本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1〜図9において、1は全体として本発明による携帯用飲料容器を示し、金属製真空断熱型の有底な容器本体2と、該容器本体2の上部の容器開口3に被着される合成樹脂製の栓体4とを備え、当該栓体4の天部5の後側となる一端側の上部中央に設けられたヒンジ軸6を介してコップ状の蓋7の基端側が回動自在に軸支されることで蓋7が開閉自在に設けられ、該ヒンジ軸6の対向側、すなわち前側に設けた係止部材8によって蓋7を閉状態で保持し得るようになされ、合成樹脂製の係止部材8の前側上部にはフック状の係止部8Aが突設されている。そして、蓋7の他端側には係止部材8の係止部8Aが係止する係止受け部10が設けられ、係止部材8は前後方向に略水平移動するように設けられている。
栓体4は、容器本体2の容器開口3を覆う天部5を設けた逆有底筒状からなる栓体本体11を有し、この栓体本体11の内周面に形成された雌ねじ12によって、容器本体2の上部外周面に設けた筒状の雄ねじ13に螺着し得るようになされている。
栓体本体11の天部5周囲の下面5Dには、例えばシリコンゴムやエラストマー樹脂等の弾性部材によって全域で同一厚みを有し平面視リング状に形成され容器本体2の容器開口3を閉塞する閉塞部材15が遊嵌或いは嵌合するように設けられている。かくして閉塞部材15は、適度な硬さを備え、かつ外部から力が与えられると、弾性力により僅かに変形し得ることから、栓体本体11が容器本体2の容器開口3に装着されると、当該容器開口3の頂部が閉塞部材15の周縁側下面に当接し、これにより容器開口3を確実に閉塞し得るようになされている。
また、栓体本体11には、天部5のほぼ中央後側位置に上下方向に貫通する取付孔14を有する飲み口部材取付部17が形成されている。そして、例えばシリコンゴムやエラストマー樹脂等の弾性部材で形成されたチューブ状の飲み口部19Aを上部に備えたストローユニット19の下部が取付孔14を貫通して飲み口部材取付部17に装着し得るようになされている。尚、ストローユニット19により飲み口部材を構成している。
ここでストローユニット19は、例えばシリコンゴムやエラストマー樹脂等の弾性部材によって全体が形成され、適度な硬さを備えつつ外部から力が与えられると、僅かに変形し得るようになされている。飲み口部材としてのストローユニット19は、飲み口部19Aと、当該飲み口部19Aの根元側部周辺から外周に突出して天部5の下面5Dに係止可能な鍔状の位置決め部20と、当該飲み口部19Aの根元部分と連通して位置決め部20から下方に延びた円筒状の内径拡幅部21とからなる飲み口部材本体22を有し、当該内径拡幅部21に、下端が容器本体2の内底にほぼ達するような円筒状の筒部材23が着脱自在に嵌め込まれている。
取付孔14は天部5に円筒状に立設しており、この取付孔14の内周における上下方向の途中に内向き、すなわち取付孔14の中心に向けて小突起24が平面視環状に設けられており、この小突起24は取付孔14に挿入された飲み口部19Aの根元の外周に設けられた平面視環状の凹部25に係止している。そして、小突起24と凹部25との嵌合及び位置決め部20により、ストローユニット19の栓体本体11からの抜け出し、抜け落ちを阻止し、また、ストローユニット19の外周側面からの天部5の上面5Uへの飲料の漏れを防止するようになっている。
また、蓋7の裏面の他側には蓋7を閉める時に飲み口部19Aを折り曲げる板状突起部27が下向きに設けられており、板状突起部27と栓体本体11の後述する板状突起部45,45により飲み口部19Aを折り曲げてS字状にすることにより、蓋7の内部空間に飲み口部19Aを収納し得ると共に、飲み口部19Aの連通路28を潰して当該飲み口部19Aから飲料が漏れ出ることを防止し得るようになされている。
さらに、天部5には、係止部材8の操作部9の稼動範囲に、中央前側に平面視円形で上下方向の貫通孔29が形成され、この貫通孔29にシール部材30が嵌合して配置され、このシール部材30はシリコンゴムやエラストマー樹脂等の弾性部材からなる。前記シール部材30の本体30Hはほぼ円柱形状であって、貫通孔29を貫通して、その上部30Uは天部5の上面5Uよりもやや突設し、この上部30Uの半径は、貫通孔29の半径、すなわちシール部材30の本体30Hの半径よりも径大となって上向きに裁頭円錐状に突設して形成されている。これにより、図4に示すように裁頭円錐状の上部30Uの下面30Dが上面5Uに密着できるようになっている。また、シール部材30の下部30Sは上部30Uより肉厚な鍔状に形成され、貫通孔29の半径より大きく、その下部30Sの上面が天部5の下面5Dに密着できるようになっている。貫通孔29の半径、そして、このシール部材30の中心線上に上下方向の通気孔31が貫通しており、この通気孔31を介して容器本体2の内部と外気とは連通するようになっている。
