JP2013176122A - 音響処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音響処理装置に設定された音響処理を施すためのパラメータを、指示装置によって遠隔操作で制御するときに、その制御対象となる音響処理装置が増加したとしても、増加した音響処理装置に設定されているパラメータが指示装置の指示値により突然変動しないようにしつつ、制御対象の音響処理装置全体のパラメータを制御すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係るスピーカ装置は、オーディオ装置と無線通信により接続したときに、すでにオーディオ装置が別のスピーカ装置と接続しているときには、そのときのオーディオ装置におけるボリュームの指示値Lpと、スピーカ装置における設定値Lsとの比較結果に応じて、指示値Lpと設定値Lsとの対応関係を決定し、その対応関係に基づいてボリューム値を制御する。この対応関係においては、比較対象となった指示値Lpと設定値Lsとが対応付けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の音響機器の設定値を無線通信により制御する技術に関する。
複数のスピーカを有する多チャンネルオーディオ再生装置などの音響機器は、各スピーカから放音される各チャンネルのボリューム値をそれぞれ設定可能になっている(例えば、特許文献1)。このような音響機器は、その装置内の構成において各チャンネルに対してボリューム値の設定が行われ、この設定は、リモコン装置を用いても可能である。
特開2003−158800号公報
ところで、リモコン装置により遠隔操作可能な音響機器が複数ある場合、この複数の音響機器は、リモコン装置の操作により全て同じ遠隔操作がなされ、ボリューム値を設定すると、複数の音響機器全てがリモコン装置によって指示された同じボリューム値として設定されてしまう。そのため、同じボリューム値でも出力特性が異なるような音響機器が複数存在する場合には、違和感のある音量バランスとなってしまう。また、もともと放音していた音響機器がリモコン装置の制御下に入ることにより、突然音量が変化してしまい、聴取者に違和感を与えることがあった。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、音響処理装置に設定された音響処理を施すためのパラメータを、指示装置によって遠隔操作で制御するときに、その制御対象となる音響処理装置が増加したとしても、増加した音響処理装置に設定されているパラメータが指示装置の指示値により突然変動しないようにしつつ、制御対象の音響処理装置全体のパラメータを制御することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、指示装置に無線通信により接続する接続手段と、前記接続手段によって接続された指示装置から特定のパラメータの指示値を受信する受信手段と、前記パラメータの設定値を記憶する記憶手段と、記受信手段によって受信された指示値と、前記記憶手段に記憶された設定値とを比較し、比較結果に応じて前記指示値と前記設定値との対応関係を決定する決定手段と、前記決定手段によって対応関係が決定された後に、前記受信手段によって指示値を受信すると、前記決定手段によって決定された対応関係に基づいて当該指示値に対応する設定値を特定し、前記記憶手段に記憶された設定値を前記特定した設定値に変更する変更手段と、入力されるオーディオデータに対して、前記記憶手段に記憶された設定値に応じて音響処理を施す音響処理手段とを具備することを特徴とする音響処理装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記指示装置に無線通信により接続している装置が複数であるか否かを示す情報を取得する状況取得手段を備え、前記決定手段は、前記状況取得手段によって取得された情報が、複数の装置が接続していることを示す場合には、前記受信手段によって受信された指示値と、前記記憶手段に記憶された設定値とを比較し、比較結果に応じて前記指示値と前記設定値との対応関係を決定することを特徴とする。
本発明によれば、音響処理装置に設定された音響処理を施すためのパラメータを、指示
装置によって遠隔操作で制御するときに、その制御対象となる音響処理装置が増加したと
しても、増加した音響処理装置に設定されているパラメータが指示装置の指示値により突
然変動しないようにしつつ、制御対象の音響処理装置全体のパラメータを制御することが
できる。
実施形態に係るオーディオシステムの動作の概要を説明する図である。 実施形態に係るスピーカ装置の構成を説明するブロック図である。 実施形態に係るオーディオ装置の構成を説明するブロック図である。 実施形態に係るテーブル決定処理を説明するフローチャートである。 テーブル決定処理により決定されるテーブルの種類別の対応関係についての一例を説明する図である。 実施形態に係るオーディオシステムの動作の一例を説明する図である。 図6に続く部分の一例を説明する図である。 図6に続く部分の他の一例を説明する図である。 ボリュームテーブル制御において、各装置のボリュームの指示値、設定値の関係について、具体例を説明する図である。 図9に続く部分の具体例を説明する図である。 図10に続く部分の具体例を説明する図である。
<実施形態>
[概要]
図1は、実施形態に係るオーディオシステムの動作の概要を説明する図である。この例におけるオーディオシステムは、スピーカ装置10およびオーディオ装置20を有する。オーディオ装置20は、楽曲などの楽音波形信号を示すオーディオデータを出力する携帯オーディオ端末30と、スピーカ装置10と無線通信を行うための通信モジュール40とが接続されたものである。各装置の構成の詳細については後述する。なお、図1の記載においては、スピーカ装置10−1、10−2が存在するが、それぞれを区別しない場合には、単にスピーカ装置10という。
スピーカ装置10およびオーディオ装置20は、それぞれが無線通信を行う構成を有する。オーディオ装置20の通信範囲内に存在するスピーカ装置10と無線通信により接続し、接続した装置との間でネットワークを構成する。そして、ネットワークを構成すると、オーディオ装置20から送信されるオーディオデータStが、ネットワークを構成するスピーカ装置10において受信される。また、ネットワークを構成するスピーカ装置10とオーディオ装置20との間では、相手装置に対する通知、制御、指示などを示す各情報を含む制御信号Scの送受信が行われる。制御信号Scに含まれる情報の内容については、この例においては、指示値情報、設定値情報、接続状況情報であるが、詳細は後述する。
