JP3614010B2 - 圧電アクチュエータおよび時計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータおよびこれを用いた時計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることから、近年、圧電素子の圧電効果を利用した種々の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、カメラのシャッター機構、プリンタのインクジェットヘッド、あるいは超音波モータ等の分野に応用されている。
【0003】
図18(a)は、従来の圧電アクチュエータのうち、円盤型の圧電素子を用いた圧電アクチュエータの構成を例示する平面図であり、図18(b)は、図18(a)のA−A’線視断面図である。図18(a)および(b)に示すように、この従来の圧電アクチュエータは、円環状の圧電素子200の表面上に電極201aおよび201bを、圧電素子200の裏面上に電極202を貼り付けて構成されるものであり、該圧電素子200の側部の一部が駆動対象たるロータ100に接触している。そして、図18(b)に示すような配線がなされており、電極201bには交流駆動電源203からの交流電圧が印加され、電極201aには交流駆動電源203からの交流電圧が位相変換器204によって位相を90度だけ遅らされて印加される構成となっている。また、電極202は、接地電位に設定されている。このような構成において各電極に交流電圧が印加されると、圧電素子の側部のうちロータ100との接触部付近の点が楕円振動することとなる。そして、これによりロータ100が歩進駆動されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の円盤型圧電アクチュエータは、圧電素子がその側部によって直接ロータを叩くように歩進駆動することによりロータを駆動するため、圧電素子の摩耗が起こりやすく、長期間の使用により当該圧電アクチュエータの特性が悪くなるといった問題がある。また、一般的に、圧電素子の表面は粗いので、圧電素子とロータとの接触状態は不安定なものとなり、これによりロータの回転が安定しないといった問題も生じていた。
【0005】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、圧電素子が摩耗することがなく、また、安定したロータの回転が得られる圧電アクチュエータを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、側方に突出する状態で設けられた突起部を有する弾性板と、前記弾性板のうち少なくとも前記突起部の一部を除く前記弾性板の表面を覆う圧電素子と、前記圧電素子の表面に設けられ当該圧電素子を振動させる駆動信号を当該圧電素子に印加する電極と、前記弾性板が配置されるベースと、前記ベースに配置され、前記突起部を挟む位置にて前記弾性板の側面に対向する一対のピンと、前記弾性板を前記一対のピンに付勢する付勢手段と、前記弾性板に接触するロータとを具備し、前記弾性板は、前記突起部の前記圧電素子に覆われていない場所にて前記ロータと接触し、前記圧電素子の振動で振動することによって前記ロータを駆動する。この圧電アクチュエータによれば、圧電素子が覆っていない突起部において弾性板がロータに接触しているため、この接触部分において弾性板が磨耗しにくく当該圧電アクチュエータの耐久性の向上を図ることができる。
【0008】
また、前記弾性板は、前記駆動対象との接触部において、鏡面状に加工されていることとしてもよい。この場合、弾性板と駆動対象との接触状態が安定し、弾性板に生じた振動を安定して駆動対象に伝達させることができる。また、前記弾性板は、前記駆動対象との接触部に、DLC(Diamond Like Carbon)の薄膜がコーティングされていることとしてもよく、また、前記振動板は、前記駆動対象との接触部に、ポリテトラフルオロエチレンの薄膜がコーティングされていることとしてもよい。この場合にも、弾性板に生じた振動を安定して駆動対象に伝達させることができるという利点がある。また、駆動対象との接触部における弾性板の摩耗を少なくすることができる。
【0009】
ここで、上記圧電素子は、複数の圧電素子および電極を前記弾性板の厚さ方向に重ねて構成したものであり、それぞれ厚さ方向に隣り合う圧電素子の分極方向が逆方向であることとしてもよい。この場合、弾性板の両表面上に圧電素子を設けた構成とした場合と比較して、弾性板の変位を拡大することができるという利点がある。従って、駆動対象の駆動速度を速くすることができる。
【0010】
ここで、前記駆動回路から前記電極に至る形状にパターニングされた絶縁フィルムと、前記絶縁フィルムの表面にパターニングされた前記駆動回路から前記電極に至る導線とを有し、前記駆動回路は前記導線を介して前記駆動信号を前記電極に印加することとしてもよい。この場合、導線が当該圧電アクチュエータと一体となって振動するから、導線が、当該圧電アクチュエータに生じる振動を減衰させることがない。また、圧電アクチュエータのQを高く保つことができるので、振動を安定させることができる。
【0011】
