JP2013171784A - 角形非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極集電タブと負極集電タブとの間の内部短絡が生じ難く、スペース効率に優れ、ハイレート充放電特性及びサイクル特性に優れ、しかも使用時に磁界の発生が少なく、かつ落下信頼性が高い角形非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】本発明の角形非水電解質二次電池は、複数の正極集電タブ12a、12bはそれぞれ正極芯体露出部の巻き始め側の端部及び巻き終わり側の端部に取り付けられ、負極集電タブは負極芯体露出部の巻き始め側の端部又は巻き終わり側の端部に取り付けられ、複数の正極集電タブ12a、12bは、偏平状巻回電極体10Aの上部で折り曲げられ、偏平状角形外装体の長辺の2辺にそれぞれ少なくとも1本の正極集電タブが位置するように、それぞれの先端が偏平状角形外装体26と封口体16とに挟まれて溶接されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、正極集電タブと負極集電タブとの間の内部短絡が生じ難く、スペース効率に優れ、ハイレート充放電特性及びサイクル特性に優れ、しかも使用時に磁界の発生が少なく、かつ落下信頼性が高い角形非水電解質二次電池に関する。
今日の携帯電話機、携帯型パーソナルコンピューター、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型電子機器の駆動電源として、更には、ハイブリッド電気自動車(HEV、PHEV)や電気自動車(EV)用の電源として、高エネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が広く利用されている。これらの非水電解質二次電池は、スペース効率や扱い易さに優れているという観点から、角形のものが多く使用されている。
角形非水電解質二次電池は、通常、以下のようにして作製されている。まず、正極芯体の両面に正極活物質合剤層を設けた正極極板と負極芯体の両面に負極活物質合剤層を設けた負極極板とを作製する。次いで、正極極板及び負極極板をセパレータを介して積層ないし偏平状に巻回した偏平状の電極体を作製し、この偏平状の電極体を角形の電池外装体内に挿入する。そして、正極端子及び負極端子の少なくとも一方が設けられた封口体を角形の電池外装体の開口部に嵌合させた後、嵌合部をレーザー溶接し、その後電解液注入孔から非水電解液を注入してこの電解液注入孔を封止することにより、角形非水電解質二次電池が作製される。なお、正極極板に設けられた正極集電タブ及び負極極板に設けられた負極集電タブは、適宜の段階で正極端子や負極端子に電気的に接続される。
ここで、下記特許文献1に開示されている偏平状巻回電極体を備えた角形非水電解質二次電池の構成を図7を用いて説明する。なお、図7は下記特許文献1に開示されている角形非水電解質二次電池の要部透視図である。
この角形非水電解質二次電池50は、正極極板と負極極板とを間にセパレータを介して巻回してなる偏平状巻回電極体51が、正極外部端子を兼ねるアルミニウム製の電池外装体52内に収納されている。正極極板は、正極芯体の巻き終り端から一定の距離だけ両面とも正極活物質合剤層を有しない両面露出部が設けられ、更に、この両面露出部から一定の距離だけ、一方面のみが正極活物質合剤層を有しない片面露出部が設けられている。そして、この両面露出部には、芯体を貫通する3つの切り込み線で略コ字状の切り込み部が形成され、この切り込み部を切り起こすことにより、正極集電タブ53が形成されている。
偏平状巻回電極体51は、正極極板の片面露出部が外周側に向き、かつ両面露出部が偏平状巻回電極体51の最外周部分に位置するようにして巻回されている。これにより、正極芯体露出部と電池外装体52の内面とが接触されて、正極外部端子を兼ねる電池外装体52と正極極板とが電気的に接続された状態となる。また、電池外装体52の開口端側に封口体54が嵌合されており、封口体54の外周側面と電池外装体52の開口端部の内側との間は、正極集電タブ53が挟持された状態で、全周にわたってレーザー溶接されている。
また、負極極板は、巻き始め端に形成されている負極芯体露出部に、負極集電タブ55が電気的に接続されており、この負極集電タブ55は封口体54に固定された負極端子56と電気的に接続されている。なお、偏平状巻回電極体51の巻き終わり部分には粘着テープ57が貼られており、切り起こされた正極集電タブ53を保護する構造となっている。
下記特許文献1に開示されている角形非水電解質二次電池50によれば、正極極板と電池外装体52との間の電気的導通が、正極芯体露出部の最外面が電池外装体52の内面と接触していること及び正極集電タブ53が電池外装体52と溶接されていることによって確保されているため、内部抵抗が小さくなり、また、内部抵抗の経時変化が生じ難くなる。加えて、偏平状巻回電極体51と電池外装体52との間の無駄なスペースが小さくなるため、スペース効率に優れた角形非水電解質二次電池50が得られる。
また、一般に、非水電解質二次電池は内部抵抗が大きく、充放電レートが高い状態で使用すると劣化が速くなるため、使用条件が制限されることがある。しかし、近年、各種電気機器の電源に使用される角形非水電解質二次電池においても、大型化、高容量化が進み、ハイレート充放電特性が要求されている。そのため電池の内部抵抗をより低減することが要望されている。
加えて、電池パックも、構造が簡素化されているため、落下衝撃時には電池に掛かる負荷が非常に大きくなっている。電気機器への電池パックのセットの仕方や電気機器の本体構造によっては、落下衝撃時にある特定の面や特定の箇所に負荷が集中することがあるが、その際に極板に接続された集電タブに負荷が集中した場合、集電タブが部分破断し、内部抵抗の上昇や、最悪の場合、完全破断して導通不能となる危険性もある。
