは0.1〜1である。当該色価により、本発明の糖液は、無色又は極めて薄い褐色である。すなわち、本発明において糖液が無色又は極めて薄い褐色であるとは、当該色価が上記上限以下であることを意味する。当該色価は、糖液を蒸留水でBrix7°に希釈したものについて420nmの波長及びセル長10mmで測定した吸光度を10倍して得られる。
本発明の糖液のpHは、好ましくは3超〜7であり、より好ましくは3.1〜6であり、さらにより好ましくは3.2〜5でありうる。当該pHが低すぎる場合、当該糖液中のスクロースが転化し、上記スクロースに対するグルコース及びフルクトースの質量割合が維持されない。当該pHが高すぎる場合、糖液に着色が生じうる。pHの測定は、当該糖液そのものをpHメーター(HM−26S、東亜電波工業株式会社)により測定することにより行なわれる。
本発明の糖液の糖類含有量は、糖液の全質量に対して、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは55〜85質量%、さらにより好ましくは60〜80質量%でありうる。当該糖類含有量とは、スクロース、フルクトース、及びグルコースの合計含有量である。当該糖類含有量の値は上記値よりも低くてよいが、甘味料として用いる為に、上記範囲にあることが好ましい。また、糖類含有量が少ないと水分活性が高くなり、微生物汚染されやすくなり、保存性が悪くなる。当該糖類含有量の値は上記値よりも高い場合、糖が析出しやすくなり保存性が悪くなり、また粘度が高くなるため作業性が悪い。糖類含有量は、上記HPLC分析法により測定される。
本発明の糖液のスクロース含有量は、糖液の全質量に対して、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%、さらにより好ましくは20〜45質量%でありうる。本発明の糖液のグルコース含有量は、糖液の全質量に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは7〜30質量%、さらにより好ましくは10〜25質量%でありうる。本発明の糖液のフルクトース含有量は、糖液の全質量に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは7〜30質量%、さらにより好ましくは10〜25質量%でありうる。これらの糖類含有量の計算において、糖は無水物として計算される。これらの含有量は、上記HPLC分析法により測定される。これらの含有量により、糖液中の結晶析出が抑制されうる。
本発明の糖液は、好ましくは合成香料を含まない。合成香料とは、食品添加物のマルトールのように、化学的に合成された香料である。例えば、食品添加物のマルトールはピロメコン酸、ホルマリン及びピペリジンから得られるマンニッヒ塩基を接触還元することにより得られるもの、または発酵法で得られるものである。天然に得られるマルトールとは、単に糖を加熱したときに得られるマルトールである。本発明の糖液は、合成香料を含まないことによって、消費者により好まれ、さらには自然な甘味又は自然な香りを有しうる。
本発明の糖液は、種々の食品又は食品材料に添加されうる。当該添加の結果、食品又は食品材料に、甘味及び甘味香が付与される。さらに、本発明の糖液は無色又はきわめて薄い褐色であるので、食品又は食品材料に本発明の糖液を添加しても、当該食品又は食品材料の色に影響を及ぼさない。さらに、食品又は食品材料に本発明の糖液を添加しても、当該食品又は食品材料に苦味が付与されない。当該糖液を添加される食品又は食品材料は、特に限定されないが、例えば砂糖、すなわちスクロース結晶、他の糖類、菓子類、甘味を有する食品類などを挙げることができる。
例えば、本発明の糖液を、スクロース結晶製品に添加して、甘味香を有する組成物が得られる。すなわち、本発明は、本発明の糖液とスクロース結晶とを含む組成物を提供する。当該スクロース結晶として、例えば上白糖又はグラニュー糖を挙げることができる。当該組成物は、スクロース結晶の質量に対して0.5〜5質量%、特には1〜4質量%の本発明の糖液を含む。当該添加量が少ない場合、組成物に十分な甘味香が付与されない。当該添加量が多い場合、組成物においてカビが生じうる。
当該組成物のマルトール含有量は、組成物の質量1kg当たり好ましくは0.1〜5mg、より好ましくは0.2〜4.5mg、さらにより好ましくは0.3〜4mg、さらにより好ましくは0.4〜3mgである。当該マルトール含有量が、当該組成物の甘味香に寄与していると考えられる。当該マルトール含有量の測定方法は、上記で述べたとおりである。
