JP2013173861A - セルロース微粒子集合体 - Google Patents

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【課題】本発明は、水分散等の取扱いが可能な多孔質である非フィブリル性セルロース微粒子集合体を提供することである。
【解決手段】木材パルプを粉砕処理した微小セルロース粒子と該セルロース粒子に対して5質量%以上、20質量%以下のカチオン性樹脂を含有する水性懸濁液を乾燥あるいは脱水することでセルロース微粒子集合体を造粒する。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロース微粒子に関するものである。特に、スプレードライヤー等で噴霧乾燥することで造粒した、非フィブリル性を有するセルロース微粒子集合体に関するものである。
セルロース微粒子は、その優れた特性を利用して、ろ過材、ろ過助剤、イオン交換体の担体、クロマトグラフィー用充填材、ゴム・プラスチックの配合用充填剤等としての工業上の用途や、口紅、粉末化粧料及び乳化化粧料等の化粧品の配合成分として使用されている。また、水系分散性に優れているので食品、化粧品または塗料等の粘度の保持、食品原料生地の強化、水分の保持、食品安定性向上、低カロリー添加物または乳化安定化助剤といった用途にも使われている。
また、無機粒子と同程度の大きさのセルロース粒子であれば、紙製造における填料での使用が可能であり、特に嵩高用途では有用である。さらにバインダーと混合して構造体を形成させれば、塗層形成、あるいは立体構造体の形成用途等にも使用が可能である。
セルロース粒子は、大きく分けて、セルロース原料を化学処理後に粒子化する方法、パルプ等の原料を機械的に粉砕処理する方法と、前記の方法等で作製された粒子を造粒した粒子がある。
セルロースが不溶な溶媒中において、アルカリ条件下でセルロース加水分解物及び/またはセルロースアルカリ溶解物を結合させ、粒子化させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにセルロースを化学処理後に粒子化する方法では、細孔容積や粒子径あるいは表面の濡れ性等の化学処理を行い多種多様な粒子を作ることができるが、その反面、操作が多段となり、その製造工程故に時間とコストがかかり、高価なものとなっているのが現状である。
木材パルプを機械的に粉砕することで安価にセルロース微粒子を得ることができる。しかし、このようにして得られた粒子は単一の不定形粒子となる。造粒することで多孔質粒子が得られるが、セルロース粒子を造粒した微粒子集合体の提案は多くない。
バクテリアセルロースまたは微小繊維化セルロースを含有するスラリーをスプレードライすることで微粒子化する方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
これらの提案は、叩解処理したバクテリアセルロースあるいは微細繊維化パルプをパルプ濃度0.5〜5%のパルプスラリー状態で噴霧乾燥処理するものであるが、微細繊維化パルプを使用することで濃度が低く抑えられるため乾燥効率が悪く、生産性が劣る。また、微細繊維化パルプを使用することは、水に分散した際に膨潤による粒子の変形を誘発し、湿潤紙力増強剤やサイズ剤を添加することで水の中に静置した際の安定性は高まるが、対パルプ1質量%程度の添加量では、分散等で力が加わった際に粒子が崩壊してしまい形状は維持されないという問題がある。
特開2011−209221号公報 特開平9−132601号公報 特開平9−143201号公報
セルロース微粒子は種々の用途に使用することが可能であるが、水分散等の取扱いができるような非フィブリル性を有する多孔質粒子については、有効な提案がなされていないのが現状である。
本発明者らは、微小セルロース粒子集合体を簡便に得る方法を鋭意検討した結果、
(1)木材パルプを粉砕処理した微小セルロース粒子と該セルロース粒子に対して10質量%以上、20質量%以下のカチオン性樹脂を含有する水性懸濁液を乾燥装置あるいは脱水装置により、造粒したことを特徴とするセルロース微粒子集合体。
(2)微小セルロース粒子が、非フィブリル性微小セルロース粒子である(1)記載のセルロース微粒子集合体。
(3)カチオン樹脂がポリアミドエポキシ樹脂である(1)記載のセルロース微粒子集合体。
(4)乾燥装置にスプレードライヤーを使用して、水性懸濁液を噴霧乾燥し、造粒した(1)〜(3)何れ記載のセルロース微粒子集合体。
(5)セルロース微粒子集合体の平均粒径が30〜70μmである(1)〜(4)の何れか記載のセルロース微粒子集合体。
