JP2013177052A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】カーカスプライに熱収縮性のコードを適用してなお、高速耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部1と、一対のサイドウォール部2、一対のビード部3、各ビード部3のビードコア4にトロイド状に延在する本体部5aおよび、ビードコア4の周りに折り返した折返し部5bを持つ少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカス5とを具え、前記カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、カーカスプライの折返し部のタイヤ幅方向外側で、折返し部の半径方向外方にゴムシート10を配置してなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド部1と、一対のサイドウォール部2、一対のビード部3、各ビード部3のビードコア4にトロイド状に延在する本体部5aおよび、ビードコア4の周りに折り返した折返し部5bを持つ少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカス5とを具え、前記カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、カーカスプライの折返し部のタイヤ幅方向外側で、折返し部の半径方向外方にゴムシート10を配置してなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤ、特にタイヤの軽量化を実現させつつ、高速耐久性を向上させた空気入りタイヤに関するものである。
近年、特許文献1に記載されるような、カーカスプライのコードに、熱収縮特性を有する所定のポリケトンを配置して、走行時の乗り心地性を向上させる技術が提案されている。
しかるに、このようなタイヤでは、高速走行および高歪状態によりタイヤが高温になり、タイヤのビードコアの周りに折り返したカーカスの折返し部の半径方向外方端付近に歪の発生やその半径方向外方端付近の剛性段差や接着剤の剥離に起因して、その半径方向外方端付近にセパレーションが発生するおそれがあり、さらなる高速耐久性には改良の余地があった。
本発明の目的は、カーカスプライに熱収縮性のコードを適用してなお、高速耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することにある。
この発明にかかる空気入りタイヤは、トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する本体部および、ビードコアの周りに折り返した折返し部を持つ少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスとを具えてなるものであって、前記カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、カーカスプライの折返し部のタイヤ幅方向外側で、折返し部の半径方向外方にゴムシートを配置してなることを特徴とするものである。
ここで、「折返し部の半径方向外方端」は、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会) YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARDS MANUAL、米国ではTRA(THE TIRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に規定されたリムに、タイヤを組み付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じて規定された、最高空気圧を充填した状態での位置とする。
このようなタイヤにおいてより好ましくは、前記カーカスプライのポリケトン繊維コードは、下記式(I)及び式(II):
σ≧−0.01×E+1.2・・・(I)
σ≧0.02・・・(II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の引張弾性率(cN/dtex)である]を満たす。
σ≧−0.01×E+1.2・・・(I)
σ≧0.02・・・(II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の引張弾性率(cN/dtex)である]を満たす。
ここで、熱収縮応力σとは、JIS L1017 8.10の試験による、一般的なディップ処理を施した加硫前の有機繊維コードの25cmの長さサンプルを、5℃/分の昇温速度で加熱して、177℃で2分間加熱したときのコードに発生する応力(cN/dtex)をいうものとする。
引張弾性率とは、JIS L1017 8.5のコード引張り試験による、SSカーブの49N時の接線から算出した弾性率(cN/dtex)をいうものとする。
引張弾性率とは、JIS L1017 8.5のコード引張り試験による、SSカーブの49N時の接線から算出した弾性率(cN/dtex)をいうものとする。
また好ましくは、前記カーカスプライのコードは、熱収縮応力σを0.1〜1.8cN/dtexとし、引張強度を10cN/dtex以上とし、引張弾性率Eを200cN/dtex以上とする。
ここで、引張強度とは、JIS L 1013に準じて測定された引張強度のことをいう。
ここで、引張強度とは、JIS L 1013に準じて測定された引張強度のことをいう。
