JP2013170301A - 蒸着マスクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクの製造方法を提供すること。
【解決手段】スリットが設けられた金属マスクの一方の面上に、該金属マスクのスリットを覆う樹脂層が設けられた樹脂層付金属マスクを準備し、スリット内にレジスト材を充填し、レジスト材が充填されたスリット内に該スリットの開口寸法よりも狭い開口寸法を有する貫通孔を形成し、樹脂層上に耐エッチング性を有する材料を含む耐エッチング層を形成し、レジスト材及び耐エッチング層を耐エッチングマスクとして用いて貫通孔側から樹脂層をエッチング加工し、エッチング終了後にレジスト材及び耐エッチング層を洗浄除去して蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクを形成することで蒸着マスクを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着マスクの製造方法に関する。
従来、有機EL素子の製造において、有機EL素子の有機層或いはカソード電極の形成には、例えば、蒸着すべき領域に多数の微細なスリットを微小間隔で平行に配列してなる金属マスク(蒸着マスク)が使用されていた。この金属マスクを用いる場合、蒸着すべき基板表面に単に金属マスクを載置し、裏面から磁石を用いて保持させているが、スリットの剛性は極めて小さいことから、金属マスクを基板表面に保持する際にスリットにゆがみが生じやすく、高精細化或いはスリット長さが大となる製品の大型化の障害となっていた。
スリットのゆがみを防止するための蒸着マスクについては、種々の検討がなされており、例えば、特許文献1には、複数の開口部を備えた第一金属マスクを兼ねるベースプレートと、前記開口部を覆う領域に多数の微細なスリットを備えた第二金属マスクと、第二金属マスクをスリットの長手方向に引っ張った状態でベースプレート上に位置させるマスク引張保持手段を備えた蒸着マスクが提案されている。この蒸着マスクによれば、スリットにゆがみを生じさせることなくスリット精度を確保できるとされている。
ところで近時、有機EL素子を用いた製品の大型化或いは基板サイズの大型化にともない、蒸着マスクに対しても大型化の要請が高まりつつある。しかしながら、現在の金属加工技術では、大型の金属板に微細パターンを精度よく形成することは困難であり、たとえ上記特許文献1に提案されている方法などによってスリット部のゆがみを防止できたとしても、高精細化への対応はできない。また、開口パターンを備える金属マスクを単独で、或いは開口パターンを備える金属マスクとスリットを備える金属マスクを組み合わせた蒸着マスクとした場合には、大型化に伴いその質量も増大し、フレームを含めた総質量も増大することから取り扱いに支障をきたすこととなる。
またさらに、通常蒸着マスクはフレームに固定された状態で使用されるところ、蒸着マスクを大型化していった場合には、フレームと蒸着マスクの位置合わせを精度よく行うことができないといった問題も生じうる。
特開2003−332057号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクの製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、スリットが設けられた金属マスクと、前記金属マスクの表面に位置し、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、スリットが設けられた金属マスクの一方の面上に、該金属マスクのスリットを覆う樹脂層が設けられた樹脂層付金属マスクを準備する工程と、前記スリット内にレジスト材を充填する工程と、前記レジスト材が充填されたスリット内に、該スリットの開口寸法よりも狭い開口寸法を有する貫通孔を形成する工程と、前記樹脂層上に耐エッチング性を有する材料を含む耐エッチング層を形成する工程と、前記レジスト材及び前記耐エッチング層を耐エッチングマスクとして用いて、前記貫通孔側から前記樹脂層をエッチング加工し、エッチング終了後に前記レジスト材及び前記耐エッチング層を洗浄除去することで、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また、前記貫通孔を形成する工程が、前記レジスト材が充填されたスリットにレーザーを照射することにより貫通孔を形成する工程であってもよい。
本発明の蒸着マスクの製造方法によれば、大型化した場合でも高精細化と軽量化の双方を満たすことができる蒸着マスクを歩留まり良く製造することができる。