このような課題を解決した角形非水電解質二次電池の一例として、下記特許文献2に開示されている角形非水電解質二次電池の構成を図8を用いて説明する。なお、図8Aは下記特許文献2に開示されている角形非水電解質二次電池の縦断面図であり、図8Bは図8AのVIIIB−VIIIB線に沿った断面図である。また、図8Bにおいては電池外装体は図示省略されている。
この角形非水電解質二次電池60は、正極極板と負極極板とを間にセパレータを介して巻回してなる偏平状巻回電極体61が、負極外部端子を兼ねるステンレス鋼製の角形電池外装体62内に収納されている。正極極板には、偏平状巻回電極体61の内周側に間隔を隔てて第1正極集電タブ63及び第2正極集電タブ64が設けられている。また、負極極板には、偏平状巻回電極体61の最外周側に負極集電タブ65が設けられている。そして、第1正極集電タブ63及び第2正極集電タブ64は共に正極集電体66に電気的に接続され、この正極集電体66は、封口体67に絶縁部材68を介して電気的に絶縁された状態に取り付けられている正極端子69に電気的に接続されている。なお、負極集電タブ65は、電池外装体62に電気的に接続されている。
上記特許文献2に開示されている角形非水電解質二次電池60によれば、正極極板に形成された第1正極集電タブ63及び第2正極集電タブ64によって、正極極板の長さ方向にわたって実質的に均一な電流分布が形成されるようになり、局所的な電流密度を減少する傾向となる。これにより、正極極板における電圧降下及び抵抗加熱が減少し、電池の内部抵抗が減少するので、ハイレート充放電特性に優れるようになる。しかも、この角形非水電解質二次電池60においては、正極集電タブが2箇所に設けられているため、第1正極集電タブ63及び第2正極集電タブ64に同時に破断が起こる可能性は低く、落下衝撃による導通不能の危険性を回避できるようになる。
特開平10−162792号公報 特表2010−537379号公報
一般に、非水電解質二次電池においては、正極芯体としてはアルミニウム属やアルミニウム合金等のアルミニウム系金属が使用され、負極極板の芯体としては銅や銅合金等の銅系金属が使用されていて、それぞれに集電タブを取り付け集電している。
一般に正極集電タブはアルミニウムまたはアルミニウム合金、負極集電タブはニッケルや銅あるいはそれらを合わせたクラッド材が用いられており、それぞれの材料が持つ電気抵抗が電池の内部抵抗の大小に影響する。これらの面積を増やせば電気抵抗が下がり、電池の内部抵抗も下がるが、角形電池においては、外装体全体が正極になるため、正極集電タブの方が集電部の自由度が高く、面積を大きくしやすい。そのため、角形非水電解質二次電池で、ハイレート充放電特性が要求される場合には、負極極板に形成される負極集電タブが1つの場合であっても、正極極板に複数の正極集電タブを設けることが行われる。
一方、上記特許文献1には、正極集電タブを溶接によって偏平状巻回電極体に取り付けることは示されていない。しかも、ハイレート充放電特性を向上する目的で、上記特許文献1に開示されている角形非水電解質二次電池に対して上記特許文献2に開示されている技術思想を適用しても、上記特許文献1に開示されている発明の作用効果が良好に奏されるようにするためには2箇所の正極集電タブを巻回電極体の最外周側に形成する必要がある。しかしながら、このような構成では、正極極板の長さ方向にわたって均一な電流分布が形成されないので、電池の内部抵抗の低下には繋がらない。
また、上記特許文献2に開示されている角形非水電解質二次電池においては、図8Bに示されているように、負極集電タブと2箇所の正極集電タブとは偏平状巻回電極体の中心から互いに反対側の長辺方向に設けられている。そのため、上記特許文献2に開示されている角形非水電解質二次電池に対して、上記引用文献1に開示されている技術思想を適用して2箇所の正極集電タブを封口体と電池外装体の間に挟んでレーザー溶接する場合には、負極集電タブとの間の短絡を抑制するために、2箇所の正極集電タブを電池外装体の同一の長辺側で溶接する必要が生じる。このような構成を採用すると、落下衝撃時に2箇所の正極集電タブに負荷が集中して両者とも部分破断したり、完全破断したりする虞が大きくなる。
一方、電池は使用時に流れる電流によって磁界が発生するが、この磁界が電子機器に悪影響を及ぼすことがある。例えば補聴器は、外部の音声をマイクで捉えて増幅する機能を備えるほか、電磁コイルによって電話機のスピーカ部分から発生する磁束を電磁ピックアップ(「テレホンピックアップ」とも称される。)で捉えて増幅する機能をも備えているが、この電磁ピックアップは特に外部からの磁界ノイズの影響を受けやすい。補聴器がこのような電磁ピックアップを使用する理由は、電話機のスピーカから出力された音声を補聴器のマイクで拾って増幅すると、周囲の雑音もマイクで拾ってしまうために、音声の明瞭度が低下するためである。特に携帯電話機は補聴器に近接した位置で使用されるため、携帯電話機から発生する磁界は補聴器に対して悪影響を与えやすい。そのため、携帯電話機の電源である角形非水電解質二次電池においても、この角形非水電解質二次電池に流れる電流に起因する磁界の発生を抑制することが要望されている。
なお、電池は、正極極板及び負極極板のそれぞれで生じる化学反応によって得られる電流を正極集電タブないし負極集電タブで取り出すことによって集電されるものである。そのため、電池においては、一般に正極極板を流れる電流と負極極板を流れる電流を逆向きにすれば、それぞれの電流による磁界が互いに打ち消し合うので、磁界低減が可能であると考えられている。したがって、正極集電タブないし負極集電タブの位置を共にそれぞれの極板の巻き始め側或いは巻き終わり側とし、しかも互いに重複ないし近接した位置に配置すれば、それぞれの電流の流れる方向は逆方向で平行となるので、正極極板及び負極極板の活物質形成領域中を流れる電流に起因する磁界を低減することは理論上可能である。