この発明は、本発明に係る圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータによって回転駆動されるカレンダ表示車と、前記圧電アクチュエータおよび前記カレンダ表示車が配置されるベースとにより構成されるカレンダ表示機構を設けたことを特徴とする時計を提供するものである。この構成によれば、カレンダ表示機構の薄型化を図ることができ、また、簡易な構成によりカレンダ表示機構の逆転が可能となる。
【0012】
ここで、前記圧電アクチュエータの前記弾性板は、該弾性板と前記駆動対象との接触位置から隔たった部分の側部に固定用突起部を有し、該固定用突起部は、前記ベースに固定されていることとしてもよい。この場合、圧電素子を固定する場合と比較して、固定部において、摩耗や割れが起こりにくくなるという利点がある。
【0013】
また、前記弾性板が、前記突起部が設けられた側とは反対側の側方に付勢用突起部を有し、前記付勢手段が、前記ベースに設けられて前記付勢用突起部を加圧するばね部である構成としてもよい。この構成によれば、圧電素子を付勢する場合と比較して、振動漏れを抑制してエネルギー効率の向上を図ることができる。
【0014】
他の態様において、前記付勢手段は、前記弾性板のうち前記突起部が設けられた側とは反対側の側方に形成されたばね部であり、前記ばね部は、前記ベースに設けられた突起部によって加圧される。この態様によっても、圧電素子を付勢する場合と比較して、振動漏れを抑制してエネルギー効率の向上を図ることができる。さらに、この場合には、当該圧電アクチュエータを構成する部品の点数を減少させることができるという利点がある。
【0015】
さらに他の態様において、前記付勢手段は、前記弾性板のうち前記突起部が設けられた側とは反対側の側方に形成されて前記ベースに固定されたばね部である。この場合にも、振動漏れが生じにくくなってエネルギー効率の向上を図ることができるという利点がある。また、当該圧電アクチュエータを構成する部品の点数を減少させることができるという利点がある。
【0016】
また、前記弾性板の中央部には貫通孔が設けられ、前記付勢手段は、前記貫通孔の内側に形成されて前記ベースに固定されたばね部である構成としてもよい。この場合にも圧電素子を付勢する場合と比較して、振動漏れが生じにくくなってエネルギー効率の向上を図ることができるという利点がある。さらに、この場合、当該圧電アクチュエータを設置するスペースが少なくてすむという利点がある。
【0017】
他の態様において、前記弾性板の中央部には貫通孔が設けられ、前記付勢手段は、前記ベースに設けられて前記弾性板の貫通孔に挿通されたピンである。また、前記圧電アクチュエータの中央付近は、該圧電アクチュエータの外周部付近よりも厚さが厚くなっていることとしてもよい。この場合、当該圧電アクチュエータが衝撃等を受けた場合に、最も大きい応力が作用する中央部付近を補強することができるという利点がある。
【0018】
さらに他の態様において、前記電極の表面に設けられて前記電極の面外方向に突出する導電ゴムを具備し、前記導電ゴムは、前記ベースに設けられた導線と接触する。この導線は、例えば、前記導電ゴムと該ベースとの接触位置から駆動回路に至る形状にパターニングされる。この場合、導線が表面上にパターニングされたベースの上面に上記圧電アクチュエータを設置するという非常に簡便な製造工程により圧電アクチュエータが作成される。また、圧電アクチュエータが受けた衝撃を、前記導電ゴムが吸収する構成となっているので、その耐久性を向上させることができる。
【0019】
また、前記導電ゴムは、前記電極の表面上であって、前記圧電素子が振動した際に生じる振動の節に対応する位置に設けられていることとしてもよい。この場合、振動の節においては、振幅が0または極小となるので、前記導電ゴムとベースとの接触部において、圧電素子に生じた振動を減衰させることが少なくなるという利点がある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0021】
A:第1の実施形態
A−1:第1の実施形態の構成
図1は、本発明の一実施形態である圧電アクチュエータAを用いた時計のカレンダ表示機構の構成を例示する平面図である。図1に示すように、当該カレンダ表示機構は、本実施形態である圧電アクチュエータAと、この圧電アクチュエータAによって歩進駆動されるロータ100と、このロータ100に係合した中間車101と、日や曜が表記され(図1においては、日が表記された場合を例示している)、上記中間車101に連動して回転する日車102と、これらが配置されたベース300とにより構成されている。
【0022】
図2は、上記カレンダ表示機構を組み込んだ時計の構成を示す断面図である。同図において、斜線部分に上述したカレンダ表示機構が組み込まれている。カレンダ表示機構の上側には、円盤状の文字盤110が設けられている。この文字盤110の外周部の一部には、日付を表示するための窓部111が設けられており、この窓部111から日車102に表記された日や曜が覗けるようになっている。なお、文字盤110の下側には、針112を駆動するムーブメント113や後述する駆動回路(図示略)が設けられている。
【0023】
図3(a)は、本実施形態における圧電アクチュエータAを時計の文字盤側から見た平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A’線視断面図である。図3(a)および(b)に示すように、本実施形態である圧電アクチュエータAは、弾性板1、圧電素子2aおよび2b、電極3、4および5ならびに駆動回路6により概略構成されている。なお、図3(a)においては、便宜上、図3(b)に示す駆動回路6および配線を省略している。
