JP2013174074A - 高所避難施設の躯体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高所避難施設の躯体は耐久性維持管理の手間を減らす。
【解決手段】 基礎1上に柱11を立て柱間に床板25、41を掛け渡して高所を構成する躯体で、基礎は鉄筋コンクリートに、柱はプレキャスト鉄筋コンクリートに、床板はプレキャストコンクリートにする。基礎上面は縦筋を突出し、柱に鉄筋継手を埋設する。鉄筋継手は、上端開口から柱の縦筋を、下端開口から基礎上の縦筋を挿入し、グラウト剤を充填して柱の縦筋と基礎の縦筋を結合する。柱下端面は基礎で、基礎上面の縦筋突出部分は柱の下端面で覆う。柱は受け部21、31を設け、受け部上面にネジ孔を設け、床板はボルト孔を貫通し、受け部に床板を載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトはネジ孔に捩じ込み、ボルト上端部はボルト孔上端部に没入し、ボルト孔上端部にグラウト剤を充填する。受け部上面のネジ孔部分は床板で、ボルト上端部はグラウト剤で覆う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、津波や洪水の発生時に避難民が滞在する高所避難施設の躯体に関する。
避難タワーとも言われる高所避難施設の躯体は、地表に基礎を設け、基礎の上に複数の柱を立て、柱の中間位置の間に床板を掛け渡して第1高所を構成している。また、柱の上端の間に床板を掛け渡して第2高所を構成している。柱や床板の材料は、鉄骨やコンクリートにしている。躯体は、地表と第1高所の間、第1高所と第2高所の間に、階段、斜面や昇降装置のような昇降用設備を設けている。
避難民は、地表から昇降用設備を経て第1高所に上り、第1高所に滞在する。また、第1高所から昇降用設備を経て第2高所に上り、第2高所に滞在する。
特開2008−180055号公報
[課 題]
高所避難施設の躯体は、津波や洪水に対する強度が求められる。潮風や海水による塩害の防止が求められる。高い耐久性が要求される。また、避難民が滞在する使用期間よりも、無人状態の不使用期間が長い。長い期間、無人で屋外に放置される。躯体は、部材に鉄骨のような鋼材を使用すると、鋼材の耐久性を維持する塗装のような保護処理を定期的に施す手間が掛かる。即ち、長い期間に亘り、高い耐久性を維持する管理の手間が掛かる。
耐久性の維持管理の手間を減らすことが望まれる。また、構築が簡単であることが望まれる。
[着 想]
1.プレキャストコンクリートブロックと金属製の連結具
高所避難施設の躯体は、主要な部材にプレキャストコンクリートブロックを使用することにする。プレキャストコンクリートは、鉄筋コンクリート又は無筋コンクリートにする。プレキャストコンクリートブロックは、工場で高品質に製作され、強度と耐久性が高い。耐久性の維持管理に多くの手間が掛からない。
プレキャストコンクリートブロックの部材は、金属製の連結具で結合することにする。金属製の連結具は、結合強度が高い。ところが、外部に露出すると、腐食し易い。耐久性が低くなる。そこで、金属製の連結具は、外部に露出せずに、内蔵することにする。
高所避難施設の躯体は、プレキャストコンクリートブロックの主要部材を金属製の連結具で結合して構築する。構築に多くの手間が掛からない。構築が簡単になる。
2.躯体の構成
高所避難施設の躯体は、基礎、柱と床板で構成する。又は、基礎、柱、梁と床板で構成する。基礎は、現場打ちコンクリート又はプレキャストコンクリートにする。柱と床板又は柱、梁と床板は、プレキャストコンクリートにする。基礎と柱は、鉄筋コンクリートにする。床板又は梁と床板は、鉄筋コンクリート又は無筋コンクリートにする。
3.基礎と柱の結合
鉄筋コンクリートの基礎は、上面から鉄筋の縦筋を突出する。鉄筋コンクリートの柱は、下端部に筒状の鉄筋継手を上下方向に埋設する。筒状の鉄筋継手は、上端の開口から柱の鉄筋の縦筋の下端部を挿入し、下端の開口を柱の下端面に開口する。金属製の連結具は、筒状の鉄筋継手にする。