前記係止部材8の後部に、ばね9Aが配置されており、このばね9Aにより外側に付勢され、その前側に前記操作部9を設けており、操作部9をばね9Aの付勢に抗して押すことにより、係止部材8が後退して前記係止部8Aが係止受け部10から離脱する。また、係止部材8には左右が開口する前後方向の案内孔34を穿設すると共に、この案内孔34に挿入する案内横軸35を、前記栓体本体11に設けており、案内横軸35に案内されて係止部材8が前後方向に可動する。そして、前記案内孔34が案内受け部であり、この案内受け部に係合する前記案内横軸35が案内部である。また、案内横軸35により係止部材8の稼動範囲が規制され、案内孔34の後縁に案内横軸35が係止する位置がほぼ係止部材8の前端位置であり、案内孔34の前縁に案内横軸35が係止する位置がほぼ係止部材8の後端位置である。尚、係止部8Aの前面が係止受け部10の後面に当接した位置を、蓋閉成状態における係止部材8の前端位置としてもよい。
また、前記係止部材8の下縁面は横方向に形成され、その下縁には、通気孔31の通気口31Uに接触して蓋7を開ける時に通気口31Uを閉塞する前側凸部36と、この前側凸部36と間隔を置いて設けられ通気孔31の通気口31Uに選択的に接触して蓋7を閉める時に通気口31Uを閉塞する後側凸部37と、前側凸部36と後側凸部37との間に設けられ通気孔31の通気口31Uに選択的に接触せず、すなわち非接触状態となって蓋7を開ける時と蓋7を閉める時との中間時に通気口31Uを開放する中間の凹部38が設けられている。また、前側凸部36と後側凸部37は下方に向って幅狭になるように前後両側に傾斜部を有する。
図8に示すように、前記天部5には、前記係止部材8を案内する案内枠39が設けられており、この案内枠39は平面コ字状の上板部40と、左右の側板部41,41とを備える。尚、これら側板部41,41間に前記案内横軸35が設けられている。また、前記栓体4は、前記係止部材8を後側位置で固定する固定手段42を備える。案内枠39は前記案内横軸35にピンを通すことにより、前記栓体4と固定されており、前記係止部材8を押しても動くことはない。
図9に示すように、この固定手段42は前記係止部材8の後部左右に設けた弾性係止爪43,43と、前記側板部41の左右の後縁41F,41Fとからなり、この後縁41Fに弾性係止爪43が段発的に係止し、係止部材8の前側への移動を止める。また、側板部41の内面41Nの後部には後側に向かって中央側に向く傾斜案内面41Kが形成されており、この傾斜案内面41Kは弾性係止爪43の傾斜面43Kとほぼ同一方向を向き、係止部材8が後方に移動すると、傾斜案内面41Kに案内されて弾性係止爪43が徐々に弾性変形し、また、後縁41Fから弾性係止爪43が外れると、傾斜面43Kが傾斜案内面41Kに案内されて係止部材8がスムーズに前進することができる。そして、前記蓋7の下面には、前記弾性係止爪43の係止を解除する係合部たる左右の蓋凸部44,44が下方に突設されている。
また、前記案内枠39の上板部40には、前記板状突起部27を前後から挟む位置に、板状突起部45,45を上向きに突設されている。
また、係止部8Aが係止受け部10に接触して係止した通常の蓋閉成状態では、蓋凸部44は弾性係止爪43に係合せず、通常の蓋閉成状態では蓋7は水平であり、この通常の蓋閉成状態から蓋7の先端側を押すと、蓋7の先端側が下方に回動し、蓋凸部44に弾性係止爪43が係合し、図9の一点鎖線に示すように、弾性係止爪43を内側に押して後縁41Fから弾性係止爪43が外れ、ばね9Aに押されて係止部材8が前側に移動する。また、通常の蓋閉成状態において、栓体本体11の外周には蓋7の下縁7Fと間隔を置いて、外周段部46が周設されており、これら下縁7Fと外周段部46との間隔分だけ、通常の蓋閉成状態から蓋7を下方の係止部材係止解除の蓋閉成状態まで回動することができる。尚、通常の蓋閉成状態では、係止部8Aは係止受け部10に接触しており、係止部材係止解除の蓋閉成状態では、係止受け部10が下がることにより係止部8Aから係止受け部10が離れる。
そして、図3及び図4(係止部材前端位置で蓋ロック・通気孔閉状態)に示すように、前端位置の係止部材8の係止部8Aが係止受け部10に係止して蓋7を閉状態でロックしたときには後側凸部37が通気口31Uを閉塞し、使用者が操作部9を押すと、図5(蓋ロックで通気孔開状態)に示すように、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、前側位置から係止部8Aが後方に移動して中央凹部38が通気口31Uの上に来た際に隙間ができ、通気口31Uが開成し、通気口31Uから内圧が開放され、ここから係止部材8が後側に移動すると、図6(蓋ロックの係止部材後方位置で通気孔閉状態)に示すように、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、前側凸部36が通気口31Uが閉塞し、通気口31Uが閉塞した後、図7(係止部材後端位置で蓋ロック解除・通気孔閉状態)に示すように、係止部8Aが係止受け部10から外れ、係止部材8は後端位置となり、蓋7を開くことができ、同時に弾性係止爪43が後縁41Fに係合して保持され、係止部材8が位置固定される。