【0024】
弾性板1は、リン青銅やステンレス等の金属板により形成される円環状の部材であり、図4に示すように、中央部にスルーホールを有する円環部11と、突起部12と固定部13とにより構成されている。ここで、突起部12および固定部13は、円環部11の側部から突出した形状となっている。また、固定部13は、ネジ等によってベース300に固定されており、これにより、弾性板1は、突起部12の先端部においてロータ100に接触するような姿勢で保持されている。また、突起部12の先端部(ロータ100と接触する部分)は、鏡面状に表面処理された構成となっている。
【0025】
また、弾性板1を構成する円環部11の両表面上には、図3(a)および(b)に示すように、圧電素子2aおよび2bが貼り付けられており、この圧電素子2aおよび2bの分極方向は、図3(b)中に矢印で示すように、同一の方向である。ここで、圧電素子2aおよび2bの材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛およびポリフッ化ビニリデン等の各種のものを用いることができる。
【0026】
また、圧電素子2aの表面には電極3および4がそれぞれ電気的に絶縁された状態で形成され、圧電素子2bの表面には電極5が形成されている。これらの電極3、4および5は、例えば、銀ペースト等を焼成することにより形成される。
【0027】
また、弾性板1ならびに電極3、4および5と、駆動回路6との間には、図3(b)に示すような配線がなされている。このような配線の態様をパラレル接続といい、このパラレル接続においては、弾性板1は圧電素子2aおよび2bの共通電極として作用し、接地電位に設定されている。そして、電極3、4および5には、駆動回路6から所定の周波数の交流電圧がそれぞれ給電される構成となっている。
【0028】
駆動回路6は、上記交流電圧を発生する交流駆動電源61と、位相変換器62と、位相反転器63とにより構成されている。ここで、位相変換器62は、入力された交流電圧の位相を90度だけ遅らせるように作用するものであり、位相反転器63は、入力された交流電圧の位相を反転させるように作用するものである。すなわち、電極4には交流駆動電源61からの交流電圧が印加され、電極3には電極4に印加される電圧の位相を反転させた交流電圧が印加され、電極5には電極4に印加される電圧の位相を90度遅らせた交流電圧が印加されることとなる。電極3、4および5に印加される交流電圧の位相をそれぞれ上述したように設定することにより、弾性板1を構成する突起部12は、該弾性板1の属する平面内において、楕円を描きながら変位することとなる(詳細は後述)。
【0029】
A−2:第1の実施形態の動作
次に、本実施形態である圧電アクチュエータA1の動作を説明する。
まず、駆動回路6によって発生した交流電圧が電極3、4および5に印加されると、圧電素子2aおよび2bが振動し、この圧電素子2aおよび2bに挟まれた振動板1もこれに伴って振動する。以下、この振動の詳細を説明する。なお、以下では、圧電素子2aの振動の態様と、圧電素子2bの振動の態様とに分けて説明する。また、以下の説明においては、圧電素子2aのうち、電極3が形成されている部分を領域イ、電極4が形成されている部分を領域ロとする。
【0030】
a.圧電素子2aの変位の態様
図5(a)は、電極3および4に印加される電圧の時間的な変化を模式的に示す図である。上述したように、電極3に印加される電圧は、位相反転器63の作用により、電極4に印加される電圧とは逆位相となる。従って、圧電素子2aのうち、領域イにおいて生じる電界の方向は、領域ロにおいて生じる電界の方向とは逆方向となるのである。この結果、圧電素子2aは領域イが拡張した場合には領域ロが収縮し、領域イが収縮した場合には領域ロが拡張するといった具合に変位する。さらに詳述すると、図5(a)に示す区間T1においては領域イが拡張し、領域ロが収縮するため、圧電素子2aは、図5(b)中の破線で示すように、x軸方向の正の方向にずれるように変位することとなる。逆に、図5(a)に示す区間T2においては領域イが収縮し、領域ロが拡張することとなるから、圧電素子2aは、図5(c)中の破線で示すように、x軸方向の負の方向にずれるように変位することとなる。このように、交流電圧の印加によって、圧電素子2aは、x軸方向にずれるように振動することとなる。
【0031】
b.圧電素子2aの振動の態様
図6(a)および(b)は、圧電素子2bを図3(a)と同じ方向から見た場合の平面図である。まず、交流電圧の印加により、圧電素子2bの分極方向と同じ方向の電界が生じた場合、圧電素子2bは、その半径方向に拡張するように変位する。すなわち、圧電素子2bは、図6(a)中の矢印で示す方向(半径方向)に拡張し、破線B1で示すような形状に変位する。これに対し、交流電圧の印加により、圧電素子2bの分極方向と逆方向の電界が生じた場合には、図6(b)中の矢印で示す方向に収縮し、破線B2で示すような形状に変位する。このように、交流電圧の印加により、圧電素子2bは、その半径方向に伸縮振動をすることとなる。この結果、圧電素子2bのうち、弾性板1の突起部12が位置する部位(図6(a)および(b)中の○で示した部位)は、概ねy軸方向に振動を繰り返すこととなる。
【0032】