そしてまた好ましくは、前記ゴムシートは、温度30℃、周波数50Hzおよび振幅1%での、複素弾性率を50〜100kgf/cm2とし、損失正接を0.05〜0.25の範囲とし、ゴムシートの幅を5〜100mmの範囲とし、厚さを0.1〜1.5mmの範囲とする。
なお、複素弾性率及び損失正接は、東洋精機社製スペクトロメーターを用い、幅:5mm、厚さ:2mm、長さ:20mmの試験片を、初期荷重:150gf、振動数:50Hz、動歪:1%、温度:30℃の条件下で測定したものとする。
なお、複素弾性率及び損失正接は、東洋精機社製スペクトロメーターを用い、幅:5mm、厚さ:2mm、長さ:20mmの試験片を、初期荷重:150gf、振動数:50Hz、動歪:1%、温度:30℃の条件下で測定したものとする。
ところで、少なくともサイドウォール部と対応する部分でカーカスのタイヤ幅方向内側に配設した、横断面形状が三日月状をなす補強ゴムを配置することが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤでは、カーカスプライを構成する複数本のコードが、ポリケトン繊維を50質量%以上含むことで、カーカスに所望の熱収縮応力およびタイヤの撓みに抗する方向の曲げ剛性が高温下で有することができ、走行時の乗り心地性を向上させることができる
そして、カーカスプライの折返し部のトレッド幅方向外側にゴムシートを配置することで、カーカスプライにポリケトンのような熱収縮材料を用いて、例えば高速走行や高歪状態に起因するタイヤが高温化して、カーカスの折返し部の半径方向外方端で発生する剛性段差や、部材端からの接着剥離を軽減して、セパレーションの発生を低減することができる。
以下に、図面を参照しながら本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤの一の実施形態を規定内圧の充填姿勢で示す幅方向断面図であり、1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を、3は各サイドウォール部2の内周側に連続させて設けたビード部をそれぞれ示す。
図1は本発明の空気入りタイヤの一の実施形態を規定内圧の充填姿勢で示す幅方向断面図であり、1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を、3は各サイドウォール部2の内周側に連続させて設けたビード部をそれぞれ示す。
ここに示すタイヤは、一対のビード部3内に埋設した、図では六角形上のビードコア4間に、カーカス5の本体部5aをトロイド状に延在させるとともに、各側部部分をビードコア4の周りで、タイヤ幅方向内側から外側に向けて折り返された折返し部5bを有する。
また、カーカス5のクラウン域の外周側に、タイヤ赤道面に対して、例えば10〜60°の角度で傾斜して延びる、例えばスチールコードの複数本を整列させて配置することによって形成してなり、コード交錯ベルト層からなるベルト6、このベルトの端部のみを被覆するベルト端部補強層7およびトレッドゴム8を順次に配置し、このトレッドゴム8の表面には、例えば、タイヤ周方向に延びる複数本の周溝等を形成する。
ビード部3には、カーカスの本体部5aと折返し部5bとの間で、ビードコア4の半径方向外方に向けて厚みを漸減する略三角形の横断面形状のビードフィラー9を配設する。
そしてこの空気入りタイヤでは、カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、このコードは、例えば、タイヤ周方向と直交する方向に傾斜して延在することができる。
図2は、本発明の空気入りタイヤの他の実施形態を示す、タイヤ半部の子午線断面図である。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、カーカス本体部5aのタイヤ幅方向外側に横断面形状が三日月状をなす補強ゴム11を配置する。
そして、カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、カーカスプライの折返し部のタイヤ幅方向外側で、少なくとも折返し部の半径方向外方にゴムシートを配置する。
なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態では、カーカス本体部5aのタイヤ幅方向外側に横断面形状が三日月状をなす補強ゴム11を配置する。
そして、カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、カーカスプライの折返し部のタイヤ幅方向外側で、少なくとも折返し部の半径方向外方にゴムシートを配置する。
このようなタイヤでは、高速耐久性を向上させるとともに、ランフラット耐久性を向上させることができる。
また好ましくは、カーカスプライの乾熱収縮率は、1〜7%、より好ましくは2〜5%である。
ここで、乾熱収縮率とは、ディップ処理済コードについて、オーブン中で150℃、30分の乾燥処理を行い、処理前後の繊維長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測し、下記式により算出される値である。
乾熱収縮率(%)=(Lb−La)/Lb×100
(Lb:処理前の繊維長、La:繊維後の繊維長)
ここで、乾熱収縮率とは、ディップ処理済コードについて、オーブン中で150℃、30分の乾燥処理を行い、処理前後の繊維長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測し、下記式により算出される値である。
乾熱収縮率(%)=(Lb−La)/Lb×100
(Lb:処理前の繊維長、La:繊維後の繊維長)
この範囲により、熱収縮応力を有するとともに、加硫後寸法安定性ならびに製品としてのユニフォミティを改善することができる。
