JP2013172512A - 圧電アクチュエーター及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電極面積に影響を及ぼさない、可逆的な縦・屈曲共振周波数の調整手段を実現する圧電アクチュエーター及び電子機器を提供する。
【解決手段】圧電アクチュエーター1は、補強板10の対向する両側面に配設した一対の圧電体層20と、補強板10の長手方向の一端に配設した突部30と、突部30が押圧しつつ駆動する被駆動部9と、圧電体層20の両面に電極と、を備え、圧電体層20を駆動して屈曲振動が発生する圧電アクチュエーター1であって、屈曲振動が起きている際に特定される、補強板10の中央部以外の節点近傍、あるいは節点から補強板10の周縁側に外れた位置に、重り40を設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧電アクチュエーター及び電子機器に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載されているように、圧電振動体を用いた圧電モーター(圧電アクチュエーター)が知られている。このような圧電振動体では材料特性及び形状・寸法により共振周波数が決まるが、圧電材料の特性がばらつきやすいこと、また圧電振動体の加工寸法にも製造上の誤差が生じることから、個々の振動体における共振周波数の調整が欠かせない。また、特許文献1に記載されているような複数の振動モードを用いるタイプの圧電モーターでは、必要な駆動特性を得るために、各共振周波数の相対値を所望の値に調整する必要がある。ここで共振周波数調整の方法として駆動電極上に設けたパターンを切断して駆動のアンバランス量を変えることによって各共振周波数を調整する方法が知られていた。
特許第4529889号公報
しかしながら、特許文献1に記載の圧電振動体の調整方法では、駆動電極上に設けたパターンを切断して駆動のアンバランス量を変えるため、縦振動及び屈曲振動の共振周波数の相対値を調整できるものの、調整によって駆動面積が変更されてしまい、電気的な特性が個体によってまちまちになってしまう。調整が不可逆なため調整が1方向からしか行えず、行き過ぎた場合の再調整を行えない。調整に伴って縦振動及び屈曲振動の両方の共振周波数が動いてしまうため、望ましい駆動特性が得られる駆動周波数が各個体間で大きく異なってしまい駆動制御が複雑になるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る圧電アクチュエーターは、補強板の対向する両側面に配設した一対の圧電体層と、前記補強板の長手方向の一端に配設した突部と、該突部が押圧しつつ駆動する被駆動部と、前記圧電体層の両面に電極と、を備え、前記圧電体層を駆動して屈曲振動が発生する圧電アクチュエーターであって、前記屈曲振動が起きている際に特定される、前記補強板の中央部以外の節点近傍、あるいは該節点から前記補強板の周縁側に外れた位置に、重りを設けたことを特徴とする。
本適用例によれば、共振周波数調整用の重りを屈曲振動の中央以外の節点付近かそのやや外側に設けたので、屈曲振動の共振周波数に対する影響が非常に少ない状態で、縦振動の共振周波数を所望の値に調整することができる。また、調整後も共振周波数の変動が少ないので、望ましい駆動特性が得られる駆動周波数が各個体間でばらつかない。駆動周波数による個体の選別や、駆動周波数のトレーニング動作を行わなくてよいため、圧電アクチュエーターの適用範囲や信頼性が増し、低コスト化を実現できる。
[適用例2]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記補強板は導体であることを特徴とする。
本適用例によれば、補強板が導体であるため圧電素子の補強板側の電極への配線を補強板で兼ねることができるので、圧電アクチュエーターの組立て性が向上し、低コストで製造することができる。
[適用例3]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記重り内面に絶縁部と導通部とを備え、前記導通部によって前記一対の圧電体層の前記補強板と反対側の電極を接続することを特徴とする。
本適用例によれば、上下の圧電素子それぞれに配線を行う必要がなくなるため、生産性が向上し、圧電アクチュエーターを低コストで製造することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の圧電アクチュエーターにおいて、前記重りを複数個設けたことを特徴とする。
本適用例によれば、正転及び逆転を行う圧電アクチュエーターにおいて、縦振動及び屈曲振動の共振周波数の調整を、屈曲振動の中央部以外の節点近傍かやや自由端寄りに設けた複数の付加質量により行うため、調整による駆動面積の変更がなく、電気的な特性の個体差が生じにくい。
