特許文献1の半導体レーザ装置では、フォトダイオードが半導体レーザダイオードの背面からの光を受ける。半導体レーザダイオードは、ステムベース上に固定されるフォトダイオードの少なくとも一部分が入り込む大きさの凹段差を有するステムブロックに固定される。ステムブロックは、金属射出成形法又はロストワックス法によってステムベースと一体に形成される。
特許文献2では、半導体レーザの台座がSi基板からなり、このSi基板に(111)面を利用した反射ミラーが形成される。この反射ミラーを利用して、半導体レーザからの光を台座の実装面に対して垂直に出射させて、半導体レーザ、駆動回路、受光素子、電流−電圧変換回路を同一パッケージに平面的に実装する。このパッケージは、光ファイバが接続されたレンズ部によって封止されている。
特許文献1では、ステムベース主面から垂直方向に延びるヒートシンクの側面上に半導体レーザダイオードチップを実装している。このチップの光出射面はベース主面に対して垂直方向に向く。この形態によれば、別個の光学部品を用いることなく、出射レーザ光をベース主面に対して垂直な方向に向けることができる。しかしながら、ヒートシンクがベース主面から垂直方向に延びる形態であるので、発明者の知見によれば、ヒートシンクの形状及びサイズに起因して半導体レーザダイオードの放熱性能が制限される。例えば、ヒートシンクは半導体レーザチップを支持することに加えて、半導体レーザからの熱をステムベースに伝達する。ステムベースに到達した熱はステムベースで拡散する。ステムのほぼ中心に半導体レーザの光軸を合わせるために、ヒートシンクは限定的な位置(半導体レーザ及びサブマウントを実装する側面の位置)に置かれる。
また、特許文献2では、半導体レーザからの光がベースの主面に平行な方向に出射されるように半導体レーザチップを実装している。これ故に、特許文献2の光伝送モジュールは、半導体レーザからの光をステムベース主面の垂直方向に向けるように半導体レーザを実装するために必要となる部材(特許文献1のヒートシンク)を必要としない。このため、特許文献2の光伝送モジュールでは、ベースの主面上に直接にサブマウントを接着できる。しかしながら、この直接の接着は、発明者の知見によれば、サブマウントの実装形態に起因して半導体レーザダイオードの放熱性能を制限することになる。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、ステムを用いる実装形態において半導体レーザ素子に良好な放熱性を提供できる光モジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る光モジュールは、(a)活性層を含む半導体レーザ素子と、(b)前記半導体レーザ素子を搭載するサブマウントと、(c)第1のリード端子、第2のリード端子、及び前記第1のリード端子及び前記第2のリード端子を支持するベースを含むステムと、(d)前記サブマウントを搭載する搭載面及び前記ステムの主面に接合を成す固定面を有する搭載部材とを備える。前記搭載部材の前記搭載面は前記搭載部材の前記固定面の反対側にあり、前記ステムの前記主面は、該主面において前記第1のリード端子及び前記第2のリード端子の一方から他方に向かう方向に延在する第1基準軸によって分割された第1エリア及び第2エリアを有し、前記搭載部材は、前記第1基準軸を横切って前記第1エリアから前記第2エリアにわたって延在し、前記搭載部材は、第1領域、第2領域及び第3領域を含み、前記第1領域、前記第2領域及び前記第3領域は、前記ステムの前記主面の上において前記第1基準軸に交差する方向に延在する第2基準軸の延在方向に順に配列されており、前記第1領域は前記第2領域の幅より大きい幅を有する部分を含み、前記半導体レーザ素子は前記サブマウントを介して前記搭載部材上に位置し、前記第3領域は前記第2領域の幅以上の幅を有する部分を含む。
この光モジュールによれば、半導体レーザ素子はサブマウント上に搭載されており、このサブマウントは搭載部材の搭載面上に搭載されると共に搭載部材の固定面はステムの主面に接合を成しており、搭載部材の搭載面は搭載部材の固定面の反対側にある。半導体レーザ素子からの熱はサブマウントを介して搭載部材に伝わる。
搭載部材は、第1領域、第2領域及び第3領域を含み、搭載部材の第1領域は、サブマウントを介して半導体レーザ素子を搭載する第2領域の幅より大きい幅を有する部分を含むと共に、第3領域は第2領域の幅以上の幅を有する部分を含む。半導体レーザ素子からの熱はサブマウントを通して搭載部材の第2領域に伝わった後に、この第2領域の幅より大きい幅を有する部分を有する第1領域、第3領域に拡散していく。これ故に、半導体レーザ素子からの熱は、搭載部材の第1領域、第2領域及び第3領域からステムに伝搬することに加えて、第2領域の幅より大きい幅を有する部分を含む第1領域、第3領域からもステムに放熱される。したがって、この光モジュールは、ステムを用いる実装において半導体レーザ素子に良好な放熱性を提供できる。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子の前記活性層はIII族窒化物半導体からなることができる。
この光モジュールは、III族窒化物半導体レーザ素子がその動作時に比較的大きな発熱を示すので、III族窒化物半導体レーザ素子に好適に適用される。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子は、基板上に設けられたn型III族窒化物半導体領域と、前記基板上に設けられたp型III族窒化物半導体領域とを含み、前記活性層は、前記n型III族窒化物半導体領域と前記p型III族窒化物半導体領域との間に設けられ、前記活性層は、前記半導体レーザ素子の発振波長が400nm以上550nm以下であるように設けられることが好ましい。
この光モジュールによれば、III族窒化物半導体レーザ素子のなかでも、400nm以上550nm以下の波長範囲の発振波長を有する半導体レーザ素子では動作時の発熱が比較的大きい。この光モジュールは、この半導体レーザ素子に好適に適用される。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にあることが好ましい。
この光モジュールによれば、III族窒化物半導体レーザ素子のなかでも、480nm以上540nm以下の波長範囲の発振波長は、緑色近傍の波長範囲にあり、この半導体レーザ素子では動作時の発熱が比較的大きい。この光モジュールは、この半導体レーザ素子に好適に適用される。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子の発振波長は、510nm以上540nm以下の範囲にあることが好ましい。
この光モジュールによれば、III族窒化物半導体レーザ素子のなかでも、480nm以上540nm以下の波長範囲の発振波長は、ちょうど緑色の波長範囲にあり、この半導体レーザ素子では動作時の発熱が比較的大きい。この光モジュールは、この半導体レーザ素子に好適に適用される。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子は光ガイド層を有し、前記光ガイド層は六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなり、前記光ガイド層は前記活性層と接触をなしており、前記活性層と前記光ガイド層との界面は、前記窒化ガリウム系半導体のc軸と前記窒化ガリウム系半導体のm軸とによって規定されるc−m面に直交しており、前記c−m面おいて、前記c軸の方向を示すc軸ベクトルから前記m軸の方向を示すm軸ベクトルに向かう方向に、前記c軸に直交する基準面から角度ALPHAで傾斜を成すことが好ましい。
