以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における情報処理システム1の一構成例を示す図である。情報処理システム1は、MFPなどで構成される画像形成装置2と、ユーザが普段携帯して使用している通信端末装置3とを備えて構成される。情報処理システム1においては、画像形成装置2と通信端末装置3とのそれぞれがネットワーク5を介して例えば画像データなどの電子データを提供するデータサーバ4にアクセスすることが可能である。ネットワーク5は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、公衆電話網,インターネット網などを含むネットワークである。尚、画像形成装置2、通信端末装置3及びデータサーバ4は、例示している数に限られない。
画像形成装置2は、ネットワーク5を介してデータサーバ4との通信C2を行う機能を有する。また、画像形成装置2は、そのような通信機能のほかに、コピー機能、スキャン機能、プリント機能及びBOX機能などの複数の機能を備えている。スキャン機能は、画像形成装置2の装置本体上部に設けられたスキャン部6を駆動して原稿の読み取り動作を行って画像データを生成する機能である。プリント機能は、画像形成装置2の装置本体中央部に設けられた印刷処理部7を駆動して印刷出力を行う機能である。コピー機能は、スキャン機能とプリント機能とが連続的に作動し、原稿の複写出力を行う機能である。BOX機能は、所定の記憶領域に各種データを記憶しておく機能であり、例えば、スキャン機能で読み取った画像データを記憶したり、ネットワーク5を介して受信するデータを記憶したりする。
また画像形成装置2は、装置本体の正面側に、ユーザが画像形成装置2を操作する際のユーザーインタフェースとなる操作パネル8を備えている。画像形成装置2は、例えばこの操作パネル8に対して行われるユーザの指示操作に基づいて上述した複数の機能のうちの少なくとも1つを動作させ、ユーザによって指定されたジョブを実行する。
さらに画像形成装置2は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)などにより所定距離の範囲内にある特定のデバイスとの間で近距離無線通信C3を行う機能を有している。この近距離無線通信機能により、画像形成装置2は、画像形成装置2を使用しているユーザが所持する通信端末装置3との間で1対1での通信を行うことができる構成となっている。すなわち画像形成装置2は、近距離無線通信C3を行う相手方を常時検索しており、相手方が通信可能エリア内に存在することを検知すると自動でその相手方との通信接続を確立させる構成である。
一方、通信端末装置3は、ダブレット端末やスマートフォンなどで構成される可搬型の情報処理端末であり、一人のユーザによって占有される装置である。この通信端末装置3は、例えば液晶パネルなどで構成され各種情報を表示するための表示部15を備えている。また通信端末装置3は、その表示部15と一体に設けられユーザーインタフェースとなる操作入力部16を備えている。通信端末装置3は、その表示部15において、ユーザが操作するための操作ボタンなどを表示するようになっており、ユーザがその操作ボタンを画面上で操作することで操作入力部16がユーザの操作指示を検知するように構成される。
また、通信端末装置3は、ネットワーク5を介してデータサーバ4との通信C1を行う機能と、上述したNFCなどにより所定距離の範囲内にある特定のデバイスとの間で近距離無線通信C3を行う機能との2つの通信機能を有している。すなわち通信端末装置3は、ネットワーク5を介して通信C1を行うことにより、例えばウェブ上にある画像データなどをダウンロードし、その画像データを表示部15に表示するブラウザを機能させることが可能である。また、通信端末装置3は、画像形成装置2との間で近距離無線通信C3を行うことにより、画像形成装置2のリモート操作パネルとして機能する。
通信端末装置3は、リモート操作パネルとして機能すると、画像形成装置2の操作パネル8に表示される表示画面を画像形成装置2から取得し、その表示画面を表示部15に表示する。そしてユーザがその表示画面に対する指示操作を行うと、通信端末装置3は、その指示操作を画像形成装置2へ伝達するようになる。従って、ユーザは、画像形成装置2の操作パネル8を直接操作せずとも、通信端末装置3を用いて画像形成装置2に対する指示操作を行うことができるようになる。
データサーバ4は、例えば、インターネット上に設置されるウェブサーバであり、画像データなどの電子データを記憶する記憶領域を備えている。但し、これに限られず、例えば、データサーバ4は、個々のユーザが占有して利用可能な一定の記憶領域などを提供するクラウドサービスを実現するためのクラウドサーバであっても良い。尚、画像データは、画像の他、写真、文書、その他のオブジェクト、及び/又はこれらの組み合わせから構成されるデータである。データサーバ4には、複数の画像データが記憶されており、それら複数の画像データのそれぞれに異なるアドレス情報(例えばURL:Uniform Resource Locator)が割り付けられている。データサーバ4は、ネットワーク5を介して例えば通信端末装置3から特定のアドレス情報を指定した画像データの送信要求を受けると、そのアドレスに対応する画像データを記憶領域から読出して、送信要求元である通信端末装置3に対して送信する。
通信端末装置3は、そのデータサーバ4から送信される画像データをダウンロードして、そのダウンロードした画像データを表示部15に表示する。一方、画像形成装置2も上記通信端末装置3と同様にブラウザ機能を備えており、データサーバ4からの画像データをダウンロードして操作パネル8に表示することが可能に構成される。また画像形成装置2は、ダウンロードした画像データを、ユーザによる印刷指示に基づいて印刷出力することもできるように構成される。
本実施形態において、通信端末装置3は、上述したリモート機能の一つとして、画像形成装置2に対して印刷指示を行うためのリモート画面を表示部15に表示することが可能に構成される。図2は、そのようなリモート画面17の一例を示す図である。図例に示すように、リモート画面17は、印刷指示を行うための印刷実行ボタン17aと、印刷出力をキャンセルするためのキャンセルボタン17bと、原稿の向きや原稿サイズなど印刷出力を行う上で必要な印刷設定を行うための設定操作部17cとを備える画面構成になっている。また、本実施形態では、設定操作部17cには、印刷設定に関する操作として印刷プレビュー表示を行うためのプレビューボタンB1が設けられている。但し、画面構成は図例に限定されない。
通信端末装置3は、ユーザによるリモート画面の呼出操作を検知すると、画像形成装置2との近距離無線通信C3を行うことによって、その画像形成装置2からリモート画面17を取得して表示する。画像形成装置2は、通信端末装置3に表示されているリモート画面17において例えば設定操作部17cに対する操作を検知すると、その操作に従って印刷設定を行っていく。
このとき、従来のように、印刷実行ボタン17aが操作された後に、画像形成装置2がデータサーバ4から画像データのダウンロードを開始すると、そのダウンロードに要する時間だけ印刷出力の開始が遅れることになる。仮に画像データのデータサイズが大きい場合などダウンロードが完了するまでに長時間を要する場合には、その分、ユーザが待たされることになってしまう。そこで本実施形態では、画像形成装置2は、印刷実行ボタン17aが操作される前にデータサーバ4から画像データのダウンロードを開始するように構成される。これにより、印刷指示が行われたときには、既に画像データのダウンロードが開始されているか若しくは完了している状態になるので、上述した、印刷指示後に画像データのダウンロードを開始する場合に比べて、印刷開始までの時間を短縮させることができる。その結果、ユーザは、印刷物を取得するまで長時間待たされずに済むようになる。以下、そのように構成される画像形成装置2について詳しく説明する。
図3は、画像形成装置2のハードウエア構成の一例を示す図である。画像形成装置2は、上述したスキャン部6、印刷処理部7及び操作パネル8と、制御部20と、ネットワーク通信制御部21と、近距離無線通信制御部22と、記憶装置25とを備え、それらがバス23を介して接続されることにより相互に通信可能に構成される。
制御部20は、CPU20aとメモリ20bとを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU20aは、記憶装置25に記憶されているプログラム26などを読み出して実行する。プログラム26は、制御部20を後述する各種処理部として機能させるためのプログラムである。メモリ20bは、CPU20aがプログラム26などを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