尚、係止部材8の前端位置では案内横軸35が案内孔34の後縁に係止し、弾性係止爪43が後縁41Fに係止した位置では、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止しているか、或いは、案内横軸35と案内孔34の前縁との間に隙間があってもよく、隙間がある場合は、係止部材8を後側に押すと、隙間分だけ係止部材8が僅かに後方に移動し、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止し、この位置が後端位置となる。また、係止部材8の前端位置で案内横軸35が案内孔34の後縁との間に隙間があってよく、この場合は、係止受け部10の後面に係止部8Aの前面が当接する。そして、蓋7を開くと、ストローユニット19の飲み口部19Aがその弾性復元力により立ち上がり、容器本体2内の飲料を吸引することができる。
一方、蓋7を閉める時においては、蓋7の前側を押し下げると、蓋凸部44に弾性係止爪43が接触して係合し、弾性係止爪43を内側に押して後縁41Fから弾性係止爪43が外れ、ばね9Aに押されて係止部材8が前側に移動し、係止部8Aが係止受け部10に係止して蓋7がロックされ、通気口31Uが後側凸部37により閉塞され、容器本体2が密閉される。この場合、蓋7の前側を押し下げることにより係止受け部10が下がっているから、この係止受け部10に係止部8Aが確実に係止する。
次に前記構成についてその作用を説明する。容器開口3より飲料(図示せず)を容器本体2に収容した後、容器開口3に栓体本体11を取付ける。
図3に示すように蓋7を閉めている時においては、係止部8Aが係止受け部10に係止されているため、蓋7を開けることはできない。尚、通常の閉成状態で、係止部8Aの係止面8Mと、この係止面8Mが当接する係止受け部10の係止受け面10Mはほぼ水平である。また、係止受け部10の下面は凸状湾曲面10Wになっており、係止部8Aの上面は前側が低くなる傾斜面8Uになっている。
そして、この状態では通気孔31の通気口31Uは後側凸部37により閉塞されており、また、容器本体2にお茶や調乳時に湯などが収容された場合や、容器開口3に栓体本体11を取付ける際、閉塞部材15が容器開口3に当接してから潰れるまでの加圧により、容器本体2の内圧が大気圧以上となっても、密封状態で保温することができる。
次に、図4に示すように、操作部9を押すと、係止部材8が後側に向って移動し、まず、移動中、通気口31Uを中央凹部38が通過する間、中央凹部38と通気口31Uの間に隙間が発生し、容器本体2の内部が通気孔31により蓋7の内部と連通して大気開放となる。このため容器本体2の内部は通気孔31を介して大気開放となり、内部は大気圧となるため、ストロー先端からの飲料の飛び出しを防ぐことが出来る。
次に、図5に示すように、更に係止部材8が後方に移動すると、通気口31Uが後側凸部37により閉塞される。このため容器本体2の内部は、大気圧を保って再び密閉状態とすることで、もしストロー内部に気泡及び飲料が満たされていた状態でも、蓋開放時にストロー内部の圧力による空気の置換が起きず、ストロー内部の飲料が先端から飛び出す恐れがなく、さらに飲料を飲んでいる最中等に不用意に飲料容器を傾けても、飲料が漏れるおそれがない。
通気口31Uが後側凸部37により閉塞された後、更に係止部材8が後方に移動すると、後縁41Fに弾性係止爪43が係止し、係止部材8が位置固定され、蓋7を開くことができる。このようにして蓋7を開くと板状突起部27,45,45で押圧されていた飲み口部19Aが弾性力によって立ち上がる。そしてこの飲み口部19Aに口を付けて吸うことで、飲料は筒部材23、連通路28、飲み口部19Aを吸い上げられるようになっている。
このようにして飲料を飲んで使用した後、洗浄するには、容器本体2より栓体本体11を外し、さらに栓体本体11より閉塞部材15とシール部材30を外して洗浄する。また、ストローユニット19を栓体本体11より抜き出し洗浄する。そして、洗浄後においては、栓体本体11に閉塞部材15,シール部材30及びストローユニット19を取付けて使用するものである。
本実施例では、係止部材8は蓋7に係止して該蓋7を閉成状態で固定する係止部8Aを備え、その係止部材8を栓体本体11に前後方向(水平方向)移動可能に設け、この移動位置に通気孔31を設け、前記係止部材8には移動方向に、通気孔31を閉塞する後側凸部37と、通気孔31を開成する中央凹部38と、通気孔31を閉塞する前側凸部36とを並べて設け、係止部8Aは係止受け部10に係止した状態で、所定範囲前後方向に移動可能に設けられ、係止部8Aが係止受け部10に係止した状態で、係止部材8が後方に移動する間に後側凸部37が通気孔31を閉塞し、中央凹部38が通気孔31を開成し、前側凸部36が通気孔31を閉塞した後、係止受け部10から係止部8Aが離脱するから、蓋7を開くために係止部材8を押して係止部材8を稼動することにより、通気孔31が開いて、容器本体2内の圧力を抜くことができ、ストローからの液体の吹き出しを防止することができ、更に係止部材8が稼動すると、通気孔31が閉まり、この後、係止部材8による蓋係止が解除され、蓋7を開くことができる。一方、蓋7を閉めると、係止部材8に蓋7の蓋凸部44が接触して蓋係止が外れ、蓋7が閉状態で係止部材8が保持され、このように操作部9を押して係止部材8を移動することにより、容器本体2を外部と連通して大気開放した後、再び密閉することができる。