オーディオ装置20は、携帯して移動可能な装置であり、各スピーカ装置10と無線接続を行うが、接続対象は単数に限らず、複数となることもある。接続の態様としては、例えば、オーディオ装置20は、自身の位置が移動することにより、図1(a)に示すように、スピーカ装置10−1が通信範囲内に存在するものとなると、無線通信によりスピーカ装置10−1と接続する。これにより、スピーカ装置10−1は、受信したオーディオデータStに応じて放音する。
さらにオーディオ装置20は、自身の位置が移動することにより、図1(b)に示すように、スピーカ装置10−1、10−2の双方が通信範囲内に存在するものとなると、無線通信により双方と接続する。これにより、スピーカ装置10−1、10−2の双方は、受信したオーディオデータStに応じて放音する。さらにオーディオ装置20が移動して、スピーカ装置10−1が通信範囲内に存在しないものとなり、図1(c)に示すような状況になると、スピーカ装置10−1からの放音が停止する。
以下、このような状況において、各スピーカ装置10の放音における音量レベルを決めるためのボリュームの設定値Lsを制御するボリューム制御処理を実現するためのスピーカ装置10およびオーディオ装置20の各構成について説明する。
[スピーカ装置10の構成]
図2は、スピーカ装置10の構成を示すブロック図である。スピーカ装置10は、通信部11、操作部12、放音部13および制御部14を有する。通信部11は、無線通信部111および通信制御部112を有する。
無線通信部111は、通信制御部112の制御によって、オーディオ装置20と無線通信を行う機能を有する。無線通信部111は、出力する電波の強度に応じた通信範囲内に存在するオーディオ装置20を検索して無線通信を物理レベルで確立し、通信制御部112の制御によって、そのオーディオ装置20に無線通信により接続する。このとき、他のスピーカ装置10が通信範囲内に存在しても、スピーカ装置10間では接続されず、オーディオ装置20との間で接続される。
すなわち、このオーディオシステムにおいては、マスタとなるオーディオ装置20とスレーブとなるスピーカ装置10との間で無線通信による接続が行われ、スレーブの装置間においては無線通信による接続が行われない。なお、この実施形態においては、スレーブの装置間においては無線通信による接続が行われないものとしたが、無線通信により接続して、またはマスタの装置との接続を介して、スレーブの装置間において情報のやり取りが行えるようにしてもよい。
そして、上述したようにマスタの装置であるオーディオ装置20からは、スレーブの装置であるスピーカ装置10に対して、放送型通信によりストリーミング形式でオーディオデータStの送信を行う。また、マスタの装置とスレーブの装置との間では制御信号Scを送受信する。この例においては、送信される制御信号Scについても放送型通信により行われるが、送受信される対象となる装置を識別する識別子を含ませることにより、実質的に各装置を特定して制御信号Scを送信することもできる。
例えば、制御信号Scを受信した装置は、制御信号Scに含まれる識別子が自装置のものでない場合には、その制御信号Scの受信は無効であるものとして扱うようにすれば、識別子に対応する装置のみで制御信号Scの受信を有効なものとすることができる。制御信号Scに含まれる識別子は、単数の装置でも複数の装置でもよく、ネットワークを構成する全てのスピーカ装置10を対象としてもよい。
これらの識別子は、例えば、スピーカ装置10の通信制御部112、オーディオ装置20の通信制御部42(図3参照)に設定され、通信制御部112、42において、有効無効を判断すればよい。
無線通信部111は、エンコードされたオーディオデータStをオーディオ装置20から受信すると、デコードして制御部14に出力し、制御信号Scをオーディオ装置20から受信すると、デコードして制御信号Scに含まれる指示値情報、接続状況情報などを制御部14に出力する。また、制御部14から出力された設定値情報などを含む制御信号Scをエンコードしてオーディオ装置20に送信する。
通信制御部112は、上述したように無線通信部111における通信の各動作、例えば、無線通信の確立、無線通信によるオーディオ装置20との接続、接続後の送受信などにおいて行われるやり取りを制御する。
操作部12は、利用者の指示を入力するための操作子(ボタン、ロータリエンコーダなど)を有し、操作子の操作に応じた操作信号を出力する。この例においては、ボリュームの調整、すなわちボリュームの設定値Lsを増減させる指示をするための操作子を有する。操作部12は、オーディオデータに係る音に付与する音場効果の設定指示、オーディオデータの入力が複数の手段によって行われる場合には、放音に係るオーディオデータを選択するための切り替え指示など、様々な指示を行う操作子を有するものとしてもよい。なお、操作子は、遠隔操作可能なリモコンなどに設けられていてもよい。
放音部13は、入力される楽音波形信号を増幅する増幅回路と、増幅した楽音波形信号を放音するスピーカを有する。この例においては、スピーカ装置10−1、10−2のそれぞれにおける増幅回路の増幅率は異なり、同じ出力レベルの楽音波形信号が入力されても、楽音波形信号が放音されるときの音量レベルは異なるものとなっている。そのため、スピーカ装置10−1、10−2のそれぞれから、同程度の音量レベルの放音が行われるようにするためには、ボリュームの設定値Lsの値はそれぞれ異なる値となる。
なお、この増幅率は同じであってもよい。また、スピーカは、単数でも複数でもよく、複数の場合には、スピーカアレイを構成することにより音に指向性を持たせて放音方向を制御可能なものとしてもよい。
制御部14は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、DSP(Digital Signal Processor)などを有する。CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムをRAMにロードして実行することにより、ボリューム制御処理機能などを実現し、スピーカ装置10の各部を制御する。ボリューム制御機能については、後述する。以上が、スピーカ装置10の構成についての説明である。
[オーディオ装置20の構成]
