JP2013177996A - ガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナ - Google Patents

ガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、低NOx燃焼と安定燃焼を両立して運転の自由度を大きくした予混合燃焼を採用したガスタービン燃焼器の提供。
【解決手段】拡散燃焼バーナの周囲に複数の予混合燃焼バーナを配置したガスタービン燃焼器であって、中空円錐状の形状を有し内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、円筒の形状を有し内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、燃焼用空気を導入するように前記第1、2の混合室壁の軸方向、周方向に穿設された複数の空気導入孔と、空気導入孔の壁面に穿設され、空気導入孔内部に向かって気体燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、第1の混合室の上流側に位置し該第1、2の混合室に噴射する液体燃料ノズルを備え、前記複数の空気導入孔のうち、最上流列に配置した空気導入孔内部に気体燃料を噴射する第1の燃料系統と、最上流列以外の空気導入孔内部に気体燃料を噴射する第2の燃料系統を備えて構成した。
【選択図】図2A

Description

本発明はガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナに関する。
近年、環境問題がクローズアップされ、ガスタービン燃焼器においても環境負荷低減が要求されており、NOx排出量低減が重要な開発課題となっている。さらには、地球温暖化対策として、従来の油燃料のほか天然ガスやバイオ燃料など多様な燃料を使用するニーズが増え、燃料選択肢の自由度拡大に対する要求が高まっている。
このような背景を受け、液体燃料、気体燃料の何れにも対応可能で、且つ、NOx排出量を低減できるガスタービン燃焼器として、デュアル燃料対応低NOx燃焼器がある。
一般に、NOx排出量を低減する方法として、燃焼場に水や蒸気などの不活性媒体を投入する方法があるが、この方法は、イニシャルコスト、ランニングコストの増加、投入する水の確保が困難な地域へ適用できないなどの問題がある。
このような課題を解決するガスタービン燃焼器の燃焼方法として、予混合燃焼がある。予混合燃焼とは、予混合器内で予め燃料と空気を混合してから燃焼室に供給して燃焼する方法で、局部的な高温領域の発生を抑えることで、サーマルNOxの低減が可能となる。
予混合燃焼を採用したガスタービン燃焼器は多数提唱されており、その一例として、特開平7−280267号公報に開示されたガスタービン燃焼器の技術などがある。予混合燃焼の課題として、燃料と空気の混合を促進して希薄な可燃混合気を生成して燃焼するため、燃焼不安定に伴う燃焼振動の発生や、フラッシュバックの発生などが挙げられる。
特開平7−280267号公報
特開平7−280267号公報に開示されたガスタービン燃焼器における予混合燃焼の技術では、予混合燃焼における燃焼不安定や、それに伴って発生する燃焼振動、フラッシュバックの発生は、燃料と空気を予め混合するための混合室内部での混合度合いや、予混合火炎を安定に保持する機構が重要となってくる。
燃焼振動の増大や、フラッシュバックの発生は、混合室を含む燃焼器構造物を破損させる可能性があり、予混合燃焼を採用する燃焼器では、絶対に防止しなければならない重要な課題である。
近年ではさらなるNOx排出量低減を実現するため、燃料と空気の混合を促進できる多種多様な予混合器構造が提案されている。
低NOx燃焼と安定燃焼はトレードオフの関係にあるため、予混合器構造やそれに伴う流れが複雑化すると、燃焼振動の増大や火炎戻りの発生ポテンシャルが高くなるという課題がある。
本発明の目的は、低NOx燃焼と安定燃焼の両立、若しくは、NOx燃焼と安定燃焼の何れかの燃焼状態を自由にコントロールして燃焼でき、運転の自由度を大きくし得るガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナを提供することにある。
本発明のガスタービン燃焼器用のバーナは、圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器であって、前記ガスタービン燃焼器のうち前記ガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置すると共に、この拡散燃焼バーナの周囲に複数の予混合燃焼バーナを配置し、このガスタービン燃焼器の軸中心上流側に、燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数列の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備えたガスタービン燃焼器用のバーナにおいて、前記バーナの軸方向に離間して穿設された複数列の空気導入孔のうち、所望の列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する第1の燃料供給流路と、該所望の列以外の列に配置した空気導入孔の内部に向かって噴射する第2の燃料供給流路を配設したことを特徴とする。