以上のように、容器本体2の容器開口3に着脱自在に設けられ、開閉可能な蓋7を軸支した栓体本体11と、蓋7を閉状態に保持および解除するように配置された係止部材8と、栓体本体11に係合され弾性材料で形成された飲み口部材たるストローユニット19と、栓体本体11に着脱自在に設けられ、容器開口3に当接して容器本体2を閉塞する閉塞部材15が設けられ、栓体本体11には貫通孔29が形成されており、係止部材8の稼動範囲に通気孔31を有するシール部材30が配置され、蓋7が閉状態の際に通気孔31が閉状態であり、係止部材8を押し込み、係止が解除される過程において、通気孔31は開放され、更に押し込むことで閉状態となり、その後、蓋7との係止が解除され、更に押し込まれた位置で栓体本体11と係合して保持され、係止部材8の可動により、蓋7が開状態となりストローユニット19の止水が開放されるが、その過程において一時的に通気孔31が開状態となり、内部の圧力を開放でき、また、係止部材8が後方で嵌合固定された後に、蓋7が開くことで、蓋7が通気孔31を閉状態にしてストローユニット19の止水が開放されるため、ストロー内部に置換された内容物の飛び出しを防ぐことができる。
また、蓋7を閉める動作において、通常の閉位置よりも下方まで押し込む操作がされた場合に、蓋7の蓋凸部44が係止部材8の後方の弾性係止爪43に接触し、栓体本体11との保持が解除となり、係止部材8が閉位置に移動する。
また、実施上の効果として、係止部材8に前後方向の案内孔34を穿設すると共に、この案内孔34に挿入する案内横軸35を、前記栓体本体11に設けており、案内横軸35に案内されて係止部材8が前後方向に可動するから、係止部材8の凸部36,37により通気口31Uを確実に閉じることができる。通常使用者は前記蓋7を閉める際ストローユニット19の弾性に逆らう力が必要で通常の感覚で蓋7を閉めれば自動的に閉位置より深く押すことになる。このため、使用者は特段の注意が必要なく利便性に優れている。
以下に、他の実施例について説明する。尚、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10〜図11に示す実施例2では、閉塞部材15にシール部材30が一体に設けられ、シール部材30の下部30Sを閉塞部材15と同一厚さに形成し、閉塞部材15とシール部材30の下部30Sとを連結する帯状の連結部30Rを備える。
以上のように、閉塞部材15にシール部材30を一体に設けることで、一つの部材で簡素化することができ、コスト削減にもつながり、さらにシール部材30は単体ではないので、紛失などのおそれもなくなる。
以下に、他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12〜図19に示す実施例3では、天部5には係止部材8の稼動範囲に貫通孔51を穿設し、この貫通孔51の下部に筒体52を垂設し、この筒体52の底部52Tの中央に内筒体53を上方に向かって突設し、内筒体53は筒体52と間隔を置いて同心円上に設けられ、その内筒体53の内周面により通気孔54を構成し、この通気孔54を開閉する合成樹脂製の軸部材55を備える。尚、前記底部52Tの下面が弁座52Kである。
この軸部材55は、前記通気孔54と間隔を置いて上下する軸本体56と、この軸本体56の下端で通気孔54の下方に設けられ当該通気孔54より径大な円盤状の弁部57とを一体に備え、この弁部57にはシール部材58が外装され、このシール部材58の上面が前記底部52Tの弁座52Kに当接することにより前記通気孔54が閉成される。前記軸本体56の上部には段部56Dが設けられており、この段部56Dの上部に径小部56Kを設け、この径小部56Kは先端側に向かって細くなるように形成されると共に先端は面に形成され、その先端面により前記係止部材8の下縁に面接触状態で摺動する摺動先端部56Sが形成されている。さらに、前記径小部56Kをリング状の弾性部材固定部品59の中央に挿通し、この弾性部材固定部品59を前記段部56Dの上部に位置する嵌合凹溝56Mに嵌合して軸本体56に固定し、その弾性部材固定部品59は前記筒体52の内周面に摺動して上下動きし、このように弾性部材固定部品59が軸部材55のスペーサとなって軸本体56と通気孔54と間に隙間が形成され、また、筒体52の内周面と内筒体53の外周面との間に弾性部材たるコイルスプリング60を配置し、このコイルスプリング60は圧縮バネであって、弾性部材固定部品59を上方に付勢する。
また、前記軸本体56は、実施例1の通気孔54の位置に設けられており、前記係止部材8の下縁面には、実施例1の中央凹部38の位置に、中央凸部61が設けられ、この中央凸部61の前後には一段高く形成された前側凹部62と後側凹部63が設けられている。中央凸部61は下方に向って幅狭になるように両側に傾斜部61K,61Kを有する。そして、係止部材8が移動の際、径小部56Kに傾斜部61Kが係合することにより、軸部材55がスムーズに昇降する。尚、摺動先端部56Sが中央凸部61の前後の前側凹部62と後側凹部63の位置では、シール部材58が弁座52Kに圧接することにより、摺動先端部56Sと係止部材8の下縁との間に隙間が形成される。
