JP2013172646A - プリン様食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 約200℃以上の高い温度で焼成することにより、衛生的で比較的長く日持ちし、被覆した焼成パイ生地のパリッとした食感とプリン様のとろっとした食感が相まって食味が増強され、従来にない新しい食味、食感が得られる優れた品質の新感覚デザート及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 容器にプリン原料を充填し、当該容器の上面をパイ生地で被覆した後、被覆したパイ生地とプリン原料を200℃以上の温度で同時に加熱することにより、衛生的で比較的長く日持ちするとともに、従来にない新しい食味、食感のプリン様食品を製造することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】 容器にプリン原料を充填し、当該容器の上面をパイ生地で被覆した後、被覆したパイ生地とプリン原料を200℃以上の温度で同時に加熱することにより、衛生的で比較的長く日持ちするとともに、従来にない新しい食味、食感のプリン様食品を製造することができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、容器の上面がパイ生地で被覆され、かつプリン原料が充填されている当該容器を約200℃以上の温度で加熱することで、被覆したパイ生地の焼成とプリン様原料の加熱が同時に行われ、従来にない新しい食味と独特の風味、優れた品質を呈することを特徴とするプリン様食品及びその製造方法に関する。
プリンは大きく分けて、(1)卵、牛乳、砂糖に寒天やゼラチンを含有させ冷却して固化させたものと、(2)卵、牛乳、砂糖等の原料を含有させ蒸すか又はオーブンで蒸し焼きにし加熱により固化させたもの(焼プリン)が公知であり、冷やして食する冷製デザートとして一般的に知られている食品である。
デザートの一種であるプリンは、最近消費が増加し、各種の製品が市販されている。これらの市販品の大部分は、単に容器にプリン原料だけが充填されたものがほとんどであり、一部の市販品には、容器に充填されたプリンの粘度を調整しとろみを強調したもの、反対に硬さを強調したもの、または、野菜・果物類を含有させ風味、組織に変化を加えたものが散見されるが、大筋では画一的である。また、従来のプリンは冷やして食べることを想定して製造されているが、温めて食したいと希望した場合、従来のプリンを温めると、ゼラチンや寒天で固化させているプリンについては完全に液状化し、焼プリンについては、再加熱により、固化が進行し、プリン本来の食感、風味が失われてしまう。
焼プリンの製造法については、従来、プリンミックスを充填したプラスチックカップを水又は温湯に浸漬して140℃の温度で、焼成する方法が知られている(特許文献1)。この方法においては、160℃以上の温度で焼成した場合、ベースの側面部に気泡が多数発生したり、又、焼成温度が高温になるほどプラスチックカップの熱変形が生じ易く、容器としてプラスチックカップが使用できなくなる、との理由から、160℃以上の高温での焼成が不可能であった。更に、この方法においては、プラスチックカップが浸かる程度にお湯を張ったバット内で焼成を行うことから、熱伝導率が高くなり、160℃以上の高温で焼成を行った場合、プリンの組織が劣化する等の問題があった。この問題を解決するため、容器に充填したプリン原料の上面にゼラチンを含む微細な気泡を含有する泡状原料を充填し、各原料を充填した容器を水又は温湯に浸漬せずに少なくとも160℃の温度で加熱し、該泡状原料を焼成することが提案されている。
本発明者らは、プリンを容器に充填し、容器の上部を焼成パイ生地で被覆したプリン様食品を開発した。容器に被覆したパイ生地を焼き上げるためには、約200℃以上の温度で焼成することが必要であるが、従来のプリン原料を約200℃以上の温度で加熱すると、完全に液状化したり、あるいは逆に固化する等して、本発明者らが目的とする加熱した際にとろっとして、焼成したパイ生地と絡まりやすいプリン様食品を得ることはできなかった。また、約200℃以上の高い温度では、プリンの組織が劣化するという問題があるため、喫食時に再加熱して温め、食しても好ましい食感と風味が得られなかった。
