JP2013170295A - 歯車の製造方法、歯車、減速機およびロボット - Google Patents

歯車の製造方法、歯車、減速機およびロボット Download PDF

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Abstract

【課題】寸法精度の高い歯車を容易に製造することが可能な歯車の製造方法を提供すること、寸法精度の高い歯車を提供すること、信頼性の高い減速機およびロボットを提供すること。
【解決手段】本発明の歯車の製造方法は、金属射出成形法を用いて、歯部と芯部とを備える歯車を製造する方法であって、歯部となるべき第1の部位と、芯部となるべき第2の部位とを2色射出成形し成形体を得る工程と、成形体を脱脂・焼結し、焼結体を得る工程と、焼結体に矯正加工を施す工程とを有し、第1の部位を構成する材料は、第1の金属粉末と第1のバインダーとを含み、第2の部位を構成する材料は、第2の金属粉末と第2のバインダーとを含み、第1の金属粉末の平均粒径は第2の金属粉末の平均粒径よりも大きく、第1の金属粉末の平均粒径は10μm以上50μm以下であり、第2の金属粉末の平均粒径は1μm以上10μm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、歯車の製造方法、歯車、減速機およびロボットに関するものである。
減速機等の機器に使用される歯車は、従来、圧粉焼結法で製造した成形体に温度制御しながら転造加工を行うことにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法では、歯部の材料密度を高めることが可能となるが、温度制御を行いながら転造するため工程が複雑で生産性が低下するといった問題があった。また、歯部以外の部分は、圧粉焼結品の特徴である低密度であるため機械的特性が低いといった問題があった。
また、金属射出成形法により歯車を製造する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、金属射出成形法では、焼結収縮が大きく寸法精度が確保できないという課題があった。金属射出成形法による焼結体に矯正加工を施すことも考えられるが、十分な精度で加工することが困難であった。
特開2001−131610号公報 特開平7−62407号公報
本発明の目的は、寸法精度の高い歯車を容易に製造することが可能な歯車の製造方法を提供すること、寸法精度の高い歯車を提供すること、信頼性の高い減速機およびロボットを提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の歯車の製造方法は、金属射出成形法を用いて、歯部と芯部とを備える歯車を製造する方法であって、
前記歯部となるべき第1の部位と、前記芯部となるべき第2の部位とを2色射出成形し、成形体を得る工程と、
前記成形体を脱脂・焼結し、焼結体を得る工程と、
前記焼結体に矯正加工を施す工程と、を有し、
前記第1の部位を構成する第1の材料は、第1の金属粉末と第1のバインダーとを含み、
前記第2の部位を構成する第2の材料は、第2の金属粉末と第2のバインダーとを含み、
前記第1の金属粉末の平均粒径は、前記第2の金属粉末の平均粒径よりも大きく、
前記第1の金属粉末の平均粒径は、10μm以上50μm以下であり、
前記第2の金属粉末の平均粒径は、1μm以上10μm以下であることを特徴とする。
これにより、寸法精度の高い歯車を容易に製造することが可能な歯車の製造方法を提供することができる。
本発明の歯車の製造方法では、前記歯部の相対密度は、85%以上95%以下であり、
前記芯部の相対密度は、95%以上であることが好ましい。
これにより、歯部の加工精度をより高いものとすることができるとともに、芯部は、より高い機械的特性を有するものとなる。
本発明の歯車の製造方法では、前記第1の金属粉末を構成する金属は、クロムモリブデン鋼、ダイス鋼、ハイス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、歯部の硬さをさらに高いものとすることができる。
