JP2017072271A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器 Download PDF

Info

Publication number
JP2017072271A
JP2017072271A JP2015197825A JP2015197825A JP2017072271A JP 2017072271 A JP2017072271 A JP 2017072271A JP 2015197825 A JP2015197825 A JP 2015197825A JP 2015197825 A JP2015197825 A JP 2015197825A JP 2017072271 A JP2017072271 A JP 2017072271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
gas turbine
air
turbine combustor
burner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015197825A
Other languages
English (en)
Inventor
翔平 浦本
Shohei Uramoto
翔平 浦本
林 明典
Akinori Hayashi
林  明典
智広 浅井
Tomohiro Asai
智広 浅井
恭大 穐山
Yasuhiro Akiyama
恭大 穐山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Ltd
Priority to JP2015197825A priority Critical patent/JP2017072271A/ja
Publication of JP2017072271A publication Critical patent/JP2017072271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】低NOx燃焼運転時のフリッカーや失火を抑制することにより、ガスタービンの安定的な運転を可能とするガスタービン燃焼器を提供する。
【解決手段】バーナ8aは、バーナ中心軸を中心とする複数の同心円上に配置された複数の空気孔21を有する空気孔プレート20と、前記空気孔プレートの上流側に配置され、前記複数の空気孔のそれぞれに対応する複数の燃料ノズル22とを有し、前記複数の空気孔のそれぞれの下流部分は、前記バーナ中心軸を中心とする円周方向に傾斜しており、前記複数の空気孔のうち最も内側の同心円に配置された少なくとも1つの所定の空気孔51は、前記空気孔プレートの下流側端面20aにおいて前記バーナ中心軸寄りの部分40に開口した内壁溝300を有する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ガスタービン燃焼器に関する。
ガスタービン発電プラントでは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する手段として、発電効率の向上が求められている。発電効率の向上には、ガスタービンのタービン入口温度を高くすること(ガスタービンの高温化)が有効である。しかし、ガスタービンの高温化に伴い、環境汚染物質である窒素酸化物(NOx)の排出量が増加するため、発電効率の向上と共にNOx排出量の低減が重要な技術課題となっており、ガスタービンの高温化に対応した低NOx燃焼方式が求められている。
ガスタービン燃焼器の燃焼方式として、一般に拡散燃焼方式と予混合燃焼方式がある。拡散燃焼方式は、燃料を燃焼室に直接噴射して燃焼室内で燃料と空気を混合する方式であり、燃焼室内で燃料が完全燃焼できる燃料と空気の割合(量論混合比)に混合された領域に火炎が形成される。この方式では、燃焼室内で燃料と空気が混合されるため、火炎が上流側に逆流せず、ガスタービン燃焼器の安全性を確保することができる。その一方で、燃焼室内で燃料と空気が量論混合比に混合された領域で火炎が形成されることで、局所的に高温な火炎が形成され、これら局所高温領域ではNOx排出量が大きくなる。そのため、窒素や水(又は蒸気)などの不活性媒体を噴射してNOx排出量を削減する必要が生じる。しかし、窒素や水(又は蒸気)などの不活性媒体を噴射することにより、ガスタービンで回収できるエネルギーが減少し、発電効率が低下する可能性がある。
