JP2013178155A - 機器分析データ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】GC測定とにおい嗅ぎ装置による官能評価とをともに行う装置において、微量でもにおいに対する影響の大きな重要な成分を見逃すことを回避し、的確な評価や解析を可能とする。
【解決手段】クロマトグラムデータ記憶部11にはカラム3により分離された各成分を検出器5で検出して得られたデータが格納され、官能評価結果記録部8にはパネルPがリアルタイムで評価したにおい強度の変化を示すデータが格納される。補正演算部12は、各成分に対する官能評価結果に基づき、少量でありながら強い刺激を与える成分の信号強度が相対的に増加するように、クロマトグラム上の各ピークの信号強度を修正する。これにより、官能評価結果を反映したクロマトグラムが得られるので、微量でもにおいに影響を与える成分を的確に把握することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料に対し機器分析を実行して得られたデータを処理するデータ処理装置に関し、さらに詳しくは、におい、食味、食感などの人間による官能・感性評価の結果が与えられる機器分析データを処理するデータ処理装置に関する。
試料に含まれる各種のにおい成分を分析する際に、水素炎イオン化検出器(FID)や質量分析装置(MS)を検出器としたガスクロマトグラフ装置(GC−FID、GC−MS)などがよく利用されている。しかしながら、こうした分析装置を用いた機器分析では、においを揮発性化学物質として捉えて定量化するのでにおいの原因物質を特定するなどの目的には有効であるものの、分析結果は人間の官能的な評価とは必ずしも一致しない。そのため、例えば実際上問題とはならないにおいについて原因となる物質の解析に時間を費やしてしまう、或いは逆に、量はごく僅かであるが問題となるにおいの原因物質を見逃してしまう場合がある。
こうした機器分析の欠点を補うため、GCに装着して使用するにおい嗅ぎ装置が従来知られている(非特許文献1、特許文献1など参照)。この装置を用いれば、GCのカラムで分離された試料成分をFID等の検出器で検出するのと並行して、におい嗅ぎノズルから放出される各試料成分のにおいを評価者(パネル)が嗅ぎ、リアルタイムでにおいの強さ等の情報を入力することができる。そして、こうして入力された情報に基づき、時間経過に伴うにおいの強さの変化を示すグラフを作成することが可能である。一般には、こうして得られたにおい強度グラフとGCで得られたクロマトグラムとを対応付けて、分析担当者がにおいの評価やにおいの原因の解析等を行うようにしている。
しかしながら、におい物質の中にはごく僅かな量でも人間に強い刺激を与えるものもあり、GCの検出器の感度が不充分である場合、こうしたにおい物質を原因物質として特定することができないおそれがある。また、特に多数の成分が含まれているような複雑な試料では、官能評価結果を的確に分析結果に反映させることが難しく、においにあまり影響を及ぼさないものの存在量が大きい成分に着目してしまって重要な微量成分の影響を見逃してしまうおそれがあった。
なお、同様の問題は、GCを用いたにおいの解析のみならず、例えば分取LCを用いた食味解析などでも起こり得る。また、人間の嗅覚や味覚による官能評価のみならず、例えばGCで分離した成分による人間の皮膚や眼などに対する温覚、冷覚、痛覚などの刺激を評価・解析する場合にも起こり得る。
特開2010−185732号公報
「におい嗅ぎGC/GCMSシステム(Sniffer-9000)」、株式会社島津製作所、[平成24年2月10日検索]、インターネット<URL: http://www.an.shimadzu.co.jp/prt/snf/snf1.htm>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、人間の官能・感性評価結果を的確に反映させた分析結果を得ることができる機器分析データ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、試料に含まれる複数の成分を所定の一次元軸方向に分離する成分分離手段と、該成分分離手段により所定の一次元軸方向に分離された各成分に対し物理的又は化学的な測定を行ってそれぞれ信号量を取得する測定手段と、前記成分分離手段により分離された各成分が有する特徴を人間が官能的又は感性的に評価して評価結果を記録するための官能評価手段と、を具備する分析装置により得られたデータを処理する機器分析データ処理装置であって、