図3は、オーディオ装置20の構成を説明するブロック図である。オーディオ装置20は、上述したように携帯オーディオ端末30と通信モジュール40とがインターフェイス36、43により接続されたものである。この例においては、通信モジュール40は、携帯オーディオ端末30との接続により、携帯オーディオ端末30の電源部(不図示)から、インターフェイス36、43を介して電力の供給を受けている。したがって、通信モジュール40を携帯オーディオ端末30から取り外して接続を解除すると通信モジュール40の各部の機能は停止する。以下、それぞれの構成を順に説明する。
携帯オーディオ端末30は、制御部31、記憶部32、操作部33、表示部34、音声出力部35およびインターフェイス36を有し、それぞれがバスを介して接続されている。
制御部31は、CPU、ROM、RAMを有している。CPUは、ROMから制御プログラムをRAMにロードして実行することにより、携帯オーディオ端末30の各部について、バスを介して制御する。制御部31における制御内容については後述する。
記憶部32は、例えばハードディスク、不揮発性メモリなどの記憶手段であって、楽曲、映画などの各コンテンツに対応した楽音波形信号を示すオーディオデータ、映像を示す映像データなどを記憶する。また、記憶部32は、ボリューム値を指示する値である指示値Lpを示す指示値情報を記憶する。この例においては、指示値Lpの範囲は「0」から「100」であるものとするが、これに限らず「0」から「255」など8bitで表されるようなものであってもよい。後述する設定値Lsについても同様である。なお、装置によって使用される範囲が異なる場合には、装置ごとの範囲を通信により特定して予め各数値の対応付けを行うようにすればよい。
操作部33は、利用者が操作(例えば、回転操作、押下など)を行うための操作子を有する。利用者が操作子を操作すると、操作部33は、その操作内容を表す操作信号が制御部31へ出力する。この操作により、様々な指示が可能であり、例えば、携帯オーディオ端末30を起動する指示、記憶部32に記憶されたコンテンツの選択、再生する指示などである。また、利用者は、この操作子の操作により、ボリューム値を増減させる指示(ボリューム値を直接指示するものでもよい)を行う。
表示部34は、メニュー画面、設定画面、コンテンツの映像などを表示する表示画面を有する液晶ディスプレイなどの表示デバイスであって、制御部31の制御によって入力される映像データに応じた表示を行う。また、表示画面には、制御部31の制御によって、記憶部32に記憶されている指示値情報に応じたボリューム値を示す画像(棒グラフ、数値など)が表示される。
音声出力部35は、ヘッドホンなどの放音手段を接続する接続端子を有し、制御部31の制御によって入力されるオーディオデータに係る楽音波形信号を、接続される放音手段に供給する。このとき、音声出力部35に入力される楽音波形信号は、制御部31によって、記憶部32に記憶された指示値Lpに応じた増幅処理が施されている。
インターフェイス36は、外部機器と接続し、様々な情報、データなどの入出力をするための接続端子である。この例においては、インターフェイス36には通信モジュール40が接続され、制御部31の制御によって、接続された通信モジュール40に対してオーディオデータ、指示値情報などを出力する。また、インターフェイス36は、外部から入力された設定値情報などを制御部31に出力する。
制御部31は、操作部33の利用者による操作に応じて、記憶部32に記憶されたオーディオデータを読み出してインターフェイス36に出力するとともに、そのオーディオデータに係る楽音波形信号に増幅処理を施して音声出力部35に出力する。また、制御部31は、操作部33の利用者の操作により、ボリューム値を増減させる指示があると、記憶部32に記憶された指示値情報を、指示に応じた値に更新する。そして、制御部31は、更新した指示値情報をインターフェイス36に出力する。
指示値情報の出力は、更新があるたびに行われてもよいし、定期的に行われてもよい。また、オーディオ装置20とスピーカ装置10とが無線通信により接続されたことを、インターフェイス36を介して通信モジュールから通知されたときに出力するようにしてもよい。この例においては、指示値情報の出力は、定期的に行われ、かつ更新があったときにも行われるようになっている。
このとき、制御部31は、スピーカ装置10とオーディオ装置20とが接続状態か否かを示す情報を通信モジュール40から取得し、接続状態のときは音声出力部35への楽音信号波形の出力を停止するようにしてもよいし、接続状態でないときはインターフェイス36へのオーディオデータ、指示値情報の出力を停止するようにしてもよい。
また、制御部31は、インターフェイス36から設定値情報が入力された場合には、設定値情報に応じて記憶部32に記憶されている指示値情報を更新する。この例においては、設定値情報が示す設定値Lsを指示値Lpとするように指示値情報を更新する。
通信モジュール40は、無線通信部41、通信制御部42およびインターフェイス43を有する。無線通信部41は、通信制御部42の制御によって、スピーカ装置10と無線通信を行う機能を有する。インターフェイス43は、外部機器と接続し、様々なデータの入出力をするための接続端子である。この例においては、インターフェイス43には携帯オーディオ端末30が接続され、携帯オーディオ端末30のインターフェイス36から出力されるオーディオデータ、指示値情報を無線通信部41に出力する。また、後述のように無線通信部41から出力される設定値情報を携帯オーディオ端末30のインターフェイス36に出力する。
無線通信部41および通信制御部42は、スピーカ装置10の無線通信部111および通信制御部112の機能と概ね共通であるため、異なる点について説明する。無線通信部41は、スピーカ装置10から制御信号Scを受信すると、デコードして制御信号Scに含まれる設定値情報をインターフェイス43に出力する。これにより、設定値情報は、インターフェイス36を介して制御部31に出力される。
無線通信部41は、インターフェイス36を介してインターフェイス43から出力されるオーディオデータをエンコードしたオーディオデータStを、ネットワークを構成するスピーカ装置10に送信する。また、無線通信部41は、インターフェイス43から出力される指示値情報、通信制御部42から出力される接続状況情報などを含む制御信号Scを、ネットワークを構成するスピーカ装置10に送信する。
通信制御部42は、上述したように無線通信部41における通信の各動作、例えば、無線通信の確立、無線通信によるスピーカ装置10との接続、接続後の送受信などにおいて行われるやり取りを制御する。