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示されている角形非水電解質二次電池においては、電池の使用時に流れる電流によって生じる磁界については何も考慮されていない。すなわち、上記特許文献1に開示されている角形非水電解質二次電池では、正極集電タブは偏平状巻回電極体の巻き終わり側の端部に形成されているが、負極集電タブは巻き始め側の端部に形成されている。また、上記特許文献2に開示されている角形非水電解質二次電池では、図8Bに示したように、負極集電タブは偏平状巻回電極体の巻き終わり側に形成されているが、2箇所の正極集電タブは何れも巻回電極体の中間部に互いに離間して形成されている。しかも、上記特許文献1及び2に開示されている角形非水電解質二次電池においては、正極集電タブ及び負極集電タブの位置を近づける程、正極集電タブと負極集電タブとの内部短絡の危険性が高くなり、封口体の正極集電タブないし負極集電タブの溶接部分付近の構造が複雑になったり、集電各タブの電気的絶縁及び取付が困難となったりするなど、直ちには採用し難い。
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、正極極板に形成する複数の正極集電タブの少なくとも2つをそれぞれ正極芯体露出部の巻き始め側の端部及び巻き終わり側の端部に取り付けると共に、負極極板に形成する負極集電タブの位置を偏平状巻回電極体の巻き始め側の端部又は巻き終わり側の端部に取り付け、正極集電タブと負極集電タブとの間の内部短絡が生じ難く、スペース効率、ハイレート充放電特性及びサイクル特性に優れ、しかも使用時に磁界の発生が少なく、かつ落下信頼性が高い角形非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の角形非水電解質二次電池は、正極活物質合剤層及び正極芯体露出部を有する正極極板と、負極活物質合剤層及び負極芯体露出部を有する負極極板とが、セパレータを介して巻回された偏平状巻回電極体と、
一端に開口部を有し、前記偏平状巻回電極体が収納される金属製の偏平状角形外装体と、
前記偏平状角形外装体の前記開口部に嵌合された封口体と、
前記封口体に電気的に絶縁された状態で取り付けられた負極端子と、
前記正極芯体露出部に電気的に結合された複数の正極集電タブと、
前記負極芯体露出部に電気的に結合されていると共に前記負極端子に電気的に結合された負極集電タブと、
を備える非水電解質二次電池において、
前記複数の正極集電タブの少なくとも2つはそれぞれ前記正極芯体露出部の巻き始め側の端部及び巻き終わり側の端部に取り付けられ、
前記負極集電タブは前記負極芯体露出部の巻き始め側の端部又は巻き終わり側の端部に取り付けられ、
前記複数の正極集電タブは、前記偏平状巻回電極体の上部で折り曲げられ、前記偏平状角形外装体の長辺の2辺側にそれぞれ少なくとも1本が位置するように配置され、それぞれの先端が前記偏平状角形外装体と前記封口体とに挟まれて溶接されていることを特徴とする。
本発明の角形非水電解質二次電池によれば、複数の正極集電タブの少なくとも2つが正極芯体露出部の巻き始め側の端部及び巻き終わり側の端部に取り付けられているため、正極集電タブの全断面積が増大化されてこれらの正極集電タブの内部抵抗が低下するので、ハイレート充放電特性が向上する。また、複数の正極集電タブは、偏平状角形外装体の長辺の2辺側にそれぞれ少なくとも1本が位置するように配置されて、それぞれの先端が偏平状角形外装体と封口体とに挟まれて溶接されているから、たとえ電池に落下衝撃が加わることがあっても、複数の集電タブの全てが同時に破断する可能性が小さくなり、落下衝撃による導通不能の危険性が低下する。
しかも、本発明の角形非水電解質二次電池は、偏平状角形外装体が正極端子を兼ねるため、複数の正極集電タブは負極集電タブに比べて集電位置の制約が少なく、また、正極集電タブを偏平状角形外装体と封口体との間に挟み込む構造とされているので、偏平状巻回電極体と偏平状角形外装体との間の無駄なスペースが小さくなるためにスペース効率に優れると共に、より設計自由度が高くなる。すなわち、電池の幅や高さに報じて最適な正極集電タブ位置を適宜に決めることができ、充放電時の電流経路及びそれに伴う発熱を電池内部で分散することができ、結果として,長期の充放電サイクルを行っても、電極体内部が均一な反応となり、高い容量維持率と厚みの増大化の抑制が可能となる。加えて、本発明の角形非水電解質二次電池においては、複数の正極集電タブの内の1本と負極タブとが同じ巻き始め側の端部又は巻き終わり側の端部に取り付けられているので、負極集電タブとの間の絶縁性が確保できれば、他の正極集電タブがどの位置であっても、磁界低減を達成することができるようになる。
なお、本発明の非水電解質二次電池においては、正極活物質として、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能なLiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−x(x=0.01〜0.99)、LiMnO、LiMn、LiNiMnCo(x+y+z=1)、又はLiFePOなどを一種単独でもしくは複数種を混合して用いることができる。また、遷移金属をMg、Al、Zr等の他の元素と置換したり、他の元素を単独又は化合物として添加したりすることができる。
また、負極活物質として、リチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質物、珪素質物、金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。黒鉛化の進んだ炭素質物は高容量であるために特に好ましい。