当該組成物のHMF含有量は、組成物の質量1kg当たり好ましくは10〜100mg、より好ましくは12〜60mg、さらにより好ましくは15〜50mgである、さらにより好ましくは20〜45mgである。当該HMF含有量により、当該組成物の色が無色又は極めて薄い褐色であると考えられる。HMF含有量の測定方法は、上記で述べたとおりである。
当該組成物の色価は、好ましくは20〜500、より好ましくは30〜450、さらにより好ましくは50〜400である。当該組成物の色価の測定方法は以下のとおりである。まず、組成物を蒸留水に溶かしてBrixを50°に調整した溶液を、分光光度計により波長420nmの透過率を測定する。測定された値を、式:AI=(−logT420)÷(b×c)×1000、に入れて、色価(AI)を算出する。当該式において、−logT420は、波長420nmにおける吸光度である。bは、セルの長さ(5cm)である。cは、被検液1mL中に含まれる試料の重量(g/L)であって、被検液について測定したレフブリックス度と各種濃度のショ糖溶液におけるレフブリックス度と比重との関係表(精糖便覧、昭和37年6月30日発行、精糖技術研究会編纂、朝倉書店発行、付表9.a 第518頁)とにより求めたものである。
当該組成物の水分含有量は、好ましくは0.7〜2質量%、より好ましくは0.8〜1.9質量%、さらにより好ましくは1〜1.8質量%である。当該水分含有量が高すぎる場合、組成物が固結しうる。また、水分含有量が高い場合、水分活性が高くなり微生物汚染の原因となりうる。当該水分含有量は低くてもよいが、上記糖液添加量を考慮して、上記下限までとする。水分含有量は、組成物を常圧且つ105℃での3時間の加熱前後の重量減少に基づき算出される。
当該組成物の硫酸灰分は、好ましくは0.0001〜0.01質量%、より好ましくは0.0003〜0.009質量%、さらにより好ましくは0.0005〜0.008質量%である。当該硫酸灰分により、苦味成分である塩類の含有量が確認できる。当該硫酸灰分が上記範囲内にあることで、組成物の苦味及び塩味が少ない。当該硫酸灰分は以下のとおりに算出される。試料10gに対して特級硫酸5mLを添加して炭化した後、650℃で3時間灰化し、硫酸灰分の質量を得る。当該硫酸灰分質量の上記試料の質量に対する百分率が硫酸灰分である。
当該組成物の50質量%水溶液のpHは、好ましくは3.5〜6.5、より好ましくは3.7〜6.3、さらにより好ましくは4〜6である。
当該組成物の還元糖含有量は、組成物の質量に対して、好ましくは2〜5質量%、より好ましくは2.5〜4.5質量%、さらにより好ましくは3〜4質量%である。本発明において還元糖含有量とは、グルコース及びフルクトースの合計含有量である。当該還元糖含有量の測定方法は、メチレンブルー法(製糖技術研究会編「製糖便覧」朝倉書店、昭和37年発行、第6頁)における、試料26gを13gに変更したものである。具体的には、試料13gを秤取し、100mLメスフラスコに移し、蒸留水を加えて溶解し、これに中性酢酸鉛溶液1.0mLを加え、さらに蒸留水を加えて100mLにした後充分振とうし、乾燥ろ紙(ADVANTEC No.2)でろ過する。この脱鉛したろ液を50mLビウレットに採る。別に200mL容量の三角フラスコにフェ−リング溶液10mLを採り、これに蒸留水約40mLと、ビウレットよりフェーリング溶液を完全に還元する見込み量以内の被検液を滴下し、指示薬の褐色化により反応点を定め、1分間以内に滴定を終わらせ、最初より煮沸時間を3分間以内で反応を完了させる。滴定量から次式により還元糖分を算出する。
還元糖分(質量%)=(0.05×f×100)÷(v×w)
v:被検液の滴定量mL
w:被検液1mL中の試料重量=0.13g
f:フェーリング溶液の力価
当該組成物の糖度は、好ましくは90〜99、より好ましくは91〜98、さらにより好ましくは92〜97である。当該糖度は、ジャケット循環型検糖管(200mm)を備えたシュークロメーター(自動検糖計、Dr.Wolfgang Kernchen GmbH)により20℃で測定される。試料(組成物)26.00±0.001gを採取し、蒸留水で100mL溶液に調製したものが、当該測定に付される。
本発明の糖液は、以下1)〜3)の工程を含む方法により製造されうる。
1)加熱工程