[適用例5]本適用例に係る電子機器は、上記のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーターを備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、上記記載の圧電アクチュエーターと同様の効果を奏することができ、これにより、動作信頼性の高い電子機器を構成及び製造することができる。このような電子機器として、腕時計等の時計や、カメラ等を例示することができる。
実施形態1に係る時計を示す外観図。 実施形態1の時計のムーブメントに組み込まれた日表示装置を示す平面図。 図2の圧電アクチュエーターを示す部分拡大図。 実施形態1に係る圧電アクチュエーターを示す正面図。 図4に示す圧電アクチュエーターのIV−IV´線に沿う断面図。 圧電素子に印加する駆動周波数とインピーダンス・振幅との関係を示す図。 図5の付加質量を示す部分拡大図。 実施形態2に係る圧電アクチュエーターを示す正面図。 付加質量の内面電極を示す配置図。 付加質量を示す断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る時計を示す外観図である。本実施形態に係る電子機器としての時計400は、駆動装置であるムーブメント402と、このムーブメント402を収容するケース403とを備えた腕時計である。時計の種類は電子時計(クオーツ)であり、本実施形態の時計400はアナログ・クオーツとして構成され、ムーブメント402には文字盤401及びりゅうず404が取り付けられている。文字盤401の略中央には、秒針405、分針406、時針407がそれぞれ設けられている。また、文字盤401の3時位置には略矩形状の窓部434が設けられ、この窓部434からは文字盤401の背面側に設けられた日車433の回転により、日車433に印字された日(カレンダー)が順次表示される。
ここで秒針405、分針406、時針407を駆動する構成は通常のアナログ・クオーツと同様のものであって、水晶振動子が組み込まれた回路基板と、コイル、ステーター、ローターを有するステッピングモーターと、駆動輪列と、動力源である電池424とを備えて構成されている。この構成では、水晶振動子で発振され、回路ブロックを経て分周されたパルス信号により、ステッピングモーターが駆動する。そして、ステッピングモーターの駆動力が駆動輪列で伝達されることにより、秒針405、分針406、時針407がそれぞれ駆動される。
図2は、本実施形態の時計400のムーブメント402に組み込まれた日表示装置430を示す平面図である。言い換えると、ムーブメント402を文字盤401側より見た平面図であり、ここではムーブメント402に組み込まれた日表示装置430が示されている。図3は、図2の圧電アクチュエーター1を示す部分拡大図である。日表示装置430は、前述の窓部434と日車433と、減速輪列である日回し中間車431及び日回し車432を介して日車433を駆動する圧電アクチュエーター1とを備えて構成され、圧電アクチュエーター1、日回し中間車431、日回し車432、日車433は、地板423にそれぞれ設けられている。
なお、図2中、地板423の背面側には、ステッピングモーターに接続されて指針を駆動する駆動輪列(図示せず)や、電池424等が設けられている。電池424は、ステッピングモーターや圧電アクチュエーター1、印加装置(図示せず)の各回路に電力を供給する。
日回し中間車431は、大径部441と小径部442とから構成されている。小径部442は、大径部441よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部442Aが形成されている。この小径部442は、大径部441に対し、同心をなすように固着されている。大径部441には、ローター9上部の歯車91が噛合しており、日回し中間車431は、ローター9の回転に連動して回転する。
日回し中間車431の側方の地板423には、板バネ443が設けられており、この板バネ443の基端部が地板423に固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ443の先端部は、日回し中間車431の切欠部442Aに出入可能に設けられている。板バネ443に近接した位置には、接触子444が配置されており、この接触子444は、日回し中間車431が回転し、板バネ443の先端部が切欠部442Aに入り込んだときに、板バネ443と接触するようになっている。そして、板バネ443には、所定の電圧が印加されており、接触子444に接触すると、その電圧が接触子444にも印加される。したがって、接触子444の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車433の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車433の回転量は、板バネ443や接触子444を用いたものに限らず、ローター9や日回し中間車431の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどが利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクター、フォトインタラプター、MRセンサー等の各種の回転エンコーダー等が利用できる。