そして、前記弁座52K,軸部材55,弾性部材固定部品59及びコイルスプリング60により、吸気弁構造64を構成しており、容器本体2の内部と外部の圧力が同一の状態では、コイルスプリング60の付勢により弁部57に設けたシール部材58が弁座52Kに当接して通気孔54が閉まり、容器本体2の内圧が外圧より高くなった場合も、シール部材58が弁座52Kに圧接して通気孔54は閉まり、一方、容器本体2の内圧より外圧が高くなると、その圧力差により弁部57のシール部材58が弁座52Kから離れ、通気孔54が開き、容器本体2の内圧と外圧が同じになると、シール部材58により通気孔54が閉まる。
また、係止部8Aが係止受け部10に接触して係止した通常の蓋閉成状態では、図18に示すように、蓋凸部44は弾性係止爪43に係合せず、通常の蓋閉成状態では蓋7は水平であり、この通常の蓋閉成状態から蓋7の先端側を押すと、蓋7の先端側が下方に回動し、蓋凸部44が弾性係止爪43に係合し、弾性係止爪43を内側に押して後縁41Fから弾性係止爪43が外れ、ばね9Aに押されて係止部材8が前側に移動する。また、図17に示すように、通常の蓋閉成状態において、栓体本体11の外周には蓋7の下縁7Fと間隔をおいて、外周段部46が周設されており、これら下縁7Fと外周段部46との間隔分だけ、通常の蓋閉成状態から蓋7を下方の係止部材係止解除の蓋閉成状態まで回動することができる。尚、通常の蓋閉成状態では、係止部8Aは係止受け部10に接触しており、係止部材係止解除の蓋閉成状態では、係止受け部10が下がることにより係止部8Aから係止受け部10が離れる。
次に前記構成についてその作用を説明する。容器開口3より飲料(図示せず)を容器本体2に収容した後、容器開口3に栓体本体11を取付ける。この状態では通気孔54は弁部57により閉塞されており、また容器本体2にお茶や調乳時に湯などが収容された場合や、容器開口3に栓体本体11を取付ける際、閉塞部材15が容器開口3に当接してから潰れるまでの加圧により、容器本体2の内圧が大気圧以上となっても、シール部材58が弁座52Kに当接することで、吸気弁構造64は閉弁状態となっている。この結果容器本体2の内部は密封状態となって保温される。
そして、図12(係止部材前端位置で蓋ロック・通気孔閉状態)に示すように、前端位置の係止部材8の係止部8Aが係止受け部10に係止して蓋7を閉状態でロックしたときには後側凹部63が軸部材55の位置にあり、シール部材58が弁座52Kに圧接することにより通気孔54が閉塞されており、使用者が操作部9を押すと、図14(蓋ロックで通気孔開状態)に示すように、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、前側位置から係止部8Aが後方に移動して中央凸部61がコイルスプリング60の付勢に抗して摺動先端部56Sを押し下げ、これにより通気口31Uからシール部材58が離れて通気孔54が開成し、空気Aが矢印に示すように流れ、気孔54から内圧が開放され、ここから係止部材8が後側に移動すると、図15(蓋ロックの係止部材後方位置で通気孔閉状態)に示すように、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、摺動先端部56Sの上に前側凹部62が位置し、シール部材58が弁座52Kに圧接することにより通気孔54が閉塞された後、図16(係止部材後端位置で蓋ロック解除で通気孔閉状態)に示すように、係止部8Aが係止受け部10から外れ、係止部材8は後端位置となり、蓋7を開くことができ、同時に弾性係止爪43が後縁41Fに係合して保持され、係止部材8が位置固定される。尚、係止部材8の前端位置では案内横軸35が案内孔34の後縁に係止し、弾性係止爪43が後縁41Fに係止した位置では、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止しているか、或いは、案内横軸35と案内孔34の前縁との間に隙間があってもよく、隙間がある場合は、係止部材8を後側に押すと、隙間分だけ係止部材8が僅かに後方に移動し、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止し、この位置が後端位置となる。また、係止部材8の前端位置で案内横軸35が案内孔34の後縁との間に隙間があってよく、この場合は、係止受け部10の後面に係止部8Aの前面が当接する。そして、蓋7を開くと、ストローユニット19の飲み口部19Aがその弾性復元力により立ち上がり、容器本体2内の飲料を吸引することができる。