前記測定手段により得られた成分毎の測定結果に対し、前記官能評価手段による評価結果に基づく重み付けをそれぞれ行って修正した信号量を求める演算手段、を備えることを特徴としている。
本発明に係る機器分析データ処理装置の一態様としては、前記分析装置にあって、前記成分分離手段は試料中の複数の成分を時間軸方向に分離するクロマトグラフであり、前記測定手段は前記クロマトグラフの検出器であり、前記官能評価手段は、前記クロマトグラフにより分離された各成分による人間の各種感覚への刺激の強さを人間が官能評価するための手段であり、さらに前記演算手段は、修正された信号量に基づくクロマトグラムを作成し出力する構成とすることができる。より具体的な態様としては、前記クロマトグラフはガスクロマトグラフであり、前記官能評価手段は各成分が有するにおいの強さを人間が官能評価するためのものとすることができる。
上記官能評価手段は、試料中の各種成分を人間の感覚器、例えば鼻、口(舌)、目、皮膚等に与えるインターフェイス手段と、人間が官能的又は感性的な評価結果を入力する入力手段と、入力された情報を蓄える記録手段と、を備えるものとすることができる。
本発明に係る機器分析データ処理装置において、演算手段は例えば、各成分に対する測定により得られた信号量について、官能評価手段による各成分に対する評価結果に基づき、少量でありながら強い刺激を与える成分の信号量が相対的に増加するように、各成分の信号量を修正する。具体的には、測定結果と官能評価結果とから、各成分が同一量であるとしたときの官能的な刺激の強度値の換算値を求め、その換算値の比に基づいて修正のための係数を算出し、各成分に対する信号量にそれぞれの係数を乗じることで信号量を修正すればよい。
上記測定手段により得られるデータが、時間経過に伴う信号量(信号強度)の変化を示すクロマトグラムを構成するデータである場合には、その各時間毎の信号量に対し、その時間に現れる成分に対するにおい強度等に基づいて算出された修正のための係数を乗じることにより、官能評価結果に応じて修正されたクロマトグラムを作成することができる。
また、上記演算手段は、成分分離手段により分離された成分毎に、同じ試料に対して測定により得られた信号量と官能評価手段により得られた評価結果とに基づき、単位信号量当たりの官能評価値を求め、他の試料に対する測定により同成分の信号量が得られたときに、該信号量に上記単位信号量当たりの官能評価値を乗じることで、官能評価結果を反映した信号量を算出するようにしてもよい。単位信号量当たりの官能評価値を求める際には、複数の成分を含む混合試料を用い、それら複数の成分を成分分離手段により分離して測定するようにしてもよいが、そのほか、成分毎に濃度が既知である標準試料を測定するようにしてもよい。この構成によれば、混合試料又は標準試料を用いて予め求めておいた単位信号量当たりの官能評価値を参照することで、別の試料中の同成分の信号量を官能評価結果に応じて修正することができる。
またより単純な構成としては、上記演算手段は、各成分に対する測定により得られた信号量にそれぞれ官能評価値、例えば官能評価によるにおい強度値を乗じることで、信号量を修正してよい。この構成によれば、信号量が大きくても官能評価値がゼロである成分は、その信号量がゼロに修正される。したがって、例えばにおいなどに対する寄与が実質的にない成分をノイズとみなして除去することができる。
本発明に係る機器分析データ処理装置によれば、人間の官能評価結果を的確に反映した測定結果、例えばクロマトグラムを得ることができる。こうしたクロマトグラムでは例えば、含有量はごく僅かであっても嗅覚等に対し強い刺激を与える成分のピークは高くなり、逆に含有量は多くても嗅覚等に対して与える刺激が弱い成分のピークは相対的に低くなる。それにより、例えばにおいの評価や原因解析等の際に重要な成分を見逃したり軽視したりすることを回避でき、正確で的確な評価や解析が可能となる。
本発明に係る機器分析データ処理装置を用いたシステムの一実施例であるにおい解析システムの概略構成図。 本実施例のにおい解析システムにおいて官能評価結果を用いた信号強度補正演算の概略説明図。 本発明の他の実施例のにおい解析システムにおいて官能評価結果を用いた信号強度補正演算の概略説明図。 GC−FIDによる実測クロマトグラムとGC−Oによる官能評価グラフの一例を示す図。