この光モジュールによれば、上記のIII族窒化ガリウム系半導体レーザ素子は、長波長の発光に適用される半極性面の性質を示す活性層を含む。
本発明に係る光モジュールでは、前記角度ALPHAは、63度以上80度未満の範囲にあることが好適である。
この光モジュールによれば、上記の角度はIII族窒化ガリウム系半導体レーザ素子が長波長の発光を可能にする。
本発明に係る光モジュールでは、前記搭載部材は、銅、及び銅を含む合金のいずれかを備えることが好適である。
この光モジュールによれば、搭載部材が、銅を含む合金及び銅のいずれかを含むので、ヒートシンクから搭載部材を介してステムへの放熱が良好になる。
本発明に係る光モジュールでは、前記搭載部材は、銅タングステン及び銅モリブデンのいずれかを含むことが好適である。
この光モジュールによれば、搭載部材は、銅タングステン及び銅モリブデンのいずれかを備えるので、ヒートシンクから搭載部材を介してステムへの放熱に優れる。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子はエピダウン形態で前記サブマウントの主面に実装されていることが好ましい。
この光モジュールによれば、エピダウン形態での実装は、発光に起因して発熱する活性層からの熱をヒートシンクに伝えることができる。
本発明に係る光モジュールは、前記ステムの上に設けられ光学窓を有するキャップを更に備えることができる。前記ステム及び前記キャップは、前記半導体レーザ素子、前記サブマウント及び前記搭載部材を収容するキャビティを提供し、前記搭載部材の熱伝導率は前記サブマウントの熱伝導率より大きく、前記半導体レーザ素子は、前記半導体レーザ素子からのレーザ光の進行方向を変える光学部品を介して前記キャップの前記光学窓に光学的に結合されていることが好適である。
この光モジュールによれば、半導体レーザ素子は、そのレーザ光が光学部品を介して進行方向を変えてキャップの光学窓に光学的に結合される。半導体レーザ素子は、ステムの主面に平行な方向に延在する平面に沿って光を出射するように、搭載部材上に配置される。半導体レーザ素子からの熱は、サブマウントを伝搬した後に、サブマウントの熱伝導率より大きい熱伝導率の搭載部材をその厚さ方向及びその延在方向に伝搬していく。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子は、前記活性層を含む導波路構造と、基板とを有し、前記導波路構造は、前記半導体レーザ素子の一端面から他端面への方向に前記基板の主面に沿って延在し、前記半導体レーザ素子は、前記導波路構造が前記基板の主面上に延在する端面出射型であることが好ましい。当該光モジュールは、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射するためのミラーを更に備えることができる。
この光モジュールによれば、ミラーが半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射することができる。
本発明に係る光モジュールでは、前記半導体レーザ素子は、前記活性層を含む導波路構造と、基板とを有し、前記半導体レーザ素子は、前記導波路構造が前記基板の主面上に延在する端面出射型であることができる。当該搭載部材は、前記半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射するためのミラーを更に備えることができる。
この光モジュールによれば、搭載部材のミラーが、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光を反射することができる。
本発明に係る光モジュールでは、前記搭載部材の幅は、前記第1基準軸の上において第1の値を有し、前記搭載部材は、前記搭載部材の幅が前記第1基準軸の上の点から前記第2基準軸の延在方向に前記第1基準軸から離れるにつれて単調に変化する部分を有し、前記搭載部材の前記部分における最大幅は前記第1の値より大きいことが好ましい。
この光モジュールによれば、搭載部材は、搭載部材の幅が第1基準軸の上の点から第2基準軸の延在方向に第1基準軸から離れるにつれて単調に変化する部分を有しており、また搭載部材の該部分における最大幅が第1の値より大きい。これ故に、搭載部材とステムとの接合面積を大きくできる。
本発明に係る光モジュールでは、前記ステムの前記ベースは、前記ステムの裏面から前記ステムの前記主面に貫通する第1開口を有し、前記第1リード端子は前記第1開口を通過し、前記第1リード端子は封止材を介して前記ステムの前記ベースに支持されており、前記搭載部材の側面は、前記第1開口のエッジから離れるように延在する曲面を含むことが好ましい。
この光モジュールによれば、搭載部材の側面が、ある値以上の距離で第1開口のエッジから離れて延在する曲面を含むので、第1開口を避けながら、搭載部材とステムとの接合面積を大きくできる。
本発明に係る光モジュールでは、前記ステムの主面は、凸状曲線の縁を有し、前記搭載部材の側面は、距離で前記ステムの前記主面の前記縁から離れているように前記第1エリアに延在する凸状の曲面を有することが好適である。
この光モジュールによれば、搭載部材の側面が、ある値以上の距離でステムの主面の凸状曲線状縁から離れて延在する凸状の曲面を有するので、ステムの主面内において、搭載部材がキャップから隔置されるようにして搭載部材とステムとの接合面積を大きくできる。
本発明に係る光モジュールでは、前記ステムの前記ベースは、前記ステムの裏面から前記ステムの前記主面に貫通する第2開口を有し、前記第2リード端子は前記第2開口を通過し、前記第2リード端子は封止材を介して前記ステムの前記ベースに支持されており、前記ステムの主面は、曲線状の縁を有し、前記搭載部材の側面は、前記第2開口の縁から離れているように前記第2エリアで延在する第1曲面と、前記ステムの前記主面の前記縁から離れているように前記第2エリアで延在する第2曲面とを有することが好ましい。
この光モジュールによれば、搭載部材の側面が、ある値以上の距離で第2開口のエッジから離れるように延在する曲面を含むので、第2開口を避けながら、搭載部材とステムとの接合面積を大きくできる。また、搭載部材の側面が、ある値以上の距離でステムの主面の凸状曲線状縁から離れているように凸状の曲面を有するので、ステムの主面内において、搭載部材がキャップから隔置されるようにして搭載部材とステムとの接合面積を大きくできる。
本発明に係る光モジュールでは、前記第1のリード端子及び前記第2のリード端子は、それぞれ、前記サブマウントの上面から突出した前記第1のリード端子部及び前記第2のリード端子部を有し、前記搭載部材は、前記サブマウントに接合を成す第1部分と、該第1部分に隣接する第2部分とを含み、前記搭載部材の前記第1部分の厚さは前記第1のリード端子部の高さより小さいことが好ましい。
この光モジュールによれば、搭載部材の第1部分の厚さを第1のリード端子部の高さより小さくして、熱の伝搬経路を短縮すると共に、第1部分に隣接する第2部分にも熱が伝搬する。搭載部材は、搭載部材とステムとの接合面積を大きくして熱の伝搬を促進できる。