本発明の歯車の製造方法では、前記第2の金属粉末を構成する金属は、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、析出硬化型ステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これにより、芯部は、さらに高い機械的特性を有するものとなる。
本発明の歯車の製造方法では、前記第1のバインダーおよび前記第2のバインダーは、ポリエチレンおよびポリスチレンを含むことが好ましい。
これにより、脱脂時のバインダーの除去を容易に行うことができるとともに、脱脂時の変形を防ぐことにより焼結体の寸法精度を向上させることができる。
本発明の歯車の製造方法では、前記第1の材料中に含まれる前記第1のバインダーの含有量は、8wt%以上10wt%以下であることが好ましい。
これにより、歯部の相対密度をより容易に調整することができるとともに、焼結時における、第1の部位と第2の部位の収縮率を容易に調整することができる。
本発明の歯車の製造方法では、前記第2の材料中に含まれる前記第2のバインダーの含有量は、6wt%以上8wt%以下であることが好ましい。
これにより、芯部の相対密度をより容易に調整することができるとともに、焼結時における、第1の部位と第2の部位の収縮率を容易に調整することができる。
本発明の歯車は、本発明の歯車の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、寸法精度の高い歯車を提供することができる。
本発明の減速機は、本発明の歯車を備えたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高い減速機を提供することができる。
本発明のロボットは、本発明の減速機を備えたことを特徴とする。
これにより、信頼性の高いロボットを提供することができる。
本発明の製造方法により製造された歯車の一例を示す平面図である。 減速機の外観を示す概略斜視図である。 図2の減速機の内部構造を示す概略分解斜視図である。 貫通ピンを含む部分の模式図的な概略断面図(a)、第1公転ギアと第2公転ギアとの矢視図(b)である。 ロボットハンドの構造を示す模式平面図(a)、ロボットの構造を示す模式平面図(b)である。
以下、本発明の歯車の製造方法、歯車、減速機およびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
《歯車および歯車の製造方法》
まず、歯車および歯車の製造方法について説明する。
図1は、本発明の製造方法により製造された歯車の一例を示す平面図である。
本実施形態の歯車の製造方法は、図1に示すような、歯部101と、芯部102とを備えた歯車100を製造する方法である。
具体的には、本実施形態の製造方法は、歯部101となるべき第1の部位と、芯部102となるべき第2の部位とを2色射出成形し、成形体を得る成形工程と、当該成形体を脱脂・焼結し、焼結体を得る焼結工程と、焼結体に矯正加工を施す矯正工程と、を有している。
以下、各工程について説明する。
[成形工程]
本工程では、歯部101となるべき第1の部位と、芯部102となるべき第2の部位とを2色射出成形により、歯車の形に成形する。これにより、第1の部位および第2の部位を有する成形体が得られる。
具体的には、まず、第1の部位を構成する第1の材料と、第2の部位を構成する第2の材料とを用意する。
第1の材料は、第1の金属粉末と第1のバインダーとを含み、第2の材料は、第2の金属粉末と第2のバインダーとを含んでいる。
これら第1の材料および第2の材料を用いて2色射出成形することで、成形体を成形する。
本発明の歯車の製造方法では、第1の金属粉末の平均粒子径が、第2の金属粉末の平均粒子径よりも大きく、かつ、第1の金属粉末の平均粒径が、10μm以上50μm以下であり、さらに、第2の金属粉末の平均粒径が、1μm以上10μm以下となるよう構成されている。
このような構成とすることにより、形成される歯部は、機械的強度を保持しつつ、相対密度が比較的低いものとなるため、塑性変形能が高いものとなる。その結果、容易に高精度の矯正加工を施すことができる。また、芯部は、相対密度が比較的高いものとなるため、高い機械的特性を有するものとなる。これにより、寸法精度の高い歯車を容易に製造することができる。
