これらのフィルタ再生装置で上記パティキュレートフィルタを再生する場合、省電力の面から上記フィルタ再生装置の上記電気ヒータに供給される電力を極力小さくしたいという要請がある。また、上記電気ヒータの消費電力が同等であっても上記パティキュレートフィルタを更に強力に加熱して再生時間を短縮したいという要請もある。ここでは上記内燃機関の上記排気ガスに含まれる上記粒子状物質を捕集する上記パティキュレートフィルタを再生する上記フィルタ再生装置の課題を説明したが、この課題は、導入側の端面から導入した汚染ガスから粒子状物質を捕集し清浄ガスとして導出側の端面から排出する耐熱性のパティキュレートフィルタを加熱して上記粒子状物質を焼くためのフィルタ再生装置に共通する課題である。
本発明は、上記従来のフィルタ再生装置では例えば上記パティキュレートフィルタ、上記電気ヒータ、又は上記電気ヒータなどを収容する容器などの部材の寸法のばらつき、上記部材の熱変形などにより上記部材同士が干渉することを防止すること、上記パティキュレートフィルタの上記フィルタ再生装置への装着時および上記フィルタ再生装置からの離脱時に上記部材同士が当たって傷つくことを防止すること、排気ガス流を上記パティキュレートフィルタの上記導入側の端面の全面に導入して上記パティキュレートフィルタの使用効率をあげることなどの理由から上記パティキュレートフィルタと上記電気ヒータとの間に隙間をあけていることに着目してなされたものである。本発明の目的は、上記外部再生形のフィルタ再生装置においては機器から取り外した上記パティキュレートフィルタのフィルタ再生装置への装着およびフィルタ再生装置からの離脱を上記パティキュレートフィルタと上記電気ヒータとの間に隙間をあけて行い、上記パティキュレートフィルタのフィルタ再生装置への装着後に上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とを押圧力をもって接触させて上記電気ヒータを発熱させ、また上記内部再生形のフィルタ再生装置においては機器で粒子状物質を捕集するときなどの機器の稼働時にはパティキュレートフィルタと電気ヒータとの間に隙間をあけておき上記パティキュレートフィルタの再生時に上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とを押圧力をもって接触させて上記電気ヒータを発熱させ、こうすることにより、例えば上記パティキュレートフィルタ、上記電気ヒータ、又は上記容器などの部材の寸法のばらつき、上記部材の熱変形などにより上記部材同士が干渉することを防止すること、上記パティキュレートフィルタの上記フィルタ再生装置への装着時および上記フィルタ再生装置からの離脱時に上記部材同士が当たって傷つくことを防止すること、上記汚染ガス流を上記パティキュレートフィルタの上記導入側の端面の全面に導入して上記パティキュレートフィルタの使用効率をあげることなどを実現させると共に、上記部材が熱変形などしても上記部材にかかる応力を軽減することができ、上記パティキュレートフィルタを効率よく加熱して上記電気ヒータに供給される電力を極力小さくすることができ、また、上記パティキュレートフィルタを効率よく加熱して上記電気ヒータの消費電力が同等であっても上記パティキュレートフィルタを更に強力に加熱して再生時間を短縮することができるフィルタ再生装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1のフィルタ再生装置は、
導入側の端面から導入した汚染ガスから粒子状物質を捕集し清浄ガスとして導出側の端面から排出する耐熱性のパティキュレートフィルタを加熱して上記粒子状物質を焼くためのフィルタ再生装置であって、
内部に空間ができるように形成され、一端に上記空間が上記パティキュレートフィルタの上記導入側の端面および上記導出側の端面のうち一方の端面に連通するように上記パティキュレートフィルタに気密的に接続されることになる接続部が設けられ、上記空間に連通する新気導入口が設けられた容器と、
上記容器の内部に配置され、通気を許容する貫通部を有すると共に通電されると発熱する電気ヒータと、
上記容器と上記電気ヒータとの相対位置を、上記電気ヒータの上記接続部側の面が上記接続部における上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面に対応する位置にある第1相対位置、又は上記電気ヒータが上記第1相対位置のときよりも上記空間の内方に寄っている第2相対位置に位置付け、さらに上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とを押圧力をもって接触させる移動手段とを備え、
上記移動手段により上記容器および上記電気ヒータを上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータに通電することが可能となるように構成したフィルタ再生装置である。
上記フィルタ再生装置のうち上記外部再生形のものでは、上記容器の上記接続部に機器から取り外した上記パティキュレートフィルタを接続する装着作業のときも、上記容器の上記接続部から上記パティキュレートフィルタを分離する離脱作業のときも、上記移動手段により上記容器および上記電気ヒータを上記第2相対位置に位置づけておく。そうすると、上記装着作業および上記離脱作業は、上記パティキュレートフィルタと上記電気ヒータとの間に隙間があいた状態で行われる。次いで上記移動手段により上記容器および上記電気ヒータを上記第1相対位置に位置づけると、上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触し、上記電気ヒータに通電することが可能となる。そして、上記電気ヒータに通電して上記電気ヒータを発熱させると、上記電気ヒータによって上記パティキュレートフィルタが加熱されて上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化、燃焼させ、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。
上記フィルタ再生装置のうち上記内部再生形のものでは、機器の稼働時には上記移動手段により上記容器および上記電気ヒータを上記第2相対位置に位置づけて上記パティキュレートフィルタと上記電気ヒータとの間に隙間をあけておく。次いで上記パティキュレートフィルタの再生時には上記移動手段により上記容器および上記電気ヒータを上記第1相対位置に位置づけると、上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触し、上記電気ヒータに通電することが可能となる。そして、上記電気ヒータに通電して上記電気ヒータを発熱させると、上記電気ヒータによって上記パティキュレートフィルタが加熱されて上記パティキュレートフィルタに捕集された粒子状物質を酸化、燃焼させ、これによって上記パティキュレートフィルタが再生される。
その場合、上記容器および上記電気ヒータが上記第2相対位置にあると上記パティキュレートフィルタと上記電気ヒータとの間に隙間があいているので、例えば上記パティキュレートフィルタ、上記電気ヒータ、又は上記容器などの部材の寸法のばらつき、上記部材の熱変形などにより上記部材同士が干渉することを防止すること、上記パティキュレートフィルタの上記フィルタ再生装置への装着時および上記フィルタ再生装置からの離脱時に上記部材同士が当たって傷つくことを防止すること、上記汚染ガス流を上記パティキュレートフィルタの上記導入側の端面の全面に導入して上記パティキュレートフィルタの使用効率をあげることなどが実現する。また、上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあると上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触するが、上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容するので、上記部材が熱変形などしても上記部材にかかる応力が軽減される。
さらに、上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触した状態で上記電気ヒータが発熱するので、上記パティキュレートフィルタを効率よく加熱して上記電気ヒータに供給される電力が極力小さくなり、また、上記パティキュレートフィルタを効率よく加熱して上記電気ヒータの消費電力が同等であっても上記パティキュレートフィルタを更に強力に加熱して再生時間が短縮される。
本発明の第2のフィルタ再生装置は、上記第1のフィルタ再生装置において、
上記容器が、接続部側を構成する第1部材と、反接続部側を構成する第2部材とを備えており、
上記第1部材の反接続部側に弾性部材が配置されてこれらが接続され、上記弾性部材の反接続部側に上記第2部材が配置されてこれらが接続されており、
上記第2部材に上記電気ヒータが設けられており、
上記接続部を上記パティキュレートフィルタに接続したときに上記容器と上記パティキュレートフィルタとを上記一方の端面に直交する方向に沿って押圧する押圧手段が設けられており、
これらによって上記移動手段が構成されているフィルタ再生装置である。
このようにすれば、上記押圧手段により、上記容器と上記パティキュレートフィルタとを上記一方の端面に直交する方向に沿って押圧すると、上記弾性部材が圧縮されて上記容器と上記電気ヒータとの相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに、上記弾性部材の弾性変形により、上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材の弾性復原力により、上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触する。
本発明の第3のフィルタ再生装置は、上記第2のフィルタ再生装置において、
上記第1部材の反接続部側に弾性部材が配置されてこれらが接続され、上記弾性部材の反接続部側に上記第2部材が配置されてこれらが接続されていることに代えて、
上記第1部材の反接続部側の端部と上記第2部材の接続部側の端部とが全周に隙間をあけて嵌まっており、この隙間に円環形の弾性部材が押圧された状態で嵌まり、この弾性部材が上記第1部材および上記第2部材のうち少なくとも一方に係止されているフィルタ再生装置である。