本発明に係る光モジュールでは、前記搭載部材は、前記ステムの前記主面の上において前記第1基準軸の方向に設けられた第1凹部及び第2凹部と、前記ステムの前記主面の上において前記第2基準軸の方向に設けられた第1凸部及び第2凸部とを含むことが好適である。
この光モジュールによれば、搭載部材が、その第1凹部及び第2凹部が第1基準軸の方向に配列されると共に第1凸部及び第2凸部が第2基準軸の方向に配列されるようにステムの主面上に配置されるので、リード端子を避けながら、搭載部材とステムとの接合面積を大きくできる。
本発明に係る光モジュールでは、前記搭載部材は金属板からなることが好ましい。
この光モジュールによれば、搭載部材が金属板からなるので、半導体レーザ素子からの熱を板状の部材を用いて広く伝搬させることができる。ステムのより多くの領域を積極的に放熱に利用できる。
以上説明したように、本発明によれば、ステムを用いる実装形態において半導体レーザ素子に良好な放熱性を提供できる光モジュールが提供される。
光モジュールに係る本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、本実施の形態に係る光モジュールを概略的に示す図面である。図2は、本実施の形態に係る光モジュールの一部分を概略的に示す図面である。図1を参照すると、光モジュール1は、サブマウント3、パッケージ5、搭載部材9、及び半導体レーザ素子11を備える。半導体レーザ素子11は活性層を含む。サブマウント3は半導体レーザ素子11を搭載する。パッケージ5はステム10a及びキャップ10bを含む。ステム10aは、ベース77a、第1のリード端子77b、及び第2のリード端子77cを含む。ベース77aは、第1のリード端子77b及び第2のリード端子77cを支持する。搭載部材9は、サブマウント3を搭載する搭載面9a及びステム10aの主面10cに接合を成す固定面9bを有する。搭載部材9の搭載面9aは固定面9bの反対側にある。
図2の(a)部を参照すると、ステム10aの主面10cは、第1エリア10d及び第2エリア10eを有し、該主面10cにおいて第1のリード端子77b及び第2のリード端子77cの一方から他方に向かう方向に延在する第1基準軸RA1によって分割されて第1エリア10d及び第2エリア10eになる。搭載部材9は、第1基準軸RA1を横切って第1エリア10dから第2エリア10eにわたって延在する。搭載部材9は、第1領域9c、第2領域9d及び第3領域9eを含む。第1領域9c、第2領域9d及び第3領域9eは、ステム10aの主面10cの上において第1基準軸RA1に交差する方向に延在する第2基準軸RA2の延在方向に順に配列されている。第1領域9cは第2領域9dの幅より大きい幅を有する部分を含む。例えば、第2領域9dの幅における最大値は第1領域9cの幅における最大値より小さい。また、例えば、第2領域9dの幅における最小値は第1領域9cの幅における最大値より小さい。半導体レーザ素子11はサブマウント3を介して搭載部材9上に位置する。半導体レーザ素子11はサブマウント3を介して搭載部材9の第1領域9c及び第2領域9dの少なくともいずれか一方の上に位置し、或いは、半導体レーザ素子11はサブマウント3を介して搭載部材9の第3領9e域及び第2領域9dの少なくともいずれか一方の上に位置する。半導体レーザ素子11はサブマウント3を介して搭載部材9の第2領域9d上に位置する。搭載部材9の第3領域9eは第2領域の幅9d以上の幅を有する部分を含む。第3領域9eは第2領域9dの幅より大きい幅を有する部分を含んでいても良い。例えば、第2領域9dの幅における最大値は第3領域9eの幅における最大値より小さい。また、例えば、第2領域9dの幅における最小値は第3領域9eの幅における最大値より小さい。
この光モジュール1によれば、半導体レーザ素子11はサブマウント3上に搭載されており、このサブマウント3は搭載部材9の搭載面9a上に搭載される。搭載部材9の固定面9bはステム10aの主面10cに接合を成すと共に、搭載部材9の搭載面9aは固定面9bの反対側にある。半導体レーザ素子11からの熱はサブマウント3を介して搭載部材9に伝わる。
第1領域9c、第2領域9d及び第3領域9eを含む搭載部材9を用いるとき、搭載部材9の第1領域9cは、半導体レーザ素子11がサブマウント3を介して位置する第2領域9dの幅より大きい幅を有する部分を含むと共に、第3領域9eは該第2領域9dの幅以上の幅を有する部分を含む。半導体レーザ素子11からの熱はサブマウント3を介して搭載部材9の第2領域9dに伝わった後に、この第2領域9dの幅より大きい幅を有する部分を有する第1領域9c及び/又は第3領域9eに拡散していく。これ故に、半導体レーザ素子11からの熱は、搭載部材9の第2領域9dから第1領域9c及び第3領域9eに伝搬することに加えて、第2領域9cの幅より大きい幅を有する部分を含む第1領域9a、第3領域9eからもステム10aに放熱される。したがって、この光モジュール1は、ステム10aを用いる実装において半導体レーザ素子11に良好な放熱性を提供できる。
光モジュール1では、半導体レーザ素子1の活性層はIII族窒化物半導体からなることができる。III族窒化物半導体レーザ素子がその動作時に比較的大きな発熱を示すので、III族窒化物半導体レーザ素子に好適に適用される。
光モジュール1はサブマウント3及び半導体レーザ素子11を含む。サブマウント3は、搭載面3a及び裏面3bを有する。サブマウント3の材料は、例えばAlN、GaN、SiC、ダイヤモンド等からなる。サブマウント3の搭載面3aは、デバイスを搭載するように設けられる。サブマウント3の厚みは例えば100μm以上400μm以下であることが好ましい。サブマウント3の熱伝導率は例えば100W/(m・K)以上であることが好ましい。サブマウント3の搭載面3aには、必要な場合には、電極3cが設けられることができる。サブマウント3の搭載面3aは半導体レーザ素子11といった窒化物半導体発光素子を搭載する。
搭載部材9は金属製であり、また搭載部材9の熱伝導率はサブマウント3の熱伝導率より大きいことが好ましい。搭載部材9は、例えば、銅、及び銅を含む合金のいずれかを含むことが好適である。この光モジュール1によれば、搭載部材9が、銅を含む合金及び銅のいずれかを含むので、サブマウント3から搭載部材9を介してステム10aへの放熱が良好になる。また、搭載部材9は、銅タングステン及び銅モリブデンのいずれかを含むことが好適である。この光モジュール1によれば、搭載部材9が銅タングステン及び銅モリブデンのいずれかを含むので、ヒートシンクから搭載部材を介してステムへの放熱が優れる。
材料名、熱伝導率。
銅:398W/(m・K)。
銅タングステン:230〜270W/(m・K)。
銅モリブデン:160〜290W/(m・K)。
熱伝導率は例えば160(m・K)以上であることが好ましく、また熱伝導率は例えば230(m・K)以上であることが更に好ましい。
ステム10aでは、ベース77aは金属であり、この金属は例えば鉄(Fe)等であることができる。ベース77aは、表面(主面10c)から裏面へ向かう方向に延在する貫通孔を含み、リード端子77b、77cの各々は貫通孔に支持される。リード端子77b、77cと貫通孔との間には封止材(封止ガラス)で満たされている。搭載部材9は、リード端子77b、77cのための貫通孔を避けると共にリード端子77bとリード端子77cとの間に延在する。この実施例では、第2領域9dは2つの貫通孔の開口間に位置する部分として規定されている。光モジュール1では、金属製のベース77a上の搭載部材9の上面上に搭載される半導体レーザ素子11は、サブマウント3に導電性接着剤を介してしっかりと固定される。半導体レーザ素子11は、リッジ構造を有することができるが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。ステム10a上には、半導体レーザ素子11からの光を外部に提供するためのレンズ74を保持するレンズキャップ10bが設けられ、ステム10a及びレンズキャップ10bは同軸型パッケージを構成する。光モジュール1では、ステム10a及びキャップ10bは、サブマウント3、搭載部材9及び半導体レーザ素子11を収容するキャビティを提供する。
