JP2013176911A - 加飾レンズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム素材をレンズに貼り着ける際、レンズが多種多様な形状を有する場合であっても、レンズの変形を有効に抑制することができ、その際、レンズの変形を抑制するための受け治具などを形状の異なるレンズごとに用意する必要のない加飾レンズの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】第一区画室31と第二区画室32とをフィルム素材13によって気密に区画し、第二区画室32と第三区画室33とを弾性膜体4によって気密に区画し、第一区画室31内の圧力を第二区画室32内の圧力よりも高くして、フィルム素材13を第二区画室32内に設置されたレンズ11に貼り着けるに際し、第三区画室33内の圧力を第二区画室32内の圧力よりも高くして、弾性膜体4によってレンズ11を支持する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、加飾レンズの製造方法に関する。
従来、眼鏡用のレンズとして、偏光機能、調光機能、反射防止機能などの様々な機能を有するフィルム素材の貼り着けられた加飾レンズ(機能性レンズとも呼ばれる。)が広く普及している。
例えば、特許文献1には、プラスチック製のレンズと、上記レンズの表面に形成された偏光フィルムとを有する偏光レンズが開示されている。また、この特許文献1には、真空成形、圧空成形、プレス成形などにより、レンズ面の曲率に合わせて曲げ加工を施した偏光フィルムをレンズに貼り合わせる方法が開示されている。そして、特許文献1によれば、このような方法において、偏光フィルムを貼り合わせるレンズ自体を、偏光フィルムの曲げ加工における型として用いて、フィルム,レンズに接着剤などを塗布した後で加工を行うことによって、曲げ加工と貼り合わせとを一括して同時に行うことができるとしている。
一方、表面加飾や機能付与などの目的で、真空成形を利用して合成樹脂シートやフィルムなどを各種の基材上に貼り着ける技術が従前より知られている。
例えば、特許文献2には、合成樹脂シートと被積層体とを対向して真空容器内に設置し、大気圧と真空圧との圧力差によって、加熱された合成樹脂シートを被積層体に積層する積層体の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、2以上の成型室間で被成型物の真空成型を行なう真空成型装置であって、加熱軟化せしめられた被成型物の変形量に応じ、予め設定した一定容量の気体が必要な成型室に吸引されるようにし、被成型物の変形を成型室間の差圧により補正する真空成型装置が開示されている。
また、特許文献4には、減圧雰囲気中に置いたときに、切断したフィルムの中央部が下方に膨らむようにして該切断したフィルムを基板上方に配置した後減圧雰囲気とし、次いで、該中央部から外方に向かいフィルムを基板に押し付けることを特徴とするフィルム貼付け方法が開示されている。
また、特許文献5には、チャンバーボックス内を減圧状態とする際には中空芯材の内部も減圧状態とし、チャンバーボックス内を加圧する際には中空芯材の内部も加圧する連通孔が中空芯材に設けられていることを特徴とする中空芯材の減圧被覆方法が開示されている。
特開平9−258009号公報 特公昭56−45768号公報 特開2002−67137号公報 特開2003−300255号公報 特開2006−7422号公報
ここで、本発明を完成するに先立って本発明者が検討した、表面に偏光フィルムなどのフィルム素材が貼着された加飾レンズの製造方法についての検討例を、図面を参照しながら説明する。
[検討例]
図6は、本検討例を説明するための説明図であり、本検討例は、フィルム貼着装置101を利用して実施される。
図6に示すフィルム貼着装置101は、気密性を有する容器102を備えており、この容器102は、容器本体121及び蓋22を有している。容器本体121は、側板に配管311が接続されており、また、底板の中央領域を気密に囲うように仕切り壁212が立設されており、この仕切り壁212には配管321が接続されている。また、配管311、321は、図示してないが、弁などを介して差圧発生手段(真空発生手段など)と接続されている。また、蓋22は、偏光フィルムなどのフィルム素材13を軟化させるためのヒータ221、及び、フィルム素材13を保持するための保持部材222を有している。
上記のフィルム貼着装置101を用いた本検討例においては、例えば、図7のフローチャートに示す各ステップ(S101〜S106)が順に行われる。