ネットワーク通信制御部21は、制御部20がネットワーク5を介して通信C2を行う場合に、その通信制御を行うものである。すなわち画像形成装置2がネットワーク5を介してデータサーバ4との通信C2を行う場合には、このネットワーク通信制御部21を介してデータの送受信が行われる。
近距離無線通信制御部22は、制御部20が通信端末装置3との間で近距離無線通信C3を行う場合に、その通信制御を行う処理部である。この近距離無線通信制御部22は、通信端末装置3との間で近距離無線通信C3を行うことができる状態になると、それを自動検知して制御部20に通知する。制御部20は、この通知を受けると通信端末装置3との通信接続を確立させる。これにより制御部20は、近距離無線通信制御部22を介して通信端末装置3と近距離無線通信C3を行うことができるようになる。
操作パネル8は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、各種情報を表示する表示部と、その表示部の表示画面上に配置されるタッチパネルセンサーなどで構成され、ユーザによる操作を検知する操作入力部とを備えている。
記憶装置25は、例えばハードディスク装置などで構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶装置25は、上述したプログラム26を記憶すると共に、通信端末装置3のブラウザが画像データにアクセスしているとき、その画像データのアドレス情報を記憶するアドレス情報記憶部27と、そのアクセス先からダウンロードした画像データを記憶する画像データ記憶部28と、を有している。また、詳しくは後述するが、記憶装置25は、その画像データのダウンロードを開始するためのタイミング情報29を記憶する。
次に図4を参照して制御部20において機能する各処理部について説明する。図4は、制御部20の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部20は、上述したCPU20aがプログラム26を実行することにより、アドレス情報取得部35、リモート制御部36、ダウンロード実行部37及びジョブ制御部38として機能する。アドレス情報取得部35は、タイミング情報29を保持している。すなわち、アドレス情報取得部35は、通信端末装置3との通信接続が確立することに伴ってそのタイミング情報29を記憶装置25から読み出し、そのタイミング情報29において規定されている取得タイミングとなるか否かを常駐して監視する。またリモート制御部36は、リモート画面生成部36aを備えている。以下、各処理部の具体的な処理内容について説明する。
アドレス情報取得部35は、タイミング情報29に規定されたタイミングとなると、通信端末装置3と近距離無線通信C3を行うことによってアドレス情報を取得する処理部である。タイミング情報29は、アドレス情報取得部35が上記アドレス情報を取得すべきタイミング(以下「取得タイミング」と称する)が規定された情報である。アドレス情報取得部35は、その取得タイミングとなると、通信端末装置3に対して、そのとき通信端末装置3がアクセスしている画像データのアドレス情報の送信要求を行うことでアドレス情報を取得する。アドレス情報取得部35は、アドレス情報を取得すると、そのアドレス情報をアドレス情報記憶部27に記憶させる。このようにして図例に示すように、アドレス情報記憶部27にはアドレス情報27aが記憶された状態となる。
リモート制御部36は、リモート画面17に関する制御を行う処理部であり、リモート画面17を生成して画像形成装置2に送信したり、そのリモート画面17に対する操作を検知したりする。リモート画面生成部36aは、そのリモート画面17を生成する処理部である。すなわちリモート制御部36は、近距離無線通信C3を行うことにより、通信端末装置3からリモート画面17の送信要求を受信する。このときリモート画面生成部36aが機能してリモート画面17を生成する。リモート制御部36は、リモート画面生成部36aによって生成されるリモート画面17を通信端末装置3に送信する。また、リモート画面生成部36aは、通信端末装置3から受信する操作情報に基づいて、通信端末装置3において表示されているリモート画面17に対して操作が行われたことを検知すると、その操作に対応したリモート画面を適宜更新する。リモート制御部36は、リモート画面生成部36aによって更新される操作画面をその都度、通信端末装置3に送信する。また、リモート制御部36は、リモート画面17に対する印刷指示を検知するとき印刷指示検知部として機能する。この場合、リモート制御部36は、その印刷指示を後述するジョブ制御部38に出力する。
ダウンロード実行部37は、データサーバ4とのネットワーク5を介した通信C2を行うことにより、データサーバ4に記憶されている画像データのダウンロードを実行する処理部である。ダウンロード実行部37は、上記のようにしてアドレス情報記憶部27にアドレス情報27aが記憶されると、そのアドレス情報に基づいて、通信端末装置3のブラウザがアクセスしている画像データにアクセスし、その画像データのダウンロードを実行する。ダウンロード実行部37は、データサーバ4からダウンロードする画像データを画像データ記憶部28に格納していく。このようにして、図4に示すように、画像データ記憶部28には画像データ28aが記憶された状態となる。
ジョブ制御部38は、操作パネル8又はリモート画面17に対する指示操作に基づきジョブを実行する処理部である。例えば、ジョブ制御部38は、リモート制御部36から出力される、リモート画面17に対する印刷指示を検知すると、その印刷指示に対応する画像データ28aを画像データ記憶部28から読出して印刷処理部7に送信する。これにより画像データ28aの印刷出力が行われる。
次に図5は、タイミング情報29の一例を示す図である。タイミング情報29には、上述したようにアドレス情報27aを取得すべき取得タイミングが記録されている。すなわちタイミング情報29には、印刷指示を受けるまでにアドレス情報27aを取得することのできる複数のタイミング候補が記録されており、それらのうち少なくとも1つがONに設定される。図例では、タイミング候補には、「リモート画面送信要求」、「リモート画面送信」、「プレビューボタン操作」及び「通信確立時」が記録されており、それらのうち「リモート画面送信要求」のみが設定ONになっている場合を例示している。
図例に示すタイミング候補は、何れもリモート画面17に対する印刷指示よりも前のタイミングである。例えば「リモート画面送信要求」及び「リモート画面送信」は、何れも印刷指示を行うためのリモート画面17を通信端末装置3に送信することに伴う処理であり、印刷指示よりも前となる。尚、タイミング情報29に記録されている「リモート画面」という用語は、図2に示す設定操作部17cと、その設定操作部17cに表示されている各種操作ボタンなどに基づいて遷移した画面を含むが、印刷指示が行われた後に表示される画面を含まない。
「プレビューボタン操作」は、ユーザが事前に印刷レイアウトなどをチェックする場合などに行われるプレビューボタンB1に対する操作であり、印刷指示よりも前となる。尚、本実施形態では、説明を簡潔にするために、タイミング情報29に規定されている操作が「プレビューボタン操作」のみである場合を例示するが、これに限られない。例えば、設定操作部17cに対して行われる、詳細設定や原稿サイズの変更など印刷設定に関する操作は何れも印刷指示よりも前となるので、プレビューボタンB1以外に印刷設定に関する操作が行われるタイミングをタイミング候補に含めても良い。
「通信確立時」は、画像形成装置2と通信端末装置3との通信接続が確立されたタイミングであるので、印刷指示よりも前となる。
以上のように、画像形成装置2は、印刷指示前のタイミングでアドレス情報27aを取得することができるので、印刷指示が行われる前に、通信端末装置3がアクセスしている画像データのダウンロードを開始することができる。また、「リモート画面送信要求」、「リモート画面送信」及び「プレビューボタン操作」は、何れもユーザがリモート画面17の呼出操作を行ったことにより発生するタイミングであるので、ユーザが印刷出力を意図している画像データ28aをダウンロードすることができる。但し、図例に示すタイミング候補は、一例であり、画像形成装置2と通信端末装置3との通信接続が確立してから印刷指示が行われるまでのタイミングを規定できれば図例に限られない。
次に通信端末装置3について説明する。