図2の(b)部を参照すると、半導体レーザ素子11は、半導体レーザ素子11からのレーザ光の進行方向を変える光学部品(例えばミラー75)を介してキャップ10bの光学窓に光学的に結合されていることが好適である。この光学部品は搭載部材9上に搭載されている。
当該光モジュール1では、この光学部品は、半導体レーザ素子11から出射されるレーザ光LB1を反射してキャップ10bのレンズ74に提供するミラー75を含むことができる。ミラー75は、搭載部材9の第2領域9d(例えば、ステム10aのほぼ中央)に設けられる。
搭載部材9の熱伝導率はステムベースの熱伝導率より大きいことが好ましい。金属製のベース77aは例えば鉄製であり、レンズキャップ10bの金属部分も鉄製である。搭載部材9は、既に説明したように、例えば熱伝導性に優れた例えば銅製である。リード端子77bは、ボンディングワイヤ79bを介して半導体レーザ素子11の電極(例えばカソード電極)に接続される。リード端子77cは、サブマウント3の搭載面3a上の電極層3cにボンディングワイヤ79cを介して接続される。例えば、ステム10aは金属製のベース77aに接続される追加のリード端子を含むことができる。
この光モジュール1では、半導体レーザ素子11は、光学部品に光学的に結合され、またキャップの光学窓に光学的に結合される。半導体レーザ素子11は、そのレーザ光LD1が光学部品を介して進行方向を変えてキャップの光学窓(例えばレンズ74)に向けて進む。半導体レーザ素子11は、ステム10aの主面10cに平行な方向に延在する平面に沿って光を出射するように、搭載部材9上に配置される。半導体レーザ素子11からの熱は、サブマウント3を伝搬した後に、サブマウント3の熱伝導率より大きい熱伝導率の搭載部材9をその厚さ方向及びその延在方向に伝搬していく。
光モジュール1では、半導体レーザ素子11はエピダウン形態(例えばpダウン形態)でサブマウント3の主面(搭載面3a)に実装されていることが好ましい。エピダウン形態での実装は、発光に起因して発熱する活性層からの熱をヒートシンクに伝えることができる。
引き続き、搭載部材9について説明する。図3は、ステム10a及び搭載部材9を示す上面図である。
図3を参照すると、光モジュール1の一形態では、搭載部材9の幅は第1基準軸RA1上において第1の値W1を有する。搭載部材9は、該搭載部材9の幅(第1基準軸RA1の延在方向に関する長さ)が第1基準軸RA1上の点から第2基準軸RA2の延在方向に第1基準軸RA1から離れるにつれて単調に変化する部分9f、9gを有することができる。搭載部材9では、この部分9f(9g)における最大幅WMAX1(WMAX2)は第1の値W1より大きい。この形態では、搭載部材9は、搭載部材9の幅が単調に変化する部分9f(9g)を有しており、また搭載部材9の部分9f(9g)における最大幅WMAX1(WMAX2)が第1の値W1より大きいので、搭載部材9とステム10aとの接合面積を大きくできる。
光モジュール1の一形態では、ベース77aは第1開口77dを有しており、この第1開口77dはステム10aの主面10cから裏面に貫通する。第1リード端子77bは第1開口77dを通過し、第1リード端子77bは封止材77fを介してベース77aに支持されている。搭載部材9の側面9hは、ある値以上の距離(例えば0.1mm)で第1開口77dのエッジから離れるように延在する曲面を含むことが好ましい。搭載部材9の側面9hが曲面からなるとき、第1開口77dを避けながら、二次元的な熱の広がりを可能にすると共に搭載部材9とステム10aとの接合面積を大きくできる。
光モジュール1の一形態では、ステム10aの主面10cは、凸状曲線の縁を有する。搭載部材9の側面9iは、ある値以上の距離(例えば1mm)でステム10aの主面10cの縁10fから離れているように第1エリア10dに延在する凸状の曲面を有することが好適である。搭載部材9の側面9iが凸状の曲面を有するとき、ステム10aの主面10c内において、搭載部材9がキャップ10bから隔置されるようにして、二次元的な熱の広がりを可能にすると共に搭載部材9とステム10aとの接合面積を大きくできる。
光モジュール1の一形態では、ステム10aのベース77aは第2開口77eを有しており、第2開口77eはステム10aの主面10cから裏面に貫通する。第2リード端子77cは第2開口77eを通過し、第2リード端子77cは封止材77fを介してベース77aに支持されている。ステム10aの主面10cは曲線状の縁10gを有する。搭載部材9の側面は、第1曲面9j及び第2曲面9kを有することが好ましい。第1曲面9kは、ある値以上の距離で第2開口77eの縁から離れているように第2エリア10eで延在しており、第2曲面9kはある値以上の距離でステム10aの主面10cの縁10gから離れているように第2エリア10eで延在する。この光モジュール1によれば、搭載部材9の側面が曲面9kを含むので、第2開口77eを避けながら、二次元的な熱の広がりを可能にすると共に搭載部材9とステム10aとの接合面積を大きくできる。また、搭載部材9の側面が凸状の曲面9jを有するとき、ステム10aの主面10c内において、搭載部材9がキャップ10bから隔置されるようにして、二次元的な熱の広がりを可能にすると共に搭載部材9とステム10aとの接合面積を大きくできる。
光モジュール1の一形態では、図4の(a)部を参照すると、第1のリード端子77b及び第2のリード端子77cは、それぞれ、ベース77aの上面から突出した第1のリード端子部77b及び第2のリード端子部77cを有する。また、図4の(b)部を参照すると、搭載部材9は、サブマウント3に接合を成すための第1部分9mと、該第1部分9mに隣接する第2部分9nとを含む。搭載部材9の第1部分9mの厚さD3は第1のリード端子部77bの高さH1より小さいことが好ましく、例えば第1のリード端子部77bの高さH1及び第2のリード端子部77cの高さH2の高くない方の高さより小さい。搭載部材9の第1部分9mの厚さD3を第1のリード端子部77bの高さH1より小さくして熱の伝搬経路を短縮すると共に、第1部分9mに隣接する第2部分9nにも熱が伝搬する。搭載部材9は、搭載部材9とステム10aとの接合面積の拡大と熱の拡散とを可能にして熱の伝搬を促進できる。例えば、第1のリード端子部77bの高さH1は第2のリード端子部77cの高さH2以下であることができる。
図4の(b)部を参照すると、光モジュール1の一形態では、搭載部材9は、ステム10aの主面10c上において第1基準軸RA1の方向に設けられた第1凹部8c及び第2凹部8dを含むことが好ましい。これにより、リード端子のための開口77d、77eを避けながら、搭載部材9とステム10との接合面積の拡大と熱の伝達の促進を可能にする。また、搭載部材9は、ステム10aの主面10c上において第2基準軸RA2の方向に設けられた第1凸部8a及び第2凸部8bを含むことが好適である。これにより、搭載部材9とステム10との接合面積を大きくできる。さらに、第1凹部8c及び第2凹部8dが第1基準軸RA1の方向に配列されると共に第1凸部8a及び第2凸部8bが第2基準軸RA2の方向に配列されるように、搭載部材9がステム10aの主面10c上に配置されるとき、リード端子77b、77cを避けながら、搭載部材9とステム10aとの接合面積の増大と熱の横拡がりの促進とを可能にする。