日回し車432は、五歯の歯車を有しており、日車433の内歯車461に噛合している。また、日回し車432の中心には、シャフト451が設けられており、このシャフト451は、地板423に形成された孔425に遊挿されている。孔425は、日車433の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車432及びシャフト451は、地板423に固定された板バネ445によって図2の右上方向に付勢されている。この板バネ445の付勢作用によって日車433の揺動も防止される。
日車433は、ムーブメント402の外周部に配置されるリング状の歯車であって、内周に内歯車461が形成され、31日で1回転している。また、日車433の周上には、「1」〜「31」までの数字が印字されている。
圧電アクチュエーター1は、図3に示すように、日回し中間車431に駆動力を伝達する歯車91を備えたローター9と、このローター9を回転運動させる振動体5とを備えて構成されている。ローター9は、日回し中間車431と振動体5との間に配置され、日の変わり目に送られる円板状の回転体である。ローター9の外周には、振動体5が有する突部30が当接され、振動体5の振動が伝達されている。なお、ローター9は、板バネ92によって振動体5側に付勢され、振動体5の突部30とローター9側面との間に適切な摩擦力が発生することで圧電アクチュエーター1の駆動力が良好な効率で伝達される。
図4は、本実施形態に係る圧電アクチュエーター1を示す正面図である。図5は、図4に示す圧電アクチュエーター1のIV−IV´線に沿う断面図である。言い換えると、圧電アクチュエーター1の幅方向を示す断面図である。圧電アクチュエーター1は、振動体5とローター9からなる。振動体5は導体平板である補強板10とその両側面に配設した一対の圧電体層としての圧電素子20、重りとしての付加質量40から構成されている。
補強板10はステンレス鋼、その他の材料などから圧延などにより構成され、短辺側にローター9と当接する略円弧状の突部30を矩形状の部分と一体的に設けている。また補強板10の略中央には幅方向に突出する腕部11が略直角に延びておりこの腕部11には孔部12が設けられている。
圧電素子20は補強板10の両面の略矩形状の部分に、エポキシ系樹脂等の接着剤を用いて強固に接着されている。圧電素子20材料は特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等各種のものを用いることができる。
圧電素子20の両面にはニッケルや金などによる電極がメッキ、スパッター、蒸着等の手段で形成されている。補強板10側の面に形成された電極(不図示)は補強板10と重ねられ、導通している。
補強板10と反対側に形成された電極は、エッチング等で形成された溝25によって区画され、駆動電極22と非駆動電極23が設けられている。駆動電極22は、不図示の駆動回路によって交流電界を印加される。非駆動電極23は屈曲振動を励起するためのアンバランスを生じさせるために、交流電界は印加されないが、振動体5の振動状態をモニターするための検出電極として用いることができる。
なお、圧電素子20に印加する交流電圧の波形は特に限定されず、例えば矩形波、サインは、台形波等の各種波形を用いることができる。
このような圧電素子20の駆動電極22に印加する電圧の周波数(駆動周波数)は圧電素子20が長手方向に伸縮する振動(縦1次振動)と圧電素子20の平面中心に対して点対称に、幅方向に対して振動する屈曲振動(屈曲二次振動)が同時に現れるように適宜設定される。
図6は、圧電素子20に印加する駆動周波数とインピーダンス・振幅との関係を示す図である。図6(A)に圧電素子20に印加する駆動周波数とインピーダンスとの関係を示し、図6(B)に圧電素子20に印加する駆動周波数と、縦振動の振幅(縦振幅)又は屈曲振動の振幅(屈曲振幅)との関係を示す。
図6(A)に示すように、圧電素子20に印加する駆動周波数に対してインピーダンスが極小となる周波数は2点現れる。ここでは、これらのうち周波数の低い側の1点は、縦振動の振幅が最大となる縦共振周波数fr1である。一方周波数が高い側の点では屈曲振幅が最大となる屈曲共振周波数fr2である。
これらの図6(A)及び図6(B)を参照すると、圧電素子20を縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2との間で駆動した際に、縦振動及び屈曲振動の両方の振幅が確保される。これにより駆動時に突部30が楕円軌跡を描くこととなる。なお、縦共振周波数fr1から屈曲共振周波数fr2に向かって駆動周波数を変化させてゆくと、縦振動の振幅よりも屈曲振動の振幅の方が次第に大きくなり、突部30の描く楕円軌跡の長軸の向きも変化する。