図6は、通信端末装置3のハードウエア構成の一例を示す図である。通信端末装置3は、制御部41と、ネットワーク通信制御部42と、近距離無線通信制御部43と、記憶部44と、上述した表示部15及び操作入力部16とを備えている。尚、通信端末装置3がスマートフォンなどで構成される場合には、この他にも電話通話を行うためのマイクやスピーカなどが設けられる。
制御部41は、CPU41aとメモリ41bとを備えており、各部の動作を制御するものである。CPU41aは、記憶部44に記憶されているブラウザプログラム45及びリモート制御プログラム46などを読み出して実行する。ブラウザプログラム45は、制御部41をブラウザとして機能させるためのプログラムである。また、リモート制御プログラム46は、画像形成装置2に対するリモート操作を行うためのプログラムであり、制御部41を後述する各処理部として機能させるためのプログラムである。メモリ41bは、CPU41aが各プログラム45,46などを実行することに伴う一時的なデータなどを記憶するものである。
ネットワーク通信制御部21は、制御部41がネットワーク5を介して通信C1を行う場合に、その通信制御を行うものである。すなわち通信端末装置3がネットワーク5を介してデータサーバ4との通信C1を行う場合には、このネットワーク通信制御部42を介してデータの送受信が行われる。
近距離無線通信制御部43は、制御部20が画像形成装置2との間で近距離無線通信C3を行う場合に、その通信制御を行う処理部である。この近距離無線通信制御部43は、画像形成装置2との間で近距離無線通信C3を行うことができる状態になると、それを自動検知して制御部41に通知する。制御部41は、この通知を受けると画像形成装置2との通信接続を確立させる。これにより制御部41は、近距離無線通信制御部43を介して画像形成装置2と近距離無線通信C3を行うことができるようになる。
表示部15は、上述したように、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザに対して各種情報を表示する。また、操作入力部16は、その表示部15の表示画面上に配置されるタッチパネルセンサーなどで構成され、通信端末装置3のユーザからの入力操作を検知する。
記憶部44は、例えばソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部44は、上述したブラウザプログラム45及びリモート制御プログラム46を記憶すると共に、この通信端末装置3がブラウザを機能させている状態で画像データ28aにアクセスしているとき、そのアクセス先を特定するためのアドレス情報27aを記憶するアドレス情報記憶部47を有している。
図7は、上記のようにしてCPU41aが各プログラムを起動させた状態での制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。制御部41は、上述したブラウザプログラム45を実行することによりブラウザ55として機能すると共に、リモート制御プログラム46を実行することにより、アドレス検知部56、リモート画面制御部57及び送信部58として機能する。
ブラウザ55は、ネットワーク通信制御部42を介してデータサーバ4から画像データ28aを取得し、その画像データ28aを表示部15に表示する処理部である。すなわちブラウザ55は、まずアクセス対象となる画像データ28aのアドレス情報27aを取得する。例えばブラウザ55は、ユーザに対してアドレス情報27aを入力させるためのアドレス入力画面を表示し、そのアドレス入力画面に対して入力されたアドレス情報27aを取得する。或いは、既に表示している画像のテキストデータなどにアドレス情報27aが埋め込まれている場合、ブラウザ55は、ユーザによってそのテキストデータが操作されることによってリンク先のアドレス情報27aを取得する。ブラウザ55は、上記のようにして画像データ28aのアドレス情報27aを取得すると、そのアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4と通信C1を行うことにより、そのデータサーバ4に対してアドレス情報27aに対応する画像データ28aの送信要求を行う。ブラウザ55は、データサーバ4から受信する画像データ28aをダウンロードすると、その画像データ28aを表示部15に表示させる。
アドレス検知部56は、ブラウザ55が画像データ28aにアクセスしているときに、その画像データ28aのアドレス情報27aを検知してアドレス情報記憶部47に記憶する処理部である。すなわちアドレス検知部56は、近距離無線通信C3によって、画像形成装置2からアドレス情報27aの送信要求を受信すると、そのときブラウザ55がアクセスしている画像データ28aのアドレス情報27aを検知して、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部47に記憶させる。このようにして図例に示すように、アドレス情報記憶部47にはアドレス情報27aが記憶される。
リモート画面制御部57は、近距離無線通信C3を行うことにより、画像形成装置2から送信されるリモート画面17を受信して表示部15に表示する処理部である。すなわち、リモート画面制御部57は、操作入力部16に対するリモート画面17の呼出操作を検知すると、画像形成装置2に対してリモート画面17の送信要求を行う。そして、リモート画面制御部57は、画像形成装置2からリモート画面17を受信すると、そのリモート画面17を表示部15に表示する。また、リモート画面制御部57は、リモート画面17に対するユーザによる操作を検知すると、その操作に基づく操作情報を画像形成装置2に対して送信する。これにより画像形成装置2は、リモート画面17に対してユーザによる操作が行われたことを検知することができると共に、ユーザによる指示操作がどのようなものであるのかを特定することができる。
送信部58は、通信端末装置3と近距離無線通信C3を行うことにより、画像形成装置2に対してアドレス情報27aを送信する処理部である。送信部58は、上記のようにしてアドレス情報記憶部47にアドレス情報27aが記憶されると、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部47から読出して画像形成装置2に対して送信する。これにより画像形成装置2は、通信端末装置3のブラウザ55がアクセスしている画像データ28aにアクセスすることができるようになる。
図8は、通信端末装置3と画像形成装置2とが連携してデータサーバ4とデータ通信を行うプロセスのシーケンス図である。以下、図8を参照して、通信端末装置3と画像形成装置2とが連携してデータサーバ4とデータ通信を行うプロセスについて説明する。尚、以下においては、図5に示すタイミング情報29を例に挙げて説明する。
例えば、画像形成装置2と通信端末装置3との通信接続が確立されていない状態で、ユーザが通信端末装置3を保持しながら画像形成装置2に近づくと、通信端末装置3と画像形成装置2とは通信接続を確立させる(プロセスP1)。画像形成装置2は、通信端末装置3との通信接続が確立すると、タイミング情報29を参照して、設定されている取得タイミングとなるのを監視する(プロセスP2)。図5の例に従うと、画像形成装置2は、通信端末装置3からのリモート画面17の送信要求を検知するタイミングを監視する。
また通信端末装置3は、ブラウザ55が起動している状態でユーザによってアドレス情報27aが入力されると、そのアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスし(プロセスP3)、画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、そのアドレス情報27aに基づく画像データ28aを通信端末装置3に送信する(プロセスP4)。通信端末装置3は、データサーバ4から受信する画像データ28aのダウンロードが完了すると、その画像データ28aを表示する(プロセスP5)。その状態で、通信端末装置3は、ユーザによるリモート画面17の呼出操作を検知すると、その検知結果に基づいて画像形成装置2に対してリモート画面17の送信要求を行う(プロセスP6)。
画像形成装置2は、通信端末装置3からのリモート画面17の送信要求を受信すると、監視している取得タイミングとなったことを検知して、通信端末装置3に対してアドレス情報27aの送信要求を行う(プロセスP7)。一方、通信端末装置3は、画像形成装置2からのアドレス情報27aの送信要求を受信すると、そのときブラウザ55がアクセスしている画像データ28aのアドレス情報27aを画像形成装置2に対して送信する(プロセスP8)。