交流電圧を印加された圧電素子2aおよび2bが、それぞれ上述したように変位すると、この圧電素子2aおよび2bに挟まれた弾性板1の突起部12は、圧電素子2aからx軸方向の力を受けて、x軸方向に変位するとともに、圧電素子2bからy軸方向の力を受けて、y軸方向に変位することとなる。ここで、圧電素子2bに印加される交流電圧は、圧電素子2aに印加される交流電圧よりも、位相が90度だけずれているため、弾性板1の突起部12の先端部(ロータ100と接触している部分)は、図3(a)中の矢印Zで示すように、当該弾性板1の属する平面内において、楕円運動することとなる。これにより、突起部12は、ロータ100を叩くように歩進振動し、ロータ100は図中のa1で示す方向に歩進駆動されることとなる。
【0033】
図1に示すカレンダ表示機構において、ロータ100がa1の方向に回転すると、中間車はa2の方向に回転し、日車102はこれと連動してa3の方向に回転することとなる。これにより、腕時計の窓部111に表示される日の表示は、「31」→「1」→「2」といった具合に切換わる。以上が本実施形態である圧電アクチュエータの動作である。
【0034】
上述したように、本実施形態にかかる圧電アクチュエータによれば、以下に示すような利点がある。
従来の圧電アクチュエータにおいては、圧電素子が直接駆動対象に接触する構成となっていたため、圧電素子がロータとの接触部分において摩耗しやすいといった不都合が生じていた。これに対し、本実施形態にかかる圧電アクチュエータによれば、上述したように、金属製の弾性板1に設けられた突起部12においてロータ100と接触しているため、この接触部分において摩耗しにくく、耐久性の向上を図ることができるという利点がある。
【0035】
また、従来の圧電アクチュエータにおいては、圧電素子を当該圧電アクチュエータが用いられる装置のベース等に固定した構成となっていた。従って、当該圧電アクチュエータが衝撃を受けた場合等に、その固定部において、圧電素子が割れやすい等の不都合が生じていた。これに対し、本実施形態である圧電アクチュエータによれば、金属製の弾性板1の固定部13をベース300に固定する構成としたので、このような不都合が生じない。
【0036】
また、上述した従来の圧電アクチュエータにおいては、当該圧電アクチュエータを構成する圧電素子がロータと接触していた。しかし、一般的に圧電素子の表面は粗く、凹凸が多い。このため、従来の圧電アクチュエータは、ロータ表面の凹凸と圧電素子表面の凹凸とが相互に引っ掛かる等の現象が発生し、弾性板からロータへの振動の伝達が不安定になるといった問題が生じていた。これに対し、本実施形態にかかる圧電アクチュエータによれば、弾性板1のロータ100との接触部が鏡面状に加工されているので、弾性板1の突起部12とロータ100の接触状態が安定し、これにより、振動板1に生じた振動が安定してロータ100に伝達されることとなる。
【0037】
A−3:第1の実施形態の変形例
上記第1の実施形態においては、位相変換器62は、入力された交流電圧の位相を90度遅らせるように機能したが、これに限らず、入力された交流電圧の位相を90度進ませるようにしてもよい。ただし、この場合には、圧電アクチュエータの突起部の楕円運動は、上記第1の実施形態における楕円運動(図3(a)中の矢印Z)とは逆方向の楕円運動となる。
【0038】
ここで、位相変換器62は、入力された交流電圧の位相を90度進ませるか、90度遅らせるかのいずれかを切換えることができる構成としてもよい。具体的には以下の通りである。位相変換器62は、腕時計の通常の使用時には入力された交流電圧の位相を90度遅らせるように作用する。そして、腕時計に設けられたスイッチに対して所定の操作が行われた場合には、入力された交流電圧の位相を90度進ませるように切り換わる構成となっている。このような構成とした場合には、腕時計に設けられたスイッチに対して所定の操作を行うことにより、カレンダ表示の進行方向を逆転させることができる。すなわち、図1に例示するカレンダ表示機構においては、腕時計の窓部に表示される日付を「2」→「1」→「31」といった具合に切換えることができる。これにより、日付や曜日の表示の修正や調節等の操作が容易なものとなる。
【0039】
B:第2の実施形態
B−1:第2の実施形態の構成
上記第1の実施形態においては、ネジ等によってカレンダ表示機構のベース300に固定された固定部13によって、当該圧電アクチュエータを支持する構成としたが、このようにするのではなく、図7(a)および(b)に示すような構成としてもよい。図7(a)は、第2の実施形態である圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、図7(b)は本実施形態である圧電アクチュエータを構成する弾性板1aの構成を示す平面図である。図7(b)に示すように、本実施形態にかかる圧電アクチュエータの弾性板1aは、円環部11と、突起部12と、円環部11の側部であって、突起部12の反対側付近に設けられた付勢用突起部14とにより構成されている。なお、本実施形態である圧電アクチュエータの他の部位は、上記第1の実施形態にかかる圧電アクチュエータと同様なので、説明を省略する。
【0040】
本実施形態においては、図7(a)に示すように、突起部12を挟むようにピン120aおよび120bがベース300から突出している。また、ベース300には、棒状の弾性体であるばね部121が、図7(a)に示すような態様で固定されており、このばね部121が、上記付勢用突起部14を矢印P1の方向に加圧する。これにより、圧電アクチュエータは、ピン120aおよび120bに押し付けられた姿勢で保持されることとなる。