通信制御部42は、無線通信により接続しているスピーカ装置10の数(ネットワークを構成するスピーカ装置10の数)を示す接続状況情報を記憶し、無線通信部41において指示値情報を含む制御信号Scを送信するときに、あわせて接続状況情報を含むように制御する。また、通信制御部42は、オーディオ装置20と無線通信により接続されるスピーカ装置10の対象が変化した場合、すなわちネットワークを構成するスピーカ装置10が変わった場合には、接続されているスピーカ装置10に対して、接続状況情報を含む制御信号Scを無線通信部41から送信させる。なお、インターフェイス43から指示値情報が定期的に出力されない場合でも、最後に出力された指示値情報を通信制御部42においてバッファしておき、定期的に指示値情報を含む制御信号Scを無線通信部41から送信させてもよい。
なお、接続状況情報については、無線通信により接続しているスピーカ装置10の数ではなくてもよく、そのスピーカ装置10を識別する識別子を示してもよい。この接続状況情報は、オーディオ装置20に無線通信により接続されているスピーカ装置10が、複数であるか否かを示す情報であれば、どのような内容であってもよい。以上が、オーディオ装置20の構成についての説明である。
[ボリューム制御機能]
次に、図2に戻って、スピーカ装置10の制御部14において実現されるボリューム制御機能について説明する。ボリューム制御機能とは、オーディオ装置20から受信した指示値情報に応じて自装置のボリュームの制御を行う機能である。なお、以下に説明するボリューム制御機能における各構成については、ハードウエアによって実現してもよい。
このボリューム制御機能の実現には、設定記憶部141、音声処理部142、テーブル記憶部143、指示変更部144、操作変更部145、およびテーブル決定部146の各構成を用いる。
設定記憶部141は、音声処理部142において設定されるべきボリューム値の設定値Lsを示す設定値情報を記憶する。そして、設定記憶部141は、無線通信部111から出力される接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数でない場合に、記憶されている設定値情報を無線通信部111に出力する。また、設定記憶部141は、この接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数でない場合であって、さらに操作変更部145により設定値情報の内容が更新された場合にも、設定値情報を無線通信部111に出力する。
音声処理部142は、無線通信部111から出力されるオーディオデータStが入力され、オーディオデータStに係る楽音波形信号に対して、設定記憶部141に記憶された設定値情報が示すボリュームの設定値Lsに応じた増幅率で増幅処理を施して、出力レベルが増幅処理によって調整された楽音波形信号を放音部13に出力する。このとき、音場効果を付与するなどの様々な音響処理を施してもよいし、ダイナミックレンジ圧縮処理などにより出力レベルをさらに調整する処理が行われてもよい。これらの処理は、スピーカ装置10−1、10−2で異なるものであってもよい。
なお、音声処理部142に入力されるオーディオデータは、無線通信部111からのオーディオデータStでなくてもよく、図示しない入力端子を介して、外部装置から入力されたオーディオデータであってもよく、また、装置内部にオーディオデータを生成するチューナ、音源などがあれば、それから入力されたオーディオデータであってもよい。すなわち、オーディオ装置20と無線通信により接続していなくても放音する構成であってもよい。
テーブル記憶部143は、オーディオ装置20から受信した指示値情報が示す指示値Lpと、設定記憶部141が記憶する設定値情報が示す設定値Lsとの対応関係を定めたテーブル(以下、変換テーブルという)が記憶されている。この変換テーブルは、後述するように、オーディオ装置20からの指示値Lpに基づいて、設定値Lsを更新するときに用いられるテーブルである。変換テーブルは、例えば図5に示す対応関係を示すものであるが、詳細は後述する。
指示変更部144は、無線通信部111から出力された指示値情報および接続状況情報を取得する。指示変更部144は、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数でない場合には、設定記憶部141が記憶する設定値情報が示す設定値Lsが、取得した指示値情報が示す指示値Lpになるように、その設定値情報を更新する。
一方、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数である場合には、後述するようにテーブル決定処理により決定された対応関係になるように変換テーブルが更新されるから、指示変更部144は、テーブル記憶部143に記憶されている更新後の変換テーブルを参照し、取得した指示値情報が示す指示値Lpに対応する設定値Lsを特定する。そして、指示変更部144は、設定記憶部141が記憶する設定値情報が示す設定値Lsが、特定した設定値Lsになるように、その設定値情報を更新する。
操作変更部145は、操作部12から設定値Lsを増減させる指示を示す操作信号が出力されると、設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsが、その指示に応じた設定値Lsになるように、その設定値情報を更新する。また、操作変更部145は、その更新を行ったことを示す通知をテーブル決定部146に対して行う。
テーブル決定部146は、予め決められた条件を満たすと、テーブル決定処理を行って決定した対応関係のテーブルになるように、テーブル記憶部143に記憶されている変換テーブルを更新する。予め決められた条件を満たすとは、操作変更部145から更新を行ったことを示す通知を受け取った場合、無線通信部111から出力される接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数でない状態から複数である状態に変化した場合である。
テーブル決定処理は、無線通信部111から出力された最新の指示値情報が示す指示値Lpと、設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsとを比較し、比較結果に応じて変換テーブルの対応関係を決定する処理である。
[テーブル決定処理]