本発明の非水電解質二次電池の非水電解質に用いることができる非水溶媒は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、アミド類等が挙げられる。環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられ、これらの水素基の一部又は全部がフッ素化されているものも用いることが可能であり、例えばトリフルオロプロピレンカーボネートやフルオロエチレンカーボネートなどを用いることができる。また、鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの対称鎖状炭酸エステル、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどの非対称鎖状炭酸エステルを用いることができ、これらの水素の一部又は全部がフッ素化されているものも用いることが可能である。
有機電解液を構成する電解質は、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ホウフッ化リチウム(LiBF)、六フッ化砒酸リチウム(LiAsF)、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]などのリチウム塩が挙げられる。中でもLiPF、LiBFを用いるのが好ましく、前記有機溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.0モル/Lとするのが好ましい。なお、本発明においては、非水電解質は、溶液状のものだけでなく、ゲル化されているものも使用することができる。
また、本発明の角形非水電解質二次電池においては、前記偏平状巻回電極体と前記封口体との間には、少なくとも前記負極集電タブ及び前記巻き始め側の端部の正極集電タブのそれぞれに対応する開口が形成された絶縁部材が配置され、前記負極集電タブ及び前記巻き始め側の端部の正極集電タブは、それぞれ前記絶縁部材に形成された前記開口内を通されて前記絶縁部材の上部で折り曲げられており、前記正極集電タブの巻き始め側の端部以外のものは、前記絶縁部材と前記偏平状角形外装体との間を通されて前記絶縁部材の上部で折り曲げられているものとすることが好ましい。
このような構成を備えていると、負極集電タブが正極集電タブないし電池外装体と内部短絡を生じ難くなるので、信頼性の高い非水電解質二次電池が得られる。
また、本発明の角形非水電解質二次電池においては、前記正極集電タブは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、かつ、厚みが前記正極芯体の厚み以上、70μm以下であることが好ましい。
一般的な角形非水電解質二次電池においては、正極芯体はアルミニウム製もしくはアルミニウム合金製であるため、正極集電タブがアルミニウム製又はアルミニウム合金製であれば、正極芯体露出部と正極集電タブとの間の電気抵抗を小さくすることができるため好ましい。また、正極集電タブの厚みは、機械的強度を確保するために正極芯体の厚み以上あることが好ましいが、厚すぎるとその分だけ電池容量の低下につながるため、70μm以下とすることが好ましい。なお、正極芯体露出部と正極集電タブとの間の溶接及び負極芯体露出部と負極タブとの間の溶接は、レーザ溶接法だけでなく、抵抗溶接法や超音波溶接法を採用することができるが、抵抗溶接法又は超音波溶接法を採用すると、それぞれの芯体露出部と電極タブとの間の電気抵抗を小さくすることができると共に、製造コストを安くすることができるようになる。
また、本発明の角形非水電解質二次電池においては、前記正極集電タブのうち、負極板と対向する位置に取り付ける正極集電タブは、負極板との絶縁および折り曲げたあとの負極集電タブや負極端子部品との絶縁のため、両面が絶縁テープで覆われている。さらに、巻終わりの負極集電タブと対向しない位置に取り付ける正極集電タブは、少なくとも前記封口体と対向する側の面が絶縁テープで覆われていることが好ましい。
このような構成を備えていると、正極集電タブと負極板及び負極集電タブとの間の内部短絡をより抑制することができるようになり、より高信頼性の角形非水電解質二次電池が得られるようになる。
図1Aは実施例の偏平状巻回電極体の巻回前の状態を示す模式正面図であり、図1Bは同じく偏平状巻回電極体を上方から見た場合の模式平面図である。 実施例の偏平状巻回電極体と封口体との接続状況を示す斜視図である。 図3Aは図2のIIIA−IIIA線に沿った概略断面図であり、図3Bは同じくIIIB−IIIB線に沿った概略断面図である。 図4Aは実施例の非水電解質二次電池における図3Aに対応する部分の概略断面図であり、図4Bは同じく図3Bに対応する部分の概略断面図である。図 図5Aは比較例の偏平状巻回電極体の巻回前の状態を示す模式正面図であり、図5Bは同じく偏平状巻回電極体を正極集電タブ及び負極集電タブの突出する方向から見た場合の模式平面図である。 比較例の偏平状巻回電極体と封口体との接続状況を示す斜視図である。 従来例の角形非水電解質二次電池の要部透視図である。 図8Aは別の従来例の角形非水電解質二次電池の縦断面図であり、図8Bは図8AのVIIIB−VIIIB線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための角形非水電解質二次電池を例示するものであって、本発明をこの角形非水電解質二次電池に特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、概略構成を模式的に示すものであるため、各部材について必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
以下、実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池の具体的構成について、図1〜6を用いて説明する。なお、実施例の角形非水電解質二次電池と比較例の角形非水電解質二次電池との構成の差異は、主に正極極板に設けられている正極集電タブの数と配置状態にあるので、以下では共通する構成部分には同一の参照符号を付与して説明することとする。