画像形成装置2は、通信端末装置3からのアドレス情報27aを受信すると、リモート画面17を通信端末装置3に送信する(プロセスP9)。またこのとき画像形成装置2は、受信したアドレス情報27aに基づきデータサーバ4にアクセスして(プロセスP10)、そのデータサーバ4に対してアドレス情報27aに基づく画像データ28aの送信要求を行う。尚、図例では、説明を簡潔にするために、プロセスP10のデータサーバ4へのアクセスは、プロセスP9のリモート画面17の送信よりも後となっているが、プロセスP9のリモート画面17の送信と並行して行われても良いし、そのリモート画面17の送信よりも前に行われても良い。これにより画像データ28aのダウンロード開始タイミングを更に早めることができる。
データサーバ4は、画像形成装置2からの画像データ28aの送信要求を受信すると、その画像データ28aを画像形成装置2に送信する(プロセスP11)。そして画像形成装置2は、データサーバ4からの画像データ28aのダウンロードを開始する(プロセスP12)。
また、通信端末装置3は、画像形成装置2からのリモート画面17を受信すると、そのリモート画面17を表示する(プロセスP13)。そしてリモート画面17に対して各種印刷設定が行われた後などに印刷指示が行われたことを検知すると、通信端末装置3は、その印刷指示を画像形成装置2に送信する(プロセスP14)。画像形成装置2は、通信端末装置3からの印刷指示を検知すると、画像データ28aのダウンロードが完了していることを条件としてその画像データ28aの印刷出力を行う(プロセスP15)。以上のように画像形成装置2は、印刷指示よりも前に行われるリモート画面17の送信要求を受信することによって画像データ28aのダウンロードを開始することができる。これにより、印刷指示が行われるときには、既に画像データ28aのダウンロードが開始されているためそのダウンロードを早期に完了させることができるので、印刷出力開始までの時間を短縮させることができる。
図9は、画像形成装置2の制御部において実行される全体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図10は、その全体的な処理手順と並行して行われる処理であり、通信端末装置3との通信確立時から印刷指示が行われるまでにおいて到来する取得タイミングが検知されることによって行われる処理である。まず図9に示す処理手順について説明する。この処理は、画像形成装置2の制御部20が上述したプログラム26を実行することによって開始される処理であり、一定の間隔で定期的に行われる。
制御部20は、通信端末装置3との通信接続が確立しているか否かを判断し(ステップS1)、通信接続が確立している場合(ステップS1のYES)、既に取得タイミングを監視している状態であるか否かを判断する(ステップS2)。制御部20は、取得タイミングを監視している状態でない場合(ステップS2のNO)、タイミング情報29を読出して(ステップS3)、取得タイミングを検知するための監視を開始する(ステップS4)。一方、制御部20は、既に取得タイミングを監視している状態である場合(ステップS2のYES)、ステップS3,S4をスキップする。また、制御部20は、通信端末装置3との通信接続が確立していない場合(ステップS1のNO)、処理を終了する。
次に、制御部20は、通信端末装置3からのリモート画面17の送信要求を受信したか否かを判断し(ステップS5)、リモート画面17の送信要求を受信した場合には(ステップS5のYES)、リモート画面17を通信端末装置3に対して送信する(ステップS6)。一方、制御部20は、リモート画面17の送信要求を受信していない場合には(ステップS5のNO)、ステップS6をスキップする。そして制御部20は、リモート画面17に対する印刷指示を検知したか否かを判断する(ステップS7)。
制御部20は、リモート画面17に対する印刷指示を検知すると(ステップS7のYES)、印刷対象となる画像データ28aのダウンロードが完了しているか否かを判断する(ステップS8)。このとき既に取得タイミングは経過しており、この全体的な処理と並行して画像データ28aのダウンロードが開始されている状態である。例えば図5の例に従うと、ステップS5においてリモート画面17の送信要求を検知したタイミングで画像データ28aのダウンロードが開始されるので、ステップS6において印刷指示が検知された場合には、既に開始されたダウンロードが実行中か、或いは完了している状態である。一方、制御部20は、リモート画面17に対する印刷指示を検知していない場合(ステップS7のNO)、処理を終了する。
制御部20は、画像データ28aのダウンロードが完了している場合には(ステップS8のYES)、その印刷対象となる画像データ28aを画像データ記憶部28から読み出す(ステップS9)。一方、制御部20は、印刷対象となる画像データ28aのダウンロードが完了していない場合には(ステップS8のNO)、ダウンロードが完了するまで待機して、ダウンロードが完了することに伴って画像データ28aを画像データ記憶部28から読出す(ステップS9)。そして制御部20は、読出した画像データ28aの印刷出力を行う(ステップS10)。
次に図10に示す処理手順について説明する。制御部20は、図9に示すステップS4において取得タイミングの監視を開始した後、その取得タイミングを検知することによってこの処理を開始する。制御部20は、取得タイミングを検知すると通信端末装置3からアドレス情報27aを取得する(ステップS11)。制御部20は、アドレス情報27aを取得すると、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部27に記憶させる(ステップS12)。
次に、制御部20は、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部27から読出して、そのアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスする(ステップS13)。そして、制御部20は、データサーバ4から受信する画像データ28aのダウンロードを開始する(ステップS14)。
ここで、本実施形態では、制御部20は、一旦、取得タイミングとなったことによってダウンロードが開始されると、その後、通信端末装置3からアドレス情報27aを再度取得し(ステップS15)、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部27に記憶させる(ステップS16)。そして制御部20は、通信端末装置3においてブラウザ55がアクセス先を更新したか否かを判断する(ステップS17)。具体的には、制御部20は、ステップS14のダウンロード直前に取得したアドレス情報27aと、ステップS15で取得したアドレス情報27aとが異なる場合に、アクセス先が更新されたと判断する。これにより、取得タイミングとなった後に、通信端末装置3においてアクセス先が更新されたとしても、その更新後のアドレス情報27aを取得することができる。
制御部20は、通信端末装置3がアクセス先を更新していない場合には(ステップS17のNO)、リモート画面17に対する印刷指示を検知したか否かを判断する(ステップS18)。そして制御部20は、印刷指示を検知していない場合には(ステップS18のNO)、再びステップS15まで戻って通信端末装置3からアドレス情報27aを取得する。すなわちこの場合、通信端末装置3がアクセス先を更新するか、印刷指示を検知するかの何れかが到来するまでステップS15〜S18をループする。
制御部20は、先にアクセス先が更新された場合には(ステップS17のYES)、ダウンロードが完了しているか否かを判断する(ステップS20)。ダウンロードが完了していない場合(ステップS20のNO)、制御部20は、ダウンロードを中止する(ステップS21)。この場合、制御部20は、ステップS13に戻って更新後のアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスする。一方、制御部20は、ダウンロードが完了している場合には(ステップS20のYES)、ステップS21をスキップしてステップS13まで戻る。
また制御部20は、先に印刷指示を検知すると、既にダウンロードが完了している場合には(ステップS19のYES)、この処理を終了する。一方、ダウンロードが完了していない場合(ステップS19のNO)、制御部20は、ダウンロードが完了することに伴って処理を終了する。このときダウンロードされた画像データ28aが、この処理と並行して行われている図9に示すステップS6の印刷指示によって印刷出力されることになる。