本工程において、スクロース水溶液を140〜170℃、好ましくは145〜169℃、より好ましくは150〜168℃になるまで加熱する。当該加熱の結果、カラメル化反応が起こり、水溶液中に、HMF及び、マルトール等の甘味香成分が生成する。上記温度よりも低い場合、カラメル化反応が起こらない。上記温度よりも高い場合、糖類の分解が進みすぎ、苦味物質が生成する。当該加熱は、当該水溶液中にHMFが当該水溶液の糖類含有量1kgに対し50〜500mg、好ましくは70〜450mg、より好ましくは100〜400mg生成するように行なわれる。水溶液中に生成するHMF量が上記範囲よりも高い場合、カラメル化が進みすぎたことになり、得られる水溶液の褐色が濃すぎる。さらに、好ましくない化合物も生成しうる。水溶液中に生成するHMF量が上記範囲を超えないようにする為に、すなわちカラメル化を停止する為に、以下2)で述べる冷却工程が行なわれる。水溶液中に生成するHMF量が上記範囲よりも低い場合は、水溶液中に甘味香成分が十分に生成していないことになる。HMF自体は甘味香成分でないが、HMF量の上記範囲が甘味香成分の生成の指標である。HMFの生成量は、上記のHMF含有量測定方法により測定される。
当該加熱工程は、例えば以下のとおりに行なわれる。約100〜150Lの水に、当該水の1〜5倍、特には2〜4倍の質量のスクロースを添加し、攪拌しながら加熱する。当該加熱工程において使用する釜として、加熱撹拌釜、直火釜、平釜などを任意に用いることができる。加熱温度は特には90〜120℃、より特には100〜110℃である。当該温度で特には5〜40分、より特には10〜30分加熱することにより、スクロースは溶解する。その結果スクロース水溶液が得られる。得られたスクロース水溶液を、140〜170℃、好ましくは145〜169℃、より好ましくは150〜168℃になるまで、例えば60〜120分間、好ましくは70〜110分間、より好ましくは80〜100分間かけて加温する。その結果、上記のHMF量を有する溶液が得られる。得られる溶液は、通常、無色〜淡黄色である。当該糖液の色価は、上記で述べた測定法により測定したときに、好ましくは0.2〜1.5、より好ましくは0.3〜1.2、さらにより好ましくは0.4〜1.0である。なお、水の量及びスクロース濃度に従い、上記水溶液量及び加熱時間は、上記HMF含有量が得られるように、当業者により適宜変更されうる。
上記加熱工程において用いられるスクロースは、任意のスクロースであってよい。当該スクロースとして、例えばグラニュ糖、上白糖、及び三温糖を挙げることができるが、特にグラニュ糖が好ましい。また、加熱に用いられる設備は、当業者に既知のものを用いてよい。上白糖及び三温糖を用いると、グラニュ糖を用いたときよりも着色速度が速いが、甘味香は速く出現しないため、グラニュ糖を用いた方が良い。
2)冷却工程
本工程において、上記1)で得られた水溶液を、140℃未満、好ましくは135℃以下、より好ましくは130℃以下に冷却する。当該冷却の結果、カラメル化反応が停止する。冷却されない場合、カラメル化反応が停止せず、得られる液の褐色が濃くなり且つ苦味が強くなる。
上記冷却工程は、通常、水を添加し、当該液をジャケット付の釜に移送し、ジャケット部に水を通すことにより行なわれるが、当業者に既知の他の手段により行なわれてもよい。冷却後の液の温度の下限についての制限は無いが、次の転化工程における温度を考慮し、製造効率の観点から、当該下限は例えば80℃、90℃、100℃、又は110℃である。すなわち、当該冷却工程では、上記1)で得られた水溶液が、80℃〜140℃未満、90℃〜135℃、又は100℃〜130℃若しくは110℃〜130℃に冷却されうる。なお、以下で、冷却工程後の水溶液を「カラメル化溶液」という。カラメル化溶液のBrixは通常70〜80°、特には72〜78°、より特には74〜76°である。カラメル化反応を停止する為及び冷却の為に水を添加することによって、通常は、このBrixの範囲になる。当該冷却工程は、上記加熱工程におけるHMF生成量を所定範囲内にする為に、好ましくは上記加熱工程の直後に行なわれる。当該カラメル化溶液中の5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量は、当該水溶液中の糖類含有量1kgに対して50〜500mg、好ましくは70〜450mg、より好ましくは100〜400mgである。また、当該カラメル化溶液中の5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量は、カラメル化溶液の質量1kgに対して、好ましくは40〜200mg、より好ましくは50〜190mg、さらにより好ましくは60〜180mgである。当該5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量が上記範囲内にある場合、当該カラメル化溶液に十分な甘味香が付与されている。
