JP2013177913A - 車輪用複列アンギュラ型玉軸受 - Google Patents

車輪用複列アンギュラ型玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】車輪用複列アンギュラ玉軸受において、インナー側玉列とアウター側玉列の中間位置と、ホイールの幅方向中間位置との水平方向距離(オフセット)が0でない場合、軸受に対してモーメント荷重が負荷されるのに対して、従来の車両用軸受はこのオフセットを考慮せずに諸元を決定しているため、インナー側玉列とアウター側玉列とで負荷状況の違いから軸受寿命が短くなる場合があった。
【解決手段】本発明は、オフセットがあることによって軸受に負荷されるモーメント荷重を考慮して接触角を設定することにより、インナー側及びアウター側のそれぞれの玉列において、負荷状況に合わせた最適なラジアル及びアキシャル剛性を設定するものである。このため、インナー側とアウター側玉列の寿命が同程度になり、結果として軸受の寿命を延長することが可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は自動車の車輪を回転自在に支持する複列アンギュラ玉軸受に関する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に従来から、例えば図1に示すような車輪用複列アンギュラ型玉軸受が使用されている。この図1に示した車輪用複列アンギュラ型玉軸受は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びRR車の後輪、4WD車の全輪)を支持する為のもので、外輪1、ハブ2、内輪7及び複数個の玉3が組み込まれた玉列を2列備える。このうちの外輪1は、内周面に外向アンギュラ型の外輪軌道4a、4bを複列に形成すると共に、外周面に結合フランジ5を形成している。車両への組み付け時には、この結合フランジ5を懸架装置を構成するナックルに結合する。
又、上記ハブ2は、ハブ本体6と内輪7とを組み合わせて成る。このうちのハブ本体6の中心部にはスプライン孔8を、外周面の外端(軸方向に関して「外」とは、車両への組み付け状態で幅方向外側となる側を言い、図1の左側を指す。反対に、車両への組み付け状態で幅方向中央側となる、図1の右側を「内」と言う。本明細書全体で同じ。)寄り部分には車輪を取り付けるための取付フランジ9を、それぞれ形成している。
そして、上記各外輪軌道4a、4bと上記各内輪軌道10a、10bとの間に前記各玉3を、それぞれ複数個ずつ、図示しない保持器により保持した状態で転動自在に設けている。この構成により、背面組み合わせである複列アンギュラ型の玉軸受を構成し、上記外輪1の内径側に前記ハブ2を、回転自在に、且つ、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承自在に支持している。尚、図示の構造の場合、上記内輪7の外端面を上記小径段部11の基端縁に設けた段差面12に当接させた状態で、インナー側(車両への組み付け状態で幅方向中央側となる側を言い、図1の右側を指す。本明細書全体で同じ。)の玉列とアウター側(車両への組み付け状態で幅方向外側となる側を言い、図1の左側を指す。本明細書全体で同じ。)の玉列とを構成する各玉3に、それぞれ所定の接触角α、α及び予圧が付与される様に、各部の形状及び寸法を規制している。又、上記外輪1の内周面と上記ハブ2の外周面との間で、上記複数個の玉3を設置した空間には、潤滑用のグリースを封入すると共に、この空間の両端開口を、それぞれシールリング13a、13bにより密閉している。
該車両用軸受を車両に取り付けた場合において、車両設計上の種々の制約条件から、軸受のインナー側玉列とアウター側玉列の幅方向中心位置と、ホイールの幅方向中心位置との水平方向距離(以下、オフセットと呼ぶ)は0ではない場合が多く、このオフセットにより軸受に対してモーメント荷重が負荷されることになる。これに対して、図1に示した構造を含む従来の車輪用複列アンギュラ型玉軸受の場合、インナー側の玉列の接触角αとアウター側の玉列の接触角αとを等しく(α=α)することが一般的であり、インナー側玉列とアウター側玉列とで負荷状況の違いから寿命に差がある場合が多かった。