また、上記とは別の例として、過去にダウンロードした複数の画像データ28aが画像形成装置2の画像データ記憶部28に蓄積されているような場合には、その蓄積されている画像データ28aの印刷指示をリモート画面17において行うことができるように構成しても良い。例えば、リモート画面17には、過去にダウンロードした画像データ28aの一覧を表示させるための一覧表示ボタンを設ける。そして、画像形成装置2は、通信端末装置3に表示されているリモート画面17において一覧表示ボタンが操作されたことを検知すると、画像データ記憶部28に記憶されている一部又は全部の画像データ28aを読出して、一覧表示画面を生成する。そして画像形成装置2は、そのとき通信端末装置3において表示されているリモート画面17を遷移させて一覧表示画面を表示する。画像形成装置2は、その一覧から選択された画像データ28aの印刷指示を検知した場合に、印刷対象となる画像データ28aを画像データ記憶部28から読出して印刷出力を行う。これにより過去にダウンロードした画像データ28aに再びアクセスするための手間が省けるので便利である。
次に通信端末装置3において行われる処理の処理手順について説明する。
図11は、通信端末装置3の制御部41において実行される全体的な処理の処理手順を示すフローチャートである。図12は、図11に示す全体的な処理と並行して行われる処理であり、制御部41が画像形成装置2からのアドレス情報27aの送信要求を受信した場合に実行される処理である。まず図11を参照して全体的な処理の処理手順について説明する。なお、以下の説明は、通信端末装置3と画像形成装置2との通信は既に確立しているものとする。
制御部20は、ブラウザ55が起動したことを検知すると(ステップS21のYES)、リモート制御プログラム46を起動する(ステップS22)。一方、制御部20は、ブラウザ55が起動していない場合には(ステップS21のNO)、処理を終了する。次に、制御部41は、ユーザによって入力されるアドレス情報27aを検知したか否かを判断する(ステップS23)。制御部41は、アドレス情報27aが入力されたことを検知すると(ステップS23のYES)、そのアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスし(ステップS24)、画像データ28aの送信要求を行う(ステップS25)。制御部41は、その画像データ28aのダウンロードを開始すると、その画像データ28aを表示する(ステップS26)。一方、制御部41は、アドレス情報27aの入力を検知しない場合(ステップS23のNO)、ステップS24〜S26をスキップする。
次に、制御部41は、ユーザからのリモート画面17の呼出操作を検知したか否かを判断する(ステップS27)。そして制御部41は、リモート画面17の呼出操作を検知した場合には(ステップS27のYES)、画像形成装置2に対してリモート画面17の送信要求を行う(ステップS28)。次に制御部41は、画像形成装置2からのリモート画面17を受信するまで待機する(ステップS29のNO)。制御部41は、画像形成装置2からのリモート画面17を受信すると(ステップSの29のYES)、そのリモート画面17を表示する(ステップS30)。そして制御部41は、そのリモート画面17に対する印刷指示を検知するか(ステップS31のNO)、或いは、そのときデータサーバ4にアクセスしていることを条件としてそのアクセス先が更新されたことを検知するまで待機する(ステップS33のNO)。制御部41は、先にリモート画面17に対する印刷指示を検知すると、その印刷指示を画像形成装置2に送信し(ステップS32)、処理を終了する。
一方、印刷指示よりも先にアクセス先が更新された場合には(ステップS33のYES)、制御部41は、ステップS24まで戻って上記と同様の処理を再び行う。また、制御部41は、ステップS27においてリモート画面17の呼出操作を検知しない場合には(ステップS27のNO)、ステップS28〜S33をスキップする。尚、制御部41は、ステップS32からステップS23に戻って上記処理を繰り返しても構わない。以上で全体的な処理は終了する。
次に図12に示す処理手順について説明する。この処理は、制御部41が、画像形成装置2からのアドレス情報27aの送信要求を受信することによって開始される処理であり、上述したように図11に示す全体的な処理と並行して実行される処理である。
制御部41は、画像形成装置2からのアドレス情報27aの送信要求を受信すると、ブラウザ55がネットワーク5上のデータにアクセスしているか否かを判断し(ステップS41)、アクセスしていない場合には(ステップS41のNO)、アクセスされるまで待機する。一方、制御部41は、ブラウザ55が例えばデータサーバ4に記憶されている画像データ28aにアクセスしている場合には(ステップS41のYES)、そのアクセス先のアドレス情報27aを取得する(ステップS42)。そして制御部41は、そのアドレス情報27aを画像形成装置2に対して送信する(ステップS43)。以上により、この処理は終了する。
以上の説明は、図5を例に挙げて、リモート画面17に関する複数のタイミング候補のうち「リモート画面送信要求」が設定されている場合を例示した。リモート画面17に関する他の「リモート画面送信」や「プレビューボタン操作」が取得タイミングとして設定されている場合も上記と同様に処理が行われる。但し、「通信確立時」が設定されている場合、リモート画面17とは関係なくアドレス情報27aが取得されることになるので上記とは処理が異なる。そこで、以下、取得タイミングが「通信確立時」に設定されている場合の処理について説明する。尚、上記と重複する構成については説明を省略する。
図13は、取得タイミングが「通信確立時」である場合のプロセスを示すシーケンス図である。また、以下の説明では、通信端末装置3と画像形成装置2との通信は確立されていない状態である。
通信端末装置3は、上記と同様にして、ユーザによるアドレス情報27aの入力を検知するとデータサーバ4にアクセスし(プロセスP21)画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、その送信要求に応じて画像データ28aを通信端末装置3に送信する(プロセスP22)。通信端末装置3は、画像データ28aを受信すると、その画像データ28aを表示する(プロセスP23)。
次に、例えば、ユーザが通信端末装置3を保持した状態で画像形成装置2に近づくと、画像形成装置2は、通信端末装置3との通信接続を確立する(プロセスP24)。このとき画像形成装置2は、タイミング情報29を読出して取得タイミングの監視を開始する(プロセスP25)。この場合、取得タイミングが「通信確立時」に設定されているので、画像形成装置2は、取得タイミングであることを検知して、通信端末装置3からアドレス情報27aを取得する(プロセスP26)。すなわち取得タイミングが「通信確立時」に設定されている場合には、画像形成装置2は、取得タイミングの監視を開始するタイミングとほぼ同時にその取得タイミングとなったことを検知する。
次に画像形成装置2は、そのアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスして(プロセスP27)、データサーバ4に画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、その送信要求に応じて画像データ28aを画像形成装置2に送信する(プロセスP28)。画像形成装置2は、その画像データ28aを受信してダウンロードを開始する(プロセスP29)。
このとき、通信端末装置3がアクセス先を更新したとする(プロセスP30)。この場合、データサーバ4は、通信端末装置3からの送信要求に応じて、更新後のアドレス情報27aに基づく画像データ28aを通信端末装置3に送信する(プロセスP31)。通信端末装置3は、画像データ28aを受信すると、その画像データ28aを表示する(プロセスP32)。
ここで、上述したように、本実施形態では、一旦、取得タイミングとなると、画像形成装置2は、その後に定期的に通信端末装置3からアドレス情報27aを取得して、通信端末装置3がアクセス先を更新したか否かを監視する構成である。すなわち、この場合、画像形成装置2は、上述した通信端末装置3における処理と並行して、通信端末装置3からアドレス情報27aを取得して(プロセスP33)、通信端末装置3がアクセス先を更新したことを検知する。そして画像形成装置2は、その更新後のアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスし(プロセスP34)、画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、その送信要求に応じて画像データ28aを画像形成装置2に送信する(プロセスP35)。画像形成装置2は、データサーバ4から受信するその画像データ28aのダウンロードを開始する(プロセスP36)。