これに対して、予混合燃焼方式では、燃料と空気を予め混合して燃料室に供給するため、局所高温領域が発生せず、低NOx燃焼を実現できる。その一方で、ガスタービンの高温化に伴い、燃焼用空気の温度が上昇すると共に、燃焼用空気に対する燃料の比率(以下「燃空比」という。)が高くなることにより、燃料と空気を混合する予混合器内に火炎が逆流して構造物焼損する可能性があり、信頼性の低下が懸念される。
このような課題を解決するため、特許文献1には、燃焼室に配置された複数の燃料ノズルと複数の空気孔をそれぞれ略同軸に配置し、燃料と空気を多数の同軸流として燃焼室に供給するガスタービン燃焼器が開示されている。このガスタービン燃焼器では、燃料と空気を多数の同軸流に分散させることにより、燃料と空気の混合が急速に促進されるため、NOx排出量の低減が可能となる。また、多数の同軸流に分散させることにより、各同軸流の混合距離を短くすることが可能となるため、火炎の逆流を防止することもできる。
特開2009−133508号公報
特許文献1のガスタービン燃焼器が備えるバーナは、複数の同心円上に配置された多数の空気孔を有する。以下、複数の空気孔が配置された複数の同心円のうち最も内側の同心円を「内周」、その他の同心円を「外周」と称する。
このガスタービン燃焼器では、着火時に内周燃空比を高くすることにより、 安定して着火する。この時、内周火炎温度も高くなるため、火炎はバーナに安定して付着する。その後、低NOx燃焼運転に移行する際に、内周燃空比を下げると共に外周燃空比を上げる。これにより、バーナ出口燃焼温度が一様となるため、局所高温領域が形成されず、NOx排出量が抑えられる。
しかしながら、低NOx燃焼運転に移行する際に内周燃空比を下げることでバーナの内周火炎温度が低下するため、火炎がバーナから浮き上がり、フリッカーや失火が発生するおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低NOx燃焼運転時のフリッカーや失火を抑制することにより、ガスタービンの安定的な運転を可能とするガスタービン燃焼器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、燃料と空気を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室と、前記燃焼室に燃料と空気を供給するバーナとを備えたガスタービン燃焼器において、前記バーナは、バーナ中心軸を中心とする複数の同心円上に配置された複数の空気孔を有する空気孔プレートと、前記空気孔プレートの上流側に配置され、前記複数の空気孔のそれぞれに対応する複数の燃料ノズルとを有し、前記複数の空気孔のそれぞれの下流部分は、前記バーナ中心軸を中心とする円周方向に傾斜しており、前記複数の空気孔のうち最も内側の同心円に配置された少なくとも1つの所定の空気孔は、前記空気孔プレートの下流側端面において前記バーナ中心軸寄りの部分に開口した内壁溝を有するものとする。
本発明によれば、ガスタービン燃焼器において、低NOx燃焼運転時のフリッカーや失火を抑制することにより、ガスタービンの安定的な運転が可能となる。
本発明の第1の実施例に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。 本発明の第1の実施例における空気孔プレートを下流側から見た図である。 本発明の第1の実施例における内壁溝を有さない1列目空気孔の構造を示す模式図である。 本発明の第1の実施例における内壁溝を有する1列目空気孔の構造を示す模式図である。 本発明の第1の実施例における内壁溝を有する1列目空気孔の断面図、及び、本発明の第1の実施例における内壁溝を有する1列目空気孔を上流側から見た図である。 従来技術に係るガスタービン燃焼器のバーナ付近の断面図である。 本発明の第1の実施例に係るガスタービン燃焼器のバーナ付近の断面図である。 本発明の第2の実施例における内壁溝を有する1列目空気孔の構造を示す模式図である。 本発明の第2の実施例における内壁溝を有する1列目空気孔の断面図、及び、本発明の第2の実施例における内壁溝を有する1列目空気孔を上流側から見た図である。 本発明の第3の実施例に係るガスタービン燃焼器のバーナ付近の断面図である。 本発明の第3の実施例における空気孔プレートを下流側から見た図である。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、各図中、同一の部分には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本実施例に係るガスタービン燃焼器を備えたガスタービンプラントの概略構成図である。