本発明の蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図である。 本発明の製造方法で製造した蒸着マスクの一例を示す正面図であり、金属マスク側から見た正面図である。 蒸着マスク100の拡大断面図である。
以下に、本発明の蒸着マスクの製造方法について図面を用いて具体的に説明する。図1は、本発明の蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図である。なお(a)〜(f)はすべて断面図である。
(樹脂層付金属マスクを準備する工程)
本工程は、図1(a)に示すように、スリット16が設けられた金属マスク15の一方の面上に、該金属マスク15のスリット16を覆う樹脂層20が設けられた樹脂層付金属マスク5を準備する工程である。
金属マスク15は、金属から構成され、本発明の製造方法で得られる蒸着マスク100を金属マスク15の正面からみたときに、樹脂マスク25に配置された全ての開口部50がみえるような位置に、縦方向或いは横方向に延びるスリット16が複数列配置されている。
金属マスク15が有するスリット16の幅Wについて特に限定はないが、後述する工程で形成される樹脂マスク25が有する開口部50間のピッチよりも短くなるように設計されたものであることが好ましい。具体的には、図2に示すように、スリット16が縦方向に延びる場合には、スリット16の横方向の幅Wは、横方向に隣接する開口部50のピッチP1よりも短くすることが好ましい。同様に、図示はしないが、スリット16が横方向に伸びている場合には、スリット16の縦方向の幅は、縦方向に隣接する開口部50のピッチP2よりも短くすることが好ましい。一方で、スリット16が縦方向に延びる場合の縦方向の長さLについては、特に限定されることはなく、金属マスク15の縦の長さおよび樹脂マスク25に設けられている開口部50の位置に応じて適宜設計すればよい。なお、金属マスク15が有するスリット16の幅Wとは、金属マスク15の樹脂マスク25と接しない側の面側のスリット16の開口寸法を意味する。
金属マスク15に形成されるスリット16の断面形状についても特に限定されることはないが、図1(a)、図3に示すように蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。より具体的には、金属マスク15のスリット16における下底先端と、同じく金属マスク15のスリット16における上底先端を結んだ角度(θ)が25°〜65°の範囲内であることが好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。
金属マスク15の材料について特に限定はなく、蒸着マスクの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができ、例えば、ステンレス鋼、鉄ニッケル合金、アルミニウム合金などの金属材料を挙げることができる。中でも、鉄ニッケル合金であるインバー材は熱による変形が少ないので好適に用いることができる。
また、本発明の蒸着マスク100を用いて、基板上へ蒸着を行うにあたり、基板後方に磁石等を配置して基板前方の蒸着マスク100を磁力によって引きつけることが必要な場合には、金属マスク15を磁性体で形成することが好ましい。磁性体の金属マスク15としては、純鉄、炭素鋼、W鋼、Cr鋼、Co鋼、KS鋼、MK鋼、NKS鋼、Cunico鋼、Al−Fe合金等を挙げることができる。また、金属マスク15を形成する材料そのものが磁性体でない場合には、当該材料に上記磁性体の粉末を分散する、又は当該材料の表面に上記磁性体の粉末を塗工することにより金属マスク15に磁性を付与してもよい。
金属マスク15の厚みについても特に限定はないが、5μm〜100μm程度であることが好ましい。蒸着時におけるシャドウの防止を考慮した場合、金属マスク15の厚さは薄い方が好ましいが、5μmより薄くした場合、破断や変形のリスクが高まるとともにハンドリングが困難となる可能性がある。ただし、本発明の製造方法で製造される蒸着マスク100では、金属マスク15は樹脂マスク25と一体化された構成をとることから、金属マスク15の厚さが5μmと非常に薄い場合であっても、破断や変形のリスクを低減させることができ、5μm以上であれば使用可能である。なお、100μmより厚くした場合には、シャドウの発生が生じ得るため好ましくない。
樹脂層20の材料について特に限定はなく、後述する樹脂マスク形成工程において用いられるエッチング材によってエッチング加工が可能な樹脂材料であればよい。特には、この要件を具備するとともに、熱や経時での寸法変化率や吸湿率が小さく、軽量な材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セロファン、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。上記に例示した材料の中でも、その熱膨張係数が16ppm/℃以下である樹脂材料が好ましく、吸湿率が1.0%以下である樹脂材料が好ましく、この双方の条件を備える樹脂材料が特に好ましい。