柱は、基礎の上に縦に配置し、鉄筋継手に下端の開口から基礎上の縦筋を挿入する。柱の下端面は、基礎の上面に接近又は接触させる。鉄筋継手は、グラウト剤を注入して充填する。鉄筋継手内のグラウト剤には、柱下端部の縦筋と基礎上の縦筋を埋没する。グラウト剤は、モルタルが例示される。鉄筋継手内のグラウト剤が硬化すると、柱の縦筋と基礎の縦筋が結合される。柱は、基礎に固定され、基礎の上に立てられる。柱の下端面は、基礎で覆われる。基礎の上面は、縦筋が突出した部分が柱の下端面で覆われる。金属製連結具の鉄筋継手は、外部に露出しない。
4.柱と梁又は床板の結合
柱は、上端又は上端と中間位置に、梁又は床板を載せる受け部を設ける。受け部は、上面にインサートでネジ孔を設ける。梁又は床板は、柱の受け部に載せる部分にボルト孔を上下方向に貫通する。ボルト孔は、上端部を大径にする。金属製の連結具は、インサートのネジ孔とボルトにする。
柱の受け部には、梁又は床板を載せ、梁又は床板のボルト孔を受け部のネジ孔と同心状に配置する。ボルトは、ボルト孔にその上側から通し、ネジ孔に捩じ込む。ボルトの上端部は、ボルト孔の大径上端部に没入する。ボルト孔の大径上端部は、グラウト剤を充填する。ボルト孔の大径上端部内のグラウト剤には、ボルトの上端部を埋没する。グラウト剤は、モルタルが代表例である。梁又は床板は、柱の受け部に結合される。受け部の上面は、ネジ孔部分が梁又は床板で覆われる。ボルトの上端部は、グラウト剤で覆われる。金属製連結具のネジ孔とボルトは、外部に露出しない。
5.梁と床板の結合
梁は、上面にインサートでネジ孔を設ける。床板は、梁に載せる部分にボルト孔を上下方向に貫通する。ボルト孔は、上端部を大径にする。金属製連結具は、インサートのネジ孔とボルトにする。
梁には、床板を載せ、床板のボルト孔を梁のネジ孔と同心状に配置する。ボルトは、ボルト孔にその上側から通し、ネジ孔に捩じ込む。ボルトの上端部は、ボルト孔の大径上端部に没入する。ボルト孔の大径上端部には、グラウト剤を充填する。ボルト孔の大径上端部内のグラウト剤には、ボルトの上端部を埋没する。床板は、梁に結合される。梁の上面は、ネジ孔部分が床板で覆われる。ボルトの上端部は、グラウト剤で覆われる。金属製連結具のネジ孔とボルトは、外部に露出しない。
6.ボルト
上記の4、5において、ボルトは、頭部付きボルトや、頭部のないネジ軸とこのネジ軸の上端部に螺合するナットを意味する。
1.基礎の上に複数の柱を立て、柱の間に床板を掛け渡して高所を構成する躯体であって、
基礎は鉄筋コンクリートに、柱はプレキャスト鉄筋コンクリートに、床板はプレキャストコンクリートにし、
基礎は上面から鉄筋の縦筋を突出し、柱は下端部に筒状の鉄筋継手を上下方向に埋設し、鉄筋継手は、上端の開口から柱の鉄筋の縦筋の下端部を挿入し、下端の開口を柱の下端面に開口し、柱は基礎の上に縦に配置し、鉄筋継手に下端の開口から基礎上の縦筋を挿入し、鉄筋継手はグラウト剤を充填して柱の縦筋と基礎の縦筋を結合し、柱は基礎に固定し、柱の下端面は基礎で、基礎上面の縦筋突出部分は柱の下端面で覆い、
柱は受け部を設け、受け部は上面にインサートでネジ孔を設け、床板はボルト孔を上下方向に貫通し、ボルト孔は上端部を大径にし、柱の受け部に床板を載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトはネジ孔に捩じ込み、ボルトの上端部はボルト孔の大径上端部に没入し、ボルト孔の大径上端部にグラウト剤を充填し、床板は柱の受け部に結合し、受け部上面のネジ孔部分は床板で、ボルトの上端部はグラウト剤で覆ったことを特徴とする高所避難施設の躯体。
2.上記1の高所避難施設の躯体において、
柱の間に梁を掛け渡し、梁の上に床板を載せる躯体であって、