【0041】
このような付勢手段を用いることによって、部品の寸法や部品の取り付けにあまり高い精度が必要なくなるから、圧電アクチュエータの作成が容易なものとなる。また、上述したようなばね部によって、圧電素子を直接加圧した場合には、振動漏れが起こり、ロータ100を駆動する効率が低下するが、本実施形態にかかる圧電アクチュエータによれば、金属製の弾性板1aの一部である付勢用突起部14を加圧する構成となっているので、このような不都合が生じない。
【0042】
B−2:第2の実施形態の変形例
上記第2の実施形態である圧電アクチュエータは以下のような構成としてもよい。
(1)上記第2の実施形態においては、ベース300に固定されたばね部121によって当該圧電アクチュエータをピン120aおよび120bに付勢する構成としたが、この付勢手段は、以下のa〜cに示す態様としてもよい。
【0043】
a.第1の態様
図8(a)は、上記第2の実施形態における付勢手段についての第1の態様にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、図8(b)は、該圧電アクチュエータを構成する弾性板1bの構成を示す平面図である。図8(b)に示すように、本態様にかかる弾性板1bは、円環部11と、突起部12と、円環部11の側部における突起部12の反対側付近の部分に設けられた棒状のばね部15とにより構成されている。そして、上記第2の実施形態と同様に、ベース300には、突起部12を挟むようにピン120aおよび120bが設けられている。ここで、上記ばね部15の先端付近の部分は、ベース300から突出したピン122からの反力(矢印P2)を受け、これにより、圧電アクチュエータをピン120aおよび120bに付勢する構成となっている。このように、本態様によれば、上記第2の実施形態である圧電アクチュエータによる効果に加えて、付勢手段であるばね部15を、弾性板1bと一体として構成することができるので、当該圧電アクチュエータを構成する部品の点数を減少させることができる。
【0044】
b.第2の態様
図9(a)は、第2の態様にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、図9(b)は、該圧電アクチュエータを構成する弾性板1cの構成を示す平面図である。図9(b)に示すように、本態様にかかる弾性板1cは、円環部11と、突起部12と、突起部12の反対側付近に位置し、両端が円環部11の側部に固定されて、概ね輪状の形状をなすばね部16とにより構成されている。ここで、本変形例においても、上記第2の実施形態および上記第1の態様と同様に、ベース300には、ピン120aおよび120bが突起部12を挟むように設けられており、圧電アクチュエータが所定の位置からずれるのを防いでいる。また、図9(a)に示すように、上記ばね部16の一部は、ネジ等によってベース300上に固定されており、これによって、円環部11は図中の矢印P3で示すような反力を受ける。この結果、圧電アクチュエータは、ピン120aおよび120bに付勢されることとなるのである。本態様によっても、上記第1の態様と同様の効果が得られる。
【0045】
c.第3の態様
図10(a)は、第3の態様にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、図10(b)は、該圧電アクチュエータを構成する弾性板1dの構成を示す平面図である。図10(b)に示すように、本態様にかかる弾性板1dは、円環部11と、突起部12と、ばね部17とにより構成される。上記ばね部17は、円環部11の中央部付近に位置する円環状の部位と、当該円環から放射状に延び、円環部11の内径に接合されている複数の棒状の弾性部とにより構成されている。そして、本態様にかかる圧電アクチュエータは、図10(a)に示すように、ばね部17の中心部がネジ等によってベース300に固定されており、ばね部17を構成する複数の弾性部によって生じる反力によって、突起部12をロータ100に付勢する構成となっている。本態様によっても、上記第1および第2の態様と同様の効果が得られる。さらに、本態様によれば、円環部11の側部に突出した部分が少ないので、当該圧電アクチュエータを設置するためのスペースを小さくすることができるという利点がある。以上が上記第2の実施形態にかかる圧電アクチュエータの付勢手段の態様の例である。
【0046】
(2)圧電アクチュエータの中央部に位置するスルーホールに、ベース300から突出したピンを挿通させる構成としてもよい。図11は、本変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図である。このようにすることにより、本実施形態にかかる圧電アクチュエータを用いた腕時計等が落下して衝撃を受けた際などに、圧電アクチュエータが所定の位置からずれてしまう等の不都合がなくなる。
【0047】
なお、このような構成とした場合、腕時計が衝撃等を受けた際に、圧電アクチュエータの中央部付近に大きな応力が生じることとなる。このため、本変形例においては、図12(a)および(b)に示すように、圧電アクチュエータの中央部付近の厚さを外周部付近の厚さよりも厚いものとしてもよい。このような構成とすることにより、腕時計の落下時等の衝撃に対する耐久性を高めることができる。