そして通信端末装置3は、ユーザによるリモート画面17の呼出操作を検知すると、その検知結果に基づいて画像形成装置2に対してリモート画面17の送信要求を行う(プロセスP37)。画像形成装置2は、そのリモート画面17の送信要求に応じてリモート画面17を通信端末装置3に送信する(プロセスP38)。通信端末装置3は、画像形成装置2から受信したリモート画面17を表示する(プロセスP39)。そしてリモート画面17に対して印刷指示が行われたことを検知すると、通信端末装置3は、その印刷指示を画像形成装置2に送信する(プロセスP40)。画像形成装置2は、通信端末装置3からの印刷指示を検知すると、画像データ28aのダウンロードが完了していることを条件としてその画像データ28aの印刷出力を行う(プロセスP41)。
以上のように、取得タイミングが「通信接続時」に設定されている場合、画像形成装置2と通信端末装置3との通信接続が確立したタイミングで、画像形成装置2は、通信端末装置3からアドレス情報27aを取得することになる。従ってこの場合、通信端末装置3が画像形成装置2に対してリモート画面17の送信要求を行う前に、画像形成装置2は、通信端末装置3がアクセスしている画像データ28aのダウンロードを開始するので、その後に、その画像データ28aに対する印刷指示が行われる場合にダウンロードが既に完了している可能性を高めることができる。これにより印刷指示から印刷出力までの時間を大幅に短縮させることができる。また、この場合も上記と同様に、画像形成装置2は、通信端末装置3のブラウザ55がアクセス先を更新することに伴って、その更新後のアドレス情報27aを取得するので、そのブラウザ55のアクセス先の更新に追従して画像データ28aをダウンロードすることができる。これにより、いつ印刷指示が行われてもそのときには既に更新後の画像データ28aのダウンロードが開始されているので、印刷開始までの時間を短縮させることができる。
ところで、上記においては、画像形成装置2がデータサーバ4にアクセスすると、それに応じてデータサーバ4から画像データ28aが送信される場合を例示した。但し、一般的には、機密性の高い画像などにアクセスする際、アクセス権限を有するものによるアクセスであることを確認するための認証情報などを求められる場合がある。そこで、このような場合、画像形成装置2及び通信端末装置3は、以下のように処理を行う。
通信端末装置3において、図7に示すブラウザ55は、データサーバ4にアクセスした際に、そのデータサーバ4から認証情報を求められた場合には、ユーザに認証情報を入力させるための認証情報入力画面を表示する。ブラウザ55は、その認証情報入力画面に対して入力される認証情報を、アクセス先のアドレス情報27aに関連づけて図示しない記憶領域に記憶する。そして、アドレス検知部56は、画像形成装置2からアドレス情報27aの送信要求を受信したとき、上記と同様にして送信対象となるアドレス情報27aをブラウザ55から取得してアドレス情報記憶部47に記憶する。送信部58は、その送信対象となるアドレス情報27aをアドレス情報記憶部47から読み出すとき、上述した記憶領域を検索して、送信対象となるアドレス情報27aに認証情報が関連づけられているか否かを判断する。そして送信部58は、送信対象となるアドレス情報27aに認証情報が関連づけられていることを検知した場合には、送信対象となるアドレス情報27aと共にその認証情報を画像形成装置2に送信する。そして、画像形成装置2においてダウンロード実行部37は、そのアドレス情報27aと認証情報とを用いてデータサーバ4にアクセスする。これにより画像形成装置2は、認証情報を必要とする画像データ28aをダウンロードすることができる。特に、データサーバ4が上述したクラウドサーバであるような場合には、一般的に、認証が成功することでユーザがクラウドサービスの提供を受けられるようになる。上記構成によれば、そのような場合にも好適に対応することができる。
また、一般的に、データサーバに蓄積されている複数のデータは、全てが同一のファイル形式であるとは限らず、異なるファイル形式の場合もある。そこで、画像形成装置2は、ファイル形式を選択してダウンロードするように構成しても良い。例えば、画像形成装置2は、ユーザの指示操作に基づきダウンロードすべきファイル形式を予め登録したファイル形式登録情報を記憶しておく。そして、ダウンロード実行部37は、データサーバ4にアクセスした際に、ダウンロードの対象となる画像データ28aのファイル形式を特定し、そのファイル形式がダウンロードすべきファイル形式であるか否かを上述したファイル形式登録情報に基づいて判断する。そして、ダウンロード実行部37は、アクセスした画像データ28aがダウンロードの対象である場合には、その画像データ28aのダウンロードを開始する。一方、ダウンロード実行部37は、アクセスした画像データ28aがダウンロードの対象でない場合には、その画像データ28aのダウンロードを開始しない。これによりユーザにとって不要な画像データ28aのダウンロードを行わないので処理負担が軽減されると共に、画像データ記憶部28の記憶領域を有効活用することができる。
以上のように、本実施形態では、画像形成装置2は、通信端末装置3がアクセスしている画像データ28aにアクセスするためのアドレス情報27aを取得し、そのアドレス情報27aに基づいて、データサーバ4からその画像データ28aのダウンロードを行う構成である。このとき画像形成装置2は、通信端末装置3との通信接続が確立されてからリモート画面17に対する印刷指示を受付けるまでにアドレス情報27aを取得したタイミングでその画像データ28aのダウンロードを行う。このような構成によれば、印刷指示を受付けるまでにダウンロードが開始されるので、印刷指示を受付けた後にダウンロードを開始する場合に比べて、印刷出力が開始するまでの時間を短縮することができる。
また、本実施形態においては、画像形成装置2は、例えば、リモート画面17の送信に伴って、或いは、そのリモート画面17の設定操作部17cに対する操作を検知したことに伴って、通信端末装置3からアドレス情報27aを取得する構成である。これによりユーザが印刷出力を意図している画像データ28aをダウンロードすることができるので、印刷出力が意図されていない画像データ28aをダウンロードしてしまうことによる処理負担を軽減することができると共に、画像データ記憶部28の記憶資源を有効活用することができる。また、本実施形態では、例えばプレビューボタンB1など設定操作部17cに対する操作が行われるタイミングで、画像形成装置2からアドレス情報27aを取得する構成である。これにより、単にリモート画面17を送信するよりも印刷指示までの操作手順が進んだ段階で画像形成装置2からアドレス情報27aを取得することができるので、より印刷指示が行われる可能性の高い画像データ28aをダウンロードすることができる。
ここで、リモート画面17において印刷プレビューを表示する場合、例えば画像形成装置2が印刷プレビューの表示対象となる画像データ28aをダウンロードした後に、その画像データ28aの印刷レイアウトを生成して通信端末装置3に送信する手法が考えられる。しかし、この手法によると、通信端末装置3において印刷プレビューを表示するためには、画像形成装置2が画像データ28aのダウンロードを完了するまで待つ必要が生じるので効率的でない。そこで、この場合、通信端末装置3のリモート画面制御部57に印刷レイアウト生成機能を持たせることによって、通信端末装置3において印刷レイアウトを生成することができるように構成しても良い。すなわち、印刷プレビューの表示対象となる画像データ28aは、ブラウザ55によって既に取得され、所定の記憶領域に記憶された後に表示されている状態である。リモート画面制御部57は、プレビューボタンB1が操作されたことを検知した場合、そのブラウザ55が管理している記憶領域から、印刷対象となる画像データ28aを読出して印刷レイアウトを生成する。そしてリモート画面制御部57は、その印刷レイアウトをプレビュー表示する。これにより、画像形成装置2が印刷プレビューの表示対象となる画像データ28aをダウンロードする必要がなくなるので、通信端末装置3において印刷プレビュー表示を早期に行うことができるようになる。
また、本実施形態では、画像形成装置2は、取得タイミングを「通信確立時」と設定することで、通信端末装置3と通信可能になることに伴ってアドレス情報27aを取得する構成である。この場合、画像形成装置2は、そのアドレス情報27aを取得したタイミングで、そのアドレス情報27aに基づく画像データ28aのダウンロードを開始する。これにより、画像形成装置2は、通信端末装置3と通信可能になることに伴ってアドレス情報27aを取得するので、最大限早いタイミングで画像データ28aのダウンロードを開始することができる。その結果、ユーザが印刷指示を行う際にダウンロードが完了している可能性を高めることができる。