容器本体2内の飲料を吸引して容器本体2の内部の飲料が減少すると、容器本体2の内部が負圧になってしまい、口の吸い上げ力を強くしなければならなくなるが、このように容器本体2の内部が負圧になると、弁部57が負圧側となっている容器本体2の内部側(図中、下側)に引き寄せられて弁座52Kより離れる。このようにして通気孔54が開くと、通気孔54より外気が容器本体2の内部に導入される。この結果、容器本体2の内部は大気圧となる通常の口の吸い上げ力で飲料を飲み続けることができる。
以上のように、栓体本体11には貫通孔51が形成されており、係止部材8の稼動範囲に通気孔54が配置され、蓋7が閉状態の際に通気孔54が閉状態であり、係止部材8を押し込み、係止が解除される過程において、通気孔54は開放され、更に押し込むことで閉状態となり、その後、蓋7との係止が解除され、更に押し込まれた位置で栓体本体11と係合して保持され、蓋7を閉める際に係止部材8と蓋7が接触することにより係止部材8と蓋7をほぼ同時に閉状態となるから、係止部材8の可動により、蓋7が開状態となりストローユニット19の止水が開放されるが、その過程において一時的に通気孔54が開状態となり、内部の圧力を開放でき、また、係止部材8が後方で嵌合固定された後に、蓋7が開くことで、蓋7が通気孔54を閉状態にしてストローユニット19の止水が開放されるため、ストロー内部に置換された内容物の飛び出しを防ぐことができる。
また、蓋7を閉める動作において、通常の閉位置よりも下方まで押し込む操作がされた場合に、蓋7の蓋凸部44が係止部材8の後方の弾性係止爪43に接触し、栓体本体11との保持が解除となり、係止部材8が閉位置に移動する。
また、本実施例では、貫通孔51に連通して通気孔54を設け、通気孔54の下部の周囲に弁座52Kを設け、前記通気孔54内に軸部材55を上下動可能に設け、この軸部材55の下部に前記弁座52Kに当接して前記通気孔54の下部を開閉可能な弁部57を設けると共に、前記軸部材55を上方の貫通孔51側に付勢する付勢手段たるコイルスプリング60を設けたから、蓋7を開く前に係止部材8により通気孔54を開くことで、湯や温かいお茶などを収容した容器本体2の内部を排気していったん大気圧状態として再び密封し、そして蓋7を開いた後において飲料を吸い出した状態で容器本体2の内部が負圧になっても、吸気弁構造64によって容器本体2の内部を大気圧に保つことができるものであって、係止部材8により降下して通気孔54を開く軸部材55を用いて、容器本体2の内部と外部の圧力差により開閉する吸気弁構造64を構成することができる。
以上のように、栓体本体11に吸気弁構造64を設けたから、弾性部材からなる閉塞部材15により止水を行っているが、ストローユニット19から吸引を行った際は、軸部材55が降下することにより密閉が解除され、連続吸引が可能となる。
また、実施例上の効果として、係止部材8の前後移動により通気孔54を開閉する軸部材55などを用いて吸気弁構造64を構成したから、部品の共通化を図ることができる。
以下に、他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図20〜図22に示す実施例4では、栓体本体11の貫通孔29に吸気弁構造65を設けている。吸気弁構造65は、容器本体2の内圧が大気圧或いは大気圧以上のときは閉弁状態となり、容器本体2の内圧が負圧になったときに、自動的に開弁して容器本体2の内側に吸気できるようにするものであり、その吸気弁構造65は吸気孔66の下端に形成される弁座67と、この弁座67を開閉可能な逆止弁68を備える。
吸気孔66は前記貫通孔29の周囲で前後方向一側に上下方向に設けられ、実施例では貫通孔29の後側に該貫通孔29と連通して貫通孔29の半径よりも細幅で平面視が細溝状に形成されており、この吸気孔66には先端部66Sが設けられている。そして、吸気孔66の下端周囲の一側下面における先端部66Sを含む吸気孔66の近傍により弁座67が形成される。
前記シール部材30には、前記下部30Sを設けずに、逆止弁68が一体的に設けられ、この逆止弁68は鍔状をなし、外周側には外側に向かって次第に薄くなる外周先端部69を有し、その逆止弁68の上面外端は前記吸気孔66の先端部66Sより外側にあって、逆止弁68の上面が前記弁座67に当接し、これにより前記貫通孔29及び吸気孔66が閉塞されている。そして、容器本体2の内部と外部の圧力が同一の状態では、弾性により逆止弁68が弁座67に当接して吸気孔66は閉まり、容器本体2の内圧が外圧より高くなると、逆止弁68が弁座67に圧接して吸気孔66は閉まっており、一方、容器本体2の内圧より外圧が高くなると、その圧力差により逆止弁68が弁座67から離れ、吸気孔66が開き、容器本体2の内圧と外圧が同じになると、逆止弁68が閉まる。
次に前記構成についてその作用を説明する。容器開口3より飲料(図示せず)を容器本体2に収容した後、容器開口3に栓体本体11を取付ける。この状態では通気孔31の通気口31Uは後側凸部37により閉塞されており、また、容器本体2にお茶や調乳時に湯などが収容された場合や、容器開口3に栓体本体11を取付ける際、閉塞部材15が容器開口3に当接してから潰れるまでの加圧により、容器本体2の内圧が大気圧以上となっても、逆止弁68が弁座67に当接することで、吸気弁構造65は閉弁状態となっている。この結果容器本体2の内部は密封状態となって保温される。