このようにすれば、上記押圧手段により、上記容器と上記パティキュレートフィルタとを上記一方の端面に直交する方向に沿って押圧すると、上記弾性部材の変形に抗しながら上記容器と上記電気ヒータとの相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに、上記弾性部材の弾性変形により、上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材の弾性復原力により、上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触する。
本発明の第4のフィルタ再生装置は、上記第1のフィルタ再生装置において、
上記電気ヒータと上記容器との間に、主シリンダと、この主シリンダにスライド自在に嵌まった主ロッドとを備えて上記主ロッドを上記主シリンダから出し又は上記主シリンダに入れるアクチュエータが設けられ、
上記アクチュエータの上記主ロッドが、副シリンダを有する本体と、この本体の上記副シリンダにスライド自在に嵌まった副ロッドと、上記本体と上記副ロッドとの間に装着された弾性部材とを備えており、
これらによって上記移動手段が構成されているフィルタ再生装置である。
このようにすれば、上記アクチュエータの作動により上記主ロッドが上記主シリンダから出る方向に移動すると上記容器と上記電気ヒータとの相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに、上記本体に対する上記副ロッドのスライド動により、上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材の弾性復原力により、上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触する。
本発明の上記第1のフィルタ再生装置は、上記容器および上記電気ヒータが上記第2相対位置にあると上記パティキュレートフィルタと電気ヒータとの間に隙間があいているので、例えば上記パティキュレートフィルタ、上記電気ヒータ、又は上記容器などの部材の寸法のばらつき、上記部材の熱変形などにより上記部材同士が干渉することを防止すること、上記パティキュレートフィルタの上記フィルタ再生装置への装着時および上記フィルタ再生装置からの離脱時に上記部材同士が当たって傷つくことを防止すること、上記汚染ガス流を上記パティキュレートフィルタの上記導入側の端面の全面に導入して上記パティキュレートフィルタの使用効率をあげることなどを実現することができる。また、上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあると上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触するが、上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容するので、上記部材が熱変形などしても上記部材にかかる応力を軽減することができる。さらに、上記電気ヒータと上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とが押圧力をもって接触した状態で上記電気ヒータが発熱するので、上記パティキュレートフィルタを効率よく加熱して上記電気ヒータに供給される電力を極力小さくすることができ、また、上記パティキュレートフィルタを効率よく加熱して上記電気ヒータの消費電力が同等であっても上記パティキュレートフィルタを更に強力に加熱して再生時間を短縮することができる。
本発明の上記第2のフィルタ再生装置により、また本発明の上記第3のフィルタ再生装置により、上記第1のフィルタ再生装置のうち上記外部再生形のものの一例を示すことができた。
本発明の上記第4のフィルタ再生装置により、上記第1のフィルタ再生装置のうち上記内部再生形のものの一例を示すことができた。
図1ないし図4は、本発明のフィルタ再生装置の第1の実施形態を示す。このフィルタ再生装置100は、耐熱性のパティキュレートフィルタ200を加熱して上記粒子状物質を焼くためのフィルタ再生装置である。上記パティキュレートフィルタ200の一端には汚染ガスの導入側の端面210が設けられており、上記パティキュレートフィルタ200の他端には上記汚染ガスの導出側の端面220が設けられている。そして、上記パティキュレートフィルタ200は、上記導入側の端面210から導入した上記汚染ガスから粒子状物質を捕集し清浄ガスとして上記導出側の端面220から排出するようになっている。この実施形態のフィルタ再生装置100は、上記外部再生形のフィルタ再生装置であり、機器から取り外したパティキュレートフィルタ200を装着して上記パティキュレートフィルタ200を再生するフィルタ再生装置である。この実施形態の場合、上記機器は内燃機関であり、詳しくはディーゼルエンジンである。よって、上記汚染ガスは上記内燃機関の排気ガスであり、上記粒子状物質は主として黒煙であるが、その他の成分の物質も含んでいる。上記内燃機関には、図5に示すように、一端が上記燃焼室に接続され、他端が大気に開放されて、上記燃焼室から排出される上記汚染ガスである排気ガスを外部へ導出する排気通路300が設けられている。上記排気通路300は、シリンダに近い側から排気マニフォールド、排気管などの複数の排気通路構成部材の内部通路により一連に構成されている。上記パティキュレートフィルタ200は、上記内燃機関の筒形の上記排気管310の内部に装着されている。上記パティキュレートフィルタは他の上記排気通路構成部材の内部に設けられていることもある。上記機器として、例えばガソリンエンジン若しくはその他の内燃機関、又は外燃機関なども対象となる。さらに、上記機器は上記内燃機関に限定されず、粒子状物質を含んだ汚染ガスを排出する機器を広く含んでいる。したがって、上記機器には、例えばコーヒー焙煎装置などが含まれている。この場合には、上記汚染ガスはコーヒー豆を焙煎したときに出る排煙であり、上記粒子状物質は主としてコーヒー豆の焙煎時に出る煙を構成する粒子、スス、油分などであるが、その他の成分の物質も含んでいる。このコーヒー焙煎装置には、例えば一端がコーヒー焙煎装置におけるコーヒー豆を収容してこれを加熱しつつ攪拌する焙煎室に接続され、他端が大気に開放されて、上記焙煎室から排出される上記汚染ガスである排煙を外部へ導出する排煙通路が設けられる。上記排煙通路は、例えば筒形部材の内部通路により一連に構成され、上記パティキュレートフィルタは、上記筒形部材の内部に装着される。このように上記機器には、上記粒子状物質を含む上記汚染ガスを排出する装置であって、上記導入側の端面から導入した上記汚染ガスから上記粒子状物質を捕集し上記清浄ガスとして上記導出側の端面から排出する耐熱性の上記パティキュレートフィルタを備えた装置が含まれる。
図5に示すように、上記パティキュレートフィルタ200は上記導入側の端面210から上記導出側の端面220に至る上記汚染ガスの通路が上記汚染ガス流の方向に沿うように配置されている。上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210は上記排気管310において上記汚染ガス流の上流側に向いており、上記導出側の端面220は上記汚染ガス流の下流側に向いている。そして、上記排気通路300を流れる上記汚染ガスはその全量が上記パティキュレートフィルタ200を通るようになっている。上記パティキュレートフィルタ200は、上記排気管310の内部に収容され、上記排気管310に保持されている。上記パティキュレートフィルタ200は上記排気管310に対して脱着自在に設けられている。すなわち、上記排気管310の一端が外れるようになっており、例えば上記パティキュレートフィルタ200が目詰まりしたタイミングなどに上記一端を取り外して内部から上記パティキュレートフィルタ200を取り出し、また逆に再生された上記パティキュレートフィルタ200を上記排気管310に収容して上記一端を閉めることで上記パティキュレートフィルタ200を上記排気管310に装着することができるようになっている。上記パティキュレートフィルタ200の筐体の上記汚染ガス流上流側の端部の周縁には上流側フランジ231が設けられ、上記筐体の上記汚染ガス流下流側の端部の周縁には下流側フランジ232が設けられ、これらのフランジが上記排気管310の内面に接触することによって、上記パティキュレートフィルタ200の外周面が上記排気管310の内面から浮くようになっている。しかし、この実施形態の構成によって本発明の対象とする上記パティキュレートフィルタの構成が限定解釈されることはなく、本発明の対象とする上記パティキュレートフィルタは、上記導入側の端面から導入した上記汚染ガスから粒子状物質を捕集し清浄ガスとして導出側の端面から排出する耐熱性のパティキュレートフィルタであればよい。上記パティキュレートフィルタ200は、いわゆる目封じタイプである。上記パティキュレートフィルタ200は、セラミックで構成され、隔壁で区画された複数のセルを有する、いわゆるハニカム体であって、ハニカムを1セルずつ交互にその端を塞いだものであり、上記汚染ガスが壁を通過するときに粒子状物質を捕集する。上記パティキュレートフィルタ200の導入側の端面210では各セルの端面がシール材によって交互に市松模様状に塞がれており、導出側の端面220では、上記導入側の端面210で塞がれたセルは開口し、上記導入側の端面210で開口していたセルはシール材によって塞がれた構造をしている。上記パティキュレートフィルタとしては、他にも例えば多孔体タイプ、繊維タイプなどがあり、これらは、例えば金属等の材料で構成され、上記汚染ガスが多孔体又は繊維の構成体に衝突することで粒子状物質を捕集するように構成されている。しかし、本発明の対象となる上記パティキュレートフィルタの構造は、この実施形態によって限定解釈されるものではなく、汚染ガスに含まれる粒子状物質を捕集する機能を発揮するものであればよい。この実施形態の上記パティキュレートフィルタ200は、上記コーヒー焙煎装置に接続される上記排煙通路、又は他の上記機器に接続されて上記汚染ガスを通す通路などにも設けることができる。