より好ましくは、カーカスプライのポリケトン繊維コードは、下記式(I)及び式(II):
σ≧−0.01×E+1.2・・・(I)
σ≧0.02・・・(II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たす。
σ≧−0.01×E+1.2・・・(I)
σ≧0.02・・・(II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり;Eは、25℃における49N荷重時の弾性率(cN/dtex)である]を満たす。
このようなコードは、高速走行時における発熱によって熱収縮させて大きな熱収縮応力の発揮を担保し、温度の低下に伴って伸張変形する可逆性を有するので、走行中でのコード疲労によるカーカスプライのコードの破断を防ぐことができる。
すなわち、σ<−0.01E+1.2の場合、および、σ<0.02の場合はいずれも、高速走行時の、タイヤの撓みを十分に抑制することができず、高速耐久性が低下したり、通常走行時のタイヤの縦バネが大きくなり、乗り心地性が悪化する傾向がある。
カーカスプライを構成するコードは、例えば、化1で表される繰り返し単位から実質的になるポリケトン製の繊維よりなる。
ポリケトンは、一酸化炭素COと不飽和炭化水素との共重合体であり、例えば、高分子鎖中で各CO単位の隣に、エチレン単位等が一つずつ位置する交互共重合体である。また、ポリケトンは、一酸化炭素と特定の不飽和炭化水素の一種との共重合体であってもよく、一酸化炭素と不飽和炭化水素の二種以上との共重合体であってもよい。式中のAを形成する不飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アセチレン、アレン等の不飽和炭化水素化合物や、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、スルニルホスホン酸のジエチルエステル、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドン及び塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
特にポリマーの力学特性や耐熱性等の点から、不飽和炭化水素としてエチレンを主体とするものを用いたポリケトンが好ましく、繰り返し単位の97モル%以上が1−オキソトリメチレン[−CH2−CH2−CO−]であるポリケトンがより好ましく、99モル%以上が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが更に好ましく、100モル%が1−オキソトリメチレンであるポリケトンが最も好ましい。
このようなコードは、例えば、ポリケトンからなるフィラメント束を複数本、好ましくは二本又は三本撚り合わせてなり、これも例えば、ポリケトンからなるフィラメント束に下撚りをかけ、次いで、これを複数本合わせて、逆方向に上撚りをかけることで、双撚り構造の撚糸コードとして得ることができる。
式(I)および(II)における熱収縮応力σおよび弾性率Eは、有機繊維コードの種類によっても変わるが、コード作成時の撚り数やディップ処理条件を変えることにより熱収縮応力σおよび弾性率Eの値を変えることができる。
そしてまた好ましくは、カーカスプライのコードは、熱収縮応力σが0.1〜1.8cN/dtexで、引張強度が10cN/dtex以上、より好ましくは15cN/dtex以上、引張弾性率Eが200cN/dtex以上、より好ましくは300cN/dtex以上の範囲である。
このようなコードは、強度の要求される様々なタイヤで使用することができ、カーカスプライに使用するコードの重量を少なくすることができるとともに、同一荷重下でのタイヤの寸法変形が小さく形態安定性を向上させることができる。
また、熱収縮応力σが0.1cN/dtex未満の場合には、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率の低下やタイヤの撓み量が大きくなり、タイヤとしての強度が不十分となるおそれがあり、一方、1.8cN/dtexを超える場合には、タイヤ製造時の加熱により有機繊維コードが収縮するため、タイヤ内部のコード乱れやゴムの配置乱れを引き起こし、耐久性の悪化や加硫後のタイヤの形状が悪化する傾向がある。
なお、有機繊維コードの通常走行時と、高速走行時での効果を両立させるためには、コードの20℃での熱収縮応力と177℃での熱収縮応力との差を、好ましくは0.20cN/dtex以上、より好ましくは0.25cN/dtex以上のポリケトン繊維コードを用いることができる。
ところで、ゴムシートは、温度30℃、周波数50Hzおよび振幅1%での、複素弾性率が50〜100kgf/cm2で、損失正接が0.05〜0.25の範囲とし、ゴムシートの幅は5〜100mmの範囲で、厚さが0.1〜1.5mmの範囲とすることが好ましい。
上述のタイヤは、重荷重用ラジアルタイヤや、サイド補強型のランフラットタイヤに用いることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(ポリケトン繊維コードの製造)
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.3のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。このドープを80℃に加温し、20μm焼結フィルターでろ過した後に、80℃に保温した紡口径0.10mmφ、50ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5重量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量2.5cc/分の速度で押出し、速度3.2m/分で引きながら凝固糸条とした。引き続き凝固糸条を濃度2重量%、温度25℃の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後に、速度3.2m/分で凝固糸を巻取った。この凝固糸にIRGANOX1098(Ciba Specialty Chemicals社製)、IRGANOX1076(Ciba Specialty Chemicals社製)をそれぞれ0.05重量%ずつ(対ポリケトンポリマー)含浸せしめた後に、該凝固糸を240℃にて乾燥後、仕上剤を付与して未延伸糸を得た。