以上により目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、詳細に記載するとおり、本発明により、スプレードライヤーで噴霧乾燥することで造粒した、水分散等の取扱いが可能な多孔質である非フィブリル性セルロース微粒子集合体が得られる。
本発明に使用する微小セルロース粒子は、木材パルプを粉砕処理した、フィブリルがない、若しくは、極めて少ない非フィブリル性微小セルロース粒子である。本発明を説明するために、非フィブリル性とは、顕微鏡下にて、繊維様のフリンジ(fringes)またはフィブリル(fibrils)が観察されない状態、または、極めて少ない状態を表す。通常、木材パルプを細分化する際には、叩解等の手段によりフィブリル化され、細かい微細繊維が多く発生することになり、顕微鏡下にて、繊維に特有のフリンジ及びフィブリル化(fibrillation)が観察され、本発明とは全く異なるものである。
本発明の非フィブリル性セルロース微粒子集合体を得る方法としては、通常水分散液の状態で作製される非フィブリル性微粒子分散液にカチオン性ポリマーを加えて、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤー、フィルタープレスなどの各種乾燥装置・脱水装置を用いて媒体の水を蒸発・脱水させて、非フィブリル性セルロース粒子や固形体状態の非フィブリル性セルロース粒子集合体にする方法を挙げることができる。特に、好ましくは、乾燥装置にスプレードライヤーを使用して、水性懸濁液を噴霧乾燥し、造粒することである。また、上記の装置で非フィブリル性セルロース粒子や固形体状態の非フィブリル性セルロース粒子集合体にした後に、必要に応じて結着剤を加えて、押出し造粒、転動造粒、撹拌造粒など各種造粒法を用いて造粒することでさらに粒径を大きくし、扱い易くした造粒体にすることも可能である。本発明では、これら非フィブリル性セルロース微粒子粉体や非フィブリル性セルロース粒子集合体固形体及び造粒体の総称として集合体と呼ぶことにする。なお、集合体の形態としては球状、楕円形、立方体、直方体、円柱状、円錐状、俵状、桿状、正多面体、星形、筒型等如何なる形状でも良く、用途に応じて形態を変更することができる。
本発明で特に好ましい態様として使用されるスプレードライヤーとは、スラリー状の原液を、遠心力を利用したディスク式アトマイザー、または、加圧ノズル、二流体ノズル等の噴霧機により微粒子化して表面積を増やし、熱風との接触によって短時間で乾燥させる装置である。条件を選択すれば、装置内を気流に乗って降下する際に溶媒の表面張力の影響で粒子が集合した球状の多孔質粒子を形成させることができる。
本発明に用いるセルロース微粒子は木材パルプを粉砕したものが用いられる。その原料としては、針葉樹や広葉樹をクラフト蒸解、ソーダ蒸解あるいはサルファイト蒸解して得られる化学パルプ、コットンパルプやリンターパルプ、古紙パルプ等が挙げられ、これらの漂白パルプあるいは未漂白パルプを適宜選択し、単独あるいは混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。特に、好ましくは、非フィブリル性を有するセルロース微粒子が好ましい。非フィブリル性セルロース微粒子としては、レッテンマイヤー社製のアルボセルUFC100、日本製紙ケミカル株式会社製のKCフロックW−06MGが好適に使用することができる。
本発明の非フィブリル性セルロース微粒子集合体は、平均粒径が30〜70μmの範囲であると好ましい。この範囲以外の粒子径でも十分本発明の目的は達成することが可能であるが、物理的な強撹拌により水性分散を行おうとすると、非フィブリル性セルロース微粒子が集合体から解離したり、集合体自体が分解して、所望の粒子径より小さくなったり、非フィブリル性を維持できず、一部がフィブリル化して水性分散液を急激に増粘させ、使用に支障をきたすことがある。また、極めて大粒子径あるいは微粒子径を使用するには、水性分散液の急激な増粘が懸念され、工業的に得策とはいえない。さらに、粒子径がこの範囲よりも大きいと、カチオン樹脂を多く添加しても、物理的圧力に対する強度が弱くなってしまうことがある。
平均粒子径の測定は顕微鏡観察による実測でも算定可能であるが、市販の電気的、光学的粒子径測定装置を用いることにより自動的に測定可能であり、本発明における平均粒子径は、粒子をレーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラック、日機装株式会社製)で測定したものである。本発明で述べる平均粒子径とは非フィブリル性セルロース微粒子集合体の平均粒子径を表すものであり、原理的には一定体積の粒子を小さいものから順に篩分けし、その50%体積に当たる粒子が分別された時点での粒子径を意味する。