図1において、ガスタービンプラント1は、大気より空気101を吸入し圧縮する圧縮機2と、この圧縮機2により圧縮した圧縮空気102と燃料系統200から供給された燃料とを燃焼させ、燃焼ガス110を生成するガスタービン燃焼器3と、このガスタービン燃焼器3で発生した燃焼ガス110により駆動されるガスタービン4と、ガスタービン4の回転動力を利用して発電する発電機6とから概略構成されている。なお、圧縮機2は、ガスタービン4及び発電機6に連結されており、ガスタービン4の回転動力によって駆動される。また、燃焼ガス110は、エネルギーをガスタービン4で回収された後、排ガス111として大気へ放出される。
ガスタービン燃焼器3は、外郭を構成する円筒形状の外筒10と、この外筒10の内部に設置された円筒形状のライナ11と、このライナ11の内部に形成された燃焼室5に燃料と燃焼用空気104とを供給するバーナ8aと、ライナ11の出口とガスタービン4の入口とを滑らかに接続するトランジションピース12と、外筒10の上流側端部を閉塞するエンドカバー7とを備えている。
圧縮空気102は、ディフューザ9を介してガスタービン燃焼器3内に導入され、外筒10とライナ11との間を通過した後、外筒10の上流側端部に閉塞するエンドカバー7によってせき止められ、燃焼用空気104としてバーナ8aに供給される。また、圧縮空気102の一部は、外筒10とライナ11との間を通過する際に、ライナ11の壁面に開口した多数の空気孔(図示せず)から冷却空気103として燃焼室5に流入し、ライナ11などの構造物が過熱することを防止する。
バーナ8aは、燃焼用空気104を燃焼室5に導くための複数の空気孔21が形成された空気孔プレート20と、複数の空気孔21のそれぞれと略同軸に配置され、複数の空気孔21のそれぞれに燃料を噴射する複数の燃料ノズル22とを備えている。複数の空気孔21は、図2に示すように、バーナ中心軸8aXを中心とする複数(本実施例では3つ)の同心円上に配置されており、最も内側の同心円に配置されたものから順に1列目空気孔51、2列目空気孔52、3列目空気孔53に分類される。複数の燃料ノズル22も同様に、バーナ中心軸8aXを中心とする複数の同心円上に配置されており、図7に示すように、最も内側の同心円に配置されたものから順に1列目燃料ノズル61、2列目燃料ノズル62、3列目燃料ノズル63に分類される。以下、複数の空気孔21又は複数の燃料ノズル22が配置された複数の同心円のうち最も内側の同心円を「内周」、その他の同心円を「外周」と称する。内周に配置された1列目燃料ノズル61は、エンドカバー7内に設けられた内周燃料ヘッダ23に接続されており、外周に配置された2列目及び3列目燃料ノズル62及び63は、エンドカバー7内に設けられた外周燃料ヘッダ24に接続されている。これら内周燃料ヘッダ23及び外周燃料ヘッダ24によって、1列目燃料ノズル61と、2列目及び3列目燃料ノズル62及び63とに燃料が分配される。
図1に戻り、燃料系統200は、共通燃料系統201と、この共通燃料系統201から分岐した複数(本実施例では2つ)の分岐燃料系統202,203とを備えている。共通燃料系統201には、燃料遮断弁60が設置されている。分岐燃料系統202には、上流側から順に、燃料圧力調整弁70a及び燃料流量調整弁70bが設置されており、分岐燃料系統203には、上流側から順に、燃料圧力調整弁71a及び燃料流量調整弁71bが設置されている。
分岐燃料系統202は内周燃料ヘッダ23に接続されており、分岐燃料系統203は外周燃料ヘッダ24に接続されている。2つの分岐燃料系統202,203の燃料流量をそれぞれ独立して調整することにより、内周燃料ヘッダ23及び外周燃料ヘッダ24に供給される燃料の流量をそれぞれ個別に制御することができる。なお、本実施例では、分岐燃料系統を2つとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。このように複数の分岐燃料系統202,203を介してバーナ8aに燃料を供給することにより、ガスタービン4の運転の自由度を拡大できる。
空気孔プレート20に形成された複数の空気孔21の下流部分は、後述するように、バーナ中心軸8aXを中心とする円周方向に傾斜している。これにより、各空気孔21から噴出する同軸噴流は、らせん状に旋回しながら拡大する旋回流80を形成する。この旋回流80の旋回半径は下流側に進むにつれて大きくなり、それに伴って旋回速度は低下し、旋回中心の静圧が大きくなる。その結果、旋回の中心軸上には下流側から上流側に向かう逆圧力勾配が発生し、循環流81が形成される。循環流81によって燃焼ガス110の一部が旋回の中心軸近傍を逆流することで、安定した着火源が上流側に伝播し、定常火炎82が形成される。
図2は、空気孔プレート20を下流側から見た図である。