上記フィルタ再生装置100は、容器110と、上記容器110の内部に配置された電気ヒータ120と、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置の変更などを行う移動手段とを備えている。上記容器110は、中空の部材により内部に空間111ができるように形成されている。この実施形態では一端が閉塞されて底部112となった円筒形に設けられているが、内部に空間が形成されるように設けられておれば形状は問わない。上記容器110の一端には接続部113が設けられている。この接続部113は、上記空間111が上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210および上記導出側の端面220のうち一方の端面に連通するように上記パティキュレートフィルタ200に気密的に接続するように設けられている。すなわち、上記接続部113と上記パティキュレートフィルタ200とを接続したときに、この接続した部分の内側が外部に連通しないようになっている。この実施形態では、上記一方の端面として上記導入側の端面210を選択したが、これに代えて上記一方の端面として上記導出側の端面220を選択してもよい。しかし、上記パティキュレートフィルタ200における目詰まりは上記汚染ガス流の上流側から進行していくので、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210に連通させる方が好ましい。以下、上記一方の端面である上記導入側の端面210についての説明は、上記一方の端面として上記導出側の端面を選択したときにも適用することができる。この実施形態では上記容器110の一端に上記空間111を外部に開放する開口113aが設けられていると共に、上記一端に上記開口113aを囲むようにフランジ113bが設けられており、これらとその近傍により上記一端に上記接続部113が設けられている。よって、上記接続部113の上記フランジ113bを上記パティキュレートフィルタ200の上記上流側フランジ231に合わせてこれら両フランジを密着させることにより、上記接続部113が、上記空間111が上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に連通するように上記パティキュレートフィルタ200に気密的に接続されるようになっている。上記接続部を上記パティキュレートフィルタに気密的に接続する形態として、上記実施形態では上記接続部と上記パティキュレートフィルタの上記フランジ同士を密着させたが、さらに上記フランジ同士をネジ、ボルトナット、又はバックルなどにより締結してもよく、また例えば上記接続部と上記パティキュレートフィルタの端部を嵌合し、又はねじ込むなどしてもよい。上記容器110には上記空間111に連通する新気導入口114が設けられている。この新気導入口114は上記容器110の上記底部112に設けられているが、他の部位に設けてもよい。そして、上記新気導入口114には新気供給管410が接続され、ブロア(図示省略)から供給された新気が上記新気供給管410から上記新気導入口114を介して上記容器110の内部へ供給されるようになっている。この実施形態では上記ブロアにより上記新気導入口114に新気を供給したが、例えば上記ブロアを設けずに上記新気導入口を外部に開放して新気の吸い込みを可能としてもよい。
上記電気ヒータ120は、上記容器110の内部に配置されている。上記電気ヒータ120は、通気を許容する貫通部121を有している。上記電気ヒータ120は通電されると発熱する。この実施形態の場合、図3に示すように、上記電気ヒータ120は、電熱線を収納した導電性のパイプを同一面内で螺旋状に巻いてなり、その両端を引き出している。そして、上記両端から引き出した電熱線に通電すると、上記電気ヒータ120が発熱する。そして、上記螺旋状に巻かれたパイプの隣り合うパイプ部分の間に形成された隙間により上記貫通部121が形成されている。しかし、上記電気ヒータは、通気を許容する貫通部を有すると共に通電されると発熱するものであればよく、例えば格子形、S字形、網形など他の形状に形成されていてもよい。
上記移動手段は、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置を、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に対応する位置にある第1相対位置(図1に示す位置)、又は上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置(図2に示す位置)に位置付ける。上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第1相対位置にあるとき、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に接触する。上記移動手段は、さらに上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とを押圧力をもって接触させる。そして、上記フィルタ再生装置100は、上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電することが可能となるように構成している。これに対し、上記接続部を上記パティキュレートフィルタの上記導出側の端面に連通させたときには、第1相対位置では上記電気ヒータの上記接続部側の面が上記接続部における上記パティキュレートフィルタの上記導出側の端面に対応する位置にあることになる。
この実施形態の場合、上記容器110が、接続部側つまり上記接続部113の側を構成する第1部材110aと、反接続部側つまり上記接続部113とは反対側を構成する第2部材110bとを備えている。そして、上記第1部材110aの反接続部側に弾性部材115が配置されてこれらが接続され、上記弾性部材115の反接続部側に上記第2部材110bが配置されてこれらが接続されている。上記弾性部材115は、耐熱性シリコンの多孔質材料により形成されているが、耐熱性および弾性を有する部材であれば他の材料を用いてもよい。上記弾性部材115は、円筒形に形成されている。上記弾性部材115は、上記第1部材110aと上記第2部材110bとの間に配置され、上記弾性部材115と上記第1部材110aとの間および上記弾性部材115と上記第2部材110bとの間は、気密的に接続されている。この接続は接着剤を用いた接着により行っているが、他の方法によってもよい。例えば、上記第1部材および上記弾性部材のうち一方に例えば溝などの凹部を形成し、他方に突起などの凸部を設けてこれらを係止してもよく、上記第2部材および上記弾性部材についても同様に係止してもよい。また、上記接着と上記係止構造とを組み合わせて用いてもよい。また、上記第2部材、上記弾性部材および上記第1部材を鉛直方向に並べるときには、これらを単に積み上げるだけでもよい。すなわち、上記弾性部材115と上記第1部材110aとの間は、その内側が外部に連通しないようになっており、上記弾性部材115と上記第2部材110bとの間は、その内側が外部に連通しないようになっている。そして、上記第2部材110bに上記電気ヒータ120が設けられている。この実施形態では上記底部112に載置台110cが設けられ、この載置台110cに上記電気ヒータ120が固定されている。また、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200に接続したときに上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って押圧する押圧手段130が設けられている。そして、上記容器110、上記弾性部材115、上記電気ヒータ120および上記押圧手段130などの構成によって上記移動手段が構成されている。上記押圧手段130は、支持部材131と、この支持部材131に設けられた加圧装置132とを備えている。上記支持部材131は、一方側に上記容器110が配置される底側部材131aと、この底側部材131aの両側から上記一方側にそれぞれ延びる側方部材131bとを備えている。図1、図2および図4に示すように、上記加圧装置132は、架設部材132aと、この架設部材132aに設けられたハンドル付き押し棒132bとを備えている。上記架設部材132aは、その両端が、上記二つの側方部材131bの上記底側部材131aの側と反対側の端部にそれぞれ接続されている。上記架設部材132aの一方の端部は一方の上記側方部材131bの端部に回動自在に設けられ、上記架設部材132aの他方の端部は他方の上記側方部材131bの端部にバックルを介して脱着自在に取付られている。上記架設部材の端部の上記二つの側方部材への取付構造は他の取付構造であってもよく、例えば上記パティキュレートフィルタを上記容器から取り外せる限り上記架設部材の端部を上記側方部材の端部に固定してもよい。また、例えば上記側方部材を三本以上にしてもよいし、上記側方部材を上記底側部材の周縁から立ち上がる筒形に形成してもよい。上記ハンドル付き押し棒132bは、外周に雄ネジが形成されていて上記架設部材132aを貫通して設けられた雌ネジ孔に噛み合っており、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを正転させると上記ハンドル付き押し棒132bの先端が上記パティキュレートフィルタ200に向かって進み、逆転させると上記ハンドル付き押し棒132bの先端が上記パティキュレートフィルタ200から離れるようになっており、正転させることで上記パティキュレートフィルタ200の下流側フランジ232に当てがった接触板132cを介して上記パティキュレートフィルタ200を上記容器に向かって押圧するようになっている。140は上記底側部材131aと上記容器110との間に配置された緩衝部材であって、この緩衝部材140により衝撃を吸収して上記パティキュレートフィルタ200、又は上記電気ヒータなどが損傷を受けるのを防止している。ここでは上記緩衝部材としてコイルスプリングを用いたが、他の弾性部材などで代替可能である。この緩衝部材140のばね定数は上記弾性部材115のバネ定数よりも数段大きいので、上記加圧装置132の押圧力が負荷されたときに上記弾性部材115に生じる弾性変形量に対して上記緩衝部材140に生じる弾性変形量は非常に少ない。上記新気供給管410は上記底側部材131aを貫通しており、この貫通孔の周縁に対して摺動自在に設けられている。420は、上記電気ヒータ120の付近に配置された一端に温度検出部が設けられ、他端が上記容器110の上記底部112および上記支持部材131の底側部材131aを貫通して外部へ引き出された温度センサであって、上記電気ヒータ120の周辺温度を監視するために用いられている。上記緩衝部材は必要に応じて設ければよく、上記パティキュレートフィルタ、又は上記電気ヒータの構造、材質などによっては設けなくてもよい場合がある。