なお、図1Aは実施例の偏平状巻回電極体の巻回前の状態を示す模式正面図であり、図1Bは同じく偏平状巻回電極体を上方から見た場合の模式平面図である。図2は実施例の偏平状巻回電極体と封口体との接続状況を示す斜視図である。図3Aは図2のIIIA−IIIA線に沿った概略断面図であり、図3Bは同じくIIIB−IIIB線に沿った概略断面図である。図4Aは実施例の非水電解質二次電池における図3Aに対応する部分の概略断面図であり、図4Bは同じく図3Bに対応する部分の概略断面図である。図5Aは比較例の偏平状巻回電極体の巻回前の状態を示す模式正面図であり、図5Bは同じく偏平状巻回電極体を上方から見た場合の模式平面図である。図6は比較例の偏平状巻回電極体と封口体との接続状況を示す斜視図である。また、図1A及び図5Aにおいてはセパレータ及び絶縁テープの図示は省略されており、図2及び図6においては角形の電池外装体の図示は省略されている。
[正極極板の作製]
実施例及び比較例の正極極板は以下のようにして作製した。まず、正極活物質としてコバルト酸リチウムと、炭素系導電剤であるアセチレンブラックと、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を、95:2.5:2.5の質量比で混合して、NMP(N−メチルピロリドン)を溶剤として混練し、正極活物質合剤スラリーを調製した。このスラリーを厚さ13μmのアルミニウム製の正極芯体の両面にドクターブレード法により塗布、乾燥して、正極芯体の両面に正極活物質合剤層を形成した。その後、圧縮ローラーを用いて圧縮し、短辺の長さが43mmの正極極板を作製した。
[正極集電タブの取り付け]
そして、実施例の偏平状巻回電極体10Aにおいては、図1A及び図1Bに示したように、正極極板20に、長辺の両端において端部から一定の距離だけ正極芯体の両面ともに正極活物質合剤層22が形成されていない正極芯体露出部21a及び21bを設けた後、巻き始め側の端部の正極芯体露出部21aにアルミニウム製の正極集電タブ12aを、巻き終わり側の端部の正極芯体露出部21bにもアルミニウム製の正極集電タブ12bを、それぞれ超音波溶接した。
また、比較例の巻回電極体10Bにおいては、図5A及び図5Bに示したように、正極極板20に、長辺の両端において端部から一定の距離だけ正極芯体の両面ともに正極活物質合剤層22を有しない正極芯体露出部21a及び21bを設けた後、巻き始め側の端部の正極芯体露出部21aのみにアルミニウム製の正極集電タブ12aを超音波溶接した。
なお、実施例及び比較例の正極集電タブ12a及び12bとしてのアルミニウム片のサイズは、厚み0.03mm×幅6mm×長さ25mmのものを用いた。この正極集電タブの厚さは、機械的強度を確保するため、正極芯体の厚さよりも厚いものであればよいが、あまり厚くなるとその分だけ電池容量の低下につながるので、実用上70μm(0.07mm)以下とすべきである。
[負極極板の作製]
実施例及び比較例に共通する負極極板は、以下のようにして作製した。すなわち、人造黒鉛と、カルボキシメチルセルロース(CMC)を純水に1質量%溶解させたものと、スチレンブタジエンゴム(SBR)とを固形分比で98:1:1の質量比となるように、混練して負極活物質合剤スラリーを作製した。次いで、厚さ8μmの銅製の負極芯体の両面にドクターブレード法により塗布後、乾燥して負極芯体の両面に負極活物質合剤層25を形成した。この後、圧縮ローラーを用いて圧縮し、短辺の長さが44mmの負極極板23を作製した。
[負極集電タブの取り付け]
実施例及び比較例の負極極板23には、図1A及び図5Aに示したように、負極芯体の巻き始め端から一定の距離だけ負極芯体の両面ともに負極活物質合剤層25を有しない負極芯体露出部24を設け、この負極芯体露出部24にニッケル製の負極集電タブ13を超音波溶接した。なお、負極集電タブ13としてのニッケル片は、厚み0.1mm×幅3mm×長さ25mmのものを用いた。
[非水電解質の調製]
非水電解質としては、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートの体積混合比が40:30:30となるように混合した非水溶媒に、LiPFを溶質として1mol/Lの濃度になるように溶解して用いた。
[偏平状巻回電極体の作製]
実施例及び比較例においては、上述のようにして作製した正極極板20と負極極板23とを、図1Bに示すように正極集電タブ12aが溶接されている側及び負極集電タブ13が溶接されている側が共に巻き始め側となるようにすると共に、正極集電タブ12a及び負極集電タブ13の配置部分の凹凸が少なくなるようにするため、正極集電タブ12aが負極集電タブ13と負極活物質合剤層25との間に位置するように、また、負極集電タブ13が正極芯体露出部21とは重ならない位置になるように配置した。そして、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ(図示省略)を挟んで重ね、正極極板20及び負極極板23が互いに絶縁された状態で巻回し、巻き終わり端部を絶縁テープ11c(図2及び図6参照)によって固定し、押し潰すことによって実施例の偏平状巻回電極体10A及び比較例の偏平状巻回電極体10Bを作製した。なお、偏平状巻回電極体10A、10Bの長辺方向における、正極集電タブ12a、12bと負極集電タブ13との間の最短距離は2mm以上となるようにした。
[非水電解質二次電池の作製]
次いで、上述のようにして作製された偏平状巻回電極体10A及び10Bに絶縁スペーサ14、15及び絶縁テープ11dを取り付け、正極集電タブ12a、12b及び負極集電タブ13をそれぞれ所定形状に曲げた後、偏平状巻回電極体10A、10Bを、長手方向の一端面が開口し、周囲面が閉鎖した金属製の偏平状角形外装体26(図4A及び図4B参照)内に挿入して、電池外装体の開口部を封口体16で封口し、電解液注入孔19からの所定量の非水電解液を注入した後、電解液注入孔19を封止することによって、実施例及び比較例の非水電解質二次電池を作製した。