そして、前端位置の係止部材8の係止部8Aが係止受け部10に係止して蓋7を閉状態でロックしたときには吸気孔66Uは後側凸部37により閉塞されており、使用者が操作部9を押すと、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、前側位置から係止部8Aが後方に移動して中央凹部38により通気口31Uから内圧が開放され、ここから係止部材8が後側に移動すると、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、通気口31Uの上に前側凸部36が位置し、通気口31Uが閉塞された後、係止部8Aが係止受け部10から外れ、係止部材8は後端位置となり、蓋7を開くことができ、同時に弾性係止爪43が後縁41Fに係合して保持され、係止部材8が位置固定される。尚、係止部材8の前端位置では案内横軸35が案内孔34の後縁に係止し、弾性係止爪43が後縁41Fに係止した位置では、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止しているか、或いは、案内横軸35と案内孔34の前縁との間に隙間があってもよく、隙間がある場合は、係止部材8を後側に押すと、隙間分だけ係止部材8が僅かに後方に移動し、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止し、この位置が後端位置となる。また、係止部材8の前端位置で案内横軸35が案内孔34の後縁との間に隙間があってよく、この場合は、係止受け部10の後面に係止部8Aの前面が当接する。
また蓋7を開くと板状突起部27,45,45で押圧されていた飲み口部19Aが弾性力によって立ち上がる。そして、この飲み口部19Aに口を付けて吸うことで、飲料は筒部材23、連通路28、飲み口部19Aを吸い上げられるようになっている。
このようにして容器本体2の内部の飲料が減少すると、容器本体2の内部が負圧になってしまい、口の吸い上げ力を強くしなければならなくなるが、このように容器本体2の内部が負圧になると、逆止弁68が負圧側となっている容器本体2の内部側(図20及び図21中、下側)に引き寄せられて弁座67より離れる。このとき、逆止弁68の外周は変形しやすいように薄肉になっている。このようにして逆止弁68が開くと、吸気孔66より外気が容器本体2の内部に導入される。この結果、容器本体2の内部は大気圧となる通常の口の吸い上げ力で飲料を飲み続けることができる。実施例3の吸気弁構造64ではコイルスプリング60の弾性により止水を実現する力と減圧解除の力をコントロールしなければならないが、本実施例によると減圧解除の力の設計管理が別々にでき容易である。
本実施例では、貫通孔29の近傍、実施例では貫通孔29と連通して天部5を上下方向に貫通する吸気孔66と、上部30Uと共に天部5を上下方向で挟む共に、吸気孔66の下端周囲の天部5の下面5Dによって形成される弁座67に着脱自在に設けられる断面が略逆裁頭円錐形状の逆止弁48とを備えることで、蓋7を開く前に係止部材8により一時的に通気孔31を開くことで、湯や温かいお茶などを収容した容器本体2の内部を排気していったん大気圧状態として再び密封し、そして蓋7を開いた後において飲料を吸い出した状態で容器本体2の内部が負圧になっても、逆止弁68によって容器本体2の内部を大気圧に保つことができるものであって、弾性材料からなるシール部材30には上下方向の通気孔31、シール部材30の下方への抜け止めを図る径大な上部30U、吸気孔66の下端を開閉すると共にシール部材30の上方への移動を弁座67以外の箇所で阻止できる逆止弁68を設け、このように栓体本体11に吸気弁構造65を設けたから、弾性部材からなる閉塞部材15により止水を行っているが、ストローユニット19から吸引を行った際は、シール部材30の逆止弁68が変形することにより密閉が解除され、連続吸引が可能となる。
また、吸気孔66に通気弁たる逆止弁68が装着されているから、弾性部材により止水を行っているが、ストローユニット19から吸引を行った際は、吸気弁構造65が開くことにより密閉が解除され、連続吸引が可能となる。
さらに、通気弁たる逆止弁68が減圧時に弾性変形するから、容器本体2内が大気圧より低くなると、通気弁が弾性変形して開き、容器本体2の内部を大気圧に保つことができる。
以下に、他の実施例について説明する。尚、前記各実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図23、図24に示す実施例5では、軸部材55には弁部57及びシール部材58を設けずに、軸部材55の下端にシール部材70を取り付けており、このシール部材70はシリコンゴムやエラストマー樹脂等の弾性部材からなる。軸部材55の軸本体56の下部に鍔部56Rを設け、この鍔部56Rの下部に取付受部たる頭部56Tが設けられ、シール部材70は円柱状の本体71の上部に、前記頭部56Tに外嵌する取付部72を備え、この取付部72に頭部56Tを嵌入固定することにより、軸部材55の下部にシール部材70が着脱可能に取り付けられる。さらに、前記内筒体53の内周面には、高さ方向略中央に位置決め突起53Tを設け、この位置決め突起53Tは内鍔状に周設されており、位置決め突起53Tの下面に前記鍔部56Rが当接することより、軸部材55の上限位置が規制される。