梁は、プレキャストコンクリートにし、ボルト孔を上下方向に貫通し、ボルト孔は上端部を大径にし、梁は柱の受け部に載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトは受け部上面のネジ孔に捩じ込み、ボルトの上端部はボルト孔の大径上端部に没入し、ボルト孔の大径上端部にグラウト剤を充填し、梁は柱の受け部に結合し、受け部上面のネジ孔部分は梁で、ボルトの上端部はグラウト剤で覆い、
梁は上面にインサートでネジ孔を設け、床板はボルト孔を上下方向に貫通し、ボルト孔は上端部を大径にし、床板は梁に載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトはネジ孔に捩じ込み、ボルトの上端部はボルト孔の大径上端部に没入し、ボルト孔の大径上端部にグラウト剤を充填し、床板は梁に結合し、梁上面のネジ孔部分は床板で、ボルトの上端部はグラウト剤で覆ったことを特徴とする。
3.上記1又は2の高所避難施設の躯体において、
柱の上端の間に床板を掛け渡して高所を構成したことを特徴とする。
4.上記1、2又は3の高所避難施設の躯体において、
柱の中間位置の間に床板を掛け渡して高所を構成したことを特徴とする。
耐久性の維持管理に多くの手間が掛からない。また、構築が簡単である。
本発明の実施形態の第1例における高所避難施設の躯体の斜視図。 同躯体に階段と柵を取り付けた高所避難施設の正面図。 図2のA−A線断面図。 図2のB−B線断面図で、第1高所の平面図。 同高所避難施設の平面図で、第2高所の平面図。 同躯体の基礎と柱の結合部分の拡大縦断面図。 同躯体の柱と床板の結合部分の拡大縦断面図。 実施形態の第2例における高所避難施設の躯体の斜視図。 同躯体に階段と柵を取り付けた高所避難施設の平面図。
[第1例(図1〜図7参照)]
〔概 要〕
本例の躯体は、図1に示すように、2階建て構造にし、第1高所25と第2高所41を設けている。この躯体に階段51と柵47を取り付けて、図2〜図5に示す高所避難施設にしている。躯体の部材1、11は、図6に示すように、金属製連結具12、14、15で結合している。また、躯体の部材11、25は、図7に示すように、金属製連結具22、27、28で結合している。
〔躯体の構成〕
躯体は、図1に示すように、基礎1、柱11、第1床板25、梁35と第2床板41で構成している。
基礎1は、現場打ち鉄筋コンクリートにしている。柱11は、プレキャスト鉄筋コンクリートにしている。第1床板25と第2床板41は、プレキャスト鉄筋コンクリートにしている。梁35は、プレキャスト鉄筋コンクリートにしている。
〔基礎1と柱11〕
基礎1は、地表に方形状の鉄筋コンクリート盤を現場打ちしている。鉄筋コンクリート盤1は、下側に、地中に打ち込んだ杭2の上端を結合している。図2と図3に示すように、鉄筋コンクリート盤1の上面は、四隅、前後左右の4個所で、それぞれ、鉄筋の縦筋3を上向きに突出している。各個所での縦筋3の突出本数は、複数にしている。縦筋3は、異形鉄筋にしている。
柱11は、図2と図3に示すように、下端部に円筒状の鉄筋継手12を上下方向に埋設している。鉄筋継手12は、上端の開口から柱11の鉄筋の縦筋13の下端部を挿入し、上部内に縦筋13の下端部を同心状に配置している。鉄筋継手12の下端の開口は、柱11の下端面に開口している。鉄筋継手12は、下端にグラウト剤の注入口14を、上端にグラウト剤の流出口15を設けている。注入口14と流出口15は、柱11の側面に開口している。鉄筋継手12の埋設本数は、複数にし、基礎1の各個所での縦筋3の突出本数と同数にしている。鉄筋継手12は、鋳造品にしている。金属製連結具は、注入口14と流出口15付きの鉄筋継手12にしている。縦筋13は、異形鉄筋にしている。