非フィブリル性セルロース微粒子集合体の粒子径は、非フィブリル性セルロース微粒子集合体作製時に用いる非フィブリル性セルロース微粒子の種類とカチオン性樹脂濃度、スプレー噴霧時の乾燥温度、非フィブリル性セルロース微粒子/カチオン性樹脂比、噴霧機、分散機等と称される微粒化装置の運転条件(撹拌回転数、時間等)等を適宜調節して所望の粒子径に設定することができる。
本発明に係る非フィブリル性セルロース微粒子集合体を作製する場合、非フィブリル性セルロース微粒子は1μm以上、100μm以下であり、好ましくは5μm以上、70μm以下であり、さらに好ましくは10μm以上、50μm以下である。特に、12μm以上、47μm以下が特に好ましい。非フィブリル性セルロース微粒子が大きすぎると、集合体自体が極端に大きく凝集することがあり、また、水性分散に対して、比較的強度が弱く傾向があり好ましくない。逆に、非フィブリル性セルロース微粒子が小さすぎるとカチオン化ポリマーを介在して、微粒子が凝集し易く、密度の高い集合体が形成し易くなる。非フィブリル性セルロース微粒子は、小さくても大きくても、強い物理的水性分散に対して微粒子間の結合強度が弱くなる傾向を示し、最適な粒子径を求めることが肝要である。
本発明の非フィブリル性セルロース微粒子集合体はそれ単独で利用可能であるが、繊維、樹脂、無機素材等の中に分散・混合したり、紙、シート状基材へ充填させたり、塗工液として、本発明の非フィブリル性セルロース微粒子集合体を添加し、紙、シート基材上に設けることも可能である。
本発明では、セルロース微粒子集合体の水分散時に力が加わった際の崩壊を防止するためにカチオン樹脂を添加してから、この水性懸濁液を乾燥装置または、脱水装置を用いて、セルロース微粒子集合体を造粒する。特に、乾燥装置で好ましくは、スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥される。
本発明において、非フィブリル性セルロース微粒子とカチオン性樹脂を混合して、水性懸濁液を作製して噴霧するが、本発明でいうカチオン性樹脂とは、水媒体中でカチオンに解離するものをいい、典型的なカチオン性基としては、1級、2級、3級アミノ基、4級アンモニウム塩が挙げられる。カチオン性樹脂の例としては、ポリアルキレンポリアミド、ポリアルキレンポリ尿素、ポリアミドポリ尿素、ポリアミドエポキシ樹脂、あるいはこれらとアルデヒドとの反応生成物やアルキル化剤との反応生成物、エチレンイミンの開環重合物、カチオン性ビニルポリマーの単独重合あるいは他の重合性ポリマーとの共重合物、活性水素を有するポリマーに、アンモニア、1級アミン、2級アミンとホルムアルデヒドを反応させたマンニッヒ反応物、活性水素を有するポリマーとカチオン化剤との反応物、活性水素を有するポリマーとアンモニア、アミン類、エピハロヒドリンとの反応物、キチンを加水分解したキトサン活性水素を有するポリマーと上述のポリマーの何れかをアルデヒド、エピハロヒドリン、ポリイソシアネート等の架橋剤を用いて反応させた共重合物、無機のカチオン性樹脂としては、水酸化アルミニウムを塩酸に溶解し、重合反応させて得られるポリ塩化アルミニウム等が挙げられる。懸濁液、噴霧の操業性、得られる非フィブリル性セルロース微粒子集合体の品質特性から、非フィブリル性セルロース微粒子とポリアミドエポキシ樹脂が好ましい。添加量は、微小セルロース粒子に対して5質量%以上、20質量%以下であり、好ましくは7質量%以上、15質量%以下である。
カチオン性樹脂の添加量が5質量%未満となるとセルロース微粒子集合体を水中に分散、撹拌した際に形態を維持できず崩壊してしまう。また、紙力増強剤の添加量が20質量%を超えるとアトマイザーやノズルでの切れが悪くなり、セルロース微粒子集合体の形状が紡錘状または繊維状となり好ましくない。樹脂分濃度が高いと吐出されている段階から樹脂の固化が始まり、引き伸ばされた形状が保存されてしまうためと推測される。
また、本発明に使用するセルロース微粒子はできるだけフィブリル化されていないものが好ましく、フィブリル化の進行したセルロース微粒子を使用するとスラリーの増粘及び添加した樹脂分の急速な固化により、スプレードライヤーでの噴霧乾燥で製造されるセルロース微粒子集合体の形状が紡錘状または繊維状となり好ましくない。
本発明で使用される好適に使用されるスプレードライヤーは一般的に、噴霧器、乾燥部、捕集器が主要部分である。噴霧器は、遠心力を利用したディスク式アトマイザー、ポンプで液を加圧して旋回力を与えた後にオリフィスで膜化後に微粒化する加圧ノズル、あるいは高圧空気の剪断により微粒子化する二流体ノズルが一般的に用いられる。但し、加圧ノズル、二流体ノズルは比較的粒子径の大きな粒子の噴霧乾燥に適しており、セルロース微粒子の噴霧乾燥にはディスク式アトマイザーを噴霧器として使用することが好ましい。