S101において、レンズ11及びフィルム素材13がセットされる。具体的には、まず、蓋22を開けて、レンズ11を容器本体121の底板中央に設置する。次に、フィルム素材13を仕切り壁212の上面に載置し、続いて、蓋22を閉じる(図6(a)参照)。これにより、隣設された第一区画室31と第二区画室32とが、フィルム素材13によって気密に区画される。
レンズ11は、通常、フィルム素材13を貼り着ける面とは反対側の面が凹面12となっているが、第一区画室31内の圧力と第二区画室32内の圧力が等しいとき、変形することはない。
S102において、第一区画室31及び第二区画室32を真空引きし、真空状態を保持する。
S103において、フィルム素材13を加熱する。具体的には、ヒータ221がONされ、フィルム素材13は、真空状態で加熱され軟化する。
S104において、第一区画室31内の圧力を上昇させ、第一区画室31内の圧力を第二区画室32内の圧力より高くする。これによって、軟化したフィルム素材13は、膨れながらレンズ11の表面に貼着される。
この際、図6(b)に示すように、第一区画室31内の圧力を第二区画室32内の圧力より高くすると、第一区画室31内の圧力と第二区画室32内の圧力との圧力差によって膨れたフィルム素材13が、レンズ11を押圧し、レンズ11が押しつぶされるように弾性変形し、弾性変形したレンズ11の表面にフィルム素材13が貼着される場合がある。
S105において、第一区画室31及び第二区画室32内の圧力を大気圧に戻し、ヒータ221がOFFされる。
この際、図6(c)に示すように、第一区画室31及び第二区画室32内の圧力を大気圧に戻すと、レンズ11が弾性変形する前の形状に復元するが、フィルム素材13は、弾性変形した状態のレンズ11に合わせて、既に形状が形成されており、上記の復元に追従できずに、レンズ11の外周部において、フィルム素材13が剥離し、貼着不良が発生する場合がある。
S106において、フィルム素材13を冷却し、続いて、フィルム素材13の貼着されたレンズ11が容器102から取り出される。
S105において、上記の貼着不良が発生する場合には、S101において、容器本体121の底板中央に、まず、レンズ11の凹面12とほぼ全面的に当接する凸面を有する受け治具(図示せず)を載置し、次に、この受け治具の上にレンズ11を設置することが考えられる。このようにすると、受け治具は、その凸面がレンズ11の凹面12に当接しつつ、レンズ11を凹面12の側から支持するので、レンズ11の変形(弾性変形及び塑性変形)を抑制することができ、貼着不良の発生を防止することができる。
しかしながら、上記したような受け治具を利用してレンズの変形を抑制する方法は、同様の製品を大量に作製するには安価で容易な方法であるものの、少量生産、一品生産、及び特別注文生産などに対応することが要望されている眼鏡レンズの場合、レンズ度数が多種多様であるため、様々な凹面形状が用いられる。そして、様々な凹面形状に対応するためには、多種多様な受け治具を製作する必要があり、多大なコストを必要とするという問題がある。
また、生産機種を切り換える度に、レンズの凹面形状に対応する受け治具を保管場所から搬送してきて装置に取り付け、生産後には、装置から取り外し、再び保管場所に搬送する必要があり、これらの作業に多くの時間を要し、生産性及び経済性において不利であるという問題もある。
そこで、本発明者らは、フィルム素材13を貼着する際、フィルム素材13によって気密に仕切られた第一区画室31内の圧力と第二区画室32内の圧力との圧力差によって、膨れたフィルム素材13がレンズ11を押圧し、レンズ11が弾性変形していることに着目し、そのような圧力差を発生させてもレンズ11が弾性変形しなければ、多種多様な受け治具を必要としなくなるという観点から鋭意検討を重ねたところ、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フィルム素材をレンズに貼り着けて加飾レンズを製造する際、レンズが多種多様な形状を有する場合であっても、レンズの変形を有効に抑制することができ、その際、レンズの変形を抑制するための受け治具などを形状の異なるレンズごとに用意する必要のない加飾レンズの製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る加飾レンズの製造方法は、貼着材としてのフィルム素材をレンズに貼り着けてなる加飾レンズの製造方法であって、隣設された第一区画室と第二区画室とを前記フィルム素材によって気密に区画し、隣設された前記第二区画室と第三区画室とを弾性膜体によって気密に区画し、前記第一区画室内の圧力を前記第二区画室内の圧力よりも高くして、前記フィルム素材を前記第二区画室内に設置された前記レンズに貼り着けるに際し、前記第三区画室内の圧力を前記第二区画室内の圧力よりも高くして、前記弾性膜体によって前記レンズを支持する方法としてある。