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.3のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65重量%/塩化ナトリウム10重量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解しポリマー濃度8重量%のドープを得た。このドープを80℃に加温し、20μm焼結フィルターでろ過した後に、80℃に保温した紡口径0.10mmφ、50ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5重量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量2.5cc/分の速度で押出し、速度3.2m/分で引きながら凝固糸条とした。引き続き凝固糸条を濃度2重量%、温度25℃の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後に、速度3.2m/分で凝固糸を巻取った。この凝固糸にIRGANOX1098(Ciba Specialty Chemicals社製)、IRGANOX1076(Ciba Specialty Chemicals社製)をそれぞれ0.05重量%ずつ(対ポリケトンポリマー)含浸せしめた後に、該凝固糸を240℃にて乾燥後、仕上剤を付与して未延伸糸を得た。
この仕上剤は以下の組成のものを用いた。
オレイン酸ラウリルエステル/ビスオキシエチルビスフェノールA/ポリエーテル(プロピレンオキシド/エチレンオキシド=35/65:分子量20000)/ポリエチレンオキシド10モル付加オレイルエーテル/ポリエチレンオキシド10モル付加ひまし油エーテル/ステアリルスルホン酸ナトリウム/ジオクチルリン酸ナトリウム=30/30/10/5/23/1/1(重量%比)。
オレイン酸ラウリルエステル/ビスオキシエチルビスフェノールA/ポリエーテル(プロピレンオキシド/エチレンオキシド=35/65:分子量20000)/ポリエチレンオキシド10モル付加オレイルエーテル/ポリエチレンオキシド10モル付加ひまし油エーテル/ステアリルスルホン酸ナトリウム/ジオクチルリン酸ナトリウム=30/30/10/5/23/1/1(重量%比)。
得られた未延伸糸を1段目を240℃で、引き続き258℃で2段目、268℃で3段目、272℃で4段目の延伸を行った後に、引き続き5段目に200℃で1.08倍(延伸張力1.8cN/dtex)の5段延伸を行い、巻取機にて巻取った。未延伸糸から5段延伸糸までの全延伸倍率は17.1倍であった。
この繊維は強度15.6cN/dtex、伸度4.2%、弾性率347cN/dtexと高物性を有しており、乾熱収縮率が4.3%、最大熱収縮応力0.92cN/dtexと高い熱収縮特性を有していた。
(カーカスプライの製造)
上述のポリケトン繊維からなるコードに一定の撚りを加え、2〜3本撚り合せ、これを経糸として多本数引き揃え、それに細く弱い緯糸を荒く打ち込み、スダレ状とし、次いで、ゴムとの接着を行なう為の接着剤処理を行う。しかる後、一定厚さのトッピングゴムを被覆し、ゴム被覆コードとする。次に、このゴム被覆コードの経糸がー定の長さとなる様に裁断し、裁断面以外の両縁部を接合し、タイヤのカーカス材料とする。
タイヤ成型時には、かかるカーカス材料をドラム成型機(又は類似設備)上で経糸と同一方向に切断し接合することにより筒状にする。
上述のポリケトン繊維からなるコードに一定の撚りを加え、2〜3本撚り合せ、これを経糸として多本数引き揃え、それに細く弱い緯糸を荒く打ち込み、スダレ状とし、次いで、ゴムとの接着を行なう為の接着剤処理を行う。しかる後、一定厚さのトッピングゴムを被覆し、ゴム被覆コードとする。次に、このゴム被覆コードの経糸がー定の長さとなる様に裁断し、裁断面以外の両縁部を接合し、タイヤのカーカス材料とする。
タイヤ成型時には、かかるカーカス材料をドラム成型機(又は類似設備)上で経糸と同一方向に切断し接合することにより筒状にする。
次に、上述のカーカスプライを具え図に示すような構造を有する、タイヤを試作し、表1,2に示すように、それぞれの諸元を変化させた実施例1〜6タイヤおよび、比較例タイヤ1〜4とのそれぞれにつき、高速耐久性を測定した。
また、実施例タイヤ4〜6および比較例タイヤ3,4はランフラット耐久性を測定した。
また、実施例タイヤ4〜6および比較例タイヤ3,4はランフラット耐久性を測定した。
〔高速耐久性〕
実施例タイヤ1〜6および、比較例タイヤ1〜4とのそれぞれにつき、表1,2に示すように、JATMAに準拠するリムに組み付けて、速度を測定した。その結果を表3,4に指数で示す。
なお、表中の指数値については、245/40ZR19のタイヤは比較例タイヤ1の値をコントロールとして求め、245/45ZR17のタイヤは比較例3の値をコントロールとして求めたものであり、指数値が大きいほど、高速耐久性が優れていることを示す。
実施例タイヤ1〜6および、比較例タイヤ1〜4とのそれぞれにつき、表1,2に示すように、JATMAに準拠するリムに組み付けて、速度を測定した。その結果を表3,4に指数で示す。