上述したように、第1の金属粉末の平均粒径は、10μm以上50μm以下であるが、15μm以上40μm以下であるのがより好ましい。これにより、歯部101の機械的強度を効果的に保持しつつ、歯部101の加工性をより高いものとすることができる。
第1の金属粉末を構成する金属としては、特に限定されないが、ダイス鋼、ハイス材、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これにより、歯部101の歯面の硬さをさらに高いものとすることができる。
第1の材料中における第1の金属粉末の含有量は、90wt%以上92wt%以下であるのが好ましく、90.5wt%以上91.5wt%以下であるのがより好ましい。これにより、歯部101の機械的強度を保持しつつ、歯部101の加工精度をより効果的に高いものとすることができる。
また、上述したように、第2の金属粉末の平均粒径は、1μm以上10μm以下であるが、3μm以上8μm以下であるのがより好ましい。これにより、芯部102の機械的特性をより優れたものとすることができる。
第2の金属粉末を構成する金属としては、特に限定されないが、低合金鋼、析出硬化型ステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種を用いるのが好ましい。これにより、芯部102の機械的特性をさらに優れたものとすることができる。
第2の材料中における第2の金属粉末の含有量は、92wt%以上94wt%以下であるのが好ましく、92.5wt%以上93.5wt%以下であるのがより好ましい。これにより、芯部102の機械的特性をより効果的に優れたものとすることができる。
なお、第1の金属粉末と第2の金属粉末とは、異なる金属を用いてもよい。これにより、歯部101の歯面硬さおよび芯部102の機械的特性をさらに優れたものとすることができる。
第1のバインダーおよび第2のバインダーは、第1の材料および第2の材料に成形性を付与する成分である。また、第1のバインダーおよび第2のバインダーは、主として樹脂で構成されており、後述する脱脂・焼結工程において、除去される成分である。
このような第1のバインダーおよび第2のバインダーを構成する樹脂としては、金属射出成形法において用いられる公知のバインダーを用いることができるが、これらの中でも、特に、ポリエチレンおよびポリスチレンを用いるのが好ましい。これにより、脱脂時のバインダーの除去を容易に行うことができるとともに、脱脂時の変形を防ぐことにより焼結体の寸法精度を向上させることができる。
なお、第1の材料中に含まれる第1のバインダーの量と、第2の材料中に含まれる第2のバインダーの量を調整することで、焼結時における、第1の部位と第2の部位の収縮率をより容易に調整することができる。その結果、製造時において、歯車に欠けやひび等が生じるのをより効果的に防止することができる。
第1の材料中に含まれる第1のバインダーの含有量は、8wt%以上10wt%以下であるのが好ましく、8.5wt%以上9.5wt%以下であるのがより好ましい。これにより、歯部の相対密度をより容易に調整することができる。その結果、製造時において、歯車に欠けやひび等が生じるのをより効果的に防止しつつ、歯部101の加工精度をより効果的に高いものとすることができる。
また、第2の材料中に含まれる第2のバインダーの含有量は、6wt%以上8wt%以下であるのが好ましく、6.5wt%以上7.5wt%以下であるのがより好ましい。これにより、芯部の相対密度をより容易に調整することができる。その結果、製造時において、歯車に欠けやひび等が生じるのをより効果的に防止しつつ、芯部102の機械的特性をより効果的に優れたものとすることができる。
なお、第1のバインダーおよび第2のバインダーには、上記樹脂の他、ワックスや可塑剤等が含まれていてもよい。
[脱脂・焼結工程]
次に、上記工程で得られた成形体を脱脂・焼結する。これにより、焼結体が得られる。
まず、得られた成形体を、減圧下、または、不活性ガス雰囲気下で脱脂する。脱脂の温度としては、バインダーの分解温度以上金属の溶融温度以下であれば、特に限定されないが、400℃以上600℃以下であるのが好ましい。これにより、より確実に脱脂することができる。
また、脱脂は、上記温度で0.5時間以上5時間以下程度行うのが好ましい。