基礎1の上に柱11を結合するときには、柱11は、基礎1の縦筋3突出部分の上に縦に保持し、鉄筋継手12を基礎1上の突出縦筋3と同心状に配置する。柱11は、下降し、鉄筋継手12に下端の開口から基礎1上の縦筋3を挿入し、基礎1の上に載せる。図6に示すように、鉄筋継手12の下部内には、基礎1上の縦筋3を同心状に配置する。柱11の下端面は、基礎1の上面に接近又は接触する。次に、鉄筋継手12は、グラウト剤のモルタルを、注入口14から注入して流出口15から流出させ、内部に充填する。鉄筋継手12内の縦筋13と縦筋3は、グラウト剤に埋没する。なお、柱11の下端面と基礎1の上面の間に透間があると、その透間にもグラウト剤のモルタルが流入して充填する。
鉄筋継手12内のグラウト剤のモルタルが硬化すると、柱の縦筋13と基礎の縦筋3が結合される。柱11は、基礎1に固定され、基礎1の上に立てられる。柱11の下端面は、基礎1で覆われる。基礎1上面の縦筋3突出部分は、柱11の下端面で覆われる。鉄筋継手12は、外部に露出しない。
方形状の基礎1は、図1〜図3に示すように、四隅、前後左右の4個所に、それぞれ、同様にして、柱11を立てている。
〔柱11と第1床板25〕
基礎1の四隅、前後左右4個所の柱11は、図1、図2と図4に示すように、横断面を方形状にし、内側になる2面の側面に、それぞれ、第1受け部21を設けている。第1受け部21は、柱11の上下方向中央の中間位置に配置している。また、片持ち状に側方に突出している。前左側の柱11は右側面と後側面に、前右側の柱11は左側面と後側面に、それぞれ、第1受け部21を設けている。後左側の柱11は右側面と前側面に、後右側の柱11は左側面と前側面に、それぞれ、第1受け部21を設けている。第1受け部21は、図2と図7に示すように、上面にインサートでネジ孔22を設けている。
第1床板25は、長方形状の平板にし、両端部にそれぞれボルト孔26を上下方向に貫通している。図7に示すように、ボルト孔26は、上端部を大径にしている。金属製連結具は、ネジ孔22とボルトにしている。ボルトは、ネジ軸27とその上端部に螺合するナット28にしている。
金属製連結具22、27、28で柱11の中間位置に第1床板25を結合するときは、図1、図2と図4に示すように、前左側の柱11の右側の第1受け部21と前右側の柱11の左側の第1受け部21の間、後左側の柱11の右側の第1受け部21と後右側の柱11の左側の第1受け部21の間に、それぞれ、第1床板25を左右方向に掛け渡す。この第1床板25は、左端部と右端部をそれぞれ第1受け部21に載せる。第1床板25のボルト孔26は、第1受け部21のネジ孔22と同心状に配置する。
また、前左側の柱11の後側の第1受け部21と後左側の柱11の前側の第1受け部21の間、前右側の柱11の後側の第1受け部21と後右側の柱11の前側の第1受け部21の間に、それぞれ、第1床板25を前後方向に掛け渡す。この第1床板25は、前端部と後端部をそれぞれ第1受け部21に載せる。第1床板25のボルト孔26は、第1受け部21のネジ孔22と同心状に配置する。なお、前後方向に掛け渡す第1床板25は、左右方向に掛け渡す第1床板25と干渉する隅角部を切り欠いている。
図7に示すように、ネジ軸27は、ボルト孔26にその上側から通し、ネジ孔22に捩じ込む。ネジ軸27の上端部は、ナット28を螺合する。ネジ軸27の上端部とナット28は、ボルト孔26の大径上端部に没入する。ボルト孔26の大径上端部は、グラウト剤のモルタル29を注入して充填する。ボルト孔26の大径上端部内のモルタル29には、ネジ軸27の上端部とナット28を埋没する。なお、ネジ孔22とネジ軸27の間の透間にも、グラウト剤のモルタルを注入して充填する。
第1床板25は、柱11の中間位置の第1受け部21に結合される。第1受け部21の上面は、第1床板25が重なり、ネジ孔22部分が第1床板25で覆われる。ネジ軸27の上端部とナット28は、グラウト剤のモルタル29で覆われる。金属製連結具のネジ孔22とボルト27、28は、外部に露出しない。
図1、図2と図4に示すように、前後左右4個所の柱11は、上下方向中央の中間位置に4枚の第1床板25を左右方向と前後方向に掛け渡して固定している。4枚の第1床板25は、同じ高さにロの字形状に配置し、第1高所を構成している。