3)スクロース転化工程
本工程において、上記2)で得られたカラメル化溶液を55〜85℃、好ましくは60〜80℃、好ましくは62〜78℃、より好ましくは65〜75℃でpH1〜3、好ましくは1.1〜2.9、より好ましくは1.2〜2.8に維持して、当該溶液中のスクロースを転化する。当該転化は、当該カラメル化溶液中にグルコース及びフルクトースを、スクロース100質量部に対して各々30〜90質量部、好ましくは33〜87質量部、より好ましくは35〜85質量部を生成するように行なわれる。当該スクロース、グルコース、及びフルクトースの質量割合により、本発明の糖液における結晶析出が抑制される。当該質量割合は、上記で述べたHPLCにより測定された各糖類の含有量に基づき計算される。上記温度範囲よりも高いまたは低い場合、反応時間の調整が難しく非効率的である。上記pH範囲によりも高い場合、スクロースは転化しない。上記pH範囲よりも低くてよいが、製造効率の観点から、上記下限までとする。
スクロース転化工程は、例えば以下のとおりに行なわれる。上記2)で得られたカラメル化溶液の量が約1000kgである場合、カラメル化溶液を50〜80℃、好ましくは55〜85℃、好ましくは60〜80℃、より好ましくは65〜75℃で、10〜50分間、好ましくは15〜45分間、より好ましくは20〜40分間、pH1〜3、好ましくは1.1〜2.9、より好ましくは1.2〜2.8に維持することにより行なわれる。これらの温度及び処理時間により、効率的にスクロースの転化が行なわれる。当該カラメル化溶液のpHを1〜3に調整することは、当業者に既知の手段により行なわれてよいが、例えば酸を添加することにより行なわれる。当該酸は例えば塩酸及び硫酸 などであるが、特に塩酸が好ましい。用いられうる塩酸の濃度は通常5〜15質量%、より特には7〜13質量%である。上記転化工程後の溶液の転化率は、好ましくは40〜70質量%、より好ましくは42〜68質量%、より好ましくは45〜65質量%、さらにより好ましくは50〜60質量%である。当該転化率は、転化工程後の溶液の糖類含有量(スクロース、グルコース、及びフルクトースの合計質量)に対するグルコース及びフルクトースの合計質量の割合である。
上記転化工程は好ましくは中和工程を含む。当該中和工程は、カラメル化溶液のpHを、好ましくは3.5〜7、より好ましくは3.6〜6.5、さらにより好ましくは3.7〜6に調整することにより行なわれる。当該中和工程により、上記スクロースの転化が停止する。当該pH調整は、当業者に既知の手段により行なわれてよいが、例えば塩基を添加することにより行なわれる。当該塩基は例えば、重曹水溶液及び水酸化ナトリウム水溶液などであるが、特に重曹水溶液が好ましい。用いられうる重曹溶液の濃度は通常1〜10質量%、より特には3〜8質量%である。当該塩基を添加しながら又は当該塩基の添加後、カラメル化溶液全体を満遍なく中和する為に、pHを確認しながら通常は1〜30分間、特には3〜20分間、より特には5〜15分間カラメル化溶液は攪拌される。当該中和工程後のカラメル化溶液のpHは好ましくは4±0.5であり、また、当該溶液のBrixは好ましくは71±1°である。
本発明の製造方法において、上記転化工程後、さらにろ過工程が行なわれうる。当該ろ過工程は、当業者に既知の手段により行なわれてよい。当該ろ過工程により加熱工程における焦げなどが除去されうる。通常はそのような焦げは生じないのでろ過工程は行なわれなくてもよい。当該ろ過に用いられる篩の目開きは、糖液の所望の品質に従い適宜選択されてよいが、例えば50〜500mesh、特には100〜300meshである。
下記に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものでない。
下記の実施例において測定された各種値の測定方法は以下のとおりである。
Brixは、レフブリックス計(RX−5000i―plus、株式会社アタゴ)により測定された。