図4は、テーブル決定処理を説明するフローチャートである。まず、テーブル決定部146は、無線通信部111から出力された最新の指示値情報が示す指示値Lpと、設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsとを取得する(ステップS110)。最新の指示値情報は、無線通信部111から出力された指示値情報について、最新のものをテーブル決定部146においてバッファしておくことで、それを用いてもよいし、テーブル決定処理を開始する契機となった接続状況情報とともに制御信号Scに含まれていた指示値情報であってもよい。
テーブル決定部146は、取得した指示値Lpと設定値Lsとを比較し(ステップS120)、値が異なっている場合(ステップS120;No)には、さらに大小関係を比較する(ステップS130)。
指示値Lpが設定値Lsより大きい場合(ステップS130;Yes)には、テーブル決定部146は、リミッタ付テーブルとなる対応関係を決定し(ステップS140)し、テーブル決定処理を終了する。一方、指示値Lpが設定値Lsより小さい場合(ステップS130;No)には、テーブル決定部146は、リミッタ無テーブルとなる対応関係を決定し(ステップS150)し、テーブル決定処理を終了する。
また、指示値Lpと設定値Lsとが同じ場合(ステップS120;Yes)には、テーブル決定部146は、基本テーブルとなる対応関係を決定し(ステップS160)し、テーブル決定処理を終了する。
次に、リミッタ付テーブル、リミッタ無テーブルおよび基本テーブルについて図5を用いて説明する。
図5は、テーブル決定処理により決定されるテーブルの種類別の対応関係についての一例を説明する図である。
リミッタ付テーブルとは、図5(a)に示すように、指示値Lpが最大値「100」であっても、対応する設定値Lsが最大値にならない対応関係Rc1を示すものである。この対応関係Rc1は、比較対象となった指示値Lpが比較対象となった設定値Lsに対応付けられる関係(図中の点P1に相当)、を有し、その関係から指示値Lpを減少させると、その減少割合で設定値Lsも減少する関係(傾きが「1未満」となる場合の比例関係)、および指示値Lpを増加させると、増加した数値で設定値Lsも増加する関係(傾きが「1」の比例関係)を有する。
そのため、指示値Lpが「0」であれば、設定値Lsも「0」になるが、比較対象となった指示値Lpと設定値Lsとの関係は、上述したように、Lp>Lsであるから、指示値Lpが「100」であっても、設定値Lsは「100」には到達しない。このように、スピーカ装置10がオーディオ装置20に接続されたときに、設定値Lsが指示値Lpより小さい値である場合には、もともと、小さいボリュームの設定値で使用されるようなスピーカ装置10である場合が多く、指示値Lpを増加させても設定値Lsが大きくなりすぎないようにすることができる。また、指示値Lpを減少させて「0」にしたときには、設定値Lsも「0」となり、消音させることができる。
図5(a)に示した具体例は、比較対象となった指示値Lpは「80」であり、設定値Lsは「50」であった場合(点P1:Lp>Ls)に決定される対応関係Rc1を示している。このような場合には、指示値Lpが「0」から「80」までは、設定値Lsが「0」から「50」まで変化する対応関係(傾きが「0.625(=50/80)」の比例関係)である。一方、指示値Lpが「80」から「100」までは、設定値Ls「50」から「70」まで変化する対応関係(傾きが「1」の比例関係)である。
リミッタ無テーブルとは、図5(b)に示すように、指示値Lpが最大値「100」であるときに、対応する設定値Lsが最大値「100」となる対応関係Rc2を示すものである。この対応関係Rc2は、比較対象となった指示値Lpが比較対象となった設定値Lsに対応付けられる関係(図中の点P2に相当)を有し、その関係から指示値Lpを減少させると、その減少割合で設定値Lsも減少する関係(傾きが「1より大きくなる」の場合の比例関係)、および指示値Lpを増加させると、その増加割合で設定値Lsも増加する関係(傾きが「1未満」の場合の比例関係)を有する。
そのため、指示値Lpが「0」であれば、設定値Lsも「0」になり、指示値Lpが「100」であれば、設定値Lsは「100」になる。このように、スピーカ装置10がオーディオ装置20に接続されたときに、設定値Lsが指示値Lpより大きい値である場合には、もともと、大きいボリュームの設定値で使用されるようなスピーカ装置10である場合が多く、指示値Lpを増加させて最大値にしたときには、設定値Lsも最大値とし、また、指示値Lpを減少させて「0」にしたときには、設定値Lsも「0」となり、消音させることができる。
図5(b)に示した具体例は、比較対象となった指示値Lpは「40」であり、設定値Lsは「70」であった場合(点P2:Lp<Ls)に決定される対応関係Rc2を示している。このような場合には、指示値Lpが「0」から「40」までは、設定値Lsが「0」から「70」まで変化する対応関係(傾きが「1.75(=70/40)」の比例関係)である。一方、指示値Lpが「40」から「100」までは、設定値Ls「70」から「100」まで変化する対応関係(傾きが「0.5(=30/60)」の比例関係)である。
基本テーブルとは、図5(c)に示すように、指示値Lp=設定値Lsとなる対応関係Rc3を示すものである。図5(c)に示した具体例は、比較対象となった指示値Lpは「40」であり、設定値Lsも「40」であった場合(点P3:Lp=Ls)に決定される対応関係Rc3を示している。上述のリミッタ有テーブルおよびリミッタ無テーブルにおける対応関係Rc1、Rc2は、点P1、P2がどの位置にあるかにより、その形状が変化するものであるが、基本テーブルについては、点P3がどの位置にあっても対応関係Rc3は同じものとなる。
なお、これらの各テーブルについては、一例であって、これらとは異なるアルゴリズム、(例えば、比例関係でなく非線形の関係、指示値Lpと設定値Lsの大小関係にかかわらずリミッタ無テーブルとなる対応関係で決定、など)に基づいて対応関係が決定されるようにしてもよい。ただし、後述するように、スピーカ装置10がオーディオ装置20に接続されたときに設定値Lsが突然変化しないように、比較対象となった指示値Lpが比較対象となった設定値Lsに対応付けられる関係で対応関係が決定されることが望ましい。これらのアルゴリズムはスピーカ装置10−1、10−2のそれぞれにおいて異なるものであってもよい。以上が、テーブル決定処理についての説明である。
図2に戻って説明を続ける。テーブル決定部146は、このようなテーブル決定処理により決定した対応関係のテーブルになるように、テーブル記憶部143に記憶されている変換テーブルを更新する。以上が、ボリューム制御機能についての説明である。