そこで、本発明においては、約200℃以上の高い温度で加熱し、被覆した焼成パイ生地のパリッとした食感とプリン様のとろっとした食感が相まって食味が増強されることによって、従来にない新しい食味が得られ、かつ、優れた風味と、優れた品質の新感覚デザート及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、プリン原料の一成分として卵を極力減らす、もしくは、まったく使用せず、適量のゼラチンと加工澱粉を使用することにより、約200℃以上の高い焼成温度においても、プリン原料と被覆したパイ生地が同時に加熱されることで、従来にない新しい食味と食感のプリン様食品を製造することができることを見出し、さらに鋭意検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
(1)容器と、当該容器に充填されたプリンと、当該容器の上面を被覆した焼成パイ生地とを含むプリン様食品、
(2)プリン原料は、少なくともゼラチン及び加工澱粉を含有し、卵の含有量が約1.0重量%以下であることを特徴とする前記(1)項記載のプリン様食品、
(3)前記加工澱粉の含有量は約2.76〜約7.23重量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)項記載のプリン様食品、及び
(4)容器にプリン原料を充填し、当該容器の上面をパイ生地で被覆した後、被覆したパイ生地とプリン原料を200℃以上の温度で同時に加熱する工程を含む、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載のプリン様食品の製造方法
に関する。
(1)容器と、当該容器に充填されたプリンと、当該容器の上面を被覆した焼成パイ生地とを含むプリン様食品、
(2)プリン原料は、少なくともゼラチン及び加工澱粉を含有し、卵の含有量が約1.0重量%以下であることを特徴とする前記(1)項記載のプリン様食品、
(3)前記加工澱粉の含有量は約2.76〜約7.23重量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)項記載のプリン様食品、及び
(4)容器にプリン原料を充填し、当該容器の上面をパイ生地で被覆した後、被覆したパイ生地とプリン原料を200℃以上の温度で同時に加熱する工程を含む、前記(1)〜(3)項のいずれかに記載のプリン様食品の製造方法
に関する。
本発明によって奏せられる効果は、次のとおりである。
(1)最適加熱温度の異なるプリン原料とパイ生地を同時に加熱することが可能となる。
(2)焼き生地等の固形物と混ぜれば食味が増強される。
(3)従来のプリン原料では温めると物性及び組織が劣化するが、本発明によると温めても好ましい食感を呈する。
(4)200℃以上の高温で加熱するので、日持ちのよい製品が得られる。
(5)独特の風味及び新規性のある食感を有するプリン様食品が供せられる。
(1)最適加熱温度の異なるプリン原料とパイ生地を同時に加熱することが可能となる。
(2)焼き生地等の固形物と混ぜれば食味が増強される。
(3)従来のプリン原料では温めると物性及び組織が劣化するが、本発明によると温めても好ましい食感を呈する。
(4)200℃以上の高温で加熱するので、日持ちのよい製品が得られる。
(5)独特の風味及び新規性のある食感を有するプリン様食品が供せられる。
本発明は、容器と、当該容器にプリン原料に充填されたプリン原料と、当該容器の上面を被覆した焼成パイ生地とを含むプリン様食品及びその製造方法、に関する。
本発明における「プリン様食品」は、被覆したパイ生地とプリン原料が約200℃以上の温度で同時に加熱されることにより、パイ生地は焼成され、プリン原料は温められる。したがって、本発明における「プリン様食品」は、容器に充填されたプリン原料の上面に焦げ目を付した、いわゆる焼プリンとは全く異なるものである。