本発明のガスタービン燃焼器は、圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器であって、前記ガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置すると共に、この拡散燃焼バーナの周囲に予混合燃焼バーナを複数個配置したガスタービン燃焼器であって、このガスタービン燃焼器は、前記予混合燃焼バーナの軸中心上流側に、燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備え、前記ガスタービン燃焼器のうち軸中心位置に配置された前記拡散燃焼バーナに燃料を噴射する第1の燃料供給流路を配設し、前記ガスタービン燃焼器のうち外周に配置された全ての予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第2の燃料供給流路を配設し、前記予混合燃焼バーナの最上流列よりも下流側の列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第3の燃料供給流路を配設したしたことを特徴とする。
本発明のガスタービン燃焼器の運転方法は、圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置し、この拡散燃焼バーナの周囲に予混合燃焼バーナを複数個配置したガスタービン燃焼器であって、このガスタービン燃焼器の予混合燃焼バーナの軸中心上流側に、燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備え、このガスタービン燃焼器のうち軸中心位置に配置された拡散燃焼バーナに燃料を噴射する第1の燃料供給流路と、前記ガスタービン燃焼器のうち外周に配置された全ての予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第2の燃料供給流路と、前記予混合燃焼バーナの最上流列よりも下流側の列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第3の燃料供給流路を配設したガスタービン燃焼器の運転方法において、ガスタービンの起動から定格負荷条件に亘る運転条件の中で、ガスタービンの起動から所望の第1負荷までは前記拡散燃焼バーナのみに前記第1の燃料供給流路を通じて燃料を供給して前記拡散燃焼バーナを燃焼させ、所望の第1負荷からそれよりも負荷が高い第2負荷までは前記拡散燃焼バーナに加えて前記第2の燃料供給流路を通じて燃料を前記予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔に供給して前記拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナを燃焼させ、前記所望の第2負荷からそれよりも負荷が高い定格負荷までは、全ての燃料を前記第1の燃料供給流路に加えて前記第2の燃料供給流路及び前記第3の燃料供給流路を通じて燃料を前記予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔及び該最上流列以外の列に配置した空気導入孔に供給して前記拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナを燃焼させることにより、ガスタービン燃焼器を運転するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、低NOx燃焼と安定燃焼の両立、若しくは、NOx燃焼と安定燃焼の何れかの燃焼状態を自由にコントロールして燃焼でき、運転の自由度を大きくし得るガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナが実現できる。
本発明の第1実施例であるガスタービン燃焼器の縦断面図及びこのガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの全体構成図。 図1の第1実施例のガスタービン燃焼器に設置されたバーナの構造を示す縦断面図。 図2Aに示した第1実施例のガスタービン燃焼器に設置されたバーナのA−A方向矢視図。 図2Aの第1実施例のガスタービン燃焼器に設置されたバーナの運転状態を示す模式図。 図2Aの第1実施例のガスタービン燃焼器に設置されたバーナの他の運転状態を示す模式図。 比較例のガスタービン燃焼器の燃料系統図。 本発明の第2実施例のガスタービン燃焼器の燃料系統図。 ガスタービン負荷に対する第2実施例のガスタービン燃焼器の燃焼状態を比較例と対比して示した模式図。 発明の第3実施例のガスタービン燃焼器に設置されたバーナの構造を示す縦断面図。
本発明の実施例であるガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナについて図面を参照して以下に説明する。