本発明によれば、フィルム素材をレンズに貼り着ける際、レンズが多種多様な形状を有する場合であっても、レンズの変形を有効に抑制することができ、フィルム素材が良好に密着した状態の加飾レンズを製造することができる。
フィルム貼着装置の一例を示す説明図である。 本発明に係る加飾レンズの製造方法の実施形態における各ステップを示すフローチャートである。 図2の各ステップを説明する断面図である。 フィルム貼着装置の変形例を示す説明図である。 本発明に係る加飾レンズの製造方法の実施形態の変形例における各ステップを説明する断面図である。 検討例を説明するための説明図である。 検討例における各ステップを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[フィルム貼着装置]
図1は、フィルム貼着装置の一例を示す説明図であり、本実施形態に係る加飾レンズの製造方法は、このようなフィルム貼着装置1を好適に利用して実施することができる。
図1に示すフィルム貼着装置1は、気密性を有する容器2を備えており、この容器2は、容器本体21及び蓋22を有している。また、容器2は、隣設された第一区画室31と第二区画室32とをフィルム素材13によって気密に区画し、かつ、隣設された第二区画室32と第三区画室33とを弾性膜体4によって気密に区画する構造を有している。
具体的には、容器本体21は、側板及び底板を有するほぼ箱状としてあり、側板の高さ方向の中ほどから下方寄りの位置に、中央に開口部が形成された仕切り板211が設けられている。そして、この仕切り板211の上面には、筒状の仕切り壁212が、開口部の内周縁から離れて立設されている。
仕切り板211には、その中央に形成された開口部を覆うように、内側縁部に弾性膜体4が固定されており、また、仕切り壁212には、その上面にフィルム素材13が取り付けられている。そして、仕切り板211の開口部の周縁側と仕切り壁212に囲繞された第二区画室32内には、弾性膜体4の上方に位置した状態でレンズ11が設置されるようになっている。
また、容器本体21は、側板の上部に、第一区画室31に連通する配管311が接続されており、側板の下部には、第三区画室33に連通する配管331が接続されている。また、仕切り壁212には、第二区画室32に連通する配管321が接続されており、この配管321は、容器本体21の側板を貫通した状態で、仕切り壁212に接続されている。これらの配管311、321、331は、図示してないが、弁などを介して差圧発生手段(真空発生手段など)と接続されている。これにより、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33内の圧力を制御することができる。
また、蓋22は、フィルム素材13を加熱し軟化させるためのヒータ221、及び、仕切り壁212の上面に載置されたフィルム素材13を保持するための保持部材222を有している。この保持部材222は、蓋22に連結された環状の平板としてあり、蓋22の下面から垂下するアームに支持されている。そして、保持部材222は、フィルム素材13を仕切り壁212の上面に載置した状態で、蓋22が閉められると、フィルム素材13の縁部を押圧して、フィルム素材13を仕切り壁212の上面に保持する。
なお、容器2の構造は、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33を形成するとともに、フィルム素材13及び弾性膜体4を保持できる構造であればよく、上記に限定されるものではない。例えば、仕切り板211及び仕切り壁212の代わりに、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33を形成できる様々な構造であってもよい。また、保持部材222は、仕切り壁212に係止されることによって、フィルム素材13を保持する構造であってもよい。さらに、容器2内に複数のレンズ11を設置できる構造であってもよい。
[弾性膜体]
弾性膜体4は、隣設された第二区画室32と第三区画室33とを気密に区画するとともに、第二区画室32及び第三区画室33内の圧力差によって弾性変形し、レンズ11を支持する機能を有している。この弾性膜体4は、レンズ11が異なる形状の凹面12を有する場合であっても、その異なる形状に対応して弾性変形し、凹面12のほぼ全面を下方から上方に押圧することによってレンズ11を支持する。