ここで、それぞれの偏平状巻回電極体10A、10Bにおける正極集電タブ12a、12b及び負極集電タブ13の取り付け方法について、図2及び図3を用いて説明する。まず、実施例及び比較例の偏平状巻回電極体10A、10B共に、偏平状角形外装体26の開口部を封口体16で封口する前に、図2に示したように、負極集電タブ13を絶縁スペーサ14に形成された負極用のスリット17aを通した後、負極集電タブ13の先端を負極端子18にレーザー溶接しておく。
また、実施例の偏平状巻回電極体10Aにおいては、図2及び図3Aに示したように、一方の正極集電タブ12aの先端側を正極用のスリット17bを通した後、絶縁スペーサ14の表面に沿って偏平状巻回電極体10Aの一方の長辺側に向かうように折り曲げる。さらに、他方の正極集電タブ12bの先端側を、図2及び図3Bに示したように、絶縁スペーサ14の側面を通って、絶縁スペーサ14の表面に沿って偏平状巻回電極体10Aの他方の長辺側に向かうように、すなわち、一方の正極集電タブ12aとは逆方向に、折り曲げる。その後、一方の正極集電タブ12aの先端部を除き、偏平状巻回電極体10Aのエッジ位置まで、正極集電タブ12aの両面を覆うように絶縁テープ11aを貼付し、他方の正極集電タブ12bの先端部を除き、封口体16と対向する側の表面にのみ絶縁テープ11bを添付する。なお、正極集電タブ12aと他方の正極集電タブ12bは、それぞれ上記と逆方向に折り曲げてもよいし、あるいは上記のように折り曲げた後に更に逆方向に折り曲げてもよい。
そして、実施例の偏平状巻回電極体10Aにおいては、偏平状巻回電極体10Aを偏平状角形外装体26内に挿入し、さらに偏平状角形外装体26の開口部に封口体16を嵌合させる。そうすると、正極集電スペーサ12a及び12bの先端側は、それぞれ偏平状角形外装体26と封口体16とに挟まれた状態で、偏平状角形外装体26の長辺側の2辺において互いに異なる側から外部に突出するように固定される。この状態で、偏平状角形外装体26と封口体16との嵌合部を全周にわたってレーザー溶接する。その際、正極集電スペーサ12a及び12bが存在する箇所においては、正極集電スペーサ12a及び12bを同時に偏平状角形外装体26及び封口体16と共にレーザー溶接する。
このような実施例の角形非水電電解質二次電池におけるレーザー溶接後の正極集電タブ12a及び12bの状態を図4A及び図4Bに示した。なお、図4及び図4Bにおける参照符号27が付与されている箇所は、レーザー溶接によって形成された溶接痕(ナゲット)を示す。
なお、比較例の非水電解質二次電池は、図6に示したように、正極集電タブ12aの先端側を正極用のスリット17bを通した後、絶縁スペーサ14の表面に沿って偏平状巻回電極体10Bのいずれかの長辺側に向かうように折り曲げる。そして、正極集電タブ12aの先端部を除き、偏平状巻回電極体10Bのエッジ位置まで、正極集電タブ12aの両面を覆うように絶縁テープ11aを貼付する。
この状態で、偏平状巻回電極体10Bを偏平状角形外装体内26に挿入し、さらに偏平状角形外装体26の開口部に封口体16を嵌合させる。そうすると、正極集電スペーサ12aの先端側は、偏平状角形外装体26と封口体16とに挟まれた状態で、外部に突出するように固定される。この状態で、偏平状角形外装体26と封口体16との嵌合部を全周にわたってレーザー溶接する。その際、正極集電スペーサ12aが存在する箇所においては、正極集電スペーサ12aを同時に偏平状角形外装体26及び封口体16と共にレーザー溶接する。
このような比較例の非水電解質二次電池におけるレーザー溶接後の正極集電タブ12aの状態は、図4Aに示した実施例の角形非水電解質二次電池の場合と同様となる。なお、比較例の角形非水電解質二次電池には、正極集電タブは1個しか存在しないので、図4Bに対応する構成は存在しない。
このようにして作製された実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池のサイズは、何れも厚さ5.2mm×幅51mm×高さ48mmであり、設計容量は1810mAhである。
[電気的特性の測定]
上述のようにして作製された実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池のそれぞれ10個ずつに対し、以下のようにして、初期厚み/内部抵抗、負荷特性定、充電負荷特性、室温(RT)サイクル特性及び45℃サイクル特性を測定した。測定結果をまとめて下記表1に示した。なお、測定は、45℃サイクル特性以外は全て25℃に維持された恒温槽中で行い、45℃サイクル特性のみ45℃に維持された恒温槽中で行った。
「初期厚み/内部抵抗」の測定
電池の厚さ測定には市販のマイクロメータを用いた。初期厚みは、実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池について、作製直後の厚さを測定して「放電時」の厚さとして求めた。次いで、1It=1810mAの定電流で充電を開始し、満充電容量の35%の充電容量となった際に再度厚さを測定し、その後、電池電圧が4.2Vに達したら4.2Vの定電圧充電に切換え、充電電流が(1/50)It=36.2mAになったときを満充電状態とし、この満充電時の厚さを測定した。測定結果の平均値及びばらつきを表1にまとめて示した。なお、カッコ内の数値は測定結果の最小値及び最大値であり、厚さのばらつきを示している。また、実施例及び比較例の各非水電解質二次電池について、それぞれの充電状態下における内部抵抗を交流法により測定した。測定結果を表1に平均値で示した。
「負荷特性」の測定