上記温度センサは必要に応じて設ければよい。よって、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを正転させると上記ハンドル付き押し棒132bにより上記パティキュレートフィルタ200が上記容器110に向かって押圧され、上記弾性部材115が圧縮され、上記第1部材110aが上記第2部材110bに近づき、上記パティキュレートフィルタ200が上記電気ヒータ120に近づく。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に対応する位置にある第1相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に接触する。一方、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを逆転させると上記ハンドル付き押し棒132bにより上記パティキュレートフィルタ200が上記容器110から離れ、上記弾性部材115が弾性復原し、上記第1部材110aが上記第2部材110bから離れ、上記パティキュレートフィルタ200が上記電気ヒータ120から離れる。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210から離れる。また、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第1相対位置に位置付けられると、上記弾性部材115の弾性変形により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材115の弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。そして、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電する。すなわち、上記電気ヒータ120に電源からの配線を接続し、この回路にスイッチを設けておき、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたとき上記スイッチを閉じることによって手動で通電することで行われる。これに代えて、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置に位置付けられたことを位置センサーで検出し、この位置センサーの出力を受けて上記スイッチを閉じるように回路を組んでもよい。
したがって、上記外部再生形である上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100の場合、上記容器110の上記接続部113に上記機器から取り外した上記パティキュレートフィルタ200を接続する装着作業のときも、上記容器110の上記接続部113から上記パティキュレートフィルタ200を分離する離脱作業のときも、上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第2相対位置に位置づけておく。そうすると、上記装着作業および上記離脱作業は、上記パティキュレートフィルタ200と上記電気ヒータ120との間に隙間があいた状態で行われる。次いで上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置づけると、上記電気ヒータ120と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触し、上記電気ヒータ120に通電することが可能となる。そして、上記電気ヒータ120に通電して上記電気ヒータ120を発熱させると、上記電気ヒータ120によって上記パティキュレートフィルタ200が加熱されて上記パティキュレートフィルタ200に捕集された粒子状物質を酸化、燃焼させ、これによって上記パティキュレートフィルタ200が再生される。
その場合、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第2相対位置にあると上記パティキュレートフィルタ200と上記電気ヒータ120との間に隙間があいているので、例えば上記パティキュレートフィルタ200、上記電気ヒータ120、又は上記容器110などの部材の寸法のばらつき、上記部材の熱変形などにより上記部材同士が干渉することを防止すること、上記パティキュレートフィルタ200の上記フィルタ再生装置100への装着時および上記フィルタ再生装置100からの離脱時に上記部材同士が当たって傷つくことを防止することなどが実現する。また、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあると上記電気ヒータ120と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触するが、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容するので、上記部材が熱変形などしても上記部材にかかる応力が軽減される。
さらに、上記電気ヒータ120と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触した状態で上記電気ヒータ120が発熱するので、上記パティキュレートフィルタ200を効率よく加熱して上記電気ヒータ120に供給される電力が極力小さくなり、また、上記パティキュレートフィルタ200を効率よく加熱して上記電気ヒータ120の消費電力が同等であっても上記パティキュレートフィルタ200を更に強力に加熱して再生時間が短縮される。
本発明のフィルタ再生装置の上記移動手段は、上記容器と上記電気ヒータとの相対位置を、上記電気ヒータの上記接続部側の面が上記接続部における上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面に対応する位置にある第1相対位置、又は上記電気ヒータが上記第1相対位置のときよりも上記空間の内方に寄っている第2相対位置に位置付け、さらに上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とを押圧力をもって接触させるように構成されておればよい。しかし、そのような種々の実施形態のフィルタ再生装置のなかで、上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100では、上記容器110が、接続部側を構成する第1部材110aと、反接続部側を構成する第2部材110bとを備えており、上記第1部材110aの反接続部側に上記弾性部材115が配置されてこれらが接続され、上記弾性部材115の反接続部側に上記第2部材110bが配置されてこれらが接続されており、上記第2部材110bに上記電気ヒータ120が設けられており、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200に接続したときに上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って押圧する上記押圧手段130が設けられており、これらによって上記移動手段が構成されている。このようにすれば、上記押圧手段130により、上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って押圧すると、上記弾性部材115が圧縮されて上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに、上記弾性部材115の弾性変形により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材115の弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。よって、上記第1の実施形態により、本発明のフィルタ再生装置のうち上記外部再生形のフィルタ再生装置の一例を示すことができた。
以下、本発明のフィルタ再生装置の他の実施形態を説明する。これらの他の実施形態については主として上記第1の実施形態およびその変形例の構成と異なる構成について説明するが、記載の無い部分については上記第1の実施形態およびその変形例のフィルタ再生装置100の構成をそのまま引用する。その場合、上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100で用いた符号をそのまま用いる。
図6は、本発明のフィルタ再生装置の第2の実施形態を示す。第2の実施形態のフィルタ再生装置100の場合、弾性部材が上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100の上記弾性部材115と構成を異にしている。まず、主要な構成を説明しておく。このフィルタ再生装置100は、上記導入側の端面210から導入した上記汚染ガスから上記粒子状物質を捕集し上記清浄ガスとして上記導出側の端面220から排出する耐熱性の上記パティキュレートフィルタ200を加熱して上記粒子状物質を焼くためのフィルタ再生装置である。上記フィルタ再生装置100は、内部に上記空間111ができるように形成され、一端に上記空間111が上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210および上記導出側の端面220のうち一方の端面に連通するように上記パティキュレートフィルタ200に気密的に接続されることになる上記接続部113が設けられ、上記空間111に連通する上記新気導入口114が設けられた上記容器110と、上記容器110の内部に配置され、通気を許容する上記貫通部121を有すると共に通電されると発熱する上記電気ヒータ120と、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置を、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面に対応する位置にある第1相対位置、又は上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置に位置付け、さらに上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面とを押圧力をもって接触させる移動手段とを備え、上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電することが可能となるように構成している。