【0048】
C:その他の変形例
上記各実施形態である圧電アクチュエータは以下に示す構成としてもよい。
(1)上記実施形態である圧電アクチュエータの弾性板1は、円環部12の側部に設けられた突起部12においてロータ100と接触する構成としたが、これに限らず、弾性板の形状を図13(a)および(b)に示すようなものとしてもよい。図13(a)および(b)に示すように、本変形例にかかる圧電アクチュエータにおいては、弾性板1eの円環部11の面積が、当該円環部11に貼り付けられる圧電素子2aおよび2bよりも大きくなっており、この円環部11の外周にロータ100が接触する構成となっている。このような構成とすることにより、円環部の側部に突起部12を設ける必要がなくなるので、弾性板1の作成が容易なものとなる。
【0049】
(2)上記各実施形態においては、突起部12とロータ100とが接触する部分は、鏡面状に表面処理された構成としたが、これに限らず、例えば、弾性板1の側部であって、突起部12とロータとが接触する部分に、DLC(Diamond Like Carbon)の薄膜を形成することとしてもよい。ここで、このDLCは、極めて低い摩擦係数を有し、相手攻撃性も小さく、また、薄膜表面が極めて平坦であるなど、摺動材料として用いるのに適した特性を有している。このDLCの薄膜を、公知のイオン化蒸着法や高周波プラズマCVD法等により、弾性板1のロータ100と接触する部分に形成するのである。このようにすることにより、弾性板1の振動を安定してロータ100に伝達することができるとともに、弾性板1のロータ100との接触部における耐摩耗性を向上させることができる。
【0050】
さらに、上述したDLCに限らず、例えば、弾性板1のロータ100との接触部をテフロン(登録商標;学術名はポリテトラフルオロエチレン)加工することとしてもよい。
【0051】
(3)電極と駆動回路とを接続する配線の態様を、以下のようにしてもよい。図14は、本変形例にかかる圧電アクチュエータの平面図である。本変形例にかかる圧電アクチュエータは、図14に示すように、絶縁性のフィルムにより形成される絶縁層7と、この絶縁層の表面上にパターニングされた導線8a、8bおよび8cによって配線がなされている。詳述すると以下の通りである。
【0052】
絶縁層7は、駆動回路6の出力端から当該圧電アクチュエータの電極3の表面上に延びる。そして絶縁層7は、電極3の表面上(以下、「分岐点」という)において、そのまま延びて電極4に至る(端部7b)部分と、電極3の中央部に至る(端部7a)部分と、当該圧電アクチュエータの裏側に至る(端部7c)部分とに分岐した形状にパターニングされており、端部7a、7bおよび7cには、それぞれスルーホールが形成されている。なお、図14において、破線で囲んだ部分は、最終的には圧電アクチュエータの裏側(電極5側)に折り返されるが、図14においては折り返す前の状態が示されている。そして、駆動回路6と当該圧電アクチュエータとを電気的に接続する導線8a、8bおよび8cは、上記絶縁層7の表面上にパターニングされ、上記絶縁層7の端部7a、7bおよび7cに設けられたスルーホールを通って電極3、4および5にそれぞれ接続される。さらに詳述すると以下の通りである。まず、導線8aは、一端が駆動回路6を構成する位相反転器63の出力端に接続され、絶縁層7の表面における上記分岐点において直角に折れ曲がり、電極3の中央部付近に位置する端部7aに至り、この端部7aに設けられたスルーホールを通って電極3に接続される。
【0053】
また、導線8bは、一端が駆動回路6を構成する交流駆動電源61の出力端に接続されており、絶縁層7の表面における上記分岐点を通過して端部7bに至り、この端部7bに設けられたスルーホールを通って電極4に接続される。また、導線8cは、一端が駆動回路6を構成する位相変換器62の出力端に接続されており、絶縁層7の表面における上記分岐点において突起部12側に直角に折れ曲がって圧電アクチュエータの裏側に折り返され、端部7cのスルーホールを通って電極5に接続される。
【0054】
ところで、各電極から導線を引き出す場合に、図14に示したような構成とせず、導線を電極の面外方向に引き出す構成とすると、圧電素子および弾性板の振動に伴って、導線も振動してしまい、これによりエネルギー損失が大きくなるといった不都合が生じ得るのである。これに対し、上述した本変形例によれば、圧電素子および弾性板の振動に伴って導線が一体となって振動するから、エネルギー損失を抑えることができるという利点がある。また、本変形例によれば、振動のQを高く保つことができるので、当該圧電アクチュエータには、安定した振動が生じることとなる。さらに、本変形例によれば、当該圧電アクチュエータの表面に沿って配線することができるので、導線を当該圧電アクチュエータが属する平面の面外方向に引き出す場合と比較して、圧電アクチュエータの薄型化を図ることができる。なお、本変形例においては、導線と電極の接続点を、それぞれ圧電素子が振動する際に生じる振動の節に対応する位置に設ける構成としてもよい。
【0055】