光モジュール1の一形態では、搭載部材9は金属板からなることが好ましい。搭載部材9が金属板からなるとき、半導体レーザ素子11からの熱を板状の部材を用いて広く伝搬させることができる。ステム10aのより多くの領域を積極的に放熱に利用できる。
或いは、搭載部材9の別の形態は、半導体レーザ素子11から出射されるレーザ光を反射するためのミラーを更に含むことができる。この搭載部材のミラーが、半導体レーザ素子11から出射されるレーザ光を反射して、反射光がキャップ10bのレンズに向かう。
本実施例では、光モジュール1はステム10a上に搭載される。半導体レーザ素子11はいわゆるpダウン形態でサブマウント3の搭載面3aに実装されることができる。pダウン形態では、半導体レーザ素子11のアノードがサブマウントの搭載面3aに向く。アノードには、カソードに対してプラスの電位にある。
光モジュール1(又は窒化物半導体レーザ装置)は半導体レーザ素子11とサブマウント3との間に設けられる接着部材(図1における部材6)を更に備えることができる。接着部材は、半導体レーザ素子11をサブマウント3の搭載面3aに実装するために用いられる。接着部材6は導電性を有する。半導体レーザ素子11をサブマウント3の搭載面3aに実装する際に、半導体レーザ素子11が加熱される。この加熱は、半導体レーザ素子11の電極15の電気特性の劣化及び変動の原因になる可能性がある。好適な実施例では、接着部材6は、AuSn、SnAgCu、SnAg、およびBiSnの少なくともいずれかであることが好ましい。SnAgCu、SnAg、およびBiSnは、低い融点を有するので、実装の際の熱に起因する電極特性の劣化を低減できる。一実施例では、半導体レーザ素子11は搭載部品に半田材を介して固定されており、この半田材は、高い信頼性を提供できるAuSnを含むことが好ましい。
サブマウント3はデバイスを搭載するための搭載面3aを有する。サブマウント3の熱膨張係数は2.5×10−6/K以上6.5×10−6/K以下の範囲にあることができる。熱膨張係数におけるこの範囲の値は、窒化物半導体の熱膨張係数である3×10−6/K以上6×10−6/Kに近いので好ましい。
半導体レーザ素子11はサブマウント3の電極3c上に位置し、pダウン実装の例では、窒化物半導体発光素子のアノードが電極3cに接着される。電極3cは金属層を含む。電極3cをボンディングワイヤといった導電部材を介してリード端子に接続されていても良い。また、窒化物半導体発光素子11のカソードは、ボンディングワイヤといった導電部材を介してステムのリード端子に接続されていても良い。半導体レーザ素子11は、接着部材9によりサブマウント3の電極3cに固定されていることが好ましい。
図5は、本実施の形態に係る光モジュールを模式的に示す図面である。図5を参照すると、窒化物からなる半導体発光素子が示され、また半導体発光素子として、III族窒化物からなる半導体レーザ素子11が示される。光モジュール10は半導体レーザ素子11を含む。半導体レーザ素子11は、レーザ構造体13及び電極15、41を含む。
半導体レーザ素子11には、リッジ型の構造を適用される。III族窒化物半導体レーザ素子11は、レーザ構造体13及び電極15を備える。レーザ構造体13は、III族窒化物半導体からなるエピタキシャル半導体積層(以下、「半導体積層」と記す)19を搭載する基板17を含む。半導体積層19は基板17の主面17a上に設けられる。電極15は半導体積層19上に設けられる。基板17は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなり、また主面17a及び裏面17bを有する。また、基板17の主面17aは、基板17の窒化ガリウム系半導体のc軸に直交する第1基準面(例えば面Sc)に対して傾斜を成し、またc面の極性と異なる極性特性を有することができ、又はc面の極性を有していてもよい。半導体積層19は活性層25を含み、一実施例では、活性層25は、III族窒化物半導体レーザ素子11の発振波長が400nm以上550nm以下の範囲にあるように設けられる。半導体積層19におけるc軸(ベクトルVCの方向に向く軸)は基板17の主面17aに対する法線軸NXに対して傾斜する。
この光モジュール1によれば、400nm以上550nm以下の範囲内の発振波長は、半導体レーザ素子11に高い投入電力を必要とする。
光モジュール1では、半導体レーザ素子11の基板17は、窒化ガリウム系半導体からなることができ、例えばGaNからなることが好ましい。
半導体レーザ素子11の一形態では、基板17の窒化ガリウム系半導体の主面は、c面又はc面から僅かなオフ角を有していても良い。或いは、半導体レーザ素子11の別の形態では、基板17の窒化ガリウム系半導体のc軸(ベクトルVC)は、該III族窒化物半導体のc軸からa軸又はm軸の方向へ傾斜を成すことができる。III族窒化物の半導体レーザ素子11がa軸又はm軸の方向に傾斜したc軸の基板17を用いて作製されるとき、III族窒化物半導体レーザ素子11は異方的な熱膨張係数を有する。この半導体レーザ素子では、半導体積層19は、電極15が接触を成すp型III族窒化物半導体(例えば「層33」)を含み、基板17の主面17aは、第1基準面(例えばSc)に対して10度以上の角度で傾斜することが好ましい。この光モジュール10及び窒化物半導体レーザ装置1によれば、半導体積層19が基板17の主面17a上に設けられるので、電極15とp型窒化ガリウム系半導体層との接合面30aも基準面(例えば面Sc)に対して10度以上の角度で傾斜する。また、接合面30aも基準面(例えば面Sc)に対して170度以下の角度で傾斜する。
基板17の半極性面17aが該六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸に対してm軸の方向に63度以上80度以下の範囲内の角度ALPHAで傾斜するとき、電極15と該電極15が接触を成すp型コンタクト層33との界面30aも、上記の角度ALPHAで傾斜する。
上記の角度範囲では、III族窒化物半導体レーザ素子11のp側の電極15は、電流−電圧特性の劣化を引き起こしやすい。電流−電圧特性の劣化の一例では、良好なオーミック特性が失われて、電極15の電流−電圧特性がショットキー特性又はショットキー特性に近い特性を示すように劣化する。このような電極特性劣化は、発明者の知見によれば、窒化ガリウム系半導体の半極性面上に形成される電極15において顕著に生じる。III族窒化物半導体レーザ素子11が、例えば電極形成のためのプロセスによる熱ストレスにさらされるとき、電極15の電流−電圧特性は容易に劣化してしまう。しかしながら、高い熱伝導性を有する搭載部材9を用いた実装形態では、実装後の電極の特性劣化(つまり、熱劣化)を低減できる。