本実施形態の弾性膜体4は、同心円状に弛みを有するほぼ円形状としてあり、仕切り板211の開口部を覆うように、仕切り板211の開口部付近に、固定部材41によって固定されている。この固定部材41は、環状の平板としてあり、固定部材41と仕切り板211との間に弾性膜体4を挟むようにして、仕切り板211に取り付けられる。また、弾性膜体4の材質として、通常、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素系樹脂などが挙げられる。
なお、弾性膜体4の形状は、上記の機能を実現できる形状であればよく、特に限定されるものではない。例えば、図示してないが、部分的に厚みが異なったり、あるいは、凹凸を有する形状であってもよい。
[加飾レンズ]
加飾レンズは、貼着材としてのフィルム素材13をレンズ11に貼り着けたものである。本実施形態のレンズ11は、フィルム素材13を貼り着ける面とは反対側の面が凹面12とされる。このレンズ11は、凹面12側が弾性膜体4に対向するように、その周縁部を弾性膜体4を固定する固定部材41上に載置させた状態で、第二区画室32内に設置される。
また、フィルム素材13として、加飾フィルムが用いられる。この加飾フィルムは、通常、合成樹脂フィルムであり、光分解又は光酸化に対する保護が設けられた機能、衝撃緩衝機能、耐擦過性機能、反射防止機能、偏光機能、カラーフィルタ機能、調光機能、帯電防止機能、汚染防止機能、及び、ピクセル又は微細構造によって適用された機能の中から選択された少なくとも一つの機能性を有する。
また、フィルム素材13は、必要に応じて、接着剤又は粘着剤によって、レンズ11に接着するようにしてもよい。
フィルム素材13をレンズ11に接着する接着剤又は粘着剤としては、レンズ11の機能に影響を及ぼすものでなければ、特に限定されない。例えば、レンズ11がプラスチックレンズである場合、レンズ表面を溶かすなどして、その光学的機能を損ねてしまうおそれのある有機溶剤を含まない、反応系、水分散系(ラテックス・エマルジョン系)、ホットメルト系、感圧系の接着剤又は粘着剤を用いるのが好ましく、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、エチレン-酢酸ビニル樹脂系、シアノアクリレート系、塩化ビニル樹脂系、スチレン-ブタジエンゴム系、クロロプレンゴム系などの接着剤又は粘着剤を用いることができる。
[加飾レンズの製造方法]
以上のようなフィルム貼着装置1を用いた、本実施形態に係る加飾レンズの製造方法においては、例えば、図2のフローチャートに示す各ステップ(S1〜S6)が順に行われる。また、図3は、図2の各ステップを説明する断面図である。
S1において、レンズ11及びフィルム素材13がセットされる。具体的には、まず、蓋22を開けて、レンズ11の周縁部を固定部材41上に載置することによって、レンズ11を容器本体21の第二区画室32内に設置する。次に、フィルム素材13を仕切り壁212の上面に載置し、続いて、蓋22を閉じる(図3(a)参照)。これにより、隣設された第一区画室31と第二区画室32とが、仕切り壁212の上面に保持されたフィルム素材13によって気密に区画される。
なお、隣設された第二区画室32と第三区画室33とは、上述したように、弾性膜体4によって予め気密に区画されている。また、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33は、各配管311、321、331を介して大気と連通しており、内部の圧力は、大気圧である。
S2において、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33は、差圧発生手段(図示せず)によって各配管311、321、331から排気され、真空引きされる(図3(b)参照)。
なお、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33は、ほぼ同時に、かつ、ほぼ同じ圧力に真空引きされる。
S3において、フィルム素材13を加熱する(図3(c)参照)。具体的には、ヒータ221がONされ、フィルム素材13は、真空状態で加熱され軟化する。図3において、硬化したフィルム素材13を太線で示し、軟化したフィルム素材13を白抜きされた太線で示してある。
なお、フィルム素材13の種類などによっては、常温において、第一区画室31内の圧力と第二区画室32内の圧力との圧力差によって膨れるように変形するものもある。このようなフィルム素材13に対しては、ヒータ221を使用しない場合もある。