本発明の実施例であるガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナについて図面を参照して説明する。
本発明の第1実施例であるガスタービン燃焼器について、図1乃至図2を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器の構成を縦断面図で示すと共に、このガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの全体構成を概略的に示す概略構成図である。
図1に示した本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントは、主として、空気を圧縮して高圧の燃焼用空気を生成する圧縮機1と、この圧縮機1から導入される燃焼空気100と燃料とを混合して燃焼して燃焼ガス109を生成するガスタービン燃焼器3と、このガスタービン燃焼器3で生成された燃焼ガス109を導入して駆動されるタービン2と、タービン2によって駆動されて発電する発電機4から構成されている。なお、圧縮機1とタービン2、発電機4の軸は連結されている。
前記ガスタービン燃焼器3は、燃焼空気100と燃料を燃焼して燃焼ガス109を生成する燃焼室を形成する内筒7と、この内筒7から生成した燃焼ガス109をタービン2に導くための図示していないトランジションピースと、内筒7及びトランジションピースを収納した外筒5と、外筒5の一端に設置したエンドカバー6およびエンドカバー6に取り付けられた複数の部品によって構成されている。
内筒7の上流側の軸中心位置には拡散燃焼バーナ8が設けられ、この拡散燃焼バーナ8の周囲には低NOx化に有効な予混合燃焼バーナ9が複数配置されている。
拡散燃焼バーナ8と予混合燃焼バーナ9の外周には、各バーナ8、9を堅持するためのバーナ本体12を配置している。また、各バーナ8、9の軸中心上流位置には液体燃料104、105を噴射するための液体燃料ノズル10、11をそれぞれ配置している。
図2Aは本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器に設置された予混合燃焼バーナ9の縦断面図を示し、図2Bは図2Aに示した予混合燃焼バーナ9のA−A方向矢視図を示している。
図2A及び図2Bに示したガスタービン燃焼器の予混合燃焼バーナ9は、予混合燃焼バーナ9の上流側の軸中心位置に設置した液体燃料ノズル11から噴射された液体燃料105と空気の混合を促進するため前記予混合燃焼バーナ9の内部にそれぞれ形成された中空円錐形状の第1の混合室200と、前記第1の混合室200の下流に位置して液体燃料105と空気の混合を促進するとともに、液体燃料105の蒸発を促進するための略円筒形状の第2の混合室201とで構成されている。
第1の混合室200及び第2の混合室201の壁面には、それらの内部に燃焼空気100を導入するための空気導入孔202、203、204を軸方向に3列(1列でも複数列でも可)で、周方向にそれぞれ複数個形成している。
予混合燃焼バーナ9に形成した空気導入孔202、203、204は、第1の混合室200及び第2の混合室201の内部で旋回流れを形成させるため、図2Bに予混合燃焼バーナ9のA−A矢視図として示したように、これらの空気導入孔202、203、204は、周方向に偏向してそれぞれ配置している。
このように構成した予混合燃焼バーナ9を備えた本発明の第1実施例のガスタービン燃焼器は、前記予混合燃焼バーナ9に軸方向に3列形成した空気導入孔202、203、204のうち、最上流列に形成した空気導入孔202に向かって、第2の燃料系統を構成する気体燃料配管404を通じて供給された気体燃料102を噴射するための第1の気体燃料噴射孔13と、第2列、第3列に形成した空気導入孔203、204に向かって、第3の燃料系統を構成する気体燃料配管405を通じて供給された気体燃料103を噴射するための第2の気体燃料噴射孔14がそれぞれ設けられている。
更に、前記第1の気体燃料噴射孔13及び第2の気体燃料噴射孔14に燃料を別系統で供給できるようにするため、前記第1の気体燃料噴射孔13と連絡するマニホールド205と、前記第2の気体燃料噴射孔14と連絡するマニホールド206を予混合燃焼バーナ9の内部に設けた構造となっている。
尚、第2の燃料系統を構成する気体燃料配管404の配設を省略してガスタービン燃焼器3に設置する予混合燃焼バーナ9の構造を簡素化した実施例を採用したとしても、本実施例と同等の作用効果を得ることは可能である。
次に上記構成の本実施例のガスタービン燃焼器に設置した予混合燃焼バーナ9の詳細事象について説明する。
図3A及び図3Bは本実施例のガスタービン燃焼器3に複数個設置した予混合燃焼バーナ9の縦断面図を示したもので、図3Aは予混合燃焼バーナ9の部材の内部に形成した第1の気体燃料噴射孔13から空気導入孔202に向かって気体燃料102を噴射した時の燃料と空気の混合状態及び火炎の状態、図3Bは予混合燃焼バーナ9の第2の気体燃料噴射孔14から空気導入孔203、204に向かって気体燃料103を噴射した時の燃料と空気の混合状態及び火炎の状態をそれぞれ模式的に示したものである。