スプレードライヤーの運転条件は、セルロース微粒子集合体の特性に大きく影響する。特に、パルプスラリー濃度は乾燥能力に直結する因子であり、効率を考えると高く設定できる方が望ましい。濃度設定に影響するものとしてセルロース微粒子のフィブリル化の程度があり、フィブリル化が進んだ粒子ではスラリー濃度を高く設定できないばかりか、紙力増強剤の添加量が制限を受け、セルロース微粒子集合体の水に対する強度が十分に確保できないという問題がある。
また、スラリー濃度を低く設定すると、平均粒子径が小さくなり、極端な場合には十分に乾燥せず、乾燥塔の側壁に付着してしまうこともある。
乾燥部では、一般的に乾燥塔と呼ばれる熱風が送り込まれている容器の中に原料スラリーが噴霧状で送り込まれ、乾燥処理が行われる。噴霧器から原料スラリーが噴霧され、液滴を完全に形成する前に既に乾燥が始まっており、樹脂分の析出等が発生すると、乾燥塔の側壁に粒子が付着したり、形状が紡錘状や繊維状となってしまう。スラリー濃度と樹脂分濃度の調整によりこれらの問題は回避できる。
本発明で、乾燥装置または乾燥塔での熱風温度は、200℃から300℃が好ましい。200℃未満では、十分に乾燥されず、300℃より高いと、セルロース微粒子が高温のために黄色く変色してしまう。
セルロース微粒子集合体を捕集する一般的な方法としては、サイクロン型捕集器やバグフィルターがある。複数のサイクロンを設置することによって、分級が可能となる。
以下に実施例を挙げてより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。
(評価方法)
得られたセルロース微粒子集合体は以下の方法で評価した。
(1)平均粒子径:粒子径をレーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラック、日機装株式会社製)で測定した。
(2)水分散時の安定性:NBKP(CSF350ml)10質量%、LBKP(CSF320ml)90質量%のパルプスラリーに、硫酸バンド1.0質量%、カチオン化澱粉(商品名:ネオタック40T、日本食品化工社製)0.8質量%、AKDサイズ剤(商品名:サイズパインK−903−20、荒川化学工業社製)0.05質量%を添加し、さらに1質量%濃度で水に分散したセルロース微粒子集合体の分散液をパルプ100質量部に対して、セルロース微粒子集合体が10質量部となるように添加し、固形分濃度を0.5質量%に調整した。この分散液を市販の家庭用ミキサーで1分間撹拌した後、0.1質量%に希釈して、角型枡で坪量100g/mのシートを手漉きし、フェロタイプで乾燥した。
得られたシートはセロハンテープを用いて表層を剥離し、剥離面にセルロース微粒子集合体が存在するか顕微鏡で観察した。
安定性の評価は、以下のように行った。
○:剥離面にセルロース微粒子集合体が存在する。
×:剥離面にセルロース微粒子集合体の存在が認められなかった。
(実施例1)
セルロース微粒子としてアルボセルUFC100(粒子径8μm、レッテンマイヤー社製)100質量部、紙力増強剤としてスミレッツレジン675A(ポリアミドエポキシ樹脂、田岡化学製)を15質量部加えた濃度15質量%のスラリーを調製した。このスラリーをスプレードライヤー(形式:モービルマイナ、GEAプロセスエンジニアリング株式会社製)でディスク式アトマイザーを使用し、アトマイザー回転数30,000回転/分、スラリー供給量40g/分、入口温度270℃の条件で噴霧乾燥し、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は112℃であった。
(実施例2)
実施例1において、セルロース微粒子としてKCフロックW−06MG(粒子径6μm、日本製紙ケミカル株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様に噴霧乾燥処理を行い、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は114℃であった。
(実施例3)
実施例1において、スラリー濃度を2質量%に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は123℃であった。
(実施例4)
実施例1において、紙力増強剤の量を7質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は106℃であった。