この実施形態の場合、上記容器110が、接続部側を構成する第1部材110aと、反接続部側を構成する第2部材110bとを備えており、上記第1部材110aの反接続部側に上記弾性部材115が配置されてこれらが接続され、上記弾性部材115の反接続部側に上記第2部材110bが配置されてこれらが接続されており、上記第2部材110bに上記電気ヒータ120が設けられており、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200に接続したときに上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面に直交する方向に沿って押圧する上記押圧手段130が設けられており、これらによって上記移動手段が構成されている。上記押圧手段130は、上記支持部材131と、この支持部材131に設けられた上記加圧装置132とを備えている。上記支持部材131は、一方側に上記容器110が配置される上記底側部材131aと、この底側部材131aの両側から上記一方側にそれぞれ延びる上記側方部材131bとを備えている。上記加圧装置132は、両端が、上記二つの側方部材131bの上記底側部材131aの側と反対側の端部にそれぞれ接続された上記架設部材132aと、この架設部材132aに設けられた上記ハンドル付き押し棒132bとを備えている。140は上記緩衝部材、410は上記新気供給管、420は、上記温度センサである。
上記第2の実施形態の上記弾性部材115は、耐熱性シリコンにより形成されているが、耐熱性および弾性を有する部材であれば他の材料を用いてもよい。上記弾性部材115は、円筒形で且つ蛇腹形に形成されている。上記弾性部材115は、フレキシブルチューブと称されることがある。上記弾性部材115は、上記第1部材110aと上記第2部材110bとの間に配置され、一端が上記第1部材110aに外側から嵌まり、他端が上記第2部材110bに外側から嵌まり、上記弾性部材115の上記一端と上記第1部材110aとの間、および上記弾性部材115の上記他端と上記第2部材110bとの間は、気密的に接続されている。すなわち、上記弾性部材115と上記第1部材110aとの間は、その内側が外部に連通しないようになっており、上記弾性部材115と上記第2部材110bとの間は、その内側が外部に連通しないようになっている。この場合、上記弾性部材115の弾性復原力による押圧により上記接続力と気密性が確保されているが、さらに、上記弾性部材115の上記一端と上記第1部材110aとの間、および上記弾性部材115の上記他端と上記第2部材110bとの間を接着剤を用いて接着してもよいし、他の方法で接続してもよい。例えば、上記第1部材および上記弾性部材のうち一方に例えば溝などの凹部を形成し、他方に突起などの凸部を設けてこれらを係止してもよく、上記第2部材および上記弾性部材についても同様に係止してもよい。また、上記接着と上記係止構造とを組み合わせて用いてもよい。よって、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを正転させると上記ハンドル付き押し棒132bにより上記パティキュレートフィルタ200が上記容器110に向かって押圧され、上記弾性部材115が圧縮され、上記第1部材110aが上記第2部材110bに近づき、上記パティキュレートフィルタ200が上記電気ヒータ120に近づく。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に対応する位置にある第1相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に接触する。一方、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを逆転させると上記ハンドル付き押し棒132bにより上記パティキュレートフィルタ200が上記容器110から離れ、上記弾性部材115が弾性復原し、上記第1部材110aが上記第2部材110bから離れ、上記パティキュレートフィルタ200が上記電気ヒータ120から離れる。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210から離れる。また、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第1相対位置に位置付けられると、上記弾性部材115の弾性変形により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材115の弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。そして、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電する。すなわち、上記電気ヒータ120に電源からの配線を接続し、この回路にスイッチを設けておき、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたとき上記スイッチを閉じることによって手動で通電することで行われる。これに代えて、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置に位置付けられたことを位置センサーで検出し、この位置センサーの出力を受けて上記スイッチを閉じるように回路を組んでもよい。その他の詳細な構成は上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100のものと同様である。そして、上記第2の実施形態のフィルタ再生装置100の作用および効果は、上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100で得られる作用および効果と同様である。
図7は、本発明のフィルタ再生装置の第3の実施形態を示す。第3の実施形態のフィルタ再生装置100の場合、第1部材、第2部材および弾性部材の構成が上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100の上記第1部材110a、上記第2部材110bおよび上記弾性部材115と構成を異にしている。まず、主要な構成を説明しておく。このフィルタ再生装置100は、上記導入側の端面210から導入した上記汚染ガスから上記粒子状物質を捕集し上記清浄ガスとして上記導出側の端面220から排出する耐熱性の上記パティキュレートフィルタ200を加熱して上記粒子状物質を焼くためのフィルタ再生装置である。上記フィルタ再生装置100は、内部に上記空間111ができるように形成され、一端に上記空間111が上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210および上記導出側の端面220のうち一方の端面に連通するように上記パティキュレートフィルタ200に気密的に接続されることになる上記接続部113が設けられ、上記空間111に連通する上記新気導入口114が設けられた上記容器110と、上記容器110の内部に配置され、通気を許容する上記貫通部121を有すると共に通電されると発熱する上記電気ヒータ120と、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置を、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面に対応する位置にある第1相対位置、又は上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置に位置付け、さらに上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面とを押圧力をもって接触させる移動手段とを備え、上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電することが可能となるように構成している。
この実施形態の場合、上記容器110が、接続部側を構成する第1部材110aと、反接続部側を構成する第2部材110bとを備えており、上記第1部材110aの反接続部側の端部と上記第2部材110bの接続部側の端部とが全周に隙間をあけて嵌まっており、この隙間に円環形の弾性部材115が押圧された状態で嵌まり、この弾性部材115が上記第1部材110aおよび上記第2部材110bのうち少なくとも一方に係止されており、上記第2部材110bに上記電気ヒータ120が設けられており、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200に接続したときに上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面に直交する方向に沿って押圧する上記押圧手段130が設けられており、これらによって上記移動手段が構成されている。上記押圧手段130は、上記支持部材131と、この支持部材131に設けられた上記加圧装置132とを備えている。上記支持部材131は、一方側に上記容器110が配置される上記底側部材131aと、この底側部材131aの両側から上記一方側にそれぞれ延びる上記側方部材131bとを備えている。上記加圧装置132は、両端が、上記二つの側方部材131bの上記底側部材131aの側と反対側の端部にそれぞれ接続された上記架設部材132aと、この架設部材132aに設けられた上記ハンドル付き押し棒132bとを備えている。140は上記緩衝部材、410は上記新気供給管、420は、上記温度センサである。