この問題に対しては、例えば特許文献1に記載されているように、車両の旋回時にはインナー側玉列には大きなラジアル荷重が負荷されることがわかっており、インナー側玉列の接触角をアウター側玉列より小さくすることでラジアル荷重の支承能力を高め、インナー側玉列とアウター側玉列の寿命を同程度に延ばすという発明が提案されている。また、特許文献2に記載されているように、インナー側玉列の接触角をアウター側より大きくして軸受内輪のクリープ現象を防止することで、軸受寿命を延ばすという発明も成されている。
特開平2004−76892号公報 特開平2000−161368号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、インナー側の玉列の接触角をアウター側の玉列の接触角よりも小さくすることにより荷重のバランスを適切にしているが、オフセットは考慮されていない。したがってオフセットがマイナス(軸受のインナー側玉列とアウター側玉列の中間位置よりもホイールの幅方向中間位置が車体外側にある状態。以下「マイナスオフセット」と呼ぶ。図3参照。)の場合に、接触角が大きいアウター側玉列に大きなラジアル荷重が負荷されることになり、アウター側玉列の寿命が短くなる可能性がある。また、特許文献2の発明においてもオフセットは考慮されていないので、オフセットがプラス(軸受のインナー側玉列とアウター側玉列の中間位置よりもホイールの幅方向中間位置が車体中心に寄っている状態。以下「プラスオフセット」と呼ぶ。図2参照。)の場合は、やはり接触角の大きいインナー側玉列の寿命が短くなる可能性がある。
本発明は上記の課題を鑑みたものであり、車輪用軸受においてオフセットを考慮した設計を行うことで軸受の寿命を延ばすことを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては車輪用軸受のインナー側及びアウター側玉列の接触角をオフセットに合わせて設定する。詳しくは、プラスオフセットの場合はインナー側玉列の接触角をアウター側玉列よりも小さく、逆にマイナスオフセットの場合はアウター側玉列の接触角をインナー側玉列より小さくすることで、2つの玉列の内、ホイールの幅方向中心位置に近いほうの玉列、すなわち、より大きいラジアル荷重が負荷される側の玉列についてラジアル荷重の支承能力を高める。さらに、プラスオフセットの場合のアウター側玉列、マイナスオフセットの場合のインナー側玉列は要求されるラジアル荷重支承能力が低くなる分、接触角を大きくして軸受のアキシャル剛性を向上させる。
従来はインナー側玉列とアウター側玉列の接触角が基本的に同じだったので、それぞれの玉列の負荷状況に応じた諸元になっていなかった。したがってどちらかの玉列に過剰なラジアル剛性やアキシャル剛性が付与されていたり、また逆にそれらが不足している場合があった。本発明は、オフセットがあることによって軸受に負荷されるモーメント荷重を考慮して接触角を設定するため、インナー側及びアウター側のそれぞれの玉列において、負荷状況に合わせた最適なラジアル及びアキシャル剛性を設定できる。
このため、各玉の転動面と各軌道との接触部における摩擦による過剰な発熱を防止することができるので、潤滑用のグリースの劣化が抑制されて上記接触部での良好な油膜を長期間に渡って形成することができる。そのため、インナー側とアウター側玉列の寿命が同程度になり、結果として軸受の寿命を延長することが可能となる。
車輪用複列アンギュラ型玉軸受の従来構造の1例を示す断面図である。 本発明におけるプラスオフセットを示す略図である。 本発明におけるマイナスオフセットを示す略図である。 インナー側、アウター側の各玉列の接触角と発熱量との関係を示す三次元グラフである。 インナー側、アウター側の各玉列の接触角と寿命比との関係を示す三次元グラフである。
本発明をなす過程で行なった実験(コンピュータシミュレーション)に就いて説明する。実験は、図1に略示する様な車輪用複列アンギュラ型玉軸受を対象に行なった。シミュレーションではこのような車輪用複列アンギュラ型玉軸受につき、諸元の異なる複数種類の試料を用意した。これら各試料の諸元を、以下の表1及び表2に示す。
Figure 2013177913
Figure 2013177913
表1及び表2に示すように、試料の玉径、ピッチ円径、1列当たりの玉数、列間距離、予圧荷重は等しく、インナー側及びアウター側玉列の接触角が30〜45度の範囲で5度ずつ異なる試料を計16種類用意した。