また、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2との差(fr2−fr1=Δfrとする)については、Δfrが大きすぎる場合、fr1とfr2との中間の周波数で駆動しても両者を同時に励振することができず、突部30に楕円軌跡を生ずることができない。
一方、Δfrが小さすぎる場合、楕円軌跡を生じることができる周波数範囲が狭いため、駆動周波数の制御が難しく、動作が不安定になりやすい。
このため、Δfrには適正範囲があり、圧電材料の特性のばらつきや圧電振動体の加工寸法の製造上の誤差によるΔfrのばらつきを吸収するためにΔfrの調整手段が必要となる。
図5に戻って、振動体5は支持台70に設けられた固定部71に、孔部12に通したネジ72によってネジ止め固定されている。固定部71には孔部12に通したネジ72が螺合できるよう、ねじ穴が形成されている。補強板10と駆動電極22とは不図示の駆動回路に接続され、交流電界が印加される。
以上説明した構造の振動体5は圧電素子20と補強板10とを貼り合わせることにより製造され、支持台70に固定することでムーブメントに組み込まれるが、圧電素子20及び補強板10の形状誤差や貼り合わせ誤差、材料特性、支持台70への固定条件(ネジ72の形状誤差や締め付けトルク)、環境温度等に起因して個々の振動体5における縦振動及び屈曲振動の各共振周波数にばらつきが生じてしまう。この結果Δfrにもばらつきが生じてしまい適正範囲に保つことが困難になる。このばらつき解消のため、振動体5における共振周波数の調整が不可欠である。
この周波数の調整のため振動体5には、付加質量40が屈曲振動の中央部以外の節点を通り振動体5の短辺に平行な直線51を含むように設けられている。付加質量40を屈曲振動の節点近傍に設けることで、縦振動の共振周波数の調整を屈曲共振周波数に影響を及ぼすことなく実現することができる。また、同一付加質量での縦共振周波数への影響量は、自由端寄りの方が、中央に付けた場合に比べて大きいため、付加質量の重心52を直線51よりもやや自由端寄りに設けることで、同一の質量での調整幅を大きくすることができる。また、付加質量40の形状を振動体5の長辺の側面から上下の圧電素子20を挟む構成とすることによって、振動体5の短辺に同様に設けた場合のように、自由端での振動振幅を抑制することもない。
さらに、本実施形態のように超音波モーターの駆動が片側のみで良い場合、付加質量40は圧電素子の駆動しない非駆動電極23側に設ければ良い。この時、駆動しない非駆動電極23側の振動振幅は、駆動する電極側の振幅に比べて小さいので、振動による付加質量40の脱落等による圧電アクチュエーター1の破損を防ぎ、時計400の信頼性が向上する。
図7は、図5の付加質量40を示す部分拡大図である。付加質量40は、図7に示すように、圧電素子20の駆動電極22に当接する側には、導通部41が形成されている。また、非駆動電極23及び側面と当接する部分には絶縁部42が形成されており駆動電極22と非駆動電極23、補強板10との短絡を防止している。これにより、上下の圧電素子それぞれに配線を行う必要がなくなるため、生産性が向上し、圧電アクチュエーター1を低コストで製造することができる。
また、付加質量40は弾性体で構成しているため、圧電素子20を上下から挟み付けて固定できる。付加質量を取り付けた後に縦・屈曲振動の共振周波数を測定し、その結果に基づいて付加質量を交換することが可能となる。高精度の共振周波数調整が可能となり、圧電アクチュエーター1の駆動特性の向上を図ることができる。
以上述べたように、本実施形態に係る圧電アクチュエーター1によれば、以下の効果を得ることができる。
縦振動及び屈曲振動の共振周波数の調整を、屈曲振動の中央部以外の節点近傍かやや自由端寄りに設けた付加質量により行うため、調整による駆動面積の変更がなく、電気的な特性の個体差が生じにくい。
また、付加質量40を屈曲振動の中央部以外の節点近傍かやや自由端寄りに設けることにより、屈曲振動への影響を抑えつつ、縦振動の共振周波数の調整を実現することができる。本実施形態のように超音波モーターの駆動が片側のみで良い場合、付加質量40を圧電素子の駆動しない非駆動電極23側に設けることにより付加質量部の振幅が小さくなり、振動による付加質量40の脱落等による圧電アクチュエーター1の破損を防ぎ、圧電アクチュエーター1の信頼性を向上できる。
付加質量40は弾性体で構成しているので付加質量の交換による再調整が容易に行える。縦・屈曲共振周波数の高精度な調整が可能となり、圧電アクチュエーター1の駆動特性の向上を図ることができる。