また、本実施形態では、一旦、取得タイミングとなると、その後に通信端末装置3においてアクセス先が更新された場合、画像形成装置2は、その更新を検知したタイミングで、その更新後のアクセス先に対応する画像データ28aをダウンロードする構成である。つまり画像形成装置2は、通信端末装置3において更新先の画像データ28aの印刷指示が行われることになっても、そのときには既に、その更新後の画像データ28aのダウンロードを開始している状態である。これにより、更新後の画像データ28aの印刷出力が開始されるまでの時間を短縮させることができる。
また、本実施形態では、画像形成装置2は、更新後のアドレス情報27aに基づく画像データ28aのダウンロードを開始するとき、更新前のアドレス情報27aに基づく画像データ28aのダウンロードが未だ実行中である場合には、当該実行中のダウンロードを中止する構成である。これにより2つの画像データ28aのダウンロードが並行して行われてしまうことによる処理負担を軽減することができると共に、印刷対象とならない更新前の画像データ28aを無駄にダウンロードせずに済むので記憶装置25の記憶資源を有効活用することができる。
また、本実施形態では、画像形成装置2は、アドレス情報27aに基づく画像データ28aのダウンロードを開始する際、その画像データ28aのファイル形式を判別し、その判別結果に基づいてダウンロードを実行する構成である。このような構成によれば、画像データ28aのファイル形式に基づいてダウンロードを実行するので、全てのデータをダウンロードする場合に比べて処理負担が軽減する。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態においては、画像形成装置2がアドレス情報27aを取得する際、画像形成装置2が取得タイミングを検知することで、画像形成装置2から通信端末装置3に対してアドレス情報27aの送信要求を行う構成である。これに対して本実施形態では、通信端末装置3が送信タイミングを検知することで、通信端末装置3から画像形成装置2に対してアドレス情報27aを送信する構成である。尚、以下においては、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略する。
図14は、本実施形態において通信端末装置3の記憶装置25に記憶されるタイミング情報50の一例を示す図である。タイミング情報50には、「通信確立時」、「リモート画面呼出操作検知」、「リモート画面受信」及び「プレビューボタン操作」などのタイミング候補が記録されており、それらのうち「通信確立時」が1つだけ設定ONになっている場合を例示している。このタイミング情報50に記録される複数のタイミング候補も上記と同様に印刷指示よりも前のタイミングで行われる処理である。但し、図例に示すタイミング候補は、一例であり、画像形成装置2と通信端末装置3との通信接続が確立してから印刷指示が行われるまでのタイミングを規定できれば図例に限られない。
本実施形態において、制御部41のアドレス検知部56(図7)は、図14に示すタイミング情報50に基づいて送信タイミングを監視し、送信タイミングを検知するとブラウザ55からアドレス情報27aを取得して、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部47に記憶させる構成である。その後は上記と同様であり、送信部58がアドレス情報記憶部47からそのアドレス情報27aを読み出して画像形成装置2に送信する。以下、そのように動作する制御部41について詳しく説明する。
図15は、本実施形態において制御部41によって実行される処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、図15を参照して制御部41によって実行される処理の処理手順について説明する。尚、本実施形態においても図11に示す全体的な処理が実行され、図15に示す処理は、その全体的な処理とは並行して行われる処理である。また、この処理は、画像形成装置2との通信接続が確立することに伴ってアドレス検知部56(図7)によって開始される。
アドレス検知部56は、まずタイミング情報50を読出して、そのタイミング情報50において設定されている送信タイミングを特定すると共に、その送信タイミングとなるのを監視する(ステップS51)。そしてアドレス検知部56は、送信タイミングとなるまで待機して(ステップS52のNO)、送信タイミングとなると(ステップS52のYES)、ブラウザ55がネットワーク5上のデータにアクセスしているか否かを判断する(ステップS53)。この場合、例えばブラウザ55がデータサーバ4の画像データ28aにアクセスしていることを検知すると(ステップS53のYES)、アドレス検知部56は、ブラウザ55からその画像データ28aのアドレス情報27aを取得する(ステップS54)。このときアドレス検知部56は、そのアドレス情報27aをアドレス情報記憶部47に記憶させる。そして、送信部58は、アドレス情報記憶部47からそのアドレス情報27aを読出して画像形成装置2に対して送信する(ステップS55)。
アドレス検知部56は、一旦、送信タイミングとなると、印刷指示が行われるか(ステップS56のNO)、ブラウザ55のアクセス先が更新されるまで待機し(ステップS57のNO)、先に印刷指示が行われると(ステップS56のYES)、この処理を終了する。一方、アドレス検知部56は、先にアクセス先が更新されると(ステップS57のYES)、ステップS54まで戻って上記と同様の処理を行う。以上のようにして、この処理は終了する。
図16は、本実施形態において通信端末装置3が画像形成装置2と連携してデータサーバ4とデータ通信を行う場合のプロセスの一例を示すシーケンス図である。以下、図16を参照して、通信端末装置3が画像形成装置2と連携してデータサーバ4とデータ通信を行う場合のプロセスについて説明する。尚、以下の説明においては、図14に示すタイミング情報50を例に挙げて、送信タイミングが「通信確立時」である場合を例示する。
通信端末装置3は、ユーザによるアドレス情報27aの入力を検知するとデータサーバ4にアクセスし(プロセスP51)画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、その送信要求に応じて画像データ28aを通信端末装置3に送信する(プロセスP52)。通信端末装置3は、画像データ28aを受信すると、その画像データ28aを表示する(プロセスP53)。
そして、例えば、ユーザが通信端末装置3を保持した状態で画像形成装置2に近づくと、通信端末装置3は、画像形成装置2との通信接続を確立する(プロセスP54)。このとき通信端末装置3は、その通信接続の確立とほぼ同一のタイミングにおいて送信タイミングとなったことを検知して、ブラウザ55からアドレス情報27aを取得して画像形成装置2に送信する(プロセスP55)。次に画像形成装置2は、そのアドレス情報27aに基づいてデータサーバ4にアクセスして(プロセスP56)、データサーバ4に画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、その送信要求に応じて画像データ28aを画像形成装置2に送信する(プロセスP57)。画像形成装置2は、その画像データ28aを受信してダウンロードを開始する(プロセスP58)。
ここで、通信端末装置3は、ユーザの操作によってアクセス先を更新したとする(プロセスP59)。この場合、通信端末装置3は、既に送信タイミングが発生してからアクセス先が更新されたので、上記と同様にその更新後のアドレス情報27aを取得して画像形成装置2に送信する(プロセスP60)。一方、データサーバ4は、通信端末装置3からの送信要求に応じて更新後のアドレス情報27aに基づく画像データ28aを通信端末装置3に送信する(プロセスP61)。通信端末装置3は、画像データ28aを受信すると、その画像データ28aを表示する(プロセスP62)。
画像形成装置2は、上述した通信端末装置3における処理と並行して、通信端末装置3から取得した更新後のアドレス情報27aに基づきデータサーバ4にアクセスして(プロセスP63)、画像データ28aの送信要求を行う。データサーバ4は、その送信要求に応じて画像データ28aを画像形成装置2に送信する(プロセスP64)。画像形成装置2は、データサーバ4から受信するその画像データ28aのダウンロードを開始する(プロセスP65)。