(実施例5)
実施例1において、入口温度を200℃に設定したこと以外は、実施例1と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は100℃であった。
(比較例1)
実施例4において、紙力増強剤の量を4質量部としたこと以外は、実施例4と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は128℃であった。
(比較例2)
実施例1において、紙力増強剤の代わりにポリビニルアルコール(PVA124:クラレ社製)を7質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は113℃であった。
(比較例3)
実施例1において、紙力増強剤の代わりにポリビニルアルコール(PVA124:クラレ社製)を7質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は125℃であった。
(比較例4)
実施例1において、紙力増強剤の代わりに塩化ビニル系エマルジョン(ビニブラン2642:日信化学工業社製)を7質量部加えたこと以外は、実施例1と同様にして、セルロース微粒子集合体を得た。出口温度は125℃であった。
(比較例5)
実施例1において、紙力増強剤の量を22質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、噴霧乾燥処理を行ったが、アトマイザーで原料スラリーが固化して詰まり、セルロース微粒子集合体は得られなかった。
(比較例6)
フィブリル化セルロース粒子として、微細繊維状セルロース(セリッシュFD−100E、ダイセル化学工業製)にカルボキシルメチルセルロースを加え混合した混合液を調製した。混合液に含まれるスラリー濃度は、7質量%に調整した。この後にスプレードライを行った。スプレードライ装置としては、スプレードライヤー(形式:モービルマイナ、GEAプロセスエンジニアリング株式会社製)でディスク式アトマイザーを使用し、アトマイザー回転数30,000回転/分、スラリー供給量40g/分、入口温度270℃の条件で噴霧乾燥したが、アトマイザーで原料スラリーが凝集・固化して詰まり、セルロース微粒子集合体は得ることはできなかった。
なお、微細繊維状セルロース(セリッシュFD−100E、ダイセル化学工業製)は、高度に精製した純植物繊維を原料とし、特殊な処理方法でミクロフィブリル化したセルロースナノファイバーである。原料の繊維はこの処理によって数万本に引き裂かれ、繊維の太さは、0.1〜0.01μmまで微細化されている。
(比較例7)
固形分濃度1質量%の広葉樹晒クラフトパルプの水スラリーを、平均粒径2mmのガラスビーズを内容積の80%充填したダイノミル装置に350ml/分で導入し、通過させることにより微細繊維化パルプを製造した。このパルプの保水度は280%であった。この微細繊維化パルプを遠心機で7質量%濃度に濃縮した後、スプレードライヤー(形式:モービルマイナ、GEAプロセスエンジニアリング株式会社製)でディスク式アトマイザーを使用し、アトマイザー回転数30,000回転/分、スラリー供給量40g/分、入口温度270℃の条件で噴霧乾燥したが、アトマイザーで原料スラリーが凝集固化して詰まり、セルロース微粒子集合体を得ることはできなかった。
Figure 2013173861
本発明により、非フィブリル性セルロース微粒子を造粒した非フィブリル性セルロース微粒子集合体は水性分散しても、微粒子が分解、解離しにくくなり、紙、シートに混入されることも、これらの表層へ塗工剤として利用することも可能である。さらには、樹脂、繊維、無機素材、建材などに組み込む製品を提供することが可能である。

Claims (5)

  1. 木材パルプを粉砕処理した微小セルロース粒子と該セルロース粒子に対して5質量%以上、20質量%以下のカチオン性樹脂を含有する水性懸濁液を乾燥装置あるいは脱水装置により、造粒したことを特徴とするセルロース微粒子集合体。
  2. 微小セルロース粒子が、非フィブリル性微小セルロース粒子である請求項1記載のセルロース微粒子集合体。
  3. カチオン樹脂がポリアミドエポキシ樹脂である請求項1記載のセルロース微粒子集合体。
  4. 乾燥装置にスプレードライヤーを使用して、水性懸濁液を噴霧乾燥し、造粒した請求項1〜3何れか1項記載のセルロース微粒子集合体。
  5. セルロース微粒子集合体の平均粒径が30〜70μmである請求項1〜4何れか1項記載のセルロース微粒子集合体。
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