さらに、望ましい駆動特性が得られる駆動周波数の個体差が生じにくいので、簡単な制御で安定した駆動が容易に行える。このため制御回路が簡略化され、低コストで信頼性の高い圧電アクチュエーターシステムを実現することができる。
(実施形態2)
図8は、実施形態2に係る圧電アクチュエーターを示す正面図である。図9は、付加質量の内面電極を示す配置図である。図10は、付加質量を示す断面図である。
本実施形態に係る圧電アクチュエーターについて、これらの図を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
圧電アクチュエーター101は図8に示すようにローター9と、このローター9を回転運動させる振動体105とを備えて構成されている。振動体105は導体平板である補強板10とその両側面に配設した一対の圧電体層としての圧電素子20、重りとしての付加質量140a及び140bから構成されている。
補強板10はステンレス鋼、その他の材料から圧延等により構成され、短辺側にローター9と当接する略円弧状の突部30を矩形状の部分と一体的に設けている。また補強板10の略中央には幅方向に突出する腕部11が略直角に延びており、この腕部11には孔部12が実施形態1と同様に設けられている。
圧電素子20は補強板10の両面の略矩形状の部分に、エポキシ系樹脂等の接着剤を用いて強固に接着されている。圧電素子20の材料は特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等各種のものを用いることができる。
圧電素子20の両面にはニッケルや金などによる電極がメッキ、スパッター、蒸着等の手段で形成されている。補強板10側の面に形成された電極(不図示)は補強板10と重ねられ、導通している。
補強板10と反対側に形成された電極122,123a,123b,124a,124bは、エッチング等で形成された溝25によって区画されている。
電極122,124a,124bに不図示の駆動回路によって交流電界を印加すると、実施形態1と同様に縦・屈曲振動が同時に圧電アクチュエーター101に励起され、ローター9は図中矢印98の方向に駆動される。このとき、駆動を行わない電極123a又は123bの電圧を検出することで振動体105の振動状態をモニターすることができる。
一方、電極122,123a,123bに不図示の駆動回路によって交流電界を印加すると、圧電アクチュエーター101に励起される縦・屈曲振動の位相関係が反転するので、ローター9は図中矢印99の方向に駆動される。このとき、駆動を行わない電極124a又は124bの電圧を検出することで振動体105の振動状態をモニターすることができる。なお、圧電素子20に印加する交流電圧の波形は特に限定されず、例えば矩形波、サインは、台形波等の各種波形を用いることができる。
振動体105は支持台70に設けられた固定部71に孔部12に通したネジ72によって、ネジ止め固定されている。固定部71には孔部12に通したネジ72が螺合できるよう、ねじ穴が形成されている。
以上説明した構造の振動体105は圧電素子20と補強板10とを貼り合わせることにより製造され、支持台70に固定することでムーブメントに組み込まれるが、圧電素子20及び補強板10の形状誤差や貼り合わせ誤差、材料特性、支持台70への固定条件(ネジ72の形状誤差や締め付けトルク)、環境温度等に起因して個々の振動体105における縦振動及び屈曲振動の各共振周波数にばらつきが生じてしまう。この結果Δfrにもばらつきが生じてしまい適正範囲に保つことが困難になる。このばらつき解消のため、振動体105における共振周波数の調整が不可欠である。
この周波数の調整のため振動体105には、付加質量140a及び140bが屈曲振動の中央部以外の節点を通り振動体105の短辺に平行な直線151a又は151bを含むように設けられている。付加質量140a及び140bを屈曲振動の節点近傍に設けることで、縦振動の共振周波数の調整を屈曲共振周波数に影響を及ぼすことなく実現することができる。また、同一付加質量での縦共振周波数への影響量は、自由端寄りの方が、中央に付けた場合に比べて大きいため、付加質量の重心152a及び152bを直線151a又は151bよりもやや自由端寄りになるように設けることで、同一の質量での調整幅を大きくすることができる。また、付加質量140a,140bの形状を振動体105の長辺の側面から上下の圧電素子20を挟む構成とすることによって、振動体105の短辺に同様に設けた場合のように、自由端での振動振幅を抑制することもない。
また、本実施形態のように、駆動電極を切り替えて圧電アクチュエーターを駆動する場合、振動体105の縦・屈曲振動の各共振周波数は、正転時の電極122,124a,124bの組合せと、逆転時の電極122,123a,123bの組合せでは、やや異なる。これは、各駆動電極や圧電素子の形状誤差や、補強板10と圧電素子20との貼り合わせの誤差や、接合強度ばらつきのために生じる。