S4において、第一区画室31及び第三区画室33は、大気開放などによって各配管311、331から給気され、内部の圧力をほぼ同時に、かつ、ほぼ同じ圧力に上昇させる(図3(d)参照)。この際、第一区画室31内の圧力を第二区画室32内の圧力より高くすることによって、軟化したフィルム素材13が、膨れながら第二区画室32に設置されたレンズ11の表面に貼着される。また、第三区画室33内の圧力を第二区画室32内の圧力よりも高くすることによって、弾性変形した弾性膜体4が、レンズ11の凹面12と接触し押圧することによって、レンズ11を支持する。
このようにすると、フィルム素材13をレンズ11に貼り着ける際、レンズ11は、上方からフィルム素材13によって押圧され、かつ、下方から弾性膜体4によって押圧されることになる。このとき、これらの押圧力が互いにほぼ相殺されるので、レンズ11の変形(弾性変形及び塑性変形)を抑制することができ、フィルム素材13が密着した状態のレンズ11を製造することができる。
また、レンズ11が多種多様な形状を有する場合であっても、弾性膜体4が各レンズ11の形状に応じて弾性変形するので、多種多様な形状のレンズ11の変形を有効に抑制することができ、フィルム素材13が良好に密着した状態のレンズ11を製造することができる。
したがって、上述した検討例のように、多種多様な形状の受け治具を製作する必要がなくなり、そのための手間やコストも不要となる。さらに、生産機種を切り換える度に、受け治具をセットし直す必要もないので、機種切替えの作業に要する時間を大幅に短縮することができ、経済性及び生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第一区画室31及び第三区画室33内の圧力を、ほぼ大気圧まで上昇させるが、これに限定されるものではない。第一区画室31内の圧力は第二区画室32内の圧力より高ければよく、例えば、第一区画室31内の圧力は大気圧より低くても、大気圧より高くてもよい。
また、フィルム素材13をレンズ11に貼り着けるに際し、上昇させる第一区画室31及び第三区画室33内の圧力を等しくするのが好ましい。このようにすると、フィルム素材13によるレンズ11への押圧力と弾性膜体4によるレンズ11への押圧力とがより高いレベルで相殺されるので、レンズ11の変形をより有効に抑制することができる。
S5において、第一区画室31、第二区画室32及び第三区画室33内の圧力を、大気開放によって大気圧に戻し、ヒータ221がOFFされる(図3(e)参照)。
S6において、フィルム素材13を冷却して硬化させ(図3(f)参照)、続いて、フィルム素材13の貼着されたレンズ11が、容器2から取り出される。
以上説明したように、本実施形態にあっては、フィルム素材13をレンズ11に貼り着ける際、レンズ11が多種多様な形状を有する場合であっても、弾性膜体4がレンズ11の様々な形状に自在に対応し、レンズ11の変形を有効に抑制するので、フィルム素材13が良好に密着した状態のレンズ11を製造することができる。したがって、多種多様な形状の受け治具を製作する必要がなく、さらに、受け治具をセットするなどの機種切替えの作業に要する時間を大幅に短縮することができ、経済性及び生産性を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態は、様々な変形実施が可能であり、次に、本実施形態の変形例について、図面を参照して説明する。
[変形例]
図4は、フィルム貼着装置の変形例を示す説明図であり、本変形例に係る加飾レンズの製造方法は、このようなフィルム貼着装置1aを好適に利用して実施することができる。
図4に示すフィルム貼着装置1aは、上述した実施形態のフィルム貼着装置1と比べると、第一区画室31aと第三区画室33aとが連通している点などが相違し、他の構成は、上述した実施形態とほぼ同様としてある。したがって、図4において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、フィルム貼着装置1aは、容器本体21aの側板の高さ方向の中ほどから下方寄りの位置に、平板状の仕切り板211aが設けられており、この仕切り板211aの中央部に複数の貫通孔213が形成され、縁部には、複数の開口部214が形成されている。これら開口部214によって、第一区画室31aと第三区画室33aは、連通しており、第三区画室33に連通する配管331を介して第一区画室31aと第三区画室33a内の両方の圧力を制御することができる。このための、上述した実施形態のフィルム貼着装置1において第一区画室31に連通する配管311を設けない構成としてある。