図3Aに示すように、予混合燃焼バーナ9の第1の気体燃料噴射孔13から空気導入孔202に向かって、第2の燃料系統を構成する気体燃料配管404を通じて供給された気体燃料102を噴射した場合、気体燃料102と燃焼空気100の混合気300は混合室200、201の軸中心部に集中して形成され、その下流の内筒7内の燃焼室に予混合火炎107が形成される。
混合気300は最上流列の空気導入孔202に集中的に気体燃料102が供給されるため、気体燃料濃度が過濃となり、予混合燃焼バーナ9の下流の内筒7内の燃焼室に形成される予混合火炎107は高温で安定な燃焼が可能とする。
一方、予混合燃焼バーナ9の第2の気体燃料噴射孔14から空気導入孔203、204に向かって、第3の燃料系統を構成する気体燃料配管405を通じて供給された気体燃料103を噴射した場合には、気体燃料103と燃焼空気100の混合気301は混合室200、201全体に広がり、第1の気体燃料噴射孔13から気体燃料102を噴射した場合よりも希薄化でき、予混合燃焼バーナ9の下流の内筒7内の燃焼室に局部的な高温領域が発生しない予混合火炎108が形成される。これにより高温領域で発生するサーマルNOxの排出を抑制できる。
一般に、ガスタービンは起動から定格負荷まで運転条件が大きく変化するため、どのような運転条件に対しても安定燃焼とNOx排出量低減の両立が必要となる。
上記した構成を備えた本実施例のガスタービン燃焼器3においては、ガスタービン燃焼器3に設置した予混合燃焼バーナ9の部材の内部に形成した第1の気体燃料噴射孔13及び第2の気体燃料噴射孔14の単独での燃料供給を自由に選択でき、且つ、第1の気体燃料噴射孔13及び第2の気体燃料噴射孔14の両方からも燃料を供給でき、さらには、その燃料配分も自由にコントロールすることができるので、それらの組合せでガスタービン燃焼器の安定燃焼とNOx排出量低減の両立を可能となる。
例えば、ガスタービン負荷の低い条件では燃料と空気の比率である燃空比が低くなるが、第1の気体燃料噴射孔13から単独で気体燃料102を噴射すれば、局所的に気体燃料濃度が高い混合気が存在するため、低い燃空比でもガスタービン燃焼器を安定燃焼できる。
このとき、ガスタービン燃焼器3の内筒7内の燃焼室に高温の予混合火炎107が形成される影響でNOx排出量の増加が懸念されるが、トータルの燃空比が低いのでNOx排出量の大きな増加につながることはない。
逆に、ガスタービン負荷が高くなる高燃空比条件では、第2の気体燃料噴射孔14単独、若しくは、第1の気体燃料噴射孔13と第2の気体燃料噴射孔14からの燃料噴射を組合せ、その配分を調整することで、ガスタービン燃焼器の安定燃焼と低NOx化を実現できる。
上記で説明したように、本実施例であれば、幅広い運転条件において、ガスタービン燃焼器の安定燃焼とNOx排出量低減の両立を実現できる。
本実施例によれば、低NOx燃焼と安定燃焼の両立、若しくは、NOx燃焼と安定燃焼の何れかの燃焼状態を自由にコントロールして燃焼でき、運転の自由度を大きくし得るガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナが実現できる。
本発明の第2実施例であるガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナについて、図4乃至図5を参照して説明する。
図4A及び図4Bは比較例と本発明の第2実施例のガスタービン燃焼器における気体燃料の燃料系統をそれぞれ模式的に示したものである。
本実施例のガスタービン燃焼器3の構成は、図1、図2A,図2B、図3A、及び図3Bに示した第1実施例のガスタービン燃焼器3と基本的な構成は同じであるので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について説明する。
即ち、本実施例のガスタービン燃焼器3においても、ガスタービン燃焼器3の軸中心に拡散燃焼バーナ8が配置され、この拡散燃焼バーナ8の周囲に予混合燃焼バーナ9a〜9fが配置されている。
図4Bに示した本実施例のガスタービン燃焼器3では、予混合燃焼バーナ9の数を6個としているが、予混合燃焼バーナ9の数を増加或いは減少させて配置しても本発明のガスタービン燃焼器の運転方法の効果を何ら損ねることはない。
ここで、図4Aに示した比較例のガスタービン燃焼器3に設置された複数の予混合燃焼バーナ9a〜9fは、各バーナ9a〜9fに設けられた複数の燃料噴射孔の全てに対して同一の燃料系統から燃料が供給される構造となっている。
これに対して、図4Bに示した本実施例のガスタービン燃焼器3に設置された複数の予混合燃焼バーナ9a〜9fは、図2に示す第1実施例のガスタービン燃焼器3と同じ構造である。
図4Bに示す通り、ガスタービン燃焼器3に気体燃料を供給する燃料系統は、気体燃料を貯蔵する気体燃料タンク400と、気体燃料を気化する燃料気化器401と、燃料気化器401で気化した気体燃料の圧力を調節する圧力調整弁402と、圧力調整弁402を経た気体燃料をガスタービン燃焼器3に設置された拡散燃焼バーナ8に燃料を供給する第1の燃料系統を構成する気体燃料配管403と、複数の予混合燃焼バーナ9a〜9fに燃料を供給する第2の燃料系統を構成する気体燃料配管404と、第3の燃料系統を構成する気体燃料配管405と、これらの気体燃料配管403〜405にそれぞれ設置され、制御装置100からの指令信号によって開度を操作され、供給する気体燃料の流量を調節する流量調整弁406、407、408で構成されている。