以下、本発明に係る機器分析データ処理装置を用いたシステムの一実施例であるにおい解析システムについて、添付図面を参照して説明する。図1はこのにおい解析システムの概略構成図である。
本実施例のにおい解析システムにおいて、ヘリウム等のキャリアガスは試料気化室1を経てカラム3に供給される。カラム3は温調されるカラムオーブン2内に配設されている。試料気化室1中に微量の試料液が滴下されると、該試料液は短時間で気化し、キャリアガス流に乗ってカラム3中に送り込まれる。試料に含まれる各種成分はカラム3を通過する間に時間的に分離される。分離された各種成分を含む試料ガスの一部はFID等の検出器5に到達し、検出器5はそれぞれの成分の含有量(濃度)に応じた強度の検出信号を時々刻々と出力する。一方、カラム3で分離された各種成分を含む試料ガスの一部はスプリッタ4により分岐されて、におい嗅ぎノズル6から放出される。
パネルPはにおい嗅ぎノズル6から吐出される試料ガスを嗅ぎながら、においの感覚的な強度とどのような種類のにおいであるのかを入力部7からリアルタイムで入力する。入力された情報は官能評価結果記録部8に格納される。検出器5から出力される検出信号は図示しないA/D変換器でデジタルデータに変換された後にデータ処理部10においてクロマトグラムデータ記憶部11に格納される。即ち、多数の成分を含有する1つの試料に対する測定が実行されるとき、クロマトグラムデータ記憶部11には、試料気化室1への試料注入時を起点とする時間の経過に従って、カラム3出口に順次現れる成分の量の変化に対応した一連のクロマトグラムデータが格納される。これと並行して、官能評価結果記録部8には、時間の経過に従ってカラム3出口に順次現れる成分が有する官能的なにおいの強度の変化を示すデータが格納される。
図4は、GC−FIDによる実測のクロマトグラム(a)とGC−O(におい嗅ぎ装置)による官能評価グラフ(b)の一例を示す図である。図4(a)、(b)の横軸は共通の時間軸であり、図4(b)の縦軸はパネルPが感じるにおいの強度である。例えば、リモネン(Limonene)により感じるレモン臭は、その成分の含有量に比べてかなり弱いことが分かる。逆に、スカトール(Skatole)による感じる糞便臭は、その成分の含有量に比べてかなり強いことが分かる。この両者を併せて見れば、分析担当者は解析対象試料の傾向等を定性的に或る程度把握することはできるものの、定量的な理解はしにくい。また、この例では、スカトールが微量ながら検出されているが、検出条件等によってはこれがノイズに埋もれてしまって検出できない場合もあり得る。
そこで、本実施例のにおい解析システムでは、データ処理部10において官能評価結果補正演算部12が以下に説明するような特徴的な演算処理を実行することにより、官能評価結果を反映したクロマトグラムを作成し、これがモニタ等の出力部13に出力されて描画されるようになっている。図2は本実施例のにおい解析システムにおける官能評価結果を用いた信号強度補正演算処理の一例の概略説明図である。
補正演算処理の実行が指示されると、官能評価結果補正演算部12はクロマトグラムデータ記憶部11から目的試料に対する一連のクロマトグラムデータを読み出し、官能評価結果記録部8から該目的試料に対する官能評価データを読み出す。そして、クロマトグラムに現れているピーク毎、及び官能評価グラフに現れているピーク毎に、官能評価結果を反映した補正係数を算出する。即ち、いま図2(a)左部に示すように、クロマトグラム上に、信号強度がaでありにおい強度がAであるピークと、信号強度がbでありにおい強度がBであるピークとの2つのピークが存在するものとする。信号強度は含有量を反映しているから、含有量が同じであると仮定したときのにおい強度を算出するには、におい強度Bに信号強度a、bの比である規格化係数を乗じればよい。したがって、含有量が同じであると仮定したときのにおい強度Bは、
B’=B×(a/b)
となる。
図2(a)に示したようにa>bであれば、a/b>1であるから、B’>Bである。つまり、成分量の規格化により、におい強度BはB’に増加する。そして、信号強度がbであるピーク(成分)に対する補正係数Nは、におい強度Aと修正されたにおい強度B’との比であるから、
N=B’/A=[B×(a/b)]/A
である。同様の手法で、クロマトグラム上の或る1つのピークの信号強度を基準としたときのそれ以外の各ピークの補正係数を求めることが可能である。例えばクロマトグラム上で最大強度を示すピークをこの基準とすればよい。含有量が少ないにも拘わらずにおい強度が相対的に高い成分ほど、補正係数Nは大きくなる。