本実施形態のように複数の付加質量を用いて調整すると正転と逆転の両方で適切なΔfrを得ることができ、正転と逆転の各条件で駆動制御を切り替える等の複雑なアルゴリズムを採用する必要がなく、低コストで信頼性の高い駆動制御を実現することができる。
付加質量140aは図9に示すように、圧電素子20の電極に当接する側には、3分割された導通部141a,141b,141cが形成されている。
この各電極の中心線に沿った断面図を図10に示す。図10(A)は図9のA−A’断面、図10(B)は図9のB−B’断面、図10(C)は図9のC−C’断面である。
図10(A)の導通部141aは、上下面の電極124aと導通しているが、電極122、電極123a、補強板10とは、間に絶縁部142を介して接触しているため、絶縁されている。
同様に図10(B)の導通部141bは、上下面の電極123aと導通しているが、電極122、電極124a、補強板10とは、間に絶縁部142を介して接触しているため、絶縁されている。
また、図10(C)の導通部141cは、上下面の電極122と導通しているが、電極123a、電極124a、補強板10とは、間に絶縁部142を介して接触しているため、絶縁されている。
また、図示しないが付加質量140bも同様な構成となっており、上下面の圧電素子の各電極を接続している。このため、上下の圧電素子それぞれに配線を行う必要がなくなるため、生産性が向上し、圧電アクチュエーター101を低コストで製造することができる。
また、付加質量140a,140bは弾性体で構成しているため、圧電素子20を上下から挟み付けて固定できる。付加質量を取り付けた後に縦・屈曲振動の共振周波数を測定し、その結果に基づいて付加質量を交換することが可能となる。高精度の共振周波数調整が可能となり、圧電アクチュエーター101の駆動特性の向上を図ることができる。
以上述べたように、本実施形態に係る圧電アクチュエーター101によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
正転及び逆転を行う圧電アクチュエーターにおいて、縦振動及び屈曲振動の共振周波数の調整を、屈曲振動の中央部以外の節点近傍かやや自由端寄りに設けた複数の付加質量により行うため、調整による駆動面積の変更がなく、電気的な特性の個体差が生じにくい。
また、付加質量140a及び140bを屈曲振動の中央部以外の節点近傍かやや自由端寄りに設けることにより、屈曲振動への影響を抑えつつ、縦振動の共振周波数の調整を実現することができる。さらに複数の付加質量を設けたことで正転時と逆転時の各々の縦及び屈曲振動の共振周波数の調整を適切に行うことが可能となり、圧電アクチュエーター101の駆動効率の向上が図られ、正転と逆転の両条件で制御を切り替えるといったことが不要な、低コストで高信頼な駆動制御の実現を図ることができる。
さらに付加質量140a及び140bの内面に設けた導通部141a,141b,141cによって、補強板10両面の圧電素子20の電極122,123a,124a,123b,124bをそれぞれ導通できるので、上下の圧電素子20それぞれに配線を行う必要がなくなり、生産性が向上し、圧電アクチュエーター101を低コストで製造することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。
1…圧電アクチュエーター 5…振動体 9…ローター(被駆動部) 10…補強板 20…圧電素子(圧電体層) 22…駆動電極 23…非駆動電極 30…突部 40…付加質量(重り) 400…時計。

Claims (5)

  1. 補強板の対向する両側面に配設した一対の圧電体層と、前記補強板の長手方向の一端に配設した突部と、該突部が押圧しつつ駆動する被駆動部と、前記圧電体層の両面に電極と、を備え、前記圧電体層を駆動して屈曲振動が発生する圧電アクチュエーターであって、
    前記屈曲振動が起きている際に特定される、前記補強板の中央部以外の節点近傍、あるいは該節点から前記補強板の周縁側に外れた位置に、重りを設けたことを特徴とする圧電アクチュエーター。
  2. 前記補強板は導体であることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエーター。
  3. 前記重り内面に絶縁部と導通部とを備え、前記導通部によって前記一対の圧電体層の前記補強板と反対側の電極を接続することを特徴とする請求項1または2に記載の圧電アクチュエーター。
  4. 前記重りを複数個設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーター。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電アクチュエーターを備えたことを特徴とする電子機器。
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