この実施形態の場合、上記第1部材110aの反接続部側の端部の外径よりも上記第2部材110bの接続部側の端部の内径が大きくなるようにしたが、逆に上記第1部材の反接続部側の端部の内径が上記第2部材の接続部側の端部の外径よりも大きくなるようにしてもよい。この実施形態の場合、上記弾性部材115は上記第1部材110aに接着されることで上記第1部材110aに係止されている。こうすることに代えて、例えば上記第1部材110aに周方向に溝を設け、この溝に上記弾性部材を嵌めることで上記弾性部材を上記第1部材に係止してもよい。また、上記弾性部材を上記第1部材ではなく上記第2部材に係止してもよいし、上記弾性部材を上記第1部材および上記第2部材に係止してもよい。上記弾性部材115は、耐熱性シリコンの多孔質材料により形成されているが、耐熱性および弾性を有する部材であれば他の材料を用いてもよい。上記弾性部材115は、一周する上記隙間の形状にあわせて円環形に形成されている。上記弾性部材115は、上記隙間を完全に埋めて上記空間の気密性を確保している。そして、上記第2部材110bに上記電気ヒータ120が設けられている。この実施形態では上記底部112に載置台110cが設けられ、この載置台110cに上記電気ヒータ120が固定されている。よって、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを正転させると上記ハンドル付き押し棒132bにより上記パティキュレートフィルタ200が上記容器110に向かって押圧され、上記弾性部材115が圧縮され、上記第1部材110aが上記第2部材110bに近づき、上記パティキュレートフィルタ200が上記電気ヒータ120に近づく。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に対応する位置にある第1相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に接触する。一方、上記ハンドル付き押し棒132bのハンドルを逆転させると上記ハンドル付き押し棒132bにより上記パティキュレートフィルタ200が上記容器110から離れ、上記弾性部材115が弾性復原し、上記第1部材110aが上記第2部材110bから離れ、上記パティキュレートフィルタ200が上記電気ヒータ120から離れる。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210から離れる。また、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第1相対位置に位置付けられると、上記弾性部材115の弾性変形により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方側の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材115の弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。そして、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電する。すなわち、上記電気ヒータ120に電源からの配線を接続し、この回路にスイッチを設けておき、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたとき上記スイッチを閉じることによって手動で通電することで行われる。これに代えて、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置に位置付けられたことを位置センサーで検出し、この位置センサーの出力を受けて上記スイッチを閉じるように回路を組んでもよい。その他の詳細な構成は上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100のものと同様である。
上記第3の実施形態では、上記押圧手段130により、上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って押圧すると、上記弾性部材115の変形に抗しながら上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに、上記弾性部材115の弾性変形により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材115の弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面とが押圧力をもって接触する。その他の上記フィルタ再生装置100の作用および効果は、上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100で得られる作用および効果と同様である。
本発明のフィルタ再生装置の上記移動手段は、上記容器と上記電気ヒータとの相対位置を、上記電気ヒータの上記接続部側の面が上記接続部における上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面に対応する位置にある第1相対位置、又は上記電気ヒータが上記第1相対位置のときよりも上記空間の内方に寄っている第2相対位置に位置付け、さらに上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とを押圧力をもって接触させるように構成されておればよい。しかし、そのような種々の実施形態のフィルタ再生装置のなかで、上記第3の実施形態のフィルタ再生装置100では、上記容器110が、接続部側を構成する第1部材110aと、反接続部側を構成する第2部材110bとを備えており、上記第1部材110aの反接続部側の端部と上記第2部材110bの接続部側の端部とが全周に隙間をあけて嵌まっており、この隙間に円環形の上記弾性部材115が押圧された状態で嵌まり、この弾性部材115が上記第1部材110aおよび上記第2部材110bのうち少なくとも一方に係止されており、上記第2部材110bに上記電気ヒータ120が設けられており、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200に接続したときに上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って押圧する上記押圧手段130が設けられており、これらによって上記移動手段が構成されている。このようにすれば、上記押圧手段130により、上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とを上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って押圧すると、上記弾性部材115の変形に抗しながら上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに、上記弾性部材115の弾性変形により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材115の弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。よって、上記第1の実施形態により、本発明のフィルタ再生装置のうち上記外部再生形のフィルタ再生装置の一例を示すことができた。
図8および図9は、本発明のフィルタ再生装置の第4の実施形態を示す。このフィルタ再生装置100は、耐熱性のパティキュレートフィルタ200を加熱して上記粒子状物質を焼くためのフィルタ再生装置である。上記パティキュレートフィルタ200の一端には汚染ガスの導入側の端面210が設けられており、上記パティキュレートフィルタ200の他端には上記汚染ガスの導出側の端面220が設けられている。そして、上記パティキュレートフィルタ200は、上記導入側の端面210から導入した上記汚染ガスから粒子状物質を捕集し清浄ガスとして上記導出側の端面220から排出するようになっている。この実施形態のフィルタ再生装置100は、上記内部再生形のフィルタ再生装置であり、機器における上記パティキュレートフィルタ200の上記汚染ガス流上流側に設けられた電気ヒータを備えたフィルタ再生装置である。この実施形態の場合、上記機器は内燃機関であり、詳しくはディーゼルエンジンである。よって、上記汚染ガスは上記内燃機関の排気ガスであり、上記粒子状物質は主として黒煙であるが、その他の成分の物質も含んでいる。上記内燃機関には、図8に示すように、一端が上記燃焼室に接続され、他端が大気に開放されて、上記燃焼室から排出される上記汚染ガスである排気ガスを外部へ導出する排気通路300が設けられている。上記排気通路300は、シリンダに近い側から排気マニフォールド、排気管などの複数の排気通路構成部材の内部通路により一連に構成されている。上記パティキュレートフィルタ200は、その外周にある筐体が上記内燃機関の上記排気管を構成している。上記機器として、例えばガソリンエンジン若しくはその他の内燃機関、又は外燃機関なども対象となる。さらに、上記機器は上記内燃機関に限定されず、粒子状物質を含んだ汚染ガスを排出する機器を広く含んでいる。したがって、上記機器には、例えばコーヒー焙煎装置などが含まれている。この場合には、上記汚染ガスはコーヒー豆を焙煎したときに出る排煙であり、上記粒子状物質は主としてコーヒー豆の焙煎時に出る煙を構成する粒子、スス、油分などであるが、その他の成分の物質も含んでいる。このコーヒー焙煎装置には、例えば一端がコーヒー焙煎装置におけるコーヒー豆を収容してこれを加熱しつつ攪拌する焙煎室に接続され、他端が大気に開放されて、上記焙煎室から排出される上記汚染ガスである排煙を外部へ導出する排煙通路が設けられる。上記排煙通路は、例えば筒形部材の内部通路により一連に構成され、上記パティキュレートフィルタは、上記筒形部材の内部に装着される。このように上記機器には、上記粒子状物質を含む上記汚染ガスを排出する装置であって、上記導入側の端面から導入した上記汚染ガスから上記粒子状物質を捕集し上記清浄ガスとして上記導出側の端面から排出する耐熱性の上記パティキュレートフィルタを備えた装置が含まれる。