上述のように各成分の補正係数Nが求まったならば、図2(b)に示すように、信号強度bに補正係数Nを乗じて、修正された信号強度b’を算出すればよい。即ち、
b’=b×N=b×{[B×(a/b)]/A}=(B/A)×a
であるから、実際の計算上では、補正係数Nをいちいち求めることなく、上記計算式に基づき、信号強度a、b及びにおい強度A、Bから修正された信号強度b’を算出すればよい。全てのピーク又は成分について同様の計算を行うことで、官能評価結果に基づいて修正された信号強度を得ることができる。また、これを元の時間軸に沿って並べることで修正後のクロマトグラムを作成することができる。これにより、例えば図4の例でいえば、図4(a)に示したクロマトグラム上のスカトールのピークの強度は大きく増加し、リモネンのピーク強度は下がることになる。
分析担当者はこうして修正されたクロマトグラム上で各成分を定量的に比較して、例えば試料が持つにおいに寄与する化合物を把握したり複数の化合物の寄与度合いなどを調べたりすることができる。
なお、上記実施例の説明では、検出器5による測定と並行してパネルPによる官能評価を行うようにしていたが、両者は必ずしも同時に実行される必要はない。即ち、GCのカラム3により分離された成分が検出されるタイミングと合わせた官能評価結果が得られてさえいれば、上記のような演算が可能であることは明らかである。
また、上記実施例の場合には、成分が特定されていない場合であってもクロマトグラムの修正が可能であるが、成分が特定されている(つまり既知である)場合には、予め求めておいた補正係数Nを利用することができる。即ち、例えば複数の成分が含まれる標準試料について測定及び官能評価を実行して、各成分の補正係数を算出しておく。そして、目的試料を測定して得られたクロマトグラム上の既知成分のピークについて、該成分に対応する補正係数を利用して強度を補正すればよい。
また、官能評価は必ずしもGC等のクロマトグラフによる成分分離の順序で行う必要はない。例えば、GC等のクロマトグラフで分離された成分を含む試料を時間経過毎に分取し、その分取された複数の試料に対する官能評価をそれぞれ実行すれば、各成分に対する官能評価結果を求めることが可能である。この場合、クロマトグラフにより分離された成分の溶出の順序と官能評価の順序とは無関係である。
また、上記実施例における信号強度補正演算処理では、1つの成分の信号強度が修正されるだけでなく、異なる成分同士の相対的な強度、つまりは強度比がそれら成分の官能評価結果に応じて修正される。これに対し、より簡単に、各成分の信号強度が各成分の官能評価結果に応じてのみ、つまりは他の成分の官能評価結果とは無関係に修正されるようにしてもよい。図3は上記実施例とは異なる信号強度補正演算処理の概略説明図である。
いま、成分αと成分βとを含む混合試料を測定した結果、図3(a)左部に示すように、信号強度がaでありにおい強度がAである成分α由来のピークが保持時間Taの位置に存在し、信号強度がbでありにおい強度がBである成分β由来のピークが保持時間Tbの位置に存在するクロマトグラムが得られたものとする。ここでは、成分毎に、単位信号量(信号強度)当たりのにおい強度を算出する。即ち、成分αの単位信号量当たりのにおい強度はA/aであり、成分βの単位信号量当たりのにおい強度はB/bである。こうして得られた単位信号量当たりのにおい強度値は例えば図3(a)右部に示すようなテーブル形式にまとめられて、官能評価結果補正演算部12内部のメモリに参照データとして格納される。
そして、別の試料に対する測定が実行されたとき(このときにはパネルPによる官能評価は不要)に、その測定で得られたクロマトグラム上に、成分αのピークが観測されたならば、内部メモリに格納していた参照データ中の成分αに対する単位信号量当たりのにおい強度値A/aを読み出して、これをピークの信号強度a’に乗じることで信号強度を補正する(図3(b)参照)。成分βが検出された場合には、参照データ中の成分βに対する単位信号量当たりのにおい強度値B/bを読み出して、これを用いて成分β由来のピークの信号強度を修正すればよい。
なお、単位信号強度当たりのにおい強度値を算出する際には、成分α、成分βを含む混合試料を使用する代わりに、成分α、成分βをそれぞれ含む標準試料を使用してもよい。また、図3(a)では成分αと成分βとが時間方向に分離されているが、検出器5として質量分析計を用いれば、複数の成分を質量電荷比方向に分離して検出することができるから、仮に保持時間が近接した複数の成分でも各成分に対応した質量電荷比におけるマスクロマトグラムを利用してピーク強度を求めることで同様の処理が可能である。