図5を参照すると、電極15は、レーザ構造体13の半導体積層19上に設けられる。半導体積層19は、第1のクラッド層21と、第2のクラッド層23と、活性層25とを含む。第1のクラッド層21は、第1導電型のIII族窒化物半導体領域(例えばn型III族窒化物半導体領域やn型窒化ガリウム系半導体)からなり、例えばn型AlGaN、n型InAlGaN等からなる。第2のクラッド層23は、第2導電型のIII族窒化物半導体領域(例えばp型III族窒化物半導体領域やp型窒化ガリウム系半導体)からなり、例えばp型AlGaN、p型InAlGaN等からなる。活性層25は、第1のクラッド層21と第2のクラッド層23との間に設けられる。活性層25は窒化ガリウム系半導体層を含み、この窒化ガリウム系半導体層は例えば井戸層25aである。活性層25は窒化ガリウム系半導体からなる障壁層25bを含み、井戸層25aは障壁層25bの間に設けられており、これら層25a、25bは交互に配列されている。井戸層25aは、例えばInGaN等からなり、障壁層25bは例えばGaN、InGaN等からなる。活性層25は量子井戸構造を含むことができる。第1のクラッド層21、第2のクラッド層23及び活性層25は、半極性の主面17aの法線軸NXに沿って配列されている。半極性の主面17aの利用により、波長480nm以上540nm以下の光の発生に好適である。この窒化物半導体レーザ装置1及び光モジュール10によれば、III族窒化物半導体レーザ素子11は、緑色及びその隣接色の光を示す上記波長範囲内のレーザ発振を提供できる。また、半導体レーザ素子11では、活性層25は510nm以上540nm以下の範囲に発振波長を有するように設けられることが好ましい。この窒化物半導体レーザ装置1及び光モジュール10によれば、半導体レーザ素子11は、緑色光を示す上記波長範囲内のレーザ発振を提供できる。
本実施例における半導体レーザ素子11では、六方晶系III族窒化物半導体のc軸は六方晶系III族窒化物半導体のm軸の方向に傾斜している。これ故に、レーザ構造体13は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸及び法線軸NXによって規定されるm−n面に交差する第1の端面27及び第2の端面29を含む。なお、六方晶系III族窒化物半導体のc軸は六方晶系III族窒化物半導体のa軸の方向に傾斜していることができ、この傾斜のとき、レーザ構造体13の第1の端面27及び第2の端面29は、六方晶系III族窒化物半導体のa軸及び法線軸NXによって規定されるa−n面に交差し、へき開面ではない割断面からなる。或いは、第1の端面27及び第2の端面29は、基板17の主面17aとm−n面(又はa−n面)との両方に直交する面に交差していてもよい。
図5には、直交座標系S及び結晶座標系CRが描かれている。法線軸NXは、直交座標系SのZ軸の方向に向く。主面17aは、直交座標系SのX軸及びY軸により規定される所定の平面に平行に延在する。また、代表的なc面Scが描かれている。基板17の六方晶系III族窒化物半導体のc軸は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸の方向に法線軸NXに対してゼロより大きい角度ALPHAで傾斜している。
半導体レーザ素子11は、絶縁膜31を更に備える。絶縁膜31はレーザ構造体13の半導体積層19の表面19aを覆っており、半導体積層19は絶縁膜31と基板17との間に位置する。基板17は六方晶系III族窒化物半導体からなる。絶縁膜31は開口31aを有し、開口31aは半導体積層19の表面19aと上記のm−n面との交差線の方向に延在し、例えばストライプ形状を成す。電極15は、開口31aを介して半導体積層19の表面19a(例えば第2導電型のコンタクト層33)に接触を成しており、上記の交差線の方向に延在する。半導体レーザ素子11では、レーザ導波路は、第1のクラッド層21、第2のクラッド層23及び活性層25を含み、また上記の交差線方向に延在する。電極15及び絶縁膜31上には、パッド電極16が設けられていてもよい。
基板17の主面17aは六方晶系窒化ガリウム系半導体からなり、基板17の主面17は該六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸に対して傾斜した半極性面を有する。半導体積層19は基板17の主面17a上にエピタキシャルに成長された複数の半導体層21、20、23、33を含む。この窒化物半導体レーザ装置によれば、六方晶系窒化ガリウム系半導体の半極性面上に半導体積層を作製可能である。基板17の主面17aは六方晶系窒化ガリウムからなることが好ましい。この窒化物半導体レーザ装置1によれば、良好な結晶品質のGaN上に半導体積層を作製可能である。
半導体レーザ素子11では、既に説明したように、c軸がm軸の方向に傾斜するとき、第1の端面27及び第2の端面29は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸及び法線軸NXによって規定されるm−n面に交差する(或いは、c軸がa軸の方向に傾斜するとき、第1の端面27及び第2の端面29は、六方晶系III族窒化物半導体のm軸及び法線軸NXによって規定されるa−n面に交差する)。半導体レーザ素子11のレーザ共振器は第1及び第2の端面27、29を含み、第1の端面27及び第2の端面29の一方から他方への導波路軸の方向に、レーザ導波路(導波路構造)が延在している。レーザ構造体13は第1の面13a及び第2の面13bを含み、第1の面13aは第2の面13bの反対側の面である。これらの端面は、c軸の傾斜方向とレーザ導波路の延在方向とに応じて、へき開面或いは割断面であることができる。半導体レーザ素子11は、基板上に設けられ活性層を含む導波路構造が基板主面上に延在する端面出射型であることができる。半導体レーザ素子11は、ステム10aの主面10cと水平方向を向いて設置されることができ、水平方向にレーザ光を発生する。第1及び第2の端面27、29は、第1の面13aのエッジ13cから第2の面13bのエッジ13dまで延在する。本実施例では、レーザ導波路はn−m面にそって延在しており、第1及び第2の端面27、29は、c面、m面又はa面といったこれまでのへき開面とは異なり、光共振器のための割断面からなる。基板17は、例えばGaN等からなることができる。該窒化ガリウム系半導体からなる基板を用いるとき、共振器として利用可能な端面27、29を得ることができる。
この半導体レーザ素子11によれば、レーザ共振器を構成する第1及び第2の端面27、29がm−n面に交差する。これ故に、m−n面と半極性面17aとの交差線の方向に延在するレーザ導波路を設けることができる。これ故に、半導体レーザ素子11は、低しきい値電流を可能にするレーザ共振器を有することになる。
第1及び第2の端面27、29の少なくとも一方、又はそれぞれに設けられた誘電体多層膜43a、43bを更に備えることができる。これらの端面27、29にも端面コートを適用できる。誘電体多層膜43a、43bにより、端面コートにより反射率を調整できる。
半導体レーザ素子11は、n側光ガイド層35及びp側光ガイド層37を含む。n側光ガイド層35は、第1の部分35a及び第2の部分35bを含み、n側光ガイド層35は例えばGaN、InGaN等からなる。p側光ガイド層37は、第1の部分37a及び第2の部分37bを含み、p側光ガイド層37は例えばGaN、InGaN等からなる。キャリアブロック層39は、例えば第1の部分37aと第2の部分37bとの間に設けられる。
半導体レーザ素子11は、窒化ガリウム系半導体からなる主面上に設けられた光ガイド層35と活性層25との界面30bは、窒化ガリウム系半導体のc軸と窒化ガリウム系半導体のm軸とによって規定されるc−m面に直交している。活性層25と光ガイド層35との界面30bは、c軸の方向を示すc軸ベクトルからm軸の方向を示すm軸ベクトルに向かう方向に、c軸に直交するc面から角度ALPHAの傾斜を成していることができる。本実施の形態に係る実装形態が有効ば半極性面の一形態は、例えば上記の界面がc軸ベクトルからm軸ベクトルに向かう方向にc面から傾斜する。