(4)上記第1の実施形態においては、弾性板、圧電素子および電極を図3(a)および(b)に示すように構成したが、これに限らず、例えば図15に示すような構成としてもよい。図15は、本変形例における圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。図15に示すように、本変形例にかかる圧電アクチュエータは、弾性板1の両表面上に圧電素子2aおよび2bが固定されており、圧電素子2aの表面には電極3および4が、圧電素子2bの表面には電極5aおよび5bが、それぞれ形成されている。そして、電極4および5bには交流駆動電源61からの交流電圧が印加され、電極3および5aには、交流駆動電源61からの交流電圧が位相変換器62によって90度だけ位相が遅らされた後に印加されることとなる。このような構成としても、上記第1の実施形態における圧電アクチュエータと同様の動作を行うこととなる。
【0056】
また、図16に示すように、圧電素子および電極を弾性板1の厚さ方向に積層する構成としてもよい。このような構成とした場合、弾性板1の突起部12における変位を大きくすることができるから、ロータ100を、上記第1の実施形態における圧電アクチュエータと比較して、速く歩進駆動させることができる。
【0057】
(5)上記第1の実施形態である圧電アクチュエータを、図1および図2に示したように、腕時計のカレンダ表示機構等に用いる場合には、以下に示す構成としてもよい。図17(a)は、本変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、図17(b)は、本変形例にかかる圧電アクチュエータを腕時計のカレンダ表示機構に用いた場合の、圧電アクチュエータが属する面に垂直な面における断面図である。本実施形態にかかる圧電アクチュエータは、弾性板1、圧電素子2aおよび2bならびに電極3、4および5が上記第1の実施形態にかかる圧電アクチュエータと同様に構成されるとともに、図17(a)に示すように、電極3表面上の一部には導電ゴム9aが、電極4の表面上の一部には導電ゴム9bが、それぞれの電極の面外方向に突出した形状で設けられた構成となっている。
【0058】
本変形例にかかる圧電アクチュエータは、上述したような構成であり、図17(b)に示すように、上記導電ゴムが腕時計のベース300の表面に接触するような姿勢でベース300上に配置される。そして、ベース300上には2本の導線80および81がパターニングされている。これらのうち、導線80は、一端が駆動回路6内の位相反転器63の出力端に接続されており、他端が上記導電ゴム9aとベース300との接触位置に至るような形状にパターニングされている。また、導線81は、一端が駆動回路6内の交流駆動電源61の出力端に接続されており、他端が上記導電ゴム9bとベース300との接触位置に至るような形状にパターニングされている。以上示したような構成とすることにより、駆動回路6内の位相反転器63の出力端が導線80および導電ゴム9aを介して電極3と電気的に接続され、交流駆動電源61の出力端が導線81および導電ゴム9bを介して電極4と電気的に接続されることとなる。なお、電極5に接続される電極は、上記第1の実施形態と同様の態様で設けられることとなる。
【0059】
以上示したように、本変形例によれば、ベース300の表面上に導線80および81をパターニングしたものを作成し、この面上に本変形例にかかる圧電アクチュエータを配置することのみにより、電極3および電極4と、駆動回路6とを電気的に接続することができるので、非常に簡便な工程により図1に示したような腕時計のカレンダ表示機構を作成することができるという利点がある。さらに、本変形例にかかる圧電アクチュエータは、導電ゴム9aおよび9bを介してベース300の表面上に設置されているので、腕時計が落下した際等に生じる衝撃を、この導電ゴム9aおよび9bによって吸収することができるという利点もある。
【0060】
また、上記導電ゴム9aおよび9bを、電極3および4の表面上であって、圧電素子2aが振動する際に生じる振動の節に対応する位置に設ける構成としてもよい。この振動の節においては、振幅が0または極小となるため、導電ゴム9aおよび9bとベース300との接触部において、圧電アクチュエータの振動が減衰することが少なくなる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、突起部の圧電素子が覆っていない場所にてロータに接触しているため、この接触部分において弾性板が磨耗しにくく当該圧電アクチュエータの耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である圧電アクチュエータを組み込んだカレンダ表示機構の構成を示す透過平面図である。
【図2】本発明の実施形態である圧電アクチュエータを組み込んだカレンダ表示機構を用いた時計の断面図である。
【図3】(a)は本発明の実施形態である圧電アクチュエータの全体の構成を示す平面図であり、(b)は上記(a)のA−A’線視断面図である。
【図4】本発明の実施形態である圧電アクチュエータを構成する弾性板の構成を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態である圧電アクチュエータにおける圧電素子2aの変位の態様を示す図である
【図6】本発明の実施形態である圧電アクチュエータにおける圧電素子2bの変位の態様を示す図である。
【図7】(a)は本発明の第2の実施形態である圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は該圧電アクチュエータを構成する弾性板の構成を示す平面図である。