この実施例では、測定対象成分の単位信号強度当たりのにおい強度値を一旦求めておきさえすれば、該成分を含む別の試料を測定する際には、並行して官能評価試験を行わなくても済む。一般に、GCのカラムで分離した各種成分の官能評価試験は人間が長時間継続して行う必要があり、しかも、正確をきすためには複数の人間が評価する必要がある。そのため、評価者の負担は大きく、測定の機会もかなり限定される。これに対し、上記のように参照データを利用して信号強度を修正することで、官能評価試験を並行して実行しなくても、一般的なにおいの解析等には充分な、擬似的に官能評価を反映した測定結果を得ることができる。
また、より簡便な信号強度補正演算手法としては、成分毎に、官能評価で得られたにおい強度値を信号強度に乗じる、つまり、図3(a)の例でいえば、成分αに対してa×Aを求め、成分βに対してb×Bを求めるようにしてもよい。こうした乗算により、におい強度値がゼロである場合には、その成分の信号強度に拘わらず修正後の信号強度はゼロになる。したがって、官能評価の結果、においに全く寄与しない成分をクロマトグラム等の測定結果から除外することができ、一種のノイズ除去として機能する。即ち、官能評価結果を反映して解析すべき成分の数を減らすことができるので、解析の効率アップ等に有用である。
また、上記実施例は本発明をにおいの測定に利用したものであるが、同様の手法を人間の他の感覚に対する刺激を測定する場合にも利用することができる。例えば、試料中に含まれる成分の眼などに対する刺激、つまりは眼に染みるといった刺激の強さを官能的に評価した結果を利用してクロマトグラム等の測定結果を修正するようにしてもよい。また、クロマトグラフとしてLCを用い、LC測定の結果得られたクロマトグラムを、試料に対する食味の官能評価結果を利用して修正するといった応用も考えられる。なお、この場合、LCで分離された成分を含む試料の味をリアルタイムで評価するのは難しいため、上述したように一旦試料を分取して各成分が含まれる試料を調製した上で官能評価を行うと都合がよい。
また、上記実施例は本発明の一例であって、上記の各種変形例以外で、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正、変更、追加などを行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…試料気化室
2…カラムオーブン
3…カラム
4…スプリッタ
5…検出器
6…におい嗅ぎノズル
7…入力部
8…官能評価結果記録部
10…データ処理部
11…クロマトグラムデータ記憶部
12…官能評価結果補正演算部
13…出力部
P…パネル

Claims (3)

  1. 試料に含まれる複数の成分を所定の一次元軸方向に分離する成分分離手段と、該成分分離手段により所定の一次元軸方向に分離された各成分に対し物理的又は化学的な測定を行ってそれぞれ信号量を取得する測定手段と、前記成分分離手段により分離された各成分が有する特徴を人間が官能的又は感性的に評価して評価結果を記録するための官能評価手段と、を具備する分析装置により得られたデータを処理する機器分析データ処理装置であって、
    前記測定手段により得られた成分毎の測定結果に対し、前記官能評価手段による評価結果に基づく重み付けをそれぞれ行って修正した信号量を求める演算手段、を備えることを特徴とする機器分析データ処理装置。
  2. 請求項1に記載の機器分析データ処理装置であって、
    前記分析装置にあって、前記成分分離手段は試料中の複数の成分を時間軸方向に分離するクロマトグラフであり、前記測定手段は前記クロマトグラフの検出器であり、前記官能評価手段は、前記クロマトグラフにより分離された各成分による人間の各種感覚への刺激の強さを人間が官能評価するための手段であり、さらに前記演算手段は、修正された信号量に基づくクロマトグラムを作成し出力することを特徴とする機器分析データ処理装置。
  3. 請求項2に記載の機器分析データ処理装置であって、
    前記クロマトグラフはガスクロマトグラフであり、前記官能評価手段は各成分が有するにおいの強さを人間が官能評価するためのものであることを特徴とする機器分析データ処理装置。
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