このような樹脂層付金属マスク5を形成する方法としては、以下の2つの方法を例示することができるが、最終的に、図1(a)に示す形態となっていればよく、この形態とすることができるいかなる方法を用いてもよい。
第1の方法は、スリット16が設けられた金属マスク15上に、上記で例示した樹脂層20の材料を含むシート等を接着剤層や粘着剤層を介して接合する、あるいは接着剤層や粘着剤層を介さず、スリット16が設けられた金属マスク15上に、上記で例示した樹脂層20の材料を含むシート等を融着させることで、スリット16が設けられた金属マスク15の一方の面上に、該金属マスク15のスリット16を覆う樹脂層20が設けられた樹脂層付金属マスク5を形成する方法である。
第2の方法は、金属板上に樹脂層20を形成した後に、該金属板にスリット16を形成することで、樹脂層付金属マスク5を形成する方法である。具体的には、上記で例示した樹脂層20の材料を適当な溶媒に分散ないし溶解した樹脂層用塗工液を調製し、この塗工液を金属板の一方の面上に塗工・乾燥することで樹脂層20を形成する。次いで、金属板の他方の面にレジスト材を塗工し、スリット16を形成するための開口形状を有するマスクを用いて当該レジスト材をマスキングし、露光、現像してレジストパターンを形成する。そして、当該レジストパターンを耐エッチングマスクとして用いて、金属板の他方の面をエッチング加工しスリット16を形成した後に、レジストパターンを洗浄除去する。これにより、スリット16が設けられた金属マスク15の一方の面上に、該金属マスク15のスリット16を覆う樹脂層20が設けられた樹脂層付金属マスク5が形成される。
なお、上記第2の方法では、エッチング加工によってスリット16を形成しているが、この方法にかえて、レーザー加工等によってスリット16を形成することもできる。
上記で例示した方法等によって形成される樹脂層付金属マスク5を構成する樹脂層20の厚みについても特に限定はないが、樹脂層20は将来的には樹脂マスク25となる。そうすると、本発明の製造方法で得られる蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンに不充分な蒸着部分、つまり目的とする蒸着膜厚よりも薄い膜厚となる蒸着部分、所謂シャドウが生じることを防止するためには、樹脂層20は可能な限り薄いことが好ましい。しかしながら、樹脂層20の厚みが5μm未満である場合には、ピンホール等の欠陥が生じやすく、また変形等のリスクが高まる。一方で、25μmを超えるとシャドウの発生が生じ得る。この点を考慮すると樹脂層20の厚みは5μm以上25μm以下であることが好ましい。樹脂層20の厚みをこの範囲内とすることで、ピンホール等の欠陥や変形等のリスクを低減でき、かつシャドウの発生を効果的に防止することができる。樹脂層20と金属マスク15とは直接接合されていてもよく、粘着剤層や接着剤層を介して樹脂層20と金属マスク15とが接合されていてもよいが、粘着剤層や接着剤層を介して樹脂層20と金属マスク15とを接合する場合には、上記シャドウの点を考慮して、樹脂層20と粘着剤層との合計の厚み、或いは樹脂層20と接着剤層との合計の厚みが5μm〜25μmの範囲内となるように設定することが好ましい。
(レジスト材を充填する工程)
本工程は、図1(b)に示すように、樹脂層付金属マスク5のスリット16内にレジスト材30を充填する工程である。レジスト材30は、後述する貫通孔32を形成する工程において、レーザー加工法によって除去可能な性質を有する材料、或いはフォトリソグラフィー法によって現像可能な性質を有する材料であるとともに、開口部50を形成するエッチング材に対する耐性を有する材料であればよく、従来公知のレジスト材を適宜選択して用いることができる。
本実施形態では、図1(b)に示すように、金属マスク15の樹脂層20と接しない側の面にレジスト材30を塗工することで、スリット16内をレジスト材で充填している。スリット16にはレジスト材30が完全に充填されていてもよく、スリット16内に一部空間が存在するようにレジスト材30が充填されていてもよい。また、スリット16内にレジスト材が充填されていれば、金属マスク15の樹脂層20が形成されていない側の表面にレジスト材30が塗工されていなくともよい。なお、金属マスク15が、後述する樹脂マスク25を形成するためのエッチング材に対する耐性を有しない場合には、図1(b)に示すように、スリット16内に空間が存在しないようにレジスト材30が充填されつつ、金属マスク15の樹脂層20が形成されていない側の表面にレジスト材30が塗工されていることが好ましい。