図8に示すように、上記パティキュレートフィルタ200は上記導入側の端面210から上記導出側の端面220に至る上記汚染ガスの通路が上記汚染ガス流の方向に沿うように配置されている。上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210は上記排気通路300において上記汚染ガス流の上流側に向いており、上記導出側の端面220は上記排気通路300において上記汚染ガス流の下流側に向いている。そして、上記排気通路300を流れる上記汚染ガスはその全量が上記パティキュレートフィルタ200を通るようになっている。上記パティキュレートフィルタ200の上記汚染ガス流下流側には上記排気通路構成部材の一つである排気管310bが接続されているが、他の上記排気通路構成部材を接続してもよいし開放してもよい。この実施形態の場合、例えば整備時などを除き上記パティキュレートフィルタ200を上記機器から頻繁に取り外すことは想定していない。しかし、上記パティキュレートフィルタを上記排気通路構成部材である容器110や上記排気管310bに対して脱着自在に設けてもよい。上記パティキュレートフィルタ200は、いわゆる目封じタイプである。上記パティキュレートフィルタ200は、セラミックで構成され、隔壁で区画された複数のセルを有する、いわゆるハニカム体であって、ハニカムを1セルずつ交互にその端を塞いだものであり、上記汚染ガスが壁を通過するときに粒子状物質を捕集する。上記パティキュレートフィルタ200の導入側の端面210では各セルの端面がシール材によって交互に市松模様状に塞がれており、導出側の端面220では、上記導入側の端面210で塞がれたセルは開口し、上記導入側の端面210で開口していたセルはシール材によって塞がれた構造をしている。上記パティキュレートフィルタとしては、他にも例えば多孔体タイプ、繊維タイプなどがあり、これらは、例えば金属等の材料で構成され、上記汚染ガスが多孔体又は繊維の構成体に衝突することで粒子状物質を捕集するように構成されている。しかし、本発明の対象となる上記パティキュレートフィルタの構造は、この実施形態によって限定解釈されるものではなく、汚染ガスに含まれる粒子状物質を捕集する機能を発揮するものであればよい。この実施形態の上記パティキュレートフィルタ200は、上記コーヒー焙煎装置に接続される上記排煙通路、又は他の上記機器に接続されて上記汚染ガスを通す通路などにも設けることができる。
上記フィルタ再生装置100は、容器110と、上記容器110の内部に配置された電気ヒータ120と、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置の変更などを行う移動手段とを備えている。上記容器110は、中空の部材により内部に空間111ができるように形成されている。この実施形態では一端が閉塞されて底部112となった円筒形に設けられているが、内部に空間が形成されるように設けられておれば形状は問わない。この実施形態の場合、上記容器110は上記排気通路構成部材としても機能しており、したがって上記空間111は上記排気通路300の一部としても機能している。上記容器110の一端には接続部113が設けられている。この接続部113は、上記空間111が上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210および上記導出側の端面220のうち一方の端面に連通するように上記パティキュレートフィルタ200に気密的に接続するように設けられている。すなわち、上記接続部113と上記パティキュレートフィルタ200とを接続したときに、この接続した部分の内側が外部に連通しないようになっている。この実施形態では、上記一方の端面として上記導入側の端面210を選択したが、これに代えて上記一方の端面として上記導出側の端面220を選択してもよい。しかし、上記パティキュレートフィルタ200における目詰まりは上記汚染ガス流の上流側から進行していくので、上記接続部113を上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210に連通させる方が好ましい。以下、上記一方の端面である上記導入側の端面210についての説明は、上記一方の端面として上記導出側の端面を選択したときにも適用することができる。この実施形態では上記容器110の一端に上記空間111を外部に開放する開口113aが設けられていると共に、上記一端に上記開口113aを囲むようにフランジ113bが設けられており、これらとその近傍により上記一端に上記接続部113が設けられている。よって、上記接続部113の上記フランジ113bを上記パティキュレートフィルタ200の上記上流側フランジ231に合わせてこれら両フランジを密着させてボルトナットなどにより締結することにより、上記接続部113が、上記空間111が上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に連通するように上記パティキュレートフィルタ200に気密的に接続されるようになっている。上記接続部を上記パティキュレートフィルタに気密的に接続する形態として、上記実施形態では上記接続部と上記パティキュレートフィルタの上記フランジ同士を密着させて締結したが、例えば上記接続部と上記パティキュレートフィルタの端部を嵌合し、又はねじ込むなどしてもよい。この実施形態では上記容器110と上記パティキュレートフィルタ200とをそれぞれ独立した部材として設け、これらを分割可能とした。しかし、例えば、上記容器と上記パティキュレートフィルタが収容される筐体とを連続的に、つまり一体的に設けてもよい。そうしたときには、この一体的に設けた部材において、上記容器における上記パティキュレートフィルタの筐体との境界として認められる部分が上記接続部となる。上記容器110には上記空間111に連通する新気導入口114が設けられている。この新気導入口114は上記容器110の上記底部112に設けられているが、他の部位に設けてもよい。そして、上記新気導入口114には新気供給管410が接続され、ブロア(図示省略)から供給された新気が上記新気供給管410から上記新気導入口114を介して上記容器110の内部へ供給されるようになっている。この実施形態では上記ブロアにより上記新気導入口114に新気を供給したが、例えば上記ブロアを設けずに上記新気導入口を外部に開放して新気の吸い込みを可能としてもよい。上記容器110には上記排気通路構成部材の一つである排気管310aが接続されている。上記機器である上記内燃機関の稼働時には、上記排気管310aは上記機器から排出される汚染ガスを通し、この汚染ガスを上記空間111へ供給すると共に上記新気供給管410から上記新気導入口114への新気の供給を停止する。一方、上記パティキュレートフィルタ200の再生時には、上記内燃機関を停止すると共に上記新気供給管410から上記新気導入口114への新気の供給を行う。上記排気管310aに代えて他の排気通路構成部材を上記容器に接続してもよい。この実施形態では上記排気管310aおよび上記新気導入口114を設けたが、変形例として上記排気管310aのみを設け、この排気管310aを上記新気導入口としても機能させるようにしてもよい。すなわち、上記機器である上記内燃機関の稼働時には、上記排気管310aは上記機器から排出される汚染ガスを通し、この汚染ガスを上記空間111へ供給する。一方、上記パティキュレートフィルタ200の再生時には、上記内燃機関を停止してから上記パティキュレートフィルタ200の排気上流側の上記排気通路300にブロア(図示省略)から供給された新気を供給して、上記排気管310aに上記新気を通し、この新気を上記空間111へ供給する。この変形例の場合、上記排気管310aは、上記汚染ガスを流す排気管本来の機能と、上記新気を供給する新気供給管としての機能を併せ有することになる。この変形例では上記パティキュレートフィルタ200の排気上流側の上記排気通路300に上記ブロアにより新気を供給したが、例えば上記ブロアを設けずに上記パティキュレートフィルタの排気上流側の上記排気通路を外部に開放して新気の吸い込みを可能としてもよい。
上記電気ヒータ120は、上記容器110の内部に配置されている。上記電気ヒータ120は、通気を許容する貫通部121を有している。上記電気ヒータ120は通電されると発熱する。この実施形態の場合、図3に示すように、上記電気ヒータ120は、電熱線を収納した導電性のパイプを同一面内で螺旋状に巻いてなり、その両端を引き出している。そして、上記両端から引き出した電熱線に通電すると、上記電気ヒータ120が発熱する。そして、上記螺旋状に巻かれたパイプの隣り合うパイプ部分の間に形成された隙間により上記貫通部121が形成されている。しかし、上記電気ヒータは、通気を許容する貫通部を有すると共に通電されると発熱するものであればよく、例えば格子形、S字形、網形など他の形状に形成されていてもよい。
上記移動手段は、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置を、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に対応する位置にある第1相対位置(図8に示す位置)、又は上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置(図9に示す位置)に位置付ける。上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第1相対位置にあるとき、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に接触する。上記移動手段は、さらに上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とを押圧力をもって接触させる。そして、上記フィルタ再生装置100は、上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電することが可能となるように構成している。これに対し、上記接続部を上記パティキュレートフィルタの上記導出側の端面に連通させたときには、第1相対位置では上記電気ヒータの上記接続部側の面が上記接続部における上記パティキュレートフィルタの上記導出側の端面に対応する位置にあることになる。