[動作]
次に、オーディオシステムが上述したように図1(a)、(b)、(c)と変化する状況におけるスピーカ装置10およびオーディオ装置20の動作を説明する。この説明においては、初期状態が図1(a)に示すようにスピーカ装置10−1とオーディオ装置20とが無線通信により接続される前の状態であるものとする。
図6、図7、図8は、オーディオシステムの動作の一例を説明する図である。まず、図6を用いて説明する。
スピーカ装置10−1が通信範囲内にオーディオ装置20が存在することを検出すると、スピーカ装置10−1とオーディオ装置20とは、無線通信により接続する処理を行って接続する(ステップS210)。なお、オーディオ装置20が通信範囲内にスピーカ装置10−1が存在することを検出すると、無線通信により接続する処理が行われるようにしてもよい。
オーディオ装置20は、無線通信により接続されるスピーカ装置10の対象が変わったことにより、スピーカ装置10−1に対して接続状況情報を含む制御信号Scを送信して、オーディオ装置20に接続されているスピーカ装置10の数を通知する(ステップS220)。
スピーカ装置10−1は、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数でない(1台)ことを認識すると、設定記憶部141に記憶されている設定値情報を含む制御信号Scをオーディオ装置20に送信し、設定値Lsを通知する(ステップS230)。この設定値情報は、オーディオ装置20と接続する前にスピーカ装置10−1に設定されていた設定値Lsを示している。
オーディオ装置20は、記憶部32に記憶されている指示値情報が示す指示値Lpを、通知された設定値Lsに変更(ステップS240)して、指示値情報を更新する。
これにより、オーディオ装置20の記憶部32に記憶されている指示値情報が示す指示値Lpと、スピーカ装置10−1の設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsとが同じ値となり、オーディオ装置20とスピーカ装置10−1との間でボリュームフィードバック(FB)制御が開始される(ステップS250)。
ボリュームFB制御とは、以下のような制御をいう。オーディオ装置20の操作部33を操作することにより、記憶部32に記憶されている指示値情報が示す指示値Lpが変更されると、スピーカ装置10−1の設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsが指示変更部144によって変更され、この指示値Lpとこの設定値Lsとが同じ値となる。なお、このときには、テーブル記憶部143に記憶されている変換テーブルが基本テーブルの対応関係となるようにテーブル決定部146に決定させ、指示変更部144は、この変換テーブルにしたがって設定記憶部141に記憶されている設定値Lsを変更してもよい。このようにしても、処理結果は同様である。
一方、スピーカ装置10−1の操作部12を操作することにより、設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsが変更されると、無線通信部111によってこの設定値情報を含む制御信号Scが送信され、オーディオ装置20の記憶部32に記憶されている指示値情報が示す指示値Lpが変更される。そのため、この指示値Lpとこの設定値Lsとが同じ値となる。
このように、いずれの装置における操作部においてボリューム値を変更する指示をしても、指示値Lpと設定値Lsとが同期して一致するように制御されることをボリュームFB制御という。
次に、図1(a)に示す状態から図1(b)に示す状態に変化し、スピーカ装置10−2が通信範囲内にオーディオ装置20が存在することを検出すると、スピーカ装置10−2とオーディオ装置20とは、無線通信により接続する処理を行って接続する(ステップS260)。オーディオ装置20は、無線通信により接続されるスピーカ装置10の対象が変わったことにより、スピーカ装置10−1、10−2に対して接続状況情報を含む制御信号Scを送信して、オーディオ装置20に接続されているスピーカ装置10の数を通知する(ステップS270)。また、オーディオ装置20は、通知する数が複数である(2台)ことから、記憶部32に記憶されている指示値情報を含む制御信号Scを送信することにより、に指示値Lpを通知する(ステップS280)。
なお、オーディオ装置20は、接続状況情報を含む制御信号Scを送信するときに指示値情報も含むようにして、指示値Lpの通知を接続数の通知とともに行ってもよい。
スピーカ装置10−1、10−2は、この制御信号Scを受信して、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数である(2台)ことを認識すると、テーブル決定部146におけるテーブル決定処理を開始し、テーブル記憶部143に記憶される変換テーブルの対応関係を決定する(ステップS290−1,S290−2)。
このとき、ステップS280において通知された指示値Lpは「80」であるものとする。したがって、指示値Lpが通知されたときのスピーカ装置10−1における設定値Lsは、上記ボリュームFB制御により同期しているから同じく「80」である。一方、指示値Lpが通知されたときのスピーカ装置10−2における設定値Lsは、「50」であったものとする。この関係においては、スピーカ装置10−1がテーブル決定処理により決定した対応関係は、図5(c)に示すものとなる一方、スピーカ装置10−2がテーブル決定処理により決定した対応関係は、図5(a)に示すものとなる。このとき、スピーカ装置10−2における設定値Lsは、無線通信により接続される前は「50」であるが、接続された後における指示値Lpの値「80」に変更されるのではなく、「50」を維持するから、最後に使用されていた音量から突然変化することがなく、また、オーディオデータSt以外の音を放音していた場合に、その音量が突然変化することもない。
そして、オーディオ装置20とスピーカ装置10−1、10−2との間でボリュームテーブル制御が開始される(ステップS300)。