pHは、試料をイオン交換水で5倍希釈したものをpHメーター(HM−26S、東亜電波工業株式会社)により測定した。
吸光度は、試料をイオン交換水で10倍希釈したものを分光光度計(UV−1800、島津製作所)により測定した。
(糖液の製造)
1)カラメル化処理
グラニュ糖390g及び水120mLを2.5L容量のなべ(直径18cm)に入れ、ヘラで攪拌しながらIHヒーター(型番:ZEHCZ6H10QSW、クリナップ株式会社)加熱してグラニュ糖を溶解し、スクロース溶液を得た。すべてのグラニュ糖が溶解するまで約5分を要した。すべてのグラニュ糖が溶解したときの溶液の温度は約103℃であった。当該溶液をさらに加熱し、当該溶液の温度をさらに上げ、当該溶液の温度が160℃を超えた段階で加熱を終了し、加熱終了時の液温は165℃であった。加熱に要した時間は30分間であった。加熱終了時の溶液は淡黄色を有し、その液面は泡立っていた。
2)冷却処理
カラメル化反応を止める為、上記1)で得られた溶液に、加熱終了直後に水を約80mL添加して、当該溶液を冷却した。さらに、水を添加し、溶液のBrixを73°に調整した。水の添加により、溶液の温度は165℃から120℃に低下した。以上により、1バッチ当たり約500gの液(以下、「カラメル化溶液」という)が得られた。
得られたカラメル化溶液について、水溶液中のHMF含有量(mg/kg)、Brix固形分当たりのHMF含有量(mg/kg)、糖類含有量当たりのHMF含有量(mg/kg)、Brix、色価、還元糖含有量、スクロース(Suc)、グルコース(Glu)、及びフルクトース(Fru)の含有量、並びにpHを測定した。測定結果を以下の表1に示す。なお、表1には、以下で述べる実施例2〜5におけるカラメル化溶液についての測定結果も示されている。
Figure 2013179864
3)転化処理
上記カラメル化溶液(約450g)を2.5L容量のなべ(直径約18cm)に移した。当該なべに移した後のカラメル化溶液の温度は105℃であった。当該カラメル化溶液を、70±5℃に設定した恒温槽(デジタルウォーターバスSB-1000、東京理科器械株式会社)にて冷却、保温した。5質量%塩酸0.57mLをカラメル化溶液に添加した。添加後、30分間当該カラメル化溶液を穏やかに攪拌して、スクロース転化を行なった。当該転化の間の当該カラメル化溶液のpHは約2.0であった。当該30分の攪拌の後、5質量%の重曹水溶液を、pHを確認しながらpH4.0になるまで当該カラメル化溶液に添加した。当該添加後、10分間さらに攪拌を行い、転化処理が行なわれた糖液(「実施例1の糖液」という)を得た。攪拌後、国際標準ふるい(200mesh、JIS Z8801−1982、東京スクリーン株式会社)でろ過し、マヨネーズ瓶(460.5mL容、中栓付き、東静容器株式会社)に充填し、液温が30℃以下になるまで水冷した。水冷後、実施例1の糖液のpHを測定したところ、pHは4.0であった。また、実施例1の糖液のBrixは70.1であった。実施例1の糖液の色価は0.472であった。
実施例1の1)カラメル化処理における加熱終了時の液温が163℃であったこと以外は実施例1と同じ方法で糖液(「実施例2の糖液」という)を得た。実施例2の糖液のBrixは69.5であった。実施例2の糖液の色価は0.481であった。
実施例1の1)カラメル化処理における加熱終了時の液温が168℃であったこと以外は実施例1と同じ方法で糖液(「実施例3の糖液」という)を得た。実施例3の糖液のBrixは70.2であった。実施例3の糖液の色価は0.840であった。
実施例1の1)カラメル化処理における加熱終了時の液温が165℃であったこと以外は実施例1と同じ方法で糖液(「実施例4の糖液」という)を得た。実施例4の糖液のBrixは70.0であった。実施例4の糖液の色価は0.524であった。
実施例1の1)カラメル化処理における加熱終了時の液温が167℃であったこと以外は実施例1と同じ方法で糖液(「実施例5の糖液」という)を得た。実施例5の糖液のBrixは70.6であった。実施例5の糖液の色価は0.719であった。
(比較例1)
実施例1の1)カラメル化処理における30分間の加熱時の溶液の温度が170℃を超えたところで加熱を止めたこと及び加熱終了時の液温が177℃であったこと以外は実施例1と同じ方法で糖液(「比較例1の糖液」という)を得た。
(比較例2)
実施例1の方法と以下の点で異なる方法により糖液(「比較例2の糖液」という)を得た。