図4Aに示した比較例では、圧力調整弁402の下流側で3つの燃料系統403〜405に分岐されており、流量調整弁406を備えた気体燃料配管403は拡散燃焼バーナ8に接続し、流量調整弁407を備えた気体燃料配管404は、予混合バーナ9a、9b、9c、9d、9e、9fのうちの予混合燃焼バーナ9a、9c、9eに接続し、流量調整弁408を備えた気体燃料配管405は、予混合燃焼バーナ9b、9d、9fにそれぞれ接続した構成となっている。
次に、図4Bに示した本実施例のガスタービン燃焼器3の構成について図2A、図2B、図3A、図3B、及び図4を参照して説明する。
本実施例のガスタービン燃焼器3の拡散燃焼バーナ8及び予混合バーナ9a、9b、9c、9d、9e、9fに接続した流量調整弁をそれぞれ備えた気体燃料配管である第1の燃料系統403、第2の燃料系統402、及び第3の燃料系統405のうち、拡散燃焼バーナ8に接続した流量調整弁406を備えた気体燃料配管である第1の燃料系統403は比較例と同じ構成となっているが、流量調整弁407を備えた気体燃料配管である第2の燃料系統404は、全ての予混合燃焼バーナ9a〜9fの最上流列に設けた空気導入孔202に向かって気体燃料102を噴出する気体燃料噴射孔13に接続するように構成されており、更に流量調整弁408を備えた気体燃料配管である第3の燃料系統405は、予混合燃焼バーナ9a〜9fの第2列、第3列に形成した空気導入孔203、204に向かって気体燃料103を噴出する気体燃料噴射孔14に接続するように構成されている。
このように構成した本実施例のガスタービン燃焼器の運転方法について、比較例と対比して図5を参照して説明する。
図5はガスタービン負荷に対するガスタービン燃焼器の燃焼状態の模式図を示したもので、上段は比較例のガスタービン燃焼器の燃焼状態を示し、下段は本実施例のガスタービン燃焼器の燃焼状態を示している。そしてバーナの斜線塗りは気体燃料を供給している状態を示している。
通常、複数のバーナを配置したマルチバーナ方式のガスタービン燃焼器は、ガスタービンの負荷に応じて燃料流量が増加するため、ガスタービン燃焼器の安定燃焼と低NOx燃焼を両立する目的で、燃焼するバーナ数を制御するように構成されるのが一般的である。
比較例のガスタービン燃焼器では、負荷A〜負荷Bまでの間では、拡散燃焼バーナ8を単独で燃焼させ、負荷B〜負荷Cまでの間では、拡散燃焼バーナ8と一部の予混合燃焼バーナ9a、9c、9eを燃焼させ、負荷C〜定格の負荷Dの間で、全てのバーナ(拡散燃焼バーナ8及び全ての予混合燃焼バーナ9a〜9f)を燃焼させて運転している。
ここで、比較例のガスタービン燃焼器の課題として、負荷B〜負荷C間では拡散燃焼バーナ8と一部の予混合燃焼バーナ9a、9c、9eの燃焼モードとなるが、このような状態で燃焼が継続されると、一部の予混合燃焼バーナ9a、9c、9eの位置では予混合火炎の形成によってガスタービン燃焼器の内筒7のメタル温度が上昇するが、燃焼していない他の予混合燃焼バーナ9b、9d、9fの位置ではメタル温度が低くなる。
この場合、円筒状の内筒7には、周方向に温度偏差がつくため、このような燃焼状態が長く継続されると、過大な熱応力が発生して内筒7の破損や寿命短縮につながる可能性がある。
また、このような燃焼パターンは、燃焼ガスの温度偏差が大きくなる可能性があり、温度偏差が大きい状態でガスタービン燃焼器から燃焼ガスがガスタービン翼に噴射されると、ガスタービン翼の寿命を短くする可能性もある。
そこで、本実施例のガスタービン燃焼器3においては、制御装置100にて発電機8の発電出力であるガスタービン負荷の値に応じてガスタービン燃焼器3に供給する燃料流量を指令する指令信号を演算し、気体燃料配管である第1の燃料系統403、第2の燃料系統404、第3の燃料系統405にそれぞれ設置した流量調整弁406、407、408に対して指令信号を出力して該流量調整弁の開度を調節し、ガスタービン燃焼器3のバーナに供給する燃料流量を制御することによって、ガスタービン燃焼器の安定燃焼と低NOx燃焼を実現している。
即ち、前記制御装置100に入力した発電機8の発電出力であるガスタービン負荷Lが負荷A〜負荷Bとなる間は、制御装置100からの指令信号によって流量調整弁406を開弁操作して気体燃料配管の第1の燃料系統403を通じてガスタービン燃焼器3の拡散燃焼バーナ8に燃料を供給して前記拡散燃焼バーナ8を単独で燃焼させるように燃料の供給量を制御する。
次に、ガスタービン負荷Lが増加して負荷Bを超えて負荷B〜負荷Cとなる間は、制御装置100からの指令信号によって流量調整弁407を開弁操作して気体燃料配管の第2の燃料系統404を通じてガスタービン燃焼器3の予混合燃焼バーナ9a〜9fの最上流列に形成した空気導入孔202に向かって燃料を供給して前記全ての予混合燃焼バーナ9a〜9fを燃焼させるように燃料の供給量を制御する。