基板17の裏面17bには別の電極41が設けられ、電極41は例えば基板17の裏面17bを覆っている。上記の光ガイド層35、37及び活性層25は、発光層20を構成する。
半導体積層19は光ガイド層35を含み、光ガイド層35は活性層25と接触を成し、活性層25と光ガイド層35との界面30bは、窒化ガリウム系半導体のc軸に直交するc面から角度ALPHAの傾斜を成すことができる。活性層25と光ガイド層35との界面30bが上記の傾斜を成すとき、III族窒化物半導体レーザ素子11では、角度ALPHAは活性層25の面方位を規定する。例えば、角度ALPHAが63度以上80度未満の範囲にあるとき、III族窒化ガリウム系半導体レーザ素子が長波長の発光を可能にする。また、上記の角度は緑色及びその隣接波長の光を生成するIII族窒化物半導体レーザの作製に好適である。
半導体レーザ素子11では、半導体積層19は、第1導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層21、35a)、発光層20及び第2導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層37a、23、33)を含む。第1導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層21、35a)、発光層20及び第2導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層37b、23、33)は法線軸NXの方向に順に配列されている。電極15は、第2導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層37a、23、33)の主面に接触を成す。第1導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層21、35a)、発光層20及び第2導電型III族窒化物半導体領域(例えば半導体層37b、23、33)は、それぞれ、法線軸NXに直交する第1〜第3の基準平面R1、R2、R3に沿って延在する。
光モジュール1では、基板17が半導体レーザ素子11の半導体積層19とサブマウント3との間に設けられている。この光モジュール1では、いわゆるpダウン形態で半導体レーザ素子11が実装される。基板17が活性層25に比べてサブマウント3の主面3aから離れている。光モジュール1は、半導体レーザ素子11の電極(例えば電極15)とサブマウント3の主面3aとの間に位置する(例えば、半田)接着部材7を介して熱的プロセスを介して形成される接合を含む。
光モジュール1では、無極性又は半極性の主面17aは、該六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸に対して10度以上170度以下の範囲内の角度ALPHAで傾斜していることが好ましい。この光モジュール1によれば、上記の角度範囲においては、緑色領域の発光に適した活性層を作製するうことができる。極性の主面17aは0度以上10度以下の範囲内にあることができる。
基板17の半極性の主面17aが該六方晶系窒化ガリウム系半導体のc軸に対してm軸の方向に10度以上170度以下の範囲内の角度ALPHAで傾斜するとき、活性層25の発光のピーク波長は500nm以上540nm以下の範囲にあることができる。III族窒化物半導体レーザ素子11の半導体積層19がc面ではない主面17a上に作製されるので、このIII族窒化物半導体レーザ素子11は上記の波長範囲の発光(例えば緑色の発光)を提供できる。
半導体レーザ素子11では、基板17がIII族窒化物の半極性主面17aを有する。また、半導体レーザ素子11のエピタキシャル層構造は、基板17の半極性主面17a上に設けられ、III族窒化物半導体からなる活性層を含むことが好ましい。この半導体レーザ素子11は、半極性面17a上に作製される。この発光素子の発光には、大きな電力の投入が必要であり、これ故に動作の際の熱を光モジュールの外部に排出することが大切である。III族窒化物半導体光素子の動作中における温度を低減できることは、更なる大きな電力の投入を避けることができ、動作性能の低下を低減できる。
半導体レーザ素子11のなかでも、400nm以上550nm以下の波長範囲の発振波長を有するIII族窒化物レーザダイオードでは動作時の発熱が比較的大きい。この光モジュール1は、このレーザダイオードに好適に適用される。また、半導体レーザ素子11の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にあることが好ましい。III族窒化物半導体レーザ素子のなかでも、480nm以上540nm以下の波長範囲の発振波長は、緑色近傍の波長範囲にあり、このレーザダイオードでは動作時の発熱が比較的大きい。この光モジュール1は、このIII族窒化物レーザダイオードに好適に適用される。さらに、半導体レーザ素子11の発振波長は510nm以上540nm以下の範囲にあることが好ましい。III族窒化物半導体レーザ素子のなかでも、480nm以上540nm以下の波長範囲の発振波長は、ちょうど緑色の波長範囲にあり、このレーザダイオードでは動作時の発熱が比較的大きい。この光モジュール1は、このレーザダイオードに好適に適用される。
(実施例1)
窒化物半導体レーザ装置の一実施例を説明する。III族窒化物半導体レーザ素子を準備する。本実施例では、III族窒化物半導体レーザ素子を以下の工程により形成することによって準備する。
(III族窒化物半導体レーザ素子の作製)
図6に示すレーザダイオード構造を作製する。c軸がm軸方向に75度オフしたGaNウエハ90を準備した。このGaNウエハ90の主面の面方位は{20−21}面である。GaNウエハ90を成長炉に配置した後に、アンモニア及び水素の雰囲気中で熱処理を行う。熱処理温度は摂氏1100度であり、熱処理時間は約10分である。熱処理の後に、TMG(98.7μmol/分)、TMA(8.2μmol/分)、NH3(6slm)、SiH4を成長炉に供給して、クラッド層のためのn型AlGaN層91をGaNウエハ90上に摂氏1150度で成長する。n型AlGaN層91の厚さは2300nmである。n型AlGaN層91の成長速度は46.0nm/分である。n型AlGaN層91のAl組成は0.04である。
次いで、TMG(98.7μmol/分)、NH3(5slm)、SiH4を成長炉に供給して、n型AlGaN層91上にn型GaN層92を摂氏1150度で成長する。n型GaN層92の厚さは50nmである。n型GaN層92の成長速度は58.0nm/分である。TMG(24.4μmol/分)、TMI(4.6μmol/分)、NH3(6slm)を成長炉に供給して、光ガイド層のためのアンドープInGaN層93aをn型GaN層94上に摂氏840度で成長する。n型InGaN層93aの厚さは65nmである。n型InGaN層93aの成長速度は6.7nm/分である。アンドープInGaN層93aのIn組成は0.05である。次いで活性層94を形成する。TMG(15.6μmol/分)、TMI(29.0μmol/分)、NH3(8slm)を成長炉に供給して、アンドープInGaN井戸層を摂氏745度で成長する。InGaN層の厚さは3nmである。InGaN層の成長速度は3.1nm/分である。