上記2)冷却処理において、カラメル化処理直後の水の添加量を50mLにし、その後水を添加することにより、溶液のBrixを77に調整した。
上記3)転化処理において、転化処理時間を30分から60分に変更した。
(比較例3)
3)の転化処理時間を120分としたこと以外は、実施例1と同じ方法で糖液(「比較例3の糖液」という)を得た。
(試験例1)糖液の分析
実施例1〜5の糖液及び比較例1〜3の糖液中について、Brix固形分含有量当たりのマルトール含有量及びHMF含有量、糖類含有量当たりのマルトール含有量及びHMF含有量、スクロース、グルコース、及びフルクトースの含有量、色価、におい、並びにpHを測定した。
上記測定を、市販のシロップについても行なった。用いたシロップは、キャラメルシロップ(MONIN)、キャラメルシロップ(STASERO)、メロウシラップS-5(仙波糖化)、コク味シラップS(仙波糖化)、ローストシロップOMC(森田フードシステム)、カラメルシロップPR-85(森田フードシステム)、プリンシラップ No.258A(池田糖化)、プリンシラップ No.595A(池田糖化)、カラメル(着色料、S-65) (森田フードシステム)である。
以下の表2A〜Cに、実施例1〜5の糖液及び比較例1〜3の糖液の測定結果及び上記市販のシロップの測定結果を示す。
Figure 2013179864
Figure 2013179864
Figure 2013179864
(試験例2)苦味についての官能検査
実施例1〜5の糖液、比較例1の糖液、及び上記試験例1で用いた市販のシロップについて、苦味についての官能検査を行なった。検査方法は以下のとおりである。まず、実施例1の糖液を水でBrix10に調整した溶液(以下「基準溶液」という)をパネラー10人に飲ませる。当該溶液について、苦味が無く甘味のみであることを確認した。次に、他の糖液及び市販のシロップについても同様にBrixを10に調整した溶液を用意した。基準溶液の味を1とした場合の、他の糖液及び市販のシロップについての各溶液の味を、以下の5段階で評価した。1:苦味は無い(甘味のみ)、2:苦味が有ることを感じるが非常に少ない、3:はっきりとした苦味がある、4:やや強い苦味がある、5:非常に強い苦味が有る。10人のパネラーの評価結果の平均値を表3に示す。
Figure 2013179864
表3に示されるとおり、実施例1〜5の糖液は苦味を有さなかった。比較例1の糖液は、はっきりとした苦味〜やや強い苦味を有する。市販のシロップのうち、コク味シロップ、カラメルシロップ、及びプリンシラップはやや強い苦味を有する。
(試験例3)結晶析出試験
実施例1〜5の糖液、比較例2〜3の糖液、及び上記試験例1で用いた市販のシロップについて、結晶析出試験を行なった。試験方法は以下のとおりである。上記糖液及びシロップを、4℃に設定された冷蔵庫に入れて1ヶ月間保存した後の液中の結晶析出の状況を目視により確認した。試験結果を表4に示す。
Figure 2013179864
表4に示されるとおり、実施例1〜5の糖液は結晶析出が認められなかった。比較例2及び3の糖液及びローストシロップは、結晶(白い砂糖の結晶)が析出した。他の市販のシロップは、結晶析出が認められなかった。
実施例1の糖液を砂糖(上白糖C、三井製糖株式会社)に添加して組成物(以下、「実施例6の組成物」という)を得た。当該糖液の添加量は、砂糖100質量部に対して2.5質量部であった。すなわち、当該組成物は、97.6質量%のスクロース結晶と2.4質量%の実施例1の糖液とを含む。
実施例6の組成物の、組成物重量当たりのマルトール量及びHMF量を測定した。さらに、実施例6の組成物の色価、水分含有量、糖度、還元糖含有量、及び硫酸灰分含有量、並びに当該組成物の50質量%水溶液のpHを測定した。これらの測定を、市販の上白糖(上白糖C、三井製糖株式会社)、三温糖4種(三温糖C、三井製糖株式会社;三温糖(カラメル入り)、日新製糖;三温糖(カラメル入り)、大日本明治製糖;三温糖(カラメル入り)、日本甜菜糖)、黒砂糖(粉末黒砂糖、三井製糖)、及びブラウンシュガー(粉末やんばる糖、三井製糖)についても行なった。測定結果を以下の表5に示す。
Figure 2013179864
表5から、実施例6の組成物は、市販の三温糖のいずれよりもHMF含有量が高いこと、三温糖、黒砂糖及びブラウンシュガーのいずれよりも色価が低いことが分かる。また、実施例6の組成物は、黒砂糖及びブラウンシュガーのいずれよりも、HMF含有量が低いことが分かる。