次に、脱脂した成形体を、さらに、減圧下、または、不活性ガス雰囲気下で焼結し、金属粉末同士を結合させる。この際の焼結温度は、1100℃以上1400℃以下であるのが好ましい。これにより、歯車に欠けやひび等が生じるのをより効果的に防止しつつ、金属粉末同士を結合させることができる。
また、上記焼結は、上記焼結温度で1時間以上5時間以下程度行うのが好ましい。
[矯正工程]
次に、得られた焼結体に、矯正加工を施す。これにより、歯部101の寸法精度が向上し、信頼性の高い減速機(ロボット)を提供することが可能となる。
矯正加工としては、プレス、鍛造、転造等の加工が挙げられる。
以上により、歯車100が得られる。
歯車100の歯部101の相対密度は、85%以上95%以下であるのが好ましく、87%以上93%以下であるのがより好ましい。これにより、歯部101の加工精度をより高いものとすることができる。
また、歯車100の芯部102の相対密度は、95%以上であるのが好ましく、96%以上99%以下であるのがより好ましい。これにより、芯部102は、より高い機械的特性を有するものとなる。
《減速機》
次に、本発明の方法により製造した歯車を用いた減速機について説明する。
図2は、減速機の外観を示す概略斜視図、図3は、減速機1の内部構造を示す概略分解斜視図、図4(a)は、貫通ピン13を含む部分の模式図的な概略断面図、図4(b)は、図4(a)に示すA方向矢視の第1公転ギア7と第2公転ギア8との矢視図である。
図2に示すように、減速機1は、円柱状の本体部2を備えている。
本体部2の軸方向の一方には、第1回転軸3が設けられており、本体部2の軸方向の他方には第2回転軸4が設けられている。
第1回転軸3および第2回転軸4は、同じ中心軸5を中心として回動する。そして、本体部2の軸も中心軸5と同一線上に配置されている。本体部2を固定した状態で第1回転軸3を回動させると、その回動が本体部2内の機構によって減速されて第2回転軸4から出力される。つまり、第1回転軸3が高速回転する入力軸であり、第2回転軸4が低速回転する出力軸となっている。
また、図3に示すように、減速機1は、本体部2の外周を構成する円筒形のリングギア6を備えている。したがって、リングギア6の内部は空洞部6cとなっている。リングギア6の内周には複数のギア歯6aが形成されている。
また、リングギア6の内側には、公転ギアとしての第1公転ギア(本発明の方法により製造した歯車)7と第2公転ギア(本発明の方法により製造した歯車)8とが設置されている。
第1公転ギア7および第2公転ギア8の外周は、リングギア6の内周よりも少し小さくなっている。第1公転ギア7の外周には複数のギア歯7aが配置され、第2公転ギア8の外周には複数のギア歯8aが配置されている。
ギア歯7aの歯数とギア歯8aの歯数とは同じ数となっている。また、ギア歯7aの歯数とギア歯8aの歯数は、ギア歯6aの歯数より少ない数となっている。そして、ギア歯7aおよびギア歯8aがギア歯6aと噛み合うように第1公転ギア7および第2公転ギア8は、リングギア6に配置されている。
第1公転ギア7の中央には、軸孔7bが設けられており、第2公転ギア8の中央には、軸孔8bが設けられている。
軸孔7bには、第1ベアリング9が設置され、軸孔8bには、第2ベアリング10が設置されている。第1回転軸3には、円形カムとしての第1偏心カム11および第2偏心カム12が設置されている。
第1偏心カム11および第2偏心カム12の外形は、円形であり、外形の中心は、中心軸5に対して偏心して配置されている。
中心軸5に対する偏心量は、第1偏心カム11および第2偏心カム12共に同じ量となっている。そして、第1偏心カム11の中心と中心軸5と第2偏心カム12の中心とがなす角度を偏心角とするとき、偏心角は180度となっている。つまり、第1偏心カム11の中心と中心軸5と第2偏心カム12の中心とは同一直線上に配置されている。
第1公転ギア7には、第1公転ギア7の中央を中心とする同心円上の4か所に第1貫通孔7cが設けられている。
各第1貫通孔7cには、第1公転ギア7の自転の動きを取り出すための貫通ピン13が挿入され、第1公転ギア7の回動によって第1貫通孔7cに挿入された貫通ピン13が押圧され、貫通ピン13が移動させられる。同様に、第2公転ギア8には、第2公転ギア8の中央を中心とする同心円上の4か所に第2貫通孔8cが設けられている。