本発明に使用する容器は、上部(開口部)をパイ生地で蓋をするように被覆できればよく、容器の形状、種類、材質は特に問わないが、約200℃以上の高温で加熱処理を行うため、200℃以上の温度でも変形しない耐熱性の容器を採用することが好ましい。例えば、ポリプロピレン(PP)製、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の容器(例えば、90パイ ホットパイカップ、リスパック株式会社製等)を使用することができる。
本発明に使用するプリン原料に含まれる材料としては、牛乳、乳等を主原料とする食品(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令における「乳」及び「乳製品」の定義に当てはまらない食品、例えば、メルメロー110(株式会社カネカ製;食用植物油脂、乳製品、糖類、還元水あめ、乳蛋白、pH調整剤、香料、乳化剤)、グランデリカYRC15(不二製油株式会社製;植物油脂、クリーム、脱脂粉乳、乳化剤、pH調整剤)等)、水、ゼラチン、加工澱粉、澱粉、砂糖、pH調製剤等が挙げられる。必要に応じて、バニラエッセンス、プリンフレーバー、ラム酒、バニラビーンズ、β−カロチン等が添加される。このうち、本発明に使用するプリン原料には、少なくともゼラチン及び加工澱粉が含まれる。また、本発明に使用するプリン原料は、卵を全く含まないか、あるいは、卵の含有量が約1.0重量%以下である。
また、本発明に使用するプリン原料には、野菜、果物類の固形、ペースト、ピューレ、チョコレート、抹茶、紅茶パウダー、コーヒーパウダー、チーズ等の乳製品、香辛料を加え風味付けを行ったり、マシュマロ、クラッカー等の菓子を加えることにより食感に変化を与えてもよい。
本発明に使用するゼラチンとしては、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したものであれば特に限定されず、例えば、板ゼラチン、顆粒ゼラチン、粉末ゼラチン等が挙げられる。
本発明に使用する加工澱粉は、澱粉(馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉等)に化学的処理(アセチル化処理、酸化処理、エーテル化処理、エステル化処理等)、酵素的処理(α−アミラーゼ処理、β−アミラーゼ処理、グルコアミラーゼ処理、ブルラナーゼ処理等)又は物理的処理(乾燥処理、酸処理、アルカリ処理、漂白処理等)を施したものであれば特に限定されない。加工澱粉として、例えば、酸化デンプン、酢酸デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸化架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム等を用いることができる。
本発明に使用するプリン原料に含まれる加工澱粉の含有量は、少なくとも約2.76重量%、好ましくは約2.76〜約7.23重量%、より好ましくは約3.74〜約5.1重量%である。加工澱粉が約2.76重量%未満であると、液状となるためとろみがなく、パイ生地に絡ませるのに不十分である。また、加工澱粉が約7.23重量%を超えると、糊状の物性となるためプリンらしいとろみがなく、プリンと焼成パイ生地と絡めにくくなる。また、ゼラチンの含有量は、少なくとも約0.8重量%、好ましくは約0.8〜約1.6重量%、より好ましくは約1.4〜約1.6重量%である。
本発明に使用するパイ生地としては、従来公知のパイ生地を使用することができる。
本発明のプリン様食品の製造方法について、説明する。まず、プリン原料の成分の所定量を均一に溶解し、均質化し、常法により加熱し、約90〜約95℃の温度に調製する。調製したプリン原料は、常法により、容器に充填する。尚、プリン原料を容器に充填する前に、公知のカラメルソースを容器に充填し、その上にプリン原料を充填してもよい。その後、プリン原料が充填された容器の上部(開口部)に蓋をするようにパイ生地等を被覆する。パイ生地に好ましい焦げ目を生成させるため、被覆したパイ生地に液卵を噴霧してもよい。
続いて、被覆したパイ生地とプリン原料を約200℃以上の温度で同時に加熱する。従来公知のプリン原料は、好ましい加熱温度が約170〜約180℃であったため、好ましい加熱温度が約230℃であるパイ生地と同時に加熱することはできなかった。しかし、本発明のプリン原料は、好ましい加熱温度が約120〜約230℃であるため、パイ生地と同時に約200℃以上の温度で加熱することができる。