更に、ガスタービン負荷Lが増加して負荷C〜負荷D(定格負荷)となる間は、制御装置100からの指令信号によって流量調整弁408を開弁操作して気体燃料配管の第3の燃料系統405を通じてガスタービン燃焼器3の予混合燃焼バーナ9a〜9fの第2、3列に形成した空気導入孔203、204に向かって燃料を供給して前記全ての予混合燃焼バーナ9a〜9fを燃焼させるように燃料の供給量を制御する。
本実施例のガスタービン燃焼器3では、負荷B以上となると気体燃料配管の第2の燃料系統404を通じて全ての予混合燃焼バーナ9a〜9fの最上流列に形成した空気導入孔202に向かって燃料を供給し、更に負荷C以上となると気体燃料配管の第3の燃料系統405を通じて燃料を供給できるため、負荷B以上で全てのバーナ(拡散燃焼バーナ8及び全ての予混合燃焼バーナ9a〜9f)で燃焼が可能となり、ガスタービン燃焼器の安定燃焼と低NOx燃焼を行なうことで上述した課題を抑制した信頼性の高いガスタービン燃焼器を提供できる。
さらには、本実施例のガスタービン燃焼器3では、負荷Bで気体燃料配管の第2の燃料系統404を通じて全ての予混合燃焼バーナ9a〜9fに燃料供給を開始しているが、この場合、比較例よりも燃焼の安定化が可能となるため、例えば、負荷Bの燃料供給の切替ポイントをさらに低負荷側に低下することができ、より低い負荷でガスタービン燃焼器3の全ての予混合燃焼バーナ9a〜9fの燃焼が可能となる。
これにより、拡散燃焼バーナ8を単独で運転する運転範囲を狭くすることができ、拡散燃焼によるNOx排出量を抑制できる利点もある。
さらに、比較例のような燃焼するバーナ数を制御する場合、上述したように、燃料を供給するバーナと、燃料を供給しないバーナとが混在するような運転条件では、高温部品の寿命が短くなるため、通常、運用負荷帯(安定に電力を供給できる負荷範囲)は全バーナが燃焼を開始する負荷C以上となる。
これに対して、本実施例のガスタービン燃焼器3であれば、負荷B以上で全バーナ(拡散燃焼バーナ8及び全ての予混合燃焼バーナ9a〜9f)が燃焼を開始できるため、負荷B以上での全バーナの運用が可能となり、運用負荷範囲を拡大できる利点もある。
また、本実施例のガスタービン燃焼器3では、気体燃料と液体燃料の何れもが燃焼できるデュアル燃料対応のガスタービン燃焼器であり、このようなガスタービン燃焼器では、通常、運転中に気体燃料焚きから液体燃料焚き、若しくは、逆パターンでの燃料切替えが必要となる。
この場合、本実施例のガスタービン燃焼器3であれば、燃料切替え時において、前記気体燃料配管の第2の燃料系統404を通じて予混合燃焼バーナ9a〜9fの最上流列に設けた空気導入孔202に向かって気体燃料102を噴出する燃焼モードを選択すれば、気体燃料焚きの燃焼状態を安定化でき、信頼性の高い燃料切替えを可能にできる。
本実施例によれば、低NOx燃焼と安定燃焼の両立、若しくは、NOx燃焼と安定燃焼の何れかの燃焼状態を自由にコントロールして燃焼でき、運転の自由度を大きくし得るガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナが実現できる。
本発明の第3実施例であるガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナについて、図6を参照して説明する。図6は本発明の第3の実施例のガスタービン燃焼器3に設置された予混合燃焼バーナ9の縦断面図を示したものである。
本実施例のガスタービン燃焼器3の構成は、図1〜図3A,図3Bに示した第1実施例のガスタービン燃焼器3と基本的な構成は同じであるので、両者に共通した説明は省略し、相違する部分について説明する。
本実施例のガスタービン燃焼器3では、図6に示したようにガスタービン燃焼器3に設置した予混合燃焼バーナ9の軸方向に3列形成した空気導入孔202、203、204のうち、最上流列に形成した空気導入孔202に向かって気体燃料110を噴射するための第1の気体燃料噴射孔15及び気体燃料マニホールド207と、第2列に形成した空気導入孔203に向かって気体燃料111を噴射するための第2の気体燃料噴射孔16及び気体燃料マニホールド208と、第3列に形成した空気導入孔204に向かって気体燃料112を噴射するための第3の気体燃料噴射孔17及び気体燃料マニホールド209が前記予混合燃焼バーナ9の部材の内部にそれぞれ形成されている。
このように構成した本実施例のガスタービン燃焼器3に設置した予混合燃焼バーナ9では、気体燃料噴射孔15、16、17からの燃料噴射を自由に選択でき、且つ、気体燃料噴射孔15、16、17から噴射する気体燃料噴射量の比率を自由にコントロールできるため、第1実施例のガスタービン燃焼器に比べ、燃料制御の自由度が大きくなり、ガスタービン燃焼器の安定燃焼とNOx排出量抑制を両立した運転が可能となり、より信頼性の高い燃焼器を提供できる。
また、本実施例のガスタービン燃焼器3に設置した予混合燃焼バーナ9では軸方向に3列の空気導入孔を形成しているが、2列以上の空気導入孔が形成されていれば、本発明は適用可能である。