各第2貫通孔8cには、第2公転ギア8の自転の動きを取り出すための貫通ピン13が挿入され、第2公転ギア8の回動によって第2貫通孔8cに挿入された貫通ピン13が押圧され、移動させられる。
本体部2の第1回転軸3側に配置される円板状の第1蓋体16には、各貫通ピン13が取り付けられる第1連結孔16aを有し、第1連結孔16aの内周壁には、形状が略円筒形であって弾性を有する弾性部としての第1弾性部14が嵌め込まれ、第1弾性部14の内周壁が貫通ピン13に接触するように設置されている。
第1公転ギア7および第2公転ギア8の回動によって、第1公転ギア7および第2公転ギア8に固定された貫通ピン13は移動させられ、第1弾性部14を介して第1蓋体16の第1連結孔16aを押圧し、第1蓋体16を回動させる。
本体部2の第2回転軸4側に配置される円板状の第2蓋体18には、各貫通ピン13が取り付けられる第2連結孔18aを有し、第2連結孔18aの内周壁には、形状が略円筒形であって弾性を有する弾性部としての第2弾性部15が嵌め込まれ、第2弾性部15の内周壁が貫通ピン13に接触するように設置されている。
第1公転ギア7および第2公転ギア8の回動によって、第1公転ギア7および第2公転ギア8に固定された貫通ピン13は移動させられ、第2弾性部15を介して第2蓋体18の第2連結孔18aを押圧し、第2蓋体18を回動させる。また第2蓋体18には、第2回転軸4が図示しない固着手段によって固着され、第2蓋体18の回動が第2回転軸4の回転として出力される。
このように貫通ピン13を介して第1蓋体16と第2蓋体18は、第1回転軸3側と第2回転軸4側とで連結される。
図4(a)に示すように、第1蓋体16と第2蓋体18とは中心軸5の軸方向で所定の隙間をもってリングギア6を挟んで配置され、貫通ピン13の第2蓋体18側に設けた貫通ピンねじ部13aにナット17をねじ込むことで、第1蓋体16と第2蓋体18とは、第1蓋体16の第1連結孔16aに装着された第1弾性部14と第2蓋体18の第2連結孔18aに装着された第2弾性部15とを介して連結される。これにより、第1蓋体16および第2蓋体18はリングギア6に対して回動可能になっている。
第1蓋体16の中央には、中心孔16bが形成され、第1回転軸3は、中心孔16bに挿入されている。そして、第1回転軸3において第1偏心カム11および第2偏心カム12が設置された一端は第1ベアリング9および第2ベアリング10と連結される。
第1回転軸3の他端は、本体部2の外に突出して設置される。第2蓋体18の中央には、第2回転軸4が図示しない固定手段によって固定され、第2蓋体18の回転トルクが第2回転軸4の回転トルクとして出力される。
また、図4(b)に示すように、第1公転ギア7および第2公転ギア8は上述した通りリングギア6のギア歯6aのピッチ径p6の中心、すなわち中心軸5に対して、軸孔7b,8bにベアリング9,10を介して嵌合される偏心カム11,12によって、偏心量22を有して、偏心させて配置される。
このように配置された第1公転ギア7と第2公転ギア8とを貫通する貫通ピン13は、第1公転ギア7の第1貫通孔7cと第2公転ギア8の第2貫通孔8cとを貫通するように装着され、更に偏心して配置される公転ギア7,8の貫通孔7c,8cの双方の内周壁と貫通ピン13の外形面が接するように貫通ピン13が形成される。このように構成することによって、公転ギア7,8の自転を貫通孔7c,8cが貫通ピン13を付勢することで貫通ピン13を移動させ、貫通ピン13が連結される蓋体16,18が回動し、第2蓋体18に固定された第2回転軸4より回転トルクが出力される。
《ロボット》
次に、上述したような減速機を備えたロボットについて説明する。
図5(a)は、ロボットハンドの構造を示す模式平面図、図5(b)は、ロボットの構造を示す模式平面図である。
図5(a)に示すように、ロボットハンド33は、ハンド本体部34を備えている。
そして、ハンド本体部34には2本の向かい合う指部35が設置されている。指部35は3つの関節部36と3つの可動部37とが交互に接続して配置されている。
関節部36にはモーターと減速機1が配置されている。減速機1はモーターの出力を減速する。これにより、モーターが出力するトルクを高くする。