(試験例1)
水1Lに対し0.025質量%の実施例1の糖液又は転化型液糖(DLI、三井製糖株式会社)を添加した茹で汁で各野菜(大根、ピーマン、ゴーヤ、及びジャガイモ)を茹でた。
得られた茹で野菜の味を評価したところ、以下表6のとおりであった。
Figure 2013179864
(試験例2)
実施例1の糖液又は上記転化型液糖を用いて、通常の方法に従い、カスタードクリーム、みたらし団子のタレ、餡子、マシュマロ、及びブタの角煮を製造した。
製造された各種食品の味を評価したところ、以下表7のとおりであった。
Figure 2013179864
(試験例3)
ステビア、パラチニット(登録商標)、エリスリトール、又はキシリトールの水溶液を用意した。各水溶液中の各糖の含有量はそれぞれ、0.035質量%、14質量%、13質量%、及び7質量%とし、計算上ショ糖7%と同等の甘味度に揃えた。これらの水溶液に、実施例1の糖液をさらに添加した水溶液と添加していない水溶液とを調製した。実施例1の糖液の添加量は上記4種の水溶液についてそれぞれ、0.17質量%、0.17質量%、0.1質量%、及び0.1質量%であった。
得られた各水溶液の味を評価したところ、以下表8のとおりであった。
Figure 2013179864
(試験例4)
水1Lに対し1質量%の実施例6の組成物又は上白糖(三井製糖株式会社)を添加した茹で汁で各野菜(大根、ピーマン、ゴーヤ、ジャガイモ、にんじん、もやし、ホウレン草、しいたけ、及びブロッコリー)を茹でた。
得られた茹で野菜の味を評価したところ、以下表9のとおりであった。
Figure 2013179864
(試験例5)
実施例6の組成物又は上白糖(三井製糖株式会社)を用いて、通常の方法に従い、リンゴコンポート、人参甘露煮、サツマイモ甘露煮、かぼちゃ甘露煮、スイートポテト、カラメルソース、プリン、生キャラメル、クッキーを製造した。
製造された各種食品の味を評価したところ、以下表10のとおりであった。
Figure 2013179864

Claims (7)

  1. 50〜90°のBrixを有し且つ少なくともスクロース、グルコース、フルクトース、マルトール、及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを含む糖液であって、
    スクロース100質量部に対してグルコース及びフルクトースを各々30〜90質量部含む、前記糖液。
  2. 前記糖液の糖類含有量1kgに対するマルトール含有量が1〜20mgである、請求項1に記載の糖液。
  3. 前記糖液の糖類含有量1kgに対する5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量が50〜500mgである、請求項1又は2に記載の糖液。
  4. Brixを70°に調整したときの前記糖液の色価が0.01〜1.5である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖液。
  5. スクロース結晶を95〜99.5質量%含み且つ請求項1〜4のいずれか1項に記載の糖液を0.5〜5質量%含む組成物。
  6. 50〜90°のBrixを有し且つ少なくともスクロース、グルコース、フルクトース、マルトール、及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを含む糖液であって、スクロース100質量部に対してグルコース及びフルクトースを各々30〜90質量部含む前記糖液を製造する方法であって、
    スクロース水溶液を140〜170℃に加熱して、当該水溶液中に少なくともマルトール及び5−ヒドロキシメチルフルフラールを生成する工程、
    当該加熱後に、当該水溶液の温度を140℃未満に冷却する工程、そして
    当該冷却された水溶液を55〜85℃且つpH1〜3で維持して、当該水溶液中のスクロースをグルコース及びフルクトースに転化する工程
    を含み、
    前記転化する工程後の水溶液中のグルコース及びフルクトースの含有量が、スクロース100質量部に対して各々30〜90質量部である、
    前記方法。
  7. 前記冷却された水溶液の5−ヒドロキシメチルフルフラール含有量が、当該水溶液の糖類含有量1kgに対して50〜500mgである、請求項6に記載の方法。


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