ボリュームテーブル制御とは、以下のような制御をいう。オーディオ装置20の操作部33を操作することにより、記憶部32に記憶されている指示値情報が示す指示値Lpが変更されると、スピーカ装置10−1、10−2の指示変更部144は、テーブル記憶部143に記憶されている変換テーブルを参照して指示値Lpに対応する設定値Lsを特定し、設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsを、特定した設定値Lsに変更する。一方、スピーカ装置10−1、10−2の操作部12を操作することにより、設定記憶部141に記憶されている設定値情報が示す設定値Lsが変更されると、テーブル決定部146におけるテーブル決定処理が行われ、変換テーブルが更新される。
このように、オーディオ装置20の操作部33を操作してボリューム値を変更する指示をすると、変換テーブルにしたがってスピーカ装置10−1、10−2において設定値Lsが変更されるが、スピーカ装置10−1、10−2の操作部12を操作してボリューム値を変更する指示をすると、その指示にしたがって設定値Lsが変更されつつ変換テーブルが更新されるように制御されることをボリュームテーブル制御という。上述の例のように変換テーブルの対応関係が決定された場合におけるボリュームテーブル制御の具体例について、図9、図10、図11を用いて説明する。
図9、図10、図11は、ボリュームテーブル制御において、各装置のボリュームの指示値Lp、設定値Lsの関係について、具体例を説明する図である。各図においては、スピーカ装置10−1、10−2の設定値Ls、オーディオ装置20の指示値Lpについて、それぞれ示したものであり、変換テーブルにおいて上限値となる設定値Lsが存在する場合には、それ以上の部分については、破線で示している。例えば、図9(a)においては、スピーカ装置10−2の設定値Lsの上限値は「70」である。また、図9(a)においては、オーディオ装置20における指示値Lpは「80」、スピーカ装置10−1、10−2における設定値Lsは、それぞれ「80」、「50」であることを示している。
まず、図9(a)に示す状態からオーディオ装置20の操作部33を操作して指示値Lpを「40」に変化させると、スピーカ装置10−1は、図5(c)に示す対応関係Rc3の変換テーブルを参照して、指示値Lp「40」に対応した「40」に設定値Lsを変化させる。一方、スピーカ装置10−2は、図5(a)に示す対応関係Rc1の変換テーブルを参照して、指示値Lp「40」に対応する「25」に設定値Lsを変化させる(図9(b)参照)。なお、指示値Lpを「100」に変化させた場合には、スピーカ装置10−2における設定値Lsは、「70」まで増加するが、それ以上には変化しない。
続いて、スピーカ装置10−2の操作部12を操作して設定値Lsを「35」に変化させると、スピーカ装置10−2は、テーブル決定処理により変換テーブルの対応関係を変更する。このとき、指示値Lp「40」と設定値Ls「35」とを比較した結果に応じて変更後の対応関係を決定する。指示値Lpの上限まで「+60」であるから、このときの設定値Lsの上限は「95(=35+60)」となる(図9(c)参照)。
その後、設定値Lsをさらに増加させ、「40」とした状態が図10(a)に示した状態であり、このときには、変換テーブルの対応関係は、図5(c)に示すものとなっている。そして、この例においては、設定値Lsを「70」まで、さらに増加させたものとする(図10(b))。この状態においては、スピーカ装置10−2は、指示値Lp「40」と設定値Ls「70」とを比較した結果に応じて変更後の対応関係を決定する。その結果、スピーカ装置10−2における変換テーブルは、図5(b)に示すような対応関係Rc2となる。
続いて、図10(b)に示す状態からオーディオ装置20の操作部33を操作して指示値Lpを「60」に変化させると、スピーカ装置10−1は、図5(c)に示す対応関係Rc3の変換テーブルを参照して、指示値Lp「60」に対応した「60」に設定値Lsを変化させる。一方、スピーカ装置10−2は、図5(b)に示す対応関係Rc2の変換テーブルを参照して、指示値Lp「60」に対応する「80」に設定値Lsを変化させる(図10(c)参照)。
続いて、スピーカ装置10−1の操作部12を操作して設定値Lsを「60」から「50」に変化させると、スピーカ装置10−1は、テーブル決定処理により変換テーブルの対応関係を変更する。このとき、指示値Lp「60」と設定値Ls「50」とを比較した結果に応じて変更後の対応関係(以下、対応関係Rc4という)を決定する。指示値Lpの上限まで「+40」であるから、このときの設定値Lsの上限は「90(=50+40)」となる(図11(a)参照)。その後、オーディオ装置20の操作部33を操作して指示値Lpを「30」に変化させた場合、「80」に変化させた場合を、それぞれ図11(b)、図11(c)に示した。以上が、ボリュームテーブル制御の具体例についての説明である。
スピーカ装置10およびオーディオ装置20の動作に戻って説明する。図6におけるボリュームテーブル制御(S300)が行われているとき(図1(b)の状態)に、図1(c)に示す状態になる場合について図7を用いて説明する。ここでは、オーディオ装置20とスピーカ装置10−1との無線通信による接続が切断される(ステップS310)。
この切断により、オーディオ装置20は、無線通信により接続されるスピーカ装置10の対象が変わったことを認識し、スピーカ装置10−2に対して接続状況情報を含む制御信号Scを送信することにより、オーディオ装置20に接続されているスピーカ装置10の数を通知する(ステップS320)。
スピーカ装置10−2は、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数でない(1台)ことを認識すると、設定記憶部141に記憶されている設定値情報を含む制御信号Scをオーディオ装置20に送信し、設定値Lsを通知する(ステップS330)。この設定値情報は、ボリュームテーブル制御により最後にスピーカ装置10−2に設定されていた設定値Lsを示している。
オーディオ装置20は、記憶部32に記憶されている指示値情報が示す指示値Lpを、通知された設定値Lsに変更(ステップS340)して、指示値情報を更新する。そして、オーディオ装置20とスピーカ装置10−2との間で上述したボリュームフィードバック(FB)制御が開始される(ステップS350)。
以下の説明においては、図6におけるボリュームテーブル制御(S300)が行われているとき(図1(b)の状態)に、さらにもう1台のスピーカ装置10−3と無線通信により接続した場合について図8を用いて説明する。