なお、4枚のロの字形配置の第1床板25の間は、吹き抜けにし、階段出入口45にしている。
〔柱11と梁35〕
前後左右4個所の方形状横断面の柱11は、図1、図2と図5に示すように、内側になる2面の側面に、それぞれ、第2受け部31を設けている。第2受け部31は、柱11の上端に配置している。また、片持ち状に側方に突出している。前左側の柱11は右側面と後側面に、前右側の柱11は左側面と後側面に、それぞれ、第2受け部31を設けている。後左側の柱11は右側面と前側面に、後右側の柱11は左側面と前側面に、それぞれ、第2受け部31を設けている。第2受け部31は、上面にインサートでネジ孔22を設けている。
梁35は、細長の平板にし、両端部にそれぞれボルト孔26を上下方向に貫通している。ボルト孔26は、上端部を大径にしている。金属製連結具は、ネジ孔22とボルトにしている。ボルトは、ネジ軸27とその上端部に螺合するナット28にしている。
金属製連結具22、27、28で柱11に梁35を結合する作業と構造は、柱11に第1床板25を結合するそれらと同様にする。前左側の柱11の右側の第2受け部31と前右側の柱11の左側の第2受け部31の間、後左側の柱11の右側の第2受け部31と後右側の柱11の左側の第2受け部31の間に、それぞれ、梁35を左右方向に掛け渡す。この梁35は、左端部と右端部をそれぞれ第2受け部31に載せる。梁35のボルト孔26は、第2受け部31のネジ孔22と同心状に配置する。
また、前左側の柱11の後側の第2受け部31と後左側の柱11の前側の第2受け部31の間、前右側の柱11の後側の第2受け部31と後右側の柱11の前側の第2受け部31の間に、それぞれ、梁35を前後方向に掛け渡す。この梁35は、前端部と後端部をそれぞれ第2受け部31に載せる。梁35のボルト孔26は、第2受け部31のネジ孔22と同心状に配置する。
ネジ軸27は、ボルト孔26にその上側から通し、ネジ孔22に捩じ込む。ネジ軸27の上端部は、ナット28を螺合する。ネジ軸27の上端部とナット28は、ボルト孔26の大径上端部に没入する。ボルト孔26の大径上端部は、グラウト剤のモルタル29を充填する。ボルト孔26の大径上端部内のモルタル29には、ネジ軸27の上端部とナット28を埋没する。
梁35は、柱11の上端の第2受け部31に結合される。第2受け部31の上面は、梁35が重なり、ネジ孔22部分が梁35で覆われる。ネジ軸27の上端部とナット28は、グラウト剤のモルタル29で覆われる。金属製連結具のネジ孔22とボルト27、28は、外部に露出しない。
図1と図5に示すように、前後左右4個所の柱11は、上端に4本の梁35を左右方向と前後方向に掛け渡して固定している。4本の梁35は、ロの字形状に配置している。また、4本の梁35は、同じ高さにし、上面を柱11の上端面と同一面にしている。
〔柱11、梁35と第2床板41〕
前後左右4個所の柱11は、図2に示すように、上端面にインサートでネジ孔22を設けている。4本の梁35は、上面にインサートでネジ孔22を設けている。
第2床板41は、長方形状の平板にし、両端部又は両端部と片側の側部にそれぞれボルト孔26を上下方向に貫通している。ボルト孔26は、上端部を大径にしている。金属製連結具は、ネジ孔22とボルトにしている。ボルトは、ネジ軸27とその上端部に螺合するナット28にしている。
金属製連結具22、27、28で柱11の上端に第2床板41を結合するときには、図1、図2と図5に示すように、柱11と梁35の上に第2床板41を左右方向に掛け渡す。第2床板41は、4枚を前後方向に並列する。
前後方向中間位置の2枚の第2床板41は、左端部と右端部をそれぞれ左側の梁35と右側の梁35に載せる。この第2床板41のボルト孔26は、梁35のネジ孔22と同心状に配置する。前端の第2床板41は、左端部と右端部をそれぞれ左側の梁35と左前側の柱11、右側の梁35と右前側の柱11に載せる。更に、前側の側部を前側の梁35に載せる。この第2床板41のボルト孔26は、梁35のネジ孔22、柱11のネジ孔22と同心状に配置する。後端の第2床板41は、左端部と右端部をそれぞれ左側の梁35と左後側の柱11、右側の梁35と右後側の柱11に載せる。更に、後側の側部を後側の梁35に載せる。この第2床板41のボルト孔26は、梁35のネジ孔22、柱11のネジ孔22と同心状に配置する。