レジスト材について特に限定はないが、後述する貫通孔32をレーザー加工で形成する場合には、加工性が良い材料であることが好ましい。一方、貫通孔32をフォトリソグラフィー法で形成する場合には、処理性が良く、所望の解像性があるものを用いることが好ましい。フォトリソグラフィー法で用いられるレジスト材30は、ポジ型のレジスト材であっても、ネガ型のレジスト材であってもよい。ポジ型のレジスト材としては、東京応化工業(株)製のOFPR800、TFR−H、TFR−790等を用いることができる。なお、貫通孔32をレーザー加工法で形成する場合には、レジスト材30は、感光性を有していなくともよい。このようなレジスト材を使用することで、後述するレーザー加工法やフォトリソグラフィー法等を用いて金属マスク15のスリット16の開口寸法よりも狭い開口寸法の貫通孔32を形成することができ、高精細化に有利である。
(貫通孔形成工程)
本工程では、図1(c)に示すように、レジスト材30が充填されたスリット16内にスリット16の開口寸法よりも狭い開口寸法を有する貫通孔32を形成する。貫通孔32は、後述する樹脂マスク25をエッチング加工して開口部50を形成する工程において、エッチング材を金属マスク15と接する側の樹脂層20の表面に接触させるための孔である。なお、スリット16の開口寸法よりも狭い開口寸法を有する貫通孔32とは、金属マスク15の樹脂層20と接しない側のスリット16の開口寸法よりも、金属マスク15の樹脂層20と接しない側の貫通孔32の開口寸法が狭く、かつ、金属マスク15の樹脂層20と接する側のスリット16の開口寸法よりも、金属マスク15の樹脂層20と接する側の貫通孔32の開口寸法が狭いことを意味する。
貫通孔32の形成方法について特に限定はなく、レーザーを照射して貫通孔32を形成するレーザー加工法を用いて形成してもよく、露光・現像工程によって貫通孔32を形成するフォトリソグラフィー法を用いて形成してもよい。
レーザー加工法は、レーザー光を照射することで、貫通孔32を構成する部分のレジスト材30を除去しながら貫通孔32を形成する方法である。当該方法は、後述するフォトリソグラフィー法のように露光・現像の工程を行うことなく簡便に貫通孔32を形成することができ、また高精細な貫通孔32を形成することが可能となる点で本工程において好ましく用いることができる。特に、この貫通孔32の樹脂層20側の開口寸法は、樹脂層20をエッチング加工して開口部50を形成するときの基準となることから、本工程で高精細な貫通孔32を形成しておくことで、より高精細な開口部50の形成が可能となる。
なお、後述する工程では、樹脂層20をエッチング加工することで樹脂層20に開口部50が形成されるが、エッチング加工法によって形成される開口部50の金属マスク15と接しない側の開口寸法、すなわち、蒸着作製するパターンに対応した開口寸法は、貫通孔32の樹脂層20側の開口寸法よりも小さな寸法となる。換言すれば、開口部50の金属マスク15と接しない側の開口寸法は、開口部50の金属マスクと接する側の開口寸法よりも小さな寸法となる。したがって、レーザー加工法によって貫通孔32を形成するにあたっては、この点を考慮して貫通孔32の開口寸法を決定する必要がある。
本実施形態で用いるレーザー装置については特に限定されることはなく、従来公知のレーザー装置を用いればよい。
上記レーザー加工法にかえて、本工程ではフォトリソグラフィー法によって貫通孔32を形成することもできる。具体的には、所定の開口寸法を有するマスクを用いてスリット16内に充填されたレジスト材をマスキングし、露光・現像することで貫通孔32を形成する。貫通孔32を形成するためのマスクの開口寸法について特に限定はないが、本発明の製造方法では、上記で説明したようにエッチング加工法を用いて樹脂層20に開口部50が形成されることから、該開口部50の金属マスク15と接しない側の開口寸法、すなわち、蒸着作製するパターンに対応した開口寸法は、貫通孔32の樹脂層20側の開口寸法よりも小さな寸法となる。したがって、フォトリソグラフィー法で貫通孔32を形成する場合にあっては、この点を考慮してマスクの開口寸法を決定する必要がある。貫通孔32を形成するための現像液についても特に限定はなく、露光された領域のレジスト材を除去できるものであればよい。例えば、レジスト材30として東京応化工業(株)製のレジスト材OFPR800等を用いる場合には、現像液として東京応化工業(株)製のNMD−3等を用いることで、露光された領域のレジスト材、すなわち貫通孔32が形成されるべき領域のレジスト材を除去できる。なお、ここで説明したフォトリソグラフィー法は、レジスト材としてポジ型のレジスト材を用いた例を中心に説明を行っているが、ネガ型のレジスト材を用いて貫通孔32を形成してもよい。