そして、高トルクの出力を用いて可動部37を動作させている。ロボットハンド33は制御装置38を備えている。
そして、制御装置38は、モーターを駆動させて関節部36を回動させる。これにより、可動部37を人間の指のように所望の形態に変形させることが可能になっている。
また、図5(b)に示すように、ロボット39は、ロボット本体部40を備えている。
ロボット本体部40には、2つの腕部41が設置されている。そして、腕部41は、3つの関節部43と2つの可動部42とが交互に接続して配置されている。そして、腕部41の一端は、ロボット本体部40に設置され、他端にはロボットハンド33が設置されている。
関節部43には、モーターと減速機1が配置されている。
減速機1はモーターの出力を減速する。これにより、モーターが出力するトルクを高くする。そして、高トルクの出力を用いて可動部42を動作させている。ロボット39は制御装置38を備えている。そして、制御装置38はモーターを駆動させて関節部43を回動させる。これにより、腕部41を人間の腕のように所望の形態に変形させることが可能になっている。
以上、本発明の歯車の製造方法、歯車、減速機およびロボットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、本発明の歯車の製造方法は、任意の工程を追加してもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[1]歯車の製造
(実施例1)
1.原料製造
第1の材料として、第1の金属粉末(クロムモリブデン鋼(SCM415):平均粒径25μm):100重量部と、第1のバインダー(ポリエチレン:28wt%、ポリスチレン:32wt%、パラフィンワックス:25wt%、フタル酸ジブチル:15wt%):10重量部とを用意した。
次に、これらを混合後、温度100℃、時間60分混練機にて混練する。得られた混練物をペレット状にした。
一方、第2の材料として、第2の金属粉末(クロムモリブデン鋼(SCM415):平均粒径5μm):100重量部と、第2のバインダー(ポリエチレン:24wt%、ポリスチレン:28wt%、パラフィンワックス:31wt%、フタル酸ジブチル:17wt%)8重量部とを用意した。
次に、これらを混合後、温度100℃、時間60分混練機にて混練する。得られた混練物をペレット状にした。
2.射出成形
上記第1の材料で第1の部位および上記第2の材料で第2の部位を2色射出成形により歯車の形状に成形し、成形体を得た。
3.脱脂・焼結
得られた成形体を脱脂炉に装入した。
窒素雰囲気にて徐々に昇温しながら、最高温度500℃、1時間保持して成形体中のバインダー成分を脱脂した。
次に、この脱脂体を焼結炉に装入した。
真空下にて徐々に昇温しながら、最高温度1200℃、3時間保持して脱脂体を焼結した。
得られた焼結体は、芯部密度の相対密度が98%、歯部密度の相対密度が90%であった。また、芯部と歯部の境は、十分に接合されたものであった。
4.転造
得られた焼結体の歯部を、転造加工により圧密化および寸法矯正を行った。
その後、浸炭焼入れ・焼戻しの熱処理を施すことにより、歯車を得た。
(実施例2〜16)
表1に示す原料および製造条件に変更した以外は、前記実施例1と同様にして歯車を製造した。
(比較例)
第2の材料のみを用いて、金属射出成形法にて一体的に歯車を形成した以外は、前記実施例1と同様にして歯車を製造した。
各実施例および比較例の原材料、製造条件等を表1に示した。
なお、表中、クロムモリブデン鋼を「SCM415」、ニッケルクロムモリブデン鋼を「SNCM439」、ハイス鋼を「SKH51」、ダイス鋼を「SKD11」、析出硬化型ステンレス鋼を「SUS630」、マルテンサイト系ステンレス鋼を「SUS420J2」と示した。また、第1のバインダーを「B」、第2のバインダーを「A」と示した。また、バインダーの金属粉末100重量部に対する添加量を単に「バインダー量」と示した。
[2]評価
1.寸法精度の評価
歯車測定装置(大阪精密機械株式会社製)を用い、歯形誤差曲線、歯すじ誤差曲線を計測することにより、焼結体の歯車精度、転造後の歯車精度を評価した。
2.歯部の硬さの評価