そして通信端末装置3は、ユーザによるリモート画面17の呼出操作を検知すると、その検知結果に基づいて画像形成装置2に対してリモート画面17の送信要求を行う(プロセスP66)。画像形成装置2は、そのリモート画面17の送信要求に応じてリモート画面17を通信端末装置3に送信する(プロセスP67)。通信端末装置3は、画像形成装置2から受信したリモート画面17を表示する(プロセスP68)。そしてリモート画面17に対して印刷指示が行われたことを検知すると、通信端末装置3は、その印刷指示を画像形成装置2に送信する(プロセスP69)。画像形成装置2は、通信端末装置3からの印刷指示を検知すると、画像データ28aのダウンロードが完了していることを条件としてその画像データ28aの印刷出力を行う(プロセスP70)。
以上のように、本実施形態においては、通信端末装置3は、タイミング情報50に基づいて、画像形成装置2との通信接続が確立されてからリモート画面17に対して印刷指示が行われるまでに、ブラウザ55からアドレス情報27aを取得して画像形成装置2に送信する構成である。これにより画像形成装置2は、リモート画面17に対する印刷指示を受付けるまでにデータのダウンロードを行うことができる。その結果、通信端末装置3は、画像形成装置2における印刷出力開始までの時間を短縮させることができる。
また、本実施形態においては、通信端末装置3は、例えば、リモート画面17の受信に伴って、或いは、そのリモート画面17の設定操作部17cに対する操作を検知したことに伴って、画像形成装置2に対してアドレス情報27aを送信する構成である。これにより画像形成装置2に対して、ユーザが印刷出力を意図している画像データ28aをダウンロードさせることができる。その結果、画像形成装置2は、印刷出力が意図されていない画像データ28aをダウンロードしてしまうことによる処理負担を軽減することができると共に、画像データ記憶部28の記憶資源を有効活用することができる。また、本実施形態では、設定操作部17cに対する印刷設定が行われる場合など、単にリモート画面17を受信するよりも印刷指示までの操作手順が進んだ段階で画像形成装置2に対してアドレス情報27aを送信する構成である。これにより、通信端末装置3は、画像形成装置2に対して、より印刷指示が行われる可能性の高い画像データ28aをダウンロードさせることができる。
また、本実施形態においては、通信端末装置3は、画像形成装置2と通信接続が確立することに伴って、アドレス情報27aを画像形成装置2に対して送信する構成である。このような構成によれば、画像形成装置2は、通信端末装置3と通信可能になることに伴ってアドレス情報27aを取得するので、最大限早いタイミングで画像データ28aのダウンロードを開始することができる。その結果、ユーザが印刷指示を行う際にダウンロードが完了している可能性を高めることができる。
また、本実施形態においては、通信端末装置3は、一旦、送信タイミングとなると、ブラウザ55がアクセス先を更新することに伴って、その更新後のアドレス情報27aを画像形成装置2に対して送信する構成である。これにより、通信端末装置3において更新先の画像データ28aの印刷指示が行われるとき、画像形成装置2が既にその更新後の画像データ28aのダウンロードを開始している状態にすることができる。
尚、本実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様に、画像形成装置2は、通信端末装置3から取得した認証情報を用いてデータサーバ4からダウンロードを行っても良いし、ファイル形式に基づいてデータサーバ4からダウンロードを行っても良い。
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上述した第1及び第2の実施形態においては、画像形成装置2が印刷機能やスキャン機能を備えるMFPである場合を例示したがこれに限られない。例えば、通信C2及び近距離無線通信C3を行うことができれば、印刷機能のみを備える印刷装置であっても良い。
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、情報処理システム1が1つの画像形成装置2を備える場合を例示したが、複数台の画像形成装置2を備えても良い。但し、通信端末装置3は、それら複数の画像形成装置2と同時に近距離無線通信C3が確立される場合がある。この場合、通信端末装置3に表示されるリモート画面17が、それら複数の画像形成装置2のうち何れから送信されてきたものかをユーザが把握できない可能性がある。そこでこの場合、通信端末装置3は、リモート画面17の呼出操作が行われる場合に、複数の画像形成装置2うち何れからリモート画面17を取得するかをユーザが選択できるように構成しておくことが好ましい。また、そのリモート画面17には、画像形成装置2を特定することができる情報を含めてもよい。これによりユーザは、印刷出力の行われる画像形成装置2を把握することができるようになる。
また、それに関連して、複数台の画像形成装置2と通信可能になった場合に、予め設定された何れか一方の画像形成装置2との通信を行うように構成しても良い。すなわち、通信端末装置3において、予め複数台の画像形成装置2に対する優先順位を設定しておく、そして、通信端末装置3は、複数台の画像形成装置2と同時に通信可能になった場合には、上記優先順位に基づいて何れか一方の画像形成装置2との通信を行う。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、通信端末装置3は、取得タイミングとなると画像形成装置2に対してアドレス情報27aを送信する構成である。但し、これに限られず、以下のように構成しても良い。すなわち通信端末装置3は、取得タイミングにかかわらず、ブラウザ55が新たなアクセス先にアクセスする都度、そのアドレス情報27aを画像形成装置2に対して送信する。一方、画像形成装置2は、取得タイミングを監視すると共に、通信端末装置3から受信するアドレス情報27aをアドレス情報記憶部27に格納する。そして、画像形成装置2は、取得タイミングとなると、最後に受信したアドレス情報27aに基づいてダウンロードを開始する。このように構成することでも、画像形成装置2は、取得タイミングとなることに伴って、通信端末装置3がアクセスしている画像データ28aをダウンロードすることができる。
また、上記とは別の例として、上述した実施形態では、取得タイミングが検知された後も画像形成装置2から通信端末装置3に対して定期的にアドレス情報27aの送信要求を行う構成であったがこれに限られない。例えば、通信端末装置3は、一旦、画像形成装置2からのアドレス情報27aの送信要求を受信した場合には、その後に印刷指示が検知されるまで、アクセス先が更新されることに伴ってその更新後のアクセス先のアドレス情報27aを自発的に画像形成装置2に対して送信しても良い。これにより画像形成装置2は、一旦、アドレス情報27aの送信要求を行った場合には、その後にアドレス情報27aの送信要求を行う必要がなくなるので、処理負担が軽減される。
更に上記とは別の例として、画像形成装置2及び通信端末装置3の何れも取得タイミングを検知しなくても良い。すなわち通信端末装置3は、取得タイミングにかかわらず、ブラウザ55が新たなアクセス先にアクセスする都度、そのアドレス情報27aを画像形成装置2に対して送信する。一方、画像形成装置2は、アドレス情報27aを受信する度にそのアドレス情報27aに基づく画像データ28aのダウンロードを開始する。この場合、上述したように、画像形成装置2は、更新先のアドレス情報27aを受信したとき、先のアドレス情報27aに基づく画像データ28aのダウンロードが実行中である場合には、そのダウンロードを中止して、更新後の画像データ28aのダウンロードを開始する。そして、画像形成装置2は、印刷指示が行われたときに、そのとき印刷対象となる画像データ28aの印刷出力を行う。
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、画像形成装置2及び通信端末装置3は、近距離無線通信C3の通信接続が確立してから取得タイミングの検知を開始する構成であったがこれに限られない。例えば、画像形成装置2又は通信端末装置3は、起動することに伴って取得タイミングの監視を開始し、その状態で通信接続が確立されるように構成しても良い。
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、通信端末装置3に表示されたリモート画面17に対して印刷指示が行われる構成を例示したがこれに限られない。例えば、画像形成装置2の操作パネル8に呼び出される印刷設定画面に対する印刷指示であっても良い。この場合、取得タイミングは、上述したリモート画面17に関する操作は含まれなくなり、例えば「通信確立時」のみとなる。
また、上述した第1及び第2の実施形態においては、データサーバがインターネット上にあるウェブサーバである場合を例示したが、これに限られず、例えば画像形成装置2及び通信端末装置3とLANなどで接続された外部記憶装置であっても良い。