本発明のプリン様食品の製造方法において加熱は、公知の器具を用いて、例えば、次のように実施される。調製したプリン原料を充填し、パイ生地を被覆した容器を、孔を設けた天板に乗せ、水又は温湯に容器を浸漬せずに少なくとも約200℃(好ましくは約200〜約230℃)の温度で約20〜約30分間、市販のオーブンを用いて行われる。
使用するオーブンは、加熱空気を循環させる方式のものが好ましく、市販のレベントオーブン(レベント社製)等を例示することができる。又、オーブンでは、約200〜約230℃(望ましくは約230℃)に調整するのが、本発明の製造方法の実施に特に好適である。
容器に内容物を充填した後、上部をパイ生地で被覆し孔を設けた天板に置き、公知のオーブンにて約200℃以上で加熱すると、従来のプリン原料であれば温度が高くなるに連れて、プリン原料から気泡が発生し、卵の成分が固化しプリンの組織が劣化するが(一般的にすが入るといわれる現象)、本発明においては、プリン様原料から卵の成分を極力減らすか、全く含まれていないため、オーブン内を加熱空気等で循環させる手段を用いるのが好ましい。
当該容器を加熱後、常法により冷却し、包装用容器に収納し、製品は完成する。
プリン原料に少なくともゼラチンと加工澱粉を含有させ、かつ、卵の含有量を極力抑えるか、または使用しないことにより、少なくとも約200℃の高温度の加熱工程において、プリン原料からの気泡の発生を防止することができ、また、被覆したパイ生地に好ましい焦げ目を付与することが可能となる。更に冷却後は離水せずに、喫食する際の再加熱時はプリン様のとろっとした優れた食感の製品が得ることができる。
以上の構成を採用することにより、プリン様組織が劣化することがなく、喫食する際に再加熱して温め、食しても好ましい食感と風味が得られ、本格的な生地包みプリン様食品を、衛生的に製造することができ、本発明の方法は、焼成パイ生地で被覆されたプリン様食品の製造方法として画期的な方法である。
本発明のプリン様食品は、例えば電子レンジ等を用いて再加熱して食することができる。再加熱することにより、プリン様食品のプリン部分がとろっとした状態になり、焼成パイ生地と絡まりやすいため、好ましい食感を得ることができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
牛乳1050g、乳等を主原料とする食品(メルメロー110、株式会社カネカ製;食用植物油脂、乳製品、糖類、還元水あめ、乳蛋白、pH調整剤、香料、乳化剤)825g、水625.8gに砂糖300g、加工澱粉製剤(加工澱粉と澱粉の割合を85:15に調製した添加物)(商品名:松谷いちじく、松谷化学工業株式会社製;ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン70%(原料:とうもろこし)、ヒドロキシプロピルデンプン15%(原料:とうもろこし)、コーンスターチ15%(原料:とうもろこし))135g、ゼラチン45g、pH調整剤15g、バニラエッセンス1.2g、プリンフレーバー0.9g、ラム酒0.09g、バニラビーンズ0.6g、β−カロチン0.6gを添加し均一に溶解し、必要に応じて均質化したプリン原料を鍋に入れ、ガスコンロにより加熱したのち90〜95℃の温度に調整し、耐熱性容器(90パイ ホットパイカップ、リスパック株式会社製、材質:ポリエチレンテレフタレート(C-PET))に1個の容器当たりプリン原料90mlを充填した。プリン様原料が充填された該容器上方にパイ生地等を被覆し、好ましい焦げ目を生成させるためパイ生地に液卵を噴霧した。
牛乳1050g、乳等を主原料とする食品(メルメロー110、株式会社カネカ製;食用植物油脂、乳製品、糖類、還元水あめ、乳蛋白、pH調整剤、香料、乳化剤)825g、水625.8gに砂糖300g、加工澱粉製剤(加工澱粉と澱粉の割合を85:15に調製した添加物)(商品名:松谷いちじく、松谷化学工業株式会社製;ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン70%(原料:とうもろこし)、ヒドロキシプロピルデンプン15%(原料:とうもろこし)、コーンスターチ15%(原料:とうもろこし))135g、ゼラチン45g、pH調整剤15g、バニラエッセンス1.2g、プリンフレーバー0.9g、ラム酒0.09g、バニラビーンズ0.6g、β−カロチン0.6gを添加し均一に溶解し、必要に応じて均質化したプリン原料を鍋に入れ、ガスコンロにより加熱したのち90〜95℃の温度に調整し、耐熱性容器(90パイ ホットパイカップ、リスパック株式会社製、材質:ポリエチレンテレフタレート(C-PET))に1個の容器当たりプリン原料90mlを充填した。プリン様原料が充填された該容器上方にパイ生地等を被覆し、好ましい焦げ目を生成させるためパイ生地に液卵を噴霧した。