なお、表中の指数値については、245/40ZR19のタイヤは比較例タイヤ1の値をコントロールとして求め、245/45ZR17のタイヤは比較例3の値をコントロールとして求めたものであり、指数値が大きいほど、高速耐久性が優れていることを示す。
〔ランフラット耐久性〕
実施例タイヤ4〜6および、比較例タイヤ3,4とのそれぞれにつき、表2に示すように、JATMAに準拠するリムに組み付けて、内圧を0kPa、荷重を負荷し、時速80km/hで、タイヤを転動させ、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定した。その結果を表4に指数で示す。
なお、表中の指数値は、比較例3の値をコントロールとして求めたものであり、指数が大きいほど、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性が優れていることを示す。
実施例タイヤ4〜6および、比較例タイヤ3,4とのそれぞれにつき、表2に示すように、JATMAに準拠するリムに組み付けて、内圧を0kPa、荷重を負荷し、時速80km/hで、タイヤを転動させ、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定した。その結果を表4に指数で示す。
なお、表中の指数値は、比較例3の値をコントロールとして求めたものであり、指数が大きいほど、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性が優れていることを示す。
表3の結果から、実施例タイヤ1〜3は、比較例タイヤ1,2に対して、高速耐久性を向上することができた。
表4の結果から、実施例タイヤ4〜6は、比較例タイヤ3,4に対して、高速耐久性およびランフラット耐久性を向上することができた。
表4の結果から、実施例タイヤ4〜6は、比較例タイヤ3,4に対して、高速耐久性およびランフラット耐久性を向上することができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス
5a 本体部5
5b 折返し部
6 ベルト
7 ベルト端部補強層
8 トレッドゴム
9 ビードフィラー
10 ゴムシート
11 補強ゴム
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビードコア
5 カーカス
5a 本体部5
5b 折返し部
6 ベルト
7 ベルト端部補強層
8 トレッドゴム
9 ビードフィラー
10 ゴムシート
11 補強ゴム
Claims (5)
- トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部内のビードコア間にトロイド状に延在する本体部および、ビードコアの周りに折り返した折返し部を持つ少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスとを具えてなる空気入りタイヤにおいて、
前記カーカスプライを構成する複数本のコードは、ポリケトン繊維を50質量%以上含み、
カーカスプライの折返し部のタイヤ幅方向外側で、折返し部の半径方向外方にゴムシートを配置してなることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記カーカスプライのポリケトン繊維コードは、下記式(I)及び式(II):
σ≧−0.01×E+1.2・・・(I)
σ≧0.02・・・(II)
[式中、σは、177℃における熱収縮応力(cN/dtex)であり、Eは、25℃における49N荷重時の引張弾性率(cN/dtex)である]を満たしてなる請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記カーカスプライのコードは、熱収縮応力σが0.1〜1.8cN/dtexで、引張強度が10cN/dtex以上で、引張弾性率Eが200cN/dtex以上である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ゴムシートは、温度30℃、周波数50Hzおよび振幅1%での、複素弾性率が50〜100kgf/cm2で、損失正接が0.05〜0.25の範囲であり、
ゴムシートの幅は5〜100mmの範囲で、厚さが0.1〜1.5mmの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。 - 少なくともサイドウォール部と対応する部分でカーカスのタイヤ幅方向内側に配設した、横断面形状が三日月状をなす補強ゴムを配置してなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110171254A (zh) * | 2019-06-26 | 2019-08-27 | 青岛双星轮胎工业有限公司 | 钢丝胎体乘用轮胎子口结构 |
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2012
- 2012-02-28 JP JP2012041688A patent/JP2013177052A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110171254A (zh) * | 2019-06-26 | 2019-08-27 | 青岛双星轮胎工业有限公司 | 钢丝胎体乘用轮胎子口结构 |
CN110171254B (zh) * | 2019-06-26 | 2024-03-01 | 青岛双星轮胎工业有限公司 | 钢丝胎体乘用轮胎子口结构 |
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