【図8】(a)は本発明の第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は該圧電アクチュエータを構成する弾性板の構成を示す平面図である。
【図9】(a)は本発明の第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は該圧電アクチュエータを構成する弾性板の構成を示す平面図である。
【図10】(a)は本発明の第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は該圧電アクチュエータを構成する弾性板の構成を示す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図である。
【図12】(a)は本発明の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は上記(a)のA−A’線視断面図である。
【図13】(a)は本発明の第1および第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は上記(a)のA−A’線視断面図である。
【図14】本発明の第1および第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。
【図15】本発明の第1および第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。
【図16】本発明の第1および第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す断面図である。
【図17】(a)は本発明の第1および第2の実施形態の変形例にかかる圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は上記(a)のA−A’線視断面図である。
【図18】(a)は従来の円盤型圧電アクチュエータの構成を示す平面図であり、(b)は上記(a)のA−A’線視断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e……弾性板、2a,2b……圧電素子、3,4,5,5a,5b……電極、6……駆動回路、7……絶縁層、7a,7b,7c……端部、8a,8b,80,81……導線、9a,9b……導電ゴム、11……円環部、12……突起部、13……固定部(固定用突起部)、14……付勢用突起部、15,16,17……ばね部、61……交流駆動電源、62……位相変換器、63……位相反転器、100……ロータ、101……中間車、102……日車、110……文字盤、111……窓部、112……針、113……ムーブメント、120a,120b,122,123……ピン、200……圧電素子、201a,201b,202……電極、203……交流駆動電源、204……位相変換器、300……ベース。
Claims (8)
- 側方に突出する状態で設けられた突起部を有する弾性板と、
前記弾性板のうち少なくとも前記突起部の一部を除く前記弾性板の表面を覆う圧電素子と、
前記圧電素子の表面に設けられ当該圧電素子を振動させる駆動信号を当該圧電素子に印加する電極と、
前記弾性板が配置されるベースと、
前記ベースに配置され、前記突起部を挟む位置にて前記弾性板の側面に対向する一対のピンと、
前記弾性板を前記一対のピンに付勢する付勢手段と、
前記弾性板に接触するロータと
を具備し、
前記弾性板は、前記突起部の前記圧電素子に覆われていない場所にて前記ロータと接触し、前記圧電素子の振動で振動することによって前記ロータを駆動する
ことを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 前記弾性板は、前記突起部が設けられた側とは反対側の側方に付勢用突起部を有し、
前記付勢手段は、前記ベースに設けられて前記付勢用突起部を加圧するばね部である
請求項1に記載の圧電アクチュエータ。 - 前記付勢手段は、前記弾性板のうち前記突起部が設けられた側とは反対側の側方に形成されたばね部であり、
前記ばね部は、前記ベースに設けられた突起部によって加圧される
請求項1に記載の圧電アクチュエータ。 - 前記付勢手段は、前記弾性板のうち前記突起部が設けられた側とは反対側の側方に形成されて前記ベースに固定されたばね部である
請求項1に記載の圧電アクチュエータ。 - 前記弾性板の中央部には貫通孔が設けられ、
前記付勢手段は、前記貫通孔の内側に形成されて前記ベースに固定されたばね部である
請求項1に記載の圧電アクチュエータ。 - 前記弾性板の中央部には貫通孔が設けられ、
前記付勢手段は、前記ベースに設けられて前記弾性板の貫通孔に挿通されたピンである
請求項1に記載の圧電アクチュエータ。 - 前記電極の表面に設けられて前記電極の面外方向に突出する導電ゴムを具備し、
前記導電ゴムは、前記ベースに設けられた導線と接触する
請求項1から6のいずれか1の請求項に記載の圧電アクチュエータ。 - 請求項1から7のいずれか1の請求項に記載の圧電アクチュエータと、該圧電アクチュエータによって回転駆動されるカレンダ表示車と、前記圧電アクチュエータおよび前記カレンダ表示車が配置されるベースとにより構成されるカレンダ表示機構を設けたことを特徴とする時計。
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