上記容器をオーブン(レベント社製)により230℃で18分間焼成した後、冷却し、合成樹脂製ケースに入れラップフィルムで容器を密封し、プリン様食品27個を得た。
(官能検査)
8名からなるテストパネルによる比較法に基づいて、各試料について、プリンの組織及び焼成パイ生地の焦げ目の状態を肉眼的に観察し、電子レンジ(500W)で1分20秒温めたときのプリン様食品の風味を官能的に、それぞれいずれをよしとするかを相対的に評価した。
8名からなるテストパネルによる比較法に基づいて、各試料について、プリンの組織及び焼成パイ生地の焦げ目の状態を肉眼的に観察し、電子レンジ(500W)で1分20秒温めたときのプリン様食品の風味を官能的に、それぞれいずれをよしとするかを相対的に評価した。
(結果)
パイ生地の焦げ目については、実施例1と比較例1を対比すると差はなかったが、実施例1は、プリンの組織及びプリン様食品の風味の各試験項目において、比較例1よりも有意に優れていた。実施例1のプリン様食品は、好ましい高級感のある焼菓子風の外観及び風味を有しており、電子レンジで温めて食するとプリン様の好ましい食感と独特の食味を呈した。この結果から、本発明のプリン様食品は、従来にはない、新しい食味、食感を有する食品である。
パイ生地の焦げ目については、実施例1と比較例1を対比すると差はなかったが、実施例1は、プリンの組織及びプリン様食品の風味の各試験項目において、比較例1よりも有意に優れていた。実施例1のプリン様食品は、好ましい高級感のある焼菓子風の外観及び風味を有しており、電子レンジで温めて食するとプリン様の好ましい食感と独特の食味を呈した。この結果から、本発明のプリン様食品は、従来にはない、新しい食味、食感を有する食品である。
(実施例2)最適な卵含有量の範囲の検証
実施例1におけるプリン原料の組成において、卵の含有量を変化させることで、最適な食感・食味が得られる範囲の検証を行った。表2にその組成(重量%)を示す。尚、製造条件は実施例1と同様である。
実施例1におけるプリン原料の組成において、卵の含有量を変化させることで、最適な食感・食味が得られる範囲の検証を行った。表2にその組成(重量%)を示す。尚、製造条件は実施例1と同様である。
(官能検査)
8名からなるテストパネルに、各試料について、電子レンジ(500W)で1分20秒温めたときのプリンらしいとろみ感(以下;評価項目1)、及び、パイ生地との絡め易さ(以下;評価項目2)について評価してもらった。その結果を表3に示す。評価項目1については、非常にプリンらしいとろみがあるものを「◎」、プリンらしいとろみがあるものを「○」、ややプリンらしいとろみがあるものを「△」、プリンらしいとろみが全く無いものを「×」とした。評価項目2については、プリン原料とパイ生地が絡みやすく非常に適しているものを「◎」、適しているものを「○」、やや適しているものを「△」、全く適さないものを「×」とした。
8名からなるテストパネルに、各試料について、電子レンジ(500W)で1分20秒温めたときのプリンらしいとろみ感(以下;評価項目1)、及び、パイ生地との絡め易さ(以下;評価項目2)について評価してもらった。その結果を表3に示す。評価項目1については、非常にプリンらしいとろみがあるものを「◎」、プリンらしいとろみがあるものを「○」、ややプリンらしいとろみがあるものを「△」、プリンらしいとろみが全く無いものを「×」とした。評価項目2については、プリン原料とパイ生地が絡みやすく非常に適しているものを「◎」、適しているものを「○」、やや適しているものを「△」、全く適さないものを「×」とした。
(結果)