このようにすると、第一区画室31a内の圧力と第三区画室33a内の圧力とが自動的に等しくなり、フィルム素材13をレンズ11に貼り着ける際、フィルム素材13によるレンズ11への押圧力と弾性膜体4によるレンズ11への押圧力とがより高いレベルで相殺されるので、レンズ11の変形をより有効に、かつ、確実に回避することができる。また、各圧力を制御するための配管及び弁など(図示せず)を設ける必要が無くなり、構造を単純化することができる。
また、弾性膜体4aは、弛みを有しないほぼ円形状としてあり、フィルム貼着装置1aの停止中などにおいては、中央部が仕切り板211aによって支持されるので、経時的な変形が抑制され、耐久性などを向上させることができる。
以上のようなフィルム貼着装置1aを用いた、本変形例に係る加飾レンズの製造方法においては、例えば、上述した図2のフローチャートに示す各ステップ(S1〜S6)が順に行われる。また、図5は、本発明に係る加飾レンズの製造方法の実施形態の変形例における各ステップを説明する断面図である。
なお、各ステップにおいて、上述した実施形態とほぼ同様の内容については、その詳細な説明を省略する。
S1において、上述した実施形態とほぼ同様にして、レンズ11及びフィルム素材13がセットされる(図5(a)参照)。
S2において、第一区画室31a、第二区画室32及び第三区画室33aは、差圧発生手段(図示せず)によって各配管321、331から排気され、真空引きされる(図5(b)参照)。なお、第一区画室31aと第三区画室33aは、開口部214によって連通しているので、配管331から排気されることによって、真空引きされる。
S3において、ヒータ221がONされ、フィルム素材13は、真空状態で加熱され軟化する(図5(c)参照)。
S4において、第一区画室31a及び第三区画室33aは、大気開放などによって配管331から給気され、内部の圧力を同時に、かつ、同じ圧力に上昇させる(図5(d)参照)。この際、第一区画室31aと第三区画室33aは、開口部214によって連通しているので、第一区画室31a内の圧力と第三区画室33a内の圧力とが自動的に等しくなり、フィルム素材13をレンズ11に貼り着ける際、レンズ11の変形をより有効に、かつ、確実に回避することができ、品質の信頼性を向上させることができる。
S5において、第一区画室31a、第二区画室32及び第三区画室33a内の圧力を、大気開放によって大気圧に戻し、ヒータ221がOFFされる(図5(e)参照)。
S6において、フィルム素材13を冷却して硬化させ(図5(f)参照)、続いて、フィルム素材13の貼着されたレンズ11が、容器2から取り出される。
このように、本変形例の加飾レンズの製造方法は、上記実施形態とほぼ同様の効果を奏するとともに、フィルム素材13をレンズ11に貼り着ける際、レンズ11の変形をより有効に、かつ、確実に回避することができ、また、フィルム貼着装置1aの構造を単純化することができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
1 フィルム貼着装置
4 弾性膜体
11 レンズ
13 フィルム素材
31 第一区画室
32 第二区画室
33 第三区画室

Claims (5)

  1. 貼着材としてのフィルム素材をレンズに貼り着けてなる加飾レンズの製造方法であって、
    隣設された第一区画室と第二区画室とを前記フィルム素材によって気密に区画し、
    隣設された前記第二区画室と第三区画室とを弾性膜体によって気密に区画し、
    前記第一区画室内の圧力を前記第二区画室内の圧力よりも高くして、前記フィルム素材を前記第二区画室内に設置された前記レンズに貼り着けるに際し、前記第三区画室内の圧力を前記第二区画室内の圧力よりも高くして、前記弾性膜体によって前記レンズを支持することを特徴とする加飾レンズの製造方法。
  2. 前記フィルム素材を前記レンズに貼り着けるに際し、前記第一区画室内の圧力と前記第三区画室内の圧力とを同等とする請求項1に記載の加飾レンズの製造方法。
  3. 前記第一区画室と前記第三区画室とが連通している請求項1〜2のいずれか一項に記載の加飾レンズの製造方法。
  4. 前記フィルム素材が、接着剤又は粘着剤によって、前記レンズに接着される請求項1〜3のいずれか一項に記載の加飾レンズの製造方法。
  5. 前記レンズは、前記フィルム素材を貼り着ける面とは反対側の面が凹面とされたレンズであり、前記凹面を前記弾性膜体に対向させて、前記レンズを前記第二区画室内に設置する請求項1〜4のいずれか一項に記載の加飾レンズの製造方法。
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