上述の各試料について、軸受トルクから換算される発熱量と、Lundberg−Palmgrenの寿命理論から計算される応力分布によるL10寿命をコンピュータシミュレーションによって求めた。試験条件は、以下の通りである。
運転状態 :外輪固定・内輪回転
負荷荷重 :ラジアル荷重Fr=6.1kN
アキシャル荷重Fa=1.6kN
オフセット:モーメント荷重M=0.56kN・m
(91.8mmのプラスオフセットに相当)
上述のコンピュータシミュレーションの結果を、図4〜5に示す。先ず、図4は、インナー側及びアウター側の各玉列の接触角と、軸受トルクから換算される発熱量の関係を示している。この図4に示した実験結果より、プラスオフセットの場合には「インナー側玉列の接触角<アウター側玉列の接触角」とすれば、発熱量を少なくする事ができることがわかる。この結果、各玉列に封入した潤滑用グリースの劣化が抑制され、これら各玉の転動面と外輪、内輪各軌道との接触部での油膜形成が不良になる事を有効に防止できる。
次に、図5は、インナー側、アウター側の各玉列の接触角と、Lundberg−Palmgrenの寿命理論から計算される応力分布によるL10寿命との関係を示している。この図5中、L10寿命は、「インナー側玉列の接触角=アウター側玉列の接触角=35度」の場合のL10寿命を「1」として、これに対する比率を示す「寿命比」で表している。この寿命比は1より大きいほど、軸受が長寿命であることを表している。この図5に示した実験結果から明らかな通り、プラスオフセットの場合は「インナー側玉列の接触角<アウター側玉列の接触角」とすれば、計算寿命を延長させる事ができる。
又、上述した様な計算機シミュレーションの結果に基づいて、車輪用複列アンギュラ型玉軸受のインナー側玉列の接触角を33±2度とし、アウター側玉列の接触角を40±2度として実際の運転を行なったところ、この車輪用複列アンギュラ型玉軸受の実験寿命が、従来構造の実験寿命の2〜5倍に延びた。以上の点から、本発明を実施する場合に、インナー側玉列の接触角αを30〜40度、アウター側玉列の接触角αを35〜45度の範囲内に収め、かつアウター側玉列の接触角αをインナー側玉列の接触角αよりも5度以上大きく(α−α≧5度)する事が好ましい。
以上はオフセットがプラスの場合を述べているが、マイナスオフセットの場合は逆に「インナー側玉列の接触角>アウター側玉列の接触角」とすれば、計算寿命を延長させる事ができる。この場合は、インナー側玉列の接触角αを35〜45度、アウター側玉列の接触角αを30〜40度の範囲内に収め、かつアウター側玉列の接触角αをインナー側玉列の接触角αよりも5度以上小さく(α−α≧5度)する事が好ましい。
本発明の車輪用複列アンギュラ型玉軸受は、以上に述べたように構成され作用する為、インナー側玉列とアウター側玉列との寿命のバランスを取り、車輪用複列アンギュラ型玉軸受全体としての長寿命化を図ることができる。また、この技術は駆動輪に限らず、従動輪に対しても用いることができる。
1 外輪
2 ハブ
3 玉
4a、4b 外輪軌道
5 結合フランジ
6 ハブ本体
7 内輪
8 スプライン孔
9 取付フランジ
10a、10b 内輪軌道
11 小径段部
12 段差面
13a、13b シールリング
14 インナー側玉列とアウター側玉列の幅方向中心位置
15 ホイールの幅方向中心位置
16 オフセット(プラス)
17 オフセット(マイナス)

Claims (1)

  1. 内周面にアンギュラ型の外輪軌道を複列に設けた外輪相当部材と、外周面にアンギュラ型の内輪軌道を複列に設けた内輪相当部材と、これら各内輪軌道と上記各外輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に設けられた玉とを備え、上記外輪相当部材と上記内輪相当部材のうちの一方を懸架装置に支持し、他方の部材に車輪を支持する状態で使用する車輪用複列アンギュラ型玉軸受において、ホイールの幅方向中心位置に近い方の玉列の接触角を、反対側の玉列の接触角よりも小さくしたことを特徴とする、車輪用複列アンギュラ型玉軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022185382A1 (ja) * 2021-03-01 2022-09-09 株式会社ジェイテクト 車輪用軸受装置

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