図2に示すように、空気孔プレート20に形成された空気孔21は、バーナ中心軸8aXを中心とする複数の同心円上に配置され、最も内側の同心円に配置されたものから順に1列目空気孔51、2列目空気孔52、3列目空気孔53に分類される。空気孔21の下流部分は、バーナ中心軸8aXを中心とする円周方向に傾斜しているため、空気孔21の開口部の形状は楕円形となっている。なお、本実施例では、空気孔21を配置する同心円の数を3つとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
最も内側の同心円に配置された1列目空気孔51の一部には、空気孔プレート20の下流側端面20aのバーナ中心軸8aX寄りの部分(以下「デッドスペース」という。)40に開口した内壁溝300が形成されている。以下、内壁溝300を有する1列目空気孔51、及び内壁溝300を有さない1列目空気孔51の構造についてそれぞれ説明する。
図3は、内壁溝300を有さない1列目空気孔51の構造を示す模式図である。なお、説明は省略するが、2列目空気孔52及び3列目空気孔53の構造もこれと同様である。
図3に示すように、内壁溝300を有さない1列目空気孔51は、空気孔プレート20の上流側に形成された垂直孔部51aと、この垂直孔部51aと接続するように空気孔プレート20の下流側に形成された傾斜孔部51bとで構成されている。傾斜孔部51bの中心軸51bXは、垂直孔部51aの中心軸51aXに対し、1列目空気孔51が配置された同心円の周方向に傾斜している。この1列目空気孔51に対応する1列目燃料ノズル61は、垂直孔部51aと略同軸でかつその先端部が垂直孔部51aに挿入されるように配置されている。1列目燃料ノズル61の先端面は閉止されており、1列目燃料ノズル61の先端部側面には複数の噴射孔61aが設けられている。
図4は、内壁溝300を有する1列目空気孔51の構造を示す模式図である。なお、1列目空気孔51の構造は、図3で説明した通りであるため、内壁溝300の構造について以下説明する。
図4に示すように、内壁溝300は、垂直孔部51aの内壁面に中心軸51aXに沿って形成された垂直溝部300aと、この垂直溝部300aと接続するように傾斜孔部51bの内壁面に中心軸51bXに沿って形成された傾斜溝部300bとで構成されている。内壁溝300の上流部分を構成する垂直溝部300aは空気孔プレート20の上流側端面20bに開口しておらず、内壁溝300の下流部分を構成する垂直溝部300aは空気孔プレート20の下流側端面20aに開口している。内壁溝300を有する1列目空気孔51に対応する1列目燃料ノズル61は、複数の噴射孔61aの少なくとも1つが垂直溝部300aと対向するように配置されている。
次に、内壁溝300を有する1列目空気孔51における燃焼用空気104、燃料及びこれらの混合気の流れについて説明する。図5(a)は、内壁溝300を有する1列目空気孔51の断面図であり、図5(b)は、内壁溝300を有する1列目空気孔51を上流側から見た図である。
図5(a)及び(b)に示すように、1列目燃料ノズル61は、先端部側面に形成された複数の噴射孔61aから垂直孔部51aの内壁に向けて放射状に燃料204を噴射する。燃焼用空気104は、1列目燃料ノズル61の外側面に沿って垂直孔部51aに流入して、複数の噴射孔61aから噴射された燃料204と混合し、混合気となる。この混合気の大部分は、図中矢印205で示すように、1列目空気孔51を通過して燃焼室5に噴出する。一方、混合気の残りの一部は、図中矢印206で示すように、内壁溝300を通過して燃焼室5に噴出する。ここで、複数の噴射孔61aの少なくとも1つが垂直溝部300aと対向するように1列目燃料ノズル61を配置したことにより、内壁溝300を通過する混合気206の燃空比を大きくすることが可能となる。また、内壁溝300を上流側端面20bに開口させず下流側端面20aにのみ開口させたことにより、混合気206の逆流を防止することができる。
以上のように構成した本実施例に係るガスタービン燃焼器3によって達成される効果を、従来技術に係るガスタービン燃焼器と比較して説明する。図6は、従来技術に係るガスタービン燃焼器のバーナ付近の断面図であり、図7は、本実施例に係るガスタービン燃焼器3のバーナ付近の断面図である。
図6に示すように、従来技術に係るガスタービン燃焼器3の構成は、1列目空気孔51に内壁溝300が形成されていない点を除き、本実施例に係るガスタービン燃焼器3と同様である。