なお、上記で説明したフォトリソグラフィー法では、所定の開口寸法を有するマスクを用いて貫通孔32を形成しているが、電子線描画装置や、レーザー描画装置等を用いてスリット16に充填されたレジスト材上に貫通孔32を形成するためのダイレクト露光を行い、該露光部分の現像を行うことで貫通孔32を形成することもできる。ダイレクト露光は、上記所定の開口形状を有するマスクを用いることなく高精細な貫通孔32を形成することができる点で好ましい。ダイレクト露光を行うときの露光領域は、上記マスクを用いて貫通孔32を形成するときのマスクの開口寸法と略同一とすることができる。
(耐エッチング層を形成する工程)
本工程では、図1(d)に示すように、樹脂層20上に耐エッチング層26を形成する工程である。当該工程によって、後述する樹脂層20をエッチング加工する際に、樹脂層20の金属マスク15と接しない側の表面がエッチング材によって浸食されることを防止している。
耐エッチング層26は、後述する樹脂層20をエッチング加工するためのエッチング材に対する耐性を有する層であればよく、この要件を満たすものであればいかなるものであってもよい。たとえば、耐エッチング層26は、耐エッチング性の樹脂、いわゆるバッキング材を用いてもよく、レジスト材30と同一の材料を用いてもよい。
耐エッチング層26の厚みについても特に限定はなく、耐エッチング層26のエッチング材に対する耐性等に応じて適宜選択すればよい。
本実施形態では、貫通孔32を形成した後に耐エッチング層26を形成しているが、この実施形態に限定されるものではなく、耐エッチング層26は、少なくとも上記樹脂層20を形成後であって、後述する樹脂層20をエッチング加工する前までに形成されていればよい。
(樹脂マスク形成工程)
本工程では、図1(e)に示すように、上記スリット16内に充填されたレジスト材30及び耐エッチング層26をエッチングマスクとして用いて、貫通孔32を通してエッチング材を樹脂層20に接触させることで、樹脂層20をエッチング加工して、樹脂層20に開口部50が形成されてなる樹脂マスク25を形成する。そして、樹脂マスク25を形成した後に、スリット16内に充填されたレジスト材30及び耐エッチング層26を洗浄除去することで、図1(f)に示すようにスリット16が設けられた金属マスク15と、開口部50が設けられた樹脂マスク25とが積層されてなる蒸着マスク100が得られる。
樹脂層20をエッチング加工するためのエッチング材について限定はなく、樹脂層20の材料をエッチング加工可能なものであればよい。たとえば、樹脂層20としてポリイミド樹脂を用いる場合には、エッチング材として、たとえば水酸化ナトリウムを溶解させたアルカリ水溶液、ヒドラジン等を用いることができる。エッチング材は市販品をそのまま使用することもでき、ポリイミド樹脂のエッチング材としては、東レエンジニアリング(株)製のTPE3000などが使用可能である。
当該工程で形成される樹脂マスク25が有する開口部50の断面形状についても特に限定はなく、開口部50を形成する樹脂マスクの向かいあう端面同士が略平行であってもよいが、図3に示すように、開口部50は、その断面形状が蒸着源に向かって広がりをもつような形状であることが好ましい。換言すれば、金属マスク15側に向かって広がりをもつテーパー面を有していることが好ましい。開口部50の断面形状を当該構成とすることにより、本発明の蒸着マスクを用いて蒸着を行ったときに、蒸着作成するパターンにシャドウが生じることを防止することができる。テーパー角θについては、樹脂マスク25の厚み等を考慮して適宜設定することができるが、樹脂マスク25の開口部50における下底先端と、同じく樹脂マスクの開口部における上底先端を結んだ角度(θ)が25°〜65°の範囲内であることが好ましい。特には、この範囲内の中でも、使用する蒸着機の蒸着角度よりも小さい角度であることが好ましい。さらに、図1(f)にあっては、開口部50を形成する端面は直線形状を呈しているが、これに限定されることはなく、外に凸の湾曲形状となっている、つまり開口部50の全体の形状がお椀形状となっていてもよい。
したがって、開口部50を形成する際には、開口部50の断面形状が上記のように形成されるように、樹脂層20の厚み、及びその樹脂材料、開口部50を形成するための貫通孔32の開口寸法、並びにエッチング材を適宜設定して用いることが好ましい。なお、本発明では、エッチング加工によって開口部50が形成されることから、開口部50の断面形状を容易に上記好ましい形状とすることができる。
(スリミング工程)