この実施形態の場合、上記電気ヒータ120と上記容器110との間にアクチュエータ150が設けられている。上記アクチュエータ150は、主シリンダ151と、この主シリンダ151にスライド自在に嵌まった主ロッド152とを備え、上記主ロッド152を上記主シリンダ151から出し又は上記主シリンダ151に入れるように構成されている。この実施形態の場合、上記アクチュエータ150はソレノイドを用いた電動式のものを採用したので、常態では上記主シリンダ151に内蔵された弾性部材(図示省略)の弾性力により上記主ロッド152を上記主シリンダ151に入れ、通電すると上記ソレノイドの電磁力により上記主ロッド152を上記主シリンダ151から出すようにしているが、こ上記弾性部材と上記ソレノイドの機能を逆転してもよい。さらに、上記アクチュエータは上記電動式に限らず、例えばエアー又は油圧を駆動源とするものなどであってもよい。さらに、上記アクチュエータ150の上記主ロッド152は、副シリンダ152aaを有する本体152aと、この本体152aの上記副シリンダ152aaにスライド自在に嵌まった副ロッド152bと、上記本体152aと上記副ロッド152bとの間に装着された弾性部材152cとを備えている。そして、これらによって上記移動手段が構成されている。この実施形態の場合、上記アクチュエータ150は、上記主シリンダ151が上記容器110の外部に配置されてステーを介して上記容器110に接続されている。そして、上記主ロッド152が上記容器110の底部112を貫通して上記電気ヒータ120の上記反接触部側の面に接続した板に取付られており、上記主ロッド152は上記底部112の貫通孔の周縁に対して摺動自在に設けられている。この場合、上記主ロッドを上記電気ヒータに直接に取付けてもよい。また、上記アクチュエータを上記容器のなかに設けてもよい。また、この実施形態では上記アクチュエータ150を二つ、上記電気ヒータ120の面に沿って離して設けているが、上記アクチュエータの数は一つであっても三つ以上であってもよい。420は、上記電気ヒータ120の付近に配置された一端に温度検出部が設けられ、他端が上記容器110の上記底部112を貫通して外部へ引き出された温度センサであって、上記電気ヒータ120の周辺温度を監視するために用いられている。上記温度センサは必要に応じて設ければよい。よって、上記アクチュエータ150の作動により上記主ロッド152が上記主シリンダ151から出ると上記電気ヒータ120が上記パティキュレートフィルタ200に押圧される。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面が上記接続部113における上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に対応する位置にある第1相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210に接触する。一方、上記アクチュエータ150の作動により上記主ロッド152が上記主シリンダ151に入ると上記電気ヒータ120が上記パティキュレートフィルタ200から離れる。すなわち、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が、上記電気ヒータ120が上記第1相対位置のときよりも上記空間111の内方に寄っている第2相対位置に位置付けられ、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面は上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210から離れる。また、上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第1相対位置にあるときに、上記本体152aに対する上記副ロッド152bのスライド動により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材152cの弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。そして、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたときに上記電気ヒータ120に通電する。すなわち、上記電気ヒータ120に電源からの配線を接続し、この回路にスイッチを設けておき、上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置付けたとき上記スイッチを閉じることによって手動で通電することで行われる。これに代えて、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置に位置付けられたことを位置センサーで検出し、この位置センサーの出力を受けて上記スイッチを閉じるように回路を組んでもよい。
したがって、上記内部再生形である上記第1の実施形態のフィルタ再生装置100の場合、機器の稼働時には上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第2相対位置に位置づけて上記パティキュレートフィルタ200と上記電気ヒータ120との間に隙間をあけておく。次いで上記パティキュレートフィルタ200の再生時には上記移動手段により上記容器110および上記電気ヒータ120を上記第1相対位置に位置づけると、上記電気ヒータ120と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触し、上記電気ヒータ120に通電することが可能となる。そして、上記電気ヒータ120に通電して上記電気ヒータ120を発熱させると、上記電気ヒータ120によって上記パティキュレートフィルタ200が加熱されて上記パティキュレートフィルタ200に捕集された粒子状物質を酸化、燃焼させ、これによって上記パティキュレートフィルタ200が再生される。
その場合、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第2相対位置にあると上記パティキュレートフィルタ200と上記電気ヒータ120との間に隙間があいているので、例えば上記パティキュレートフィルタ200、上記電気ヒータ120、又は上記容器110などの部材の寸法のばらつき、上記部材の熱変形などにより上記部材同士が干渉することを防止すること、例えば上記フィルタ再生装置100の製造、整備などを行う場合において上記パティキュレートフィルタ200の上記フィルタ再生装置100への装着時および上記フィルタ再生装置100からの離脱時に上記部材同士が当たって傷つくことを防止すること、上記汚染ガス流を上記パティキュレートフィルタ200の上記導入側の端面210の全面に導入して上記パティキュレートフィルタ200の使用効率をあげることなどが実現する。また、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあると上記電気ヒータ120と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触するが、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容するので、上記部材が熱変形などしても上記部材にかかる応力が軽減される。
さらに、上記電気ヒータ120と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触した状態で上記電気ヒータ120が発熱するので、上記パティキュレートフィルタ200を効率よく加熱して上記電気ヒータ120に供給される電力が極力小さくなり、また、上記パティキュレートフィルタ200を効率よく加熱して上記電気ヒータ120の消費電力が同等であっても上記パティキュレートフィルタ200を更に強力に加熱して再生時間が短縮される。
本発明のフィルタ再生装置の上記移動手段は、上記容器と上記電気ヒータとの相対位置を、上記電気ヒータの上記接続部側の面が上記接続部における上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面に対応する位置にある第1相対位置、又は上記電気ヒータが上記第1相対位置のときよりも上記空間の内方に寄っている第2相対位置に位置付け、さらに上記容器および上記電気ヒータが上記第1相対位置にあるときに上記容器と上記電気ヒータとが上記一方の端面に直交する方向に沿って相対的に移動することを許容すると共に上記電気ヒータの上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタの上記一方の端面とを押圧力をもって接触させるように構成されておればよい。しかし、そのような種々の実施形態のフィルタ再生装置のなかで、上記第4の実施形態のフィルタ再生装置100では、上記電気ヒータ120と上記容器110との間に、上記主シリンダ151と、この主シリンダ151にスライド自在に嵌まった上記主ロッド152とを備えて上記主ロッド152を上記主シリンダ151から出し又は上記主シリンダ151に入れる上記アクチュエータ150が設けられ、上記アクチュエータ150の上記主ロッド152が、上記副シリンダ152aaを有する上記本体152aと、この本体152aの上記副シリンダ152aaにスライド自在に嵌まった上記副ロッド152bと、上記本体152aと上記副ロッド152bとの間に装着された上記弾性部材152cとを備えており、これらによって上記移動手段が構成されている。このようにすれば、上記アクチュエータ150の作動により上記主ロッド152が上記主シリンダ151から出る方向に移動すると上記容器110と上記電気ヒータ120との相対位置が上記第2相対位置から上記第1相対位置へと変わり、さらに、上記容器110および上記電気ヒータ120が上記第1相対位置にあるときに、上記本体152aに対する上記副ロッド152bのスライド動により、上記容器110と上記電気ヒータ120とが上記一方の端面である上記導入側の端面210に直交する方向に沿って相対的に移動することが許容されると共に、上記弾性部材152cの弾性復原力により、上記電気ヒータ120の上記接続部側の面と上記パティキュレートフィルタ200の上記一方の端面である上記導入側の端面210とが押圧力をもって接触する。よって、上記第4の実施形態により、本発明のフィルタ再生装置のうち上記内部再生形のフィルタ再生装置の一例を示すことができた。
以上では、上記移動手段の作動などを上記容器と上記電気ヒータとの相対位置を用いて説明したが、上記第1ないし第3の実施形態では、上記容器は上記第1部材と上記第2部材とに分割されているので、上記容器と上記電気ヒータとの相対位置は上記第1部材と上記電気ヒータとの相対位置となる。別の言い方をすれば、上記容器と上記電気ヒータとの相対位置は、上記容器の上記接続部と上記電気ヒータとの相対位置ともいえ、このことは上記第4の実施形態にも妥当する。
上記第1ないし第3の実施形態では、上記第2部材に上記電気ヒータを設け、これに対して上記第1部材を移動するように構成したが、例えば、逆にアクチュエータなどを用いて上記第1部材又は上記容器に対して上記電気ヒータを移動するように構成してもよい。また、上記第4の実施形態では、上記容器に対して上記電気ヒータを移動するように構成したが、例えば、逆に上記電気ヒータに対して上記容器を移動するように構成してもよい。
本発明のフィルタ再生装置は、以上で説明した実施形態およびその変形例の特徴を組み合わせた実施形態を含んでいる。さらに、以上の実施形態およびその変形例は、本発明のフィルタ再生装置のいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態およびその変形例の記載によって本発明のフィルタ再生装置がそれぞれ限定解釈されることはない。