上記結果より評価項目1及び2ともに、試験区1(0%)及び試験区2(1.0%)がプリンらしいとろみを有し、かつ、パイ生地と絡みやすい良好な食感であり、特に試験区1(0%)が最適であることが示された。試験区3〜5(3.0〜7.0%)の範囲になると、パイ生地に絡ませて食すことができるが、卵がやや固化するため、ざらざらとした舌触りとなり、プリンらしいとろみ感が認められない結果となった。試験区6(10%)となると、卵が固化してそぼろ状になり、なめらかさが無くなることから、パイ生地に絡めて食すのに適さなかった。
上記結果より評価項目1及び2ともに、試験区1(0%)及び試験区2(1.0%)がプリンらしいとろみを有し、かつ、パイ生地と絡みやすい良好な食感であり、特に試験区1(0%)が最適であることが示された。試験区3〜5(3.0〜7.0%)の範囲になると、パイ生地に絡ませて食すことができるが、卵がやや固化するため、ざらざらとした舌触りとなり、プリンらしいとろみ感が認められない結果となった。試験区6(10%)となると、卵が固化してそぼろ状になり、なめらかさが無くなることから、パイ生地に絡めて食すのに適さなかった。
(実施例3)最適な加工澱粉の含有量の範囲の検証
実施例1におけるプリン原料の組成において、加工澱粉の含有量を変化させることで、最適な食感・食味が得られる範囲の検証を行った。表4にその組成(重量%)を示す。
製造条件及び使用した加工澱粉の種類は実施例1と同様である。
実施例1におけるプリン原料の組成において、加工澱粉の含有量を変化させることで、最適な食感・食味が得られる範囲の検証を行った。表4にその組成(重量%)を示す。
製造条件及び使用した加工澱粉の種類は実施例1と同様である。
(まとめ)
上記結果より評価項目1及び2ともに試験区2〜5(2.76〜7.23%)の範囲がプリンらしいとろみがあって、かつ、パイ生地と絡みやすい良好な食感であり、特に試験区3及び試験区4(3.74〜5.1%)の範囲が最適であることが示された。試験区1(2.55%)では、ややとろみがあるが、ほぼ液状のため、パイ生地と絡ませにくくなり、対照区(0%)では液状でとろみが無く、パイ生地と絡ませるには不適であった。一方、試験区6(7.44%)となると、プリンらしいとろみ感があまり無くなることから、糊状の物性となり、やや粘度が高く、パイ生地と絡めて食するには不適という結果になった。
上記結果より評価項目1及び2ともに試験区2〜5(2.76〜7.23%)の範囲がプリンらしいとろみがあって、かつ、パイ生地と絡みやすい良好な食感であり、特に試験区3及び試験区4(3.74〜5.1%)の範囲が最適であることが示された。試験区1(2.55%)では、ややとろみがあるが、ほぼ液状のため、パイ生地と絡ませにくくなり、対照区(0%)では液状でとろみが無く、パイ生地と絡ませるには不適であった。一方、試験区6(7.44%)となると、プリンらしいとろみ感があまり無くなることから、糊状の物性となり、やや粘度が高く、パイ生地と絡めて食するには不適という結果になった。
200℃以上の高い温度で焼成することにより、衛生的で比較的長く日持ちし、被覆した焼成パイ生地のパリッとした食感とプリン様のとろっとした食感が相まって食味が増強され、従来にない新しい食味、食感が得られる優れた品質の新感覚デザートを提供することができる。
Claims (4)
- 容器と、当該容器に充填されたプリンと、当該容器の上面を被覆した焼成パイ生地とを含むプリン様食品。
- プリン原料は、少なくともゼラチン及び加工澱粉を含有し、卵の含有量が1.0重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のプリン様食品。
- 前記加工澱粉の含有量は2.76〜7.23重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリン様食品。
- 容器にプリン原料を充填し、当該容器の上面をパイ生地で被覆した後、被覆したパイ生地とプリン原料を200℃以上の温度で同時に加熱する工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のプリン様食品の製造方法。
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