また、シール部材70は、前記取付部72の下方に逆止弁73を一体に備える。この逆止弁73は平面視で円環状に形成されると共に、上面側が凹となる湾曲状の薄板状をなし、その逆止弁73の外縁部73Sは鍔状に広がり、外縁部73Sの上面側が前記弁座52Kに面接触状態で密着して前記通気孔54を閉成するものである。さらにシール部材70は下側にストレート状のつまみ部71Aを有し、使用者が外し易いようになっている。
上記のように前記弁座52K,軸部材55,弾性部材固定部品59,コイルスプリング60及び逆止弁73により、吸気弁構造74を構成している。そして、摺動先端部56Sが中央凸部61に当接して軸部材55が押し下げられた状態で、逆止弁73の外縁部73Sが弁座67から離れ、通気孔54が開き、摺動先端部56Sが傾斜部61Kを通過する間に逆止弁73の外縁部73Sが弁座67に当接して通気孔54が閉じる。
また、摺動先端部56Sが前,後側凸部62,63の位置では位置決め突起53Tに鍔部56Rが当接することにより軸部材55の上限位置が規定され、この状態で、容器本体2の内部と外部の圧力が同一の状態では、弾性により逆止弁73が弁座52Kに当接して通気孔54は閉まり、容器本体2の内圧が外圧より高くなると、逆止弁73が弁座52Kに圧接して通気孔54は閉まっており、一方、容器本体2の内圧より外圧が高くなると、その圧力差により逆止弁73が変形して弁座52Kから離れ、通気孔54が開き、容器本体2の内圧と外圧が同じになると、逆止弁73が閉まる。
そして、図24(係止部材前端位置で蓋ロック・通気孔閉状態)に示すように、前端位置の係止部材8の係止部8Aが係止受け部10に係止して蓋7を閉状態でロックしたときには後側凹部63が軸部材55の位置にあり、位置決め突起53Tに鍔部56Rが当接し、逆止弁73の外縁部73Tが弁座52Kに圧接することにより吸気孔66が閉塞されており、使用者が操作部9を押すと、蓋ロックで通気孔開状態となり、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、前側位置から係止部8Aが後方に移動して中央凸部61がコイルスプリング60の付勢に抗して摺動先端部56Sを押し下げ、これにより弁座52Kから逆止弁73の外縁部73Sが離れて通気孔54が開成し、通気孔54から内圧が開放され、ここから係止部材8が後側に移動すると、蓋ロックの係止部材後方位置で通気孔閉状態となり、係止部8Aが係止受け部10に係止した蓋7のロック状態で、摺動先端部56Sの上に前側凹部62が位置し、位置決め突起53Tに鍔部56Rが当接し、逆止弁73の外縁部73Sが弁座52Kに圧接することにより通気孔54が閉塞された後、さらに係止部材8が後側に移動すると、係止部材後端位置で蓋ロック解除で通気孔閉状態となり、係止部8Aが係止受け部10から外れ、係止部材8は後端位置となり、蓋7を開くことができ、同時に弾性係止爪43が後縁41Fに係合して保持され、係止部材8が位置固定される。尚、係止部材8の前端位置では案内横軸35が案内孔34の後縁に係止し、弾性係止爪43が後縁41Fに係止した位置では、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止しているか、或いは、案内横軸35と案内孔34の前縁との間に隙間があってもよく、隙間がある場合は、係止部材8を後側に押すと、隙間分だけ係止部材8が僅かに後方に移動し、案内横軸35が案内孔34の前縁に係止し、この位置が後端位置となる。また、係止部材8の前端位置で案内横軸35が案内孔34の後縁との間に隙間があってよく、この場合は、係止受け部10の後面に係止部8Aの前面が当接する。そして、蓋7を開くと、ストローユニット19の飲み口部19Aがその弾性復元力により立ち上がり、容器本体2内の飲料を吸引することができる。
本実施例では、貫通孔51に連通して通気孔54を設け、通気孔54の下部の周囲に弁座52Kを設け、前記通気孔54内に軸部材55を上下動可能に設け、この軸部材55の下部に前記弁座52Kに当接して前記通気孔54の下部を開閉可能な逆止弁73を設けると共に、前記軸部材55を上方の貫通孔51側に付勢する付勢手段たるコイルスプリング60を設けたから、蓋7を開く前に係止部材8により通気孔54を開くことで、湯や温かいお茶などを収容した容器本体2の内部を排気していったん大気圧状態として再び密封し、そして蓋7を開いた後において飲料を吸い出した状態で容器本体2の内部が負圧になっても、吸気弁構造74によって容器本体2の内部を大気圧に保つことができるものであって、係止部材8により降下して通気孔54を開く軸部材55を用いて、容器本体2の内部と外部の圧力差により開閉する吸気弁構造74を構成することができる。また蓋7を閉める際は同様に蓋7が弾性係止爪43に当接して、係止部材を閉状態の位置に戻すことができる。