従来技術に係るガスタービン燃焼器3では、低NOx燃焼運転に移行する際、内周燃料ヘッダ23に供給される燃料の流量を減少させて1列目空気孔の燃空比を下げると共に、外周燃料ヘッダ24に供給される燃料の流量を増加させて2列目空気孔52及び3列目空気孔53の燃空比を上げ、バーナ8a全体で燃空比を一様にする。この時、従来技術に係るガスタービン燃焼器3では、デッドスペース40の燃空比が着火時よりも低下することにより、図中矢印85で示すように、定常火炎82が下流側へ浮き上がり、フリッカーや失火が発生するおそれがある。
これに対し、本実施例に係るガスタービン燃焼器3では、図7に示すように、内壁溝300を有する1列目空気孔51で生成された混合気の一部(混合気206)を内壁溝300を介してデッドスペース40に噴出させることにより、デッドスペース40の燃空比を従来よりも高くすることができる。これにより、デッドスペース40の火炎温度を従来よりも上昇させることが可能となり、定常火炎82をバーナ8aに安定的に付着させることができる。
さらに、内壁溝300の下流部分(図4に示した傾斜溝部300b)は、1列目空気孔51の下流部分(図4に示した傾斜孔部51b)と同様、バーナ中心軸8aXを中心とする円周方向に傾斜しているため、内壁溝300から噴出した混合気は、デッドスペース40において内周旋回流83を形成する。この内周旋回流83によって内周循環流84が強化され、定常火炎82がさらに安定する。
以上のように、定常火炎82をバーナ8aに安定的に付着させると共に、定常火炎82をさらに安定させることにより、低NOx燃焼運転時のフリッカーや失火を抑制することができ、ガスタービン4の安定的な運転が可能となる。
本発明の第2の実施例に係るガスタービン燃焼器について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。図8は、本実施例に係るガスタービン燃焼器3における内壁溝300を有する1列目空気孔51の構造を示す模式図であり、図9(a)は、本実施例に係るガスタービン燃焼器3における内壁溝300を有する1列目空気孔51の断面図であり、図9(b)は、内壁溝300を有する1列目空気孔51を上流側から見た図である。
第1の実施例に係るガスタービン燃焼器3では、図4及び図5に示すように、1列目燃料ノズル61が内壁溝300を有する1列目空気孔51と略同軸に配置されており、燃料204と燃焼用空気104は1列目燃料ノズル61の軸周りで対称的に混合される。そのため、1列目空気孔51から噴出する混合気205の燃空比と内壁溝300から噴出する混合気206の燃空比とはほぼ等しくなる。
これに対し、本実施例に係るガスタービン燃焼器3では、図8及び図9に示すように、1列目燃料ノズル61の中心軸を内壁溝300寄りに偏心させることにより、1列目空気孔51の内壁溝300寄りの内壁と1列目燃料ノズル61との間隙90を小さくしている。これにより、内壁溝300寄りの間隙90から流入する燃焼用空気104の流量を減少させることができ、内壁溝300を介してデッドスペース40に噴出する混合気206の燃空比を第1の実施例よりも高くすることができる。
以上のように構成した本実施例に係るガスタービン燃焼器3によれば、デッドスペース40の火炎温度をさらに上昇させることができ、定常火炎82をバーナ8aにより安定的に付着させることができる。その結果、ガスタービンプラント1において、低NOx燃焼運転時のフリッカーや失火をより効果的に抑制することができ、ガスタービン4のより安定的な運転が可能となる。
本発明の第3の実施例に係るガスタービン燃焼器について、第1又は第2の実施例との相違点を中心に説明する。図10は、本実施例に係るガスタービン燃焼器3のバーナ付近の断面図であり、図11は、本実施例に係るガスタービン燃焼器3が備える空気孔プレート20を下流側から見た図である。
図10及び図11に示すように、本実施例に係るガスタービン燃焼器3は、燃焼室5の上流側に配設されたパイロットバーナ30と、このパイロットバーナの周囲に配設された複数(本実施例では6つ)のメインバーナ31とを備えており、これらパイロットバーナ30及び複数のメインバーナ31は、マルチバーナ8bを構成している。パイロットバーナ30及び複数のメインバーナ31のそれぞれの構造は、空気孔プレート20を共用している点を除き、第1又は第2の実施例におけるバーナ8aと同様である。
本実施例における燃料系統200は、図示しない共通燃料系統と、この共通燃料系統から分岐した複数(本実施例では4つ)の分岐燃料系統207〜210とを備えている。これら複数の分岐燃料系統207〜210のそれぞれには、燃料圧力調整弁及び燃料流量調整弁(図示せず)が設置されている。なお、本実施例では、分岐燃料系統を4つとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。