さらに、本実施例のガスタービン燃焼器3に設置した予混合燃焼バーナ9では複数の空気導入孔のうち、空気導入孔に気体燃料を噴射する系統を軸方向で分離したが、周方向や、軸方向と周方向の組合せで分離して供給することも可能であり、同様、若しくはそれ以上の効果を得ることが可能である。
本実施例によれば、低NOx燃焼と安定燃焼の両立、若しくは、NOx燃焼と安定燃焼の何れかの燃焼状態を自由にコントロールして燃焼でき、運転の自由度を大きくし得るガスタービン燃焼器、ガスタービン燃焼器の運転方法及びガスタービン燃焼器用のバーナが実現できる。
1:圧縮機、2:タービン、3:ガスタービン燃焼器、4:発電機、7:内筒、8:拡散燃焼バーナ、9:予混合燃焼バーナ、12:バーナ本体、13、14、15、16、17:気体燃料噴射孔、13:トランジションピース、100:燃焼用空気、101、102、103、110、111、112:気体燃料、104、105:液体燃料、200、201:混合室、202、203、204:空気導入孔、400:気体燃料タンク、401:燃料気化器、402:圧力調整弁、403:第1の燃料系統、404:第2の燃料系統、405:第3の燃料系統、406、407、408:流量調整弁。

Claims (10)

  1. 圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器であって、前記ガスタービン燃焼器のうち前記ガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置すると共に、この拡散燃焼バーナの周囲に複数の予混合燃焼バーナを配置し、このガスタービン燃焼器の軸中心上流側に、燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数列の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備えたガスタービン燃焼器用のバーナにおいて、
    前記バーナの軸方向に離間して穿設された複数列の空気導入孔のうち、所望の列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する第1の燃料供給流路と、該所望の列以外の列に配置した空気導入孔の内部に向かって噴射する第2の燃料供給流路を配設したことを特徴とするガスタービン燃焼器用のバーナ。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器用のバーナにおいて、
    前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数列の空気導入孔は、その導入角度を前記混合室壁の少なくとも周方向に向かって偏向させるように前記第1の混合室及び第2の混合室壁の軸方向と周方向に穿設されていることを特徴とするガスタービン燃焼器用のバーナ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のガスタービン燃焼器用のバーナにおいて、
    前記軸方向に穿設された複数の空気導入孔のうち、前記所望の列として最上流列に配置した空気導入孔内部に向かって燃料を噴射する前記第1の燃料供給流路と、前記所望の列以外の列として最上流列以外の列に配置した空気導入孔の内部に向かって噴射する第2の燃料供給流路を配設したことを特徴とするガスタービン燃焼器用のバーナ。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のガスタービン燃焼器用のバーナにおいて、
    前記第1の燃料供給流路及び第2の燃料供給流路は、供給された燃料を収容するマニホールドと、このマニホールドから前記空気導入孔内部に燃料を噴射する燃料噴射孔をそれぞれ備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器用のバーナ。
  5. 圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器であって、前記ガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置すると共に、この拡散燃焼バーナの周囲に予混合燃焼バーナを複数個配置したガスタービン燃焼器において、
    このガスタービン燃焼器に設置した前記予混合燃焼バーナの軸中心上流側に、燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備え、