また、本発明の製造方法においては、上記で説明した工程間、或いは工程後にスリミング工程を行ってもよい。当該工程は、本発明の製造方法における任意の工程であり、金属マスク15の厚みや、樹脂マスク25の厚みを最適化する工程である。金属マスク15や樹脂マスク25の好ましい厚みとしては上記で説明した範囲内で適宜設定すればよく、ここでの詳細な説明は省略する。
たとえば、樹脂層付金属マスク5として該マスクを構成する金属マスク15や樹脂層20の厚みが所望の厚みよりも厚いものを用いた場合には、製造工程中において、樹脂層付金属マスク5に優れた耐久性や搬送性を付与することができる。一方で、シャドウの発生等を防止するためには、本製造方法で得られる蒸着マスク100の厚みは最適な厚みであることが好ましい。スリミング工程は、製造工程中において耐久性や搬送性を満足させつつ、蒸着マスク100の厚みを最適化する場合に有用な工程である。
金属マスク15のスリミング、すなわち金属マスクの厚みの最適化は、上記で説明した工程間、或いは工程後に、金属マスク15の樹脂層20、或いは樹脂マスク25と接しない側の面を、金属マスク15をエッチング可能なエッチング材を用いてエッチングすることで実現可能である。
樹脂層20、樹脂マスク25のスリミング、すなわち、樹脂層20、樹脂マスク25の厚みの最適化についても同様であり、上記で説明した何れかの工程間、或いは工程後に樹脂層20、樹脂マスク25の金属マスク15と接しない側の面を、樹脂層20や樹脂マスク25の材料をエッチング可能なエッチング材を用いてエッチングすることで実現可能である。また、金属マスク15、樹脂マスク25の双方を、上記で説明した何れかの工程間、或いは工程後にエッチング加工することで、双方の厚みを最適化することもできる。
以上説明した本発明の製造方法によれば、金属マスク15のスリット16内に形成された貫通孔32によって樹脂層20のエッチング領域が規定されることから、金属マスク15のスリット16の開口寸法に依存せずに、高精度の開口部50を有する樹脂マスク25を備える蒸着マスク100を製造することができる。なお、スリット16の開口寸法よりも狭い開口寸法の貫通孔32を形成せずに、金属マスク15のスリットパターンをそのままエッチングマスクとして用いて樹脂層に開口部を形成した場合には、金属マスクの欠陥情報、例えばエッチング残渣などが樹脂層に形成される開口部に反映されてしまうが、本発明の製造方法では、高精細の貫通孔32を基準として樹脂層20に開口部50が形成されることからこれらの問題を解消することができる。
以上、本発明の製造方法について説明を行ったが、本発明の製造方法は上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。上記実施形態では、スリット16、開口部50が蒸着源方向に向かって広がりをもつ形状である場合を中心に説明したが、スリット16及び開口部50の断面形状が略平行となるように形成されていてもよい。また、エッチング加工にかえて、樹脂マスク25の開口部50をレーザー加工によって形成することもできる。
100・・・蒸着マスク
5・・・樹脂層付金属マスク
15・・・金属マスク
16・・・スリット
20・・・樹脂層
25・・・樹脂マスク
26・・・耐エッチング層
30・・・レジスト材
32・・・貫通孔
50・・・開口部

Claims (2)

  1. スリットが設けられた金属マスクと、前記金属マスクの表面に位置し、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクと、が積層されてなる蒸着マスクの製造方法であって、
    スリットが設けられた金属マスクの一方の面上に、該金属マスクのスリットを覆う樹脂層が設けられた樹脂層付金属マスクを準備する工程と、
    前記スリット内にレジスト材を充填する工程と、
    前記レジスト材が充填されたスリット内に、該スリットの開口寸法よりも狭い開口寸法を有する貫通孔を形成する工程と、
    前記樹脂層上に耐エッチング性を有する材料を含む耐エッチング層を形成する工程と、
    前記レジスト材及び前記耐エッチング層を耐エッチングマスクとして用いて、前記貫通孔側から前記樹脂層をエッチング加工し、エッチング終了後に前記レジスト材及び前記耐エッチング層を洗浄除去することで、蒸着作製するパターンに対応した開口部が縦横に複数列配置された樹脂マスクを形成する工程と、
    を備える蒸着マスクの製造方法。
  2. 前記貫通孔を形成する工程が、
    前記レジスト材が充填されたスリットにレーザーを照射することにより貫通孔を形成する工程であることを特徴とする請求項1に記載の蒸着マスクの製造方法。
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