パイロットバーナ30の内周燃料ヘッダ23には分岐燃料系統207が接続されており、パイロットバーナ30の外周燃料ヘッダ24には分岐燃料系統208が接続されており、複数のメインバーナ31の内周燃料ヘッダ23には分岐燃料系統209が接続されており、メインバーナ31の外周燃料ヘッダ24には分岐燃料系統210が接続されている。
以上のように構成した本実施例に係るガスタービン燃焼器3によれば、第1又は第2の実施例におけるバーナ8aと同様、パイロットバーナ30及び複数のメインバーナ31のそれぞれにおいて、定常火炎82をマルチバーナ8bに安定的に付着させることにより、低NOx燃料運転時のフリッカーや失火を抑制することができ、ガスタービン4の安定的な運転が可能となる。
さらに、複数の分岐燃料系統207〜210の燃料流量をそれぞれ独立して調整することにより、パイロットバーナ30の内周燃料ヘッダ23、パイロットバーナ30の外周燃料ヘッダ24、複数のメインバーナ31のそれぞれの内周燃料ヘッダ23、及び複数のメインバーナ31のそれぞれの外周燃料ヘッダ24に供給される燃料の流量を個別に制御することができるため、多様なガスタービン負荷に対応することが可能となる。
なお、本実施例では、パイロットバーナ30及び複数のメインバーナ31の全てを第1又は第2の実施例におけるバーナ8aと同様の構造としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、パイロットバーナ30又は複数のメインバーナ31の一部を別構造としても良い。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、あるいは、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。さらに、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…ガスタービンプラント、2…圧縮機、3…ガスタービン燃焼器、4…ガスタービン、5…燃焼室、6…発電機、7…エンドカバー、8a…バーナ、8aX…バーナ中心軸、8b…マルチバーナ、9…ディフューザ、10…外筒、11…ライナ、12…トランジションピース、20…空気孔プレート、20a…下流側端面、20b…上流側端面、21…空気孔、22…燃料ノズル、23…内周燃料ヘッダ、24…外周燃料ヘッダ、30…パイロットバーナ、31…メインバーナ、40…デッドスペース、51…1列目空気孔、51a…垂直孔部、51aX…垂直孔部の中心軸、51b…傾斜孔部、51bX…傾斜孔部の中心軸、52…2列目空気孔、53…3列目空気孔、60…燃料遮断弁、61…1列目燃料ノズル、61a…噴射孔、62…2列目燃料ノズル、63…3列目燃料ノズル、70a,71a…燃料圧力調整弁、70b,71b…燃料流量調整弁、80…旋回流、81…循環流、82…定常火炎、83…内周旋回流、84…内周循環流、90…1列目空気孔の内壁溝寄りの内壁と1列目燃料ノズルとの間隙、101…空気、102…圧縮空気、103…冷却空気、104〜106…燃焼用空気、110…燃焼ガス、111…排ガス、200…燃料系統、201…共通燃料系統、202…分岐燃料系統、203…分岐燃料系統、204…燃料、205,206…混合気、207〜210…分岐燃料系統、300…内壁溝、300a…垂直溝部、300b…傾斜溝部。

Claims (4)

  1. 燃料と空気を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼室と、前記燃焼室に燃料と空気を供給するバーナとを備えたガスタービン燃焼器において、
    前記バーナは、バーナ中心軸を中心とする複数の同心円上に配置された複数の空気孔を有する空気孔プレートと、前記空気孔プレートの上流側に配置され、前記複数の空気孔のそれぞれに対応する複数の燃料ノズルとを有し、
    前記複数の空気孔のそれぞれの下流部分は、前記バーナ中心軸を中心とする円周方向に傾斜しており、
    前記複数の空気孔のうち最も内側の同心円に配置された少なくとも1つの所定の空気孔は、前記空気孔プレートの下流側端面において前記バーナ中心軸寄りの部分に開口した内壁溝を有することを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 請求項1に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記複数の燃料ノズルのうち前記所定の空気孔に対応する所定の燃料ノズルの先端面は閉止されており、
    前記所定の燃料ノズルの先端部側面には複数の噴射孔が形成されており、