負荷特性は、次のようにして測定した。1Itの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.2Vに達したら4.2Vの定電圧充電に切換え、充電電流が(1/50)Itになったときを満充電状態とした。次いで満充電状態の各角形非水電解質二次電池について、1Itの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、この時の放電容量を1It放電容量として求めた。同様に、上記のようにして満充電状態とした各角形非水電解質二次電池について、2It=3620mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、2It放電容量を求めた。同じく上記のようにして満充電状態とした各角形非水電解質二次電池について、3It=5430mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電を行い、3It放電容量を求めた。結果を2It放電容量及び3It放電容量の1It放電容量に対する割合(%)として求めた。測定結果を表1に平均値で示した。
「充電負荷特性」の測定
充電負荷特性は次のようにして測定した。まず、1Itの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電を行い、この時に流れた充電容量を1It充電容量として求めた。次いで、3Itの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電を行い、この時に流れた充電容量を3It充電容量として求めた。結果を3It充電容量の1It充電容量に対する割合(%)として求めた。測定結果を表1に平均値で示した。
「室温(RT)サイクル特性」の測定
最初に、1Itの定電流で充電を開始し、電池電圧が4.2Vに達したら4.2Vの定電圧充電に切換え、充電電流が(1/50)Itになったときを満充電状態とした。次いで、1Itの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電させてこの時の放電容量を初期放電容量として求めた。次いで、上記の条件での充放電を繰り返し、500サイクル目の放電容量を500サイクル時放電容量として求めた。そして、500サイクル時放電容量の初期放電容量に対する割合(%)をRTサイクル特性として求めた。さらに、500サイクル目の放電後の電池の厚さをマイクロメーターにより測定した。測定結果を表1に平均値で示した。なお、厚みの測定結果におけるカッコ内の数値は、最初の電池厚さからの増加値を示している。
「45℃サイクル特性」の測定
45℃に維持された恒温槽中で測定を行った以外は、上記の室温(RT)充放電サイクル特性の測定の場合と同様にして、500サイクル時放電容量及び電池厚さを測定した。測定結果を表1に平均値で示した。
Figure 2013171784
表1に示した「初期厚み/内部抵抗」の測定結果から、実施例の角形非水電解質二次電池は、比較例の角形非水電解質二次電池に比すると、初期厚みは同様の結果が得られているが、内部抵抗は十分に小さくなっていることが確認された。また、「負荷特性」、「充電負荷特性」、「室温(RT)サイクル特性」及び「45℃サイクル特性」の測定結果は、いずれも実施例の角形非水電解質二次電池の方が比較例の角形非水電解質二次電池のものよりも優れていることが確認された。
「磁界分布の測定」
実施例及び比較例の角形非水電化気質二次電池について、それぞれ10個ずつ、1Itの定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、電池電圧が4、2Vに達した後は4.2Vの定電圧で充電電流が(1/50)Itになるまで充電して満充電状態とした。このようにして満充電状態とした実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池に対し、負極端子と封口体上にそれぞれリード線を取り付け、リード線からの磁界の影響をなくすため、互いのリード線を撚り合わせた。さらに、リード線の他端を電源の出力端子に接続し、電源を用いてGSM(登録商標名)仕様(GSM携帯電話機用のバッテリー試験法)のパルス波形の放電負荷を電池に与えながら、電池周囲の磁界を測定した。なお、GSM仕様のパルス波形形状は、周波数217Hzで電流2Aが0.6ミリ秒間、0.1Aが1.4ミリ秒間である。
測定は、電池の面積が最大である側面を上下向きで静置し、電池側面の上方1cmの平面上を磁界測定コイルを移動させて磁界の強度を測定し、電池中心線上で−20dBA/m以下となる箇所の負極端子からの距離を比較した。測定結果を表2に纏めて示した。
Figure 2013171784
表2に示した結果によれば、実施例の角形非水電解質二次電池は比較例のものとほぼ同等の磁界分布となることが確認された。角形非水電解質二次電池は、原理上、正極集電タブ及び負極集電タブの両者が共に偏平状巻回電極体の巻き始め側の端部ないし巻き終わり側の端部に配置されていれば、磁界の発生が少なくなると予測されているものである。そのため、実施例の角形非水電解質二次電池も負極集電タブと正極集電タブとが共に巻き始め側に配置されていることによって磁界の低減に寄与しているものと思われ、実施例の角形非水電解質二次電池における巻き終わり側の正極集電タブは、表1に示したように、内部抵抗の低下に寄与するが、磁界発生ないし磁界低減には影響しないことがわかる。
「落下信頼性試験」
実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池のそれぞれを10個ずつ、携帯電話機本体を想定した形状(長さ115mm×幅60mm×厚さ12mm)及び質量(140g)の治具に巻き始め側の正極集電タブが外面側となるようにして、35%充電状態とした電池を取り付け、その面を下向きにして、1.65cmの高さからコンクリート上に落下させ、10回落下後の内部抵抗を測定した。その後、各電池を分解して正極集電タブ及び負極集電タブの破断状態を目視により確認した。結果をまとめて表3に示した。
Figure 2013171784