ネジ軸27は、ボルト孔26にその上側から通し、ネジ孔22に捩じ込む。ネジ軸27の上端部は、ナット28を螺合する。ネジ軸27の上端部とナット28は、ボルト孔26の大径上端部に没入する。ボルト孔26の大径上端部は、グラウト剤のモルタル29を充填する。ボルト孔26の大径上端部内のモルタル29には、ネジ軸27の上端部とナット28を埋没する。即ち、柱11に第2床板41を結合する作業と構造は、柱11に第1床板25を結合するそれらと同様にする。
第2床板41は、柱11の上端と梁35に結合される。柱11の上端面と梁35の上面は、第2床板41が重なり、ネジ孔22部分が第2床板41で覆われる。ネジ軸27の上端部とナット28は、グラウト剤のモルタル29で覆われる。金属製連結具のネジ孔22とボルト27、28は、外部に露出しない。
図1に示すように、前後左右4個所の柱11は、上端に4枚の第2床板41を左右方向に掛け渡して固定している。4枚の第2床板41は、同じ高さに並列し、第2高所を構成している。
なお、前端の第2床板41とその後隣の第2床板41は、階段出入口46を貫通している。後端の第2床板41とその前隣の第2床板41も、階段出入口46を貫通している。
〔高所避難施設〕
高所避難施設は、図2、図4と図5に示すように、躯体の基礎1と第1高所25の階段出入口45の間、第1高所25の階段出入口45と第2高所41の階段出入口46の間に、それぞれ、階段51を取り付けている。階段51は、前側と後側の2列にしている。前側の階段51は、左側から右側に上る。後側の階段51は、右側から左側に上る。
第1高所25の周辺と第2高所41の周辺には、柵47を取り付けている。
[第2例(図8、図9参照)]
本例の躯体は、第1例のそれにおいて、第1高所と第2高所の構成及び階段を変更している。第1高所は、第1床板25と梁35で構成している。第1床板25と第2床板41は、階段出入口を設けていない。階段は、躯体の外側を半周する外階段52にしている。
梁35は、第1例において柱11の第2受け部31に取り付けたのと同様にし、図8に示すように、柱11の第1受け部21に取り付けている。4本の梁35は、柱11の第1受け部21に掛け渡し、ロの字形状に配置している。第1受け部21には、第1例におけるのと同様な金属製連結具22、27、28で同様に結合している。
第1受け部21に固定したロの字形状配置の梁35の上には、第1床板25を左右方向に掛け渡している。第1床板25は、4枚を前後方向に並列している。前後方向中間位置の2枚の第1床板25は、左端部と右端部をそれぞれ左側の梁35と右側の梁35に載せている。前端の第1床板25は、左端部と右端部をそれぞれ左側の梁35と右側の梁35に載せている。更に、前側の側部を前側の梁35に載せている。後端の第1床板25は、左端部と右端部をそれぞれ左側の梁35と右側の梁35に載せている。更に、後側の側部を後側の梁35に載せている。4枚の第1床板25は、梁35に、第1例におけるのと同様な金属製連結具22、27、28で同様に結合している。
第1高所を構成する第1床板25は、階段出入口を貫通していない。また、第2高所を構成する第2床板41も、階段出入口を貫通していない。
高所避難施設は、図9に示すように、躯体の前側と左側に階段52を設けている。階段52は、躯体の前側を右側から左側に上って第1高所25に達する。更に、躯体の左側を前側から後側に上って第2高所41に達する。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
[変形例]