    前記所定の燃料ノズルは、その先端部が前記所定の空気孔に挿入され、前記複数の噴射孔の少なくとも1つが前記内壁溝と対向するように配置されたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  3. 請求項2に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記所定の燃料ノズルは、その中心軸が前記内壁溝寄りに偏心して配置されていることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスタービン燃焼器において、
    前記バーナを複数備えたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
JP2015197825A 2015-10-05 2015-10-05 ガスタービン燃焼器 Pending JP2017072271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015197825A JP2017072271A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 ガスタービン燃焼器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015197825A JP2017072271A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 ガスタービン燃焼器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017072271A true JP2017072271A (ja) 2017-04-13

Family

ID=58537302

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015197825A Pending JP2017072271A (ja) 2015-10-05 2015-10-05 ガスタービン燃焼器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017072271A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110056862A (zh) * 2016-09-07 2019-07-26 韩国生产技术研究院 低氮氧化物燃烧器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110056862A (zh) * 2016-09-07 2019-07-26 韩国生产技术研究院 低氮氧化物燃烧器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7284378B2 (en) Methods and apparatus for low emission gas turbine energy generation
JP5364275B2 (ja) 燃焼システムにおけるNOxエミッションを低減するのを可能にするための方法及びシステム
JP5948489B2 (ja) ガスタービン燃焼器
EP2754963A1 (en) Gas turbine combustor
JP7044669B2 (ja) ガスタービン燃焼器
US8256226B2 (en) Radial lean direct injection burner
JPWO2016104725A1 (ja) バーナ、燃焼器、及びガスタービン
KR101777320B1 (ko) 다단연소를 이용한 초저 NOx 연소기
JP2012241982A (ja) 燃焼器
JP2015132462A (ja) 希釈ガスを用いる2段燃焼配列
CN112594734B (zh) 燃气轮机燃烧器
JPH0814565A (ja) ガスタービン燃焼器
JP2014105886A (ja) 燃焼器
JP6022389B2 (ja) ガスタービン燃焼器
JP2016023916A (ja) ガスタービン燃焼器
JPH0443220A (ja) ガスタービンの燃焼器
JP2017072271A (ja) ガスタービン燃焼器
JP2014055697A (ja) ガスタービン燃焼器
JP7167772B2 (ja) 燃焼器
JP5926118B2 (ja) バーナ、燃焼器、ガスタービン設備及び燃焼器の制御方法
JP5057363B2 (ja) ガスタービン燃焼器
KR20100064755A (ko) 다수 연료혼합장치가 구비된 가스터빈 저공해 연소기