表3に示した結果によれば、実施例及び比較例の角形非水電解質二次電池のいずれにおいても、負極集電タブの破断はなく、また、落下反対面側となる巻き終わり側の正極集電タブの破断はなかったが、落下面側となる巻き始め側の正極集電タブが部分破断するものが存在していた。しかしながら、実施例の角形非水電解質二次電池の方が比較例のものよりも内部抵抗の上昇度は小さくなっている。したがって、実施例の角形非水電解質二次電池は、比較例のものよりも良好な落下信頼性を備えていることがわかる。
実施例の角形非水電解質二次電池が上記のような落下信頼性を奏する理由は、以下のとおりであると推測される。すなわち、正極集電タブは偏平状角形外装体の長辺側において、封口体と偏平状角形外装体に挟まれた状態で一体に溶接されているため、この溶接部分に落下衝撃が加わると正極集電タブが部分破断する可能性が大きくなる。しかしながら、実施例の角形非水電解質二次電池では、2個の正極集電タブが偏平状角形外装体の両方の長辺側において、封口体と偏平状角形外装体に挟まれた状態で一体に溶接されているため、たとえ一方の溶接部に落下衝撃が加わって部分破断することがあっても、他方の溶接部の正極集電タブは部分破断し難いため、内部抵抗の増大化が抑制され、落下信頼性の向上につながったものと思われる。
なお、上記実施例では正極集電体を巻き始め側の正極芯体露出部及び巻き終わり側の正極芯体露出部の2箇所に設けた例を示したが、これに限らず3箇所以上設けてもよい。その場合、3箇所以上の正極集電タブは、それぞれ偏平状巻回電極体の上部で折り曲げられ、偏平状角形外装体の長辺の2辺にそれぞれ少なくとも1本が位置するようにして、それぞれの先端が偏平状角形外装体の開口部で封口体に挟まれて溶接されている状態となせばよい。また、上記実施例では負極集電タブを負極芯体露出部の巻き始め側の端部に設けた例を示したが、正極集電タブが正極芯体露出部の巻き始め側の端部及び巻き終わり側の端部の両方に設けられているので、磁界に関しては、負極集電タブを負極芯体露出部の巻き終わり側の端部に設けてもよい。
また、上記実施例では、負極板及び負極集電タブとの間の内部短絡を抑制する目的で、巻き始めの正極集電タブは両面に、巻き終わりの正極集電タブは封口体と対向する側にのみ、絶縁テープを設けた例を示したが、巻き終わりの集電タブの両面に絶縁テープを設けてもよい。
10A、10B…偏平状巻回電極体
11a〜11d…絶縁テープ
12a、12b…正極集電タブ
13…負極集電タブ
14、15…絶縁スペーサ
16…封口体
17a、17b…スリット
18…負極端子
19…電解液注入孔
20…正極極板
21a、21b…正極芯体露出部
22…正極活物質合剤層
23…負極極板
24…負極芯体露出部
25…負極活物質合剤層
26…偏平状角形外装体

Claims (4)

  1. 正極活物質合剤層及び正極芯体露出部を有する正極極板と、負極活物質合剤層及び負極芯体露出部を有する負極極板とが、セパレータを介して巻回された偏平状巻回電極体と、
    一端に開口部を有し、前記偏平状巻回電極体が収納される金属製の偏平状角形外装体と、
    前記偏平状角形外装体の前記開口部に嵌合された封口体と、
    前記封口体に電気的に絶縁された状態で取り付けられた負極端子と、
    前記正極芯体露出部に電気的に結合された複数の正極集電タブと、
    前記負極芯体露出部に電気的に結合されていると共に前記負極端子に電気的に結合された負極集電タブと、
    を備える非水電解質二次電池において、
    前記複数の正極集電タブの少なくとも2つはそれぞれ前記正極芯体露出部の巻き始め側の端部及び巻き終わり側の端部に取り付けられ、
    前記負極集電タブは前記負極芯体露出部の巻き始め側の端部又は巻き終わり側の端部に取り付けられ、
    前記複数の正極集電タブは、前記偏平状巻回電極体の上部で折り曲げられ、前記偏平状角形外装体の長辺の2辺側にそれぞれ少なくとも1本が位置するように配置され、それぞれの先端が前記偏平状角形外装体と前記封口体とに挟まれて溶接されていることを特徴とする角形非水電解質二次電池。
  2. 前記偏平状巻回電極体と前記封口体との間には、少なくとも前記負極集電タブ及び前記巻き始め側の端部の正極集電タブのそれぞれに対応する開口が形成された絶縁部材が配置され、
    前記負極集電タブ及び前記巻き始め側の端部の正極集電タブは、それぞれ前記絶縁部材に形成された前記開口内を通されて前記絶縁部材の上部で折り曲げられており、
    前記正極集電タブの巻き始め側の端部以外のものは、前記絶縁部材と前記偏平状角形外装体との間を通されて前記絶縁部材の上部で折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の角形非水電解質二次電池。
  3. 前記正極集電タブは、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であり、かつ、厚みが前記正極芯体の厚み以上、70μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の角形非水電解質二次電池。
  4. 前記正極集電タブは、少なくとも前記封口体と対向する側の面が絶縁テープで覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の角形非水電解質二次電池。
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CN112740455A (zh) * 2018-12-19 2021-04-30 三洋电机株式会社 二次电池及其制造方法
CN113067038A (zh) * 2021-01-04 2021-07-02 苏州清陶新能源科技有限公司 一种电池包、车辆及储能装置

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