    前記ガスタービン燃焼器のうち外周に配置された全ての予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する第1の燃料供給流路と、該最上流列に配置した空気導入孔以外の空気導入孔内部に向かって噴射する第2の燃料供給流路を配設したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 請求項5に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数列の空気導入孔は、その導入角度を前記混合室壁の少なくとも周方向に向かって偏向させるように前記第1の混合室及び第2の混合室壁の軸方向と周方向に穿設されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記軸方向に穿設された複数の空気導入孔のうち、前記所望の列として最上流列に配置した空気導入孔内部に向かって燃料を噴射する前記第1の燃料供給流路と、前記所望の列以外の列として最上流列以外の列に配置した空気導入孔の内部に向かって噴射する第2の燃料供給流路を配設したことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  8. 請求項5に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記第1の燃料供給流路及び第2の燃料供給流路は、供給された燃料を収容するマニホールドと、このマニホールドから前記空気導入孔内部に燃料を噴射する燃料噴射孔をそれぞれ備えていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  9. 圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器であって、前記ガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置すると共に、この拡散燃焼バーナの周囲に予混合燃焼バーナを複数個配置したガスタービン燃焼器であって、
    このガスタービン燃焼器は、前記予混合燃焼バーナの軸中心上流側に、燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備え、
    前記ガスタービン燃焼器のうち軸中心位置に配置された前記拡散燃焼バーナに燃料を噴射する第1の燃料供給流路を配設し、
    前記ガスタービン燃焼器のうち外周に配置された全ての予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第2の燃料供給流路を配設し、
    前記予混合燃焼バーナの最上流列よりも下流側の列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第3の燃料供給流路を配設したしたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  10. 圧縮機から導入される燃焼用空気に燃料を混合して燃焼し、生成した燃焼ガスをガスタービンに供給するガスタービン燃焼器の軸中心位置に拡散燃焼する拡散燃焼バーナを配置し、この拡散燃焼バーナの周囲に予混合燃焼バーナを複数個配置したガスタービン燃焼器であって、このガスタービン燃焼器の予混合燃焼バーナの軸中心上流側に燃焼用空気の噴出方向に向かって拡開した中空円錐状の形状を有し、内部に第1の混合室を形成する第1の混合室壁と、前記第1の混合室の下流に位置して円筒の形状を有し、内部に第2の混合室を形成する第2の混合室壁と、前記燃焼用空気を前記第1の混合室及び第2の混合室に導入するように前記第1の混合室及び第2の混合室壁に穿設された複数の空気導入孔と、前記空気導入孔の壁面に穿設され、前記空気導入孔の内部に向かって燃料を噴射する複数の燃料噴出孔と、前記第1の混合室の軸中心上流側に位置し該第1の混合室及び第2の混合室に向かって液体燃料を噴射する液体燃料ノズルを備え、
    このガスタービン燃焼器のうち軸中心位置に配置された拡散燃焼バーナに燃料を噴射する第1の燃料供給流路と、前記ガスタービン燃焼器のうち外周に配置された全ての予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第2の燃料供給流路と、前記予混合燃焼バーナの最上流列よりも下流側の列に配置した空気導入孔の内部に向かって燃料を供給する第3の燃料供給流路を配設したガスタービン燃焼器の運転方法において、
    ガスタービンの起動から定格負荷条件に亘る運転条件の中で、ガスタービンの起動から所望の第1負荷までは前記拡散燃焼バーナのみに前記第1の燃料供給流路を通じて燃料を供給して前記拡散燃焼バーナを燃焼させ、
    所望の第1負荷からそれよりも負荷が高い第2負荷までは前記拡散燃焼バーナに加えて前記第2の燃料供給流路を通じて燃料を前記予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔に供給して前記拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナを燃焼させ、
    前記所望の第2負荷からそれよりも負荷が高い定格負荷までは、全ての燃料を前記第1の燃料供給流路に加えて前記第2の燃料供給流路及び前記第3の燃料供給流路を通じて燃料を前記予混合燃焼バーナの最上流列に配置した空気導入孔及び該最上流列以外の列に配置した空気導入孔に供給して前記拡散燃焼バーナと予混合燃焼バーナを燃焼させることにより、ガスタービン燃焼器を運転するようにしたことを特徴とするガスタービン燃焼器の運転方法。
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