スピーカ装置10−3が通信範囲内にオーディオ装置20が存在することを検出すると、スピーカ装置10−3とオーディオ装置20とは、無線通信により接続する処理を行って接続する(ステップS410)。オーディオ装置20は、無線通信により接続されるスピーカ装置10の対象が変わったことにより、スピーカ装置10−1、10−2、10−3に対して接続状況情報を含む制御信号Scを送信して、オーディオ装置20に接続されているスピーカ装置10の数を通知する(ステップS420)。また、オーディオ装置20は、通知する数が複数である(3台)ことから、記憶部32に記憶されている指示値情報を含む制御信号Scを送信することにより、指示値Lpを通知する(ステップS430)。
スピーカ装置10−3は、この制御信号Scを受信して、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数である(3台)ことを認識すると、テーブル決定部146におけるテーブル決定処理を開始し、テーブル記憶部143に記憶される変換テーブルの対応関係を決定する(ステップS440)。一方、スピーカ装置10−1、10−2は、この制御信号Scを受信して、接続状況情報が示すスピーカ装置10の数が複数である(3台)ことを認識しても、複数である状態に変化はないため、これを契機としてはテーブル決定処理を行わない。
そして、オーディオ装置20とスピーカ装置10−1、10−2、10−3との間で上述したボリュームテーブル制御が行われる(ステップS450)。以上が、スピーカ装置10およびオーディオ装置20の動作についての説明である。
このように、本発明の実施形態に係るオーディオシステムにおいて、スピーカ装置10は、オーディオ装置20と無線通信により接続したときに、すでにオーディオ装置20が別のスピーカ装置10と接続しているときには、そのときのオーディオ装置20におけるボリュームの指示値Lpと、スピーカ装置10における設定値Lsとの比較結果に応じて、指示値Lpと設定値Lsとの対応関係を決定し、その対応関係に基づいてボリューム値を制御する。この対応関係においては、比較対象となった指示値Lpと設定値Lsとが対応付けられる関係を持つ。
したがって、スピーカ装置10に設定されたボリューム値を、オーディオ装置20によって遠隔操作で制御するときに、その制御対象となるスピーカ装置10が増加したとしても、増加したスピーカ装置10に設定されているパラメータがオーディオ装置20の指示値Lpにより突然変動しないようにしつつ、制御対象のスピーカ装置10全体のボリュームを制御することができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態においては、オーディオ装置20は、オーディオデータStを送信する構成を有していたが、制御信号Scの送受信を行う構成があれば、オーディオデータStの送信がされない構成であってもよい。その場合には、スピーカ装置10は、自装置内、または外部の他の装置からオーディオデータを取得するようにすればよい。
すなわち、オーディオ装置20は、オーディオデータStを送信せずに、各スピーカ装置10にボリュームの指示値Lpを通知するリモコン装置などの指示装置としての機能を有するものであればよい。
[変形例2]
上述した実施形態におけるスピーカ装置10−1、10−2は、放音部13を有していたが、放音部13を有しない構成としてもよい。また、設定値Lsに応じて増幅処理を施していたが増幅処理に限らず、イコライジング処理、音場効果付与処理など様々な音響処理に適用することができる。例えば、音場効果付与処理であれば、設定値Lsに応じて付与する程度を変化させればよい。
このように、スピーカ装置10−1、10−2は、入力されたオーディオデータに音響処理を施す音響処理装置の一態様である。すなわち、本発明の音響処理装置は、例えば、AVアンプ、テレビなど、様々な機器に適用することができる。
[変形例3]
上述した実施形態においては、オーディオ装置20に接続されているスピーカ装置10が1台であるときには、ボリュームFB制御を行っていたが、異なる制御が行われていてもよい。例えば、オーディオ装置20における操作に応じて設定値Lsが変更されるが、スピーカ装置10における操作は無効としてもよい。
[変形例4]
上述した実施形態における制御プログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。この場合には、記録媒体を読取る読取手段をスピーカ装置10に設ければよい。また、ネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
10,10−1,10−2,10−3…スピーカ装置、11…通信部、111…無線通信部、112…通信制御部、12…操作部、13…放音部、14…制御部、141…設定記憶部、142…音声処理部、143…テーブル記憶部、144…指示変更部、145…操作変更部、146…テーブル決定部、20…オーディオ装置、30…携帯オーディオ端末、40…通信モジュール、31…制御部、32…記憶部、33…操作部、34…表示部、35…音声出力部、36…インターフェイス、41…無線通信部、42…通信制御部、43…インターフェイス

Claims (2)

  1. 指示装置に無線通信により接続する接続手段と、
    前記接続手段によって接続された指示装置から特定のパラメータの指示値を受信する受
    信手段と、
    前記パラメータの設定値を記憶する記憶手段と、
    前記受信手段によって受信された指示値と、前記記憶手段に記憶された設定値とを比較し、比較結果に応じて前記指示値と前記設定値との対応関係を決定する決定手段と、
    前記決定手段によって対応関係が決定された後に、前記受信手段によって指示値を受信
    すると、前記決定手段によって決定された対応関係に基づいて当該指示値に対応する設定
    値を特定し、前記記憶手段に記憶された設定値を前記特定した設定値に変更する変更手段
    と、
    入力されるオーディオデータに対して、前記記憶手段に記憶された設定値に応じて音響
    処理を施す音響処理手段と
    を具備することを特徴とする音響処理装置。
  2. 前記指示装置に無線通信により接続している装置が複数であるか否かを示す情報を取得する状況取得手段を備え、
    前記決定手段は、前記状況取得手段によって取得された情報が、複数の装置が接続していることを示す場合には、前記受信手段によって受信された指示値と、前記記憶手段に記憶された設定値とを比較し、比較結果に応じて前記指示値と前記設定値との対応関係を決定する請求項1記載の音響処理装置。
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