1.上記の実施形態において、躯体は、2階建て構造にして第1高所25と第2高所41を設けているが、多数階建て構造にして多数の高所を設ける。
2.上記の実施形態において、第2高所41、最上階の高所は、4枚の第2床板41を柱11と梁35の上に並列して構成しているが、4枚の第2床板を柱11の上端の受け部31の上にロの字形状に配置して構成する。第1例における第1高所25と同様に梁35を用いずに構成する。
3.上記の実施形態において、躯体は、柱11の中間位置の高所25をなくし、柱11の上端位置の高所のみにする。
1 基礎、鉄筋コンクリート盤
2 杭
3 鉄筋の縦筋
11 柱
12、14、15 金属製連結具
12 鉄筋継手
13 鉄筋の縦筋
14 グラウト剤の注入口
15 グラウト剤の流出口
21 第1受け部
22、27、28 金属製連結具
22 ネジ孔
25 第1床板、第1高所
26 ボルト孔
27、28 ボルト
27 ネジ軸
28 ナット
29 グラウト剤、モルタル
31 第2受け部
35 梁
41 第2床板、第2高所
45 第1高所の階段出入口
46 第2高所の階段出入口
47 柵
51 階段、内階段
52 階段、外階段

Claims (4)

  1. 基礎の上に複数の柱を立て、柱の間に床板を掛け渡して高所を構成する躯体であって、
    基礎は鉄筋コンクリートに、柱はプレキャスト鉄筋コンクリートに、床板はプレキャストコンクリートにし、
    基礎は上面から鉄筋の縦筋を突出し、柱は下端部に筒状の鉄筋継手を上下方向に埋設し、鉄筋継手は、上端の開口から柱の鉄筋の縦筋の下端部を挿入し、下端の開口を柱の下端面に開口し、柱は基礎の上に縦に配置し、鉄筋継手に下端の開口から基礎上の縦筋を挿入し、鉄筋継手はグラウト剤を充填して柱の縦筋と基礎の縦筋を結合し、柱は基礎に固定し、柱の下端面は基礎で、基礎上面の縦筋突出部分は柱の下端面で覆い、
    柱は受け部を設け、受け部は上面にインサートでネジ孔を設け、床板はボルト孔を上下方向に貫通し、ボルト孔は上端部を大径にし、柱の受け部に床板を載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトはネジ孔に捩じ込み、ボルトの上端部はボルト孔の大径上端部に没入し、ボルト孔の大径上端部にグラウト剤を充填し、床板は柱の受け部に結合し、受け部上面のネジ孔部分は床板で、ボルトの上端部はグラウト剤で覆ったことを特徴とする高所避難施設の躯体。
  2. 柱の間に梁を掛け渡し、梁の上に床板を載せる躯体であって、
    梁は、プレキャストコンクリートにし、ボルト孔を上下方向に貫通し、ボルト孔は上端部を大径にし、梁は柱の受け部に載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトは受け部上面のネジ孔に捩じ込み、ボルトの上端部はボルト孔の大径上端部に没入し、ボルト孔の大径上端部にグラウト剤を充填し、梁は柱の受け部に結合し、受け部上面のネジ孔部分は梁で、ボルトの上端部はグラウト剤で覆い、
    梁は上面にインサートでネジ孔を設け、床板はボルト孔を上下方向に貫通し、ボルト孔は上端部を大径にし、床板は梁に載せ、ボルト孔にボルトを通し、ボルトはネジ孔に捩じ込み、ボルトの上端部はボルト孔の大径上端部に没入し、ボルト孔の大径上端部にグラウト剤を充填し、床板は梁に結合し、梁上面のネジ孔部分は床板で、ボルトの上端部はグラウト剤で覆ったことを特徴とする請求項1に記載の高所避難施設の躯体。
  3. 柱の上端の間に床板を掛け渡して高所を構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の高所避難施設の躯体。
  4. 柱の中間位置の間に床板を掛け渡して高所を構成したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の高所避難施設の躯体。
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