次いで、成長炉の温度を摂氏745度に維持しながら、TMG(15.6μmol/分)、TMI(0.3μmol/分)、NH3(8slm)を成長炉に供給して、アンドープGaN層をInGaN層上に摂氏745度で成長する。GaN層の厚さは1nmである。GaN層の成長速度は3.1nm/分である。アンドープGaN層を成長した後に、成長炉の温度を摂氏745度から摂氏870度に変更する。TMG(24.4μmol/分)、TMI(1.6μmol/分)、NH3(6slm)を成長炉に供給して、障壁層のためのアンドープInGaN層をアンドープInGaN井戸層上に摂氏870度で成長する。InGaN層の厚さは15nmである。InGaN層の成長速度は6.7nm/分である。アンドープInGaN層のIn組成は0.02である。
次いで、成長炉の温度を摂氏870度から摂氏745度に変更する。この後に、TMG(15.6μmol/分)、TMI(29.0μmol/分)、NH3(8slm)を成長炉に供給して、アンドープInGaN井戸層をInGaN層上に摂氏745度で成長する。InGaN層の厚さは3nmである。InGaN層の成長速度は3.1nm/分である。アンドープInGaN層のIn組成は0.25である。
井戸層及び障壁層の成長を2回繰り返して行う。この後に、TMG(13.0μmol/分)、TMI(4.6μmol/分)、NH3(6slm)を成長炉に供給して、光ガイド層のためのアンドープInGaN層93bを活性層94上に摂氏840度で成長する。InGaN層93bの厚さは65nmである。InGaN層93bの成長速度は6.7nm/分である。次いで、TMG(98.7μmol/分)、NH3(5slm)を成長炉に供給して、アンドープGaN層96をInGaN層93b上に摂氏1100度で成長する。GaN層96の厚さは50nmである。GaN層96の成長速度は58.0nm/分である。アンドープInGaN層93bのIn組成は0.05である。
次いで、TMG(16.6μmol/分)、TMA(2.8μmol/分)、NH3(6slm)、Cp2Mgを成長炉に供給して、p型AlGaN層97をGaN層96上に摂氏1100度で成長する。AlGaN層97の厚さは20nmである。AlGaN層97の成長速度は4.9nm/分である。p型AlGaN層97のAl組成は0.15である。TMG(36.6μmol/分)、TMA(3.0μmol/分)、NH3(6slm)、Cp2Mgを成長炉に供給して、p型AlGaN層98をp型AlGaN層97上に摂氏1100度で成長する。AlGaN層98の厚さは400nmである。Alの組成は0.06である。AlGaN層98の成長速度は13.0nm/分である。また、TMG(34.1μmol/分)、NH3(5slm)、Cp2Mgを成長炉に供給して、p型GaN層99をp型AlGaN層98上に摂氏1100度で成長する。GaN層99の厚さは50nmである。p型GaN層99の成長速度は18.0nm/分である。これらの工程によってエピタキシャルウエハが作製される。
このエピタキシャルウエハを用いてリッジ構造及びアノードANを形成すると共に、エピタキシャルウエハを用いてカソードCTを形成して基板生産物を作製する。この後に、基板生産物を分離して個々のレーザダイオードを作製できる。アノード電極は、例えばリッジ構造の上面に設けられた10マイクロメートル幅のストライプ窓を有する絶縁膜95を介してp型GaN層に電気的に接続される。この基板生産物を切断して一対の共振器のための端面を形成する。600マイクロメートルの共振器長及び2マイクロメートルのリッジ幅のレーザダイオードLD0を作製する。
(実施例2)
図7は、金属台座の側面上に実装される半導体レーザ素子を含む光モジュールを概略的に示す図面である。半導体レーザ素子11は、ステム10aの主面10c上に設けられた金属台座76の側面上に実装される。金属台座76は例えば銅製である。この光モジュール71の一形態(この実施例において垂直実装形態と呼ぶ)では、半導体レーザ素子11からの熱は金属台座76を介して金属ベースに伝導する。金属台座76のサイズは例えば1mm角である。半導体レーザ素子11は金属台座76の側面上における高さ100〜400μmの位置に実装される。図8の(a)部は、ステム10aの主面10c上におけるサブマウント3、半導体レーザ素子11及び金属台座76の配置を示す。ステムの材料は鉄(Fe)製であり、その熱伝導率は71.2W/(m・K)である。ステムの径は5.6mmであり、ステムの厚さは1mmである。この実装形態の熱伝導シミュレーションの結果、熱抵抗は22、73℃/Wである。ここで、熱抵抗の定義は、1W投入時におけるジャンクション温度とステム外周温度の差として規定される。図8の(b)部は、図7における実装形態の別の例としてステム10aの主面10c上における金属台座76aの配置を示す。この別例としてサイズ(R=1.6mm、「R」は半径)の金属台座76aを用いた光モジュールの熱伝導シミュレーションの結果によれば、熱抵抗は21、76℃/Wである。
しかしながら、図7に示される実装形態(金属台座の側面上に半導体レーザ素子を実装する形態)では、リード端子の配置及び半導体レーザ素子の配置の両方の制限から、金属台座の形状を変更することによる改良は限界である。
図9の(a)部を参照すると、本実施の形態に係る搭載部材90の一形態(この実施例において水平実装形態と呼ぶ)が示されている。上記の同様のステムが用いられており、搭載部材90は銅製である。搭載部材90の上面に半導体レーザ素子11がサブマウント3を介して実装されている。搭載部材90の厚さが0.25mmであるとき、この形態の光モジュールの熱伝導シミュレーションの結果、熱抵抗は20、54℃/Wである。また、搭載部材90の厚さが0.50mmであるとき、この形態の光モジュールの熱伝導シミュレーションの結果、熱抵抗は20、04℃/Wである。銅(Cu)製の搭載部材90の熱伝導率は398W/(m・K)である。搭載部材90のサイズは半径1.6mmである。
水平実装形態では、搭載部材90の厚さが薄いけれども、半導体レーザ素子11の水平実装の結果として、リード端子の配置に制限を加えることなしに、半導体レーザ素子の配置の制限を緩和させることができる。このため、搭載部材90の形状を大幅に変更することが可能になる。
図9の(b)部を参照すると、本実施の形態に係る搭載部材9の一形態が示されている。搭載部材90は銅製である。搭載部材9の上面に半導体レーザ素子11がサブマウント3を介して実装されている。搭載部材90は銅(Cu)製であり、その熱伝導率は398W/(m・K)である。搭載部材90の径は3.2mmである。搭載部材9の平面形状は、基準軸RA1、RA2に関して線対称な形状である。
図10は、搭載部材9として用いた銅製の放熱板の厚さと熱抵抗との関係を示す。搭載部材9の厚さをゼロから3mmまでの範囲で様々に変更して、光モジュールの熱伝導シミュレーションを行った。ステムは上記と同様な形態である。その結果の値を示す。
搭載部材9の厚さ、熱抵抗。
0mm 、22.5℃/W。
0.25mm、20.5℃/W。
0.50mm、20.0℃/W。
1.00mm、20.1℃/W。
2.00mm、20.9℃/W。
3.00mm、21.8℃/W。
熱伝導シミュレーションの結果、搭載部材9は、例えば0.2mm以上1.6mm以下の範囲である。
本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。