実施例3、4、7以外の実施例については、JIS Z 2245「ロックウェル硬さ試験方法」に従って歯部の硬さを評価した。実施例3、4、7については、JIS Z 2244「ビッカース硬さ試験方法」に従いビッカース硬さを測定し、その値をロックウェル硬さに換算した。
これらの結果を表1に合わせて示した。
Figure 2013170295
表1からも解るように、本発明の製造方法で製造した歯車は、寸法精度に優れるとともに、機械的強度にも優れていた。これに対して、比較例では、焼結上がりでの変形を転造にて矯正しきれず、寸法精度が悪かった。これは、歯部の焼結密度が高く、転造時の抵抗が大きくなり十分に矯正することができず、結果として寸法精度を上げることができないためである。
100…歯車 101…歯部 102…芯部 1…減速機 10…第2ベアリング 11…第1偏心カム 12…第2偏心カム 13…貫通ピン 13a…貫通ピンねじ部 14…第1弾性部 15…第2弾性部 16…第1蓋体 16a…第1連結孔 16b…中心孔 17…ナット 18…第2蓋体 18a…第2連結孔 2…本体部 22…偏心量 3…第1回転軸 4…第2回転軸 5…中心軸 6…リングギア 6a…ギア歯 6c…空洞部 7…第1公転ギア 7a…ギア歯 7b…軸孔 7c…第1貫通孔 8…第2公転ギア 8a…ギア歯 8b…軸孔 8c…第2貫通孔 9…第1ベアリング 33…ロボットハンド 34…ハンド本体部 35…指部 36…関節部 37…可動部 38…制御装置 39…ロボット 40…ロボット本体部 41…腕部 42…可動部 43…関節部

Claims (10)

  1. 金属射出成形法を用いて、歯部と芯部とを備える歯車を製造する方法であって、
    前記歯部となるべき第1の部位と、前記芯部となるべき第2の部位とを2色射出成形し、成形体を得る工程と、
    前記成形体を脱脂・焼結し、焼結体を得る工程と、
    前記焼結体に矯正加工を施す工程と、を有し、
    前記第1の部位を構成する第1の材料は、第1の金属粉末と第1のバインダーとを含み、
    前記第2の部位を構成する第2の材料は、第2の金属粉末と第2のバインダーとを含み、
    前記第1の金属粉末の平均粒径は、前記第2の金属粉末の平均粒径よりも大きく、
    前記第1の金属粉末の平均粒径は、10μm以上50μm以下であり、
    前記第2の金属粉末の平均粒径は、1μm以上10μm以下であることを特徴とする歯車の製造方法。
  2. 前記歯部の相対密度は、85%以上95%以下であり、
    前記芯部の相対密度は、95%以上である請求項1に記載の歯車の製造方法。
  3. 前記第1の金属粉末を構成する金属は、クロムモリブデン鋼、ダイス鋼、ハイス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の歯車の製造方法。
  4. 前記第2の金属粉末を構成する金属は、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロムモリブデン鋼、析出硬化型ステンレス鋼からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
  5. 前記第1のバインダーおよび前記第2のバインダーは、ポリエチレンおよびポリスチレンを含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
  6. 前記第1の材料中に含まれる前記第1のバインダーの含有量は、8wt%以上10wt%以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
  7. 前記第2の材料中に含まれる前記第2のバインダーの含有量は、6wt%以上8wt%以下である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の歯車の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の歯車の製造方法により製造されたことを特徴とする歯車。
  9. 請求項8に記載の歯車を備えたことを特徴とする減速機。
  10. 請求項9に記載の減速機を備えたことを特徴とするロボット。
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